JP3926660B2 - シリンダー錠に用いるシリンダー及びそれを備えたシリンダー錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリンダー錠に用いるシリンダー及びそれを備えたシリンダー錠に係り、より詳しくは、鍵板を鍵孔に挿入しない状態においては鍵孔の開口を閉塞可能なシャッターを備えたシリンダー錠に用いるシリンダー及びそれを備えたシリンダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建造物等におけるドアの鍵等にはシリンダー錠が用いられている。そして、このシリンダー錠は一般的に、タンブラーを挿抜可能に具備したシリンダーをケース内に回動自在に装着しており、前記タンブラーは、通常の状態ではその先端部がシリンダー外周面から突出するとともにケース内周側に係合し、これによりシリンダーの回転を阻止して解錠あるいは施錠を不可能にしているが、正当な鍵板をシリンダー内に挿入すると、すべてのタンブラーがシリンダー内に退避してシリンダーの回転を可能にし、これにより施錠あるいは解錠を可能にする構造としてある。
【0003】
この従来から用いられているシリンダー錠について図面を参照して詳細に説明すると、図8は従来から用いられているシリンダー錠31の構造を説明するための軸方向に沿った断面図であり、図において32はドア内部に挿装される鍵ケースである。
【0004】
そして、この鍵ケース32は、略円筒形状であるとともに、その内部には略円筒形状のシリンダー33が回動自在に装備されており、このシリンダー33を回動させることにより施錠あるいは解錠が可能とされている。
【0005】
ここで、シリンダー33について説明すると、図9はシリンダー33を分解した状態及びこのシリンダー33内に挿入される鍵板37を示す図であり、前記シリンダー33はシリンダー本体34を備えており、このシリンダー本体34には、使用に際して鍵本体等に連結されるジョイント部3402がその先端部に形成されており、このジョイント部3402が前記鍵ケース32を貫通する形態で前記鍵ケース32内に回動自在に挿装されている。
【0006】
また、シリンダー本体34には、前記ジョイント部3402に対抗する側から軸方向に向けて細長形状の鍵孔3401が形成されているとともに、この鍵孔3401に直交する方向に向けて、複数個のスリット状のタンブラー挿入孔3403が所定間隔で形成されている。
【0007】
そして、前記シリンダー本体34におけるタンブラー挿入孔3403内にはそれぞれ、タンブラー35が挿入されているとともに、このタンブラー35は、スプリング36によりシリンダー本体34の外周から突出する方向に付勢されている。
【0008】
ここで、図10はタンブラー挿入孔3403内にタンブラー35を挿入した状態におけるタンブラー挿入孔3403部分をシリンダー33の軸方向から示した断面図であり、図において、タンブラー35の一方の側辺には段差部3501が形成されているとともに、他方の側辺には凸部3502が形成されている。
【0009】
一方、前記タンブラー挿入孔3403内には、係止部3404が形成されるとともにこの係止部3404に対抗する側には案内溝3405が形成されており、前記タンブラー35は、前記段差部3501と前記係止部3404との間に装着されたスプリング36によってシリンダー本体34の外周から突出する方向に付勢されるとともに、その移動は前記案内溝3405に凸部3502に案内される範囲に規制されている。
【0010】
また、このタンブラー35には、鍵板37が貫通する窓部3503が形成されているとともに、図8からも明らかなように、各タンブラー35における窓部3503は、その下端位置が一致しないように形成され、これにより、すべてのタンブラー35をタンブラー挿入孔3403内に退避した場合に窓部の下端部が波型になるようにしている。
【0011】
一方、前記鍵ケース32の内周には、軸方向に沿って一対の係合溝3201が対向するように形成されており、タンブラー35がシリンダー本体34より突出している状態ではタンブラー35の先端部が係合溝3201に係合し、これによりシリンダー本体34の回転を阻止して施錠あるいは解錠を不可能する。
