JP2002201831A - 鍵孔封鎖装置 - Google Patents

鍵孔封鎖装置

Info

Publication number
JP2002201831A
JP2002201831A JP2000395321A JP2000395321A JP2002201831A JP 2002201831 A JP2002201831 A JP 2002201831A JP 2000395321 A JP2000395321 A JP 2000395321A JP 2000395321 A JP2000395321 A JP 2000395321A JP 2002201831 A JP2002201831 A JP 2002201831A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
keyhole
locking
closing device
lock
unlocking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000395321A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Kato
義明 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miwa Lock KK
Miwa Lock Co Ltd
Original Assignee
Miwa Lock KK
Miwa Lock Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miwa Lock KK, Miwa Lock Co Ltd filed Critical Miwa Lock KK
Priority to JP2000395321A priority Critical patent/JP2002201831A/ja
Publication of JP2002201831A publication Critical patent/JP2002201831A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不正解錠を防止し、かつピッキングによる鍵
孔の破損も防止でき、防犯性を向上させる。 【解決手段】 施錠装置の鍵孔に挿入され、この鍵孔に
係止することで鍵孔を封鎖する鍵孔封鎖装置31であっ
て、鍵孔に対して係止される係止部45を先端側に有し
この鍵孔に挿入されることで鍵孔内におけるタンブラー
に係止して鍵孔からの抜脱が不能になる鍵孔挿着部37
と、鍵孔の外方に配置される鍵孔挿着部37の基端に設
けられ特定の操作である番号合わせによって鍵孔に対す
る係止部45の係止を解除する係止解除機構部39とを
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施錠装置の鍵孔に
挿着される鍵孔封鎖装置に関し、さらに詳しくは、鍵孔
に特殊工具等を用いて不正解錠するいわゆるピッキング
の実行を困難にするピッキング防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダータイプの施錠装置には、鍵孔
に挿入されるキーのきざみに応じて移動され、鍵孔の形
成された内筒をこの内筒に外挿された外筒に対し回転規
制解除して施錠装置を施解錠させる複数のタンブラーを
有している。施錠装置は、シリンダー内に設けられるこ
のタンブラー形状によって、ピンタイプとディスクタイ
プとに大別できる。
【0003】ピンタイプのタンブラーを有するピンシリ
ンダーは、図16に示すように、キーを抜きとった状態
でタンブラーピン1がスプリング3に押され、外筒5と
内筒7を貫いているため、内筒7を回転させることがで
きない。一方、図17に示すように、このシリンダーの
合カギであるキー9を差し込むと、タンブラーピン1が
持ち上げられ、タンブラーピン1のシアライン11がそ
ろい、内筒7を回転させることができる。
【0004】また、ディスクタイプのタンブラーを有す
るディスクシリンダーは、図示しないが、キーを抜きと
った状態では、ディスクタンブラーが、タンブラーバネ
によって押され外筒の溝に突出している。この状態で内
筒を回転させようとしても、ディスクタンブラーが外筒
の溝に係合状態となり、このディスクタンブラーに阻ま
れて、内筒を回転させることができない。一方、このシ
リンダーの合カギであるキーを差し込むと、ディスクタ
ンブラーはキーのきざみによってスプリングに抗してス
ライド移動し、シアラインがそろい、これにより、内筒
を回転させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今日、
不正解錠、特にピッキングと言われる特殊な工具を用い
ることで鍵孔内のタンブラーを操作し、解錠を行い室内
に侵入する犯罪が多発している。このような不正解錠に
対しては、施錠装置のシリンダー部分をピッキング困難
なものと交換することで、不正解錠を未然に防ぐことは
可能であるが、容易な分解等が行えないようにしている
施錠装置の構造上、簡単に取り替えられない場合もあり
(扉ごとの交換が必要になる場合等もある。)、また、
機能を向上させることで高価なものとなり、容易に実施
可能な対策となっていない。
【0006】また、ピッキング被害に合うと、解錠され
なかった場合であっても、タンブラーが破損する場合が
あり、このような場合には結局施錠装置を交換しなけれ
ばならなくなった。
【0007】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、不正解錠を防止でき、かつピッキングによる鍵孔の
破損も防止できる鍵孔封鎖装置を提供し、防犯性の向上
を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決
するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照し
て説明する。この発明の請求項1記載の鍵孔封鎖装置3
1は、施錠装置の鍵孔に挿入され、該鍵孔に係止するこ
とで該鍵孔を封鎖する鍵孔封鎖装置31であって、前記
鍵孔に対して係止される係止部45を先端側に有し該鍵
孔に挿入されることで前記鍵孔に係止して前記鍵孔から
の抜脱が不能になる鍵孔挿着部37と、前記鍵孔の外方
に位置する前記鍵孔挿着部37の基端に設けられ特定の
操作のみによって前記鍵孔に対する前記係止部45の係
止を解除する係止解除機構部39と、を具備することを
特徴とする。
【0009】この鍵孔封鎖装置31では、施錠装置を施
錠した後、この施錠装置の鍵孔に、鍵孔挿着部37が挿
入されると、鍵孔挿着部37が抜脱不能となり、鍵孔が
