JP2002201386A - 水性インク組成物 - Google Patents

水性インク組成物

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JP2002201386A
JP2002201386A JP2000399833A JP2000399833A JP2002201386A JP 2002201386 A JP2002201386 A JP 2002201386A JP 2000399833 A JP2000399833 A JP 2000399833A JP 2000399833 A JP2000399833 A JP 2000399833A JP 2002201386 A JP2002201386 A JP 2002201386A
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ink composition
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water
propanol
aqueous ink
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Takahiro Furuya
隆博 古谷
Nagayuki Takao
長幸 鷹尾
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害性、危険性が少なく、かつ、ヘッド目詰
まり等を引き起こさない印字安定性に優れた水性インク
組成物を提供する。 【解決手段】 水および1-プロパノールを含む水性イン
ク組成物において、1-プロパノールの含有量が水性イン
ク組成物全量に対し10%以上60%未満、水および1-プロ
パノール以外の成分の含有量が水性インク組成物全量に
対し1%以上10%未満であること水性インク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印字安定性に優れ
た、有害性・危険性の少ない水性インク組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、蛍光材料の性質を利用したセキュ
リティー、ファクトリーオートメーション、物質の管理
に使用される各種カード等様々なものの開発が盛んに行
われている。例えば蛍光材料を用いたインクでバーコー
ドを連続的に印刷し、コ―ド管理による区分けにより物
品を分配するシステム等によく用いられている。また、
商品管理等にも用いられている。
【0003】これらは、一般的に連続式インクジェット
プリンターを用い、被写体に連続的にバーコードや数字
を印刷する。インクジェット方式は、ノズルよりインク
を噴射し、被写体に付着される方式であるため、該ノズ
ルと被写体が触れることなく、曲面や凹凸のある表面に
対しても、良好な印刷が可能であり、各種情報のマーキ
ング方法として優れている。
【0004】また、この方式は、噴射したインク粒子を
文字信号に応じて電気的に帯電させ、偏向電極により、
帯電量に応じてインク滴の飛跡を偏向させて文字やバー
コードなどを形成させるため、高速連続印刷に優れ、大
量の被写体に個別の可変情報を印刷するのに、特に優れ
ている。
【0005】この方式では通常インクは常時循環してお
り、被写体が搬送されてきた時のみに偏向させられ被写
体に印字され、被写体が搬送されていない時には、偏向
せずに回収ノズルを通してインクタンクに回収される。
インクを長時間循環循環すると、溶剤が蒸発し固形分濃
度が増加し、粘度が上昇する。粘度を一定に保つため、
主成分がインク溶剤からなる補充液が自動的に補充され
るようになっている。このような方式ではインク粘度を
一定に保つため、インク溶剤を主成分とする補充液を併
用している。
【0006】このような方式を用いたセキュリティー用
途のインクには、従来から発光中心としての希土類元素
に低分子配位子を配位させた蛍光錯体を用いた不可視イ
ンクが提案されている。例えば、特開平8−253715、特
公表9−188835、特開平10−17571、特開平11−279474、
特表平11−510213などに示されている。これらは主溶媒
にメチルエチルケトンやエタノールのような引火点の低
い有機溶剤を使用しているため、有機溶剤中毒等の有害
性、さらに引火爆発等の危険性の問題を抱えている。こ
れら問題を解決するた溶媒に水を用いた水性インク、特
公昭54−22336等の提案もなされている。しかし、溶剤
に水−エタノールを用いたインクと補充液を用いた場
