JP2002201244A - アクリル系ブロック共重合体、制振材用組成物及びアクリル系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

アクリル系ブロック共重合体、制振材用組成物及びアクリル系ブロック共重合体の製造方法

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JP2002201244A
JP2002201244A JP2000402624A JP2000402624A JP2002201244A JP 2002201244 A JP2002201244 A JP 2002201244A JP 2000402624 A JP2000402624 A JP 2000402624A JP 2000402624 A JP2000402624 A JP 2000402624A JP 2002201244 A JP2002201244 A JP 2002201244A
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Hiroshi Yamazaki
博 山▲崎▼
雅年 ▲吉▼田
Masatoshi Yoshida
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幅広い温度範囲に渡って常に一定以上の制振
性能を示し、各種の分野で幅広く適用させることができ
るアクリル系ブロック共重合体、該アクリル系ブロック
共重合体を含む制振材用組成物、及び、該アクリル系ブ
ロック共重合体を容易かつ効率よく生産できる製造方法
を提供する。 【解決手段】 異なる組成の2組以上の単量体成分を3
価以上の多価メルカプタン類の存在下で重合反応に付し
てなるアクリル系ブロック共重合体であって、損失正接
(tanδ)が−50〜150℃の間で、温度幅90℃
以上に渡って0.3以上であり、該アクリル系ブロック
共重合体を構成する繰り返し単位は、全繰り返し単位を
100重量%とすると、(メタ)アクリル系単量体によ
り形成される繰り返し単位が55重量%以上であるアク
リル系ブロック共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系ブロッ
ク共重合体、該アクリル系ブロック共重合体を含む制振
材用組成物及びアクリル系ブロック共重合体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】制振材用組成物は、振動の伝達により機
器類や建築物等に破壊や損傷等の不具合が生じることを
避けるために用いられる制振材料を形成する組成物であ
り、例えば、ゴムやアスファルト系のシートを形成する
組成物や塗料として用いられている他、サンドイッチ鋼
板を形成するための樹脂組成物等としても適用されてい
る。このような制振材用組成物から形成される制振材料
は、通常では高分子材料を必須として構成され、高分子
材料の粘弾性特性による内部摩擦を利用して外部からの
振動エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換して振動
を減衰させることにより、制振性能を発揮することがで
きる。
【0003】ところで、このような制振材用組成物で
は、高分子材料のガラス転移点(Tg)領域において最
も高いエネルギー吸収効果を示すため、これにより制振
材料の粘弾性特性を発揮する温度範囲が決まってしま
い、Tg領域以外の広い温度範囲に渡って高い制振性能
を発揮することは難しいという問題があった。制振性能
を発揮することができる温度範囲が広いと、様々な環境
条件下で高い制振性能を発揮することができることか
ら、例えば、自動車や建築物、船舶、電気・電子機器等
の各種の分野で幅広く適用させることが可能となる。
【0004】特開平5−272588号公報には、Tg
が−10〜40℃の間の2種類の高分子を複合化し、充
填材を添加した制振材が開示され、特開平9−1111
32号公報には、Tgが−10〜50℃の間の異なるコ
ア(芯部)を有する2種類の芯−殻型複合体微粒子と、
特定のTgを有する重合体微粒子を含んでなる水性樹脂
分散液が開示されている。しかしながら、これらの技術
では、実用的な温度において制振性能を示す温度範囲が
狭いうえに耐熱性が充分ではなく、また、高分子の複合
化の製造工程が煩雑で不経済であるという問題があっ
た。
【0005】特表平7−505431号公報には、フォ
トイニファター重合体を用いた紫外線硬化性アクリレー
ト感圧接着剤組成物に関し、フォトイニファター重合体
が単独重合体又はランダム共重合体の場合に優れた制振
性能を示すことが開示されている。しかしながら、製造
工程が複雑であり、また、得られるフォトイニファター
重合体が高価となるという問題があった。更に、フォト
イニファター重合体の機械的物性を向上させることによ
り各種の分野で幅広く適用させるための工夫の余地があ
った。
【0006】特開平6−287253号公報には、Tg
が50℃以上であるスチレン系又は(メタ)アクリル系
ブロックと、Tgが30℃以下である(メタ)アクリル
系ブロックとから形成される(メタ)アクリル系ブロッ
ク共重合体が開示されている。しかしながら、各ブロッ
クのTgが離れている場合にはその中間温度領域での制
振性能が劣り、各ブロックのTgが近い場合には低温側
か高温側の制振性能が劣ることになり、広い温度範囲に
渡って高い制振性能を発揮させるための工夫の余地があ
った。更に、ここで開示されている重合体はジブロック
構造であり、トリブロック構造、星型ブロック構造及び
マルチブロック構造を有するブロック重合体に比較する
と、機械的物性に劣るものであった。
【0007】特開平5−125252号公報には、ビニ
ル芳香族化合物重合体ブロックと、共役ジエンの(共)
重合体ブロックと、ビニル芳香族化合物と共役ジエンの
うちビニル芳香族化合物が漸増するテーパーブロックを
有するトリブロック共重合体等やその水素添加物に、軟
化剤、粘着剤及び充填剤を配合した制振・遮音材用組成
物に関し、−50〜80℃の温度範囲において高い制振
性能を示すことが開示されている。しかしながら、トリ
ブロック共重合体が二重結合を有する構造であり、その
水素添加物でも残存二重結合を有するため、耐熱性、耐
候性が充分ではなく、これらの基本性能を充分に向上さ
せることにより各種の分野で幅広く適用させるための工
夫の余地があった。
【0008】特開平4−312238号公報には、低T
g成分を先に重合し、次いで高Tg成分を2段階滴下す
ることにより得られるグラフト重合体に関し、ジエン系
ゴムの存在下でアクリル系乳化重合を行うことにより、
得られるグラフト重合体の低温での耐衝撃性が向上する
ことが開示されている。しかしながら、このグラフト重
合体では、ランダム共重合体であるため制振性能や機械
的強度が充分ではなく、また、乳化重合を行う場合には
製造工程が煩雑で不経済であるという問題があった。
【0009】特開平8−188631号公報には、多価
メルカプタンを使用し、共重合体部分の組成が連続的に
変化している熱可塑性付加重合体に関し、ブロック重合
体でありながら相分離を起こさずに機械的強度等の機能