【0012】
そして、タンブラー35のすべてがシリンダー本体34内に退避された状態における前記窓部3501の下端部に整合可能な切欠部3701を備えた鍵板37をシリンダー本体34における鍵孔3401内に挿入すると、すべてのタンブラー35がシリンダー本体34内に退避するとともに、タンブラー35の先端部と係合溝3201との係合が解除され、これによりシリンダー本体34が回転可能となり、この状態で鍵板37を回転させるとシリンダー本体34も回転し、これにより施錠あるいは解錠を行うことが可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のように、従来から提供されているシリンダー錠では、鍵板を挿入するための鍵孔は、鍵板の挿入口が外部に開口した状態になっているが、そのため、鍵孔を介してシリンダー内にゴミやほこりが入り込んでしまうことがある。そしてこのような場合には、シリンダー錠では細かな部品を多数個用いているために、シリンダー錠が正常に作動しなくなってしまうことがある。
【0014】
また、鍵板の挿入口が外部に開口した状態になっているために鍵孔を介してシリンダー錠内部に水が入り込んでしまうことも考えられるために、従来からこのようなシリンダー錠を用いたドアでは水洗い等を行うことは避けられていた。
【0015】
更に、従来からシリンダー錠では、季節によっては内部に水滴等が溜まってしまいこれが凍結することが考えられるために、シリンダー内部に水抜き孔が形成されているが、このとき、特に寒冷地等での使用を考慮して、この水抜き孔を十分に形成しなければならなかった。
【0016】
更にまた、鍵孔の挿入口が開口された状態では、シリンダー内部が見えてしまいタンブラーの位置等も見えてしまうために、ピッキングをし易いという問題点も考えられる。
【0017】
この点、従来から、シリンダーにおける鍵板の挿入口に開閉自在のシャッターを装備したものも提供されており、特に自動車等の鍵に使用されているが、このシリンダー錠では構造が複雑になり製造に際して工数が増えてしまうという問題点がある。
【0018】
ここで、図11はこの開閉式シャッターを備えたシリンダー42を説明するための分解図であり、図11において43はシリンダー本体、44はこのシリンダー本体43に装着されるシャッターである。そして、シャッター44は、板状のシャッター本体4401にリング状の一対のピン貫通部4402を備えるとともに、ピン貫通部4402にはピン4403が貫通している。そして、このピン4403に支持されるようにして、前記ピン貫通部4402間には、一対の脚部4405を有するスプリング4404が装備されている。
【0019】
一方、シリンダー本体43における鍵板挿入口近傍には、前記ピン4403の両端部が係合する係合部4301と、この係合部4301間に形成したテーパー状のスプリング受け部4302が形成されている。
【0020】
そして、前記スプリング4404における一対の脚部4405を、一方がシャッター本体4401に当接するとともに他方が前記スプリング受け部4302に当接するようにして、ピン4403の両端部を係合部4301内に係合させ、その後にカバー45をシリンダー本体43に装着すると、図12に示すように、鍵孔における鍵板挿入口をシャッター4401で閉止可能にすることができるとともに、鍵板を挿入するとシャッター4401がスプリング4404の弾性力に対抗してシリンダー本体43側に折り畳まれる構造となっている。
【0021】
このように、この開閉式シャッターを用いることにより鍵孔の開口を閉塞することが可能であるが、一方、この方法では、シリンダー本体43における鍵板挿入側先端を複雑な形状に加工しなければならず、工数が多くなってしまうという問題点がある。
【0022】
そしてそのとき、シリンダーを前述のように加工するためには、コスト等を考慮すると切削加工では困難なために鋳造による方法が望ましいが、自動車等の大量生産品ならば格別、建造物等のドアでは、鋳造設備等のコストを考慮すると実用的ではないという問題点がある。
【0023】
