JP2002201526A - 紡糸口金 - Google Patents

紡糸口金

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JP2002201526A
JP2002201526A JP2000396410A JP2000396410A JP2002201526A JP 2002201526 A JP2002201526 A JP 2002201526A JP 2000396410 A JP2000396410 A JP 2000396410A JP 2000396410 A JP2000396410 A JP 2000396410A JP 2002201526 A JP2002201526 A JP 2002201526A
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JP
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spinneret
fiber
discharge hole
circular
cross
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Yozo Shiomi
洋三 汐見
Ryuichi Kasahara
竜一 笠原
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Japan Exlan Co Ltd
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    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/06Wet spinning methods
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D4/00Spinnerette packs; Cleaning thereof
    • D01D4/02Spinnerettes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
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Abstract

(57)【要約】 【目的】湿式紡糸において、紡糸原液吐出孔形状が丸型
でありながら、任意の非円形断面の繊維を得ることので
きる紡糸口金。 【構成】湿式紡糸による非円形断面繊維製造用の紡糸口
金であって、1本の繊維を形成する為の単位原液吐出孔
として少なくとも2個以上の円形吐出孔が、目的とする
繊維断面の形状に対応した一定の配置に穿設されて成
る。 【効果】従来、非円形断面繊維を製造する場合には繊維
の形状に準じた形状の吐出孔を有する紡糸口金を使用し
ており、複雑な断面形状の繊維を得るための紡糸口金の
加工は、微細加工が困難かつ高価、また異形加工部分の
強度的な制約から紡出速度つまり繊維生産性が犠牲とな
っていた。本発明では吐出孔断面そのものは丸型にした
ので製作費を低減でき、耐圧性の向上、ひいては生産速
度の向上に寄与できる。また、孔配置のパターンによ
り、任意の繊維断面形状が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は湿式紡糸において、
非円形断面繊維製造に使用する紡糸口金に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、湿式紡糸による化学繊維製造工程
において、非円形断面形状の繊維を製造する場合は、目
的とする繊維断面形状に準じた断面形状の吐出孔を有す
る紡糸口金を使用する。例えば、偏平形状断面の繊維を
得る場合には同じく偏平形状の吐出孔を、また三角断面
の繊維を得る場合にはY型断面吐出孔を備えた紡糸口金
を製作し、使用している。
【0003】これを今すこし説明する。図1は非円形断
面の内、最も簡単な形状である偏平断面繊維製造用の紡
糸口金の吐出孔断面図であり、図2はこれにより得られ
る繊維断面図である。吐出孔から出た紡糸用原液は凝
固、延伸等の工程を経る内に、吐出孔断面図1に比べて
やや丸みを帯び、最終的には図2断面の形態の繊維とな
る。また三角断面繊維用口金の吐出孔及びこれにより得
られる繊維断面は図3及び図4の如くである。つまり、
製作する吐出孔の断面は得ようとする繊維断面形状を鋭
角化した形状に設定しているのが通例である。
【0004】しかしながら、かかる従来方法にて非円形
断面形状繊維用の紡糸口金を製作する場合、複雑な断面
形状繊維を製造するには、相応の複雑な断面形状の吐出
孔としなければならない。例えば従来方式で図6の様な
断面繊維を得るためには図5に示すような断面の吐出孔