性を高めることができることが開示されている。しかし
ながら、この熱可塑性付加重合体では、共重合体部分が
ハード成分及びソフト成分により構成されてはいるが、
開示されているハード成分が30%の重合体では、ハー
ド成分が不足しているために重合体の凝集力が不足して
おり、制振性能及び機械的物性に改良の余地があった。
更に、ハード成分が50%の重合体も開示されてはいる
が、この重合体では、重合で用いたソフト成分のTgが
−19℃と高めであるために、重合体のTg範囲が0〜
85℃となり、優れた制振性能を示す温度範囲、すなわ
ちtanδが0.3以上を示す温度範囲が、5〜90℃
と比較的高温の環境下のみであった。そのためより低温
環境下でも優れた制振性能を示す重合体を得るために
は、更に工夫が必要とされた。更に、この重合体ではハ
ード成分の50%がスチレンで構成されているが、スチ
レンを重合で用いると連鎖移動が激しいためにブロック
ポリマーの生成効率が悪く、制振性能及び機械的物性が
向上しにくいという欠点もあった。以上のごとく特開平
8−188631号公報に開示された技術では、広い温
度範囲に渡って高い制振性能を発揮させるための工夫の
余地があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、幅広い温度範囲に渡って常に一定以上の制振性能を
示し、各種の分野で幅広く適用させることができるアク
リル系ブロック共重合体、該アクリル系ブロック共重合
体を含む制振材用組成物、及び、該アクリル系ブロック
共重合体を容易かつ効率よく生産できる製造方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、異なる組成の
2組以上の単量体成分を3価以上の多価メルカプタン類
の存在下で重合反応に付してなるアクリル系ブロック共
重合体であって、損失正接(tanδ)が−50〜15
0℃の間で、温度幅90℃以上に渡って0.3以上であ
り、上記アクリル系ブロック共重合体を構成する繰り返
し単位は、全繰り返し単位を100重量%とすると、
(メタ)アクリル系単量体により形成される繰り返し単
位が55重量%以上であるアクリル系ブロック共重合体
である。
【0012】本発明者等は、制振性能を示す高分子材料
についての種々検討するうち、動的粘弾性測定における
損失正接(tanδ)が高分子材料の制振性能の指針と
なることにまず着目し、また、制振性能を示す高分子材
料としてアクリル系ブロック共重合体が好適であること
にも着目し、tanδにより示される特性を特定し、か
つ、アクリル系ブロック共重合体の繰り返し単位の構成
を特定することにより、各種の分野で幅広く適用させる
ことができる制振材用組成物とすることができることを
見いだし、上記課題をみごとに解決することができるこ
とに想到した。また、アクリル系ブロック共重合体のブ
ロック鎖のガラス転移点(Tg)を連続的に又は段階的
に変化させると、tanδにより示される特性を所望ど
おりとすることができることも見いだし、本発明に到達
したものである。以下に、本発明を詳述する。
【0013】本発明のアクリル系ブロック共重合体は、
異なる組成の2組以上の単量体成分を3価以上の多価メ
ルカプタン類の存在下で重合反応に付してなるアクリル
系ブロック共重合体であって、損失正接(tanδ)が
−50〜150℃の間で、温度幅90℃以上に渡って
0.3以上である。アクリル系ブロック共重合体とは、
(メタ)アクリル系単量体を必須とする単量体成分によ
り形成されるブロック共重合体を意味する。
【0014】本明細書中において、2組以上の単量体成
分における1組とは、1種又は2種以上の単量体により
構成される1つの単量体成分という意味である。また、
異なる組成の2組以上の単量体成分とは、少なくとも2
組の異なる単量体成分を用いることを意味し、例えば、
単量体成分を3組以上用いる場合には、1つの組と他の
1つの組とが同じ単量体成分である組み合わせがあって
もよく、そのような組み合わせがなくてもよい。
【0015】本発明では、高分子材料の制振性能を示す
指標として損失正接(tanδ)を用いる。損失正接
(tanδ)とは、動的粘弾性測定により得られ、損失
弾性率を貯蔵弾性率で除することにより得られる値であ
る。tanδの値は、弾性率を損失させた割合が大きい
ほど大きくなる。弾性率を損失させることは、すなわち
制振することであるから、tanδの値が大きいほど制
振性能が優れていることになる。なお、動的粘弾性の測
定方法としては、具体的には、レオメトリックスファー
イースト社製の動的粘弾性測定器「RDAII」(商品
名)を用い、周波数10Hz、ひずみ0.2%、昇温速
度3℃/分で測定する方法等が好適に適用される。
【0016】上記損失正接(tanδ)が−50〜15
0℃の間で、温度幅90℃以上に渡って0.3以上であ
るとは、例えば、横軸に温度を、縦軸にその温度におけ
るtanδをプロットしたtanδ曲線において、下記
(1)及び(2)に記載する2通りの場合を意味する。 (1)tanδが0.3以上である温度幅が連続して9
0℃以上に渡る場合。 (2)tanδが0.3以上である温度幅が不連続で複
数あるが、複数のtanδが0.3以上である温度幅の
合計が90℃以上に渡る場合。
【0017】上記(1)の場合の具体例としては、例え
ば、tanδが増加していき−20℃で0.3を超え、
80℃まで連続して0.3以上である場合等が挙げられ
る。この場合、tanδが−20〜80℃の間で、温度
幅100℃に渡って0.3以上である。tanδ曲線の
形状としては特に限定されず、例えば、単調増加しても
よく、途中から減少してもよく、何度も増減を繰り返し
てもよい。
【0018】上記(2)の場合の具体例としては、例え
ば、tanδ曲線が増加していき−20℃で0.3を超
え、その後減少して30℃で0.3未満となり、再び増
加して50℃で0.3を超え、100℃まで0.3以上
となる場合等が挙げられる。この場合、tanδが−2
0〜30℃及び50〜100℃の間で、温度幅50℃と
50℃との合計100℃に渡って0.3以上である。t
anδ曲線の形状としては上記(1)の場合と同様に特
に限定されるものではない。
【0019】上記(1)及び(2)の場合において、−
50〜150℃の間の全ての温度で満遍なく制振性能が
求められるときには、(1)の場合が好ましく、また、
ある特定の温度範囲での制振性能が特に強く要望され、
その他の温度範囲の制振性能はある程度でよいときに
は、(2)の場合が好ましい。
【0020】本発明では、アクリル系ブロック共重合体
において、tanδが−30〜130℃の間で、温度幅
100℃以上に渡って0.3以上であることが好まし
い。より好ましくは、tanδが−30〜110℃の間
で、温度幅110℃以上に渡って0.3以上である。最
も好ましくは、tanδが−30〜150℃の間で、温
度幅110℃以上に渡って0.5以上である。また、0
℃以下の温度範囲で0.3以上となる部分が含まれてい
ると好ましく、0.4以上となる部分が含まれていると
更に好ましく、0.5以上となる部分が含まれていると
特に好ましい。
【0021】本発明のアクリル系ブロック共重合体を構
成する繰り返し単位は、全繰り返し単位を100重量%