そこで、本発明は、工数、コストを上げること無く鍵板の開口を閉塞可能な、シリンダー錠に用いるシリンダー及びそれを備えたシリンダー錠を提供することを課題としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明のシリンダー錠に用いるシリンダーは、
先端部略中央部に備えたジョイント部と、軸方向に形成された鍵孔と、該鍵孔に交差するように形成された複数個のタンブラー挿入孔とを備えるシリンダー本体と、
該シリンダー本体における前記タンブラー挿入孔内に挿抜可能に挿装されるとともに弾性手段により前記シリンダー本体の外周側に付勢されたタンブラーと、を備え、
前記鍵孔に鍵板を挿入しない状態では、前記タンブラーの上端部近傍が前記シリンダー本体より突出し、一方、鍵孔に鍵板を挿入した状態では、鍵板の押圧により前記タンブラーがシリンダー本体内に退避可能とした、シリンダー錠に用いるシリンダーにおいて、
鍵板を挿入する側から数えた最前列に配置されるタンブラーにおける、鍵板により押圧される箇所にシャッターを移動自在に載置するとともに、該シャッターを鍵板との当接部側に付勢するための弾性手段を備え、
前記鍵孔に鍵板を挿入しない状態では前記シャッターにより前記鍵孔の開口を閉塞し、一方、鍵孔に鍵板を挿入すると、前記シャッターが前記弾性手段の付勢力に対抗して弾性手段側に移動することにより、前記鍵孔の開口の閉塞を解除することとしたことを特徴としている。
【0025】
また、このシリンダーを備えた本発明のシリンダー錠は、鍵ケースと、
該ケース内に回動自在に挿装された、先端部略中央部備えたジョイント部と軸方向に形成された鍵孔と該鍵孔に交差するように形成された複数個のタンブラー挿入孔を備えるシリンダー本体と、該シリンダー本体における前記タンブラー挿入孔に挿抜可能に挿装されたタンブラーと、を備えるシリンダーと、を具備し、
前記鍵孔に鍵板を挿入しない状態では前記タンブラーが前記ケース側に突出してシリンダー本体の回転を阻止して解錠あるいは施錠を不可能にし、一方鍵孔に鍵板を挿入したときは、鍵板による押圧を介して前記タンブラーがシリンダー本体内に退避し、これによりシリンダー本体を回転可能にすることにより前記ジョイント部を介して解錠あるいは施錠を可能にするシリンダー錠において、
鍵板を挿入する側から数えた最前列に配置されるタンブラーにおける、鍵板により押圧される箇所にシャッターを移動自在に載置するとともに、該シャッターをタンブラーとの当接部側に付勢するための弾性手段を備え、
前記鍵孔に鍵板を挿入しない状態では前記シャッターにより前記鍵孔の開口を閉塞し、一方、鍵孔に鍵板を挿入すると、前記シャッターが前記弾性手段の付勢力に対抗して弾性手段側に移動することにより、前記鍵孔の開口の閉塞を解除することとしたことを特徴としている。
【0026】
本発明では、シリンダーにシャッターを備え、鍵板を挿入していない状態においては鍵孔における鍵板の挿入口側を閉塞可能としているため、鍵孔を介してシリンダー上の内部にゴミ、ほこり、水等が侵入することを防止でき、シリンダー錠の劣化等を防止可能であるとともに、水抜き孔を大きくする必要も無くなる。
【0027】
そしてこのとき、本発明では、シャッターの装備に際して、従来からシリンダー錠に用いられているタンブラーの存在に着目し、このタンブラーを利用してシャッターを装備する構造としているため、従来から自動車のドア等に用いられていたシャッターと異なり、シリンダー本体に特別な加工を施すことが不用であり、製造コスト等を上げること無くシャッターを装備することが可能である。
【0028】
【実施例】
本発明のシリンダー錠に用いるシリンダー(以下単に「シリンダー」という。)及びそれを備えたシリンダー錠の実施例について図面を参照して説明すると、図1乃至図3は、本実施例のシリンダーを備えたシリンダー錠1の構造を軸方向に沿って示した略断面図であり、図1は鍵孔に鍵を挿入していない状態を示しており、また、図2は鍵板に正常な鍵板を挿入した状態を示し、更に、図3は鍵孔に不正な鍵板を挿入した状態を示している。
【0029】
そして、図において2は鍵ケースであり、本実施例における鍵ケース2は中空状の略円筒形状としており、その内周面には一対の係合溝201が対向して形成されている。そして、この鍵ケース2内には、シリンダー3が回動自在に挿装されている。
【0030】