を設定する必要がある。このような複雑な断面の吐出孔
を作成した場合、多くの場合において図中a部に示す様
な尖り部を有することとなる。この部分は紡糸原液の通
過抵抗による剪断応力が集中する部分であり、通過抵
抗、つまり原液通過量を円形断面のそれに比べて低く設
定する必要があり、繊維の生産性が低くなっているのが
現状である。また、繊維に機能を付与させる等を目的と
する固形成分を含む紡糸原液を生産に使用した場合には
このaの部分が最も磨耗しやすい部分となる。この部分
が磨耗すると所望する断面の繊維が得られなくなるた
め、生産性だけでなく、口金の寿命も偏平用等の簡易な
形状のものに対し、劣るものとなる。また偏平用といえ
ども例外でなく、円形断面吐出孔に比べれば、生産速度
及び寿命は劣っている。
【0005】又、現状の非円形断面繊維製造用の吐出孔
加工はワイヤカット等の放電加工に代表される微細加工
で行っており、断面が複雑になるほど加工費も上昇し、
口金購入価格が高くなる。一方、丸型断面用の吐出孔加
工はパンチやドリルによるものであり、非円形のものに
比べ安価に製造できる。つまり、複雑断面の紡糸口金
は、繊維生産性、運転寿命、購入価格共に丸形断面のも
のに比べて劣るわけである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上述の如
き従来方法の非円形断面繊維の製造に伴う問題点、特に
生産性を改善すべく研究を繰り返した結果本発明に至っ
たものである。すなわち本発明の目的とするところは、
非円形断面繊維を製造することのできる、安価で寿命の
長い、また生産性の高い紡糸口金を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
湿式紡糸による非円形断面繊維製造用の紡糸口金であっ
て、1本の繊維を形成する為の単位原液吐出孔として少
なくとも2個以上の円形吐出孔が、目的とする繊維断面
の形状に対応した一定の配置に穿設されて成る紡糸口金
によって達成される。さらに、該円形吐出孔の後背部に
は、1〜10単位原液吐出孔が共用する1個の原液導入
孔が設けられていること、単位原液吐出孔を成す個々の
円形吐出孔の配置が、最近接する夫々の孔中心を結ぶ線
のパターンで、直線状、V字状、三角形状、Y字状、X
字状、C字状、四角形状のいずれか又はこれらの組み合
わせであることが好ましい。
【0008】また、単位原液吐出孔内において、夫々か
ら吐出される原液が相互に接合することを目的とする2
つの円形吐出孔の孔中心間距離(接合吐出孔ピッチ)
は、α×(√PR)×(円形吐出孔径)の積(但し、α
は0.9〜1.3の範囲から選ばれる値であり、PRと
は紡糸条件の内、本紡糸口金で採用する円形吐出孔から
吐出される原液の線速度を凝固浴引取り速度で除した値
である。)で得られる値の範囲内に、単位原液吐出孔内
又は間において、夫々から吐出される原液が相互に離反
する目的にある2つの円形吐出孔の孔中心間距離(離反
吐出孔ピッチ)は、β×(√PR)×(円形吐出孔径)
の積(但し、β≧1.5)で得られる値の範囲内にした
ことは、発明の目的をより良く達成するのに有効であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。まず本
発明の紡糸口金を、三角断面繊維を目的とする例につい
て図面で説明しておく。図7は目的とする繊維の断面模
式図である。図8はかかる断面の繊維を製造する為の紡
糸口金の部分断面模式図であり、3単位の原液吐出孔が
1つの原液導入孔を共用している例を示す。図9は3単
位の原液吐出孔とそれが共用する原液導入孔を、紡糸口
金の裏面から見た拡大模式図である。
【0010】本例は、単位原液吐出孔が4個の円形吐出
孔で構成されるものを示している。まず図8において、
1は個々の円形吐出孔であり、2はそれらが夫々備えて
いるキャピラリー部、3は1の集合した単位原液吐出孔
である。4は一単位または複数の単位原液吐出孔が共用
する原液導入孔である。図9において太線は最近接する
孔の関係にある孔同士の中心間を結ぶ線分であり、lは
その長さである(後述)。本発明紡糸口金の最も大きな
特徴は、湿式紡糸による非円形断面繊維製造用でありな
がら、2個以上複数の円形吐出孔を1単位の原液吐出孔
としている点である。即ち、従来は複雑に入り込んだ断
面形状の吐出孔1個で1本の繊維に対応させていたが、
これを単純極まりない円形吐出孔の複数個で代替したよ
うなものである。円形吐出孔としたことにより、紡糸口
金製作も容易となるし、口金加工時及び紡糸時における
応力集中の問題も回避されることとなる。また、この円
形吐出孔径はφ0.015〜0.40mmの範囲で設定
することが工業的に好ましい。
【0011】本発明にいう非円形断面繊維とは、繊維の
繊維軸に垂直な面で切断したときの断面形状が、三角形
