JP2002201933A - 触媒コンバータ用保持シール材、セラミック繊維集合体、セラミック繊維、セラミック繊維の製造方法 - Google Patents

触媒コンバータ用保持シール材、セラミック繊維集合体、セラミック繊維、セラミック繊維の製造方法

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JP2002201933A
JP2002201933A JP2001001487A JP2001001487A JP2002201933A JP 2002201933 A JP2002201933 A JP 2002201933A JP 2001001487 A JP2001001487 A JP 2001001487A JP 2001001487 A JP2001001487 A JP 2001001487A JP 2002201933 A JP2002201933 A JP 2002201933A
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Japan
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fiber
catalytic converter
ceramic
alumina
ceramic fiber
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JP2001001487A
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English (en)
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Kazutomo Tanahashi
一智 棚橋
Masanao Yasugata
政直 安形
Kiyoshige Hatanaka
清成 畑中
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GBDの値を高く設定しなくても十分高い初
期面圧を得ることができ、コスト性にも優れた触媒コン
バータ用保持シール材を提供すること。 【解決手段】 この触媒コンバータ用保持シール材4
は、マット状に集合したセラミック繊維6を構成要素と
し、触媒担持体2とその触媒担持体2の外周を覆う金属
製シェル3とのギャップに配置される。セラミック繊維
6は螺旋状構造または波状構造を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒コンバータ用
保持シール材、セラミック繊維集合体、セラミック繊
維、セラミック繊維の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用、特に自動車の動力源とし
て、ガソリンや軽油を燃料とする内燃機関が百年以上に
わたり用いられてきた。しかしながら、排気ガスが健康
や環境に害を与えることが次第に問題となってきてい
る。それゆえ、最近では排気ガス中に含まれているC
O、NOx、HC等を除去する排気ガス浄化用触媒コン
バータや、PM等を除去するDPFが各種提案されるに
至っている。通常の排気ガス浄化用触媒コンバータは、
触媒担持体と、前記触媒担持体の外周を覆う金属製シェ
ルと、両者間のギャップに配置される保持シール材とを
備えている。触媒担持体としてはハニカム状に成形した
コージェライト担体が用いられており、それには白金等
の触媒が担持されている。
【0003】また最近では、石油を動力源としない次期
のクリーンな動力源の研究が進められており、そのうち
特に有望なものとして例えば燃料電池がある。燃料電池
とは、水素と酸素とが反応して水ができる際に得られる
電気を、動力源として用いるものである。酸素は空気中
からじかに取り出される反面、水素についてはメタノー
ル、ガソリン等を改質して用いている。この場合、メタ
ノール等の改質は触媒反応によって行われる。そして、
このような燃料電池にも、触媒担持体と、触媒担持体の
外周を覆う金属製シェルと、両者間のギャップに配置さ
れる保持シール材とを備える燃料電池用触媒コンバータ
が用いられている。触媒担持体としてはハニカム状に成
形したコージェライト担体が用いられており、それには
銅系の触媒が担持されている。
【0004】上記の触媒コンバータを製造する方法をこ
こで簡単に説明しておく。まず、熔融法等によりセラミ
ック繊維を紡糸した後、そのセラミック繊維をマット状
に集合させてなる材料を作製する。この材料を金型で打
ち抜くことによって、帯状の保持シール材を作製する。
次に、この保持シール材を触媒担持体の外周面に巻き付
け、この状態で金属製シェル内に前記触媒担持体を収容
する。その結果、触媒コンバータが完成するようになっ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の触
媒コンバータの保持シール材には、触媒担持体を長期に
わたって確実に保持する性能が要求されている。一方、
保持シール材は振動や排気ガス等の高温に晒されること
から、面圧の経時劣化を起こしやすい。ゆえに、経時劣
化の発生を予測して、保持シール材の初期面圧をあらか
じめ高めに設定しておく必要がある。そのため、従来に
おいては、セラミック繊維材料を圧縮することにより、
保持シール材の嵩密度(GBD:Gap bulk density)値
