JP2002202232A - 脆性チューブの検査装置及び脆性チューブの検査方法 - Google Patents

脆性チューブの検査装置及び脆性チューブの検査方法

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JP2002202232A
JP2002202232A JP2000403510A JP2000403510A JP2002202232A JP 2002202232 A JP2002202232 A JP 2002202232A JP 2000403510 A JP2000403510 A JP 2000403510A JP 2000403510 A JP2000403510 A JP 2000403510A JP 2002202232 A JP2002202232 A JP 2002202232A
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pressure
brittle
brittle tube
tube
inspection
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JP2000403510A
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English (en)
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Masaaki Shimizu
正明 清水
Hachiro Ueda
八郎 上田
Koji Sasazu
浩司 笹津
Yasushi Maeno
裕史 前野
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Electric Power Development Co Ltd
AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
Electric Power Development Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脆性チューブの内壁面に均一に圧力を付加す
ることができ、センサの取り付け位置に左右されること
なく高い信頼性を有して検査を行うことができると共
に、脆性チューブにダメージを与えることなく効率的に
耐用性等の検査を行うことのできる脆性チューブの検査
装置及び検査方法を提供する。 【解決手段】 脆性チューブの検査装置の圧力付加体
が、保持部材3と、保持部材3の外側面に覆設され両端
部が封着された弾性膜スリーブ2と、保持部材3の下部
壁側を貫通して形成され加圧媒体となる液体を注入する
注液ライン7に接続する注液孔部7aと、保持部材3の
上部壁側を貫通して形成され前記間隙内の空気を排出す
るエア抜きライン8に接続されるエア抜孔部8aと、保
持部材3の下部壁側を貫通して形成され前記間隙内の液
体を排出するドレン抜きライン9に接続されるドレン抜
孔部9aと、保持部材3の上下側にそれぞれ設けられた
上部、下部取り付け金具11a、11bとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温ガス脱塵浄化
装置等に用いられるセラミックチューブフィルタや円筒
状に形成されたセラミック等の脆性チューブの検査装置
及び実機に設置された脆性チューブに特に好適な脆性チ
ューブの検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】加圧流動床ボイラー等の燃焼装置から発
生する高温の含塵ガス中の灰を除去する装置として、機
械的に破損しやすい脆性チューブの一例であるチューブ
状のセラミックフィルタを利用した脱塵浄化装置が使用
されている。以下、この脱塵浄化装置について、図面を
用いて説明する。図6は、脱塵浄化装置の要部断面模式
図である。図6において、40は火力発電所やゴミ焼却
場、セメント工場等の燃焼装置の高温の含塵ガスが供給
される脱塵浄化装置、41は脱塵浄化装置40の内部に
多段に立設され支持板41aで支持された通気性を有す
る多孔質セラミックからなるチューブ状に形成されたセ
ラミックチューブフィルタ(脆性チューブ、以下CTF
という)、42は逆洗用の圧縮空気が貯蔵される圧縮空
気タンク、43は圧縮空気タンク42から供給される圧
縮空気をCTF41に吹きつけるための逆洗ノズル、4
4は逆洗ノズル43から噴出する圧縮空気によりCTF
41から払い落とされたダストを集積するためのホッパ
ーである。脱塵浄化装置40は、通気性を有するチュー
ブ状のCTF41の内側に含塵ガスを送入し、フィルタ
の濾壁を通過させて、外側から清浄ガスを取り出してい
る。また、含塵ガス中のダストがフィルタの内側の濾壁
に堆積して通気圧損が過度に大きくならないように、圧
縮空気タンク42から圧縮空気を間欠的に流してCTF
41の濾壁に堆積したダストをホッパー44に払い落と
して、フィルタの目詰まりを防止している。
【0003】このように、脱塵浄化装置40中のCTF
41には、含塵ガスの通過による応力や、逆洗用の圧縮
空気による機械的応力、並びに支持板41aによる冷却
や高温の含塵ガスの加熱による熱応力が繰り返し印加さ
れているので、脆性材料であるセラミックスの強度劣化
による遅れ破壊や疲労によるクラックやクレージング等
の破壊を生じる。脱塵浄化装置中には縦横に多くのCT
Fが取り付けられており、そのうち一本でも破損したり
劣化したりすると、ダストを多く含んだガスが清浄ガス
のラインに混入してガスタービン等の精密で機械的損傷
を受けやすい装置を破損させ、発電プラント、焼却シス
テム、キルン等の大きな装置全体が止まることにもな
る。従って、発電プラント等の装置を安定的に運転する
ためには、脱塵浄化装置中のCTFが所定の強度を有
し、大きな強度劣化が生じていないことを破壊事故が起
こる前に検知する必要がある。このことから、装置の休
止時には、脱塵浄化装置40中のCTF41の劣化状況
を点検するために、脱塵室内のフィルタ内面をCCDカ
メラにより点検するような作業が行われている。しか
し、CTFに用いられるセラミックスは多孔質であり、
また、内壁面には灰が付着しているので、強度劣化に伴
うマイクロクラックのような極微小の表面欠陥を検出す
ることはできない。また、CTFが多孔質であるため、
内部に存在する孔と内部欠陥を区別することが困難で鉄
などの緻密質材料の検査に用いられる超音波探傷検査、
浸透探傷検査並びに打音検査などの検査法が適用できな
い。
【0004】この問題を解決するために、多孔質のセラ
ミックチューブフィルタ(CTF)等のような脆性材料
からなる脆性チューブの検査装置及び検査方法につい
て、種々検討され以下に示すようなものが開示されてい
る。 (1)特開平8−94592号公報(以下イ号公報とい
う)には、脆性チューブの中に配置され、内部に加圧用
流体が導入される伸縮自在な袋体の膨張により脆性チュ
ーブに引っ張り応力を繰り返し印加して、応力の印加毎
に脆性チューブから発生するアコースティックエミッシ
ョンの発生頻度の変化を測定する検査装置が開示されて
いる。 (2)特開平8−210956号公報(以下ロ号公報と
いう)には、脆性チューブの中空部に配置され内部に加
圧用流体が導入される伸縮自在な袋体の膨張により脆性
チューブに引っ張り応力を瞬間的に複数回加えると共
に、そのピーク値を順次減少させることにより、脆性チ
ューブの破壊を判定して不良品を除去する検査方法が開
示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の脆性チューブの検査装置及び検査方法は、以下のよ
うな課題を有していた。 (1)イ号公報及びロ号公報に記載の脆性チューブの検
査装置では、脱塵浄化装置等から被検査体となる脆性チ
ューブを取り外して専用の検査サイト等で検査を行う必
要があるため、作業効率が悪く、またこの移動中に脆性
チューブを破損し易いという課題があった。 (2)脆性チューブから発生するアコースティックエミ
ッションを圧電センサで検出するので、この圧電センサ
の取り付け位置によって測定結果が左右され、脆性チュ
ーブの損傷状態や耐久性を適正かつ迅速に判定すること
が困難であるという課題があった。 (3)脆性チューブが水平に置かれた状態で検査される
ために、脆性チューブに対して水平方向に位置付けられ
て支持された検査装置の重量により、上下方向や左右方
向では負荷の掛かり方が異なり脆性チューブの内壁面に
沿って圧力を均一に付加することが困難である。このた
め、測定結果にばらつきが大きく、しかも通常垂直方向
に立設して用いられる脆性チューブの耐用性等を適切に
評価することができないという課題があった。 (4)検査装置の本体部を脆性チューブの測定位置に移
動させる操作においては、重量の大きい本体部が水平位
置を保つように支持させねばならないために脆性チュー
ブの移動操作や設置操作が極めて困難であり、専用の計
測サイトで検査する必要があり、多大なコストと労力を
要して検査効率が悪いという課題を有していた。 (5)この困難な移動操作やハンドリングに伴って破損
し易い脆性チューブにダメージを与える場合があり、脆
性チューブの信頼性を保証するための検査の正確性に欠
けるという課題があった。 (6)袋体を保持するための部材がないので、脆性チュ
ーブ内で袋体を移動させることが困難であり、検査効率
が低くなるという課題を有していた。 (7)脆性チューブから加圧媒体を排出する際に、加圧
媒体を封入している袋体が一部で閉塞を起こし、排出に
時間がかかり、次の検査までの時間が長くなるという課
題を有していた。 (8)実機に設置した脆性チューブを検査できないの
で、使用性に欠けると共に検査のため脆性チューブを外
すのに該チューブが脆いため慎重に検査せねばならず多
大の労力と時間を要し、運転(生産)計画に支障をきた
すという課題を有していた。
【0006】本発明の脆性チューブの検査装置は上記従
来の課題を解決するもので、脱塵浄化装置等をオーバー
ホールすることなく、実機に配置された脆性チューブを
高精度で検査することができると共に、実機の取り付け
金具やセンサの取り付け位置に左右されることなく高い
信頼性を有して検査を行うことができるだけでなく、脆
性チューブにダメージを与えることなく効率的に耐用性
等の検査を行うことのできる脆性チューブの検査装置を
提供することを目的とする。また、本発明の脆性チュー
ブの検査方法は、上記従来の課題を解決するもので、実
機をオーバーホールすることなく、脆性チューブの稼動
状態に近い応力条件で検査を行うことができ、判定基準
の設定が容易で信頼性に優れた脆性チューブの検査方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の脆性チューブの検査装置は、緻密質セラミックや多孔
質セラミックで形成されたセラミックチューブフィルタ
等の脆性チューブ内に圧力付加体を挿入し、前記圧力付
加体を介して前記脆性チューブの内壁面に所定圧力を付
加して前記脆性チューブの損傷状態や耐用性を評価する
脆性チューブの検査装置であって、前記圧力付加体が、
略円筒状に形成された保持部材と、前記保持部材の外側
面に覆設され両端部が封着された弾性膜スリーブと、前
