JP5274607B2 - 触媒コンバータ用保持シール材及び触媒コンバータ - Google Patents

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本発明は、触媒コンバータ用保持シール材及び触媒コンバータに関するものである。
従来、車両用、特に自動車の動力源として、ガソリンや軽油を燃料とする内燃機関が百年以上にわたり用いられてきた。しかしながら、排気ガスが健康や環境に害を与えることが次第に問題となってきている。それゆえ、最近では排気ガス中に含まれているCO、NOx、HC等を除去する排気ガス浄化用触媒コンバータや、PM等を除去するDPFが各種提案されるに至っている。通常の排気ガス浄化用触媒コンバータは、触媒担持体と、前記触媒担持体の外周を覆う金属製シェルと、両者間のギャップに配置される保持シール材とを備えている。触媒担持体としてはハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられており、それには白金等の触媒が担持されている。
また最近では、石油を動力源としない次期のクリーンな動力源の研究が進められており、そのうち特に有望なものとして例えば燃料電池がある。燃料電池とは、水素と酸素とが反応して水ができる際に得られる電気を、動力源として用いるものである。酸素は空気中からじかに取り出される反面、水素についてはメタノール、ガソリン等を改質して用いている。この場合、メタノール等の改質は触媒反応によって行われる。そして、このような燃料電池にも、触媒担持体と、触媒担持体の外周を覆う金属製シェルと、両者間のギャップに配置される保持シール材とを備える燃料電池用触媒コンバータが用いられている。触媒担持体としてはハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられており、それには銅系の触媒が担持されている。
上記の触媒コンバータを製造する方法をここで簡単に説明しておく。まず、アルミナ源及びシリカ源を含む出発材料を約2000℃に加熱して熔融させた状態で紡糸及び急冷を行い、アルミナ含有率及びシリカ含有率が同程度のセラミック繊維を得る。この後、前記セラミック繊維をマット状に集合させてなる材料を作製する。この材料を金型で打ち抜くことによって、帯状の保持シール材を作製する。次に、この保持シール材を触媒担持体の外周面に巻き付け、この状態で金属製シェル内に前記触媒担持体を収容する。その結果、触媒コンバータが完成するようになっている。
ところで、この種の触媒コンバータの保持シール材には、触媒担持体を長期にわたって確実に保持する性能が要求されている。
しかしながら、上記熔融法により作製された従来のセラミック繊維は、非結晶成分が多いことに加え、結晶化率(ムライト化率)が1重量%未満と、極めて低い。このため、同繊維が長期にわたって高温に晒されると、結晶化の進行によって熱収縮が生じ、繊維が脆弱化して折れやすくなる。ゆえに、同繊維を用いて作製された保持シール材の場合、十分高い初期面圧を期待できないばかりか、面圧の経時劣化の度合いも大きかった。
そこで、セラミック繊維の結晶化率を10重量%程度に上げるという対策が考えられる。ところが、この場合には繊維の硬質化に起因して保持シール材の弾力性や伸縮性が損なわれ、シール性の悪化を来してしまう。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、初期面圧が高くて面圧の経時劣化を起こしにくいことに加え、シール性にも優れた触媒コンバータ用保持シール材、触媒コンバータを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記の保持シール材を得るうえで好適な製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、マット状に集合したアルミナーシリカ系繊維の同一材料よりなる繊維集合体を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シール材であって、第1面側部位の結晶化率と第2面側部位の結晶化率とが異なることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材をその要旨とする。
請求項2に記載の発明では、マット状に集合したアルミナーシリカ系繊維の同一材料よりなる繊維集合体を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シール材であって、第1面側から第2面側に行くに従って結晶化率が大きくなっていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材をその要旨とする。
請求項3に記載の発明では、請求項2において、1枚の繊維集合体からなり、その繊維集合体の第1面側から第2面側に行くに従って結晶化率が大きくなっているとした。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、第1面側部位の結晶化率と第2面側部位の結晶化率との差は3重量%以上であるとした。請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、第1面側部位の結晶化率は0重量%〜1重量%、第2面側部位の結晶化率は1重量%〜10重量%であるとした。