とすると、(メタ)アクリル系単量体により形成される
繰り返し単位が55重量%以上である。55重量%未満
であると、アクリル系ブロック共重合体の耐熱性や耐候
性等の基本性能が低下することになる。より好ましく
は、70重量%以上であり、更に好ましくは、90重量
%以上である。
【0022】本発明のアクリル系ブロック共重合体を製
造する方法としては、異なる組成の2組以上の単量体成
分を用いて3価以上の多価メルカプタン類の存在下で重
合反応に付する方法であれば特に限定されるものではな
い。最も簡便な手法としては、以下に述べるように製造
することが最も好適である。
【0023】本発明はまた、異なる組成の2組以上の単
量体成分を3価以上の多価メルカプタン類の存在下で重
合反応に付してなるアクリル系ブロック共重合体であっ
て、上記異なる組成の2組以上の単量体成分は、各単量
体成分を重合した場合に得られる各重合体の計算上のガ
ラス転移点の最大差が130〜200℃であり、上記ア
クリル系ブロック共重合体は、最初に重合反応に付する
単量体成分の重量が全単量体成分の総重量100重量%
に占める割合の35〜65重量%(好ましくは、40〜
60重量%、更に好ましくは、43〜57重量%)であ
り、最初に重合反応に付した単量体成分の重合率が45
%以内(好ましくは、20〜40%)である間に、最初
に重合反応に付した単量体成分とは異なる次の単量体成
分を重合反応に付することを必須として得られるアクリ
ル系ブロック共重合体でもある。このようなアクリル系
ブロック共重合体では、ガラス転移点(Tg)を連続的
に又は段階的に変化させたブロック鎖を有することにな
ることから、幅広い温度範囲に渡って常に一定以上の制
振性能を示し、各種の分野で幅広く適用させることが可
能である。
【0024】本明細書中において、単量体成分を重合し
た場合に得られる重合体の計算上のガラス転移点(T
g)とは、単量体成分Aが単量体A1、A2、・・、A
nを含んでなる場合に、下記式から求められる計算値
を意味する。
【0025】 1/TgA =(a1 /100)×(1/TgA1)+(a2 /100)×(1/T gA2)+・・+(an /100)×(1/TgAn) 式中、TgA は、単量体成分Aを重合して得られる重合
体の計算上のTg(K)を表す。a1 、a2 、・・、a
n は、単量体成分を100重量%として、単量体A1、
A2、・・、Anの重量%を表す。すなわちA1+A2
+・・+Anは100重量%である。TgA1、TgA2
・・、TgAnは、単量体A1、A2、・・、Anの単独
重合体のTg(K)を表す。また、各単量体成分を重合
した場合に得られる各重合体の計算上のTgの最大差が
130〜200℃であるとは、異なる組成の2組以上の
単量体成分において、最も高いTgを有する重合体が得
られる単量体成分AのTgA と、最も低いTgを有する
重合体が得られる単量体成分BのTgB の差が130℃
〜200℃あるということである。例えば、単量体成分
A、B、Cをそれぞれ重合した場合に得られる重合体の
計算上のTgが100℃、50℃、−50℃であれば、
計算上のTgの最大差はA−C間の150℃である。A
−B間(50℃)やB−C間(100℃)の差について
は特に限定されるものではなく、上述した3組以上の単
量体成分を用いる場合と同様にすることが好ましい。
【0026】上記アクリル系ブロック共重合体におい
て、ブロック鎖のTgが連続的に又は段階的に変化する
ことになる理由としては、次の(イ)及び(ロ)の2点
が挙げられる。すなわち(イ)重合系中の単量体組成が
連続的に又は段階的に変化しながら重合が進行すること
により、様々な単量体組成から形成されるブロック鎖が
生じること、(ロ)用いる各単量体成分のうち少なくと
も異なる組成の2組の単量体成分から得られる各重合体
のTgが異なることから、(イ)のように単量体組成が
変化すると同時に、生成するブロック鎖のTgが連続的
に又は段階的に変化したブロック共重合体が得られるこ
とになる。
【0027】上記ブロック鎖のTgが連続的に又は段階
的に変化したブロック共重合体が、幅広い温度範囲に渡
って常に一定以上の制振性能を示すことになる理由とし
ては、Tgが異なるブロック鎖がそれぞれのTgに近い
温度範囲で振動エネルギーをよく吸収する、すなわちt
anδが大きい値を示すため、ブロック重合体のTgの
分布が幅広ければ、それだけ幅広い温度範囲でtanδ
が大きい値を示すためである。また、重合体が吸収でき
るエネルギーの振動数は、重合体の運動性によって変化
する。重合体の運動性はTgと密接な関係があり、一般
的にはTgの高い重合体ほど運動性が悪く、Tgの低い
重合体ほど運動性が良い。従って、上記のようにブロッ
ク鎖のTgが連続的に変化したブロック共重合体は、各
ブロック鎖の運動性に応じた振動数のエネルギーを吸収
することができるので、例えば10〜500Hz等の様
々な振動数の振動を吸収することが可能となる。
【0028】上記アクリル系ブロック共重合体では、損
失正接(tanδ)が−50〜150℃の間で、温度幅
90℃以上に渡って0.3以上であることが好ましい。
これにより、幅広い温度範囲に渡って常に一定以上の制
振性能を示すことがより確実にできることとなる。ま
た、アクリル系ブロック共重合体を構成することになる
単量体としては各種の単量体を用いることができるが、
アクリル系ブロック共重合体を構成する繰り返し単位と
して、上述したのと同様に、全繰り返し単位を100重
量%とすると、(メタ)アクリル系単量体により形成さ
れる繰り返し単位が55重量%以上であることが好まし
い。これにより、アクリル系ブロック重合体の耐熱性や
耐候性等の基本性能が優れたものとなり、自動車や建築
物、船舶、電気・電子機器等の各種の分野で幅広く適用
させることがより確実にできることとなる。
【0029】上記アクリル系ブロック共重合体を得る場
合において、上記(1)のように連続して一定以上のt
anδ曲線を示すブロック重合体とするためには、単量
体成分を滴下しながらの重合の工程で、単量体成分を滞
りなく滴下し、滞りなく重合を進行させるようにするこ
とが好ましい。また、上記(2)のように不連続なta
nδ曲線を示すブロック重合体を得るためには、例え
ば、滴下する単量体成分の滴下を途中で中断してしばら
く重合を進行させ、その後再び滴下を開始するという手
法で重合を行うことが好ましい。このようにすれば、重
合系の組成変化が不連続となり、生成するブロック鎖の
組成が不連続となって、ブロック鎖のTgの分布が不連
続となるので、tanδ曲線も不連続となるのである。
【0030】上記(メタ)アクリル系単量体としては特
に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボ
キシル基含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アク
リル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シプロピル等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系単