や四角形、偏平状、ダンベル状、Y字状、T字状、C字
状、星型状、勾玉状などに近似されるような、およそ円
形とは言い難い形状を指す。楕円形などについては、強
いて言えば長軸/短軸比で1.3以上のものが対象であ
る。
【0012】単位原液吐出孔とは、文字通り1本の非円
形断面繊維を形成するために必要な円形吐出孔の集まり
であり、円形吐出孔の個数としては2個以上である。こ
の個数は、複雑な繊維断面を有するものに用いる場合
や、偏平状の繊維断面とはいいながら薄いリボン状に近
い断面を有するものの場合には必然的に多くなる。個数
の上限は強いて置く必要も無いが、紡糸口金当たりの生
産性つまり穿設されている単位原液吐出孔の単位数等を
勘案すれば15個以下、好ましくは10個以下であろ
う。
【0013】単位原液吐出孔において、2個以上の円形
吐出孔を穿設する際の配置については、2個の場合には
選択の余地は無いが、一般には当該紡糸口金で製造しよ
うとする繊維の断面形状に合わせて、対応する一定の配
置とすることは言うまでもない。かかる配置を表すため
に、本発明では1個の円形吐出孔に注目したときの該円
形吐出孔の中心と、該円形吐出孔に隣接する他の円形吐
出孔(複数存在することもある)の中心を結ぶ線分を考
え、該線分の長さの最も短い組み合わせを最近接する孔
とする。単位原液吐出孔の構成メンバーとして存在する
他の全ての円形吐出孔について、順次最近接する孔に該
当するものを線で結ぶ。この線分の長さ(図9における
l)を接合孔中心間距離又は接合吐出孔ピッチと呼ぶ。
【0014】さて、穿設される円形吐出孔の配置はかか
る線の集合で描かれるパターンで表し、その内、本発明
では直線状、V字状、三角形状、Y字状、X字状、C字
状、四角形状と見做し得る配置のいずれかあるいはこれ
らの組み合わせであることが好ましい。勿論この他にも
正多角形状も有り得るが、実際上それから得られる非円
形断面繊維に特に優れた性質は期待できない。尚、この
パターンに対応する繊維断面の形状としては、紡糸原液
特性や紡糸条件にも依るが、大概先の順番に対し偏平
状、楔状、三角形状、クローバー葉状、十字及至四角形
状、C型及至勾玉状、四角形状となる。
【0015】さて上述の最近接孔同士からの吐出紡糸原
液流は、接合孔中心間距離又は接合吐出孔ピッチと称さ
れる距離だけ隔離した位置から個別に吐出されているに
も拘らず、個別の繊維糸条を与えるのではなく相互に接
合して非円形断面繊維を与えなければならない。最近接
孔同士からの原液流が接合するか離反するかは、吐出孔
ピッチのみでは決まらない。即ち、吐出孔ピッチという
ハードに備わった固定的な距離の他、同じくハードであ
る該吐出孔の孔径や吐出孔のキャピラリー部長さ、紡糸
に供する紡糸原液の粘弾性的特性や実際に採用する紡糸
条件例えば原液吐出孔に供給する紡糸原液の供給速度、
紡糸原液温度、凝固浴における凝固速度やPR(後述す
るが、ジェット延伸比の逆数に等しい)等のソフト要因
に依存するのである。
【0016】従って、接合させるためにハード面だけの
吐出孔ピッチを一義的に規定することは出来ない。しか
し無制限に吐出孔ピッチを大きくすれば接合されず(発
明が達成されない)、小さくし過ぎると意図しない接合
が起るのに加え、紡糸口金自体の製作の困難性の増大、
耐圧性の低下等が惹起することは明白である。以上の様
に、一概には決められないが、我々は紡糸口金の製作
性、紡糸原液特性や紡糸条件(ソフト)の採用可能巾等
を勘案し、接合を目的とする接合吐出孔間の接合吐出孔
ピッチとしては、α×(√PR)×(円形吐出孔径)の
積(但し、αは0.9〜1.3の範囲から選ばれる値)
で得られる値の範囲内に設定することを推奨する。
【0017】上記の式中のPRとは「吐出孔からの原液
の吐出線速度/繊維束の凝固浴引取り速度」の比として
求められるもので、ジェット延伸比の逆数に相当する。
それ故、PRとは速度即ち単位時間当たりの繊維の長さ
の縮小倍率を表しており、その根とは概念的には繊維径
の膨張倍率にあたるものであり、耐圧性などと並んで紡
糸口金設計の際の重要な要素の1つである。従って、上
記の式中「(√PR)×(円形吐出孔径)」の部分は、
概念的に凝固浴に吐出された液状糸の膨張後の径という
意味合いを持つ。結局0.9〜1.3の値であるαを更
に乗算する上記の式は、膨張後の径をαの比で修正した
値により接合吐出孔ピッチを定めることを意味する。α
は0.9〜1.3の値をとるが、1.3を超えると離反
糸条が生じたり、紡糸口金1個に穿設し得る単位原液吐
出孔の単位数が減少することを介して所謂口金当たりの
繊維生産性が低下したり、採用し得る紡糸条件の許容巾
が狭くなるなど不具合が出る。0.9未満では紡糸口金
の製作そのものの限界に近づくことの他意図しない接合
糸条が生じたり、口金強度を低下させる原因になるた
め、推奨できない。