記保持部材の下部壁側を貫通して形成され前記弾性膜ス
リーブの内側面と前記弾性膜スリーブの外側面とで形成
される間隙に加圧媒体となる液体を注入する注液ライン
に接続する注液孔部と、前記保持部材の上部壁側を貫通
して形成され前記間隙内の空気を排出するエア抜きライ
ンに接続されるエア抜孔部と、前記保持部材の下部壁側
を貫通して形成され前記間隙内の液体を排出するドレン
抜きラインに接続されるドレン抜孔部と、前記保持部材
の上側及び/又は下側にそれぞれ設けられた上部及び/
又は下部取り付け金具とを有して構成されている。この
構成によって、以下の作用を有する。 (1)圧力付加体が、保持部材と、弾性膜スリーブと、
注液ラインに接続する注液孔部と、エア抜きラインに接
続されるエア抜孔部と、ドレン抜きラインに接続される
ドレン抜孔部と、保持部材の少なくとも上側に設けられ
た上部取り付け金具とを有しているので、圧力付加体を
立設された脆性チューブ内に挿入してその所定位置で止
めて検査を容易に行うことができ、脱塵浄化装置等をオ
ーバーホールすることなく、実機に配置された脆性チュ
ーブを高精度で検査できる。 (2)圧力付加体が下部取り付け金具を有しているの
で、これにワイヤーロープや支持具等を係止して圧力付
加体の水平方向の動きを抑制して揺れを防止し、揺れよ
って圧力付加体が脆性チューブに接触して破損させた
り、ダメージを与えたりするのを防止して、検査を安全
かつ迅速に行え作業性に優れる。 (3)圧力付加体が注液孔部、エア抜孔部、ドレン抜孔
部をそれぞれ独立に備えているので、被検査体である脆
性チューブの検査工程を効率的かつ適正に行うことがで
き、従来のように実機の取り付け金具やセンサの取り付
け位置に左右されることなく高い信頼性を有して検査を
行うことができる。 (4)注液ラインを介して注液孔部から所定圧力の液体
を注入して弾性膜スリーブを膨張させることにより、脆
性チューブの内壁面に均一に所定圧力を付加することが
できる。この所定圧力の付加により生じた液体の圧力応
答を検出することができるので、従来のようにセンサの
取り付け位置に左右されることがなく、脆性チューブの
強度劣化状態や耐用性を効率的かつ適正に判定できる。 (5)脆性チューブを立設させた状態、即ち、脆性チュ
ーブの稼動状態に近い応力条件で検査を行うことができ
るので、判定基準の設定が容易であり、検査時間が短く
でき、しかも再現性の高いデータが得られる。 (6)上部、下部に取り付け金具を形成した場合は、脆
性チューブに挿入される圧力付加体を脆性チューブに接
触させ破損させることなくコントロールしながら昇降さ
せることができる。これにより、装置に組み込まれたま
まの状態の長尺の脆性チューブの検査を安全かつ的確に
行うことができるので、その移動操作や搬送やハンドリ
ングに伴うダメージを脆性チューブに与えることがな
く、脆性チューブの検査における判定結果の信頼性に優
れる。 (7)圧力付加体がエア抜きラインに接続されるエア抜
孔部と、ドレン抜きラインに接続されるドレン抜孔部と
を有しているので、間隙内に残留する液体や空気を迅速
に排出させることができる。これにより、弾性膜スリー
ブを保持部材の外側面に密着させ、検査装置の圧力付加
体の移動作業時には弾性膜スリーブが脆性チューブや脱
塵浄化装置内の金属製構成部品にひっかからずに移動で
きるので、弾性膜スリーブの損傷を防ぐと共に移動性に
優れる。 (8)加圧媒体となる液体は、保持部材の外側面とそれ
に覆設された弾性膜スリーブとの間の間隙に充填するだ
けの量があればよく、また、間隙に残留した液体を強制
的に排除するためのドレン抜きラインに接続したドレン
抜孔部を有するため、注液及び排液に要する時間を短縮
して検査の効率化が図れる。 (9)エア抜きラインに接続されるエア抜孔部を有して
いるので、弾性膜スリーブ内は全て液体が充填されるた
め、検査時に空気が弾性膜スリーブ内に残留した場合に
起きる、空気の膨張、圧縮に伴う圧力の変化の影響を著
しく排除でき高精度で再現性の高い検査ができる。 (10)脆性チューブを防音ケースに予め入れる等、特
別な検査環境を準備する必要がなく、脱塵浄化装置等の
浄化装置に取り付けられた状態のままで脆性チューブの
検査を行うことができる。 (11)内径の異なる脆性チューブであっても、大きさ
の異なる圧力付加体に取り替えるだけで検査が可能とな
る。
【0008】ここで、被検査物となる脆性チューブの材
質としては、コーディエライト、アルミナ、炭化珪素、
ムライト、窒化珪素等、又はこれらのセラミックを複合
させたセラミックコンポジット等からなる多孔質や緻密
質の多結晶体が適用できる。圧力付加体は、脆性チュー
ブの中に全体が挿入されて所定位置で上部取り付け金具
で吊設され脆性チューブの内壁面側から圧力を付加する
装置である。圧力付加体は、支持体及び支持体に覆設さ
れた弾性膜スリーブとを備え、弾性膜スリーブ自体が検
査装置のセンサ部分を構成している。圧力付加体は、ド
レン抜きされた状態(収縮状態)で、その外径は被検査
物である脆性チューブの内径の50〜95%、好ましく
は60〜90%)に形成される。60%よりも小さくな
るにつれ加圧媒体を注入したときに、弾性膜スリーブが
均一に膨張せず、材質や肉厚によっては、下部に加圧媒
体による膨れが生じる傾向が認められ、また、90%を
越えるにつれ、脱塵浄化装置の各段の仕切り等の金属板
や棒状物が邪魔になって、圧力付加体の昇降時に引っか
かる虞れがあり、特に50%未満若しくは95%を越え
るとその傾向が著しいので好ましくない。
【0009】保持部材は、脆性チューブの内周面にあわ
せた円筒状の形状を有した支持体である。その側壁に
は、外周面側に加圧媒体となる液体を供給する液体供給
部、残液を排出するドレン抜きライン、及び外周面側の
空気を抜くためのエア抜きラインにそれぞれ接続される
注液孔部、ドレン抜孔部、エア抜孔部が設けられる。保
持部材の材質としては、加工や配管の接続が容易であ
り、圧力に対しても堅牢なステンレスやスチール等の金
属材料やPE、PP、HIPS、ABS等の合成樹脂が
好ましい。また、実際使用する液圧は350kPa〜9
00kPa(3.57〜9.18kgf/cm2)程度
でよいので、強化プラスチック等の非金属材料も適用で
きる。また、軽量化のためにはその内部を中空状にする
のが好ましい。
【0010】弾性膜スリーブは、所定の弾性を有する合
成ゴムや天然ゴム等を素材として略円筒状に形成された
スリーブである。弾性膜スリーブ中に保持部材が挿入さ
れて、その両端部側を封止して保持部材上に覆設されて
いる。保持部材との間に加圧媒体となる液体を供給する
と弾性膜スリーブがその外周側に向かって膨張して、被
検査体となる脆性チューブにその内周側から圧力を付加
できる。なお、保持部材の弾性膜スリーブが覆設される
側面には、加圧媒体となる液体が漏れないようにシール
部を設け、弾性膜スリーブをシール部においてワイヤー
等で縛着することが好ましい。
【0011】注液ラインは、タンク、ポンプ及び圧力付
加体を連結する配管系であり、その途中に流量を制御す
るバルブ等が配設されている。タンクは、弾性膜スリー
ブに注液し膨張させ、脆性チューブの加圧を行う加圧媒
体を貯蔵しておく貯蔵水槽等のタンクである。ポンプ
は、弾性膜スリーブ内にタンクの加圧媒体を注液し、更
に加圧を行うために設けられている。なお、注液の際に
必要なポンプの圧力は、加圧の際に必要なポンプの圧力
よりずっと小さくてよいので、ポンプについては大流量
用の低い圧力で使用するものと、小流量用の高い圧力で
使用するものとの、2種類を用意することが好ましい。
そのとき、比較的多量の液を供給する手段としてポンプ
を用い、加圧手段としては、きめ細やかな制御をするた
めに手押しポンプやギアポンプ、ベーンポンプを用いる
のが好ましい。また、ポンプの起動や運転は、圧力検知
器等を設置し、圧力制御性の良いポンプの発停制御によ
り行われる。ここで加圧媒体として液体を用いるのは、
気体に比べ膨張率が小さいので温度の変化に伴う圧力の
変化の影響が検査結果にほとんど入らないためである。
また、液体は気体に比べ圧縮率が小さいので、万が一脆
性チューブが破壊し弾性膜スリーブの拘束が解けたとき
にも脆性チューブの破片を周囲に飛び散らせることが少
なく、健全な脆性チューブに損傷を与えることが少ない
からである。加圧媒体となる液体としては、水、アルコ
ール、高級アルコール、油等の1種以上の液体が用いら
れるが、コストが低く安全性の問題のない、取扱の容易
な水が好適に用いられる。
【0012】エア抜きラインは、弾性膜スリーブに加圧
媒体となる液体を均一に導入するための事前処理とし
て、その内部に残留した空気を予め排出するための配管
系である。エア抜きラインのエア入口側が圧力付加体の
エア抜孔部に接続され、その出口側の端部にエア抜きの
ための排気ポンプが設けられ、その途中に開閉用のバル
ブ等が配設されている。なお、脆性チューブには10m
を越える長さのものもあり、エア抜きラインの長さはそ
れ以上の長さとなる場合がある。エア抜きの方法として
はエジェクタやポンプ等を用いた真空引きによるものが
最適である。ドレン抜きラインは、検査位置を変更する
ために脆性チューブ内で圧力付加体を移動させる場合や
検査が終了した場合等に弾性膜スリーブに残留した液体
を排出させるための配管系であり、エア抜きラインと同
様に、一端部は圧力付加体に配設され、反対側の端部は
排液のためのポンプ等に配設されている。なお、液体は
脆性チューブに挿設された圧力付加体の弾性膜スリーブ
内の下方に溜まるので、ドレン抜きラインは圧力付加体
が脆性チューブに挿設されたときの保持部材の内側面の
下側の端部に接続することが好ましい。また、保持部材
の外側面に適切に溝部を配設すれば、ドレン抜きライン
とエア抜きラインを共用することも可能である。
【0013】請求項2に記載の脆性チューブの検査装置
は、請求項1に記載の発明において、前記保持部材の前
記外側面に螺旋状、筋状又は格子状の溝部が形成されて
構成されている。この構成によって、請求項1の作用の
他、以下の作用が得られる。 (1)弾性膜スリーブの一部が外側面に密着した場合で
も、閉塞を起こすことなく、均一なエア抜き、注液及び
ドレン抜きが可能であり、エア抜き、注液及びドレン抜
きに要する時間を短縮できると共に、検査精度と再現性
の高い検査ができる。 (2)弾性膜スリーブの一部が外側面に密着して閉塞を
起こした場合に、その部分に液体が溜まって膨張して、
この膨張した部分が脆性チューブの移動中に引っ掛かっ
て破れることを防止することができる。
【0014】ここで、溝部の形状としては螺旋状、筋状
又は格子状等のものが用いられる。また、エア抜き、注
液及び排液ラインの接続口は溝部の内部に配設されてい
ることが望ましい。これにより溝部の作用を最大に引き
出すことができる。なお、配設する溝部の幅及び深さと
しては、2乃至3mm程度が好ましく、また溝間のピッ
チとしては50乃至150mm程度が好ましい。これに
より、エア抜き、注液及びドレン抜きの際に弾性膜スリ
ーブが収縮して密着固定されても空気又は液体の流路を
塞ぐことがなく、安定したエア抜き、注液及びドレン抜
きが可能である。また、配設する溝部の幅、深さ及び溝
間のピッチは、弾性膜スリーブの内径、長さ及び材質、
圧力付加体の内径及び長さを考慮して、適切に決定され
