JP4671536B2 - 触媒コンバータ用保持シール材及びその製造方法 - Google Patents

触媒コンバータ用保持シール材及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒コンバータ用保持シール材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用、特に自動車の動力源として、ガソリンや軽油を燃料とする内燃機関が百年以上にわたり用いられてきた。しかしながら、排気ガスが健康や環境に害を与えることが次第に問題となってきている。それゆえ、最近では排気ガス中に含まれているCO、NOx、HC等を除去する排気ガス浄化用触媒コンバータや、PM等を除去するDPFが各種提案されるに至っている。通常の排気ガス浄化用触媒コンバータは、触媒担持体と、前記触媒担持体の外周を覆う金属製シェルと、両者間のギャップに配置される保持シール材とを備えている。触媒担持体としてはハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられており、それには白金等の触媒が担持されている。
【0003】
また最近では、石油を動力源としない次期のクリーンな動力源の研究が進められており、そのうち特に有望なものとして例えば燃料電池がある。燃料電池とは、水素と酸素とが反応して水ができる際に得られる電気を、動力源として用いるものである。酸素は空気中からじかに取り出される反面、水素についてはメタノール、ガソリン等を改質して用いている。この場合、メタノール等の改質は触媒反応によって行われる。そして、このような燃料電池にも、触媒担持体と、触媒担持体の外周を覆う金属製シェルと、両者間のギャップに配置される保持シール材とを備える燃料電池用触媒コンバータが用いられている。触媒担持体としてはハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられており、それには銅系の触媒が担持されている。
【0004】
上記の触媒コンバータを製造する方法の一例をここで簡単に説明しておく。
まず、アルミナ源及びシリカ源を含む紡糸原液を作製し、それをノズルから吐出させることにより、断面真円状の前駆体繊維を連続的に得る。次に、前記紡糸工程により得られた前駆体繊維の長繊維を焼成してアルミナ−シリカ系繊維とした後、そのアルミナ−シリカ系繊維をチョップして一定長さの短繊維を作製する。次に、得られた短繊維を成形型に入れ、マット状の繊維集合体を作製する。この繊維集合体を金型で打ち抜くことによって、帯状の保持シール材を作製する。
次に、この保持シール材を触媒担持体の外周面に巻き付け、この状態で金属製シェル内に前記触媒担持体を収容する。その結果、触媒コンバータが完成する。
【0005】
このような収容状態において保持シール材は厚さ方向に圧縮されるため、保持シール材にはその圧縮力に抗する反発力(面圧)が生じる。そして、この反発力が作用することにより、触媒担持体が金属製シェル内に保持されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の触媒コンバータの保持シール材には、触媒担持体を長期にわたって確実に保持する性能が要求されている。
【0007】
しかしながら、上記方法により作製された断面円形状のアルミナ−シリカ系繊維は、長期にわたって高温に晒されると、しなやかさを失って脆弱化し、折れやすくなる。ゆえに、同繊維を用いて作製された保持シール材の場合、面圧の経時劣化の度合いが大きいという欠点があった。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、面圧の経時劣化が起こりにくい触媒コンバータ用保持シール材を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記の触媒コンバータ用保持シール材を得るのに好適な製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される触媒コンバータ用保持シール材であって、前記アルミナ−シリカ系繊維は非円形状の断面を有することを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材をその要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明では、マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される触媒コンバータ用保持シール材であって、前記アルミナ−シリカ系繊維は異形断面繊維であることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材をその要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明では、マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される触媒コンバータ用保持シール材であって、前記アルミナ−シリカ系繊維は偏平な断面を有することを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材をその要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記アルミナ−シリカ系繊維は略楕円形または略繭形の断面を有するとした。