を高めに設定することを行っている。
【0006】しかしながら、上記の対策を行った場合、
使用すべきセラミック繊維材料の量が増え、コスト高を
招きやすいという問題があった。また、過度の圧縮を行
うとセラミック繊維が折れやすくなり、かえって初期面
圧の向上を達成できなくなるおそれがあった。
【0007】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、GBDの値を高く設定しなくても
十分高い初期面圧を得ることができ、コスト性にも優れ
た触媒コンバータ用保持シール材を提供することにあ
る。
【0008】また、本発明の別の目的は、上記の触媒コ
ンバータ用保持シール材に好適なセラミック繊維集合
体、セラミック繊維及びその製造方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく本願発明者らが鋭意研究を行ったところ、保持シ
ール材を構成しているセラミック繊維、特にその構造に
着目した。即ち、現状のセラミック繊維は湾曲の殆どな
い直線状繊維であるため、これに何らかの湾曲を与えて
非直線化すれば、ある程度物性の改善が可能であるとの
知見を得た。そして、本願発明者らはさらにこの知見を
発展させて、最終的に本願発明を想到するに至ったので
ある。
【0010】即ち、請求項1に記載の発明では、マット
状に集合したセラミック繊維を構成要素とし、触媒担持
体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャ
ップに配置される保持シール材であって、前記セラミッ
ク繊維が螺旋状構造または波状構造を有していることを
特徴とする触媒コンバータ用保持シール材をその要旨と
する。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記セラミック繊維は、アルミナ−シリカ系繊維で
あるとした。請求項3に記載の発明は、請求項1または
2において、前記螺旋状構造における螺旋部または前記
波状構造における波部の曲率半径は、0.1mm〜1
0.0mmであるとした。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項において、前記セラミック繊維は、無機
塩法により作製されたセラミック繊維紡糸原液を材料と
して前駆体繊維を得る紡糸工程と、前記前駆体繊維に倦
縮を付与する倦縮工程と、倦縮が付与された前記前駆体
繊維を加熱して乾燥する熱セット工程と、前記熱セット
工程よりも高温下で加熱することにより前記前駆体繊維
を焼結させる焼成工程とを経て製造されたものであると
した。
【0013】請求項5に記載の発明では、マット状に集
合したセラミック繊維からなり、前記セラミック繊維が
螺旋状構造または波状構造を有していることを特徴とす
るセラミック繊維集合体をその要旨とする。
【0014】請求項6に記載の発明では、螺旋状構造ま
たは波状構造を有するアルミナ−シリカ系繊維であっ
て、前記螺旋状構造における螺旋部または前記波状構造
における波部の曲率半径が0.1mm〜10.0mmで
あることを特徴とするセラミック繊維をその要旨とす
る。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の繊維を製造する方法であって、無機塩法により作製さ
れたアルミナ−シリカ系繊維紡糸原液を材料として前駆
体繊維を得る紡糸工程と、前記前駆体繊維に倦縮を付与
する倦縮工程と、倦縮が付与された前記前駆体繊維を加
熱して乾燥する熱セット工程と、前記熱セット工程より
も高温下で加熱することにより前記前駆体繊維を焼結さ
せる焼成工程とを含むことを特徴とするセラミック繊維
の製造方法をその要旨とする。
【0016】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1に記載の発明によると、上記セラミック繊
維は非直線状であって湾曲した部分を有している。この
ため、外部荷重が加わった場合にその湾曲部分が、いわ
ばバネのように働いて、元の形状に復元しようとする力
が生まれる。また、上記セラミック繊維は直線状のもの
に比べて凹凸が多いため、マット状の集合体となったと
きに繊維同士が引っ掛かって絡みやすい。このことも復
元力の向上に寄与している。よって、本発明によれば、
GBDの値を高めに設定しなくても十分高い初期面圧を
得ることができる。また、材料使用量を減らすことが可
能となるため、コスト性に優れたものとなる。
【0017】請求項2に記載の発明によると、非晶質成
分の少ないアルミナ−シリカ系繊維を用いることによ
り、セラミック繊維自体の耐熱性が向上し、高温での面
圧の経時劣化が少ない保持シール材を得ることができ
る。
【0018】請求項3に記載の発明によると、前記曲率
半径を上記好適範囲内にて設定することにより、製造の
困難化及び高コスト化を回避しつつ十分高い初期面圧を
確実に達成することができる。曲率半径が小さすぎる
と、螺旋部または波部の形成が技術的に困難になるばか
りでなく、高コスト化を招くおそれがある。逆に、これ
が大きすぎると、螺旋部または波部におけるバネ作用
や、繊維同士の引っ掛かりによる絡み合いが起こりにく
くなるおそれがある。このため、場合によっては十分高
い初期面圧を期待できなくなる可能性がある。
【0019】請求項4に記載の発明によると、紡糸工程