るのが好ましい。
【0015】請求項3に記載の脆性チューブの検査装置
は請求項1又は2に記載の発明において、前記圧力付加
体の上部取り付け金具にワイヤーロープの端部を係止
し、前記圧力付加体を昇降自在に駆動させ、垂直に立設
された前記脆性チューブ内の所定位置で保持させる圧力
付加体昇降駆動部を備えて構成されている。この構成に
よって、請求項1又は2の作用の他、以下の作用が得ら
れる。 (1)圧力付加体の上部取り付け金具にワイヤーロープ
を係止した圧力付加体昇降駆動部を備えているので、円
筒状の脆性チューブをその軸方向に立てた状態で検査を
容易に行うことができるので、水平方向に脆性チューブ
を置いて内圧をかける場合に比べて圧力付加体や脆性チ
ューブの自重による影響を回避でき、信頼性の高い検査
結果を得ることができる。 (2)圧力付加体を脆性チューブ内で昇降自在に移動さ
せる圧力付加体駆動部を有しているので、浄化装置中に
各段に配設されている脆性チューブにおける検査位置を
各段毎に任意に変えることができ、また、長尺の脆性チ
ューブであっても検査が可能である。 (3)圧力付加体を脆性チューブの上に位置付け、昇降
させるだけで脆性チューブ内に圧力付加体を簡単に挿着
させることができるので、多数の脆性チューブの検査を
効率的に行うことができると共に、この設置作業に伴っ
て脆性チューブにダメージを与えることが少なく検査の
再現性を良好に維持させることができる。ここで、圧力
付加体昇降駆動部は、脆性チューブに挿入される圧力付
加体を上下に昇降させることのできる装置であり、脆性
チューブの上部に配設され、圧力付加体とロープやチェ
ーンで連結され、圧力付加体を脆性チューブ内の任意の
位置に移動させる。具体的にはモータや滑車等を利用し
た電動ウインチ等が採用できる。なお、ロープやチェー
ンに脆性チューブ及び取り付け部材の長さに合わせた若
しくは10cm間隔等の一定間隔ごとのマーキングを施
すか、圧力付加体昇降駆動部内にロープやチェーンによ
り作動する距離計を配設しておくことにより、圧力付加
体がどの位置にあるのかを判別できる。
【0016】請求項4に記載の脆性チューブの検査装置
は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の発明にお
いて、前記弾性膜スリーブの両端部側の厚さが、中央部
の厚さより厚く形成されている及び/又は前記弾性膜ス
リーブの両端部の外側に帯状体が覆設されて構成されて
いる。この構成によって、請求項1乃至3の内いずれか
1項の作用の他、以下の作用が得られる。 (1)弾性膜スリーブの両端部における拘束が増し、上
端部又は下端部において上方向又は下方向へ膨らみにく
くなるので、加圧時に、弾性膜スリーブの一端部又は両
端部の脆性チューブに接していない部分が液圧に耐えき
れずに膨張し、弾性膜スリーブ内部の液圧が不均一にな
ることを防止することができる。 (2)両端部の外側に帯状体を覆設した場合には、広い
面積で弾性膜スリーブを均一に押圧することができ、弾
性膜スリーブを劣化を抑制して、耐久性と経済性に優れ
る。ここで、弾性膜スリーブに、両端部の厚みを中央部
の厚みより厚く加工したシートを使用することができ
る。または、弾性膜スリーブの両端部の外側表面にゴム
製や布帛製などのシート状物を積層させた積層板などを
覆設し、両端部の厚みを大きくすることができる。ま
た、帯状体としては、ビニルテープ、自己融着テープ、
布テープ等が用いられるが、ビニルテープや自己融着テ
ープが入手し易く、作業性にも優れており好ましい。
【0017】請求項5に記載の脆性チューブの検査装置
は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の発明にお
いて、前記弾性膜スリーブが覆設される前記保持部材の
側壁にリリーフ弁が配設されて構成されている。この構
成によって、請求項1乃至6のいずれか1項の作用の
他、以下の作用が得られる。 (1)リリーフ弁により、脆性チューブに必要以上の圧
力が印加されるのを防ぎ、脆性チューブや検査装置の破
壊を防止できる。ここで、リリーフ弁とは、回路内の圧
力を設定値以内に保持するために、流体の一部又は全部
を逃がす圧力制御弁をいい、保持部材の所定箇所に1又
は複数設けることができる。尚、リリーフ弁と注液ライ
ンの弁を制御部を介して結線し、リリーフ弁が開くと同
時に注液ラインの弁を閉にするよう結線するとよい。こ
れにより液体が過剰に流れ圧力付加体の重力が増えるこ
とによる事故を防止すると共に、圧力付加体の捻動を最
少限に押さえることができる。
【0018】請求項6に記載の脆性チューブの検査装置
は、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の発明にお
いて、前記弾性膜スリーブが前記保持部材の長さ方向に
複数個に分割して覆設され、前記分割された各弾性膜ス
リーブの覆設位置の下部壁側を貫通して形成され前記弾
性膜スリーブの内側面と前記弾性膜スリーブの外側面と
で形成される間隙に加圧媒体となる液体を注入する注液
ラインに接続する注液孔部と、前記覆設位置の上部壁側
を貫通して形成され前記間隙内の空気を排出するエア抜
きラインに接続されるエア抜孔部と、前記覆設位置の下
部壁側を貫通して形成され前記間隙内の液体を排出する
ドレン抜きラインに接続されるドレン抜孔部とを備えて
構成されている。この構成によって、請求項1乃至5の
内いずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。 (1)弾性膜スリーブを小さく分割しているので、弾性
膜スリーブの両端部の拘束が増し、膨らみにくくなるの
で、加圧時に、弾性膜スリーブの一端部又は両端部の脆
性チューブに接していない部分が液圧に耐えきれずに膨
張し、弾性膜スリーブ内部の液圧が不均一になることを
防止することができる。 (2)弾性膜スリーブが保持部材上に分割して覆設され
ているので、各弾性膜スリーブ毎に圧力変動のデータを
取得することができ、さらに的確に脆性チューブの強度
劣化状態を把握することができる。 (3)各々の弾性膜スリーブ及び各注液ライン、エア抜
きライン、ドレン抜きラインを用いて、上下に隣り合う
脆性チューブを独立して同時に検査作業を行うことがで
き、検査にかかる時間を大幅に短縮することができる。 (4)1個の脆性チューブの検査に適用した場合、弾性
膜スリーブが保持部材上の複数箇所に覆設されているの
で、各弾性膜スリーブ毎に圧力変動のデータを取得して
脆性チューブの強度劣化状態をさらに的確に把握でき
る。 (5)複数の弾性膜スリ−ブの中の1つが故障、破損な
どしても、他の健全な弾性膜スリーブを使用して検査を
続けることができる。 (6)弾性膜スリーブが分割されているので、注液され
た液体の自重による膨らみによる検査精度の低下を防止
できる。
【0019】請求項7に記載の脆性チューブの検査装置
は、請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の発明にお
いて、前記弾性膜スリーブが、SBR、IR、ウレタン
ゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、水素化ニ
トリルゴム、NBR、クロロプレンゴムのいずれか1か
らなる合成ゴム又は天然ゴムを素材として形成されて構
成されている。この構成によって、請求項1乃至6の内
いずれか1項の作用の他、以下の作用が得られる。 (1)弾性膜スリーブの材質が合成ゴム又は天然ゴムで
あるので、脆性チューブの内壁に凹凸や取り付け金具が
あっても、これらの形状に密着して追従でき、均一な内
圧を脆性チューブに印加でき、検査精度を高めることが
できる。 (2)被検査物となる脆性チューブの種類や内側面の表
面粗さ等に応じて適正な合成ゴム又は天然ゴムのものを
選択でき、脆性チューブの検査における作業性を向上さ
せることができる。ここで、被検査物の内壁の凹凸が激
しい場合や長さ方向の両端部に該チューブの設置金具が
あるような場合は、NR、IR、水素化ニトリルゴム、
エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴムが用いられ、中
でもウレタンゴムが好適に用いられる。また、引張強度
を高めるためゴムの内壁に伸縮性のメッシュ体が積層乃
至埋設される。
【0020】請求項8に記載の脆性チューブの検査装置
は、請求項1乃至7の内いずれか1項に記載の発明にお
いて、前記注液ラインに加圧媒体となる液体を所定圧力
で注入する液体供給部と、前記液体供給部を介して前記
間隙に注入された所定圧力の液体の圧力変化を検知する
液圧検知部とを備えて構成されている。この構成によっ
て、請求項1乃至7の内いずれか1項の作用の他、以下
の作用が得られる。 (1)液体供給部を介して所定圧力の液体を注入して弾
性膜スリーブを膨張させることにより、脆性チューブの
内壁面に均一に所定圧力を付加することができる。この
所定圧力の付加により生じた液体の圧力応答を液圧検知
部で検出するので、従来のようにセンサの取り付け位置
に左右されることがなく、脆性チューブの強度劣化状態
や耐用性を効率的かつ適正に判定できる。 (2)液圧検知部を用いて脆性チューブに付加される液
圧の減少を検出して脆性チューブにクラックやクレージ
ング、クラッシュ等の破壊が生じたことを検知できるの
で、多数の脆性チューブの検査毎に脆性チューブの複数
の所定位置に圧電素子などのセンサを取り付けたり、取
り外す等の必要がなく、検査にかかる時間を大幅に短縮
でき、操作性に優れる。 (3)脆性チューブを立設させた状態、即ち、脆性チュ
ーブの稼動状態に近い応力条件で検査を行うことができ
るので、判定基準の設定が容易であり、検査時間が短く
でき、しかも再現性の高いデータが得られる。
【0021】液体供給部は、保持部材の外周面に設けら
れた注液孔部や、該注液部に液体を供給する注液ライ
ン、注液ラインに加圧媒体となる液体を供給するポン
プ、液体を貯蔵するためのタンク等で構成され、これに
よって保持部材の外側面と弾性膜スリーブの内側面とで
形成される間隙に加圧媒体となる液体を所定圧力で注入
することができる。液圧検知部は、保持部材の外側面と
弾性膜スリーブの内側面とで形成される間隙に供給され
た液体の液圧を検知するための圧力計、圧力センサ等で
あり、これらのセンサ部が液体供給部や保持部材、圧力
付加体に接続する配管系等の所定位置に設けられる。こ
れによって脆性チューブと保持部材間の間隙に供給され
た液体の液圧を監視したり、脆性チューブに印加する圧
力を設定したりする際に使用される。脆性チューブに内
圧を印加してクラックやクレージング、クラッシュが生
じた場合には、弾性膜スリーブの拘束が解かれ、液圧が
急激に減少するので、クラック等が生じたことをこの液
圧検知部を用いて簡単に検知できる。このとき、液圧の
減少を検知し、電磁弁等の弁体を閉じ、圧力の印加を停
止することを自動化して制御すれば、クラックなどの発
生した後の圧力の印加を防ぎ、脆性チューブの破片によ
って隣接する脆性チューブを傷つけるのを防ぐことがで
きる。尚、加圧を手動ポンプで行う場合は手動を止めれ
ばよい。なお、液圧検知部を構成する圧力計や圧力セン
サ等にレコーダ等の記録計を接続しておけば、クラック
等が生じた際の縦横に多数設置された脆性チューブの座