ここで、前記シリンダー3について説明すると、図4は前記シリンダー3を分解した状態、及び、シリンダー3に挿入される鍵板7を示す図であり、図において4はシリンダー本体である。即ち、本実施例のシリンダー3は、略円柱形状のシリンダー本体4を備えており、このシリンダー本体4には鍵板7を挿入するための鍵孔401が軸方向に沿って形成され、更に、その先端部、具体的には鍵板7を挿入する側に対抗する側には、使用に際して鍵本体側に連結されるジョイント部402が突出されている。
【0031】
また、前記シリンダー本体4には、複数個のタンブラー挿入孔403が、前記鍵孔401に交差するような配置で、シリンダー本体4を貫通して形成されており、このタンブラー挿入孔403内にはそれぞれ、タンブラー5が挿抜可能に挿入されている。そして、このシリンダー本体4は、タンブラー挿入孔501の開口と前記鍵ケース2に形成した係合溝201とが対向するようにして、前記鍵ケース2内へ挿装されている。
【0032】
ここで、前記タンブラー5について説明すると、本実施例におけるタンブラー5は、鍵板7を挿入する側から数えて最前列に配置されるシャッター用タンブラー8と、それ以外の嵌合用タンブラー5とに分けられており、嵌合用タンブラー5は4枚、シャッター用タンブラーは1枚とし、シャッター用タンブラー8には更に、前記鍵孔401の開口を閉塞するためのシャッター9を装備している。
【0033】
そして、これらのタンブラー5、8はいずれも板状としており、一方の側辺には段差部503が形成され、他方の側辺には凸部504が形成されており、更にその上端部及び下端部には、ケース2に形成した係合溝201に係合される係合部505が形成されている。一方、前記タンブラー挿入孔403内には、係止部404が形成されるとともにこの係止部404に対抗する側には案内溝405が形成されており、前記タンブラー5は、前記段差部503と前記係止部404との間に装着されたスプリング6によってシリンダー本体4の外周から突出する方向に付勢されるとともに、その移動は前記案内溝405に凸部504が案内される範囲に規制されており、前記鍵孔401に鍵板7を挿入していない状態では、タンブラー5の上端部の係合部505がシリンダー本体4の外周から突出している。この関係を説明した図が図5である。
【0034】
次に、嵌合用タンブラー5には、前記窓部501の内周側に突出部502が形成されており、本実施例においては、この突出部502の形成位置を、少なくともすべてのタンブラー5に形成した突出部502の位置が一致することが無いようにしているとともに、それぞれの突出部502の高さを異なったものとしている。
【0035】
そして、窓部501及び突出部502は、鍵板7を鍵孔401内に挿入しない状態では突出部502が鍵孔401側の中心部近傍に突出しており、一方、鍵板7を鍵孔401内に挿入した際には、突出部502が鍵板7に押圧されながら鍵孔401内から退避するとともに、一旦、タンブラー5の下端部がシリンダー本体の外周側に突出して、その後、前記突出部502の位置に対応するとともに各突出部502が嵌合可能な深さに形成された鍵板7の凹部701内に突出部502が嵌合すると、再びタンブラー5が凹部701の深さ分だけ挿入方向へ戻るとともにタンブラー5が完全にシリンダー本体4内に退避可能なようにしてある。
【0036】
次に、シャッター用タンブラー8について説明すると、図6はこのシャッター用タンブラー8を示した斜視図であり、図において9はシャッターである。即ち、本実施例におけるシャッター用タンブラー8では、前記窓部501内に板状のシャッター9を上下動自在に備えるとともに、このシャッター9を、スプリング10によりタンブラー8の挿入方向に付勢し、これによりシャッター9の下端を窓部501の内周に当接させている。そして、鍵孔401に鍵板7を挿入した場合に、鍵板7による押圧で、タンブラー8がその挿入方向に移動するとともに、シャッター9はタンブラー8の移動方向と反対方向に移動して、これによりシャッター9が開く構造としている。
【0037】
そして、シャッター用タンブラー8における窓部501は、鍵板7を鍵孔401内に挿入しない状態では窓部501とシャッター9の当接部近傍が鍵孔401における径方向の中心部近傍に位置し、鍵板7を鍵孔401内に挿入した際には、鍵板7の面に押圧されながら、タンブラー5が挿入方向に移動してシリンダー本体4内に退避可能であるとともにシャッター9が逆方向に移動可能なようにしてある。