請求項5に記載の発明は、請求項1または2において、前記アルミナ−シリカ系繊維は中空繊維であるとした。
【0013】
請求項6に記載の発明では、アルミニウム塩水溶液、シリカゾル及び有機重合体を含む紡糸原液をノズルから吐出させることにより前駆体繊維を得る紡糸工程と、前記前駆体繊維を加熱して焼結させる焼成工程とを含むアルミナ−シリカ系繊維の製造方法であって、非円形状の断面を有する前記ノズルの吐出部から吐出された直後の前記前駆体繊維に対し、乾燥した熱風を吹き付けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアルミナ−シリカ系繊維の製造方法をその要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6において、前記前駆体繊維の吐出方向に対して順方向となるように、前記乾燥した熱風を吹き付けることとした。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7において、前記紡糸原液に水溶性の可塑剤を添加しておくこととした。
【0015】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、非円形状の断面を有する繊維は、円形状の断面を有する繊維に比べて、しなやかなものとなる。即ち、前記繊維は非円形状であるがゆえ、特定の方向に対しては比較的容易に屈曲しうるという性質を持つ。そして、この性質があることにより繊維が折れにくくなり、長期にわたり反発力を失わないものとなる。なお、本明細書において「繊維の断面」とは、繊維の延びる方向に対して垂直に切断したときの断面を指す。
【0016】
請求項2に記載の発明によると、異形断面繊維は、円形状の断面を有する繊維に比べて、しなやかなものとなる。即ち、前記繊維は異形であるがゆえ、特定の方向に対しては比較的容易に屈曲しうるという性質を持つ。そして、この性質があることにより繊維が折れにくくなり、長期にわたり反発力を失わないものとなる。
【0017】
請求項3に記載の発明によると、偏平な断面を有する繊維は、円形状の断面を有する繊維に比べて、しなやかなものとなる。前記繊維は偏平であるがゆえ、特定の方向に対しては比較的容易に屈曲しうるという性質を持つ。そして、この性質があることにより繊維が折れにくくなり、長期にわたり反発力を失わないものとなる。
【0018】
請求項4に記載の発明によると、略楕円形または略繭形の断面を有する繊維を用いた保持シール材の場合、繊維同士が引っ掛かりやすくなり、繊維同士の滑り・ズレが生じにくくなる。従って、面圧の低下を引き起こしにくくなる。
【0019】
請求項5に記載の発明によると、内部に空間を有する中空繊維は、内部に空間を有さない繊維に比べて断熱性に優れている。従って、これを用いた保持シール材の場合、触媒担持体から金属製シェルに逃げてしまう熱の量が減り、効率のよい触媒反応を行わせることができる。しかも、中空繊維においては繊維内部の空間によって音や振動が吸収・減衰される。従って、これを用いた保持シール材の場合、防音性・防振性に優れたものとなる。
【0020】
請求項6に記載の発明によると、非円形状の断面を有するノズルの吐出部から紡糸原液が吐出される。ノズルの吐出部から吐出された直後の前駆体繊維は、吐出部の断面形状をある程度反映したものとなっている。しかし、吐出されてから時間が経つほど、前駆体繊維に働く表面張力の影響を受けて断面形状が鈍ってしまい(言い換えるとバラス効果が働き)、前駆体繊維の断面が円形化する。ゆえに、吐出直後の段階でただちに乾燥した熱風を吹き付けて、前駆体繊維中の水分を除去することにより、前駆体繊維を乾燥・固化させる。その結果、ノズルの吐出部によって付与された好適な断面形状が維持され、非円形状の断面を有する繊維を比較的簡単に得ることができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によると、前駆体繊維の吐出方向に対して順方向となるように乾燥した熱風を吹き付けることにより、繊維の乾燥・固化と延伸とが同時に達成される。また、このように延伸を行えば、繊維径や形状を比較的容易に制御することも可能となる。
【0022】