標位置や圧力、時刻等が正確にわかり、好ましい。
【0022】請求項9に記載の脆性チューブの検査装置
は、請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の発明にお
いて、前記圧力付加体が、前記脆性チューブの破壊音を
感知する音響センサを備えて構成されている。この構成
によって、請求項1乃至3の内いずれか1項の作用の
他、以下の作用が得られる。 (1)検査項目に、圧力変動のデータに加えて音響セン
サによって検知される音のデータも加えることができる
ので、破壊、特に形状変化を伴わないクラックやクレー
ジング等に伴う異常音等の音響の発生の有無をとらえる
ことにより検査精度を向上させることができる。 (2)音響センサを用いて、脆性チューブのハンドリン
グや搬送時における監視を行えるので、検査機器と脆性
チューブとの接触等に伴う脆性チューブのダメージ等を
事前に検出することもできる。ここで、音響センサは、
アコースティックエミッションを検知できる圧電センサ
等を有した集音マイク等を適用でき、この発生頻度やそ
の減衰特性等に基づいて被検査体(脆性チューブ)の損
傷状況を評価して合否等を判別できる。
【0023】請求項10に記載の脆性チューブの検査装
置を用いた脆性チューブの検査方法は、請求項1乃至9
の内いずれか1項に記載の脆性チューブの検査装置を用
いた脆性チューブの検査方法であって、垂直に立設され
た前記脆性チューブ内に前記圧力付加体を挿入して昇降
させ所定位置に保持させる圧力付加体設置工程と、前記
注液孔部から液体を注入し前記弾性膜スリーブを膨張さ
せ、垂直に保持された前記脆性チューブにその使用時の
70〜200%、好ましくは80〜150%負荷時に相
当する瞬時圧力を付与して前記脆性チューブの破壊の有
無を前記液圧検知部を用いて判定する瞬時圧力選別工程
と、前記瞬時圧力選別工程で選別された脆性チューブに
前記圧力付加体を介して前記瞬時圧力の70乃至90%
の保持圧力を付加し、前記脆性チューブの破壊の有無を
前記液圧検知部を用いて判定する保持圧力選別工程と、
を有して構成されている。この構成によって、請求項1
乃至9の内いずれか1項の作用の他、以下の作用が得ら
れる。 (1)脆性チューブをその稼動状態、即ち立設させた状
態に保持したままで圧力付加体を所定位置に位置付ける
圧力付加体設置工程を有しているので、以降の工程を実
稼動状態に近い適切な条件下で効率的に行うことがで
き、検査の信頼性に優れる。 (2)瞬時圧力選別工程では、脆性チューブにその使用
時の70〜200%、好ましくは80〜150%負荷時
に発生する応力相当の圧力を印加するので、この応力に
耐えうる強度を有した使用可能な脆性チューブを的確に
選別できる。 (3)保持圧力選別工程では、瞬時圧力をかけて選別さ
れた脆性チューブに瞬時圧力より低い圧力を所定時間、
例えば、3〜10秒間かけて保持させることで、さらに
選別を行うことができる。このようにして、脆性チュー
ブの稼動状態に近い条件での検査が可能となり、再現性
と信頼性に優れた検査結果を提供でき、選別された脆性
チューブはその通常運転に対して高い確率で強度保証を
行うことができる。
【0024】ここで、瞬時圧力選別工程において脆性チ
ューブに付加される圧力は、脆性チューブの使用時の7
0〜200%、好ましくは80〜150%負荷時に相当
する瞬時圧力であり、この瞬時圧力を例えば0.01秒
〜2秒程度の短時間で瞬間的に付加される瞬時付加圧力
である。また、保持圧力選別工程において脆性チューブ
に付加される圧力は、例えば3秒〜10秒程度の長時間
にわたって持続的に付加される保持圧力である。これら
の圧力付加形態のそれぞれ異なる検査条件を組み合わせ
て選別を行うことで、脆性チューブの強度劣化状態や耐
用性をその実使用前に的確に評価することができる。瞬
時圧力選別工程で破壊することなく選別された脆性チュ
ーブに付加される保持圧力が瞬時圧力の80%より低く
なるにつれ、耐久性と信頼性に優れた脆性チューブの選
別が困難になり、逆に150%を超えるにつれ、この保
持圧力選別工程によって脆性チューブに必要以上のダメ
ージを与える傾向が強まり、これらの傾向が70%未満
になるか、若しくは200%を越えるとさらに顕著にな
るので好ましくない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1の脆性
チューブの検査装置における圧力付加体の断面図であ
る。図1において、1は本実施の形態1の脆性チューブ
の検査装置における圧力付加体、2は加圧媒体を流入さ
せ膨張させることにより、被検査物である脆性チューブ
に圧力を印加することができる弾性膜スリーブ、3は外
側面に弾性膜スリーブ2が覆設される中空円筒状に形成
されたステンレス等の金属製やポリオレフィン等の合成
樹脂製の保持部材、3aは保持部材3の上下端部にそれ
ぞれ嵌合して固定された保持部材蓋部、3bは保持部材
3の内側上下に配設された中央に螺合部を有した円板状
又は格子状、十字状等に形成された取り付け金具固定
部、4a、4bは保持部材3の上側及び下側の外側面に
複数の溝部が周設され形成された上部、下部シール部、
5a、5bは弾性膜スリーブ2を上部、下部シール部4
a、4bに密着させるために上部、下部シール部4a、
4bにおいて弾性膜スリーブ2上に巻着されたシールワ
イヤー、6は保持部材3の外側面に形成されたリリーフ
弁、7は弾性膜スリーブ2の内側面と保持部材3の外側
面との間の間隙に加圧媒体となる液体の注液を行うため
に保持部材蓋部3aの上端部側から挿着され保持部材3
の内側から弾性膜スリーブ2の下部シール部4b側に貫
通して配置された注液ライン、7aは注液ライン7の注
液孔部、8は弾性膜スリーブ2と保持部材3の間のエア
抜きを行うために保持部材蓋部3aの上部側から挿着さ
れ保持部材3の内側から弾性膜スリーブ2の上部シール
部4aへ貫通したエア抜きライン、8aはエア抜きライ
ン8のエア抜孔部、9は弾性膜スリーブ2より加圧媒体
の排液を行うために下部側の保持部材蓋部3aから挿入
され保持部材3の弾性膜スリーブ2の下部シール部4b
側へ貫通したドレン抜きライン、9aはドレン抜きライ
ン9のドレン抜孔部、10は後述の取り付け金具に配設
され、脆性チューブのクラック等の発生音を検知する音
響センサの一例である集音マイク、11a、11bは圧
力付加体1を吊り下げるために後述のワイヤーロープを
掛止するために保持部材蓋部3aの上下及び取り付け金
具固定部3bに螺着された上部、下部取り付け金具であ
る。
【0026】弾性膜スリーブ2は、その中央部付近の厚
さが1.5mm〜4mmとなるように天然ゴムのシート
をスリーブ状に加工して作られており、更にその上端部
及び下端部の厚さは中央部より厚く形成した場合、加圧
時に弾性膜スリーブ2の一端部又は両端部の脆性チュー
ブXに接していない部分が液圧に耐えきれずに膨張し、
弾性膜スリーブの内部の液圧が不均一になることがある
が、弾性膜スリーブ2の両端部を中央部より厚くするこ
とで液圧が不均一になるのを防止することができる。両
端部の肉厚化は弾性膜スリーブ2の成形時に両端部の肉
厚を厚くするか、シートの両端部に更に他のシートを積
層して肉厚化してもよい。また、弾性膜スリーブ2の材
質が天然ゴム等の弾性材であるので、被検査物である脆
性チューブの内壁に凹凸があっても、形状に密着して追
従でき、均一な内圧を脆性チューブに印加できる。
【0027】本実施の形態1において、保持部材3の外
径は被検査物である脆性チューブの内径によって適宜決
定するが、脆性チューブの内径の60%〜90%に形成
されると、脆性チューブの挿入や移動をスムーズに行う
ことができる。60%より小さくなると脆性チューブが
クラックやクレージング等で破壊した場合、多量の流体
で脆性チューブが濡れ後処理に多大の労力を要する傾向
があり、また、90%よりも大きくなると実機で検査す
るときに取り付け金具等に引っ掛かり脆性チューブを破
損し易い傾向があるので好ましくない。
【0028】注液ライン7、エア抜きライン8、及びド
レン抜きライン9は、保持部材3の外側面を内側から外
側へ貫通して配設され、保持部材3と保持部材3に覆設
された弾性膜スリーブ2との間隙の空間に連通するよう
に配設される。また、注液ライン7、エア抜きライン
8、又はドレン抜きライン9には、エア抜きや加圧媒体
の注液、排出を行うポンプ、及び空気や加圧媒体の通過
を止めるための弁が設けられている。注液孔部7a及び
ドレン抜孔部9aは弾性膜スリーブ2が覆設される下部
シール部4bに隣接した直上の保持部材3上の対向する
面側にそれぞれ独立に配置され、エア抜孔部8aは弾性
膜スリーブ2が覆設される上部シール部4aに隣接した
直下の保持部材3上にそれぞれ独立に配置される。これ
によって、弾性膜スリーブ2と保持部材3との間に残留
する液体やエアを確実に排除することができるので、圧
力付加の際には、残留した圧縮率の大きいエアがなく、
液体に付加される圧力所定圧力の制御を確実に行うこと
ができる。尚、必要に応じて、注液孔部7a及びドレン
抜孔部9aとエア抜孔部8aとの互いの上下の位置関係
を図1とは逆にして配置することも可能である。なお、
本実施の形態1においては、注液ライン7、エア抜きラ
イン8、及びドレン抜きライン9は、外径13.8mm
の管状部材により形成され、材質としては配管炭素鋼鋼
管(SGP)を用いた。
【0029】集音マイク10は、上部又は下部取り付け
金具11a、11bに係合させた容器等に収容するか内
部又は保持部材蓋部3aの内部等に取り付けられ、被検
査物である脆性チューブがその検査時にクラックやクレ
ージング等を生じた場合の音を検出する音響センサとし
て用いられる。上部、下部シール部4a、4bには、保
持部材3の外側面の両端部側に保持部材3の長さ方向に
直交する方向に一周した溝部が、数mm間隔で4本設け
られている。そして、弾性膜スリーブ2は、上部、下部
シール部4a、4bの表面においてシールワイヤー5
a、5bによって巻着されることにより保持部材3に覆
設される。なお、弾性膜スリーブ2の上下端部は、保持
部材3の上下端部に嵌合する保持部材蓋部3aで挟まれ
て固定され保持部材蓋部3aの内部に収納されるように
なっている。これにより圧力付加体1を脆性チューブ内
に挿入して上下に動かす際に引っかかるようなことがな
く、移動を円滑に行える。また、保持部材蓋部3aと保
持部材3とを分離することなく一体に形成しておくこと
もでき、この場合には上部、下部シール部4a、4bの
上から巻き回されるビニールテープ等の帯状体やワイヤ
ー等で弾性膜スリーブ2の両端部を封じて弾性膜スリー
ブ2が保持部材上に固定される。
【0030】図2は、本発明の実施の形態1の脆性チュ
ーブの検査装置における保持部材の側面図である。図2
において、1は圧力付加体、3は保持部材、7は注液ラ
イン、8はエア抜きライン、8aはエア抜孔部、9はド
レン抜きライン、9aはドレン抜孔部、11a、11b
は上、下部取り付け金具、4a、4bは上部、下部シー
ル部、6はリーフ弁であり、これらは図1において説明
したものと同様であるので同一の符号を付けて説明を省
略する。12は圧力付加体1において均一なエア抜き及
び注液、ドレン抜き行うための、保持部材3の外側面に
形成された格子状の溝部である。ここで、格子状の溝部