を経て得られた前駆体繊維は未だセラミック体ではな
く、その成分中に溶媒等を含んでいて、塑性変形可能な
性状を有している。よって、倦縮工程を行うことによ
り、前駆体繊維に容易に螺旋状構造または波状構造等の
倦縮を付与することができる。次いで、熱セット工程を
行って溶剤を除去することにより、前駆体繊維に付与さ
れた倦縮の形状を保持することができる。そして、最後
に焼成工程を行って前駆体繊維をセラミック化(結晶
化)することにより、繊維を硬化させ、倦縮の形状を完
全に安定化させることができる。従って、以上のような
プロセスを経て得られたセラミック繊維は、好適な倦縮
形状を備えたものとなる。しかも、無機塩法により得ら
れる前記セラミック繊維は結晶体であるため、熔融法に
より得られる非結晶質のセラミック繊維に比べて、高温
における強度が高くなるという利点がある。よって、高
温での面圧の経時劣化が少ない保持シール材を得ること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態の自動車排気ガス浄化装置用触媒コンバータを図1
〜図6に基づき詳細に説明する。
【0021】図3に示される本実施形態の触媒コンバー
タ1は、自動車の車体において、エンジンの排気管の途
中に設けられる。エンジンから触媒コンバータ1までの
距離は比較的短いため、触媒コンバータ1には約700
℃〜900℃の高温の排気ガスが供給されるようになっ
ている。エンジンがリーンバーンエンジンである場合に
は、触媒コンバータ1には約900℃〜1000℃とい
う、さらに高温の排気ガスが供給されるようになってい
る。
【0022】図3に示されるように、本実施形態の触媒
コンバータ1は、基本的に、触媒担持体2と、触媒担持
体2の外周を覆う金属製シェル3と、両者2,3間のギ
ャップに配置される保持シール材4とによって構成され
ている。
【0023】前記触媒担持体2は、コージェライト等に
代表されるセラミック材料を用いて作製されている。こ
の触媒担持体2は断面円形状をした柱状部材となってい
る。また、触媒担持体2は、軸線方向に沿って延びる多
数のセル5を有するハニカム構造体であることが好まし
い。セル壁には排気ガス成分を浄化しうる白金やロジウ
ム等の貴金属系触媒が担持されている。なお、触媒担持
体2として、上記のコージェライト担体のほかにも、例
えば炭化珪素、窒化珪素等のハニカム多孔質焼結体等を
用いてもよい。
【0024】前記金属製シェル3としては、例えば組み
付けに際して圧入方式を採用する場合には、断面O字状
の金属製円筒部材が用いられる。なお、円筒部材を形成
するための金属材料としては、耐熱性や耐衝撃性に優れ
た金属(例えばステンレス等のような鋼材等)が選択さ
れることがよい。圧入方式に代えていわゆるキャニング
方式を採用する場合には、前記断面O字状の金属製円筒
部材を軸線方向に沿って複数片に分割したもの(即ちク
ラムシェル)が用いられる。
【0025】そのほか、組み付けに際して巻き締め方式
を採用する場合には、例えば断面C字状ないしU字状の
金属製円筒部材、言い換えるといわば軸線方向に沿って
延びるスリット(開口部)を1箇所にのみ有する金属製
円筒部材が用いられる。この場合、触媒担持体2の組み
付けに際し、触媒担持体2に保持シール材4を固定した
ものを金属製シェル3内に収め、その状態で金属製シェ
ル3を巻き締めた後に開口端が接合(溶接、接着、ボル
ト締め等)される。溶接、接着、ボルト締め等といった
接合作業は、キャニング方式を採用したときにも同様に
行われる。
【0026】図1に示されるように、この保持シール材
4は長尺状のマット状物であって、その一端には凹状合
わせ部11が設けられ、他端には凸状合わせ部12が設
けられている。図2に示されるように、触媒担持体2へ
の巻き付け時には、凸状合わせ部12が凹状合わせ部1
1にちょうど係合するようになっている。
【0027】本実施形態の保持シール材4は、マット状
に集合したセラミック繊維(即ち繊維集合体)を主要な
要素として構成されたものである。前記セラミック繊維
として、本実施形態ではアルミナ−シリカ系繊維6が用
いられている。この場合、ムライト結晶含有量が0重量
%以上かつ10重量%以下のアルミナ−シリカ系繊維6
を用いることがより好ましい。このような化学組成であ
ると、耐熱性に優れたものとなり、かつ圧縮荷重印加時
の反発力が高いものとなるからである。従って、ギャッ
プに配置された状態で高温に遭遇したときであっても、
発生する面圧の低下が比較的起こりにくくなる。
【0028】アルミナ−シリカ系繊維6の化学組成は、
アルミナ68重量%〜83重量%かつシリカ32重量%
〜17重量%であることがよく、具体的にはAl23
SiO2=72:28であることがなおよい。
【0029】アルミナが68重量%未満の場合またはシ
リカが32重量%を超える場合には、耐熱性の向上及び
圧縮荷重印加時の反発力の向上を十分に達成できなくな
るおそれがある。アルミナが83重量%を超える場合ま
たはシリカが17重量%未満の場合についても同様に、
耐熱性の向上及び圧縮荷重印加時の反発力の向上を十分
に達成できなくなるおそれがある。
【0030】図4(a),(b)にて概略的に示される
ように、この保持シール材4を構成するアルミナ−シリ
カ系繊維6は、通常よくある直線状の繊維ではなく、湾
曲部分を有する非直線状の繊維となっている。より具体
的に説明すると、図4(a)のものは、いわゆる波状構