量体;(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基
含有(メタ)アクリル系単量体;(メタ)アクリル酸メ
トキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の
アルコキシアルキルエステル基含有(メタ)アクリル系
単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の
炭素原子数1〜30のアルキルエステル基を有する(メ
タ)アクリル系単量体;ジ(メタ)アクリル酸テトラエ
チレングリコール等のジ(メタ)アクリル系単量体等の
1種又は2種以上が挙げられる。これら(メタ)アクリ
ル系単量体の中でも、ジ(メタ)アクリル系単量体の使
用重量が、全単量体重量100重量%の0.1〜10重
量%、好ましくは0.2〜2重量%であると、架橋によ
って重合体の凝集力が高まり、制振性能及び機械的物性
が向上するので望ましい。
【0031】上記(メタ)アクリル系単量体により形成
される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、例え
ば、以下に記載するような(メタ)アクリル系単量体と
共重合可能な単量体の1種又は2種以上から形成される
繰り返し単位等が挙げられる。α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、スチレン等に代表されるスチレン系単量
体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;
フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル、フマル酸
のジアルキルエステル、マレイン酸、マレイン酸のモノ
アルキルエステル、マレイン酸のジアルキルエステル、
イタコン酸、イタコン酸のモノアルキルエステル、イタ
コン酸のジアルキルエステル等の不飽和カルボン酸やそ
のエステル;(メタ)アクリロニトリル、ブタジエン、
イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニ
ル、ビニルケトン、ビニルピリジン、ビニルピロリド
ン、ビニルカルバゾール等。ただし、スチレンは連鎖移
動を起こしやすいので、多量に用いるとブロックポリマ
ーの生成効率が下がり、制振性能及び機械的物性が向上
しにくい場合がある。スチレンの使用重量は、全単量体
重量100重量%の0〜30重量%、好ましくは0〜2
0重量%であることが望ましい。
【0032】上記アクリル系ブロック共重合体を得るに
は、異なる組成の2組以上の単量体成分を用いるのであ
るが、各単量体成分を重合した場合に得られる各重合体
の計算上のTgの最大差が130℃以上であると、幅広
いTg分布を有し、広い温度範囲で制振性能を示す重合
体が得られることになる。また、200℃を超えると、
異なる組成の2組以上の単量体成分を調製しにくくな
る。より好ましくは、130〜180℃であり、更に好
ましくは、150〜180℃である。このような異なる
組成の2組以上の単量体成分の好ましい形態としては、
例えば、単量体成分を重合した場合に得られる重合体の
計算上のTgが−20℃(253K)以下となる1組
と、単量体成分を重合した場合に得られる重合体の計算
上のTgが70℃(343K)以上となる他の1組とを
必須とすることが好ましい。このような2組の単量体成
分におけるTgの差がアクリル系ブロック共重合体を得
るために用いる異なる組成の2組以上の単量体成分にお
けるTgの最大差となるように設定することが好適であ
る。また、上記異なる組成の2組の単量体成分の他に3
組目の単量体成分を用いる場合には、3組目の単量体成
分を重合した場合に得られる重合体の計算上のTgとし
ては特に限定されず、例えば、上記異なる組成の2組の
単量体成分をそれぞれ重合した場合に得られる各重合体
の計算上のTgの中間付近となるように設定することが
好ましい。更に、4組目の単量体成分を用いる場合に
は、最も低いTgとなる単量体成分と2番目に低いTg
となる単量体成分のTgの差、2番目に低いTgとなる
単量体成分と3番目に低いTgとなる単量体成分のTg
の差、及び、3番目に低いTgとなる単量体成分と最も
高いTgとなる単量体成分のTgの差のそれぞれが均等
となるように設定することが好ましい。5組以上の単量
体成分を用いる場合も同様である。
【0033】上記アクリル系ブロック共重合体を得るた
めに用いる異なる組成の2組以上の単量体成分における
各単量体成分は、各単量体成分を100重量%とする
と、(メタ)アクリル系単量体を55重量%以上含む単
量体成分であることが好ましい。最も好ましくは、80
重量%以上である。
【0034】上記重合体の計算上のTgが少なくとも−
20℃(253K)以下となる単量体成分の例として
は、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル等の1種又は2種以上により構成さ
れる単量体成分等が挙げられる。また、上記重合体の計
算上のTgが少なくとも70℃(343K)以上となる
単量体成分の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソプロピル、メタ
クリル酸シクロヘキシル等の1種又は2種以上により構
成される単量体成分等が挙げられる。更に、特に好まし
い単量体成分の組み合わせを挙げるとすれば、アクリル
酸ブチルを主成分とする単量体成分とメタクリル酸メチ
ルを主成分とする単量体成分の組み合わせ、アクリル酸
2−エチルヘキシルを主成分とする単量体成分とメタク
リル酸メチルを主成分とする単量体成分の組み合わせ、
アクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とする単量体成
分とメタクリル酸シクロヘキシルを主成分とする単量体
成分の組み合わせが挙げられる。
【0035】上記アクリル系ブロック共重合体を得るた
めの好ましい重合形態としてはラジカル重合であり、中
でも、溶液重合や塊状重合が好ましい。これにより、均
質なブロック重合体を得やすくすることができる。上記
アクリル系ブロック共重合体のブロック構造としては、
例えば、トリブロック構造、星型ブロック構造及び、ジ
(メタ)アクリル系単量体や各種架橋剤を用いた場合等
にこれら各種ブロック構造が結合して得られるマルチブ
ロック構造等が挙げられる。これらの中でも、星型ブロ
ック構造及び、星型ブロック構造が結合したマルチブロ
ック構造であることが好ましい。星型ブロック構造及び
そのマルチブロック構造が好ましい理由は、ブロック効
率が良くなるために機械的物性に優れたものとなるから
である。星型ブロック構造及びそのマルチブロック構造
であって、各ブロック鎖のTgが連続的又は段階的に変
化したものとなることによって、広い温度範囲において
優れた制振性を示し、機械的物性も最も優れているもの
となるのである。また、星型ブロック構造が4価の多価
メルカプタンを用いた重合によって得られたものである
と好ましい。
【0036】上記アクリル系ブロック共重合体の分子量
としては、例えば、重量平均分子量が10000〜10