12の溝の幅及び深さとしては、2乃至4mm程度が好
ましく、また溝間のピッチとしては50乃至150mm
程度が好ましい。これにより、エア抜き、注液及びドレ
ン抜きの際に弾性膜スリーブ2が溝に食い込んで剥がれ
難くなって空気又は液体の流路を塞ぐことがなく、安定
したエア抜き、注液及びドレン抜きが可能である。ま
た、格子状の溝部12は、螺旋状、筋状等の形状に形成
してもよい。なお、配設する溝部の形状、幅、深さ及び
溝間のピッチは、弾性膜スリーブ2の内径、長さ、厚さ
及び材質等、又保持部材3の内径及び長さ等を考慮し
て、適切に決定されるのが好ましい。また、注液孔部7
a、エア抜孔部8a、及びドレン抜孔部9aは格子状の
溝部12の内部又は溝底面に配設される。これによりエ
ア抜き及び液の注液、ドレン抜きの際に格子状の溝部1
2が空気又は液の流路となるので、均一なエア抜き及び
加圧媒体となる液体の注液、ドレン抜きを行うことがで
きる。
【0031】以上のように構成された本実施の形態1に
おける脆性チューブの検査装置について、以下その検査
方法を図面を用いて説明する。図3は、本発明の実施の
形態1における脆性チューブの検査装置の構成を示すブ
ロック図である。図3において、1は圧力付加体、2は
弾性膜スリーブ、3は保持部材、7は注液ライン、8は
エア抜きライン、9はドレン抜きライン、11a、11
bは上部、下部取り付け金具であり、これらは図1、図
2において説明したものと同様であるので同一の符号を
付けて説明を省略する。
【0032】図3において、13は検査時に圧力付加体
1の上方に配設され、圧力付加体1を昇降自在に移動さ
せる電動ウインチ等からなる圧力付加体昇降駆動部、1
4aは圧力付加体昇降駆動部13と圧力付加体1の上端
部に固設された上部取り付け金具11aとを連結する上
部ワイヤーロープ、14bは圧力付加体1の下端部に固
設された下部取り付け金具11bに連結される下部ワイ
ヤーロープ、15は加圧媒体である水を貯蔵する副加圧
媒体タンク、15aは加圧媒体である水を貯蔵する主加
圧媒体タンク、16は主加圧媒体タンク15aより加圧
媒体を注液ライン7へ供給するための液体供給部を構成
する供給ポンプ、17は副加圧媒体タンク15に貯留さ
れた加圧媒体を注液ライン7へ所定圧力で供給する液体
供給部を構成する加圧ポンプ、18、19は注液ライン
7に配設され注液ライン7内の圧力を計測する液圧検知
部を構成する圧力計、20はエア抜きライン8に配設さ
れエア抜きライン8内の圧力を計測する圧力計、21は
ドレン抜きライン9に配設されドレン抜きライン9内の
圧力を計測する圧力計、22bは集音マイク10と図示
しないアンプや制御部等と接続するための信号線、Xは
本実施の形態の検査方法を適用する多孔質セラミックで
形成された脆性チューブである。
【0033】脆性チューブXが配置される脱塵浄化装置
は、脆性チューブXを複数上下に連結して1ユニットと
し、更にこのユニットが垂直方向に上中下段に配置さ
れ、更にそれと同様のものが左右に配置されて構成され
たものである。エア抜きライン8、ドレン抜きライン9
には必要に応じて、ライン内に残留、混入したドレンを
排出するための配管系を付加してドレンを回収して、こ
れを加圧媒体として再利用できるようにしてもよい。液
圧検知部は、圧力計18及びこれに接続する配管系等を
有して構成されるが、圧力計としては弾性膜スリーブ2
と保持部材3との間の加圧媒体の圧力を検知できるもの
ならば、エア抜きライン8やドレン抜きライン9に設け
た圧力計20、21を代用して用いることも可能であ
る。この液圧検知部に、圧力計18及び液体供給部から
のそれぞれの圧力データを取得して、予め設定された状
態評価プログラムに従って脆性チューブXの強度劣化状
態や、圧力付加による脆性チューブの破壊現象の発生を
判別する診断装置や、前記圧力データの記録装置等を付
加してもよい。例えば、状態評価プログラムは、圧力計
18から取得される圧力P1と液体供給部によって脆性
チューブXに付加される圧力P0と差(P1−P0)の
経時変化が規定値以上になったときを脆性チューブXに
破壊が生じたものとして、警告音等を発生するようにし
たもの等を採用することができる。
【0034】以下、脆性チューブの検査装置を用いた脆
性チューブの検査方法について説明する。最初の圧力付
加体設置工程においては、バルブV2、V4、V5、V
6を閉止し、V1を開いてエア抜きライン8に設けられ
たエア抜き用のポンプ(図示せず)により系統内のエア
抜きを行う。この系統内の最終的な真空度の状態は、圧
力計18、20、21のいずれかを用いて確認する。こ
うして弾性膜スリーブ2と保持部材3との間が密着して
圧力付加体1が脆性チューブの中を容易に移動できる。
次に、被検査物である脆性チューブXの上方に圧力付加
体1を移動し、更にその上方に圧力付加体昇降駆動部1
3をセットし、圧力付加体昇降駆動部13と圧力付加体
1の上端部に固設された上部取り付け金具11aとを上
部ワイヤーロープ14aで接続する。そして、圧力付加
体昇降駆動部13を操作して脆性チューブXの内部の検
査位置まで圧力付加体1を降下させる。なお、繰り出さ
れる上部ワイヤーロープ14aの長さを圧力付加体昇降
駆動部13により調整して、検査位置を設定できる。こ
の検査位置と圧力計の設置位置との水圧によるヘッド差
を求め、ヘッド差による誤差の補正を行うことで、圧力
付加体1を介して脆性チューブXに付加される圧力を適
正に制御することができる。
【0035】続く瞬時圧力選別工程では、まず、バルブ
V2、V5、V6を閉止状態として、供給ポンプ16を
起動し、開状態としたバルブV4を介して注液ライン7
の系統内に加圧媒体を注液して、系内に加圧媒体を充填
する。なお、このとき系内の空気は開放したバルブV1
を介してエア抜きライン8に排出される。なお、注液時
の加圧媒体の圧力が高すぎると、弾性膜スリーブ2が脆
性チューブXを破損する恐れがあるので、圧力はゲージ
圧で196kPa〜294kPa(2乃至3kgf/c
2 )程度以下に設定することが好ましく、この弾性膜
スリーブ2と保持部材3との間に供給された加圧媒体の
圧力は圧力計18を用いて取得される。次に、バルブV
4を閉止すると共にバルブV2、V3を開放して、加圧
ポンプ17を作動させて、弾性膜スリーブ2内の加圧媒
体の圧力を高めて脆性チューブXの内壁に所定の引っ張
り応力を印加する。瞬時圧力を付加する際には、脆性チ
ューブXに所定の引っ張り応力を印可した状態で、バル
ブV2を閉止し、バルブV3の開放状態とする。次に、
この状態で圧力計19を監視しながら加圧ポンプ17を
作動させ、副加圧媒体タンク15内から供給されバルブ
V2及びバルブV3間にある加圧媒体を所定の加圧状態
に維持させる。なお、バルブV2及びバルブV3間に必
要に応じて所定容量となる加圧媒体を溜めるためのバッ
ファタンク等を設けておき、バッファタンク内の加圧媒
体を所定圧力に保持させることもできる。続いて、バル
ブV3を閉止した後、バルブV2を開放することによ
り、所定の瞬時圧力を弾性膜スリーブ2内の加圧媒体に
付加することができる。このときの瞬時圧力としては、
脆性チューブが脱塵浄化装置に装着されて脱塵浄化装置
の100〜150%運転稼動時に脆性チューブに負荷さ
れる応力相当の圧力が印加されるようにする。こうして
瞬時圧力を付加した以降の圧力変化を圧力計18や圧力
計20、21のいずれか又はこれらを組み合わせたもの
で検知して、この圧力変化のパターン等から脆性チュー
ブXの破壊状態や強度劣化状態を評価して、基準レベル
を満たすものを合格品として選別する。
【0036】最後の保持圧力選別工程では、瞬時圧力選
別工程の検査により強度劣化した脆性チューブXを排除
する。ここでは、まず、バルブV1、V4、V6を閉止
し、弾性膜スリーブ2と保持部材3との間に加圧媒体を
満たした状態で、バルブV2、V3を開放する。次に、
加圧ポンプ17を用いて圧力計18が1回目の瞬時圧力
よりも低い保持圧力を示すように作動させ、この圧力状
態で10秒間保持させる。この印加された圧力により脆
性チューブXが破壊した場合には、その瞬間、注液ライ
ン7に設けられた圧力計18の指示する圧力が急激に低
減するか、又は集音マイク10によりクラック音が検出
されるので、容易にその判断が可能である。また、注液
ライン7に液圧検知器及びその検知した圧力により開閉
を行う電磁弁を設けた場合、脆性チューブXのクラック
やクレージング等による急激な圧力降下を検知し自動的
に加圧媒体の注入を止め、圧力の印加を停止することが
できる。なお、瞬時圧力を付加した後に残る系内の瞬時
圧力は、バルブV1やバルブV6等を開くことにより開
放できる。又、保持圧力選別工程は1回だけでなく順次
保持圧力を低減しながら複数回繰り返して行うこともで
き、これによって検査精度をさらに高めることができ、
欠陥を内在させた可能性のある脆性チューブの選別をよ
り確実に行える。また、弾性膜スリーブ2で覆われる保
持部材3の面にはリリーフ弁6が設けれているので、瞬
時圧力選別工程や、保持圧力選別工程で過剰な圧力が加
圧媒体に印加されたときでも、この過剰圧力を開放して
水密に形成された保持部材の内側に逃がすことができる
ので、下位の脆性チューブやアッシュビンを水で濡らす
ことがなく、検査の作業効率を高めると共に、脆性チュ
ーブXの検査を安全に行うことができる。
【0037】前記瞬時圧力選別工程、及び保持圧力選別
工程において、一つの検査位置での検査が終了し、検査
位置を変更して検査を続ける場合には、バルブV2、V
4を閉じ、バルブV1、V6を開いて、ドレン抜きライ
ン9により圧力付加体1から加圧媒体を排出し、次いで
エア抜きライン8でエア抜き後、弾性膜スリーブ2を収
縮させた後、圧力付加体昇降駆動部13を操作して圧力
付加体1を所望の検査位置まで昇降させて、エア抜き、
注液、加圧の作業を繰り返す。なお、圧力付加体1の上
下方向の検査位置を変更する場合は、圧力計18の設置
位置と検査位置の高さの差によるヘッド補正が必要とな
り、この場合には、繰り出される上部ワイヤーロープ1
4aや下端側の下部ワイヤーロープ14bの長さを圧力
付加体昇降駆動部13の出力値等やロープに取り付けた
マーカー等から取得して検査位置を特定して、この検査
位置と圧力計の設置位置との水圧によるヘッド差を求
め、ヘッド差による誤差の補正を行うことで、圧力付加
体1を介して脆性チューブXに付加される圧力を適正に
制御できる。
【0038】
【実施例】以下、前記実施の形態をさらに具体化した実
施例について説明する。脆性チューブXが配置される脱
塵浄化装置は、垂直方向に上中下段等の多段に配置され
たものを左右に複数配置して構成されたものであり、本
実施例においては、2系列で構成される脱塵浄化装置の
片側半分の系(脆性チューブ243本(81列×3本/
列))について検査を実施した。被検査物とした脆性チ
ューブXは、内径140mm、外径170mm、長さ7
00mmのチューブ状のコーディエライト質セラミック
ス(2MgO・2Al23・5SiO2)を用いた。圧
力付加体1の保持部材3は、長さ470mm、外径11
4.3mm、該脆性チューブXの内径の67%、厚さ
4.5mmの管状部材であり、材質としては配管炭素鋼
鋼管(SGP)等の鋼管を用いた。保持部材3に覆設さ
れる弾性膜スリーブ2は、その中央部付近の厚さが1.