請求項6に記載の発明では、マット状に集合したアルミナーシリカ系繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される同一材料よりなる保持シール材であって、結晶化率が部位により異なることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材をその要旨とする。
本明細書に開示する技術として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の保持シール材の製造方法であって、セラミック繊維紡糸原液を材料として前駆体繊維を得る紡糸工程と、上記前駆体繊維を積層してマット状繊維集合体とする積層工程と、第1面側の焼成温度と第2面側の焼成温度との間で差を設けるようにして上記繊維集合体を焼結させる焼成工程とを含むことを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材の製造方法が挙げられる。
上記製造方法において、上記焼成温度の差を100℃以上に設定することとした。
上記製造方法において、第1面側の焼成温度を800℃〜1100℃に設定し、第2面側の焼成温度を1100℃〜1400℃に設定することとした。
請求項7に記載の発明では、触媒担持体と、その触媒担持体の外周を覆う筒状の金属製シェルと、それらのギャップ間に配置され、マット状に集合したアルミナーシリカ系繊維を構成要素とする同一材料よりなる保持シール材とを備える触媒コンバータにおいて、上記保持シール材は、結晶化率が相対的に小さい第1面側を上記金属製シェルに接触させ、かつ結晶化率が相対的に大きい第2面側を上記触媒担持体に接触させた状態で、上記ギャップ間に配置されていることを特徴とする触媒コンバータをその要旨とする。
以下、本発明の「作用」について説明する。請求項1に記載の発明によると、第1面側部位の結晶化率と第2面側部位の結晶化率とが異なっている。このため、結晶化率が相対的に大きくて耐熱性に優れた面側を高温側に配置するとともに、結晶化率が相対的に小さくて弾力性や伸縮性に優れた面側を低温側に配置することができる。従って、高温側においては繊維が脆弱化しにくくなる一方、低温側においては他部材との間に隙間が生じにくくなる。よって、初期面圧が高くて面圧の経時劣化を起こしにくいことに加え、シール性にも優れた触媒コンバータ用保持シール材を実現することができる。
請求項2に記載の発明によると、第1面側から第2面側に行くに従って結晶化率が大きくなっているため、耐熱性に優れた第2面側を高温側に配置するとともに、弾力性や伸縮性に優れた第1面側を低温側に配置することができる。従って、高温側においては繊維が脆弱化しにくくなる一方、低温側においては他部材との間に隙間が生じにくくなる。よって、初期面圧が高くて面圧の経時劣化を起こしにくいことに加え、シール性にも優れた触媒コンバータ用保持シール材を実現することができる。
請求項3に記載の発明によると、例えば結晶化率が異なる複数枚の繊維集合体により構成されたものとは異なり、繊維集合体同士を重ねて貼り合わせる等の作業が不要になり、製造時の工数が少なくなる。また、複数枚重ね構造のものに比べて肉薄にすることが可能なため、狭いギャップに比較的容易に配置することができる。さらに、複数枚重ね構造のものでは繊維集合体同士の界面を流体が通過する可能性があるのに対し、本発明のような1枚構造であればそもそも界面がないため、流体の通過を心配する必要がなくなる。よって、シール性に優れたものとなる。
請求項5に記載の発明によると、第1面側部位の結晶化率及び第2面側部位の結晶化率をそれぞれ上記好適範囲内に設定したことにより、面圧特性及びシール性を確実に向上させることができる。第1面側部位の結晶化率が1重量%を超えた場合や、第2面側部位の結晶化率が1重量%未満となった場合には、両者間の結晶化率差が小さくなりすぎ、目的とする性質が得られなくなってしまう。第2面側部位の結晶化率が10重量%を超えた場合には、かえって当該部位の耐熱性が低下するおそれがある。
請求項6に記載の発明によると、結晶化率が均一ではなく部位により異なっている。このため、結晶化率が相対的に大きくて耐熱性に優れた部位を高温側に配置するとともに、結晶化率が相対的に小さくて弾力性や伸縮性に優れた部位を低温側に配置することができる。従って、高温側においては繊維が脆弱化しにくくなる一方、低温側においては他部材との間に隙間が生じにくくなる。よって、初期面圧が高くて面圧の経時劣化を起こしにくいことに加え、シール性にも優れた触媒コンバータ用保持シール材を実現することができる。