合、インクを長時間循環すると沸点の低いエタノールが
優先的に蒸発し、水の割合が増加し、色素等の溶解性が
不十分になり、インクが白濁したりすることがある。そ
の結果、ヘッド目詰まり等の問題を引き起こしてしまう
ことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は有害
性、危険性が少なく、かつ、ヘッド目詰まり等を引き起
こさない印字安定性に優れた水性インク組成物を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、鋭意検討した結果、水および1-プロパノール
を含む水性インク組成物において、1-プロパノールの含
有量が水性インク組成物全量に対し10%以上60%未満、
水および1-プロパノール以外の成分の含有量が水性イン
ク組成物全量に対し1%以上10%未満である水性インク
組成物を提供することにより、長時間インクを循環させ
てもヘッド目詰まり等を起こさず、優れた印字安定性を
維持できることを見出した。
【0009】本発明の水性インク組成物は水性インク組
成物全量に対し、1-プロパノールを10%以上60%未満、
水および1-プロパノール以外の成分を水性インク組成物
全量に対し、1%以上10%未満含有することを特徴とす
る。溶媒に水と1-プロパノールを用いているので有害性
も少なく、本発明の水性インク組成物を用いれば、引火
点が28℃以上であるため引火等の危険性も少ない。ま
た、溶媒に水(沸点100℃)と水の沸点に近い1-プロパ
ノール(沸点97℃)を用いているため、インク組成物を
長時間循環させても1-プロパノールの優先的な蒸発が抑
制され、水の含有率の増加が抑えられるため、白濁は起
こりにくい。水性インク組成物全量に対する1-プロパノ
ールの含有量が60%以上にすると引火点が下がり、引火
等の危険性が増す。また、10%未満では、蛍光インクと
して使用する際に添加する色素の溶解性が不十分であ
る。
【0010】また、水および1-プロパノールの成分、す
なわち、色素、樹脂および添加剤等の含有量が1%以上
10%未満にすることによりヘッド目詰まりを引き起こし
にくくすることができる。これら成分、主に固形成分の
含有量が10%以上になるとヘッド目詰まりを起こしやす
い。また、1%未満であれば、色素の含有量が減るた
め、蛍光体の発光強度が弱くなる。また樹脂量も減るた
め、被写体に対する定着性が悪くなる。
【0011】本発明のインク組成物は、これを被印刷物
としてポリスチレンフイルムなどのインクを吸収しない
非吸収性物品に印刷する場合には、シリコン系界面活性
剤あるいはフッ素系界面活性剤を少なくとも1種類以上
を添加しておくのが好ましい。水系インク組成物は表面
張力が低く、上記の非吸収性物品では、インクの濡れ性
がよいため、にじみが生じやすいが、これら界面活性剤
を含ませると、上記濡れ性が低下してにじみを抑制でき
る。特にフッ素系界面活性剤は少量で、にじみ抑制が発
揮させるので好ましい。フッ素系界面活性剤の好ましい
範囲は0.01〜2重量%である。フッ素系界面活性剤
には、旭ガラス社製SURFLON、3M社製のフロラード、
大日本インキ社製メガファック、三菱マテリアル製のエ
フトップ他、ダイキン社製等の種々のフッ素系化合物を
用いることができる。またシリコン系界面活性剤は安価
で溶解性が高く、泡立ちが少ないので好ましい。これら
界面活性剤の使用量は、多すぎるとインクの泡立ちが生
じやすくなるため、インク組成物中、0.01〜2重量
%とするのが好ましい。このようなシリコン系界面活性
剤にはビックケミー社製BYKの他、信越化学、東レシ
リコーン、チッソおよび東芝シリコーン社製の種々のシ
リコン化合物が挙げられる。
【0012】本発明の水性インク組成物は、水より1-プ
ロパノールに対する溶解性の方が高く、常温で固体の化
合物を0.5wt%以上10wt%未満含むことが好ましい。こ
れら化合物は水への溶解性が1-プロパノールへの溶解性
に比べ小さく、常温で固体であるため、1-プロパノール
が一部蒸発すると、析出し色素等を被印字面に瞬時に定
着させることができる。この現象により、インクの乾燥
時間を飛躍的に向上させることができる。また、水分子
間の相互作用を弱めることもできることが、乾燥時間を
短縮することができる要因であると考えられる。
【0013】上記化合物の添加量は0.5wt%以上10wt%
未満が好ましく、1wt%以上5wt%以下がより好ましい。
0.5wt%以下ではその効果が発揮できないため好ましく
ない。また、10wt%以上では効果が飽和しあまり意味を