5mm〜4mmとなるように天然ゴムのシートをスリー
ブ状に加工して作られており、このとき弾性膜スリーブ
2を保持部材3表面に密着させた状態でその弾性膜スリ
ーブ2の外径が脆性チューブXの内径に対して約89%
になっている。更に弾性膜スリーブ2の上端部及び下端
部の厚さは前記中央部より0.5〜3mmの範囲で厚く
形成したものを用いた。以上の圧力付加体1を備えた本
実施の形態1の脆性チューブの検査装置を用いて以下に
示す実施例の作業手順〜により脆性チューブXの検
査を実施した。
【0039】検査準備 脱塵浄化装置上部のマンホールを開放して、圧力付加体
昇降駆動部13等を含む脆性チューブの検査装置やその
配管系統を構成する。 圧力付加試験 a)バルブV2、V4、V6を閉止し、バルブV1を開
いてエア抜きライン8に真空ポンプを用いて保持部材3
と弾性膜スリーブ2間の間隙の側からその配管系統内を
排気してバルブV1を閉じて所定の真空度に保持する。
この系統内の真空度は圧力計18、20、21のいずれ
かで確認する。なお、このエア抜き作業に先立ってバル
ブV6、V1を開き、V4、V2を閉じておき、ドレン
抜きライン9を介して、圧力付加体1内のドレン抜きを
行っておくのが望ましい。 b)圧力付加体昇降駆動部13を用いて上部取り付け金
具11aに係止された上部ワイヤーロープ14aで吊り
下げられた圧力付加体1の動きを下部取り付け金具11
bに係止された下部ワイヤーロープ14b等でコントロ
ールしながら脆性チューブX内の所定位置に設置する。
次いで、前記エア抜きのバルブ開閉状態から、バルブV
1、V5、V2を閉じ、バルブV4を開き、注液ライン
7から供給ポンプ16を介して主加圧媒体タンク15a
内の水を圧力付加体1の注液孔部7aに供給する。この
とき圧力計18、20、21の圧力値の低下等の変動を
監視し、及び/又は集音マイク10により、脆性チュー
ブXのクラックやクレージング、クラッシュ等に伴う音
響の発生を監視する。 c)注液ライン7から圧力付加体1に供給される過剰の
水が、圧力付加体1上部のエア抜孔部8aからエア抜き
ライン8を介して排出されるのを確認する。なお、排出
された水は図示しない配管系を用いて主加圧媒体タンク
15aや副加圧媒体タンク15に回収される。 d)脆性チューブXの内壁面に圧力を付加するに際して
は、バルブV4、V6を閉止した後、バルブV1を開い
てここから水が出るのを確認して閉止する。バルブV
2、V3を開いて加圧ポンプ17により弾性膜スリーブ
2と保持部材3間の水の圧力を圧力計18、19、2
0、21のいずれか又は複数で監視しながら高めて、脆
性チューブXの内壁面を所定圧力で加圧する。なお、バ
ルブV2及びV3間に図示しない容量の大きなバッファ
タンク等を設けておき、バルブV2を閉止し、開放した
バルブV3側から加圧ポンプ17を用いてバッファタン
ク内を圧力計19で調整しながら加圧して与圧状態に維
持しておき、バルブV3を閉止してバルブV2を開放し
て瞬時圧力を脆性チューブXに付加するなどの圧力調整
や圧力操作を行うことができる。このとき脆性チューブ
Xのクラックやクレージング、クラッシュ等に伴う加圧
媒体に生じる圧力応答を圧力計18、19、20、21
のいずれか又は複数で検知したり、このクラック等の発
生による音響を集音マイク10で検出したりして、脆性
チューブXの検査を行う。なお、瞬時圧力選別工程の瞬
時圧力は脆性チューブの100%負荷運転時に相当する
245kPa(2.5kgf/cm2)とし、保持圧力
選別工程の保持圧力は、196kPa(2kgf/cm
2)とした。圧力計18、19、20、21の設置位置
と脆性チューブXの測定位置とではヘッド差が生じるた
め、圧力付加体1を吊り下げた上部ワイヤーロープ14
aの繰り出し位置検出用のマーカーの位置を検出して水
圧による前記ヘッド差を求めて、弾性膜スリーブ2と保
持部材3との間の加圧媒体を介して、脆性チューブXの
内壁面に付加される圧力が所定値になるように補正す
る。 e)以上a)〜d)の操作を必要に応じて行い、脱塵浄
化装置内に多段に配置された各脆性チューブXの検査を
終了させた。なお、脆性チューブ3本からなる1列当た
りのユニットに要した検査時間は約15分であった。 その他復旧 脱塵浄化装置上部のマンホールから圧力付加体昇降駆動
部13を用いて圧力付加体1を引き上げ、マンホールを
閉じると共に、検査装置の配管系統等を撤去して、脆性
チューブの検査作業を完了させた。
【0040】
【表1】
【0041】表1は、以上の実施例における結果をまと
めたものである。この表1から明らかなように以上の作
業手順〜により、脆性チューブが装着された脱塵浄
化装置において、その片側半分の243本(81列×3
本/列))の検査に要した日数は僅かに5日間であっ
た。これに対して、表1に比較例で示すように、脱塵浄
化装置から脆性チューブを取り外して検査を行う検査方
法では、脆性チューブの抜き取り作業及び元の位置に戻
すチューブ組み込み作業を要するために全部で42日間
の検査日数が必要であり、多大の労力を要していた。ま
た、作業日数が1/6となり著しく省力化できることが
分かった。更に従来技術は抜き出し中に使用可能な脆性
チューブを破損させる恐れがあるが、本実施例ではその
ような事項はなかった。
【0042】以上のように本実施の形態1における脆性
チューブの検査装置及び脆性チューブの検査方法が構成
されているので、以下のような作用を有する。 (1)圧力付加体1の外周部に膨張収縮自在な弾性膜ス
リーブ2を配設したので、実機に多段に設置された脆性
チューブXの検査も弾性膜スリーブ2を収縮させること
により、取り付け金具で吊り下げられた圧力付加体1を
脆性チューブ内を通過させ、所定の位置で弾性膜スリー
ブ2を膨張させることにより、実機に数段に亘って設置
された脆性チューブXをも各段毎にスムーズにかつ確実
に検査でき、作業性に優れる。 (2)圧力付加体1の上下に取り付け金具11a、11
bを有しているので、上部取り付け金具11aで脆性チ
ューブX内で圧力付加体1を検査位置で吊るすと共に、
下部取り付け金具11bに係合させた下部ワイヤーロー
プ14bで脆性チューブXの中央部に圧力付加体1を保
持するので、圧力付加体1の揺動を防ぎ、脆性チューブ
の該揺動による損傷を防止でき、安全性に優れる。 (3)注液ライン7に配設された圧力計18の圧力が急
激に低減したことにより、脆性チューブXにクラック等
が生じたことがわかるので、脆性チューブXに圧電セン
サーやCCDカメラ等を取り付ける必要がなく、検査の
準備に要する時間が著しく短縮され、且つ検査精度を高
めることができる。 (4)検査のために防音等の事前処理や前処理を行うこ
とが不要であり、脆性チューブXを浄化装置である脱塵
浄化装置に取り付けた状態で検査することができ、メン
テナンス性に優れる。また、検査のためオーバーホール
が不要なので大幅に省力化できる。 (5)上部取り付け金具11aに上部ワイヤーロープ1
4aを取り付け、圧力付加体昇降駆動部13により圧力
付加体1が昇降自在に設置でき、脆性チューブXの中空
部の任意の位置で検査を行うことができる。 (6)保持部材3の外壁面に一様に溝部12が配設され
ているので、均一に加圧媒体である液体が排出されて加
圧媒体により弾性膜スリーブ2が濡れても閉塞を起こす
ことなく、エア抜きやドレン抜きを確実に行えると共
に、その作業に要する時間を短縮することができる。 (7)弾性膜スリーブ2にゴムシートを使用しているの
で、脆性チューブXの内壁面に凹凸や取り付け金具があ
る場合でも、形状に追随でき、均一な圧力を印加でき、
検査精度を高めることができる。 (8)加圧媒体として液体を使用しているので、脆性チ
ューブXが破壊した場合でも、空気等を用いた場合のよ
うに弾性膜スリーブ2の破裂により周囲の健全なフィル
タを損傷する恐れがない。 (9)保持部材3の側面に配設されたリリーフ弁6によ
り、脆性チューブXに印加される圧力を設定値以内に保
持できるので、脆性チューブXに必要以上の圧力が印加
されることを防ぎ、脆性チューブXの破壊を防止でき
る。 (10)弾性膜スリーブ2の両端部における拘束が増
し、上端部又は下端部において上方向又は下方向へ膨ら
みにくくなるので、加圧時に、弾性膜スリーブ2の一端
部又は両端部の脆性チューブXに接していない部分が液
圧に耐えきれずに膨張し、弾性膜スリーブ2内部の液圧
が不均一になるのを防止できる。 (11)保持圧力検査を行うことにより、瞬時圧力検査
で劣化した脆性チューブXを排除することができるの
で、安全性に優れた脆性チューブの検査方法を提供する
ことができる。 (12)圧力付加体1を昇降自在に設置したので、脱塵
浄化装置のメンテナンスの作業日数を従来に比べ1/9
に短縮できる。
【0043】(実施の形態2)図4は本発明の実施の形
態2における脆性チューブの検査装置の圧力付加体の要
部断面図である。図4において、3は保持部材、11
a、11bは上部、下部取り付け金具、5a、5bはシ
ールワイヤであり、これらは実施の形態1において説明
したものと同様であるので同一の符号を付けて説明を省
略する。1aは本実施の形態2の脆性チューブの検査装
置の圧力付加体、2aは加圧媒体を流入させ膨張させて
被検査物である脆性チューブに圧力を印加するための保
持部材3の上側に覆設された上側弾性膜スリーブ、2b
は加圧媒体を流入させ膨張させて被検査物である脆性チ
ューブに圧力を印加するための保持部材3の下側に覆設
された下側弾性膜スリーブ、22は上側弾性膜スリーブ
2aに加圧媒体の注液を行うために上部側の保持部材蓋
部3aから挿着され保持部材3の内側から弾性膜スリー
ブ2a下部のシール部へ貫通した上側注液ライン、22
aは上側注液ライン22の注液孔部、23は下側弾性膜
スリーブ2bに加圧媒体の注液を行うために上部側の保
持部材蓋部3aから挿着され保持部材3の内側から弾性
膜スリーブ2b下部のシール部へ貫通した下側注液ライ
ン、23aは下側注液ライン23の注液孔部、24は上
側弾性膜スリーブ2aのエア抜きを行うために上部側の
保持部材蓋部3aから挿着され保持部材3の内側から弾
性膜スリーブ2a上部のシール部へ貫通した上側エア抜
きライン、24aは上側エア抜きライン24のエア抜孔
部、25は下側弾性膜スリーブ2bのエア抜きを行うた
めに上部側の保持部材蓋部3aから挿着され保持部材3
の内側から弾性膜スリーブ2b上部のシール部へ貫通し
た下側エア抜きライン、25aは下側エア抜きライン2
5のエア抜孔部、26は上側弾性膜スリーブ2aより加
圧媒体の排液を行うために下部側の保持部材蓋部3aか
ら挿着され保持部材3の内側から弾性膜スリーブ2a下
部のシール部へ貫通した上側ドレン抜きライン、26a
は上側ドレン抜きライン26のドレン抜孔部、27は下
側弾性膜スリーブ2bより加圧媒体の排液を行うために
下部側の保持部材蓋部3aから挿着され保持部材3の内
側から弾性膜スリーブ2b下部へ貫通した下側ドレン抜
きライン、27aは下側ドレン抜きライン27のドレン
抜孔部である。
【0044】上側弾性膜スリーブ2aと下側弾性膜スリ
ーブ2bは、別個に独立して検査を行うことができるよ
うに構成される。即ち、上側注液ライン22、上側エア
抜きライン24、上側ドレン抜きライン26と、下側注
液ライン23、下側エア抜きライン25、下側ドレン抜
きライン27はそれぞれが実施の形態1において説明し
たような加圧媒体の経路を構成し、それぞれ独立して動
作する。また、上側弾性膜スリーブ2aと下側弾性膜ス
リーブ2bは、それぞれ上下に隣り合う被検査物である
脆性チューブに対応するような距離を有して配設され
る。これにより、上下に隣り合う脆性チューブXをそれ
ぞれ独立して同時に検査することが可能となり、検査時
間を短縮することができる。なお、保持部材3の中央部
に上下方向に移動可能な一対のリング状部材を配設し
て、これにそれぞれ上側弾性膜スリーブ2aの下端側と
下側弾性膜スリーブ2bの上端側を固定して、両者の距
離を任意に調節できるようにしてもよく、これによっ
て、例えば脆性チューブ内の2箇所を同時に測定する場
合の調整の利便性が高められる。
【0045】図5は、本発明の実施の形態2における脆
性チューブの検査装置の構成を示すブロック図である。
図5において、1aは圧力付加体、2a、2bは上側、
下側弾性膜スリーブ、3は保持部材、13は圧力付加体
1aを昇降自在に移動させる電動ウインチ等からなる圧
力付加体昇降駆動部、22は上側注液ライン、23は下
側注液ライン、11a、11bは上部、下部取り付け金
具であり、これらは図1、図2において説明したものと
同様であるので同一の符号を付けて説明を省略する。図
5において、30は実施の形態2の脆性チューブの検査
装置、31は上側注液ライン22及び下側注液ライン2
3に接続され、保持部材3の外側面と上側、下側弾性膜
スリーブ2a、2bの内側面とで形成されるそれぞれの
間隙に加圧媒体となる液体を所定圧力で注入するための
液体供給部、32は液体供給部31を介して前記間隙に
注入された所定圧力の液体の圧力変化を検知するための