封鎖される。従って、施錠装置を解錠するには、その前
に、鍵孔封鎖装置31を鍵孔から外さなければならず、
その除去には施錠主による特定の操作が必要になる。こ
のため、施錠装置の解錠の前に、先ず、鍵孔封鎖装置3
1の除去が必要となり、施錠主以外の者は不正解錠を二
重に行わなければならなくなり、不正解錠が困難となっ
て、防犯性が高められる。また、鍵孔が封鎖されるた
め、鍵孔挿着部37が抜脱されなければピッキングが行
えず、最初から無条件でピッキングが行える場合に比べ
て、ピッキングによる鍵孔の破損が低減される。
【0010】請求項2記載の鍵孔封鎖装置は、前記係止
部45が、前記鍵孔内に突出される少なくとも一つのタ
ンブラーに係止することで前記鍵孔からの抜脱を不能に
することを特徴とする。
【0011】この鍵孔封鎖装置31では、鍵孔挿着部3
7が鍵孔に挿入されると、鍵孔挿着部37の先端側に設
けられた係止部45が、鍵孔に突出されている少なくと
も一つのタンブラーに係止され、鍵孔からの抜脱が不能
になる。つまり、鍵孔が封鎖されることになる。また、
それぞれのタンブラーは鍵孔から退避可能な構造とされ
ていることから、鍵孔挿着部37は、係止解除機構部3
9の操作によってタンブラーが鍵孔から退避される方向
に移動されることによって、係止部45とタンブラーと
の係止が解除され、鍵孔からの除去が可能となる。
【0012】請求項3記載の鍵孔封鎖装置81は、前記
係止部103が、前記鍵孔の設けられたシリンダーを貫
通して該シリンダーの後端面98に係止することで前記
鍵孔からの抜脱を不能にすることを特徴とする。
【0013】この鍵孔封鎖装置81では、鍵孔挿着部が
鍵孔に挿入され、鍵孔挿着部の先端が鍵孔の設けられた
シリンダーを貫通すると、先端に設けられた係止部10
3がシリンダーの後端面98に係止され、鍵孔挿着部の
鍵孔からの抜脱が不能になる。つまり、鍵孔が封鎖され
ることになる。鍵孔挿着部は、係止解除機構部39の操
作によって係止部103がシリンダーの後端面98に対
して係止解除される方向に移動されることによって、鍵
孔からの除去が可能となる。
【0014】請求項4記載の鍵孔封鎖装置31は、前記
係止解除機構部39が、それぞれ所定の回転位置に回転
されることで前記鍵孔に対する前記係止部45の係止を
解除する複数の係止解除操作リング49a〜49cを有
することを特徴とする。
【0015】この鍵孔封鎖装置31では、複数の係止解
除操作リング49a〜49cのそれぞれが所定の回転位
置に回転されることで、鍵孔に対する係止部45の係止
が解除可能になる。すなわち、多数ある係止解除操作リ
ング49a〜49cの一組の組み合わせでしか係止部4
5が係止解除されず、キーを使用せずに、施錠主のみの
特定の操作、例えばリング表面に刻印等にて形成される
数字などを合わせる、いわゆる番号合わせによって係止
解除が可能になる。
【0016】請求項5記載の鍵孔封鎖装置111は、前
記係止解除機構部115が、特定のキー119のみを挿
入することによる回転操作によって前記鍵孔に対する前
記係止部45の係止を解除する錠シリンダー部113を
有することを特徴とする。
【0017】この鍵孔封鎖装置111では、錠シリンダ
ー部113に特定のキー119が挿入されると、そのキ
ー119が回転可能になり、この回転操作によって鍵孔
に対する係止部45の係止が解除されることになる。す
なわち、施錠装置の解錠の前に、先ず、錠シリンダー部
113を解錠することによる鍵孔封鎖装置111の除去
が必要となり、特定のキー119を使用しない場合に
は、不正解錠を二重に行わなければならず、防犯性が高
められることになる。
【0018】請求項6記載の鍵孔封鎖装置171,19
1では、前記係止解除機構部173,193が、それぞ
れ所定のスライド位置に摺動移動されることで前記鍵孔
に対する前記係止部45の係止を解除する複数の係止解
除操作スライダ175,201を有することを特徴とす
る。
【0019】この鍵孔封鎖装置では、複数の係止解除操
作スライダ175,201のそれぞれが所定の位置にス
ライド移動されることで、鍵孔に対する係止部45の係
止が解除可能になる。すなわち、多数ある係止解除操作
スライダの一組の組み合わせでしか係止部が係止解除さ
れず、キーを使用せずに、施錠主のみの特定の操作、例
えば各スライダに割り当てられた数字などを合わせる、
いわゆる番号合わせによって係止解除が可能になる。
【0020】請求項7記載の鍵孔封鎖装置171では、
前記複数の係止解除操作スライダ175が、略板状に形
成される基部177に対して、該基部177の板面と直
交する方向を軸方向とし該軸方向に摺動自在とされる略
ピン状に形成されることを特徴とする。
【0021】この鍵孔封鎖装置171では、それぞれが
略ピン状に形成された複数の係止解除操作スライダ17
5を所定の位置にスライド移動させることで、鍵孔に対
する係止部45の係止が解除可能になる。
【0022】請求項8記載の鍵孔封鎖装置191では、
前記複数の係止解除操作スライダ201が、前記鍵孔挿
着部37の鍵孔挿入方向に対して直交する略円板状に形
成される基部195の周縁に略等間隔とされる放射方向
に配列され、該放射方向にスライド自在とされることを
特徴とする。
【0023】この鍵孔封鎖装置191では、放射状に配
列された複数の係止解除操作スライダ201を所定の位
置にスライド移動させることで、鍵孔に対する係止部4
5の係止が解除可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る鍵孔封鎖装置
の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る鍵孔封鎖装置の第一の実施の形態を
表す外観斜視図、図2は図1に示した鍵孔封鎖装置の係
止状態を(a)、係止解除状態を(b)で表した断面
図、図3は図2(b)の外観斜視図、図4は係止解除機
構部の変形例を表す外観斜視図である。
【0025】この第一の実施の形態の鍵孔封鎖装置31
は、シリンダーの鍵孔(図16,17に示す鍵孔33参
照)に挿着自在となった鍵孔挿着部37と、鍵孔挿着部
37の基端に設けられ鍵孔の外部に配置される係止解除
機構部39とからなる。この実施の形態による鍵孔封鎖
装置31では、鍵孔挿着部37が鋸歯状の二枚の挿入板
41,43により形成されている。それぞれの挿入板4
1,43の上縁及び下縁には、上下対称となったノコ刃
状の係止部45が複数形成されている。
【0026】各係止部45は、挿入側が傾斜面45a、
抜脱側が垂直起立面45bで形成されている。従って、
挿入板41,43は、先端側から鍵孔に挿入されること
で、傾斜面45aでタンブラー(図16に示すタンブラ
ーピン1参照)を外筒側に退避させながら進入するとと
