JP2002203503A - 荷電粒子ビームを制御するための磁気分離レンズ - Google Patents

荷電粒子ビームを制御するための磁気分離レンズ

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JP2002203503A JP2001280469A JP2001280469A JP2002203503A JP 2002203503 A JP2002203503 A JP 2002203503A JP 2001280469 A JP2001280469 A JP 2001280469A JP 2001280469 A JP2001280469 A JP 2001280469A JP 2002203503 A JP2002203503 A JP 2002203503A
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wound
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁束の比較的迅速な調整を可能とし得るよう
な磁気レンズの提供。 【解決手段】 荷電粒子ビームを制御するための磁気レ
ンズであって、磁気レンズの中の巻線コイル68が、ボ
ビン構成体69と;ボビン構成体上に巻回された一次巻
線65と;ボビン構成体上に巻回された二次巻線67
と;を具備してなり、二次巻線のアンペアターン数が、
一次巻線のアンペアターン数よりも小さいものとされて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば試料の特性
を決定し得るよう当該試料上の微小スポットに向けて装
置から放出される荷電粒子ビームといったような荷電粒
子ビームを制御するための磁気レンズに関するものであ
る。特に、磁束の調整を迅速に行うことができて解像度
を改良し得るような巻回コイル構成に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】試料に向けて放出される荷電粒子ビーム
を制御するための磁気レンズを使用することは、様々な
装置において公知であり、試料から放出される荷電粒子
との相互作用を求めて、当該試料の特性を決定すること
は、公知である。そのような装置の例としては、電子顕
微鏡や焦点イオンビーム顕微鏡がある。他の装置におい
ても、磁気レンズを使用することによって、試料に向け
て荷電粒子を導くことができる。このような例として
は、例えば、リソグラフィー装置がある。
【0003】本発明の理解を容易とするために、走査型
電子顕微鏡(“SEM”)について説明する。しかしなが
ら、本発明は、SEMに限定されるものではなく、荷電
粒子の焦点ビームを必要とするような、当業者には公知
の他の装置や機械にも適用できることは、理解されるで
あろう。
【0004】SEMは、一次走査電子ビームを発生させ
て、この一次走査電子ビームを、表面を撮影すべき試料
に対して衝突させることによって、動作する。その結
果、後方散乱電子および二次電子が、試料表面から放出
され、これら後方散乱電子および二次電子が、試料表面
の近傍に配置された検出器によって収集される。検出器
は、電子ビームに曝された試料表面から収集された放出
電子からの信号を生成する。検出器からの信号は、様々
な周知の電子機器に対する入力として使用され、これに
より、映像スクリーン上に試料表面の像を表示するため
に使用するための信号が出力される。
【0005】SEMの典型的な構成における主要構成要
素が、図1に概略的に図示されている。電子銃(2)
は、電子ビーム(3)を生成する。電子ビーム(3)
は、チューブ(4)の両端において互いに位置合わせさ
れた開口を挿通して、試料(5)に向けて導かれる。検
出器(6)は、試料(5)から放出された電子を収集す
る。電子ビーム(3)は、検出器(6)に形成されてい
る開口(8)を挿通する。電子ビーム(3)は、無非点
収差コイル(7)と、軸合わせコイル(9)と、走査コ
イル(11a,11b)と、レンズ(13)と、によっ
て制御される。これら各構成要素の機能は、周知であ
る。概観すれば、無非点収差コイル(7)は、電子ビー
ムの形状を修正するために使用される。軸合わせコイル
(9)は、チューブ(4)を通過する電子ビームの軸合
わせを行うために使用される。走査コイル(11a,1
1b)は、電子ビームの走行方向に対して垂直な平面内
において例えばx方向とy方向といったように2次元的