持たないとともに、インクジェットプリンター用として
用いた場合、ヘッド目詰まりを起こしやすいので好まし
くない。
【0014】化合物は分子内に窒素、酸素、硫黄、燐元
素の少なくても1種以上を含むことが好ましい。例え
ば、ベメグライド、ベンザールフタリド、1,2,4-ベンゼ
ントリカルボキシリックアンヒドライド、ベンジル、ベ
ンズイミダゾール、2-ベンズイミダゾールプロピオニッ
クアシッド、2-ベンズイミダゾリルアセトニトリル、ベ
ンゾ[C]シンノリン、ベンゾ-12-クラウン-4、ベンゾ-15
-クラウン-5、ベンゾ-18-クラウン-6、1,4-ベンゾジオ
キサン-6-カルボキシアルデヒド、3H-1,2-ベンゾジチオ
ール-3-オン、2-ベンゾフランカルボキシリックアシッ
ド、ベンゾフロキサン、2,1,3-ベンゾチアジアゾール、
2H-1,4-ベンゾチアジン-3(4H)-オン、1,2,3-ベンゾトリ
アジン-4(3H)-オン、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-
(2',3'-ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-
(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール、 1-[ビス(2
-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、
N,N'-ビス(ベンゾトリアゾールメチル)ヘキサメチレ
ンジアミン、1-(1',2'-ジカルボキシエチル)ベンゾトリ
アゾール、N-ベンゾトリアゾリルメチルウレア、1H-ベ
ンゾトリアゾールカルボン酸、2,4-ジ-tert-ペンチル-6
-[(1H−ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]フェノー
ル、2,6-ビス[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]
-4-メチルフェノール、1-[N,N-ビス(ヒドロキシジエ
チル)アミノメチル]-ベンゾトリアゾール、1-ベンゾ
トリアゾリル-9-フルオレニルメチルカルボネート、N-
(1H-ベンゾトリアゾール-1-イルメチル)ホルムアミド、
2H-1,4-ベンゾオキサジン-3(4H)-オン、ベンゾオキサゾ
ール、2-ベンゾオキサゾリノン、2-ベンゾイルチオフェ
ン、2-ベンジルアミノ-4-メチルピリジン、4-ベンジル
アミノ-7-ニトロ-2,1,3-ベンゾオキサジアゾール、6-ベ
ンジルアミノプリン、2-ベンジルアミノピリジン、(-)-
2,3-O-ベンジリデン-L-スレイトール、1-ベンンジルイ
ミダゾール、N-ベンジルマレイミド、(S)-(-)-4-ベンジ
ル-l-2-オキサゾリジノン、N-(ベンジルオキシカルボニ
ルオキシ)サクシニイミド、4-ベンジルオキシ-2-(1H)-
ピリドン、4-ベンジルオキシ-3-ピロリン-2-オン、5-ベ
ンジル-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-3-カルボキシアルデ
ヒド、N-ベンジルフタルイミド、3,4-ビス(アセトキシ
メチル)フラン、ビス[(ベンゾ-15-クラウン-5)-15-イル
メチル]ピメレイト 、1,4-ビス(5-フェニルオキサゾー
ル-2-イル)ベンゼン、1,2-ビス(4-ピリジル)エタン、1,
2-ビス(2-ピリジル)エチレン、1,3-ビス(3-ピリジルメ
チル)-2-チオウレア、2,3-ビス(2-ピリジル)ピラジン、
N-(2-ブロモベンジルオキシカルボニルオキシ)サクシニ
イミド、ブタジエンスルホン、3-カルボキシ-1,4-ジメ
チル-2-ピロールアセティックアシッド、2-コウマラノ
ン、コウマリン、コウマリン-3-カルボキシリックアシ
ッド、18-クラウン-6、ジヒドロアスコービックアシッ
ド、3,4-ジヒドロ-DL-プロリン、3,5-ジアセチル-1,4-
ジヒドロ-2,6-ジメチルピリジン、3,5-ジアセチル-2,6-
ジメチルピリジン、1,3-ジアセチル-2-イミダゾリジノ
ン、2,6-ジアセチルピリジン、(+)-ジアセチル-L-タル
タリックアンヒドライド、3,5-ジアセチルテトラヒドロ
ピラン-2,4,6-トリオン、ジベンゾ-18-クラウン-6、ジ
ベンゾ-24-クラウン-8 、ジベンゾ-30-クラウン-10、ジ
ベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェ
ンスルホン、5,8-ジフルオロ-1,4-ベンゾジオキサン、