【0018】次に、本発明紡糸口金において、吐出紡糸
原液流が接合することを回避し、逆に離反するようにし
なければならないという情況は、一単位原液吐出孔の構
成メンバーである円形吐出孔間における最近接する孔の
関係に該当しない円形吐出孔間と、隣接する2つの単位
原液吐出孔間において、一の単位に属する円形吐出孔の
中のいずれかと他の単位に属する円形吐出孔の中のいず
れかとで最近接する孔の関係に該当する円形吐出孔間に
生じる。簡単に言えば前者は一の単位原液吐出孔内にお
いて、任意の円形吐出孔について最近接する孔以外とは
離反していなければならず、後者は異なる単位原液吐出
孔間では最も近い位置に在る円形吐出孔といえども所属
する単位が異なれば離反していなければならない、とい
うことである。
【0019】このような離反しているべき円形吐出孔間
の離反吐出孔ピッチについても、前記と同様の理由で一
概には決められない。しかし離反が確保される限り該ピ
ッチを小さくすることで紡糸口金当たりの繊維生産性が
高まるのであり、このピッチは、β×(√PR)×(円
形吐出孔径)の積(但し、β≧1.5)で得られる値の
範囲内に設定することを推奨する。β値が1.5未満で
は意図しない接合が起こって製造した繊維束中に異常な
断面を有する繊維が混在する危険性が増し、かかる比率
を大きくすればする程上記のようなトラブルは無いもの
の繊維生産性が犠牲となる方向である。
【0020】紡糸口金において円形吐出孔は、その後背
部にキャピラリー部と称される或る長さを有する部分並
びにそのさらに後背部に大径からキャピラリー部径に向
かって大概円錐型に絞られた型が一般的な原液導入孔と
称される、共に紡糸原液の流路を備えるのが普通であ
る。本発明の紡糸口金においては、一本の繊維を形成す
る為の円形吐出孔夫々が個別に原液導入孔を備えても構
わないが、1単位原液吐出孔が1個の原液導入孔を備え
る、即ち1本の繊維を形成するための複数の円形吐出孔
がまとまって1個の原液導入孔を共用するのが好まし
い。さらに場合によっては10単位以下の原液吐出孔が
まとまって1個の原液導入孔を共用するようにしてもよ
い。
【0021】以上述べた様に本発明の紡糸口金では、基
本的にある距離だけ離れた位置に在る複数の円形吐出孔
からの吐出紡糸原液流が、凝固浴の中で相互に接合し吐
出孔の形状とは異なる円形以外の断面形状の繊維を与え
るのである。離れた位置の2つの吐出孔からの原液流
は、本来ならば別々の2本の糸条を形成するのが通常で
ある。本発明においてこれが接合するのは以下の理由に
よる。
【0022】即ち、凝固速度が極端に速くない限り(通
常の湿式紡糸はこの条件を充たす)、円形吐出孔から吐
出された原液流は、吐出直後に主として原液自体の粘弾
性的性質や紡糸口金から吐出される際に受けたストレス
等の結果として、その直径は大なり小なり吐出孔の径よ
り太い未凝固の液状糸を与える。この現象はバラス効果
と呼ばれるが、この結果として、最近接する孔同士から
の液状糸の表面間距離は吐出孔同士の外縁間距離よりも
短くなる、つまり接近するのである。バラス効果が大き
い場合にはこの時点で両液状糸は接合して1本の繊維の
原形となり、凝固の進行を適合させることで非円形断面
繊維を与える。
【0023】バラス効果が大きいときはもとより、それ
程大きくない場合でも、紡糸原液自体の特性や採用する
諸条件の結果として定まる凝固浴での凝固プロセスの進
行に伴い、上述液状糸は凝固浴引き取り部に向かいなが
ら徐々にその物理的性状を変え、線速度を減じる。この
線速度の減少、即ち前述した(液状糸が性状を変えた結
果としての)単位時間当たりの繊維の長さの縮小は、性
状の変化が極端でない限りほぼ液状糸の径の増大(膨
張)によって相殺される。この液状糸の径の増大のこと
を、径が膨張するという意味で「疑似バラス効果」と呼
ぶ。これにより上記と同じように、さらに液状糸の表面
間距離は接近し、遂には接合に至ることにより、非円形
断面繊維となる訳である。いずれにしても、接合吐出孔
ピッチと、液状糸の吐出孔から吐出された後の変形度合
いにより決定されるのは言うまでもない。
【0024】本願発明の紡糸口金の1単位の原液吐出孔
を構成する複数の円形吐出孔は、同一孔径のものが普通
であるが、極特別のケースでは、異なる孔径のものも採
用し得る。また、紡糸口金の材質としては特に限定は無
く、タンタル、ステンレス、白金−金合金、ガラス、セ
ラミックスやエポキシ、ポリカーボネート、その他エン
プラ樹脂等が採用できる。
【0025】尚、本願発明の紡糸口金は湿式紡糸におい
て効果を発揮する。溶融紡糸、乾式紡糸、半乾半湿式紡
糸の如く、原液または融液が固化繊維となるまでに気体
空間を経由するものにあっては、空間内において吐出孔
ピッチを遥かに超える形成途中繊維の揺動が避けられ
ず、本方式による定量的な非円形断面繊維の形成には困