もに、進入完了状態では、垂直起立面45bにタンブラ
ーが係止され、鍵孔からの抜脱が阻止されるようになっ
ている。
【0027】挿入板41,43は、一方の挿入板41
が、係止解除機構部39の台座部47に一体に固定され
ている。また、他方の挿入板43は、一方の挿入板41
に対して挿入方向にスライド自在となっている。挿入板
41,43は、他方の挿入板43が前方に移動されるこ
とで、図2(b)に示すように、係止部45同士が連続
して配置され、鍵孔挿着部37の上縁及び下縁が略平坦
となる。
【0028】すなわち、図2(a)の状態で鍵孔に挿入
され、タンブラーに係止部45が係止された鍵孔挿着部
37は、鍵孔からの抜脱が阻止される。一方、鍵孔に挿
着された鍵孔挿着部37は、他方の挿入板43が前方に
移動されることで、係止部45に係止していたタンブラ
ーが、他方の挿入板43の傾斜面45aによって押さ
れ、外筒側へ移動されて係止解除される。その結果、鍵
孔挿着部37は、上縁及び下縁が略平坦となって、鍵孔
から抜脱可能になる。
【0029】係止部45は、鍵孔に設けられている複数
のタンブラーの内、少なくともその一つに係止するよう
になっている。すなわち、少なくとも一つのタンブラー
に係止すれば、鍵孔からの抜脱は阻止されることにな
り、好ましくはシリンダー内に構成される複数の各タン
ブラーに対応するように各係止部45の間隔及び数が構
成される。なお、係止部45によって形成された鍵孔挿
着部37の上縁及び下縁のきざみは、鍵孔に対応する合
カギのきざみとは無関係であるため、鍵孔挿着部37が
鍵孔に挿着された状態においても、シリンダーは回転さ
れることはない。
【0030】係止解除機構部39には、複数(この実施
の形態では3つ)の係止解除操作リング49a,49
b,49cが設けられている。係止解除操作リング49
a〜49cは、台座部47の固定された一方の挿入板4
1の基端に外挿されている。また、係止解除操作リング
49a〜49cには、他方の挿入板43の基端51が貫
通されている。
【0031】他方の挿入板43の基端51は、台座部4
7を貫通して、係止解除機構部39の後端面から突出し
ている。係止解除機構部39から突出した基端51の後
端には押しボタン53が設けられている。台座部47の
後端面には周溝55が形成されている。押しボタン53
には、この周溝55内に進入可能な周縁57が形成され
ている。周溝55と周縁57の間には圧縮コイルバネ5
9が配設され、この圧縮コイルバネ59は押しボタン5
3を係止解除機構部39の後方へ付勢することで、他方
の挿入板43を後方へ配置させている。この状態で、図
2(a)に示すように、挿入板41,43同士の係止部
45が一致するようになっている。
【0032】なお、図2中、61と63は、一方の挿入
板41と他方の挿入板43とを前後方向にスライド自在
に係合させる長孔とピンとを表す。
【0033】係止解除機構部39における他方の挿入板
43の基端51には、係止解除操作リング49a〜49
cに対応して複数の凸部65が設けられている。また、
係止解除操作リング49a〜49cには、この凸部65
に係合して、挿入板43のスライドを規制する係合溝6
7がそれぞれに形成されている。一方、係止解除操作リ
ング49a〜49cのそれぞれには、凸部65との嵌合
を解除して、挿入板43の前方向への移動を可能にする
図2(b)に示す係止解除溝69が形成されている。こ
の係止解除溝69は、それぞれの係止解除操作リング4
9a〜49cの所定の回転位置で、凸部65と一致する
ようになっている。
【0034】従って、それぞれの係止解除操作リング4
9a〜49cの外周面の円周方向に刻印等により形成さ
れた一連の数字が所定の番号の組み合わせとなるよう
に、係止解除操作リング49a〜49cが所定の回転位
置に回転されることで、全ての係止解除溝69が整列さ
れ、全ての凸部65が移動可能となって、他方の挿入板
43が前方へスライド可能になる。
【0035】この状態で、他方の挿入板43は、係止解
除機構部39の後端に突出した押しボタン53が押され
ることで、圧縮コイルバネ59の付勢力に抗して、前方
に移動され、図2(b)及び図3に示すように、一方の
挿入板41の係止部45と、係止部45が交互に配置さ
れる。これにより、鍵孔封鎖装置31は、鍵孔挿着部3
7の上縁及び下縁が略平坦となって、鍵孔からの抜脱が
可能になる。
【0036】従って、この鍵孔封鎖装置31によれば、
施錠装置を施錠した後、この施錠装置の鍵孔に、鍵孔挿
着部37が挿入されると、鍵孔挿着部37が抜脱不能と
なり、鍵孔が封鎖される。従って、施錠装置を解錠する
には、その前に、鍵孔封鎖装置31を鍵孔から外さなけ
ればならず、その除去には施錠主による特定の操作、す
なわち、係止解除操作リング49a〜49cによる番号
合わせが必要になる。
【0037】このため、施錠装置の解錠の前に、先ず、
鍵孔封鎖装置31の除去が必要となり、施錠主以外の者
は不正解錠を二重に行わなければならず、不正解錠が困
難となって、防犯性が高められる。また、鍵孔が封鎖さ
れるため、鍵孔挿着部37が抜脱されなければピッキン
グが行えず、最初から無条件でピッキングが行える場合
に比べて、ピッキングによる鍵孔の破損を低減させるこ
とができる。
【0038】また、鍵孔封鎖装置31は、複数の係止解
除操作リング49a〜49cのそれぞれが所定の回転位
置に回転されることで、鍵孔に対する係止部45の係止
が解除可能になるので、多数ある係止解除操作リング4
9a〜49cの一組の組み合わせでしか係止部45が係
止解除されず、施錠主のみの特定の操作(番号合わせ)
により、キーを使用せずに係止解除が可能になる。
【0039】なお、上記の実施の形態では、他方の挿入
板43の後端部に、押しボタン53を設け、押しボタン
53が押されることで、他方の挿入板43が前進され、
係止される機構としたが、本実施の形態に係る鍵孔封鎖
装置の変形例としては、図4に示すように、他方の挿入
板43の後端部に、引張リング71を設け、この引張リ
ング71を指を掛け引っ張ることで、一方の挿入板41
の係止部45と他方の挿入板43の係止部45とを交互
に配置させ、タンブラーとの係止解除を可能とするもの
であってもよい。このような変形例に係る鍵孔封鎖装置
によれば、鍵孔封鎖装置の抜脱時に、係止解除動作と抜
脱動作とを同一の引っ張り方向で行うことが可能とな
り、係止解除時の操作性を向上させることができる。
【0040】次に、本発明に係る鍵孔封鎖装置の第二の
実施の形態を説明する。図5は本発明に係る鍵孔封鎖装
置の第二の実施の形態の係止状態を(a)、係止解除状
態を(b)で表した断面図、図6は図5に示した鍵孔挿
着部の変形例を示す断面図である。なお、以下の各実施