上記製造方法において、第1面側の焼成温度と第2面側の焼成温度との間で差を設けるようにしてマット状繊維集合体を焼結させることにより、両面の結晶化率の異なる保持シール材を比較的簡単にかつ確実に製造することができる。また、このような製造方法は、1枚の繊維集合体において第1面側から第2面側に行くに従って結晶化率が大きくなっている保持シール材の製造にも適している。しかも、この製造方法であれば、特殊な焼成用装置を用いるまでもなく既存の焼成用装置を流用することが可能である。よって、設備コストの増大を回避することができる。
上記製造方法において、焼成温度の差を100℃以上に設定することにより、第1面側と第2面側とで焼結しやすさに差異ができ、結晶化率に差を持たせることが可能となる。よって、両面の結晶化率の異なる保持シール材をより確実に製造することができる。
上記製造方法において、第1面側の焼成温度のほうが第2面側の焼成温度よりも低く設定されているため、焼成を行うと、第1面側から第2面側に行くに従って結晶化率が大きくなっている保持シール材を得ることができる。
第1面側の焼成温度が800℃未満であると、そもそも焼結反応が十分に進まず、必要とされる機械的強度を得ることができなくなる。第1面側の焼成温度が1100℃を超えたり、第2面側の焼成温度が1100℃未満の場合、両者間の結晶化率差が小さくなりすぎ、目的とする性質が得られなくなってしまう。第2面側の焼成温度が1400℃を越えると、結晶化が進行しすぎてかえって機械的強度、耐熱性の低下につながってしまうおそれがある。
請求項7に記載の発明の作用は以下のとおりである。通常、触媒コンバータの使用時には、高温の流体に直接晒される触媒担持体のほうが高温になる一方、金属製シェルは触媒担持体ほど高温にはならない。よって、触媒担持体に接する面側において特に高温耐久性が要求される。本発明ではこの事実に鑑みて、結晶化率が相対的に大きい第2面側、即ち耐熱性に優れた面側を触媒担持体に接触させている。一方、結晶化率が相対的に小さい第1面側、即ち耐熱性には劣るが弾力性や伸縮性に優れた面側を金属製シェルに接触させている。それゆえ、触媒担持体に接している部位の繊維が脆弱化しにくくなり、結果として初期面圧が高くて面圧の経時劣化を起こしにくい保持シール材となる。また、金属製シェルに接している部位には弾性力が作用することから、金属製シェルとの間に隙間が生じにくくなり、結果としてシール性に優れた保持シール材となる。
以上のことから、触媒担持体の保持性に優れるとともに、流体が漏れにくくて処理効率のよい触媒コンバータを実現することができる。
以上詳述したように、請求項1〜6に記載の発明によれば、初期面圧が高くて面圧の経時劣化を起こしにくいことに加え、シール性にも優れた触媒コンバータ用保持シール材を提供することができる。
上記製造方法によれば、上記の保持シール材を得るうえで好適な製造方法を提供することができる。請求項7に記載の発明によれば、初期面圧が高くて面圧の経時劣化を起こしにくいことに加え、シール性にも優れた触媒コンバータを提供することができる。
本発明を具体化した実施形態の触媒コンバータ用保持シール材の斜視図。 上記実施形態の触媒コンバータの製造工程を説明するための斜視図。 上記実施形態の触媒コンバータの断面図。 実施形態においてマット状繊維集合体の焼成工程を説明するための概略図。 実施例及び比較例における面圧の経時劣化を示すグラフ。 別例の触媒コンバータの断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態の自動車排気ガス浄化装置用触媒コンバータを図1〜図5に基づき詳細に説明する。
図3に示される本実施形態の触媒コンバータ1は、自動車の車体において、エンジンの排気管の途中に設けられる。エンジンから触媒コンバータ1までの距離は比較的短いため、触媒コンバータ1には約700℃〜900℃の高温の排気ガスが供給されるようになっている。エンジンがリーンバーンエンジンである場合には、触媒コンバータ1には約900℃〜1000℃という、さらに高温の排気ガスが供給されるようになっている。
図3に示されるように、本実施形態の触媒コンバータ1は、基本的に、触媒担持体2と、触媒担持体2の外周を覆う金属製シェル3と、両者2、3間のギャップに配置される保持シール材4とによって構成されている。
上記触媒担持体2は、コージェライト等に代表されるセラミック材料を用いて作製されている。この触媒担持体2は断面円形状をした柱状部材となっている。また、触媒担持体2は、軸線方向に沿って延びる多数のセル5を有するハニカム構造体であることが好ましい。セル壁には排気ガス成分を浄化しうる白金やロジウム等の貴金属系触媒が担持されている。なお、触媒担持体2として、上記のコージェライト担体のほかにも、例えば炭化珪素、窒化珪素等のハニカム多孔質焼結体等を用いてもよい。
上記金属製シェル3としては、例えば組み付けに際して圧入方式を採用する場合には、断面O字状の金属製円筒部材が用いられる。なお、円筒部材を形成するための金属材料としては、耐熱性や耐衝撃性に優れた金属(例えばステンレス等のような鋼材等)が選択されることがよい。圧入方式に代えていわゆるキャニング方式を採用する場合には、上記断面O字状の金属製円筒部材を軸線方向に沿って複数片に分割したもの(即ちクラムシェル)が用いられる。