造を有したアルミナ−シリカ系繊維6であり、規則的な
湾曲部分である波部8を連続的に備えている。図4
(b)のものは、いわゆる螺旋状構造(より詳しくはコ
イル状構造)を有したアルミナ−シリカ系繊維6であ
り、規則的な湾曲部分である螺旋部7を連続的に備えて
いる。参考までに、螺旋状構造を有するアルミナ−シリ
カ系繊維6のSEM写真を図5に示す。なお、図4
(a),(b)にて示されたアルミナ−シリカ系繊維6
の2形態では、いずれも湾曲部分が角のない滑らかな曲
線形状になっている。螺旋部7または波部8自体の大き
さもほぼ揃っている。
【0031】螺旋状構造における螺旋部7または波状構
造における波部8の曲率半径は、0.1mm〜10.0
mmであることが好ましく、1.0mm〜5.0mmで
あることがより好ましい。曲率半径が小さすぎると、螺
旋部7または波部8の形成が技術的に困難になるばかり
でなく、高コスト化を招くおそれがある。逆に、これが
大きすぎると、螺旋部7または波部8におけるバネ作用
や、繊維同士の引っ掛かりによる絡み合いが起こりにく
くなるおそれがある。このため、場合によっては十分高
い初期面圧を期待できなくなる可能性がある。
【0032】アルミナ−シリカ系繊維6の平均繊維径
は、5μm〜20μm程度であることがよく、さらには
7μm〜13μm程度であることがなおよい。平均繊維
径を小さくしすぎると、呼吸器系に吸い込まれやすくな
るという不都合が生じるからである。アルミナ−シリカ
系繊維6の平均繊維長は、0.1mm〜100mm程度であ
ることがよく、さらには2mm〜50mm程度であることが
なおよい。また、アルミナ−シリカ系繊維6の繊維自体
の引っ張り強度は、0.1GPa以上、特には0.5G
Pa以上であることがよい。アルミナ−シリカ系繊維6
の断面形状は、図4(a),(b)にて示されたものの
ような真円形状でもよいほか、異形断面形状(例えば楕
円形状、長円形状、略三角形状等)でも構わない。
【0033】組み付け前の状態における保持シール材4
の厚さは、触媒担持体2と金属製シェル3とがなすギャ
ップの1.1倍〜4.0倍程度、さらには1.5倍〜
3.0倍程度であることが望ましい。前記厚さが1.1
倍未満であると、高い担持体保持性を得ることができ
ず、触媒担持体2が金属製シェル3に対してズレたりガ
タついたりするおそれがある。勿論、この場合には高い
シール性も得られなくなるため、ギャップ部分からの排
気ガスのリークが起こりやすくなり、高度な低公害性を
実現できなくなってしまう。また、前記厚さが4.0倍
を超えると、特に圧入方式を採用した場合には、触媒担
持体2の金属製シェル3への配置が困難になってしま
う。よって、組み付け性の向上を達成できなくなるおそ
れがある。
【0034】また、組み付け後における保持シール材4
のGBDは、0.10g/cm3〜0.30g/cm3
さらには0.10g/cm3〜0.25g/cm3となる
ように設定されることが好ましい。GBDの値が極端に
小さいと、たとえ非直線状のアルミナ−シリカ系繊維6
を用いた場合であっても、十分に高い初期面圧を実現す
ることが困難になる場合がある。一方、GBDが大きす
ぎると、材料として使用すべきアルミナ−シリカ系繊維
6の量が増え、コスト高を招きやすくなる。
【0035】上記低GBD領域に設定したときの保持シ
ール材4の初期面圧(kPa)は、50kPa以上、さ
らには70kPa以上であることが好ましい。初期面圧
の値が高ければ、面圧の経時劣化が起こったとしても、
触媒担持体2の好適な保持性を維持することができるか
らである。
【0036】なお、保持シール材4に対し必要に応じ
て、ニードルパンチ処理や樹脂含浸処理等を施してもよ
い。これらの処理を施すことにより、保持シール材4を
厚さ方向に圧縮して肉薄化することが可能となるからで
ある。
【0037】次に、触媒コンバータ1を製造する手順を
説明する。まず、アルミニウム塩水溶液、シリカゾル及
び有機重合体を混合し、紡糸原液を作製する。言い換え
ると、無機塩法により紡糸原液を作製する。アルミナ源
であるアルミニウム塩水溶液は、紡糸原液に粘性を付与
するための成分でもある。なお、このような水溶液とし
て、塩基性アルミニウム塩の水溶液を選択することがよ
い。シリカ源であるシリカゾルは、繊維に高い強度を付
与するための成分でもある。有機重合体は紡糸原液に曳
糸性を付与するための成分である。
【0038】紡糸原液には消泡剤等が添加されていても
よい。なお、アルミニウム塩及びシリカゾルの比率を変
更することにより、アルミナ−シリカ系繊維6の化学組
成をある程度コントロールすることができる。
【0039】次いで、得られた紡糸原液を減圧濃縮する
ことにより、紡糸に適した濃度・温度・粘度等に調製し
た紡糸原液とする。ここでは、20重量%程度であった
紡糸液を濃縮して30重量%〜40重量%程度にするこ
とがよい。また、粘度を10ポアズ〜2000ポアズに
設定することがよい。
【0040】さらに、調製後の紡糸原液を紡糸装置のノ
ズルから空気中に連続的に噴出するとともに、形成され
た前駆体繊維を延伸しながら巻き取るようにする。この
場合、例えば乾式圧力紡糸法などが採用されることが好
ましい。
【0041】以上のような紡糸工程を終えた後、連続長
繊維である前駆体繊維に倦縮を付与する。この段階で倦
縮の付与を行う理由は以下のとおりである。まず第1
に、紡糸工程を経て得られた前駆体繊維は未だセラミッ