の形態において、図1〜図3に示した部材と同一の部材
には同一の符号を付し、重複する説明は省略するものと
する。
【0041】この第二の実施の形態による鍵孔封鎖装置
81は、一方の挿入板83の先端に、基部87が支持ピ
ン89によって回動自在に支持され、先端が離反方向に
開脚自在となった一対の係止脚93a,93bが設けら
れている。この係止脚93a,93bの間には捩じりコ
イルスプリングや板バネなどの付勢部材よりなるバネ9
5が設けられ、バネ95は係止脚93a,93bが常に
開脚する方向に双方を付勢している。
【0042】係止脚93a,93bの先端部には、鍵孔
への挿入を容易とするための案内面97が欠切されてい
る。また、一方の挿入板83の基部には、他方の挿入板
99が前後方向にスライド自在に設けられている。この
他方の挿入板99には、係止脚93a,93bの基部に
挿嵌される閉脚用凹部101が形成されている。
【0043】他方の挿入板99は、上記の実施の形態と
同様に、押しボタン53の周縁57と台座部47の周溝
55との間に配設された圧縮コイルバネ59によって、
常時後方へ付勢されている。係止脚93a,93bは、
この状態で、閉脚用凹部101に基部が外方より当接さ
れて規制され、それ以上の開脚が規制されるようになっ
ている。
【0044】係止脚93a,93bは、この開脚状態
で、鍵孔に挿入されることで、案内面97によって先端
部が鍵孔内に進入可能となり、さらに押し込まれること
で、鍵孔内壁から案内面97が受ける反力によって、バ
ネ95の付勢力に抗して閉脚されるようになっている。
これにより、係止脚93a,93bは、鍵孔内を貫通し
て、シリンダーの後端面98から突出されるようになっ
ている。
【0045】先端がシリンダーの後端面98から突出し
た係止脚93a,93bは、外方からの規制がなくな
り、バネ95の付勢力により開脚される。これにより、
係止脚93a,93bは、先端の爪部103がシリンダ
ーの後端面98に係止され、鍵孔からの抜脱が阻止され
るようになっている。
【0046】この実施の形態に係る鍵孔封鎖装置81
を、鍵孔から抜脱するには、上記の実施の形態と同様に
構成された係止解除機構部39の複数の係止解除操作リ
ング49a〜49cを、所定の回転位置に回転させる。
すると、上記の動作と同様に、凸部65の係合が解除さ
れ、他方の挿入板99の後端に設けられた押しボタン5
3が、前進方向に押し込み可能となる。
【0047】この状態で、押しボタン53が押し込まれ
ると、閉脚用凹部101が係止脚93a,93bの後部
側に挿嵌され、図5(b)に示すように、係止脚93
a,93bのテーパ部105が閉脚用凹部101内に収
容されることとなる。これにより、開脚状態であった一
対の係止脚93a,93bは、外方からの閉脚力が加え
られることとなり、図5(b)に示すように、シリンダ
ー後端面98に対する爪部103の係止が解除されて、
鍵孔からの抜脱が可能となる。
【0048】この鍵孔封鎖装置81によれば、鍵孔挿着
部の構成部材である挿入板83,99が鍵孔に挿入さ
れ、挿入板83に設けられた係止脚93a,93bの先
端が鍵孔のシリンダーを貫通すると、先端に設けられた
係止部である爪部103がシリンダーの後端面98に係
止され、鍵孔挿着部が鍵孔から抜脱不能になる。これに
より、鍵孔を封鎖することができる。
【0049】係止脚93a,93bは、係止解除機構部
39の操作によって爪部103がシリンダーの後端面9
8に対して係止解除され、鍵孔からの除去を可能にする
ことができる。また、この鍵孔封鎖装置81によれば、
爪部103がシリンダーの後端面98に係止するので、
鍵孔封鎖装置81に過剰な引き抜き方向の外力が加えら
れても、タンブラーにその外力が作用することがなく、
シリンダーの破損を防止することができる。
【0050】なお、上記した第二の実施の形態では、一
対の係止脚93a,93bを設ける場合を例に説明した
が、本実施の形態に係る鍵孔封鎖装置は、図6に示すよ
うに、一方の挿入板83に、一つの係止脚107のみを
設けるものであってもよい。この場合は、係止脚107
は、支持ピン89によって一方の挿入板83に回動自在
に支持され、バネ95によってシリンダーの後端面に係
止する方向(外方)に付勢される。
【0051】また、他方の挿入板99とは、テーパ部1
09を介して摺接され、他方の挿入板99が前進される
ことにより、テーパ部109が押圧されて、支持ピン8
9を中心に係止脚107の先端がシリンダーの後端面9
8から係止解除される方向に揺動されるようになってい
る。このような構成によれば、係止脚107が一つでよ
いため、爪部103の掛かり寸法を大きくすることがで
き、かつ装置全体の小型化を可能にすることができる。
【0052】次に、本発明に係る鍵孔封鎖装置の第三の
実施の形態を説明する。図7は本発明に係る鍵孔封鎖装
置の第三の実施の形態を表す外観斜視図、図8は図7に
示した鍵孔封鎖装置の係止状態を(a)、係止解除状態
を(b)で表した断面図である。
【0053】この第三の実施の形態に係る鍵孔封鎖装置
111では、鍵孔挿着部37の後端に、錠シリンダー部
113を有する係止解除機構部115が設けられてい
る。鍵孔挿着部37の先端側は、第一の実施の形態で説
明した構成と略同一の構成となっている。すなわち、鍵
孔挿着部37は、鋸歯状の二枚の挿入板41,43によ
り形成されている。それぞれの挿入板41,43の上縁
及び下縁には、上下対称となったノコ刃状の係止部45
が形成されている。
【0054】係止解除機構部115の後端面には錠シリ
ンダー部113の鍵孔117が開口されている。錠シリ
ンダー部113は、図8(b)に示すように、鍵孔11
7に合カギ119が挿入されることで、内筒121が回
転可能となる。内筒121の前端側には、内筒121と
一体に回転される軸部123が同軸上に突設され、軸部
123の外周からは、係合突起125が突出されてい
る。
【0055】一方、他方の挿入板43の基端は、係止解
除機構部115内において、円筒状に形成され、この円
筒部127の内部に、軸部123が挿入されている。円
筒部127の内周面には、傾斜溝129が形成され、こ
の傾斜溝129には係合突起125が係合されている。
【0056】従って、合カギ119が錠シリンダー部1
13に挿入され、内筒121が回転されることにより、
軸部123に設けられた係合突起125が傾斜溝129
を移動すると、他方の挿入板43は、この係合突起12
5の移動によって前方向に移動されることとなる。
【0057】この結果、上記の第一の実施の形態と同様
に、図8(b)に示すように、係止部45同士が連続し
て配置され、鍵孔挿着部37の上縁及び下縁が略平坦と
なる。これにより、鍵孔封鎖装置111の鍵孔挿着部3