に電子ビーム(3)を偏向させる。SEMには、ここで
説明した構成要素以外にも、いくつもの構成要素を備え
ることができる。また、様々な構成要素の配置は、図1
に図示したようにする必要はない。図1は、あくまでも
例示することを目的とした図示である。
【0006】レンズ(13)は、電磁レンズであって、
高解像度撮影を可能とし得るよう微小スポットへと電子
ビーム(3)を焦点合わせするために設けられている。
このようなレンズは、通常、対物レンズと称されてい
る。図1における対物レンズ(13)の例示において
は、レンズ内側極(15)とレンズ外側極(17)とを
有したドーナツ型のチャネル形状の磁極部材(14)
と、チャネル内に巻回された巻線(19)と、を備えて
いる。
【0007】図2は、特定のタイプの対物レンズ(3
0)を示す断面図である。以下の説明が本発明をそのよ
うなレンズの使用のみに限定するものではないけれど
も、以下の本発明に関する詳細な説明は、このタイプの
レンズ(30)と対照したものである。
【0008】主要には、レンズ(30)は、ドーナツ型
のチャネル形状の磁極(40)を備えている。磁極(4
0)は、内側ヨーク(42)と、外側ヨーク(44)
と、チャネル内に巻回された巻線(46)と、を有して
いる。内側ヨーク(42)と外側ヨーク(44)とに
は、試料(5)に向けて突出する極(50,60)が設
けられている。これら極(50,60)は、電子ビーム
が試料に対して衝突する際に非常に微小なスポットへと
電子ビーム(3)を焦点合わせさせる磁束パターンを形
成するように、機能する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】対物レンズ(30)
は、校正やレンズに関する他の様々な操作を行うために
磁束を調整することが要求されたときには電子ビーム
(3)を焦点合わせするに際して有効であるけれども、
操作に関しての時定数が長すぎるという欠点がある。ま
た、比較的微細な調整が要求された場合には、調整解像
度が十分なものではない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの目的は、
磁束の比較的迅速な調整を可能とし得るような、磁気レ
ンズのための巻線構成を提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、改良された解像度で
もって磁束の調整を行い得るような巻線構成を提供する
ことである。
【0012】上記の目的および他の目的は、荷電粒子ビ
ームを制御するための磁気レンズのための巻線コイルに
関してなされた本発明の一見地によって、得られる。巻
線コイルは、ボビン構成体と、このボビン構成体上に巻
回され、所定のアンペアターンとされた、一次巻線と、
ボビン構成体上に巻回され、所定のアンペアターンとさ
れた、二次巻線と、を具備している。二次巻線のアンペ
アターン数は、前記一次巻線のアンペアターン数よりも
実質的に小さいものとされている。
【0013】
【発明の実施の形態】図3は、本発明に基づいて、図2
における巻線(46)が一次巻線(65)と二次巻線
(67)とに分割された様子を示している。極(50,
60)のところにおける所望磁束の生成という観点にお
いては、両巻線(65,67)による各効果の合計は、
単独巻線(46)の効果と同じである。よって、電子ビ
ーム(3)を焦点合わせすることに関しての対物レンズ
(30)の有効性は、影響を受けることがなく同じであ
る。しかしながら、後述するように、本発明による巻線
構成によれば、様々な利点が得られる。
【0014】図4は、両巻線(65,67)がボビン構
成体(69)上に巻回されてなる巻線コイル(68)を
示している。ボビン構成体(69)は、両巻線(65,
67)が巻回される単独のボビンとすることも、あるい
は、各巻線がそれぞれ巻回される個別のボビンから構成
することも、できる。表現の簡略化のため、ここでは、
双方の構成を総称して、単に『ボビン』と称することに
する。ボビン(69)の詳細は、図5および図6より明
らかである。ボビンは、中央孔(70)が貫通形成され
ているスプール(71)と、上フランジ(73)と、下
フランジ(75)と、中間フランジ(77)と、を備え
ている。ボビン(69)は、陽極酸化されたアルミニウ
ムから形成されている。一次巻線(65)は、フランジ
(73,77)間に巻回されており、二次巻線(67)
は、フランジ(77,75)間に巻回されている。フラ