ク体ではなく、その成分中に溶媒等を含んでいて、塑性
変形可能な性状を有している。よって、かかる工程を行
うことにより、前駆体繊維に容易に螺旋状構造または波
状構造等の倦縮を付与することができるからである。第
2に、チョップして短繊維化した後に倦縮付与を行うよ
りも、長繊維の状態でこれを行うほうが、工程上有利だ
からである。
【0042】具体的な倦縮付与方法として、本実施形態
では次のような手法を採用している。第1の手法として
は、長繊維の状態の前駆体繊維を複数本束にし、その繊
維束を芯材に巻き付けることにより、前駆体繊維の各々
に螺旋状構造を形成するというものである。芯材を用い
ずに、複数本の前駆体繊維のみを用いて撚りをかけても
よい。第2の手法としては、波状構造を有する成形面を
有する一対の専用の賦形用型の間に、長繊維の状態の前
駆体繊維を挟み込むことにより、前駆体繊維に波状構造
を形成するというものである。専用の賦形用型の代わり
に、単なるメッシュを用いることも可能である。
【0043】上記のような倦縮工程を行った後、このま
まの状態で所定温度かつ所定温度で加熱して乾燥を行う
ことにより、前駆体繊維中の溶剤を除去する。このよう
な熱セット工程を経ることにより、前駆体繊維に付与さ
れた螺旋状構造または波状構造の形状がある程度保持さ
れる。熱セット工程における温度は50℃〜200℃程
度に設定されることがよく、時間は10分〜180分程
度に設定されることがよい。
【0044】最後に焼成工程を行って前駆体繊維をセラ
ミック化(結晶化)することにより、繊維を硬化させ、
螺旋状構造または波状構造を完全に安定化させる。以上
のようなプロセスを経て得られたアルミナ−シリカ系繊
維6は、好適な形状の螺旋状構造または波状構造を備え
たものとなる。
【0045】前記焼成工程においては、熱セット工程よ
りも高温下で所定時間加熱を行う必要がある。この場
合、焼成によって得られるアルミナ−シリカ系繊維6に
おけるムライト結晶含有量が10重量%以下となるよう
な焼成条件を設定することが望ましい。例えば、焼成工
程における焼成温度は1000℃〜1300℃に設定さ
れることがよい。焼成温度が1000℃未満であると、
前駆体繊維を完全に乾燥・焼結させることができず、優
れた耐熱性及び高い圧縮荷重印加時の反発力を保持シー
ル材4に確実に付与できなくなるおそれがある。また、
形成された螺旋状構造または波状構造が確実に保持され
なくなるおそれもある。逆に、焼成温度が1300℃を
超えると、アルミナ−シリカ系繊維6におけるムライト
結晶化が進行しやすくなる。このため、ムライト結晶含
有量を10重量%以下に抑えることが困難になり、優れ
た耐熱性及び高い圧縮荷重印加時の反発力を保持シール
材4に確実に付与できなくなるおそれがある。
【0046】続いて、上記の各工程を経て得られたアル
ミナ−シリカ系繊維6の長繊維を所定長さにチョップし
てある程度短繊維化する。この後、短繊維を集綿、解繊
及び積層することにより、あるいは、短繊維を水に分散
させて得た繊維分散液を成形型内に流し込んで加圧・乾
燥することにより、マット状の繊維集合体を得る。さら
に、この繊維集合体を所定形状に打ち抜いて保持シール
材4とする。
【0047】なお、集合体形成工程の後、必要に応じて
保持シール材4に対する有機バインダの含浸を行った
後、さらに保持シール材4を厚さ方向に圧縮成形しても
よい。この場合の有機バインダとしては、アクリルゴム
やニトリルゴム等のようなラテックス等のほか、ポリビ
ニルアルコール、アクリル樹脂等が挙げられる。含浸法
としては、浸漬法、スプレー法、ロールコータ法等とい
った従来公知の手法を採用することができる。
【0048】そして、このようにして得た保持シール材
4を、触媒担持体2の外周面に巻き付けて有機テープ1
3を固定する。その後、圧入、キャニングまたは巻き締
めを行えば、所望の触媒コンバータ1が完成する。
【0049】以下、上記実施形態をより具体化した実施
例及びその比較例について説明する。 (実施例1)実施例1では、以下のようにして保持シー
ル材4の面圧評価用サンプルを作製した。
【0050】まず、塩基性塩化アルミニウム水溶液(2
3.5重量%)、シリカゾル(20重量%、シリカ粒径
15μm)、ポリビニルアルコール(10重量%)及び
消泡剤(n−オクタノール)を混合し、紡糸原液を作製
した。次いで、得られた紡糸原液をエバポレータを用い
て50℃で減圧濃縮し、濃度38重量%、粘度1000
ポアズの紡糸原液に調製した。
【0051】調製後の紡糸原液を紡糸装置のノズルから
空気中に連続的に噴出するとともに、形成された前駆体
繊維を延伸しながら巻き取った。次いで、得られた長繊
維状態の前駆体繊維を約100本束にし、その繊維束を
0.2mmφの針金に巻き付け、前駆体繊維の各々に螺
旋状構造を形成した。そして、このような巻き付け状態
で乾燥機による100℃かつ1時間の加熱乾燥を行い、
前駆体繊維を熱セットさせた。
【0052】次に、繊維束を撚り戻して再び単繊維にし
た。この段階では、倦縮工程によって形成された螺旋部
7の曲率半径は1.0mm〜3.0mm程度であった。
さらに、空気雰囲気に保持された電気炉内で、上記前駆
体繊維に対する250℃かつ30分間の加熱(前処理)
を行った後、同じく電気炉内で1250℃かつ10分間
の焼成を行った。
【0053】その結果、ムライト結晶含有量が約8重量
%、アルミナ/シリカの重量比が72:28、平均繊維