ジグリコリックアンヒドライド、ジヒドロ-4,4-ジメチ
ル-2,3-フランジオン、5,6-ジヒドロ-5-メチル-4H-1,3,
5-ジチアジン、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾー
ル、4,4'-ジメチル-2,2'-ジピリジル、ジメチル-3,4-フ
ランジカルボキシレート、2,3-ジメチルマレイックアン
ヒドライド、エチレンジアミンテトラアセティックジア
ンヒドライド、フルフリルサルファイド、フリルホモフ
タリックアンヒドライド、4-ヒドロキシ-1,3-ベンゾジ
オキソール-2-オン、2-ヒドロキシベンゾチアゾール、6
-ヒドロキシ-1,3-ベンゾオキサチオール-2-オン、N-(2-
ヒドロキシエチル)フタルイミド、N-ヒドロキシサクシ
ニイミジルアセトアセテート 、N-メチルサクシニイミ
ド、N-フェニルマレイミド、フタラジン、1(2H)-フタラ
ジオン、フタリド、ピペロナール、ピペロニルアルコー
ル、ポペロニリックアシッド、1-ピペロニルピペラジ
ン、セサモル、2-チオフェンアセティックアシッド、3-
チオフェンマレイックアシッド等が挙げられる。これら
の中で、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-(2',3'-ジヒド
ロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-(ヒドロキシ
メチル)ベンゾトリアゾール、 1-[ビス(2-エチルヘキ
シル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、N,N'-ビス
(ベンゾトリアゾールメチル)ヘキサメチレンジアミ
ン、1-(1',2'-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾー
ル、N-ベンゾトリアゾリルメチルウレア、1H-ベンゾト
リアゾールカルボン酸、2,4-ジ-tert-ペンチル-6-[(1H
−ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]フェノール、2,6
-ビス[(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]-4-メチ
ルフェノール、1-[N,N-ビス(ヒドロキシジエチル)ア
ミノメチル]-ベンゾトリアゾール、2-メルカプトベン
ゾオキサゾール、2-ベンゾオキサゾリノン、フタルイミ
ド等が好ましい。特にベンゾトリアゾール系化合物は防
錆作用および紫外線防止作用があるため、プリンター等
使用機器の錆防止またはインクおよび印字物耐候性向上
も図れるため好ましい。
【0015】また、本発明の水性インク組成物は、蛍光
色素を含むことが好ましい。蛍光色素としては希土類元
素と配位子からなる色素が好ましい。蛍光色素の発光中
心である希土類元素は、ユーロピウム、ジスプロシウ
ム、テリビウム、ネオジウム、プセオジウム、サマリウ
ム、サドリウム、ホルミウム、エルビウムまたはツリウ
ムの少なくとも一種からなることが好ましい。これらの
元素は、本発明のインクにおいて、蛍光錯体を安定に形
成する事ができ、また十分な発光強度を得る事ができ
る。また、セキュリティーやFA、各種カード、バーコ
ードシステム等への本発明のインクの応用を考えた場
合、上記希土類の中でユーロピウムが最も好ましい。ユ
ウロピウムを発光中心とした場合、発光は615±20
nmの赤色である。よって、印刷されたマ―クは紫外線
による励起によって上記長波長側の可視光を発光するた
め、下地の色に影響されることが少なく、シリコンフオ
トダイオ―ドなどにより高感度で検出できる。青色また
は緑色の発光の色素を用いた場合は検出性に劣りやすい
場合がある。蛍光増白剤を含浸させた白紙上に、青色に
発光するマ―クを形成すると、下地も発光するため、発
光の光量差が実質的に小さくなり、検出できない場合が
ある。また、発光する可視光の検出に際し、光電変換素
子として一般的に安価で入手が容易であるシリコンフオ
トダイオ―ドを用いると、可視光の受光感度が長波長側
より短波長側で低くなり、青色または緑色の比較的短波
長の可視光は、600nm付近の長波長側の可視光に比
べて、半分以下の感度となり、十分な検出感度が得られ
にくいことがある。
【0016】蛍光色素の配位子としては、テノイルトリ
フルオロアセトン、ナフトイルトリフルオロアセトン、
ベンゾイルトリフルオロアセトン、メチルベンゾイルト
リフルオロアセトン、フロイルトリフルオロアセトン、