7は、鍵孔から抜脱可能になる。
【0058】この鍵孔封鎖装置111によれば、錠シリ
ンダー部113に合カギとなる特定のキー119が挿入
され、そのキーが回転されると、この回転操作によって
鍵孔に対する係止部45の係止が解除されることにな
る。すなわち、施錠装置の解錠の前に、先ず、錠シリン
ダー部113を解錠するという特定の操作を行わなけれ
ば鍵孔封鎖装置111の除去が出来ず、特定のキー11
9を使用しない場合には、不正解錠を二重に行わなけれ
ばならず、防犯性を高めることができる。
【0059】次に、本発明に係る鍵孔封鎖装置の第四の
実施の形態を説明する。図9は本発明に係る鍵孔封鎖装
置の第四の実施の形態を表す側面図及び平面図、図10
は同鍵孔封鎖装置の動作を表す概略側断面図、図11は
同鍵孔封鎖装置の平断面図である。
【0060】この第四の実施の形態に係る鍵孔封鎖装置
141は、上述した第一の実施の形態の鍵孔封鎖装置3
1を構成する鍵孔挿着部37と略同様の構成の鍵孔挿着
部143と、複数のダイヤルリングを備えた係止解除機
構部145とで構成される。
【0061】鍵孔挿着部143は、図9(a)(b)に
示すように、第一の実施の形態における鍵孔挿着部37
と同様構成で、二枚の挿入板147,149により形成
され、それぞれの挿入板147,149の上縁及び下縁
に上下対称となったノコ刃状の係止部150が複数形成
されている。
【0062】係止解除機構部145は、複数の、本実施
の形態では3つの係止解除操作リングとしてのダイヤル
リング151a,151b,151cが設けられてい
る。各ダイヤルリング151a,151b,151c
は、図9(b)に示すように、略方形箱形状の筐体部1
53の表裏両側面に、互いが干渉しないように千鳥状に
配設される。
【0063】各ダイヤルリング151a,151b,1
51cは、筐体部153に対し、両側面を軸方向とし、
軸部152を回動自在として、それぞれが回転自在に取
り付けられる。なお、この軸部152には、周面に等間
隔となって凹部154が形成され、筐体部153内に配
設される付勢部材を備えた係止球155に係合し、ダイ
ヤルリング151a,151b,151cの回転位置を
所定角度毎とするようになっている。また、各ダイヤル
リング151a,151b,151cの各軸部152に
おける中途部外周面の一部には、図10に示すように係
合凹部157がそれぞれ形成されている。
【0064】各ダイヤルリング151a,151b,1
51cには、図9(a)に示すように、回転角度を示す
矢印状の刻印等が表面に施され、また、筐体部153の
表裏面における各ダイヤルリング151a,151b,
151cの周囲に位置した所定角度毎の位置には数字
(本実施の形態では0〜7)が形成され、すなわち、各
数字に、ダイヤルリング151a,151b,151c
を回転させることで矢印を合わせるようになっており、
その数字の位置毎に係止球155にて停止するようにな
っている。
【0065】鍵孔挿着部143を構成する一方の挿入板
149は、基端が筐体部153に固設され、他方の挿入
板147の基部147aは、筐体部153内に延出し、
この筐体部153を貫通するとともに、筐体部153に
対して前後方向に摺動自在となっている。
【0066】他方の挿入板147には、筐体部153内
となる基部147aに、複数の長孔159が穿設されて
いる。各長孔159は、筐体部153内に位置する各ダ
イヤルリング151a,151b,151cのそれぞれ
の軸部152が貫通するようになっている。また、これ
ら長孔159のそれぞれの後端側には、係合凸部161
が設けられている。この係合凸部161は、ダイヤルリ
ング151a,151b,151cの軸部152におけ
る係合凹部157に対応し、互いに係合が可能となって
いる。また、この他方の挿入板147の基端部は、筐体
部153の後端より突出し、操作つまみ163を構成し
ている。
【0067】従って、それぞれのダイヤルリング151
a,151b,151cに形成される矢印を、その周囲
に形成される各数字における所定の番号の組み合わせと
なるように、所定の回転位置に回転させることで、各ダ
イヤルリング151a,151b,151cのそれぞれ
の軸部152に形成される係合凹部157が、全て後端
に向いて整列し、これにより、他方の挿入板147の各
係合凸部161が係合可能となり、この他方の挿入板1
47が前方へスライド移動可能になる。
【0068】この状態で操作つまみ163を押すこと
で、他方の挿入板147は前方に移動して係止部150
が交互に配置して、鍵孔挿着部143の上縁及び下縁が
略平坦となり(図9(a)参照)、鍵孔からの抜脱が可
能になる。
【0069】従って、この鍵孔封鎖装置141によれ
ば、上述した各実施の形態と同様に、施錠装置を施錠し
た後、この施錠装置の鍵孔に、鍵孔挿着部143が挿入
されると、鍵孔挿着部143が抜脱不能となり、鍵孔が
封鎖される。従って、施錠装置を解錠するには、その前
に、鍵孔封鎖装置141を鍵孔から外さなければなら
ず、その除去には施錠主による特定の操作、すなわち、
各ダイヤルリング151a,151b,151cによる
番号合わせが必要になる。
【0070】このため、施錠装置の解錠の前に、先ず、
鍵孔封鎖装置141の除去が必要となり、施錠主以外の
者は不正解錠を二重に行わなければならず、不正解錠が
困難となって、防犯性が高められる。また、鍵孔が封鎖
されるため、鍵孔挿着部143が抜脱されなければピッ
キングが行えず、最初から無条件でピッキングが行える
場合に比べて、ピッキングによる鍵孔の破損を低減させ
ることができる。
【0071】また、鍵孔封鎖装置141は、複数のダイ
ヤルリング151a,151b,151cのそれぞれが
所定の回転位置に回転されることで、鍵孔に対する係止
部150の係止が解除可能になるので、多数あるダイヤ
ルリング151a,151b,151cの一組の組み合
わせでしか係止部150が係止解除されず、施錠主のみ
の特定の操作(番号合わせ)により、キーを使用せずに
係止解除が可能になる。
【0072】次に、本発明に係る鍵孔封鎖装置の第五の
実施の形態を説明する。図12(a)は本発明に係る鍵
孔封鎖装置の第五の実施の形態を表す側面図、図12
(b)は同平断面図、図13(a)(b)は同鍵孔封鎖
装置の動作を示す側面図及び平断面図である。
【0073】この第五の実施の形態に係る鍵孔封鎖装置
171では、鍵孔挿着部37の後端に、係止解除操作ス
ライダを備える係止解除機構部173が設けられてい
る。鍵孔挿着部37の先端側は、第一の実施の形態で説
明した構成と略同一の構成となっており、すなわち、こ
の鍵孔挿着部37は、鋸歯状の二枚の挿入板41,43
により形成されている。それぞれの挿入板41,43の