【0038】
即ち、図7(A)において、鍵板7を鍵孔401に挿入していない状態では、鍵孔401の開口は、シャッター用タンブラー8におけるシャッター9との当接部近傍、及びシャッターにより閉塞されている。
【0039】
一方、鍵孔401に鍵板7を挿入していくと、図7(B)に示すように、鍵板7の押圧により、シャッター用タンブラー8はタンブラー挿入側(図における下方側)にL2だけ移動するとともに、シャッター9は窓部501内において、シャッター用タンブラー8の移動方向とは逆方向(図における上方)にL1だけ移動し、これにより鍵孔401の閉塞が解除される。
【0040】
なお、シャッター9の装着方法等は特に限定はされず、窓部501内に移動自在に装着可能であるとともに、これをスプリング10によりタンブラー挿入方向に付勢してシャッター9の下端を窓部501に当接可能であればいずれの方法を採用してもよい。
【0041】
また、図7に示すように、鍵板7の挿入側におけるシャッター9及びシャッター用タンブラー8の当接部近傍にわずかに丸みを形成しておくとよく、これにより鍵板7をスムーズに挿入させることが可能である。
【0042】
次に、本実施例のシリンダー錠の作用について説明すると、鍵孔401内に鍵板を挿入していない状態においては、前記タンブラー5、8における係合部505がシリンダー本体4の外周から突出して前記鍵ケース2の内周面に形成した係合溝201に係合してシリンダー本体4の回転ができずこれにより施錠あるいは解錠は不可能である。
【0043】
そしてそれとともに、シャッター用タンブラー8においては、シャッター9が窓部501の下端に当接しており、これにより鍵孔401の開口は閉塞されている。図1がこの状態を示しており、また図7(A)はこの状態におけるシャッター用タンブラー8の断面を示している。
【0044】
次に、正常な鍵板7を鍵孔401内に挿入すると、まず、シャッター用タンブラー8では、前述したように、鍵板7による押圧によりシャッター用タンブラー8がタンブラー挿入方向へ移動してシリンダー本体4内に退避するとともに、シャッター9がタンブラー挿入方向と逆方向に移動して、これにより鍵孔401における鍵板挿入口が開放になる。図7(B)がこの状態におけるシャッター用タンブラーの断面である。
【0045】
そしてその後、嵌合用タンブラー5もまた鍵板7による押圧でタンブラー挿入方向へ移動して、一旦、その下端部近傍に形成した係合部505がシリンダー本体4におけるタンブラー挿入方向に突出するが、鍵板7を完全に鍵孔401内に挿入して突出部502が鍵板7の凹部701に嵌合すると、再び付勢方向へ戻ってシリンダー本体4内に退避し、これによりシリンダー3と鍵ケース2との係合が解かれてシリンダーが回転可能となる。図2がこの状態を示している。
【0046】
また、嵌合用タンブラー5の突出部502と適応しない凹部701の鍵板7を鍵孔401に挿入した場合には、嵌合用タンブラー5の下端部近傍に形成した係合部505がシリンダー本体4におけるタンブラー挿入方向に突出した状態のまま付勢方向に戻らないために、シリンダー3と鍵ケース2との係合が解除されずシリンダー3を回転させることができない。図3がこの状態を示している。
【0047】
このように、本実施例のシリンダー錠では、鍵板を挿入していない状態においては鍵孔401の開口を閉塞でき、鍵孔を介してシリンダー上の内部にゴミ、ほこり、水等が侵入することを防止でき、シリンダー錠の劣化等を防止可能であるとともに、水抜き孔を大きくする必要も無くなる。
【0048】
また、タンブラーを利用してシャッターを装備可能としているために、従来から自動車のドア等に用いられていたシャッターと異なり、シリンダー本体に特別な加工を施すことが不用であり、製造コスト等を上げること無くシャッターを装備することが可能である。
【0049】