液圧検知部、33は液体供給部31及び液圧検知部32
を所定のプログラム等に従ってそれぞれ制御するための
制御部である。
【0046】なお、脆性チューブの検査装置30には、
瞬時圧力選別工程や保持圧力選別工程における準備処理
や後処理の際に用いるための前記上側及び下側エア抜き
ライン24、25や、上側及び下側ドレン抜きライン2
6、27にそれぞれ接続する配管系が付随しているが煩
雑になるので図5ではこれらを省略している。圧力付加
体昇降駆動部13は、電動ウインチ等からなり、圧力付
加体1aの上側取り付け金具11aを介して吊り下げた
上部ワイヤーロープ14aの長さを取得するためのギア
機構やマーカーを検知する光センサを備えた測長器等を
備え、制御部33の指示や手動操作により所定の長さに
設定することができる。
【0047】液体供給部31は実施の形態1のように加
圧ポンプ、加圧媒体の貯蔵タンク及びバルブ系等で構成
され、制御部33による操作、又は手動による操作によ
り上側注液ライン22及び下側注液ライン23のそれぞ
れに独立に加圧媒体を所定圧力で供給できるようになっ
ている。液圧検知部32は、弾性膜スリーブ2a、2b
と保持部材3との間の加圧媒体の液圧を検知する装置で
あり、その検知部を保持部材3に直接配置したり、ある
いは検知部をドレン抜きラインやエア抜きラインの圧力
計で代用したり、液体供給部31を構成する配管系に設
けられた圧力計で測定したりすることもできる。
【0048】制御部3は液体供給部31を制御して脆性
チューブXに付加される圧力による応答信号を液圧検知
部32から取得して、この信号を予め定めた破壊パター
ンの信号と比較することで脆性チューブXの破壊の有無
や強度劣化状態の程度を評価する。また、制御部33は
圧力付加体昇降駆動部13の昇降操作を制御すると共
に、圧力付加体1aが脆性チューブXに対して位置付け
られた検査位置を圧力付加体昇降駆動部13の測長器等
から取得することができる。この取得された検査位置と
予め設定されている圧力計の設置位置とのヘッド差を求
めて、このヘッド差に相当する圧力の補正を行って、こ
の補正圧力で液体供給部31を制御して脆性チューブX
に過不足なく所定の圧力を付加する。このように、全長
が大きい脱塵浄化装置においても、圧力付加体1aの検
査位置によるヘッド補正により、脱塵浄化装置に内蔵し
た脆性チューブXを適正に所定位置で評価できる。
【0049】以上のように構成された本実施の形態2に
おける脆性チューブの検査装置30について、以下その
検査方法を説明する。まず、圧力付加体設置工程におい
ては、脱塵浄化装置に垂直に立設された脆性チューブX
内に、圧力付加体昇降駆動部13を介して吊り下げられ
た圧力付加体1aを挿入して昇降させ、図5に示すよう
に所定位置に保持させる。次の瞬時圧力選別工程では、
上側注液ライン22及び/又は下側注液ライン23の注
液孔部22a、23aから液体を注入して、上側弾性膜
スリーブ2a及び/又は下側弾性膜スリーブ2bを膨張
させ、垂直に保持された脆性チューブXにその使用時の
80〜150%負荷時に相当する瞬時圧力を付与する。
この時の脆性チューブX内の液体に生じる圧力変化を液
圧検知部32で検出し、制御部33に予め設定されてい
る破壊判定プログラム等で脆性チューブの破壊や強度劣
化の有無を判定する。
【0050】続く、保持圧力選別工程では、前記瞬時圧
力選別工程で選別された脆性チューブXに液体供給部3
1を介して所定圧力の液体を供給し、圧力付加体1aを
介して脆性チューブXに前記瞬時圧力の70乃至90%
に相当する保持圧力を付加する。そして、液圧検知部3
2で検出される圧力応答の信号を用いて制御部33で脆
性チューブXの破壊の有無を判定する。
【0051】これらの瞬時圧力選別工程、保持圧力選別
工程において、制御部33により上側弾性膜スリーブ2
a及び下側弾性膜スリーブ2bをそれぞれ独立に膨張さ
せ、上下2段に配置された脆性チューブの圧力検査を同
時に行うことができる。また、例えば下側弾性膜スリー
ブ2bにより瞬時圧力検査を行い、上側弾性膜スリーブ
2aにより保持圧力検査を行って、これを上下に隣り合
う脆性チューブに同時に行いながら、圧力付加体1を下
方に降下させて次々と検査を行うこともできる。これに
より1つの脆性チューブの複数箇所における検査を同時
に効率的に行うことができる。
【0052】以上のように本実施の形態2における脆性
チューブの検査装置は構成されているので、実施の形態
1の作用に加え以下のような作用を有する。 (1)隣り合う脆性チューブに瞬時圧力と保持圧力を同
時に付加することができるので、上側弾性膜スリーブ2
aで瞬時圧力選別工程を実行し、他方の下側弾性膜スリ
ーブ2bで保持圧力選別工程を行うことで検査全体にか
かる時間を大幅に短縮して、検査効率を向上させること
ができる。 (2)上側弾性膜スリ−ブ2a、下側弾性膜スリーブ2
bの内いずれか1方が故障、破損などしても、他方の健
全な弾性膜スリーブを使用して検査を続けることができ
るので、交換、修理にかかる時間を大幅に短縮すること
ができる。 (3)弾性膜スリーブが2段に分離して構成されている
ので、圧力付加体1aを脆性チューブX内に挿入して上
下に移動させる際に、脆性チューブ内面と弾性膜スリー
ブ外面との接触状態の調整が容易にでき、脆性チューブ
に余分な負荷を加えることなく安全に検査作業を行うこ
とができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の脆性チューブ
の検査装置によれば、以下の効果を有する。 (1)圧力付加体が、保持部材と、弾性膜スリーブと、
注液ラインに接続する注液孔部と、エア抜きラインに接
続されるエア抜孔部と、ドレン抜きラインに接続される
ドレン抜孔部と、保持部材の少なくとも上側に設けられ
た上部取り付け金具とを有しているので、圧力付加体を
立設された脆性チューブ内に挿入してその所定位置で止
めて検査を容易に行うことができ、脱塵浄化装置等をオ
ーバーホールすることなく、実機に配置された脆性チュ
ーブを高精度で検査できる。 (2)圧力付加体が下部取り付け金具を有しているの
で、これにワイヤーロープや支持具等を係止して圧力付
加体の水平方向の動きを抑制して揺れを防止し、揺れよ
って圧力付加体が脆性チューブに接触して破損させた
り、ダメージを与えるたりするのを防止して、検査を安
全かつ迅速に行え作業性に優れる。 (3)圧力付加体が注液孔部、エア抜孔部、ドレン抜孔
部をそれぞれ独立に備えているので、被検査体である脆
性チューブの検査工程を効率的かつ適正に行うことがで
き、従来のように実機の取り付け金具やセンサの取り付
け位置に左右されることなく高い信頼性を有して検査を
行うことができる。 (4)注液ラインを介して注液孔部から所定圧力の液体
を注入して弾性膜スリーブを膨張させることにより、脆
性チューブの内壁面に均一に所定圧力を付加することが
できる。この所定圧力の付加により生じた液体の圧力応
答を検出することができるので、従来のようにセンサの
取り付け位置に左右されることがなく、脆性チューブの
強度劣化状態や耐用性を効率的かつ適正に判定できる。 (5)脆性チューブを立設させた状態、即ち、脆性チュ
ーブの稼動状態に近い応力条件で検査を行うことができ
るので、判定基準の設定が容易であり、検査時間が短く
でき、しかも再現性の高いデータが得られる。 (6)上部、下部に取り付け金具を形成した場合は、脆
性チューブに挿入される圧力付加体を脆性チューブに接
触させ破壊することなくコントロールしながら昇降させ
ることができる。これにより、装置に組み込まれたまま
の状態の長尺の脆性チューブの検査を安全かつ的確に行
うことができるので、その移動操作や搬送やハンドリン
グに伴うダメージを脆性チューブに与えることがなく、
脆性チューブの検査における判定結果の信頼性に優れ
る。 (7)圧力付加体がエア抜きラインに接続されるエア抜
孔部と、ドレン抜きラインに接続されるドレン抜孔部と
を有しているので、間隙内に残留する液体や空気を迅速
に排出させることができる。これにより、弾性膜スリー
ブを保持部材の外側面に密着させ、検査装置の圧力付加
体の移動作業時には弾性膜スリーブが脆性チューブや脱
塵浄化装置内の金属製構成部品にひっかからずに移動で
きるので、弾性膜スリーブの損傷を防ぐと共に移動性に
優れる。 (8)加圧媒体となる液体は、保持部材の外側面とそれ
に覆設された弾性膜スリーブとの間の間隙に充填するだ
けの量があればよく、また、間隙に残留した液体を強制
的に排除するためのドレン抜きラインに接続したドレン
抜孔部を有するため、注液及び排液に要する時間を短縮
して検査の効率化が図れる。 (9)エア抜きラインに接続されるエア抜孔部を有して
いるので、弾性膜スリーブ内は全て液体が充填されるた
め、検査時に空気が弾性膜スリーブ内に残留した場合に
起きる、空気の膨張、圧縮に伴う圧力の変化の影響を著
しく排除でき高精度で再現性の高い検査ができる。 (10)脆性チューブを防音ケースに予め入れる等、特
別な検査環境を準備する必要がなく、脱塵浄化装置等の
浄化装置に取り付けられた状態のままで脆性チューブの
検査を行うことができる。 (11)内径の異なる脆性チューブであっても、大きさ
の異なる圧力付加体に取り替えるだけで検査が可能とな
る。
【0054】請求項2に記載の脆性チューブの検査装置
によれば、請求項1の効果の他、以下の効果が得られ
る。 (1)弾性膜スリーブの一部が外側面に密着した場合で
も、閉塞を起こすことなく、均一なエア抜き、注液及び
ドレン抜きが可能であり、エア抜き、注液及びドレン抜
きに要する時間を短縮できると共に、検査精度と再現性
の高い検査ができる。 (2)弾性膜スリーブの一部が外側面に密着して閉塞を
起こした場合に、その部分に液体が溜まって膨張して、
この膨張した部分が脆性チューブの移動中に引っ掛かっ
て破れることを防止することができる。
【0055】請求項3に記載の脆性チューブの検査装置
は請求項1又は2に記載の発明において、前記圧力付加
体を昇降自在に駆動させ、垂直に立設された前記脆性チ
ューブ内の所定位置で保持させる圧力付加体昇降駆動部
を備えて構成されている。請求項1又は2の効果の他、
以下の効果が得られる。 (1)圧力付加体の上部取り付け金具にワイヤーロープ
を係止した圧力付加体昇降駆動部を備えているので、円
筒状の脆性チューブをその軸方向に立てた状態で検査を
容易に行うことができるので、水平方向に脆性チューブ
を置いて内圧をかける場合に比べて圧力付加体や脆性チ
ューブの自重による影響を回避でき、信頼性の高い検査
結果を得ることができる。 (2)圧力付加体を脆性チューブ内で昇降自在に移動さ
せる圧力付加体駆動部を有しているので、浄化装置中に
各段に配設されている脆性チューブにおける検査位置を
各段毎に任意に変えることができ、また、長尺の脆性チ
ューブであっても検査が可能である。 (3)圧力付加体を脆性チューブの上に位置付け、昇降
させるだけで脆性チューブ内に圧力付加体を簡単に挿着
させることができるので、多数の脆性チューブの検査を
効率的に行うことができると共に、この設置作業に伴っ
て脆性チューブにダメージを与えることが少なく検査の
再現性を良好に維持させることができる。
【0056】請求項4に記載の脆性チューブの検査装置
によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項の効果の
他、以下の効果が得られる。 (1)弾性膜スリーブの両端部における拘束が増し、上
端部又は下端部において上方向又は下方向へ膨らみにく
くなるので、加圧時に、弾性膜スリーブの一端部又は両
端部の脆性チューブに接していない部分が液圧に耐えき
れずに膨張し、弾性膜スリーブ内部の液圧が不均一にな
ることを防止することができる。 (2)両端部の外側に帯状体を覆設した場合には、広い
面積で弾性膜スリーブを均一に押圧することができ、弾
性膜スリーブを劣化を抑制して、耐久性と経済性に優れ
る。
【0057】請求項5に記載の脆性チューブの検査装置
によれば、請求項1乃至6のいずれか1項の効果の他、
以下の効果が得られる。 (1)リリーフ弁により、脆性チューブに必要以上の圧
力が印加されるのを防ぎ、脆性チューブや検査装置の破
壊を防止できる。
【0058】請求項6に記載の脆性チューブの検査装置
によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項の効果の
他、以下の効果が得られる。 (1)弾性膜スリーブを小さく分割しているので、弾性
膜スリーブの両端部の拘束が増し、膨らみにくくなるの
で、加圧時に、弾性膜スリーブの一端部又は両端部の脆
性チューブに接していない部分が液圧に耐えきれずに膨
張し、弾性膜スリーブ内部の液圧が不均一になることを
防止することができる。 (2)弾性膜スリーブが保持部材上に分割して覆設され
ているので、各弾性膜スリーブ毎に圧力変動のデータを
取得することができ、さらに的確に脆性チューブの強度
劣化状態を把握することができる。 (3)各々の弾性膜スリーブ及び各注液ライン、エア抜