請求項8に記載の発明によると、紡糸原液に水溶性の可塑剤を添加しておくことにより、紡糸原液の弾性率が小さくなる結果、バラス効果が低減される。従って、紡糸時に紡糸原液の吐出挙動が安定化する。ゆえに、強い張力で延伸を行っても繊維に糸切れが起こりにくくなるとともに、弾性変形による繊維断面形状の鈍化が起こりにくくなる。また、上記可塑剤は水溶性であるため、紡糸原液中に均一に分散させることができる。よって、バラス比をほぼ一定値に低減することができ、目的とする繊維径及び断面形状の繊維を比較的容易に得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態の自動車排気ガス浄化装置用触媒コンバータを図1〜図5に基づき詳細に説明する。
【0024】
図3に示される本実施形態の触媒コンバータ1は、自動車の車体において、エンジンの排気管の途中に設けられる。エンジンから触媒コンバータ1までの距離は比較的短いため、触媒コンバータ1には約700℃〜900℃の高温の排気ガスが供給されるようになっている。エンジンがリーンバーンエンジンである場合には、触媒コンバータ1には約900℃〜1000℃という、さらに高温の排気ガスが供給されるようになっている。
【0025】
図3に示されるように、本実施形態の触媒コンバータ1は、基本的に、触媒担持体2と、触媒担持体2の外周を覆う金属製シェル3と、両者2,3間のギャップに配置される保持シール材4とによって構成されている。
【0026】
前記触媒担持体2は、コージェライト等に代表されるセラミック材料を用いて作製されている。この触媒担持体2は断面円形状をした柱状部材となっている。また、触媒担持体2は、軸線方向に沿って延びる多数のセル5を有するハニカム構造体であることが好ましい。セル壁には排気ガス成分を浄化しうる白金やロジウム等の貴金属系触媒が担持されている。なお、触媒担持体2として、上記のコージェライト担体のほかにも、例えば炭化珪素、窒化珪素等のハニカム多孔質焼結体等を用いてもよい。
【0027】
前記金属製シェル3としては、例えば組み付けに際して圧入方式を採用する場合には、断面O字状の金属製円筒部材が用いられる。なお、円筒部材を形成するための金属材料としては、耐熱性や耐衝撃性に優れた金属(例えばステンレス等のような鋼材等)が選択されることがよい。圧入方式に代えていわゆるキャニング方式を採用する場合には、前記断面O字状の金属製円筒部材を軸線方向に沿って複数片に分割したもの(即ちクラムシェル)が用いられる。
【0028】
そのほか、組み付けに際して巻き締め方式を採用する場合には、例えば断面C字状ないしU字状の金属製円筒部材、言い換えるといわば軸線方向に沿って延びるスリット(開口部)を1箇所にのみ有する金属製円筒部材が用いられる。この場合、触媒担持体2の組み付けに際し、触媒担持体2に保持シール材4を固定したものを金属製シェル3内に収め、その状態で金属製シェル3を巻き締めた後に開口端が接合(溶接、接着、ボルト締め等)される。溶接、接着、ボルト締め等といった接合作業は、キャニング方式を採用したときにも同様に行われる。
【0029】
図1に示されるように、この保持シール材4は長尺状のマット状物であって、その一端には凹状合わせ部11が設けられ、他端には凸状合わせ部12が設けられている。図2に示されるように、触媒担持体2への巻き付け時には、凸状合わせ部12が凹状合わせ部11にちょうど係合するようになっている。
【0030】
本実施形態の保持シール材4は、マット状に集合したセラミック繊維(即ち繊維集合体)を主要な要素として構成されたものである。前記セラミック繊維として、本実施形態ではアルミナ−シリカ系繊維6が用いられている。この場合、ムライト結晶含有量が0重量%以上かつ10重量%以下のアルミナ−シリカ系繊維6を用いることがより好ましい。このような化学組成であると、非晶質成分が少なくなることから耐熱性に優れたものとなり、かつ圧縮荷重印加時の反発力が高いものとなるからである。従って、ギャップに配置された状態で高温に遭遇したときであっても、発生する面圧の低下が比較的起こりにくくなる。
【0031】
アルミナ−シリカ系繊維6の化学組成は、アルミナ68重量%〜83重量%かつシリカ32重量%〜17重量%であることがよく、具体的にはAl23:SiO2=72:28であることがなおよい。
【0032】
アルミナが68重量%未満の場合またはシリカが32重量%を超える場合には、耐熱性の向上及び圧縮荷重印加時の反発力の向上を十分に達成できなくなるおそれがある。アルミナが83重量%を超える場合またはシリカが17重量%未満の場合についても同様に、耐熱性の向上及び圧縮荷重印加時の反発力の向上を十分に達成できなくなるおそれがある。
【0033】
アルミナ−シリカ系繊維6の平均繊維径は、3μm〜25μm程度であることがよく、さらには5μm〜15μm程度であることがなおよい。平均繊維径を小さくしすぎると、呼吸器系に吸い込まれやすくなるという不都合が生じるからである。アルミナ−シリカ系繊維6の平均繊維長は、0.1mm〜100mm程度であることがよく、さらには2mm〜50mm程度であることがなおよい。また、アルミナ−シリカ系繊維6の繊維自体の引っ張り強度は、0.1GPa以上、特には0.5GPa以上であることがよい。
【0034】