なお、前述の実施例では嵌合用タンブラーを4枚備えるとともにこれらのタンブラーをすべて同一方向からシリンダー本体4内に挿装した場合を説明したが、必ずしもこれに限られず、例えば8枚の嵌合用タンブラーを用いて、4枚を一方方向から、残り4枚を対向する方向からシリンダー本体内に挿装する形態としてもよく、かかる場合には、突出部を形成する箇所を異ならせるとともに鍵板の凹部を両面に形成する。
【0050】
また、前述の従来のシリンダー錠に用いられているタンブラーと同様な、突出部を備えないとともに窓部の下端位置を異なったものとしたタンブラーを用いてもよく、かかる場合にも、鍵板挿入側から数えて最前列に配置されるタンブラーの窓部内にシャッターを移動自在に備えればよい。
【0052】
また、本発明のシリンダー錠は、前述のシリンダーを備えたシリンダー錠であればいずれの構造のシリンダー錠としてもよく、過去において本発明者が提案した、正常キーと異なるキーを工事キーとして使用可能にするとともに、正常キーを用いて解錠した後における工事キーによる不正解錠、および異常キーを用いた不正解錠等を防止可能としたシリンダー錠(特含2001−352238号)に前述のシリンダーを用いてもよい。
【0053】
【発明の効果】
本考案のシリンダー錠に用いるシリンダー及びそれを備えたシリンダー錠は以上説明した形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0054】
本発明では、シリンダーにシャッターを備え、鍵板を挿入していない状態においては鍵孔の開口を閉塞可能としているため、鍵孔の開口を介してシリンダー上の内部にゴミ、ほこり、水等が侵入することを防止でき、シリンダー錠の劣化等を防止可能であるとともに、水抜き孔を大きくする必要も無くなる。
【0055】
また、このとき、本発明では、シャッターの装備に際して、従来からシリンダー錠に用いられているタンブラーの存在に着目し、このタンブラーを利用してシャッターを装備する構造としているため、従来から自動車のドア等に用いられていたシャッターと異なり、シリンダー本体に特別な加工を施すことが不用であり、製造コスト等を上げること無くシャッターを装備することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリンダー錠の実施例において鍵板を挿入していない状態における軸方向に沿った構造を示す一部断面図である。
【図2】本発明のシリンダー錠の実施例において正常な鍵板を挿入した状態における軸方向に沿った構造を示す一部断面図である。
【図3】本発明のシリンダー錠の実施例において正常で無い鍵板を挿入した状態における軸方向に沿った構造を示す一部断面図である。
【図4】本発明のシリンダーの実施例を説明するための分解図である。
【図5】本発明のシリンダーの実施例における嵌合用タンブラーを説明するための図である。
【図6】本発明のシリンダーの実施例におけるシャッター用タンブラーを説明するための図である。
【図7】本発明のシリンダーの実施例におけるシャッター用タンブラーの作用を説明するための図である。
【図8】従来のシリンダー錠を説明するための断面図である。
【図9】従来のシリンダー錠におけるシリンダーを説明するための分解図である。
【図10】従来のシリンダー錠におけるタンブラーを説明するための分解図である。
【図11】従来から提供されているシャッターを備えたシリンダーを説明するための図である。
【図12】従来から提供されているシャッターを備えたシリンダーを説明するための図である。
【符号の説明】
1 シリンダー錠
2 鍵ケース
201 係合溝
3 シリンダー
4 シリンダー本体
401 鍵孔
402 ジョイント
403 タンブラー挿入孔
404 係止部
405 案内溝
5 嵌合用タンブラー
501 窓部
502 突出部
503 段差部
504 凸部
505 係合部
6 スプリング
7 鍵板
701 凹部
8 シャッター用タンブラー
9 シャッター
10 スプリング

Claims (6)

  1. 先端部略中央部に備えたジョイント部(402)と、軸方向に形成された鍵孔(401)と、該鍵孔(401)に交差するように形成された複数個のタンブラー挿入孔(403)とを備えるシリンダー本体(4)と、
    該シリンダー本体(4)における前記タンブラー挿入孔(403)内に挿抜可能に挿装されるとともに弾性手段(6)により前記シリンダー本体(4)の外周側に付勢されたタンブラー(5、8)と、を備え、