00000であることが好ましい。10000未満であ
ると、アクリル系ブロック共重合体が機械的強度や耐熱
性に劣るおそれがあり、1000000を超えると、成
型加工性、塗工性等の点で不都合が生じるおそれがあ
る。より好ましくは、50000〜500000であ
り、このようなアクリル系ブロック共重合体は、機械的
強度、耐熱性、成型加工性、塗工性のいずれの点におい
ても非常に優れたものとなる。上記重量平均分子量は、
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(ゲル浸透ク
ロマトグラフィー、GPC)によって、標準ポリスチレ
ン換算として求められるものを意味する。
【0037】上記アクリル系ブロック共重合体の透明性
については、透明であっても不透明であってもよい。ま
た、上記アクリル系ブロック共重合体に各種添加剤等を
添加したアクリル系ブロック共重合体組成物についても
同様に、透明であっても不透明であってもよい。透明で
あるか不透明であるかを区別する基準としては、例え
ば、平行光線透過率で区別するとすれば、平行光線透過
率が80%以上であると透明であり、平行光線透過率が
80%未満であると不透明である。アクリル系ブロック
共重合体では、各ブロック鎖の相溶性が充分ではない場
合や、一定限度以上の架橋が施されている場合には、不
透明となることもある。
【0038】本発明は更に、上記アクリル系ブロック共
重合体を含んでなる制振材用組成物であって、上記アク
リル系ブロック共重合体の含有量は、上記制振材用組成
物を100重量%とすると、10重量%以上である制振
材用組成物でもある。10重量%未満であると、制振材
用組成物から形成される制振材料の制振性能が充分とは
ならないことになる。好ましくは、30重量%以上であ
り、より好ましくは、50重量%以上であり、最も好ま
しくは、80重量%以上である。このような制振材用組
成物において、アクリル系ブロック共重合体は1種を用
いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0039】上記制振材用組成物は、必須成分であるア
クリル系ブロック共重合体のみを含んでいてもよいが、
必要に応じて他の成分を1種又は2種以上含んでいても
よい。上記他の成分としては、例えば、天然ゴム;スチ
レン−ブタジエンゴム等の各種合成ゴム;ポリメタクリ
ル酸メチル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリエス
テル等の各種合成樹脂;スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体、エチレン−エチルアクリレート共
重合体等の各種熱可塑性エラストマー;アスファルト等
の瀝青物質;グラファイト、マイカ、カーボンブラッ
ク、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の各種充填材;
天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、金属繊維等の各種繊
維;フタル酸オクチル等の各種可塑剤;シリコンオイ
ル、プロセスオイル等の各種オイル;リン酸系難燃化
剤、臭素系難燃化剤、三酸化アンチモン等の各種難燃化
剤等が挙げられる。
【0040】本発明の制振材用組成物の中で上記他の成
分が占める重量割合としては、制振材用組成物を100
重量%とすると、90重量%未満となる。90重量%以
上であると、アクリル系ブロック共重合体が少なくなり
過ぎるため、制振性能が充分に発揮されないこととな
る。より好ましくは、70重量%未満であり、更に好ま
しくは、50重量%未満であり、最も好ましくは、20
重量%未満である。
【0041】本発明の制振材用組成物はまた、必要に応
じて各種架橋剤を1種又は2種以上含んでいてもよい。
このような架橋剤としては、例えば、ジエポキシ化合
物、ジイソシアネート化合物等の各種多官能化合物;酸
化亜鉛、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸アルミニウ
ム、ステアリン酸亜鉛等の各種金属架橋剤;テトラキス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(商品
名「アデカスタブLA−57」、旭電化工業社製)等の
分子中に2個以上のヒンダードアミノ基を有する化合物
等が挙げられる。このような架橋剤を用いると、重合体
が架橋されることによって制振性能及び機械的物性が向
上するのである。
【0042】上記架橋剤を使用する場合には、上記アク
リル系ブロック共重合体中に上記架橋剤と結合すること
のできる官能基が必要となる。その組み合わせとしては
特に限定されず、例えば、架橋剤としてジエポキシ化合
物、各種金属架橋剤、ヒンダードアミノ基を有する化合
物等が使用される場合には、アクリル系ブロック共重合
体がカルボキシル基を有するようにすることが好まし
い。また、架橋剤としてジイソシアネート化合物が使用
される場合には、アクリル系ブロック共重合体が水酸基
を有するようにすることが好ましい。
【0043】本発明の制振材用組成物の中で上記架橋剤
が占める重量割合としては、制振材用組成物を100重
量%とすると、50重量%未満とすることが好ましい。
50重量%を超えると、制振材用組成物が硬くなりすぎ
て振動エネルギーを吸収しにくくなるおそれがある。よ
り好ましくは、30重量%未満であり、更に好ましく
は、20重量%未満である。
【0044】本発明の制振材用組成物の使用形態として
は特に限定されず、例えば、各種基材に対してスプレー
塗布したり、シート状にして各種基材に貼り付けたり、
部材と部材の間に挿入したりする形態等が挙げられる。
本発明の制振材用組成物から形成される制振材料の厚み
としても特に限定されず、目的に応じて適宜選択される
ことになるが、通常では1μm〜10cmで用いること
となる。上記各種基材や部材としては特に限定されず、
例えば、各種鋼鈑等の金属板、各種合板、石膏板、各種
樹脂板、繊維強化樹脂板、セメント製品、コンクリート
製品、モルタル製品等を用いることができる。
【0045】本発明はそして、異なる組成の2組以上の
単量体成分を3価以上の多価メルカプタン類の存在下で
重合反応に付する重合反応工程を含んでなるアクリル系
ブロック共重合体の製造方法であって、上記異なる組成
の2組以上の単量体成分は、各単量体成分を重合した場
合に得られる各アクリル系重合体の計算上のガラス転移
点(Tg)の最大差が130〜200℃であり、計算上
のTgが50℃以上となる重合体が得られる単量体成分
の重量が全単量体成分の総重量100重量%に占める割
合の35〜65重量%であり、上記重合反応工程は、最
初に重合反応に付する単量体成分の重合率が45%以内
である間に、最初に重合反応に付した単量体成分とは異
なる次の単量体成分を重合反応に付することを必須とし
て行われるアクリル系ブロック共重合体の製造方法でも
ある。
【0046】上記3価以上の多価メルカプタン類として
は特に限定されず、例えば、ペンタエリスリトールテト