径が9μm、螺旋部7の曲率半径が1.0mm〜3.0
mm程度の真円状アルミナ−シリカ系繊維6を得た(図
5参照)。
【0054】続いて、アルミナ−シリカ系繊維6の長繊
維を5mm長にチョップして短繊維化した。その後、こ
の短繊維0.1gを3000mlの水に分散させ、得ら
れた繊維分散液を縦横10mm角の成形型枠内に流し込
んで加圧・乾燥することにより、マット状の繊維集合体
を得た。
【0055】この繊維集合体を面圧評価用サンプルとし
て用い、そのサンプルをオートグラフの圧縮治具内に収
容した。そして、同サンプルに対して厚さ方向から押圧
力を加えながら押圧力の値を徐々に増やしていったとき
の面圧(MPa)の変化を測定した。このとき、圧縮時
の速度を1mm/分に設定し、GBDが約0.25g/
cm3になるまで圧縮を続けた。その結果を図3のグラ
フに示す。 (実施例2)実施例2では、一対のメッシュを用いて賦
形を行うことにより前駆体繊維に波状構造を付与したこ
とを除き、基本的には実施例1に準じた。
【0056】その結果、ムライト結晶含有量が約8重量
%、アルミナ/シリカの重量比が72:28、平均繊維
径が9μm、波部8の曲率半径が1.0mm〜3.0m
m程度の真円状アルミナ−シリカ系繊維6を得ることが
できた。そして、これを短繊維化したものを用いてマッ
ト状の繊維集合体を作製した。 (比較例1)比較例1では、延伸して巻き取った前駆体
繊維に対し、倦縮工程及び熱セット工程を実施すること
なく、そのまま前処理及び焼成工程を行った。それ以外
の条件等については実施例1に準じた。
【0057】その結果、ムライト結晶含有量が約8重量
%、アルミナ/シリカの重量比が72:28、平均繊維
径が9μm、曲率半径が約0mmの真円状アルミナ−シ
リカ系繊維6を得た。即ち、湾曲部分の殆どない直線状
のアルミナ−シリカ系繊維6を得た。そして、これを短
繊維化したものを用いてマット状の繊維集合体を作製す
るとともに、オートグラフを用いて実施例1と同じく面
圧測定試験を行った。その結果を図3のグラフに示す。 (比較例2)比較例2では、従来公知の熔融法による紡
糸を行って、アルミナ/シリカの重量比が50:50の
直線状セラミック繊維を得た。そして、これを短繊維化
したものを用いてマット状の繊維集合体を作製するとと
もに、オートグラフを用いて実施例1と同じく面圧測定
試験を行った。その結果を図3のグラフに示す。 (試験結果)図3のグラフによると、0.1g/cm3
〜0.25g/cm3の領域(即ち低GBD領域)にお
いては、実施例1のほうが比較例1よりも高い面圧を示
すことがわかった。また、比較例2については、これら
のものに比較して相当低い面圧になることも併せてわか
った。なお、実施例2についての具体的なデータは省略
するが、実施例1のデータとほぼ同程度の結果を得た。
【0058】実施例1,2については、さらに上記繊維
集合体を所定形状に打ち抜いて保持シール材4を作製し
た後、これを触媒担持体2に巻き付けて金属製シェル3
内に圧入した。触媒担持体2としては、外径130mm
φ、長さ100mmのコージェライトモノリスを用い
た。金属製シェル3としては、肉厚1.5mmかつ内径
140mmφであって断面O字状のSUS304製円筒
部材を用いた。このようにして組み立てられた触媒コン
バータ1を、3リットルのガソリンエンジンに実際に搭
載して連続運転するという試験を行った。その結果、走
行時における異音の発生も触媒担持体2のガタつきも認
められなかった。
【0059】従って、本実施形態によれば以下のような
効果を得ることができる。 (1)本実施形態では、非直線状であって湾曲した部分
を有するアルミナ−シリカ系繊維6を用いて保持シール
材4を作製している。このため、外部荷重が加わった場
合にその湾曲部分が、いわばバネのように働いて、元の
形状に復元しようとする力が生まれる。また、上記アル
ミナ−シリカ系繊維6は直線状のものに比べて凹凸が多
いため、マット状の集合体となったときに繊維同士が引
っ掛かって絡みやすい。このことも復元力の向上に寄与
している。よって、本実施形態の保持シール材4によれ
ば、低GBD領域に設定したときでも十分高い初期面圧
を得ることができる。また、材料使用量を減らすことが
可能となるため、コスト性に優れたものとなる。
【0060】(2)本実施形態の保持シール材4は、非
晶質成分の少ないアルミナ−シリカ系繊維6を用いて構
成されている。従って、繊維自体の耐熱性が高いものと
なり、高温での面圧の経時劣化が少ない優れた保持シー
ル材4を得ることができる。
【0061】(3)本実施形態の保持シール材4では、
螺旋部7または波部8の曲率半径を上記好適範囲内にて
設定している。従って、製造の困難化及び高コスト化を
回避しつつ十分高い初期面圧を確実に達成することがで
きる。
【0062】(4)また、上記の製造方法によれば、好
適な形状の螺旋状構造または波状構造を備えたアルミナ
−シリカ系繊維6を得ることができる。しかも、無機塩
法により得られるセラミック繊維は結晶体であるため、
熔融法により得られる非結晶質のセラミック繊維に比べ
て、高温における強度が高くなるという利点がある。よ
って、高温での面圧の経時劣化が少ない保持シール材4
の形成にとって好都合となる。
【0063】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 実施形態にて例示したアルミナ−シリカ系繊維6の