上縁及び下縁には、上下対称となったノコ刃状の係止部
45が形成されている。なお、この第五の実施の形態に
おける係止部45は、挿入板が移動された際の形状が、
平坦面ではなく、傾斜面45aが略波型に連続するよう
になる。
【0074】係止解除機構部171には、複数の係止解
除操作スライダ175が設けられている。本実施の形態
では、図12(a)に示すように、10個で構成されて
いる。各係止解除操作スライダ175は、それぞれ略ピ
ン状に形成され、略板状に形成される基部177に対し
て、その板面に対して直交する方向を軸方向として、こ
の軸方向に摺動移動自在とされ、基部177を貫通して
配設されている。
【0075】各係止解除操作スライダ175は、両端が
略半球状に形成されるとともに、軸方向中途部に長尺及
び短尺の2つの大径部175aと、これら大径部175
a間に位置するように形成される細径部175bとを有
しており、基部177内部に形成される摺動孔部177
a内で大径部175a及び細径部175bが所定ストロ
ークを移動可能となっている。そして、各係止解除操作
スライダ175は、細径部175bの軸方向における形
成位置を異なるように組み合わされ、本実施の形態で
は、図12(b)に示すように、細径部175bの位置
が、係止解除操作スライダ175における一端側のもの
と他端側(図中上部側と下部側)のもので構成される。
【0076】基部177には、鍵孔挿着部37の一方の
挿入板41の基端が固定されており、また他方の挿入板
43の基端側が長手方向に貫通している。この他方の挿
入板43の基端側における板面には、各係止解除操作ス
ライダ175の大径部175aが貫通する係止孔179
が、係止解除操作スライダ175と同数となって対応し
て複数穿設されている。また、この他方の挿入板43の
基端は、基部177を貫通し、係止解除機構部173の
後端面から突出している。突出した後端は、略L字状に
折曲形成されており、操作片181を構成している。
【0077】また、基板177の一方の側面には、図1
2(a)に示すように、貫通して突出する各係止解除操
作スライダ175に近接するように、0〜9の数字が刻
印等により形成され、すなわち、各係止解除操作スライ
ダ175に0〜9の数字が割り当てられている。
【0078】従って、各係止解除操作スライダ175
が、所定の番号の組み合わせで、所定ストロークの一方
側に係止解除操作スライダ175を摺動移動させた際
に、すなわち、係止解除機構部173の一方の側面側か
ら、所定の番号の係止解除操作スライダ175を押圧操
作することで摺動させることで、全ての係止解除操作ス
ライダ175の細径部175bが図13(b)に示すよ
うに一方の挿入板41のスライド移動位置となり、これ
により一方の挿入板41は操作片181の押動操作にて
前方へ移動可能となる。これにより、図13(a)に示
すように、両挿入板41,43の係止部45はそれぞれ
傾斜面を連続形成することとなる。そして、このことか
ら、鍵孔封鎖装置171は、鍵孔からの抜脱が可能にな
る。
【0079】この鍵孔封鎖装置171によれば、複数の
各係止解除操作スライダ175が、全ていずれかの摺動
位置にあるときには、各係止解除操作スライダ175の
大径部175aが各係止孔179に嵌合状態となり挿入
板43が移動せず、鍵孔挿着部37の係止部45によ
り、鍵孔からの抜脱が不能となり、鍵孔を封鎖すること
が可能となる。従って、施錠装置を解錠するために鍵孔
封鎖装置171を鍵孔から外すには、施錠主による特定
の操作、すなわち、係止解除操作スライダ175による
特定の番号合わせが必要になる。
【0080】このため、上述した各実施の形態と同様
に、施錠装置の解錠の前に、先ず、鍵孔封鎖装置171
の除去が必要となり、施錠主以外の者は不正解錠を二重
に行わなければならず、不正解錠が困難となって、防犯
性が高められる。また、鍵孔が封鎖されるため、鍵孔挿
着部37が抜脱されなければピッキングが行えず、最初
から無条件でピッキングが行える場合に比べて、ピッキ
ングによる鍵孔の破損を低減させることができる。
【0081】また、鍵孔封鎖装置171は、複数の係止
解除操作スライダ175のそれぞれが所定の箇所のみ摺
動されることで、鍵孔に対する係止部45の係止が解除
可能になるので、多数ある係止解除操作スライダ175
の一組の組み合わせでしか係止部45が係止解除され
ず、施錠主のみの特定の操作(番号合わせ)により、キ
ーを使用せずに係止解除が可能になる。
【0082】次に、本発明に係る鍵孔封鎖装置の第六の
実施の形態を説明する。図14は本発明に係る鍵孔封鎖
装置の第六の実施の形態を表す正面図及び側断面図、図
15は同鍵孔封鎖装置の動作状態を表す正面図及び側断
面図である。
【0083】この第六の実施の形態に係る鍵孔封鎖装置
191では、上述した第五の実施の形態の構成と略同等
の構成の鍵孔挿着部37と係止解除機構部193とで構
成される。係止解除機構部193は、図14に示すよう
に、略円板状の基部195を備える。この基部195
は、鍵孔挿着部37の長手方向である鍵孔挿入方向に対
して直交し、図14(b)に示すように、鍵孔挿着部3
7とともに略コマ状に形成される。基部195は、鍵孔
挿着部37の一方の挿入板41の基端が固定され、また
他方の挿入板43の基端部が貫通している。この他方の
挿入板43は、基部195に対して、前後方向に摺動自
在とされている。
【0084】基部195内に位置する他方の挿入板43
の基端部中途には、フランジ状に設けられる略円板状の
係合板199が固定されている。係合板199は、その
板面に、周方向に略等間隔となって、複数の係合孔20
0が穿設されている。なお、これら係合孔200は、そ
れらのうちの所定の数個が、中心からの距離を異なるよ
うに、すなわち、中心からの距離が長いものと、短いも
のとで構成され、設定される。また、他方の挿入板43
の基端は、基部195の後端中央より外方に突出し、押
しボタン197を構成している。
【0085】基部195には、周縁に略等間隔となり、
放射方向に配列される係止解除操作スライダ201が複
数、本実施の形態では10個設けられている。各係止解
除操作スライダ201は、摺動基部201aと外側支持
部201bと腕部201cとがそれぞれ平行となって図
14(b)に示すように、略E字状に形成され、基部1
95に放射方向となって形成される溝部196に摺動基
部201aが嵌入し摺動自在に取り付けられ、この摺動
基部201aと外側支持部201bとで基部195の表
面部を挟持している。腕部201cの先端は基部195
内に延び係合凸部203が設けられ係合板199と対向
する。
【0086】なお、外側支持部201bの裏面には、球
面状の凸部が形成され、基部195の表面に形成される