そのほか、組み付けに際して巻き締め方式を採用する場合には、例えば断面C字状ないしU字状の金属製円筒部材、言い換えるといわば軸線方向に沿って延びるスリット(開口部)を1箇所にのみ有する金属製円筒部材が用いられる。この場合、触媒担持体2の組み付けに際し、触媒担持体2に保持シール材4を固定したものを金属製シェル3内に収め、その状態で金属製シェル3を巻き締めた後に開口端が接合(溶接、接着、ボルト締め等)される。溶接、接着、ボルト締め等といった接合作業は、キャニング方式を採用したときにも同様に行われる。
図1に示されるように、この保持シール材4は長尺状のマット状物であって、その一端には凹状合わせ部11が設けられ、他端には凸状合わせ部12が設けられている。図2に示されるように、触媒担持体2への巻き付け時には、凸状合わせ部12が凹状合わせ部11にちょうど係合するようになっている。
本実施形態の保持シール材4は、マット状に集合したセラミック繊維(即ち繊維集合体M1)を主要な要素として構成されたものである。上記セラミック繊維として、本実施形態ではアルミナ−シリカ系繊維6が用いられている。
本実施形態の保持シール材4では、ムライト結晶化率が均一ではなく部位により異なっている。即ち、1枚の繊維集合体M1における第1面側S1部位の結晶化率と第2面側S2部位の結晶化率とが異なり、具体的には第1面側S1から第2面側S2に行くに従って結晶化率が大きくなっている。
なお、保持シール材4における第1面側S1は、相対的に低温で焼成された面側であって、耐熱性がそれほど要求されていない金属製シェル3側に接触するようにして配置されている。ゆえに、第1面側S1は、低温焼成面またはシェル側接触面と把握することもできる。一方、第2面側S2は、相対的に高温で焼成された面側であって、耐熱性が要求されている触媒担持体2側に接触するようにして配置されている。ゆえに、第2面側S2は、高温焼成面または担持体側接触面として把握することもできる。
ここで、第1面側S1の表層部位の結晶化率と、第2面側S2の表層部位の結晶化率との差は、3重量%以上であることが好ましい。より具体的には、第1面側S1の表層部位の結晶化率は0重量%〜1重量%、第2面側S2の表層部位の結晶化率は1重量%〜10重量%であることが好ましい。
第1面側S1の表層部位の結晶化率が1重量%を超えた場合や、第2面側S2の表層部位の結晶化率が1重量%未満となった場合には、両者間の結晶化率差が小さくなりすぎ、目的とする性質が得られなくなってしまう。第2面側S2の表層部位の結晶化率が10重量%を超えた場合には、かえって当該部位の耐熱性が低下するおそれがある。なお、第1面側S1の表層部位の結晶化率が0重量%であること、言い換えると当該部位は非晶質からなるものであることが望ましい。
アルミナ−シリカ系繊維6におけるアルミナ量は40重量%〜100重量%であることがよく、シリカ量は0重量%〜60重量%であることがよい。また、アルミナ−シリカ系繊維6の平均繊維径は、3μm〜25μm程度であることがよく、さらには5μm〜15μm程度であることがなおよい。平均繊維径を小さくしすぎると、呼吸器系に吸い込まれやすくなるという不都合が生じるからである。アルミナ−シリカ系繊維6の平均繊維長は、0.1mm〜100mm程度であることがよく、さらには2mm〜50mm程度であることがなおよい。
第2面側S2に存在するアルミナ−シリカ系繊維6については、繊維引張強度が1.0GPa以上、繊維曲げ強度が0.8GPa以上、弾性率が9.5×1010N/m以上であることがよい。第1面側S1に存在するアルミナ−シリカ系繊維6については、繊維引張強度が2.0GPa以上、繊維曲げ強度が1.5GPa以上、弾性率が11.0×1010N/m以上であることがよい。その理由は、繊維引張強度や繊維曲げ強度等が大きくなると、引っ張りや曲げに対して極めて強いアルミナ−シリカ系繊維6となるからである。
なお、アルミナ−シリカ系繊維6の断面形状は、真円形状でもよいほか、異形断面形状(例えば楕円形状、長円形状、略三角形状等)でも構わない。組み付け前の状態における保持シール材4の厚さは、触媒担持体2と金属製シェル3とがなすギャップの1.1倍〜4.0倍程度、さらには1.5倍〜3.0倍程度であることが望ましい。上記厚さが1.1倍未満であると、高い担持体保持性を得ることができず、触媒担持体2が金属製シェル3に対してズレたりガタついたりするおそれがある。勿論、この場合には高いシール性も得られなくなるため、ギャップ部分からの排気ガスのリークが起こりやすくなり、高度な低公害性を実現できなくなってしまう。また、上記厚さが4.0倍を超えると、特に圧入方式を採用した場合には、触媒担持体2の金属製シェル3への配置が困難になってしまう。よって、組み付け性の向上を達成できなくなるおそれがある。
また、組み付け後における保持シール材4のGBD(嵩密度)は、0.10g/cm〜0.30g/cm、さらには0.10g/cm〜0.25g/cmとなるように設定されることが好ましい。GBDの値が極端に小さいと、十分に高い初期面圧を実現することが困難になる場合がある。一方、GBDが大きすぎると、材料として使用すべきアルミナ−シリカ系繊維6の量が増え、コスト高を招きやすくなる。