代わりに、例えば結晶質アルミナ繊維、シリカ繊維等の
ような他のセラミック繊維を用いて、保持シール材4を
作製してもよい。
【0064】・ 実施形態において例示した方法とは異
なる手法(例えば仮撚り法、押込法、擦過法などの物理
的加工法)を用いて、前駆体繊維に倦縮を付与すること
も許容される。具体的には、仮撚り法を採用した場合、
規則的な螺旋部を複数箇所に有する螺旋状繊維が期待で
きる。押込法を採用した場合、不規則的な座屈部分を複
数箇所に有する非直線状繊維が期待できる。擦過法を採
用した場合、異形断面であって規則的なコイルを複数箇
所に有するコイル状繊維が期待できる。
【0065】・ 保持シール材4の形状は任意に変更す
ることが可能である。例えば、凹凸状の位置合わせ部1
1,12を省略して、より単純な形状にしてもよい。 ・ 触媒担持体2の断面形状は真円状に限定されること
はなく、例えば楕円状または長円状等であってもよい。
この場合、金属製シェル3の断面形状も、それに合わせ
て楕円状または長円状等に変更してもよい。
【0066】・ 触媒担持体2としては、実施形態のよ
うなハニカム状に成形したコージェライト担体が用いら
れるほか、例えば炭化珪素、窒化珪素等のハニカム多孔
質焼結体などが用いられてもよい。
【0067】・ 実施形態では、本発明の保持シール材
4を排気ガス浄化装置用触媒コンバータ1に使用した例
を示した。勿論、本発明の保持シール材4は、排気ガス
浄化装置用触媒コンバータ1以外のもの、例えばディー
ゼルパティキュレートフィルタ(DPF)や、燃料電池
改質器用触媒コンバータ等に使用することも許容され
る。
【0068】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想を以下に列挙する。 (1) 触媒担持体と、その触媒担持体の外周を覆う金
属製シェルと、前記触媒担持体と前記金属製シェルとの
ギャップに配置され、マット状に集合したセラミック繊
維を構成要素とする保持シール材とを含んで構成された
触媒コンバータにおいて、前記セラミック繊維が螺旋状
構造または波状構造を有していることを特徴とする触媒
コンバータ。従って、この技術的思想1に記載の発明に
よれば、耐久性及びコスト性に優れた触媒コンバータと
することができる。
【0069】(2) マット状に集合したセラミック繊
維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周
を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シー
ル材であって、前記セラミック繊維が倦縮を有している
ことを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
【0070】(3) マット状に集合したセラミック繊
維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周
を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シー
ル材であって、前記セラミック繊維は湾曲部分を複数箇
所に有する非直線状繊維であることを特徴とする触媒コ
ンバータ用保持シール材。
【0071】(4) マット状に集合したセラミック繊
維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周
を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シー
ル材であって、前記セラミック繊維は規則性のある湾曲
部分を連続的に有する非直線状繊維であることを特徴と
する触媒コンバータ用保持シール材。
【0072】(5) マット状に集合したセラミック繊
維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周
を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シー
ル材であって、前記セラミック繊維は複数箇所に座屈部
分を有する非直線状繊維であることを特徴とする触媒コ
ンバータ用保持シール材。
【0073】(6) 請求項1乃至3のいずれか1項に
おいて、前記セラミック繊維は、無機塩法により作製さ
れたセラミック繊維紡糸原液を材料として前駆体繊維を
得る紡糸工程と、前記前駆体繊維に螺旋状構造または波
状構造を物理的な手法によって付与する倦縮工程と、螺
旋状構造または波状構造が付与された前記前駆体繊維を
加熱して乾燥する熱セット工程と、前記熱セット工程よ
りも高温下で加熱することにより前記前駆体繊維を焼結
させる焼成工程とを経て製造されたものであることを特
徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜4に記
載の発明によれば、GBDの値を高く設定しなくても十
分高い初期面圧を得ることができ、コスト性にも優れた
触媒コンバータ用保持シール材を提供することができ
る。
【0075】請求項2,4に記載の発明によれば、高温
での面圧の経時劣化が少ない保持シール材を得ることが
できる。請求項3に記載の発明によれば、製造の困難化
及び高コスト化を回避しつつ十分高い初期面圧を確実に
達成することができる。
【0076】請求項5に記載の発明によれば、上記の触