難がある。
【0026】さて、本願発明の紡糸口金を用いての、湿
式紡糸による非円形断面繊維の製造方法について説明す
る。これまで説明してきたように、吐出原液流が凝固浴
内で接合するためには紡糸口金の各種の寸法、紡糸原液
自体の特性、凝固要因のバランスを図ることが重要であ
る。そこで寸法が容易に変えられない紡糸口金というハ
ードが固定された場合について、接合させる為の手段を
整理する。
【0027】まず或る条件で湿式紡糸を行ったとき、接
合が起こらない場合である。接合吐出孔ピッチが不適正
に過大である場合以外に、この接合が起こらない、つま
り各糸条が離反してしまう理由としては以下のものがあ
る。 1.凝固が急速に過ぎる場合 2.バラス効果が不十分な場合 3.凝固による疑似バラス効果が不十分な場合 4.凝固浴からの引き取り速度が過大な場合
【0028】1は口金から吐出直後に凝固(重合体の凝
集・沈殿の形成)し所謂スキンを形成してしまう場合で
あり、凝固速度を緩速化する手段を採ってみるべきであ
る。凝固液としては大概重合体の希薄な溶剤溶液が用い
られていることが多いが、その濃度を上昇させるとか、
溶剤の拡散係数を小さくする手段を採るなどが挙げられ
る。2の場合であれば、バラス効果がもっと発現する方
向に条件を選定することである。バラス効果は吐出原液
に加えられた recoverble shear strain の緩和と回復
に起因する現象とされるので、原液中の重合体濃度を高
くして絡み合い点を多くしたり絡み合い間分子量を下げ
るとか、キャピラリー部滞留時間を短くして応力緩和を
小さくするとか、高い剪断応力が掛かるような紡糸条件
で吐出する、などがある。
【0029】3の場合、一部後述の4の場合に似てお
り、引き取り速度を低下させたり、凝固の進行を緩速化
してみることが考えられ、さらには紡糸口金の設計要
素、とくに設計時の想定のPRを変更する必要も生じ
る。4の場合とは、適当な条件であれば接合し得るの
に、引取り速度が大きいために吐出された液状糸に接合
可能な状態から延伸が与えられ、その結果液状糸の直径
の減少(膨張の低下)が起こって接合のチャンスを逃し
ているケースである。このケースであれば、引取り速度
を徐々に低下させつつ形成された繊維断面を観測するこ
とで、容易に接合を果たす点を見いだすことができる。
なお一般に紡糸口金から吐出された液状糸は吐出された
ままの平行状態で引取りされることは稀であって、何ら
かの集束作用をうけて引取りされる。これは少なくとも
接合の発生を補助するものである。
【0030】一方、接合が起り過ぎる、即ち1単位内の
原液吐出孔間や極端な場合は異なる単位に属する原液吐
出孔間等、離反を予定していた吐出孔間に接合が起こる
場合である。この場合は、前述とは大概逆の方向に条件
を動かしてみることが推奨される。
【0031】以上は紡糸口金というハードを固定した場
合について述べた。紡糸原液特性、凝固要因等紡糸条件
の変更し得る範囲内では意図した接合あるいは離反が得
られない場合には、ハードに手を加えることになる。こ
れについては既に述べているので大概類推できることで
あるが、基本的に紡糸口金は前述のバラス効果を、凝固
条件は疑似バラス効果を支配するということである。即
ち、円形吐出孔の孔径の大小は剪断速度を介して、孔径
並びに吐出孔のキャピラリー部長さは剪断応力を介し
て、さらにキャピラリー部長さは緩和時間を介してバラ
ス効果の発現に影響する。凝固の速度や凝固浴からの引
取り速度は液状糸の更なる膨張に影響する。従ってこれ
らの結果顕れる両バラス効果の下で、接合し難いときは
接合吐出孔ピッチを短く、必要以上に接合が進むときは
接合吐出孔ピッチを長くすればよい。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。これら
の内容は本発明を具体的に説明するものであって、本発
明がこれにより何ら限定を受けるものではない。尚、実
施例中、PR,α、β、断面構成、偏平度、紡糸操業性
は次の計算式、観察法によって求めた値、特性である。
【0033】(1)PR 吐出孔からの原液の吐出線速度を繊維束の凝固浴引取り
速度で除した値。
【0034】(2)α α=接合吐出孔ピッチ/((√PR)×吐出孔径)で導
かれる値。
【0035】(3)β β=離反吐出孔ピッチ/((√PR)×吐出孔径)で導
かれる値。
【0036】(4)断面構成 測定:得られた繊維を繊維軸に対する垂直面にて切断し
た繊維断面を顕微鏡観察し、無作為に検出した100本
の繊維を以下の基準により各分類の構成比率を求めた。
本基準は偏平断面繊維を目的とする場合についてのもの
であるが、この分類は他の断面形状についても応用適用
できるものである。 分類:「非接合糸」 繊度が目標繊度のほぼ[単位原液
吐出孔を構成する円形吐出孔の数]分の1程度で、接合