ここで、本実施形態のアルミナ−シリカ系繊維6は、非円形状の断面を有するもの、別の言い方をすると異形断面繊維である必要がある。図5の表の右側欄には、異形断面繊維の例がいくつか示されている。右側欄第1段めには、偏平断面繊維の一例として、略楕円形の断面を有する繊維(楕円断面繊維)が示されている。右側欄2段めには、偏平断面繊維の別の例として、略繭形の断面を有する繊維(繭形断面繊維)が示されている。また、右側欄3段めには、内部が充実しておらず空間を有する中空繊維が示されている。
【0035】
組み付け前の状態における保持シール材4の厚さは、触媒担持体2と金属製シェル3とがなすギャップの1.1倍〜4.0倍程度、さらには1.5倍〜3.0倍程度であることが望ましい。前記厚さが1.1倍未満であると、高い担持体保持性を得ることができず、触媒担持体2が金属製シェル3に対してズレたりガタついたりするおそれがある。勿論、この場合には高いシール性も得られなくなるため、ギャップ部分からの排気ガスのリークが起こりやすくなり、高度な低公害性を実現できなくなってしまう。また、前記厚さが4.0倍を超えると、特に圧入方式を採用した場合には、触媒担持体2の金属製シェル3への配置が困難になってしまう。よって、組み付け性の向上を達成できなくなるおそれがある。
【0036】
また、組み付け後における保持シール材4のGBD(嵩密度)は、0.10g/cm3〜0.30g/cm3、さらには0.10g/cm3〜0.25g/cm3となるように設定されることが好ましい。GBDの値が極端に小さいと、十分に高い初期面圧を実現することが困難になる場合がある。一方、GBDが大きすぎると、材料として使用すべきアルミナ−シリカ系繊維6の量が増え、コスト高を招きやすくなる。
【0037】
組み付け状態における保持シール材4の初期面圧は50kPa以上、さらには70kPa以上であることが好ましい。初期面圧の値が高ければ、面圧の経時劣化が起こったとしても、触媒担持体2の好適な保持性を維持することができるからである。
【0038】
なお、保持シール材4に対し必要に応じて、ニードルパンチ処理や樹脂含浸処理等を施してもよい。これらの処理を施すことにより、保持シール材4を厚さ方向に圧縮して肉薄化することが可能となるからである。
【0039】
次に、触媒コンバータ1を製造する手順を説明する。
まず、アルミニウム塩水溶液、シリカゾル及び有機重合体を混合し、紡糸原液18を作製する。言い換えると、無機塩法により紡糸原液18を作製する。アルミナ源であるアルミニウム塩水溶液は、紡糸原液18に粘性を付与するための成分でもある。なお、このような水溶液として、塩基性アルミニウム塩の水溶液を選択することがよい。シリカ源であるシリカゾルは、繊維に高い強度を付与するための成分でもある。有機重合体は紡糸原液18に曳糸性を付与するための成分である。
【0040】
本実施形態においては、ノズル吐出時におけるバラス比低減剤として、前記紡糸原液18にさらに水溶性の可塑剤が添加されることがよい。上記可塑剤の添加量は0.1重量%〜10重量%であることが好ましく、特には0.1重量%〜3重量%であることがより好ましい。
【0041】
前記添加量が0.1重量%未満であると、弾性率が十分に低減されず、可塑剤の添加によるバラス比低減効果を期待することができなくなるおそれがある。一方、前記添加量が10重量%を超えると、紡糸原液18中の非セラミック成分比の増加に伴い、アルミナ−シリカ系繊維6の物性に影響を及ぼす原因となるおそれがある。
【0042】
前記可塑剤としては、水溶性の有機物を選択することがよく、より具体的には粘性の高いグリコールエーテル類を選択することがよい。この種の有機物であれば、比較的少量であっても紡糸原液18の弾性率を確実に小さくすることができるからである。また、グリコールエーテル類であれば、紡糸工程後に実施される焼成工程を終えるまでの間に熱によって完全に焼失してしまうからである。
【0043】
ここで、可塑剤として使用可能なグリコールエーテル類を列挙すると、例えば、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(3,6,9,12−テトラオキサヘキサデカノール)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(3,6,9−トリオキサトリデカノール)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール)、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと酢酸との混合物、等がある。上記のようなグリコールエーテル類以外にも、例えばポリエチレングリコール、グリセリン等のような粘性有機物を可塑剤として使用することもできる。また、ここに列挙した有機物は紡糸原液18に対して1種のみ添加されてもよいほか、2種以上組み合わせて添加されてもよい。
【0044】