ラキスチオグリコレート(PETG)等のトリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール等の水酸基を3個以
上有する化合物とカルボキシル基を有するメルカプタン
類とのポリエステル化物;トリチオグリセリン等のメル
カプト基を3個以上有する化合物;多価エポキシ化合物
に硫化水素を付加させた化合物;多価カルボン酸のメル
カプトエタノールエステル化物等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。こ
れらの中でも最も好ましくは、4価のメルカプタン類で
あるペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート
(PETG)である。4価のメルカプタン類であると、
アクリル系ブロック共重合体の生成効率が高くなり、ま
た、星型構造を有するブロック共重合体が得られること
になる。このようなメルカプタン類の使用量としては、
生成するアクリル系ブロック共重合体の分子量が好適な
範囲となることから、全単量体成分100重量%に対し
て、0.1〜10重量%とすることが好ましい。
【0047】上記アクリル系ブロック共重合体の製造方
法における重合反応工程で用いる単量体としては、上述
したのと同様であり、例えば、(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリレート、ジアクリレート、スチレン系モ
ノマー等の1種又は2種以上が挙げられ、生成するアク
リル系ブロック共重合体の全繰り返し単位を100重量
%とすると、(メタ)アクリル系単量体により形成され
る繰り返し単位が55重量%以上となるように設定する
ことが好ましい。また、好ましい重合形態も上述したの
と同様であり、溶液重合や塊状重合である。重合装置と
しては特に限定されず、例えば、槽型反応器、管式反応
器、キャスト重合、注形重合等を用いることが簡便であ
り好ましい。
【0048】上記重合反応工程では、重合温度として、
例えば、−100〜200℃とすることが好ましい。よ
り好ましくは、簡便な設備で経済的に製造できることか
ら、50〜150℃とすることである。また、開始剤を
用いることは必須ではない。例えば、高温で重合を行う
場合等では、開始剤を使用せずに、単量体成分及びメル
カプタン類の熱重合のみでアクリル系ブロック共重合体
を製造することができるためである。一方、一般的なア
ゾ系開始剤や過酸化物系開始剤を用いて重合を行っても
よい。このような開始剤としては、例えば、2,2′−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)やベンゾイルパ
ーオキサイド等が挙げられる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0049】上記アクリル系ブロック共重合体の製造方
法において、本発明の作用効果を奏するために最も肝要
なことは、次の(ハ)、(ニ)及び(ホ)の3点が挙げ
られる。すなわち(ハ)各単量体成分を重合した場合に
得られる重合体のガラス転移点(Tg)の最大差が13
0℃以上となるような異なる組成の2組以上の単量体成
分を用いること、(ニ)最初に重合反応に付する単量体
成分の重量が全単量体成分の総重量100重量%に占め
る割合の35〜65重量%であること、(ホ)最初に重
合反応に付した単量体成分の重合率が45%以内である
間に、最初に重合反応に付した単量体成分とは異なる次
の単量体成分を重合反応に付することである。このよう
な3点の要件を必須として重合反応工程が行われること
になる。
【0050】上記重合反応工程においては、最初に重合
反応に付する単量体成分の重合率(以下、「初期重合
率」ともいう)が45%以内である間に、最初に重合反
応に付した単量体成分とは異なる次の単量体成分を重合
反応に付することになる。初期重合率が45%を超える
と、最初に重合反応に付する単量体成分と、それ以外の
滴下する単量体成分との混合物が重合して生成する中間
的なTgを有する共重合体ブロック鎖が少なくなり、そ
の温度領域での制振性能が低下することになる。また、
最初に重合反応に付する単量体成分が高いTgを有する
重合体ブロック鎖を生成する場合には、初期重合率が1
0%以上であることが好ましい。この場合に、初期重合
率が10%未満であると、高いTgを有するブロック鎖
が少なくなり過ぎるため、アクリル系ブロック共重合体
の凝集力が弱くなり、制振材料の機械的強度や制振性能
等が低下するおそれがある。より好ましくは、20〜4
0%である。なお、初期重合率は、最初に重合反応に付
する単量体成分の重量をT1 とし、このうち重合した単
量体成分の重量をT2 とすると、(T2 /T1 )×10
0により求めることができる。
【0051】上記重合反応工程では、単量体成分を重合
系に滴下することにより重合反応に付することが好まし
いが、滴下時間としては、例えば、30〜600分とす
ることが好ましい。30分より速く滴下すると、通常の
速度で重合が進行している場合、中間的なTgを有する
ブロック鎖が生成するための時間が少な過ぎることにな
り、また、最初に重合反応に付する単量体成分と次に滴
下する単量体成分との混合物に近い成分から形成される
ブロック鎖だけが多量に生成することとなる。すなわち
重合系中の単量体組成を連続的に又は段階的に変化させ
ながら重合を進行させることができなくなるため、アク
リル系ブロック共重合体のTgの温度幅が狭くなること
により使用温度範囲が狭くなるおそれがある。
【0052】上記重合反応工程においては、異なる組成
の2組以上の単量体成分を用いるのであるが、このよう
な異なる組成の2組以上の単量体成分の形態としては、
上述したのと同様である。また、異なる組成の2組以上
の単量体成分を、重合した場合に得られる重合体の計算
上のTgが高い方の単量体成分(A)と、重合した場合
に得られる重合体の計算上のTgが低い方の単量体成分
(B)とに分けると、単量体成分(A)と単量体成分
(B)との重量割合(A)/(B)としては、35/6
5〜65/35であり、更に好ましくは、40/60〜
60/40である。(A)/(B)が50/50に近い
ほど高い側のTgから低い側のTgまでの各Tgを有す
るブロック鎖を万遍なく生成させることが容易となる。
なお、単量体成分(A)と単量体成分(B)とに分ける
には、例えば、重合した場合に得られる重合体の計算上
のTgが50℃以上である単量体成分をすべて単量体成
分(A)とし、重合した場合に得られる重合体の計算上
のTgが50℃未満である単量体成分をすべて単量体成
分(B)として分けることが好ましい。単量体成分
(A)及び(B)を50/50に近い割合で用い、なお
かつ初期重合率を45%以下にすることによって初め
て、幅広い温度範囲で高いtanδを示す重合体が得ら
れるのである。
【0053】上記異なる組成の2組以上の単量体成分を
重合反応に付する順序としては特に限定されないが、例
えば、最も高いTgを有する重合体が得られる単量体成
分を最初に重合反応に付することが好ましい。これによ
り、Tgが最も高いブロック鎖を所定量生成させやすく
なり、アクリル系ブロック共重合体中にTgが最も高い
ブロック鎖がある程度以上存在することに起因して、重