が行われていない繊維であり、円形吐出孔の数を単位と
してカウントする。 「適接合糸」 接合し、偏平度が1.3以上で且つ繊度
が目標繊度の2倍未満である繊維。 「過接合糸」 接合し、偏平度が1.3未満で且つ繊度
が目標繊度の2倍未満である繊維。 「異常接合糸」 離反すべき複数の単位原液吐出孔間で
の接合が起こった、繊度が目標繊度の2倍以上である繊
維。
【0037】(5)偏平度 偏平断面繊維についての形状に関する一指数であり、対
象繊維100本についてのアスペクト比(=繊維断面の
外接円直径/最大内接円直径)の平均値である。尚、以
下の実施例において示される本願の紡糸口金による繊維
の偏平度は、「適接合糸」と分類された繊維についての
値である。
【0038】(6)口金圧 比較対象の各紡糸口金において、沸水中延伸後の速度を
130m/minと一定にした場合の紡糸口金圧測定値
(MPa)であり、これが低い程更なる生産性の向上も
できるという点で優れている。 判定:○ 0.5MPa以下の場合。 △ 0.5MPaを超え、1.0MPa以下の場合。 × 1.0MPaを超える場合。
【0039】(7)糸切れ 測定:凝固浴槽内の口金出口での糸条の切れ本数を口金
の全孔数で除した比率(%)。 判定:○ 0.05%以下の場合。 △ 0.05%を超え、0.15%以下の場合。 × 0.15%を超える場合。 口金圧と糸切れは紡糸操業性を評価する指標であり、い
ずれも低い方が安定な高い生産性があることを示す。
【0040】実施例1 まず、アクリロニトリル90重量%、アクリル酸メチル
エステル9.5重量%とメタアリルスルホン酸ソーダ
0.5重量%を含有する[η](30℃ DMF)=
1.5の共重合体をロダンソーダ48%の水溶液に溶解
し、共重合体濃度が11重量%となるよう紡糸原液を準
備した。紡糸口金としては繊度3dTexの偏平断面繊
維を目的とした従来法の放電加工による図1に示す矩形
状吐出孔(最狭部×最大巾部×横長さが29μm×35
μm×182μmで縦横比5.2、孔断面積0.005
8mm2 )15,500個を有するものを準備した。各
吐出孔は長さ180μmのキャピラリー部とその後背部
に原液導入孔を設けており、設計上の紡糸PRは3であ
る(従来口金Aという)。同じく最狭部×最大巾部×横
長さが20μm×24μm×264μmで縦横比11、
孔断面積0.0058mm2 の吐出孔10,500個
(その他は従来口金Aと同じ)を有するものを準備し
た。設計上の紡糸PRは同じく3である。横長さが長い
ため、孔数が稼げない(従来口金B)。さらに、紡糸口
金圧の低下を狙って、最狭部×最大巾部×横長さが50
μm×60μm×310μmで縦横比5.2、孔断面積
0.0175mm2 の矩形状吐出孔10,000個、設
計PR1のものも製作した(従来口金C)。
【0041】本発明の紡糸口金としては、繊度3dTe
xの偏平断面繊維を目的として、パンチ加工により孔径
50μmの円形吐出孔2個で成る単位原液吐出孔20,
000単位を備えるものを製作した。各吐出孔のキャピ
ラリー部長さは50μm、接合吐出孔ピッチ100μ
m、離反吐出孔ピッチ225μmであり、3単位原液吐
出孔で1個の原液導入孔を共有している(発明口金
D)。本発明口金の円形吐出孔は加工が容易なために1
単位原液吐出孔当たりの占有面積が狭くなり、同一可穿
孔面積の口金でも上記のように従来口金A,Bに較べ約
30〜100%増の20,000単位が穿設された。口
金1個当りの製作費も夫々20〜40%程度安価であ
り、繊維1本当りでは35〜55%となり、口金自体と
しての優位性が明らかである。
【0042】以上、4種類の紡糸口金について、凝固浴
として0℃に維持された10重量%ロダンソーダ水溶液
中に前記紡糸原液を吐出させ、常法に従って凝固・水洗
・沸水中延伸・熱収縮処理を施す湿式紡糸を行い、表1
に示す試料No.1〜4の偏平断面繊維を得た。尚、目標
の繊度は3dTexであり、沸水中延伸後の速度;13
0m/min、延伸後の全収縮率;30%の条件は全試
料に共通である。他の紡糸条件や、紡糸操業性、得られ
た繊維の特性等は表1に併記する。
【0043】
【表1】
【0044】従来口金Aを用いた試料No.1は操業性の
面では問題ないが、肝腎の得られた繊維の偏平度が低
く、目標の繊維が得られているとは言い難い。穿孔孔数
が減少(生産性低下)する犠牲を払い孔面積を従来口金
Aと変えずに縦横比をほぼ倍にした従来口金Bによる試
料No.2は、予想される通り口金圧が高く糸切れもあ
り、偏平度は幾分改善されるものの、孔数の減少による
生産性の低下並びに口金圧が高いことから増速紡糸の可
能性が無い事が致命的である。さらに試料No.3は、P
R値を低く紡糸することで口金圧の低下、偏平度の向上
を狙った従来口金Cによるものであるが、口金圧は低い
ものの糸切れが激しく、偏平度の評価も()を付して表