凹部に嵌入するようになっており、すなわち、この係止
解除操作スライダ201の摺動移動時におけるクリック
感が得られるようになっている。また、基部195の後
端側表面には、図14(a)に示すように、各係止解除
操作スライダ201に隣接して一連の数字(0〜9の数
字)が刻印等により形成されている。
【0087】従って、係止解除操作スライダ201が、
所定の番号の組み合わせで、基部195の中心方向にス
ライド移動させた際に、すなわち、所定の番号の係止解
除操作スライダ201をそれぞれスライド移動(図15
(a)参照)させると、係合凸部203は、中心からの
距離を短く設定された係合孔200に対向する位置とな
り、これにより他方の挿入板43が押しボタン197の
押動操作にて前方へ移動可能となる。これにより、図1
5(b)に示すように、両挿入板41,43の係止部4
5はそれぞれ傾斜面を連続形成させる。そして、このこ
とから、鍵孔封鎖装置191は、鍵孔からの抜脱が可能
になる。
【0088】この鍵孔封鎖装置191によれば、複数の
各係止解除操作スライダ201が、全て放射方向外方に
あるときには、鍵孔挿着部37の係止部45により、鍵
孔からの抜脱が不能となり、鍵孔を封鎖することが可能
となる。従って、施錠装置を解錠するために鍵孔封鎖装
置191を鍵孔から外すには、施錠主による特定の操
作、すなわち、係止解除操作スライダ201による特定
の番号合わせ(摺動操作)が必要になる。
【0089】このため、上述した各実施の形態と同様
に、施錠装置の解錠の前に、先ず、鍵孔封鎖装置191
の除去が必要となり、施錠主以外の者は不正解錠を二重
に行わなければならず、不正解錠が困難となって、防犯
性が高められる。また、鍵孔が封鎖されるため、鍵孔挿
着部37が抜脱されなければピッキングが行えず、最初
から無条件でピッキングが行える場合に比べて、ピッキ
ングによる鍵孔の破損を低減させることができる。
【0090】また、鍵孔封鎖装置191は、複数の係止
解除操作スライダ201のそれぞれが所定の箇所のみ摺
動されることで、鍵孔に対する係止部45の係止が解除
可能になるので、多数ある係止解除操作スライダ201
の一組の組み合わせでしか係止部45が係止解除され
ず、施錠主のみの特定の操作(番号合わせ)により、キ
ーを使用せずに係止解除が可能になる。
【0091】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る鍵孔封鎖装置によれば、鍵孔に挿入されることでこの
鍵孔に係止して抜脱が不能になる鍵孔挿着部と、特定の
操作のみによって鍵孔に対する係止を解除する係止解除
機構部とを有するので、施錠装置を施錠した後、この施
錠装置の鍵孔に、鍵孔挿着部を挿入することにより、鍵
孔挿着部が抜脱不能となって、鍵孔を封鎖することがで
きる。
【0092】従って、施錠装置を解錠するには、その前
に、鍵孔封鎖装置を鍵孔から外さなければならず、その
除去には施錠主による特定の操作、すなわち複数の係止
解除操作リングを所定の回転位置に回転させる操作や、
特定のキーによる錠シリンダー部の回転操作、係止解除
操作スライダを摺動させる操作が必要になるので、施錠
装置の解錠の前に、さらに鍵孔封鎖装置の解除が必要と
なり、従って、施錠主以外の者は不正解錠を二重に行わ
なければならず、不正解錠を困難にして、防犯性を向上
させることができる。
【0093】また、鍵孔を封鎖できるので、鍵孔挿着部
が抜脱されなければピッキングが行えず、最初から無条
件でピッキングが行える場合に比べて、ピッキングによ
る鍵孔の破損を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鍵孔封鎖装置の第一の実施の形態
を表す外観斜視図である。
【図2】図1に示した鍵孔封鎖装置の係止状態を
(a)、係止解除状態を(b)で表した断面図である。
【図3】図2(b)の外観斜視図である。
【図4】係止解除機構部の変形例を表す外観斜視図であ
る。
【図5】本発明に係る鍵孔封鎖装置の第二の実施の形態
の係止状態を(a)、係止解除状態を(b)で表した断
面図である。
【図6】図5に示した鍵孔挿着部の変形例を示す断面図
である。
【図7】本発明に係る鍵孔封鎖装置の第三の実施の形態
を表す外観斜視図である。
【図8】図7に示した鍵孔封鎖装置の係止状態を
(a)、係止解除状態を(b)で表した断面図である。
【図9】本発明に係る鍵孔封鎖装置の第四の実施の形態
の側面図を(a)、平面図を(b)で表した図である。
【図10】同第四の実施の形態の鍵孔封鎖装置の動作を
表す概略側断面図である。
【図11】同第四の実施の形態の鍵孔封鎖装置の平断面
図である。
【図12】本発明に係る鍵孔封鎖装置の第五の実施の形
態の側面図を(a)、平断面図を(b)で表した図であ
る。
【図13】同第五の実施の形態の鍵孔封鎖装置の動作状
態の側面図を(a)、平断面図を(b)で表した図であ
る。
【図14】本発明に係る鍵孔封鎖装置の第六の実施の形
態の正面図を(a)、側断面図を(b)で表した図であ
る。
【図15】同第六の実施の形態の鍵孔封鎖装置の動作状
態の正面図を(a)、側断面図を(b)で表した図であ
る。
【図16】ピンタイプのタンブラーを有するピンシリン
ダーの施錠状態の正面視を(a)、断面を(b)で示し
た説明図である。
【図17】ピンタイプのタンブラーを有するピンシリン
ダーの解錠状態の正面視を(a)、断面を(b)で示し
た説明図である。
【符号の説明】
1…タンブラー 31,81,111,141,171,191…鍵孔封
鎖装置 33…鍵孔 37,143…鍵孔挿着部 39,115,145,173,193…係止解除機構
部 45…係止部 49a,49b,49c…係止解除操作リング 98…後端面 103…係止部(爪部) 113…錠シリンダー部 119…キー(合カギ) 151a,151b,151c…係止解除操作リング
(ダイヤルリング) 175,201…係止解除操作スライダ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 施錠装置の鍵孔に挿入され、該鍵孔に係
    止することで該鍵孔を封鎖する鍵孔封鎖装置であって、 前記鍵孔に対して係止される係止部を先端側に有し該鍵
    孔に挿入されることで前記鍵孔に係止して前記鍵孔から
    の抜脱が不能になる鍵孔挿着部と、 前記鍵孔の外方に位置する前記鍵孔挿着部の基端に設け
    られ特定の操作のみによって前記鍵孔に対する前記係止
    部の係止を解除する係止解除機構部と、 を具備することを特徴とする鍵孔封鎖装置。
  2. 【請求項2】 前記係止部が、 前記鍵孔内に突出される少なくとも一つのタンブラーに
    係止することで前記鍵孔からの抜脱を不能にすることを