ピバロイルトリフルオロアセトン、ヘキサフルオロアセ
チルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、フルオ
ロアセチルアセトン、ヘプタフルオロブタノイルピバロ
イルメタン、8-ヒドロキノリン、8-メルカプトキノリ
ン、リン酸トリ-n-ブチル、トリ-n-ブチルホスフィンオ
キシド、トリ-n-オクチルホスフィンオキシド、ジ-n-ブ
チルスルホオキシド、ピリジン、α-ピコリン、β-ピコ
リン、γ-ピコリン、ピペリジン、キノリンなどがあ
る。これらの中で、特にテノイルトリフルオロアセト
ン、ナフトイルトリフルオロアセトンが好ましい。
【0017】蛍光色素は、通常の当業者に既知の適切な
方法により作製できる。例えば、アセチルアセトンのよ
うな配位子を塩化ユーロピウムのような希土類金属ハロ
ゲン化物と適切な条件下で反応させることにより容易に
得ることができる。蛍光色素の含有量は0.1wt%以上10w
t%未満が好ましく、さらに好ましい範囲は0.5wt%以上
5wt%未満である。0.1wt%以上にすれば発光強度が低
下させずにでき、また10wt%未満にすれば濃度消光を防
ぎ、再度発光強度が低下することを防ぐことができる。
【0018】また、本発明のインク中に樹脂を含んでい
ても構わない。例えば、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ア
ミノ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フェノー
ル樹脂、セルロース系樹脂あるいはこれらの共重合体等
公知一般的な樹脂が使用できるが、中でも、蛍光発光の
強度を高めたり、定着性を向上させることから、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリウレタ
ン、ポリアクリル酸、ポリエーテル、ポリウレタンおよ
びそれらの共重合体が好ましい。樹脂の含有量は、1wt
%以上10wt%未満、好ましくは2wt%以上5wt%未満であ
る。1wt%より少ないと、定着性に満足できなくなり、1
0wt%を越えると粘度が高くなり印字ができなくなる。
【0019】また、上記インクは、通常インクに含まれ
る電荷付与剤、pH調整剤、界面活性剤、蛍光増感剤、
消泡剤、防腐剤、酸化防止剤等、種々の添加剤を含んで
もかまわない。
【0020】電荷調整剤としては、例えばLiNO3等
のリチウム塩、KCN、KSCN等のカリウム塩、テト
ラフェニルホスフォニウムブロマイド等のカチオン化合
物などが挙げられる。
【0021】pH調整剤としては、ジエタノ―ルアミ
ン、トリエタノ―ルアミン、トリエチレンテトラミンな
どのアミン化合物のほか、アミド化合物、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物あ
るいは炭酸塩等が挙げられる。蛍光増感剤としては、ホ
スフインオキサイド化合物、ホスフインサルフアイド化
合物およびホスフイン化合物等のリン系有機化合物、ベ
ンゾトリアゾール等の窒素系有機化合物などが挙げられ
る。
【0022】上記インクの製造には、ボールミル、遠心
ミル、遊星ボールミル等の容器駆動媒体ミルあるいはサ
ンドミル等の高速回転ミルあるいは攪拌槽型ミル等の媒
体攪拌ミル等あるいは、ディスパー等の簡単な分散機を
用いても製造できる。本発明の水性インク組成物の引火
点は28℃以上が好ましい。より好ましい範囲は30℃以
上である。
【0023】本発明の水性インク組成物は、長時間イン
クを循環させて使用するときに水性補充液を適宜併用す
ることが好ましい。この場合の水性補充液の成分は、1-
プロパノールの含有量が水性インク組成物全量に対し10
%以上60%未満、水および1-プロパノール以外の成分の
含有量が水性インク組成物全量に対し1%以上10%未満
である。上記成分の水性補充液を水性インク組成物と併
用することにより、長時間インクを循環させてもヘッド
目詰まり等を起こさず、より優れた印字安定性を維持で
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、さらに
具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは
重量部を意味するものとする。 (実施例1) テノイルトリフロロアセトン 10.6部 1-プロパノール 343.2部 酢酸ユーロピウム6水和物 3.0部 イオン交換水 281.2部 上記成分をマグネチックスターラーで攪拌しながら水酸