示しているように正常な繊維は高い偏平度を示すもの
の、凝固浴槽内での糸切れが災いして正常な後延伸を施
されないものが多く混ざり、コマーシャル生産に採用さ
れ得るものとは言えない。
【0045】これに対し、円形孔2個を単位原液吐出孔
とする発明口金Dを用いた試料No.4は操業性も優れ偏
平度も高く、前述した口金自体の優位性と相俟って、安
価で高生産性の紡糸口金を提供するという目的を達して
いる。尚、本発明口金は本質的に孤立した円形吐出孔の
集まりでなるので実験室的な規模の単位原液吐出孔の単
位数であれば適接合糸100%もあるが、実用規模の単
位数となると適接合糸以外も断面構成の分析に示す如く
存在する。ところがこれらの存在は異繊度混繊や異形繊
維混合などと考えられる効果を示し、単純な非円形断面
繊維からは予想外の特徴である。
【0046】実施例2 使用する紡糸口金として繊度3dTexの偏平断面繊維
用で、円形吐出孔径50μm、キャピラリー部長さ50
μm、接合吐出孔ピッチ100μm、離反吐出孔ピッチ
240μm、単位原液吐出孔20,000単位の発明口
金E(その他仕様は発明口金Dと同じ)を用い、目標繊
度3dTexとし、凝固浴引取り速度を変えてPR値を
変化させた他は実施例1と同様にして表2に示す試料N
o.5〜11の7種類の繊維を得た。紡糸操業性等の評価
結果も表2に併記する。
【0047】
【表2】
【0048】表2の記載から理解されるように、試料N
o.5及び6は疑似バラス効果が過大なことによりα値が
低くなり、異常接合糸までは発生していないが過度に接
合した「過接合糸」の比率が高く、糸偏平度が低くなっ
た。又、本発明からなる試料No.7〜10は、操業性を
大概充たしながら「適接合糸」の比率が大きくなり、α
値が大きくなるほど接合の度合いは低く、繊維偏平度は
高くなる。一方α値が1.3を超える試料No.11では
疑似バラス効果が小さく、適接合糸の偏平度は高いもの
の、非接合糸が多くなるとともに凝固浴槽内での糸切れ
が増加し、紡糸操業性が劣りコマーシャル生産には採用
できない。また、本実施例のβ値は全て1.7以上であ
るが、これであれば離反すべき関係にある単位原液吐出
孔同士の糸条接合即ち異常接合糸は認められない事実が
理解される。
【0049】実施例3 紡糸口金として円形吐出孔径75μm、キャピラリー部
長さ75μm、接合吐出孔ピッチ150μm、離反吐出
孔ピッチ350μm、単位原液吐出孔11,000単位
の発明口金Fを用い、実施例2とは大孔径の口金を用
い、目標繊度を7dTexとした以外は実施例2と同様
にして試料No.12〜18の繊維を作成した。かくして
得られた繊維の断面構成、偏平度及び紡糸操業性は表3
に示すごとき特性であった。
【0050】
【表3】
【0051】大孔径口金でも実施例2と同じように試料
No.12及び13は疑似バラス効果が過大なことにより
過度に接合し、「過接合糸」の比率が高く、糸偏平度が
低くなった。又、本発明からなる試料No.14〜17は
「適接合糸」の比率が大きくなり、α値が大きくなるほ
ど接合の度合いは低く、繊維偏平度は高くなる。一方α
値が1.3を超える試料No.18では疑似バラス効果が
小さく、非接合糸が多くなるとともに凝固浴槽内での糸
切れが増加し、コマーシャル生産には採用し得ない。ま
た、本実施例のβ値は全て1.6以上であり、単位原液
吐出孔同士の糸条接合は認められないことが理解され
る。同様に実施例2と併せ考えると、円形吐出孔径が
1.5倍に変わっても糸条の接合についての傾向は維持
されることも理解される。
【0052】実施例4 紡糸口金として、円形吐出孔径50μm、キャピラリー
部長さ50μm、接合吐出孔ピッチ100μm、離反吐
出孔ピッチ150μm及び200μm、単位原液吐出孔
10,000単位のものを用いた以外は実施例2と同様
にして試料No.19〜24の繊維を作成した。かくして
得られた繊維の断面構成他は表4に示すごとき特性であ
った。
【0053】
【表4】
【0054】表4の記載から、β値が大きくなるほど単
位原液吐出孔間の接合の割合は減少し、比較例のβ値が
1.5未満である試料No.19(α値は0.9であるも
のの),22では異常接合糸が発生してしまう。本発明
からなる試料No.20,21,24では異常接合糸の割
合はゼロになることが明らかであり、原液が相互に離反
する目的にある2つの円形吐出孔の孔中心間距離は、β
値を1.5以上にすべきことが理解できる。また、β値
は1.5であるものの、α値が0.9未満の試料No.2
3は異常接合糸は存在しないが、過接合糸が多いため
に、断面構成の面で劣る例である。
【0055】実施例5 実施例2と同じ口金を用い、PR値4で表5のように共
重合体濃度、凝固液濃度及び凝固液温度を変化させる以
外は実施例2と同様にして3dTexの繊維(試料No.