組み付け状態における保持シール材4の初期面圧は50kPa以上、さらには70kPa以上であることが好ましい。初期面圧の値が高ければ、面圧の経時劣化が起こったとしても、触媒担持体2の好適な保持性を維持することができるからである。
なお、保持シール材4に対し必要に応じて、ニードルパンチ処理や樹脂含浸処理等を施してもよい。これらの処理を施すことにより、保持シール材4を厚さ方向に圧縮して肉薄化することが可能となるからである。
次に、触媒コンバータ1を製造する手順を説明する。まず、アルミニウム塩水溶液、シリカゾル及び有機重合体を混合し、紡糸原液を作製する。言い換えると、無機塩法により紡糸原液を作製する。アルミナ源であるアルミニウム塩水溶液は、紡糸原液に粘性を付与するための成分でもある。なお、このような水溶液として、塩基性アルミニウム塩の水溶液を選択することがよい。シリカ源であるシリカゾルは、繊維に高い強度を付与するための成分でもある。有機重合体は紡糸原液に曳糸性付与剤としての役割を果たす成分であって、本実施形態においては例えばPVA(ポリビニルアルコール)等が用いられている。
次いで、得られた紡糸原液を減圧濃縮することにより、紡糸に適した濃度・温度・粘度等に調製した紡糸原液とする。ここでは、20重量%程度であった紡糸原液を濃縮して30重量%〜40重量%程度にすることがよい。また、粘度を10ポアズ〜2000ポアズに設定することがよい。
さらに、調製後の紡糸原液を紡糸装置のノズルから空気中に吐出すると、ノズルの開口形状に相似の断面形状を有する前駆体繊維が連続的に得られる。このようにして紡出された前駆体繊維を延伸しながら順次巻き取るようにする。この場合、例えば乾式圧力紡糸法などが採用されることが好ましい。
続いて、前駆体繊維の長繊維を所定長さにチョップしてある程度短繊維化する。この後、短繊維を集綿、解繊及び積層することにより、あるいは、短繊維を水に分散させて得た繊維分散液を成形型内に流し込んで加圧・乾燥することにより、マット状の繊維集合体M1を得る。
上記積層工程に続いて繊維集合体M1の焼成工程を行い、前駆体繊維を焼結してセラミック化(結晶化)する。これにより前駆体繊維を硬化させ、アルミナ−シリカ系繊維6とする。図4には、本実施形態において使用される焼成用装置としての電気炉21が例示されている。
この電気炉21は、被焼成物を水平方向に搬送しながら連続的に加熱・焼成するための装置である。電気炉21を構成する本体22内には、搬送手段としてのネットコンベア23が収容されている。ネットコンベア23上には、被焼成物である上記マット状繊維集合体M1が載置されている。ネットコンベア23の上方には第1加熱手段としての上側電熱ヒータ24が離間配置され、ネットコンベア23の下方には第2加熱手段としての下側電熱ヒータ25が離間配置されている。これらの電熱ヒータ24、25は、図示しない温度制御手段を介して電源に接続されている。この装置では2種の電熱ヒータ24、25の温度制御を個別に行うことができるようになっている。
そして焼成工程では、大気かつ常圧に保持された電気炉21内で、上記繊維集合体M1に対する予備加熱(前処理)を行った後、同じく大気かつ常圧に保持された電気炉21内で本加熱(焼成)を行う。
このとき、2種の電熱ヒータ24、25の温度設定を変え、ある程度の温度差を与えるようにする。即ち、第1面側S1の焼成温度と第2面側S2の焼成温度との間で、差を設けるようにして繊維集合体M1を焼結させるようにする。なお、本実施形態では、上側電熱ヒータ24の設定温度を下側電熱ヒータ25の設定温度よりも高くなるようにしている。
この場合、焼成時に設定する温度の差を100℃以上に設定することがよく、特には200℃以上にすることがよりよい。上記温度差が100℃未満であると、第1面側S1と第2面側S2とで焼結しやすさに十分な差異を設けることができず、結晶化率に差を持たせることが困難になるからである。
また、第1面側S1の焼成温度を800℃〜1100℃に設定し、第2面側S2の焼成温度を1100℃〜1400℃に設定することがよい。第1面側S1の焼成温度が800℃未満であると、そもそも焼結反応が十分に進まず、必要とされる機械的強度を得ることができなくなる。第1面側S1の焼成温度が1100℃を超えたり、第2面側S2の焼成温度が1100℃未満の場合、両者間の結晶化率差が小さくなりすぎ、目的とする性質が得られなくなる。第2面側S2の焼成温度が1400℃を越えると、結晶化が進行しすぎてかえって機械的強度、耐熱性の低下につながってしまうおそれがある。
さらに、焼成時間(具体的には最高加熱温度にて保持する時間)は10分〜60分に設定することがよい。焼成時間が短すぎると、十分高い温度が設定されていたとしても、焼結反応が十分に進まなくなるおそれがある。よって、必要とされる機械的強度を得ることができなくなる。焼成時間が長すぎると、生産効率の低下を来すばかりでなく、結晶化が進行しすぎてかえって機械的強度、耐熱性の低下につながってしまうおそれがある。