次いで、得られた紡糸原液18を減圧濃縮することにより、紡糸に適した濃度・温度・粘度等に調製した紡糸原液18とする。ここでは、20重量%程度であった紡糸原液18を濃縮して30重量%〜40重量%程度にすることがよい。また、粘度を10ポアズ〜1500ポアズに設定することがよい。
【0045】
さらに、調製後の紡糸原液18を図4に示す紡糸装置20のノズル19から空気中に吐出することにより、ノズル吐出部である口金19aの断面形状に近似した断面形状を有する前駆体繊維6Aが連続的に得られる。具体的にいうと、右側欄第1段めに示す楕円断面繊維の前駆体繊維6Aは、図5の表の左側欄第1段めに示される長方形状の断面の口金19aを用いて作製される。右側欄第2段めに示す繭形断面繊維の前駆体繊維6Aは、図5の表の左側欄第2段めに示される略鉄アレイ状の断面の口金19aを用いて作製される。右側欄第3段めに示す中空断面繊維の前駆体繊維6Aは、図5の表の左側欄第3段めに示される略C字状の断面の口金19aを用いて作製される。
【0046】
そして、このような口金19aを介して紡出された前駆体繊維6Aを延伸しながら順次巻き取るようにする。この場合、例えば乾式圧力紡糸法などが採用されることが好ましい。
【0047】
口金19aから吐出された直後の前駆体繊維6Aに対しては、乾燥した熱風が吹き付けられることが望ましい。この場合、乾燥した風を吹き付けること、及び常温以上の温度を有する風を吹き付けることが好ましい。このようにすれば、前駆体繊維6Aを速やかにかつ効率よく乾燥させることができるからである。
【0048】
図4に示す紡糸装置20の場合、乾燥した熱風が流れる流路21がノズル19に設けられている。流路21の一端には、ノズル19の口金19aのすぐ脇の位置において下向き(ノズル19と同じ向き)に開口した乾燥風吐出口が形成されている。流路21の他端は、図示しない配管を介して図示しないエア源に接続されている。従って、加熱・乾燥された加圧エアを供給すると、前駆体繊維6Aの吐出方向(別の言い方をすると延伸方向A1:図4の下方向)に対して順方向となるように、乾燥した熱風が吹き出す。その結果、吐出直後の前駆体繊維6Aが熱風乾燥されるようになっている。乾燥した熱風の温度は30℃〜100℃であることがよく、風速は1m/s〜50m/sであることがよい。
【0049】
次に、焼成工程を行って前駆体繊維6Aをセラミック化(結晶化)することにより、前駆体繊維6Aを硬化させ、アルミナ−シリカ系繊維6を得る。なお、このときの熱により可塑剤は完全に焼失し、アルミナ−シリカ系繊維6中に殆ど残らない。
【0050】
前記焼成工程においては、得られるアルミナ−シリカ系繊維6におけるムライト結晶含有量が10重量%以下となるような焼成条件を設定することが望ましい。例えば、焼成工程における焼成温度は1000℃〜1300℃に設定されることがよい。焼成温度が1000℃未満であると、前駆体繊維6Aを完全に乾燥・焼結させることができず、優れた耐熱性及び高い圧縮荷重印加時の反発力を保持シール材4に確実に付与できなくなるおそれがある。逆に、焼成温度が1300℃を超えると、アルミナ−シリカ系繊維6におけるムライト結晶化が進行しやすくなる。このため、ムライト結晶含有量を10重量%以下に抑えることが困難になり、優れた耐熱性及び高い圧縮荷重印加時の反発力を保持シール材4に確実に付与できなくなるおそれがある。
【0051】
続いて、上記の各工程を経て得られたアルミナ−シリカ系繊維6の長繊維を所定長さにチョップしてある程度短繊維化する。この後、短繊維を集綿、解繊及び積層することにより、あるいは、短繊維を水に分散させて得た繊維分散液を成形型内に流し込んで加圧・乾燥することにより、マット状の繊維集合体を得る。さらに、この繊維集合体を所定形状に打ち抜いて保持シール材4とする。
【0052】
この後、必要に応じて保持シール材4に対する有機バインダの含浸を行った後、さらに保持シール材4を厚さ方向に圧縮成形してもよい。この場合の有機バインダとしては、アクリルゴムやニトリルゴム等のようなラテックス等のほか、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂等が挙げられる。
【0053】
そして、前記繊維集合体を所定形状に打ち抜いて得た保持シール材4を、触媒担持体2の外周面に巻き付けて有機テープ13を固定する。その後、圧入、キャニングまたは巻き締めを行えば、所望の触媒コンバータ1が完成する。
【0054】
以下、上記実施形態をより具体化した実施例及びその比較例について説明する。
【0055】
【実施例及び比較例】
(実施例1)
実施例1では、以下のようにして保持シール材4の面圧評価用サンプルを作製した。
【0056】
まず、塩基性塩化アルミニウム水溶液(23.5重量%)、シリカゾル(20重量%、シリカ粒径15nm)、ポリビニルアルコール(10重量%)及びテトラエチレングリコールモノブチルエーテル(1重量%)を混合し、紡糸原液18を作製した。次いで、得られた紡糸原液18をエバポレータを用いて50℃で減圧濃縮し、濃度38重量%、粘度1000ポアズの紡糸原液18に調製した。