化ナトリウム1.8部を加えpH6〜7に調整した。そ
の後、 樹脂:ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:3000) 22.3部 を追加して、60℃で3時間攪拌後、ろ過し、蛍光体液A
を得た。さらに、得られた蛍光体液Aに シリコン系界面活性剤:BYK-348(ビックケミー社製) 1.1部 防腐剤:Proxel LV(アビシア社製) 1.1部 1,2,3-ベンゾトリアゾール 23.1部 を追加し、25℃で1時間攪拌後、ろ過し、水性インク組
成物Aを得た。 (実施例2)実施例1の1-プロパノール343.2部を
249.8部、イオン交換水281.2部を374.6
部に変更して実施例1と同様に、水性インク組成物Bを
得た。 (実施例3)実施例1のシリコン系界面活性剤:BYK-34
8(ビックケミー社製)1.1部をフッ素系界面活性
剤:SURFLON S-141(旭ガラス社製)1.1部に変更し
て実施例1と同様に、水性インク組成物Cを得た。 (実施例4)実施例1のシリコン系界面活性剤:BYK-34
8(ビックケミー社製)1.1部をフッ素系界面活性
剤:フロラード FC-430(3M社製)1.1部に変更し
て実施例1と同様に、水性インク組成物Dを得た。 (実施例5)実施例1のシリコン系界面活性剤:BYK-34
8(ビックケミー社製)1.1部をフッ素系界面活性
剤:メガファックF-172D(大日本インキ社製)1.1部
に変更して実施例1と同様に、水性インク組成物Eを得
た。 (実施例6) 1-プロパノール 599部 蒸留水 401部 を混合し、室温で攪拌し水性補充液Aを得た。 (実施例7) テノイルトリフロロアセトン 10.6 部 1-プロパノール 343.2部 酢酸ユーロピウム6水和物 3.0部 イオン交換水 281.2部 上記成分をマグネチックスターラーで攪拌しながら水酸
化ナトリウム1.8部を加えpH6〜7に調整した。そ
の後、 樹脂:ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:3000) 22.3部 を追加して、60℃で3時間攪拌後、ろ過し、蛍光体液F
を得た。さらに、得られた蛍光体液Fに 防腐剤:Proxel LV(アビシア社製) 1.1部 1,2,3-ベンゾトリアゾール 23.1部 を追加し、25℃で1時間攪拌後、ろ過し、水性インク組
成物Fを得た。 (実施例8) テノイルトリフロロアセトン 10.6 部 1-プロパノール 343.2部 酢酸ユーロピウム6水和物 3.0部 イオン交換水 281.2部 上記成分をマグネチックスターラーで攪拌しながら水酸
化ナトリウム1.8部を加えpH6〜7に調整した。そ
の後、 樹脂:ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:3000) 22.3部 を追加して、60℃で3時間攪拌後、ろ過し、蛍光体液G
を得た。さらに、得られた蛍光体液Gに シリコン系界面活性剤:BYK-348(ビックケミー社製) 1.1部 防腐剤Proxel LV(アビシア社製) 1.1部 1,2,3-ベンゾトリアゾール 1.3部 を追加し、25℃で1時間攪拌後、ろ過し、水性インク組
成物Gを得た。 (比較例1) テノイルトリフロロアセトン 10.6 部 エタノール 343.2部 酢酸ユーロピウム6水和物 3.0部 イオン交換水 281.2部 上記成分をマグネチックスターラーで攪拌しながら水酸
化ナトリウム1.8部を加えpH6〜7に調整した。そ
の後、 樹脂:ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:3000) 22.3部 を追加して、60℃で3時間攪拌後、ろ過し、蛍光体液H
を得た。さらに、得られた蛍光体液Hに シリコン系界面活性剤:BYK-348(ビックケミー社製) 1.1部 防腐剤:Proxel LV(アビシア社製) 1.1部 1,2,3-ベンゾトリアゾール 23.1部 を追加し、25℃で1時間攪拌後、ろ過し、水性インク組
成物Hを得た。 (比較例2) エタノール 599部 蒸留水 401部 を混合し、室温で攪拌し水性補充液Bを得た。 (インク組成物引火点測定方法)引火点は消防法危険物
確認試験実施マニュアルのタグ密閉式に従い測定した。 (印字安定性評価方法)水性インク組成物A〜G(水性
補充液はAを使用)および水性インク組成物H(水性補
充液はBを使用)をマルコーニデータシステムズ製連続
式インクジェットプリンターEXCEL170i-J(ヘッドノズ
ルプレート径70μm)で、温度25℃室温40〜50%下、ポ