続く打ち抜き工程では、焼成工程を経たマット状繊維集合体M1を所定形状に打ち抜いて保持シール材4とする。この後、必要に応じて保持シール材4に対する有機バインダの含浸を行った後、さらに保持シール材4を厚さ方向に圧縮成形してもよい。この場合の有機バインダとしては、アクリルゴムやニトリルゴム等のようなラテックス等のほか、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂等が挙げられる。
そして、保持シール材4を触媒担持体2の外周面に巻き付けて有機テープ13を固定する。その後、圧入、キャニングまたは巻き締めを行えば、所望の触媒コンバータ1が完成する。
以下、上記実施形態をより具体化した実施例及びその比較例について説明する。
(実施例)
実施例では、まず、塩基性塩化アルミニウム水溶液(23.5重量%)、シリカゾル(20重量%、シリカ粒径15nm)及び曳糸性付与剤であるポリビニルアルコール(10重量%)を混合し、紡糸原液を作製した。次いで、得られた紡糸原液をエバポレータを用いて50℃で減圧濃縮し、濃度38重量%、粘度1500ポアズの紡糸原液に調製した。
調製後の紡糸原液を紡糸装置のノズル(断面真円状)から空気中に連続的に噴出するとともに、形成された前駆体繊維を延伸しながら巻き取った。続いて、前駆体繊維の長繊維を5mm長にチョップして短繊維化した。その後、この短繊維を水に分散させ、得られた繊維分散液を成形型枠内に流し込んで加圧・乾燥することにより、マット状の繊維集合体M1を得た。
上記積層工程に続く焼成工程では、大気かつ常圧に保持された電気炉21内で、上記繊維集合体M1に対する250℃、30分間の加熱(前処理)をあらかじめ行った後、同じく大気かつ常圧に保持された電気炉21内でその焼成を行った。
本実施例では、焼成時における第1面側S1の表面温度が1250℃となるように上側電熱ヒータ24の温度を高めに設定し、第2面側S2の表面温度が1000℃となるように下側電熱ヒータ25の温度を低めに設定した。つまり、250℃の焼成温度差を設けた。焼成時間は30分間とした。
このようにして得られた繊維集合体M1の第1面側S1の表層部位及び第2面側S2の表層部位のアルミナ−シリカ系繊維6をそれぞれ採取し、いくつかの項目について調査を行った。その結果を表1に示す。
アルミナ−シリカ系繊維6の結晶化率については、第1面側S1の表層部位のほうが第2面側S2の表層部位に比べて明らかに小さくなっていた。逆に、アルミナ−シリカ系繊維6の繊維引張強度、繊維曲げ強度、弾性率及び伸度については、第1面側S1の表層部位のほうが第2面側S2の表層部位に比べて大きくなっていた。
なお、アルミナ/シリカの重量比は72:28、平均繊維径は10.5μm、繊維の断面形状は真円状であった。上記マット状繊維集合体M1を25mm角に打ち抜いて面圧測定用サンプルとし、これを専用の治具にて挟持し、嵩密度(GBD)が0.3g/cm3となるようにした。この状態の面圧測定用サンプルを1000℃の大気圧中に保持し、1時間後、10時間後、100時間後の面圧を測定した。なお、1時間後の面圧を「初期面圧」として位置付け、100時間後の面圧を「耐久後面圧」として位置付けた。また、(耐久後面圧/初期面圧)×100(%)を計算し、面圧経時劣化率とした。それらの結果を図5のグラフに示す。
これによると、実施例のサンプルでは、初期面圧も耐久後面圧も100kPaを超えており、面圧経時劣化率も比較的小さかった。また、上記マット状繊維集合体M1を所定形状に打ち抜いて実際に保持シール材4を作製した後、これを触媒担持体2に巻き付けて金属製シェル3内に圧入した。触媒担持体2としては、外径130mmφ、長さ100mmのコージェライトモノリスを用いた。金属製シェル3としては、肉厚1.5mmかつ内径140mmφであって断面O字状のSUS304製円筒部材を用いた。このようにして組み立てられた触媒コンバータ1を、3リットルのガソリンエンジンに実際に搭載して連続運転するという試験を行った。その結果、走行時における異音の発生も触媒担持体2のガタつきも認められず、初期面圧の向上及び面圧の経時劣化の防止が確実に図られていることが実証された。また、排気ガスの漏れも認められずシール性に優れていたことに加え、風蝕性能についても好適であった。
(比較例)
比較例では、焼成温度差を何ら設けることなく一律に1250℃で30分間焼成した。そして、これ以外の点については基本的に実施例と同様の条件に設定して繊維集合体M1を作製した。
比較例において、アルミナ−シリカ系繊維6の物性(結晶化率、繊維引張強度、繊維曲げ強度、弾性率及び伸度)は、実施例の第2面側S2の表層部位に存在するアルミナ−シリカ系繊維6の物性とほぼ同じであった。即ち、部位による結晶化度等の差は特になかった。
また、実施例に従い面圧測定用サンプルを作製した後、初期面圧、耐久後面圧及び面圧経時劣化率を測定した。その結果、図5のグラフに示すように、比較例のサンプルは実施例よりも明らかに劣っていた。
Figure 0005274607