【0057】
調製後の紡糸原液18を図4の紡糸装置20に供給した。ノズル19の口金19aの形状は、図5の表の左欄第1段めに示されるように長方形状(長辺500μm、短辺50μm)とした。紡糸のときには、乾燥風吐出口から50℃、10m/sの乾燥風を連続的に吐出させるようにした。
【0058】
そして、紡糸原液18を口金19aから空気中に連続的に噴出することにより前駆体繊維6Aを形成し、その前駆体繊維6Aを延伸しながら巻き取った。このとき、前駆体繊維6Aの吐出方向に対して順方向となるように乾燥した熱風を吹き付けることにより、乾燥及び延伸を同時に行うようにした。
【0059】
次いで、空気雰囲気に保持された電気炉内で、上記前駆体繊維6Aに対する250℃かつ30分間の加熱(前処理)を行った後、同じく電気炉内で1200℃かつ10分間の焼成を行った。
【0060】
その結果、図5の表の右欄第1段めに示されるように、実施例1である楕円断面のアルミナ−シリカ系繊維6(長径15μm、短径10μm)を得た。このアルミナ−シリカ系繊維6のムライト結晶含有量は約8重量%、アルミナ/シリカの重量比は72:28であった。なお、このアルミナ−シリカ系繊維6の成分中に有機物は殆ど含まれていなかった。
【0061】
続いて、アルミナ−シリカ系繊維6の長繊維を5mm長にチョップして短繊維化した。その後、この短繊維を水に分散させ、得られた繊維分散液を成形型枠内に流し込んで加圧・乾燥することにより、厚さ20mmのマット状繊維集合体を得た。これを25mm角に切断して、実施例1の面圧評価用サンプルとした。
【0062】
面圧評価試験では、前記サンプルを圧縮治具によって厚さ3mmになるまで圧縮することを5回繰り返した。その際、第1回めの圧縮時の面圧値と、第5回めの圧縮時の面圧値とを測定し、これらの測定結果から面圧経時劣化度合いの指標となる面圧残存率(%)を求めた。その結果は表1に示すとおりであり、95.0%であった。
【0063】
この繊維集合体を所定形状に打ち抜いて保持シール材4を作製した後、これを触媒担持体2に巻き付けて金属製シェル3内に圧入した。触媒担持体2としては、外径130mmφ、長さ100mmのコージェライトモノリスを用いた。金属製シェル3としては、肉厚1.5mmかつ内径140mmφであって断面O字状のSUS304製円筒部材を用いた。このようにして組み立てられた触媒コンバータ1を、3リットルのガソリンエンジンに実際に搭載して連続運転するという試験を行った。その結果、相当時間経過した後においても、走行時における異音の発生や触媒担持体2のガタつきが認められず、面圧の経時劣化の度合いが小さいものであることがわかった。
(実施例2)
実施例2では、口金19aの形状を図5の表の左欄第2段めに示されるような寸法を有する略鉄アレイ状にしたことを除き、基本的には実施例1に順じた。その結果、図5の表の右欄第2段めに示されるように、実施例2である繭形断面ないし略ピーナツ状断面のアルミナ−シリカ系繊維6(幅20μm、中心部厚さ5μm、端部厚さ10μm)を得た。このアルミナ−シリカ系繊維6のムライト結晶含有量は約8重量%、アルミナ/シリカの重量比は72:28であった。なお、このアルミナ−シリカ系繊維6の成分中に有機物は殆ど含まれていなかった。
【0064】
続いて、マット状繊維集合体を25mm角に切断して実施例2の面圧評価用サンプルとした後、実施例1と同様の面圧評価試験を行った。その結果、実施例2では残存率が89.9%であった(表1参照)。
【0065】
また、保持シール材4を作製して触媒コンバータ1を組み立て、これを3リットルのガソリンエンジンに実際に搭載して連続運転を行った。その結果、相当時間経過した後においても、走行時における異音の発生や触媒担持体2のガタつきが認められず、面圧の経時劣化の度合いが小さいものであることがわかった。
(実施例3)
実施例3では、口金19aの形状を図5の表の左欄第3段めに示されるような寸法を有する略C字状にしたことを除き、基本的には実施例1に順じた。その結果、図5の表の右欄第3段めに示されるように、実施例3である中空断面のアルミナ−シリカ系繊維6(外径20μm、内径10μm)を得た。このアルミナ−シリカ系繊維6のムライト結晶含有量は約8重量%、アルミナ/シリカの重量比は72:28であった。なお、アルミナ−シリカ系繊維6の成分中に有機物は殆ど含まれていなかった。
【0066】
続いて、マット状繊維集合体を25mm角に切断して実施例3の面圧評価用サンプルとした後、実施例1と同様の面圧評価試験を行った。その結果、実施例3では残存率が94.6%であった(表1参照)。
【0067】
また、保持シール材4を作製して触媒コンバータ1を組み立て、これを3リットルのガソリンエンジンに実際に搭載して連続運転を行った。その結果、相当時間経過した後においても、走行時における異音の発生や触媒担持体2のガタつきが認められず、面圧の経時劣化の度合いが小さいものであることがわかった。
(比較例)