ンジ(73,77)間の間隔は、フランジ(77,7
5)間の間隔よりも、かなり大きいものとされている。
それは、後述するように、一次巻線の巻数が、二次巻線
の巻数よりも、実質的に多いからである。
【0015】ボビン(69)には、上フランジ(73)
内の開口(81)からフランジ(77,75)間のスペ
ースにまで延在する、ノッチ(79)が設けられてい
る。ボビン上にコイル(65,67)を巻回するため
に、二次巻線は、巻開始ワイヤ(82)を、フランジ
(75,77)間のスペースからノッチ(79)を挿通
させて開口(81)にまで導くことにより、巻回開始さ
れている。二次巻線(67)は、その後、25層構成
(85)を有するように巻回される(図7参照、径方向
に25層)。各層は、フランジ(75,77)間のスペ
ースにおいては、図7における時計回りに、9ターン構
成(86)(図6参照、軸方向に9層)を有している。
二次巻線(67)の巻終了ワイヤ(84)は、巻回終了
後の一次巻線(65)の外側に配置されている。
【0016】一次巻線(65)の巻開始ワイヤ(88)
は、開口(81)を挿通して配置されており、その後、
フランジ(73,77)間のスペースにおいて、各層が
89ターン構成(軸方向に89層)からなる25層構成
(径方向に25層)に、図7における時計回りに、巻回
される。一次巻線(65)の巻終了ワイヤ(90)は、
二次巻線の巻終了ワイヤ(84)と並行して、巻回終了
後の一次巻線(65)の外側に配置されている。このた
め、双方の巻終了ワイヤ(84,90)は、上フランジ
(73)のフラット部(92)において終端している。
複数のピン(92,94)が上フランジ(73)の上面
に対して取り付けられており、ワイヤ(82,84,8
8,90)の端部に対してのターミナル接続のために使
用されている。このようなターミナル接続の詳細は、当
業者には自明であるので、これ以上の説明は不要であろ
う。
【0017】ボビンは、磁極(40)のチャネル内に適
合するサイズとされており、当業者には自明な態様で、
所定位置に固定されている。
【0018】2つの巻線(65,67)のターン数の比
は、89対9であり、ほぼ10対1である。換言すれ
ば、双方の巻線が同じ層数を有している場合には、二次
巻線(67)のターン数は、一次巻線(65)のターン
数の10%である。この比率は、調整速度と解像度との
観点から有効であるように、1%〜20%の範囲とする
ことができる。
【0019】本発明に基づいて構成された上記巻線構成
は、いくつもの有益な利点を有している。まず第1に、
二次巻線を流れる電流を変更することだけによって磁束
の調整を行うことにより、磁気レンズの調整速度を、よ
り速いものとすることができる。二次巻線の時定数は、
一次巻線の時定数よりもかなり小さい。第2に、電流調
整がデジタル式コントローラによって調整される場合に
は、有限数の互いに離散した設定値が使用される。例示
するならば、離散設定値の数は、100である。従来技
術においては、巻線(19)によって1000ガウスと
いう磁束が生成される。これに対して、本発明において
は、二次巻線は、100ガウスという磁束を生成する
(巻線(19)の10%のアンペアターンを有している
ことによる)。よって、従来技術においては、巻線(1
9)に関しての1つの設定値あたりの解像度は、10ガ
ウス/設定値となる。これに対して、本発明において
は、二次巻線(67)に関しての1つの設定値あたりの
解像度は、1ガウス/設定値となる。
【0020】上記においては本発明の好ましい実施形態
について説明したけれども、上記実施形態に対して様々
な修正を加え得ることは、当業者には明らかであろう。
本発明における重要ポイントが、ボビン上に、実質的に
互いに異なるアンペアターンの2つの巻線を設けること
であることは、理解されるであろう。アンペアターンの
変更方法は、様々な態様が公知である。1つの格別の態
様について、上述した。特に、巻線の(径方向の)層数
を同じとして、ターン数を異なるものとした。しかしな
がら、同じ結果は、巻線の層数を変更することによって
も得ることができる。加えて、巻線を流れる電流を相違
させることができる。当然のことながら、これら3つの
手法を組み合わせることもできる。他のタイプの可能な
変形は、両巻線の相対配置方法である。上記説明におい
ては、スプール上において、一次巻線を二次巻線よりも
軸方向上方に配置している。しかしながら、逆の相対位
置関係とすることもできる。また、一方の巻線を、他方