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)通常、触媒コンバータ1の使用時には、高温の排気ガスに直接晒される触媒担持体2のほうが高温になる一方、金属製シェル3は触媒担持体2ほど高温にはならない。よって、触媒担持体2に接する面側において特に高温耐久性が要求される。本実施形態ではこの事実に鑑みて、結晶化率が相対的に大きい第2面側S2、即ち耐熱性に優れた面側を触媒担持体2に接触させている。一方、結晶化率が相対的に小さい第1面側S1、即ち耐熱性には劣るが弾力性や伸縮性に優れた面側を金属製シェル3に接触させている。それゆえ、触媒担持体2に接している部位の繊維が脆弱化しにくくなり、結果として初期面圧が高くて面圧の経時劣化を起こしにくい保持シール材4となる。また、金属製シェル3に接している部位には弾性力が作用することから、金属製シェル3との間に隙間が生じにくくなり、結果としてシール性に優れた保持シール材4となる。
以上のことから、触媒担持体2の保持性に優れるとともに、排気ガスが漏れにくくて処理効率のよい触媒コンバータ1を実現することができる。
(2)本実施形態の保持シール材4は、1枚の繊維集合体M1からなり、その繊維集合体M1の第1面側S1から第2面側S2に行くに従って結晶化率が徐々に大きくなっている。従って、結晶化率が異なる複数枚の繊維集合体M1により構成されたものとは異なり、繊維集合体M1同士を重ねて貼り合わせる等の作業が不要になり、製造時の工数が少なくなる。ゆえに、製造しやすい保持シール材4とすることができる。
また、複数枚重ね構造のものに比べて肉薄にすることが可能なため、狭いギャップに比較的容易に配置することができる。ゆえに、キャニング時において巻き締めのみならず圧入も容易に行うことができる。
さらに、複数枚重ね構造のものでは繊維集合体M1同士の界面を排気ガスが通過する可能性がある。これに対し、この保持シール材4のような1枚構造であれば、そもそも界面がないため、排気ガスの通過を心配する必要がなくなる。よって、シール性に優れたものとなる。
(3)この保持シール材4では、第1面側S1部位の結晶化率及び第2面側S2部位の結晶化率が上記好適範囲内にて設定されている。従って、面圧特性及びシール性を確実に向上させることができ、高性能の触媒コンバータ1を実現することができる。
(4)本実施形態の製造方法では、マット状の繊維集合体M1の第1面側S1の焼成温度と第2面側S2の焼成温度との間で差を設けるようにして焼成を行っている。このため、表裏における結晶化率が異なる保持シール材4を比較的簡単にかつ確実に製造することができる。また、このような製造方法は、1枚の繊維集合体M1において第1面側S1から第2面側S2に行くに従って結晶化率が大きくなっている保持シール材4の製造に極めて適している。しかも、この製造方法であれば、特殊な焼成用装置を用いるまでもなく既存の焼成用装置を流用することが可能である。よって、設備コストの増大を回避することができる。
(5)本実施形態では、第1面側S1及び第2面側S2の焼成温度を上記好適範囲内にて設定して焼成を行っている。従って、第1面側S1から第2面側S2に行くに従って結晶化率が徐々に大きくなっている本実施形態の保持シール材4を確実に製造することができる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・図6に示される別例の触媒コンバータ1のように、保持シール材4を結晶化率が異なる複数枚(ここでは2枚)の繊維集合体M1により構成し、これら繊維集合体M1同士を重ねて貼り合わせてもよい。この場合、結晶化率の小さい繊維集合体M1を金属製シェル3に接触させ、かつ結晶化率が大きい繊維集合体M1を触媒担持体2に接触させるようにする必要がある。
・実施形態にて例示した電気炉21以外の焼成用装置を用いて焼成工程を実施してもよい。
・実施形態にて例示した保持シール材4は、いわば厚さ方向に沿って結晶化率が異なるものとなっていた。これに対し、長さ方向に沿って結晶化率が異なる保持シール材や、幅方向に結晶化率が異なる保持シール材としてもよい。例えば後者の保持シール材を触媒担持体2に巻き付けた場合、触媒担持体2の一端部と他端側とで結晶化率が異なったものとなる。言い換えると、一端部にて耐熱性に優れ、他端部にて弾力性や伸縮性に優れたものとなる。従って、結晶化率が大きくて耐熱性に優れた側の端部を排気ガス流入側に向けて配置すれば、耐久性や風蝕性に優れた触媒コンバータ1を実現することができる。
・保持シール材4の形状は任意に変更することが可能である。例えば、凹凸状の位置合わせ部11、12を省略して、より単純な形状にしてもよい。
・触媒担持体2の断面形状は真円状に限定されることはなく、例えば楕円状または長円状等であってもよい。この場合、金属製シェル3の断面形状も、それに合わせて楕円状または長円状等に変更してもよい。
・触媒担持体2としては、実施形態のようなハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられるほか、例えば炭化珪素、窒化珪素等のハニカム多孔質焼結体などが用いられてもよい。