比較例では、口金19aの形状を図5の表の左欄第4段めに示されるように直径0.2mmの真円状にしたことを除き、基本的には実施例1に順じた。その結果、図5の表の右欄第4段めに示されるように、比較例である真円断面のアルミナ−シリカ系繊維6(直径10μm)を得た。比較例の真円断面のアルミナ−シリカ系繊維6では、ムライト結晶含有量が約8重量%、アルミナ/シリカの重量比が72:28であった。なお、このアルミナ−シリカ系繊維6の成分中に有機物は殆ど含まれていなかった。
【0068】
続いて、マット状繊維集合体を25mm角に切断して比較例の面圧評価用サンプルとした後、実施例1と同様の面圧評価試験を行った。その結果、比較例では残存率が85.0%であり、明らかに各実施例よりも劣っていた(表1参照)。従って、各実施例に比較して、面圧の経時劣化の度合いが大きいであろうことが示唆された。
【0069】
【表1】
Figure 0004671536
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
【0070】
(1)本実施形態の保持シール材4は、断面形状が円形ではない異形断面のアルミナ−シリカ系繊維6により構成されている。この種の繊維は、円形状断面を有する繊維に比べてしなやかなものとなる。即ち、前記アルミナ−シリカ系繊維6は非円形状であるがゆえ、特定の方向に対しては比較的容易に屈曲しうるという性質を持つからである。そして、この性質があることによりアルミナ−シリカ系繊維6が折れにくくなり、長期にわたり反発力を失わないものとなる。よって、このアルミナ−シリカ系繊維6を用いて作製された保持シール材4の場合、面圧の経時劣化が起こりにくくなる。従って、触媒担持体2の保持性及び排気ガスのシール性に優れた触媒コンバータ1を実現することができる。
【0071】
(2)実施例1のような楕円断面繊維や、実施例2のような繭形断面繊維を用いた保持シール材4の場合、アルミナ−シリカ系繊維6同士が引っ掛かりやすくなり、アルミナ−シリカ系繊維6同士の滑り・ズレが生じにくくなる。従って、面圧の低下を引き起こしにくくなる。
【0072】
(3)実施例3のような中空繊維は、内部に空間を有さないものに比べて断熱性に優れている。従って、これを用いた保持シール材4の場合、触媒担持体2から金属製シェル3に逃げてしまう熱の量が減り、効率のよい触媒反応を行わせることができる。しかも、中空繊維においては繊維内部の空間によって音や振動が吸収・減衰される。従って、これを用いた保持シール材4の場合、防音性・防振性に優れた触媒コンバータ1を実現することが可能となる。
【0073】
(4)本実施形態の製造方法では、非円形状の断面を有するノズル19の口金19aから紡糸原液18が吐出される。口金19aから吐出された直後の前駆体繊維6Aは、口金19aの断面形状をある程度反映したものとなっている。しかし、吐出されてから時間が経つほど、前駆体繊維6Aに働く表面張力の影響を受けて断面形状が鈍ってしまい(言い換えるとバラス効果が働き)、前駆体繊維6Aの断面が円形化する。ゆえに本実施形態では、吐出直後の段階でただちに乾燥した熱風を吹き付けて、前駆体繊維6A中の水分を除去することにより、前駆体繊維6Aを乾燥・固化させている。その結果、口金19aによって付与された好適な断面形状が維持され、非円形状の断面を有するアルミナ−シリカ系繊維6を比較的簡単に得ることができる。つまり、この製造方法は上記の保持シール材4を得るのに好適な方法であると言うことができる。
【0074】
(5)本実施形態の製造方法では、前駆体繊維6Aの吐出方向に対して順方向となるように乾燥した熱風を吹き付けている。そして、これにより前駆体繊維6Aの乾燥・固化と延伸とを同時に達成している。また、このように延伸を行えば、繊維径や形状を比較的容易に制御することも可能となる。従って、所望のアルミナ−シリカ系繊維6を簡単にかつ効率よく製造することができる。
【0075】
(6)本実施形態の製造方法では、紡糸原液18に水溶性の可塑剤を添加しておくことにより、紡糸原液18の弾性率が小さくなり、バラス効果が低減される。従って、紡糸時に紡糸原液18の吐出挙動が安定化する。ゆえに、強い張力で延伸を行っても前駆体繊維6Aに糸切れが起こりにくくなるとともに、弾性変形による繊維断面形状の鈍化が起こりにくくなる。また、上記可塑剤は水溶性であるため、紡糸原液18中に均一に分散させることができる。よって、バラス比をほぼ一定値に低減することができ、目的とする繊維径及び断面形状の繊維を比較的容易に得ることができる。従って、所望のアルミナ−シリカ系繊維6を簡単にかつ効率よく製造することができる。
【0076】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ アルミナ−シリカ系繊維6の断面形状は実施形態にて例示した楕円形状や繭状等に限定されることはなく、例えば長円状、三角形状、矩形状等であってもよい。
【0077】
・ アルミナ−シリカ系繊維6の断面形状は実施形態にて例示したような中空形状に限定されることはなく、例えば内部に空間を2つ以上有するもの等であってもよい。