の巻線の径方向外側に巻回することもできる。他のタイ
プの可能な変形は、本発明を対物レンズ以外のレンズに
対して応用することである。本発明は、調整を遅くして
しまうような大きな時定数を有した任意の磁気レンズに
対して適用することができる。これらすべての変形例お
よび他の変形例は、請求範囲によって規定される本発明
の範囲内に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術によるSEMを示す断面図である。
【図2】 従来技術による、SEMのための対物レンズ
を示す断面図である。
【図3】 本発明による巻線構成を備えた、SEMのた
めの対物レンズを示す断面図である。
【図4】 本発明に基づいて構成された巻線コイルを示
す斜視図である。
【図5】 図4の巻線コイルのためのボビンを示す斜視
図である。
【図6】 図5のボビンの正面図である。
【図7】 図4の巻線コイルの平面図である。
【符号の説明】
3 電子ビーム(荷電粒子ビーム) 30 対物レンズ(磁気レンズ) 65 一次巻線 67 二次巻線 68 巻線コイル 69 ボビン構成体 71 スプール 73 上フランジ(第2フランジ) 75 下フランジ(第3フランジ) 77 中間フランジ(第1フランジ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アラン・ジェイ・ルビン アメリカ合衆国・01742・マサチューセッ ツ・コンコード・ウィンスロップ・ストリ ート・45・シー/オー・シュラムバーガ ー・ヴェリフィケーション・システムズ Fターム(参考) 5C033 DD09 DD10 DE06 DE07 5F056 EA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームを制御するための磁気レ
    ンズであって、 磁気レンズの中の巻線コイルが、 ボビン構成体と;該ボビン構成体上に巻回され、所定の
    アンペアターンとされた、一次巻線と;前記ボビン構成
    体上に巻回され、所定のアンペアターンとされた、二次
    巻線と;を具備してなり、 前記二次巻線のアンペアターン数が、前記一次巻線のア
    ンペアターン数よりも小さいものとされていることを特
    徴とする磁気レンズ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気レンズにおいて、 前記二次巻線のアンペアターン数が、前記一次巻線のア
    ンペアターン数の1%〜20%の範囲とされていること
    を特徴とする磁気レンズ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の磁気レンズにおいて、 前記二次巻線のアンペアターン数が、前記一次巻線のア
    ンペアターン数の5%〜10%の範囲とされていること
    を特徴とする磁気レンズ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の磁気レンズにおいて、 前記ボビン構成体が、スプールを備え、 前記一次巻線および前記二次巻線が、前記スプール上の
    互いに異なる軸方向位置において互いに離間されて巻回
    されていることを特徴とする磁気レンズ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の磁気レンズにおいて、 前記ボビン構成体が、前記スプールから延在するととも
    に前記一次巻線と前記二次巻線との間に介在する第1フ
    ランジを有していることを特徴とする磁気レンズ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の磁気レンズにおいて、 前記ボビン構成体が、前記スプールから延在する第2フ
    ランジを有し、 前記一次巻線が、前記第1フランジと前記第2フランジ
    との間に配置されていることを特徴とする磁気レンズ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の磁気レンズにおいて、 前記ボビン構成体が、前記スプールから延在する第3フ
    ランジを有し、 前記二次巻線が、前記第2フランジと前記第3フランジ
    との間に配置されていることを特徴とする磁気レンズ。
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