・実施形態では、本発明の保持シール材4を排気ガス浄化装置用触媒コンバータ1に使用した例を示した。勿論、本発明の保持シール材4は、排気ガス浄化装置用触媒コンバータ1以外のもの、例えばディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)や、燃料電池改質器用触媒コンバータ等に使用することも許容される。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
(1)マット状に集合したアルミナーシリカ系繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シール材であって、第1面側部位が非晶質でありかつ第2面側部位が結晶質であることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。従って、この技術的思想1に記載の発明によれば、初期面圧が高くて面圧の経時劣化を起こしにくいことに加え、シール性にも優れた触媒コンバータ用保持シール材を提供できる。
1 触媒コンバータ
2 触媒担持体
3 金属製シェル
4 触媒コンバータ用保持シール材
6 アルミナーシリカ系繊維
M1 繊維集合体
S1 第1面側
S2 第2面側

Claims (7)

  1. マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維の同一材料よりなる1枚の繊維集合体を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シール材であって、第1面側部位の結晶化率と第2面側部位の結晶化率とが異なることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
  2. マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維の同一材料よりなる1枚の繊維集合体を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される保持シール材であって、第1面側から第2面側に行くに従って結晶化率が大きくなっていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
  3. 第1面側部位の結晶化率と第2面側部位の結晶化率との差は3重量%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒コンバータ用保持シール材。
  4. 第1面側部位の結晶化率は0重量%〜1重量%、第2面側部位の結晶化率は1重量%〜10重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の触媒コンバータ用保持シール材。
  5. 触媒担持体と、その触媒担持体の外周を覆う筒状の金属製シェルと、それらのギャップ間に配置され、マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維を構成要素とする同一材料よりなる1枚の保持シール材とを備える触媒コンバータにおいて、前記保持シール材は、結晶化率が相対的に小さい第1面側を前記金属製シェルに接触させ、かつ結晶化率が相対的に大きい第2面側を前記触媒担持体に接触させた状態で、前記ギャップ間に配置されていることを特徴とする触媒コンバータ。
  6. セラミック繊維紡糸原液を材料として前駆体繊維を得る紡糸工程と、
    前記前駆体繊維を積層してマット状繊維集合体とする積層工程と、
    第1面側の焼成温度と第2面側の焼成温度との間で差を設けるようにして前記繊維集合体を焼結させる焼成工程とを含む製造方法により製造され、マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維の同一材料よりなる1枚の繊維集合体を構成要素とする保持シール材であって、
    前記保持シール材は、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置され、
    第1面側部位の結晶化率と第2面側部位の結晶化率とが異なることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
  7. セラミック繊維紡糸原液を材料として前駆体繊維を得る紡糸工程と、
    前記前駆体繊維を積層してマット状繊維集合体とする積層工程と、
    第1面側の焼成温度と第2面側の焼成温度との間で差を設けるようにして前記繊維集合体を焼結させる焼成工程とを含む製造方法により製造され、マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維の同一材料よりなる1枚の繊維集合体を構成要素とする保持シール材であって、
    前記保持シール材は、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置され、
    第1面側から第2面側に行くに従って結晶化率が大きくなっていることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
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