媒コンバータ用保持シール材に好適なセラミック繊維集
合体を提供することができる。請求項6に記載の発明に
よれば、上記の触媒コンバータ用保持シール材に好適な
セラミック繊維を提供することができる。
【0077】請求項7に記載の発明によれば、上記の触
媒コンバータ用保持シール材に好適なセラミック繊維の
製造方法を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の触媒コンバー
タ用保持シール材の斜視図。
【図2】実施形態の触媒コンバータを製造工程を説明す
るための斜視図。
【図3】実施形態の触媒コンバータの部分断面図。
【図4】(a)は波状構造を有するセラミック繊維の概
略斜視図、(b)は螺旋状構造を有するセラミック繊維
の概略斜視図。
【図5】実施例1及び比較例1,2についての比較試験
の結果を示すグラフ。
【図6】保持シール材を構成するセラミック繊維のSE
M写真。
【符号の説明】
1…触媒コンバータ、2…触媒担持体、3…金属製シェ
ル、4…触媒コンバータ用保持シール材、6…セラミッ
ク繊維としてのアルミナ−シリカ系繊維、7…螺旋部7
…波部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 1/42 D04H 1/50 4L047 1/50 D01F 9/08 Z // D01F 9/08 B01D 53/36 ZABC (72)発明者 畑中 清成 岐阜県大垣市河間町3丁目200番地 イビ デン 株式会社河間工場内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AB01 BA39 GA06 GB01X GB01Z GB06W GB10X GB10Z GB17X GB17Z GB19Z HA27 HA28 HA29 HA31 4D048 BA03X BA06X BA10X BA30X BA32X BA42X BA45X BA46X BB02 CC04 CC06 4G069 AA01 AA08 BA13A BA13B CA02 CA03 CA13 CA14 CA15 CA18 EA19 EA28 EB14Y ED03 ED06 FA01 FB66 4L036 MA04 MA24 MA33 PA01 PA03 PA18 RA05 UA07 UA08 4L037 CS19 CT22 FA01 FA17 PA45 PC11 UA06 UA15 UA17 4L047 AA04 AB02 AB09 AB10 BA22 BA23 CA05 CA06 CA18 CB05 CB09 CC09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マット状に集合したセラミック繊維を構成
    要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金
    属製シェルとのギャップに配置される保持シール材であ
    って、前記セラミック繊維が螺旋状構造または波状構造
    を有していることを特徴とする触媒コンバータ用保持シ
    ール材。
  2. 【請求項2】前記セラミック繊維は、アルミナ−シリカ
    系繊維であることを特徴とする請求項1に記載の触媒コ
    ンバータ用保持シール材。
  3. 【請求項3】前記螺旋状構造における螺旋部または前記
    波状構造における波部の曲率半径は、0.1mm〜1
    0.0mmであることを特徴とする請求項1または2に
    記載の触媒コンバータ用保持シール材。
  4. 【請求項4】前記セラミック繊維は、無機塩法により作
    製されたセラミック繊維紡糸原液を材料として前駆体繊
    維を得る紡糸工程と、前記前駆体繊維に倦縮を付与する
    倦縮工程と、倦縮が付与された前記前駆体繊維を加熱し
    て乾燥する熱セット工程と、前記熱セット工程よりも高
    温下で加熱することにより前記前駆体繊維を焼結させる
    焼成工程とを経て製造されたものであることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の触媒コンバー
    タ用保持シール材。
  5. 【請求項5】マット状に集合したセラミック繊維からな
    り、前記セラミック繊維が螺旋状構造または波状構造を
    有していることを特徴とするセラミック繊維集合体。
  6. 【請求項6】螺旋状構造または波状構造を有するアルミ
    ナ−シリカ系繊維であって、前記螺旋状構造における螺
    旋部または前記波状構造における波部の曲率半径が0.
    1mm〜10.0mmであることを特徴とするセラミッ
    ク繊維。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の繊維を製造する方法であ
    って、無機塩法により作製されたアルミナ−シリカ系繊
    維紡糸原液を材料として前駆体繊維を得る紡糸工程と、
    前記前駆体繊維に倦縮を付与する倦縮工程と、倦縮が付
    与された前記前駆体繊維を加熱して乾燥する熱セット工
    程と、前記熱セット工程よりも高温下で加熱することに
    より前記前駆体繊維を焼結させる焼成工程とを含むこと
    を特徴とするセラミック繊維の製造方法。
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