合体全体としての凝集力が高まり、機械的強度や耐熱性
等が向上することとなる。また、最も低いTgを有する
重合体が得られる単量体成分を最後に滴下して重合反応
に付することが好ましい。これにより、Tgが最も低い
ブロック鎖を所定量生成させやすくなり、アクリル系ブ
ロック共重合体中にTgが最も低いブロック鎖がある程
度以上存在することに起因して、重合体全体としての柔
軟性が高まり、耐寒性が向上することとなる。
【0054】上記アクリル系ブロック共重合体の製造方
法では、損失正接(tanδ)が−50〜150℃の間
で、温度幅90℃以上に渡って0.3以上である本発明
のアクリル系ブロック共重合体を容易かつ効率よく生産
できることになる。従って、このような製造方法によ
り、幅広い温度範囲に渡って常に一定以上の制振性能を
示し、各種の分野で幅広く適用させることができる本発
明のアクリル系ブロック共重合体の作用効果をより充分
に発揮させることができることになる。
【0055】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。なお、実施例中、特に断りのない限り、
「部」は、「重量部」を意味する。
【0056】実施例1 容量2Lのガラス製反応器に、メタクリル酸メチル(M
MA)267.3部、アクリル酸(AA)2.7部及び
酢酸エチル240部からなる単量体成分(A1)を仕込
み、窒素雰囲気下、攪拌しながら、90℃の湯浴で加熱
した。内部の温度が一定となったところで、2,2′−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.6部、トリ
メチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネ
ート)6.0部及び酢酸エチル30部からなる開始剤溶
液を5分間かけて投入し、重合を開始させた。
【0057】重合開始60分後、重合率が31.1%と
なったところで、アクリル酸ブチル(BA)326.7
部、AA3.3部、酢酸エチル300部からなる単量体
成分(B1)の滴下を開始し、引き続き重合を進行させ
た。重合開始180分後(滴下開始120分後)に滴下
を終了し、そのまま重合を進行させた。重合開始210
分後及び重合開始240分後のそれぞれに、2,2′−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.6部及び酢
酸エチル15部からなる熟成用開始剤溶液を投入し、更
に重合を進行させた。
【0058】重合開始360分後に冷却することによっ
て重合を完了し、アクリル系ブロック共重合体溶液を得
た。このときの重合率は96.0%であった。得られた
アクリル系ブロック共重合体について、下記の方法によ
り分子量測定、動的粘弾性測定及び引っ張り試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0059】分子量測定 東ソー社製の高速GPCシステム「HLC−8120G
PC」(商品名)を用い、展開溶媒としてTHFを用
い、アクリル系ブロック共重合体の0.1%THF溶液
を注入して測定した。数平均分子量(Mn)及び重量平
均分子量(Mw)を表1に示す。
【0060】動的粘弾性測定 得られたアクリル系ブロック共重合体溶液を200℃の
減圧乾燥器で6時間乾燥させ、厚さ4mmの泡のないシ
ートを得た。このシートを100℃でプレス成型して2
mmのシートとし、これから直径7.9mmの試験片を
くり抜いた。この試験片をレオメトリックス ファーイ
ースト社製の動的粘弾性測定器「RDAII」(商品名)
の試料台に接着し、周波数10Hz、ひずみ0.2%、
昇温速度3℃/分で測定した。tanδの温度範囲を表
1に示す。
【0061】引っ張り試験 JIS K6251「加硫ゴムの引っ張り試験方法」に
準じて測定した。すなわち、ダンベル状2号形の試験片
を上述した厚さ2mmのシートから3個くり抜き、23
℃、65%RHの雰囲気下で、引っ張り速度500mm
/分で試験し、引っ張り強度及び伸びの平均値を求め
た。結果を表1に示す。
【0062】実施例2 容量2Lのガラス製反応器に、MMAを267.3部、
AAを2.7部及び酢酸エチル240部からなる単量体
成分(A2)を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら、
90℃の湯浴で加熱した。内部の温度が一定となったと
ころで、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)0.6部、PETG6.0部及び酢酸エチル30部
からなる開始剤溶液を5分間かけて投入し、重合を開始
させた。
【0063】重合開始60分後、重合率が34.3%と
なったところで、BA326.7部、AA3.3部、酢
酸エチル300部からなる単量体成分(B2)の滴下を
開始し、引き続き重合を進行させた。重合開始180分
後(滴下開始120分後)に滴下を終了し、そのまま重
合を進行させた。重合開始210分後及び重合開始24
0分後のそれぞれに、2,2′−アゾビス(2−メチル
ブチロニトリル)0.6部及び酢酸エチル15部からな
る熟成用開始剤溶液を投入し、更に重合を進行させた。
重合開始360分後に冷却することによって重合を完了
し、アクリル系ブロック共重合体溶液を得た。このとき
の重合率は96.0%であった。実施例1と同様にして
重合体の乾燥、GPC測定、動的粘弾性測定及び引っ張
り試験を行った。結果を表1に示す。
【0064】実施例3 容量2Lのガラス製反応器に、MMAを264.6部、
AAを2.7部、テトラエチレングリコールジアクリレ
ートを2.7部及び酢酸エチル240部からなる単量体
成分(A3)を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら、
90℃の湯浴で加熱した。内部の温度が−定となったと
ころで、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)0.6部、PETG6.0部及び酢酸エチル30部
からなる開始剤溶液を5分間かけて投入し、重合を開始
させた。
【0065】重合開始60分後、重合率が34.3%と
なったところで、BA326.7部、AA3.3部、酢
酸エチル300部からなる単量体成分(B3)の滴下を
開始し、引き続き重合を進行させた。重合開始180分
後(滴下開始120分後)に滴下を終了し、そのまま重
合を進行させた。重合開始210分後及び重合開始24
0分後のそれぞれに、2,2′−アゾビス(2−メチル
ブチロニトリル)0.6部及び酢酸エチル15部からな
る熟成用開始剤溶液を投入し、更に重合を進行させた。
重合開始360分後に冷却することによって重合を完了
し、アクリル系ブロック共重合体溶液を得た。このとき
の重合率は96.0%であった。実施例1と同様にして
アクリル系ブロック共重合体の乾燥、GPC測定、動的
粘弾性測定及び引っ張り試験を行った。結果を表1及び
図1に示す。
【0066】実施例4 実施例3のアクリル系ブロック共重合体溶液50部に、
ヒンダードアミンであるアデカスタブLA−57(商品
名、旭電化工業社製)0.7部を添加、混合した後に、