    特徴とする請求項1記載の鍵孔封鎖装置。
  3. 【請求項3】 前記係止部が、 前記鍵孔の設けられたシリンダーを貫通して該シリンダ
    ーの後端面に係止することで前記鍵孔からの抜脱を不能
    にすることを特徴とする請求項1記載の鍵孔封鎖装置。
  4. 【請求項4】 前記係止解除機構部が、 それぞれ所定の回転位置に回転されることで前記鍵孔に
    対する前記係止部の係止を解除する複数の係止解除操作
    リングを有することを特徴とする請求項2又は3記載の
    鍵孔封鎖装置。
  5. 【請求項5】 前記係止解除機構部が、 特定のキーのみを挿入することによる回転操作によって
    前記鍵孔に対する前記係止部の係止を解除する錠シリン
    ダー部を有することを特徴とする請求項2又は3記載の
    鍵孔封鎖装置。
  6. 【請求項6】 前記係止解除機構部が、 それぞれ所定のスライド位置に摺動移動されることで前
    記鍵孔に対する前記係止部の係止を解除する複数の係止
    解除操作スライダを有することを特徴とする請求項2又
    は3記載の鍵孔封鎖装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の係止解除操作スライダが、略
    板状に形成される基部に対して、該基部の板面と直交す
    る方向を軸方向とし該軸方向に摺動自在とされる略ピン
    状に形成されることを特徴とする請求項6記載の鍵孔封
    鎖装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の係止解除操作スライダが、前
    記鍵孔挿着部の鍵孔挿入方向に対して直交する略円板状
    に形成される基部の周縁に略等間隔とされる放射方向に
    配列され、該放射方向にスライド自在とされることを特
    徴とする請求項6記載の鍵孔封鎖装置。
JP2000395321A 2000-10-25 2000-12-26 鍵孔封鎖装置 Pending JP2002201831A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000395321A JP2002201831A (ja) 2000-10-25 2000-12-26 鍵孔封鎖装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000325784 2000-10-25
JP2000-325784 2000-10-25
JP2000395321A JP2002201831A (ja) 2000-10-25 2000-12-26 鍵孔封鎖装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002201831A true JP2002201831A (ja) 2002-07-19

Family

ID=26602757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000395321A Pending JP2002201831A (ja) 2000-10-25 2000-12-26 鍵孔封鎖装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002201831A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6854307B2 (en) 2002-05-19 2005-02-15 Newing Corporation Lock-picking prevention apparatus
JP2006336268A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Miwa Lock Co Ltd プッシュプルピンロック

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6854307B2 (en) 2002-05-19 2005-02-15 Newing Corporation Lock-picking prevention apparatus
JP2006336268A (ja) * 2005-06-01 2006-12-14 Miwa Lock Co Ltd プッシュプルピンロック
JP4701429B2 (ja) * 2005-06-01 2011-06-15 美和ロック株式会社 プッシュプルピンロック

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100482186B1 (ko) 복합자물쇠 편입형 문짝용 로킹핸들장치
US7458239B1 (en) Combination-changeable complex lock
JPH01315569A (ja) ロック
US10214942B2 (en) Zipper padlock with a dual locking system
US6722169B2 (en) Door locking handle assembly
US4667493A (en) Disc type cylinder lock
US10267064B2 (en) Lock with linearly operating latch
JP2002201831A (ja) 鍵孔封鎖装置
JP3492589B2 (ja) 施錠設定変更装置
JP3493018B2 (ja) 複合錠組込み型扉用ロックハンドル装置
JPH04315677A (ja) シリンダ錠
JPH07207997A (ja) 南京錠
JP3050628B2 (ja) シリンダ錠
JP4445211B2 (ja) サムターン
JP4113714B2 (ja) ロータリーディスクタンブラー錠
JP3620460B2 (ja) シリンダー錠装置
JP2001200668A (ja) 扉用錠装置
JP4490252B2 (ja) サムターン装置
JP2731517B2 (ja) 符号錠
JP3090356B2 (ja) シリンダ錠
JP2980251B2 (ja) シリンダ錠
JP3573345B1 (ja) 鍵とシリンダー錠とロックシステム
JP4154192B2 (ja) 引違い戸用錠
JP4478528B2 (ja) ケース用施錠装置
JP3926660B2 (ja) シリンダー錠に用いるシリンダー及びそれを備えたシリンダー錠

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070530

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070703