25〜27)を作成した。この結果は表5に示す如くで
あったが、同表には参考のため、実施例2の試料No.8
の結果も併記してある。
【0056】
【表5】
【0057】表5の記載から理解されるように、本発明
の試料No.8に対し、共重合体濃度を下げることでバラ
ス効果が小さくなる試料No.25では同じPR値でも非
接合糸が増加する。次に、凝固液濃度を上げることで疑
似バラス効果が小さくなる試料No.26でも、非接合糸
が増加し、偏平度の低下を来している。又、凝固液温度
を上げた試料No.27では吐出直後にスキン層が形成さ
れるために、非接合糸が増加することを示しているの
で、非接合糸比率低下のためには凝固速度の適正化も必
要であることが判る。これらの紡糸条件は断面構成比、
偏平度をコントロールする手段として任意に採用するこ
とができる。
【0058】
【発明の効果】従来の非円形断面繊維製造用の紡糸口金
は、複雑な吐出孔形状を穿っていたため、穿孔加工その
ものが難しい、高価なものとなる、加工並びに紡糸時に
応力集中する部分の存在が避けられない、またその結果
として口金の耐圧性や耐久性が乏しく、口金当たりの繊
維生産性の低いものであった。本発明の口金は、最も加
工が容易・安価なため、穿設できる単位原液吐出孔数は
従来の非円形吐出孔よりも多くなり、円形孔のために孔
にかかる応力分布も均一となるため、上に列挙した従来
の欠点のほとんどが改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来用いられてきた偏平断面繊維製造用紡糸口
金の、吐出孔断面図を示す。
【図2】図1の紡糸口金で得られる繊維の断面図であ
る。
【図3】従来用いられてきた三角断面繊維製造用紡糸口
金の、吐出孔断面図を示す。
【図4】図3の紡糸口金で得られる繊維の断面図であ
る。
【図5】従来用いられてきた図6の様な断面繊維製造用
紡糸口金の、吐出孔断面図を示す。
【図6】図5の紡糸口金で得られる繊維の断面図であ
る。
【図7】本発明を説明するための、Y字状の断面を有す
る繊維の断面模式図である。
【図8】図7の断面を有する繊維を製造するための紡糸
口金の部分断面模式図であり、3単位の原液吐出孔を示
す。
【図9】図8の3つの単位原液吐出孔を紡糸口金の裏面
から見た拡大模式図であり、4個の円形吐出孔がY字状
に配置されている。
【符号の説明】
a‥‥‥尖り部 l‥‥‥吐出孔ピッチ又は孔中心間距離 1‥‥‥円形吐出孔 2‥‥‥キャピラリー部 3‥‥‥単位原液吐出孔 4‥‥‥原液導入孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿式紡糸による非円形断面繊維製造用の紡
    糸口金であって、1本の繊維を形成する為の単位原液吐
    出孔として少なくとも2個以上の円形吐出孔が、目的と
    する繊維断面の形状に対応した一定の配置に穿設されて
    成ることを特徴とする紡糸口金。
  2. 【請求項2】円形吐出孔の後背部には、1〜10単位原
    液吐出孔が共用する1個の原液導入孔が設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の紡糸口金。
  3. 【請求項3】単位原液吐出孔を成す個々の円形吐出孔の
    配置が、最近接する夫々の孔中心を結ぶ線のパターン
    で、直線状、V字状、三角形状、Y字状、X字状、C字
    状、四角形状のいずれか又はこれらの組み合わせである
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の紡糸口金。
  4. 【請求項4】単位原液吐出孔内において、夫々から吐出
    される原液が相互に接合することを目的とする2つの円
    形吐出孔の孔中心間距離(接合吐出孔ピッチ)は、α×
    (√PR)×(円形吐出孔径)の積(但し、αは0.9
    〜1.3の範囲から選ばれる値であり、PRとは紡糸条
    件の内、本紡糸口金で採用する円形吐出孔から吐出され
    る原液の線速度を凝固浴引取り速度で除した値であ
    る。)で得られる値の範囲内に、単位原液吐出孔内又は
    間において、夫々から吐出される原液が相互に離反する
    目的にある2つの円形吐出孔の孔中心間距離(離反吐出
    孔ピッチ)は、β×(√PR)×(円形吐出孔径)の積
    (但し、β≧1.5)で得られる値の範囲内にしたこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紡糸口
    金。
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