    前記鍵孔(401)に鍵板を挿入しない状態では、前記タンブラー(5、8)の上端部近傍が前記シリンダー本体(4)より突出し、一方、鍵孔(401)に鍵板を挿入した状態では、鍵板の押圧により前記タンブラー(5、8)がシリンダー本体(4)内に退避可能とした、シリンダー錠に用いるシリンダー(3)において、
    鍵板を挿入する側から数えた最前列に配置されるタンブラー(8)における、鍵板により押圧される箇所にシャッター(9)を移動自在に載置するとともに、該シャッター(9)をタンブラー(8)との当接部側に付勢するための弾性手段(10)を備え、
    前記鍵孔(401)に鍵板を挿入しない状態では前記シャッター(9)により前記鍵孔(401)の開口を閉塞し、一方、鍵孔(401)に鍵板を挿入すると、前記シャッター(9)が前記弾性手段(10)の付勢力に対抗して弾性手段(10)側に移動することにより、前記鍵孔(401)の開口の閉塞を解除することとしたことを特徴とする、シリンダー錠に用いるシリンダー。
  2. 前記タンブラー(5、8)が窓部(501)を備える板状のタンブラーであるとともに、少なくともすべてのタンブラー(5、8)の前記窓部(501)の下端位置が一致することがないようにして前記窓部(501)を形成したことを特徴とする請求項1に記載のシリンダー錠に用いるシリンダー。
  3. 前記タンブラー(5、8)が窓部(501)を備える板状のタンブラーであるとともに、前記シャッター(9)を備えたタンブラー(8)以外のタンブラー(5)の前記窓部(501)には、内周任意の個所に、少なくともすべての形成箇所が一致することがないようにして突出部(502)を形成したことを特徴とする請求項1に記載のシリンダー錠に用いるシリンダー。
  4. 鍵ケース(2)と、
    該ケース(2)内に回動自在に挿装された、先端部略中央部備えたジョイント部(402)と軸方向に形成された鍵孔(401)と該鍵孔(401)に交差するように形成された複数個のタンブラー挿入孔(403)を備えるシリンダー本体(4)と、該シリンダー本体(4)における前記タンブラー挿入孔(403)に挿抜可能に挿装されたタンブラー(5、8)と、を備えるシリンダー(3)と、を具備し、
    前記鍵孔(401)に鍵板を挿入しない状態では前記タンブラー(5、8)が前記ケース(2)側に突出してシリンダー本体(4)の回転を阻止して解錠あるいは施錠を不可能にし、一方鍵孔(401)に鍵板を挿入したときは、鍵板による押圧を介して前記タンブラー(5、8)がシリンダー本体(4)内に退避し、これによりシリンダー本体(4)を回転可能にすることにより前記ジョイント部(402)を介して解錠あるいは施錠を可能にするシリンダー錠において、
    鍵板を挿入する側から数えた最前列に配置されるタンブラー(8)における、鍵板により押圧される箇所にシャッター(9)を移動自在に載置するとともに、該シャッター(9)をタンブラー(8)との当接部側に付勢するための弾性手段(10)を備え、
    前記鍵孔(401)に鍵板を挿入しない状態では前記シャッター(9)により前記鍵孔(401)の開口を閉塞し、一方、鍵孔(401)に鍵板を挿入すると、前記シャッター(9)が前記弾性手段(10)の付勢力に対抗して弾性手段(10)側に移動することにより、前記鍵孔(401)の開口の閉塞を解除することとしたことを特徴とするシリンダー錠。
  5. 前記タンブラー(5、8)が窓部(501)を備える板状のタンブラーであるとともに、少なくともすべてのタンブラー(5、8)の前記窓部(501)の下端位置が一致することがないようにして前記窓部(501)を形成したことを特徴とする請求項に記載のシリンダー錠。
  6. 前記タンブラー(5、8)が窓部(501)を備える板状のタンブラーであるとともに、前記シャッター(9)を備えたタンブラー(8)以外のタンブラー(5)の前記窓部(501)には、内周任意の個所に、すべての形成箇所が一致することがないようにして突出部(502)を形成したことを特徴とする請求項に記載のシリンダー錠。
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