【0078】
・ 紡糸原液18に水溶性物質の添加するという方法以外の方法によって、バラス比の低減を図ることも許容される。
・ 触媒担持体2の断面形状は真円状に限定されることはなく、例えば楕円状または長円状等であってもよい。
【0079】
・ 触媒担持体2としては、実施形態のようなハニカム状に成形したコージェライト担体が用いられるほか、例えば炭化珪素、窒化珪素等のハニカム多孔質焼結体などが用いられてもよい。
【0080】
・ 実施形態では、本発明の保持シール材4を排気ガス浄化装置用触媒コンバータ1に使用した例を示した。勿論、本発明の保持シール材4は、排気ガス浄化装置用触媒コンバータ1以外のもの、例えばディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)や、燃料電池改質器用触媒コンバータ等に使用することも許容される。
【0081】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 非円形断面形状の口金を有するノズルと、前記口金の近傍に熱風吐出口を有するとともに乾燥した熱風が供給される流路とを備え、セラミック前駆体繊維の吐出方向に対して順方向となるように、前記熱風吐出口から乾燥した熱風が吹き出すように構成されたセラミック繊維用紡糸装置。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、面圧の経時劣化が起こりにくい触媒コンバータ用保持シール材を提供することができる。
【0083】
請求項6〜8に記載の発明によれば、上記の触媒コンバータ用保持シール材を得るのに好適な製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の触媒コンバータ用保持シール材の斜視図。
【図2】実施形態の触媒コンバータを製造工程を説明するための斜視図。
【図3】実施形態の触媒コンバータの部分断面図。
【図4】実施形態の紡糸装置の概略図。
【図5】各実施例及び比較例におけるノズル口金形状とそれによって得られる繊維の断面を示した概略図。
【符号の説明】
1…触媒コンバータ、2…触媒担持体、3…金属製シェル、4…触媒コンバータ用保持シール材、6…アルミナ−シリカ系繊維、6A…前駆体繊維、18…紡糸原液、19…ノズル、19a…ノズルの吐出部としての口金、A1…延伸方向。

Claims (8)

  1. マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される触媒コンバータ用保持シール材であって、前記アルミナ−シリカ系繊維は非円形状の断面を有することを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
  2. マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される触媒コンバータ用保持シール材であって、前記アルミナ−シリカ系繊維は異形断面繊維であることを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
  3. マット状に集合したアルミナ−シリカ系繊維を構成要素とし、触媒担持体とその触媒担持体の外周を覆う金属製シェルとのギャップに配置される触媒コンバータ用保持シール材であって、前記アルミナ−シリカ系繊維は偏平な断面を有することを特徴とする触媒コンバータ用保持シール材。
  4. 前記アルミナ−シリカ系繊維は略楕円形または略繭形の断面を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の触媒コンバータ用保持シール材。
  5. 前記アルミナ−シリカ系繊維は中空繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒コンバータ用保持シール材。
  6. アルミニウム塩水溶液、シリカゾル及び有機重合体を含む紡糸原液をノズルから吐出させることにより前駆体繊維を得る紡糸工程と、前記前駆体繊維を加熱して焼結させる焼成工程とを含むアルミナ−シリカ系繊維の製造方法であって、
    非円形状の断面を有する前記ノズルの吐出部から吐出された直後の前記前駆体繊維に対し、乾燥した熱風を吹き付けることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアルミナ−シリカ系繊維の製造方法。
  7. 前記前駆体繊維の吐出方向に対して順方向となるように、前記乾燥した熱風を吹き付けることを特徴とする請求項6に記載の触媒コンバータ用保持シール材の製造方法。
  8. 前記紡糸原液に水溶性の可塑剤を添加しておくことを特徴とする請求項6または7に記載の触媒コンバータ用保持シール材の製造方法。
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