実施例1と同様にして乾燥することによって、アクリル
系ブロック共重合体を含んでなる制振材用組成物(イオ
ン架橋物)を得た。この架橋体について、実施例1と同
様にして乾燥、GPC測定、動的粘弾性測定及び引っ張
り試験を行った。結果を表1に示す。
【0067】比較例1 実施例1と同様の装置に、スチレン250部、MMA2
50部、酢酸ブチル250部からなる単量体成分(比較
A1)を仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら110℃
のオイルバスで加熱した。温度が一定となったところ
で、ジペンタエリスリトールヘキサキスチオプロピオネ
ート10部及び酢酸ブチル50部を投入して重合を開始
させた。重合開始20分後、重合率が5.5%となった
ところで、アクリル酸エチル475部及びメタクリル酸
25部からなる単量体成分(比較B1)を滴下し始め、
そのまま重合開始200分まで180分間かけて滴下し
ながら重合を進行させた。滴下終了後、更に3時間重合
を続けてから冷却し、ブロック共重合体溶液を得た。実
施例1と同様にしてブロック共重合体の乾燥、GPC測
定、動的粘弾性測定及び引っ張り試験を行った。結果を
表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】実施例1〜4で示した重合工程によって、
表1に示すような物性を示すアクリル系ブロック共重合
体を容易に得ることができた。実施例1及び実施例2の
アクリル系ブロック共重合体は、制振性能の指標である
tanδが0.3以上となった温度幅が比較例1のブロ
ック共重合体より50℃以上も広くなっており、制振材
として使用できる温度範囲が大幅に広がったという点
で、実用性が著しく向上している。実施例3及び実施例
4のアクリル系ブロック共重合体は、tanδが0.3
以上となった温度幅が更に広がり、引っ張り強度も増大
しているので、更に実用性が向上している。
【0070】
【発明の効果】本発明のアクリル系ブロック共重合体
は、上述の構成よりなるので、幅広い温度範囲に渡って
常に一定以上の制振性能を示すことから、制振材料とし
て使用できる温度範囲を大幅に広げることができるとい
う点で、制振材料の実用性を著しく向上させることがで
き、自動車や建築物、船舶、電気・電子機器等の各種の
分野で幅広く用いることができるブロック共重合体であ
る。また、本発明のアクリル系ブロック共重合体の製造
方法により、本発明のアクリル系ブロック共重合体を容
易かつ効率よく生産できることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られたアクリル系ブロック共重合
体を用いて作製したシートの動的粘弾性を測定した結果
を示す粘弾性曲線である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/08 F16F 15/08 D Fターム(参考) 3J048 AA01 BA08 BA11 BD04 4J002 AC01X AC08X AG00X BB01X BB07X BC02X BG06X BP01X BP03W BP031 CF00X CP03X DA026 DA036 DA066 DE126 DE236 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 EH146 EW046 FA04X FA046 FD016 FD026 FD136 FD140 GH00 GR00 GT00 4J026 HA06 HA09 HA10 HA11 HA12 HA15 HA16 HA19 HA20 HA22 HA23 HA32 HA35 HA38 HA48 HA49 HB06 HB09 HB10 HB11 HB12 HB15 HB16 HB19 HB20 HB22 HB23 HB32 HB35 HB38 HB42 HB43 HB48 HC06 HC09 HC10 HC11 HC12 HC15 HC16 HC19 HC20 HC22 HC23 HC32 HC35 HC38 HC42 HC43 HE01 HE04 HE05 HE06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる組成の2組以上の単量体成分を3
    価以上の多価メルカプタン類の存在下で重合反応に付し
    てなるアクリル系ブロック共重合体であって、損失正接
    (tanδ)が−50〜150℃の間で、温度幅90℃
    以上に渡って0.3以上であり、該アクリル系ブロック
    共重合体を構成する繰り返し単位は、全繰り返し単位を
    100重量%とすると、(メタ)アクリル系単量体によ
    り形成される繰り返し単位が55重量%以上であること
    を特徴とするアクリル系ブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 異なる組成の2組以上の単量体成分を3
    価以上の多価メルカプタン類の存在下で重合反応に付し
    てなるアクリル系ブロック共重合体であって、該異なる
    組成の2組以上の単量体成分は、各単量体成分を重合し
    た場合に得られる各重合体の計算上のガラス転移点の最
    大差が130〜200℃であり、該アクリル系ブロック
    共重合体は、最初に重合反応に付する単量体成分の重量
    が全単量体成分の総重量100重量%に占める割合の3
    5〜65重量%であり、最初に重合反応に付した単量体
    成分の重合率が45%以内である間に、最初に重合反応
    に付した単量体成分とは異なる次の単量体成分を重合反
    応に付することを必須として得られることを特徴とする
    アクリル系ブロック共重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のアクリル系ブロッ
    ク共重合体を含んでなる制振材用組成物であって、該ア
    クリル系ブロック共重合体の含有量は、該制振材用組成
    物を100重量%とすると、10重量%以上であること
    を特徴とする制振材用組成物。
  4. 【請求項4】 異なる組成の2組以上の単量体成分を3
    価以上の多価メルカプタン類の存在下で重合反応に付す
    る重合反応工程を含んでなるアクリル系ブロック共重合
    体の製造方法であって、該異なる組成の2組以上の単量
    体成分は、各単量体成分を重合した場合に得られる各ア
    クリル系重合体の計算上のガラス転移点(Tg)の最大
    差が130〜200℃であり、計算上のTgが50℃以
    上となる重合体が得られる単量体成分の重量が全単量体
    成分の総重量100重量%に占める割合の35〜65重
    量%であり、該重合反応工程は、最初に重合反応に付す
    る単量体成分の重合率が45%以内である間に、最初に
    重合反応に付した単量体成分とは異なる次の単量体成分
    を重合反応に付することを必須として行われることを特
    徴とするアクリル系ブロック共重合体の製造方法。
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