きライン、ドレン抜きラインを用いて、上下に隣り合う
脆性チューブを独立して同時に検査作業を行うことがで
き、検査にかかる時間を大幅に短縮することができる。 (4)1個の脆性チューブの検査に適用した場合、弾性
膜スリーブが保持部材上の複数箇所に覆設されているの
で、各弾性膜スリーブ毎に圧力変動のデータを取得して
脆性チューブの強度劣化状態をさらに的確に把握でき
る。 (5)複数の弾性膜スリ−ブの中の1つが故障、破損な
どしても、他の健全な弾性膜スリーブを使用して検査を
続けることができる。 (6)弾性膜スリーブが分割されているので、注液され
た液体の自重による膨らみによる検査精度の低下を防止
できる。
【0059】請求項7に記載の脆性チューブの検査装置
によれば、請求項1乃至6の内いずれか1項の効果の
他、以下の効果が得られる。 (1)弾性膜スリーブの材質が合成ゴム又は天然ゴムで
あるので、脆性チューブの内壁に凹凸や取り付け金具が
あっても、これらの形状に密着して追従でき、均一な内
圧を脆性チューブに印加でき、検査精度を高めることが
できる。 (2)被検査物となる脆性チューブの種類や内側面の表
面粗さ等に応じて適正な合成ゴム又は天然ゴムのものを
選択でき、脆性チューブの検査における作業性を向上さ
せることができる。
【0060】請求項8に記載の脆性チューブの検査装置
によれば、請求項1乃至7の内いずれか1項の効果の
他、以下の効果が得られる。 (1)液体供給部を介して所定圧力の液体を注入して弾
性膜スリーブを膨張させることにより、脆性チューブの
内壁面に均一に所定圧力を付加することができる。この
所定圧力の付加により生じた液体の圧力応答を液圧検知
部で検出するので、従来のようにセンサの取り付け位置
に左右されることがなく、脆性チューブの強度劣化状態
や耐用性を効率的かつ適正に判定できる。 (2)液圧検知部を用いて脆性チューブに付加される液
圧の減少を検出して脆性チューブに破壊が生じたことを
検知できるので、多数の脆性チューブの検査毎に脆性チ
ューブの複数の所定位置に圧電素子などのセンサを取り
付けたり、取り外す等の必要がなく、検査にかかる時間
を大幅に短縮でき、操作性に優れる。 (3)脆性チューブを立設させた状態、即ち、脆性チュ
ーブの稼動状態に近い応力条件で検査を行うことができ
るので、判定基準の設定が容易であり、検査時間が短く
でき、しかも再現性の高いデータが得られる。
【0061】請求項9に記載の脆性チューブの検査装置
によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項の効果の
他、以下の効果が得られる。 (1)検査項目に、圧力変動のデータに加えて音響セン
サによって検知される音のデータも加えることができる
ので、破壊、特に形状変化を伴わないクラックやクレー
ジング等に伴う異常音等の音響の発生の有無をとらえる
ことにより検査精度を向上させることができる。 (2)音響センサを用いて、脆性チューブのハンドリン
グや搬送時における監視を行えるので、検査機器と脆性
チューブとの接触等に伴う脆性チューブのダメージ等を
事前に検出することもできる。
【0062】請求項10に記載の脆性チューブの検査装
置を用いた脆性チューブの検査方法によれば、請求項1
乃至9の内いずれか1項の効果の他、以下の効果が得ら
れる。 (1)脆性チューブをその稼動状態、即ち立設させた状
態に保持したままで圧力付加体を所定位置に位置付ける
圧力付加体設置工程を有しているので、以降の工程を実
稼動状態に近い適切な条件下で効率的に行うことがで
き、検査の信頼性に優れる。 (2)瞬時圧力選別工程では、脆性チューブの100%
負荷時に発生する応力相当の圧力を印加するので、この
応力に耐えうる強度を有した使用可能な脆性チューブを
的確に選別できる。 (3)保持圧力選別工程では、瞬時圧力をかけて選別さ
れた脆性チューブに瞬時圧力より低い圧力を所定時間、
例えば、3〜10秒間かけて保持させることで、さらに
選別を行うことができる。このようにして、脆性チュー
ブの稼動状態に近い条件での検査が可能となり、再現性
と信頼性に優れた検査結果を提供でき、選別された脆性
チューブはその通常運転に対して高い確率で強度保証を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の脆性チューブの検査装置におけ
る圧力付加体の断面図
【図2】実施の形態1の脆性チューブの検査装置におけ
る保持部材の側面図
【図3】実施の形態1の脆性チューブの検査装置の構成
を示すブロック図
【図4】実施の形態2の脆性チューブの検査装置におけ
る圧力付加体の断面図
【図5】実施の形態2の脆性チューブの検査装置の構成
を示すブロック図
【図6】脱塵浄化装置の要部断面模式図
【符号の説明】
1 圧力付加体 1a 圧力付加体 2 弾性膜スリーブ 2a 上側弾性膜スリーブ 2b 下側弾性膜スリーブ 3 保持部材 3a 保持部材蓋部 3b 取り付け金具固定部 4a 上部シール部 4b 下部シール部 5a シールワイヤー 5b シールワイヤー 6 リリーフ弁 7 注液ライン 7a 注液孔部 8 エア抜きライン 8a エア抜孔部 9 ドレン抜きライン 9a ドレン抜孔部 10 集音マイク 11a 上部取り付け金具 11b 下部取り付け金具 12 溝部 13 圧力付加体昇降駆動部 14a 上部ワイヤーロープ 14b 下部ワイヤーロープ 15 副加圧媒体タンク 15a 主加圧媒体タンク 16 供給ポンプ 17 加圧ポンプ 18 圧力計 19 圧力計 20 圧力計 21 圧力計 22 上側注液ライン 22a 注液孔部 22b 信号線 23 下側注液ライン 23a 注液孔部 24 上側エア抜きライン 24a エア抜孔部 25 下側エア抜きライン 25a エア抜孔部 26 上側ドレン抜きライン 26a ドレン抜孔部 27 下側ドレン抜きライン 27a ドレン抜孔部 30 脆性チューブの検査装置 31 液体供給部 32 液圧検知部 33 制御部 40 脱塵浄化装置 41 セラミックチューブフィルタ(CTF) 41a 支持板 42 圧縮空気タンク 43 逆洗ノズル 44 ホッパー X 脆性チューブ V1〜V6 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 八郎 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 笹津 浩司 福岡県北九州市若松区柳崎町1番 電源開 発株式会社若松総合事業所内 (72)発明者 前野 裕史 兵庫県高砂市梅井5丁目6番1号 旭硝子 株式会社内 Fターム(参考) 2G061 AA05 BA03 BA15 CA05 CB04 EA05 EA08 EB08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緻密質セラミックや多孔質セラミックで
    形成されたセラミックチューブフィルタ等の脆性チュー
    ブ内に圧力付加体を挿入し、前記圧力付加体を介して前
    記脆性チューブの内壁面に所定圧力を付加して前記脆性
    チューブの損傷状態や耐用性を評価する脆性チューブの
    検査装置であって、 前記圧力付加体が、略円筒状に形成された保持部材と、
    前記保持部材の外側面に覆設され両端部が封着された弾
    性膜スリーブと、前記保持部材の下部壁側を貫通して形
    成され前記弾性膜スリーブの内側面と前記弾性膜スリー
    ブの外側面とで形成される間隙に加圧媒体となる液体を
    注入する注液ラインに接続する注液孔部と、前記保持部
    材の上部壁側を貫通して形成され前記間隙内の空気を排
    出するエア抜きラインに接続されるエア抜孔部と、前記
    保持部材の下部壁側を貫通して形成され前記間隙内の液
    体を排出するドレン抜きラインに接続されるドレン抜孔
    部と、前記保持部材の上側及び/又は下側にそれぞれ設
    けられた上部及び/又は下部取り付け金具とを有するこ
    とを特徴とする脆性チューブの検査装置。
  2. 【請求項2】 前記保持部材の前記外側面に螺旋状、筋
    状又は格子状の溝部が形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の脆性チューブの検査装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力付加体の上部取り付け金具にワ
    イヤーロープの端部を係止し、前記圧力付加体を昇降自
    在に駆動させ、垂直に立設された前記脆性チューブ内の
    所定位置で保持させる圧力付加体昇降駆動部を備えてい
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の脆性チュー
    ブの検査装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性膜スリーブの両端部側の厚さ
    が、中央部の厚さより厚く形成されている及び/又は前
    記弾性膜スリーブの両端部の外側に帯状体が覆設されて
    いることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項
    に記載の脆性チューブの検査装置。
  5. 【請求項5】 前記弾性膜スリーブが覆設される前記保
    持部材の側壁にリリーフ弁が配設されていること特徴と
    する請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の脆性チュ
    ーブの検査装置。
  6. 【請求項6】 前記弾性膜スリーブが前記保持部材の長
    さ方向に複数個に分割して覆設され、前記分割された各
    弾性膜スリーブの覆設位置の下部壁側を貫通して形成さ
    れ前記弾性膜スリーブの内側面と前記弾性膜スリーブの
    外側面とで形成される間隙に加圧媒体となる液体を注入
    する注液ラインに接続する注液孔部と、前記覆設位置の
    上部壁側を貫通して形成され前記間隙内の空気を排出す
    るエア抜きラインに接続されるエア抜孔部と、前記覆設
    位置の下部壁側を貫通して形成され前記間隙内の液体を
    排出するドレン抜きラインに接続されるドレン抜孔部と
    を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の内いず
    れか1項に記載の脆性チューブの検査装置。
  7. 【請求項7】 前記弾性膜スリーブが、SBR、IR、
    ウレタンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、
    クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、
    水素化ニトリルゴム、NBR、クロロプレンゴムのいず
    れか1からなる合成ゴム又は天然ゴムを素材として形成
    されていることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれ
    か1項に記載の脆性チューブの検査装置。
  8. 【請求項8】 前記注液ラインに加圧媒体となる液体を
    所定圧力で注入する液体供給部と、前記液体供給部を介
    して前記間隙に注入された所定圧力の液体の圧力変化を
    検知する液圧検知部とを備えていることを特徴とする請
    求項1乃至7の内いずれか1項に記載の性チューブの検
    査装置。
  9. 【請求項9】 前記圧力付加体が、前記脆性チューブの
    破壊音を感知する音響センサを備えていることを特徴と
    する請求項1乃至8の内いずれか1項に記載の脆性チュ
    ーブの検査装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の内いずれか1項に記
    載の脆性チューブの検査装置を用いた脆性チューブの検
    査方法であって、 垂直に立設された前記脆性チューブ内に前記圧力付加体
    を挿入して昇降させ所定位置に保持させる圧力付加体設
    置工程と、 前記注液孔部から液体を注入し前記弾性膜スリーブを膨
    張させ、垂直に保持された前記脆性チューブにその使用
    時の70〜200%、好ましくは80〜150%負荷時
    に相当する瞬時圧力を付与して前記脆性チューブの破壊
    の有無を前記液圧検知部を用いて判定する瞬時圧力選別
    工程と、 前記瞬時圧力選別工程で選別された脆性チューブに前記
    圧力付加体を介して前記瞬時圧力の70乃至90%の保
    持圧力を付加し、前記脆性チューブの破壊の有無を前記
    液圧検知部を用いて判定する保持圧力選別工程と、を有
    することを特徴とする脆性チューブの検査方法。
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