リスチレンフィルムに連続的に1時間印字を行い、きれ
いに印字できるものを○、汚いもの(印字物がかける
等)を×とした。 (印字物にじみ性評価方法)水性インク組成物A〜G
(水性補充液はAを使用)および水性インク組成物H
(水性補充液はBを使用)をマルコーニデータシステム
ズ製連続式インクジェットプリンターEXCEL170i-J(ヘ
ッドノズルプレート系70μm)で、温度25℃室温40〜50
%下、ポリスチレンフィルムに印字を行い、印字物ドッ
ト径を測定し、にじみ性を評価した。 (印字物乾燥性評価方法)水性インク組成物A〜G(水
性補充液はAを使用)および水性インク組成物H(水性
補充液はBを使用)をマルコーニデータシステムズ製連
続式インクジェットプリンターEXCEL170i-J(ヘッドノ
ズルプレート系70μm)で、温度25℃室温40〜50%下、
ポリスチレンフィルムに印字を行い、所定時間後刷毛で
印字物をこすり、印字物がこすれなくなるまでの時間を
測定した。 (インク循環性評価方法)水性インク組成物A〜G(水
性補充液はAを使用)および水性インク組成物H(水性
補充液はBを使用)をマルコーニデータシステムズ製連
続式インクジェットプリンターEXCEL170i-J(ヘッドノ
ズルプレート系70μm)で、温度25℃室温40〜50%下、
印字を行わずに24時間インクを循環し、インクが白濁等
を起こさないものを○、起こすものを×とした。
【0025】上記評価により、評価した結果を表1に記
す。
【0026】
【表1】
【0027】以上の結果から、本発明の水性インク組成
物A〜Eは引火点が31℃および33℃と高く危険性が
少ないことがわかった。水性インク組成物A〜Eと水性
補充液Aとを用いた印字試験においては、優れた印字安
定性を示し、にじみも少なく(印字物ドット径が小さ
く)、乾燥性も良好であった。また、24時間インクを
循環しても白濁は起こらなかった。一方、水性インク組
成物Fはにじみがひどくかった。水性インク組成物Gは
乾燥性が良くなかった。従来の水性インク組成物Hは引
火点が24℃と低く、また、24時間循環すると白濁が
発生した。
【0028】
【発明の効果】本発明の水性インク組成物A〜Eは引火
点が28℃以上と高く、安全性に優れている。また、水
性補充液Aを併用した場合、従来の水性インク組成物に
比べ、印字安定性、印字物にじみ性、印字物乾燥性、イ
ンク循環性の全てにおいて優れていることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC02 2H086 BA53 BA56 BA59 BA62 4J039 AE11 BA01 BA12 BC05 BC07 BC16 BE02 BE22 CA06 EA28 EA44 EA46 GA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水および1-プロパノールを含む水性イン
    ク組成物において、1-プロパノールの含有量が水性イン
    ク組成物全量に対し10%以上60%未満、水および1-プロ
    パノール以外の成分の含有量が水性インク組成物全量に
    対し1%以上10%未満であることを特徴とする水性イン
    ク組成物。
  2. 【請求項2】 シリコン系界面活性剤あるいはフッ素系
    界面活性剤のどちらか少なくとも1種以上を含むことを
    特徴とする請求項1記載の水性インク組成物。
  3. 【請求項3】 水より1-プロパノールに対する溶解性の
    方が高く、さらに常温で固体の化合物を0.5wt%以上10w
    t%未満、添加されていることを特徴とする請求項1記
    載の水性インク組成物。
  4. 【請求項4】 蛍光色素を含むことを特徴とする請求項
    1記載の水性インク組成物。
  5. 【請求項5】 蛍光色素がβジケトン化合物と希土類元
    素からなることを特徴とする請求項4記載の水性インク
    組成物。
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JP2006249075A (ja) * 2005-02-09 2006-09-21 Osaka Univ 発光性希土類多核錯体
JP4702887B2 (ja) * 2005-02-09 2011-06-15 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 発光性希土類九核錯体

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