JP2002201212A - メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の製造方法 - Google Patents

メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の製造方法

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JP2002201212A
JP2002201212A JP2000403162A JP2000403162A JP2002201212A JP 2002201212 A JP2002201212 A JP 2002201212A JP 2000403162 A JP2000403162 A JP 2000403162A JP 2000403162 A JP2000403162 A JP 2000403162A JP 2002201212 A JP2002201212 A JP 2002201212A
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守人 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応により得られた高比粘度のメチルビニル
エーテル−無水マレイン酸共重合体溶液から、溶媒を除
去する時に、比粘度の経時変化を起こさせないこと。 【解決手段】 メチルビニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体の乾燥を、140℃では乾燥雰囲気中の酸素濃
度を0.01%以下にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メチルビニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体の製造方法に関する。さ
らに詳しくは、乾燥工程等の重合工程以降の工程におけ
る加熱を酸素の非存在下に行う、比粘度の低下のないメ
チルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】メチルビニルエーテル−無水マレイン酸
共重合体(以下、VME−MAA共重合体と略すことが
ある。)は直鎖状の水溶性の高分子電解質化合物であ
り、最近では人体に対する無毒性、長期間にわたる安定
性、粘着性、凝集性、保水性、剥離性などが優れている
ため、貼付剤(パップ剤)や接着剤、洗剤の固着防止
剤、スプレー式毛髪固定剤、合成洗剤のビルダーなどと
して幅広い産業分野で応用されている。しかし、上記各
種用途に使用されてきたVME−MAA共重合体は、そ
の用途により好適な分子量範囲が選択されるものの、全
体として低分子量であり、それら用途別性能の向上のた
めに高分子量化が望まれてきた。VME−MAA共重合
体の製造方法については、種々の手段が開示されてお
り、前記公報以外にも、例えば特開平3−221511
号、特開平3−215509号、特表平5−50934
1号、特開2000−191705号の各公報を挙げる
ことができる。しかしながら、これらの手段は、いずれ
も反応工程の条件設定の提案であり、反応に用いた溶媒
の除去方法、乾燥方法等については知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、反応工程
で高比粘度のVME−MAA共重合体を合成したとして
も、乾燥工程等において比粘度が低下することを発見し
た。ここにいう比粘度の値は同一構造単位を有する高分
子については分子量が増すほど高くなるので、一般的に
高分子の分子量を相対的にあらわす基準として広く利用
されており、本発明において使用されている比粘度は分
子量と同義である。比粘度の測定方法は以下の通りであ
る。測定対象の共重合体を溶媒メチルエチルケトンに溶
解して1%(重量/容量%、25℃)濃度の溶液を調製
し、JIS K6726で規定された毛細管粘度計を用
いて、25℃における落下時間を測定し、計算式:比粘
度=(A−B)/Bにより算出する。上記の計算式にお
いて、A=共重合体溶液の落下時間測定値、B=溶媒の
みの落下時間測定値である。従って、本発明は、無水マ
レイン酸とメチルビニルエーテルを溶媒の存在下で重合
開始剤を使用して重合させ、高比粘度のVME−MAA
共重合体を生成した後、該共重合体の比粘度を低下させ
ない製造方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究をした結果、乾燥工程で、減圧加
温下で溶媒を除去する時に、VME−MAA共重合体が
酸素の存在下で加熱されることにより、比粘度が著しく
変化し易いことを見出だし、酸素濃度、加熱温度、加熱
時間の関係、酸素の除去方法、減成方法を検討した結
果、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明の第1は、重合工程におい
て、無水マレイン酸およびメチルビニルエーテルを溶媒
の存在下に、重合開始剤を用いて共重合反応を行い、メ
チルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を得た
後、重合工程以降の工程における加熱が酸素の実質的に
非存在下に行われることを特徴とするメチルビニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体の製造方法を提供する。
本発明の第2は、重合工程以降の工程における加熱が、
雰囲気中の酸素濃度(常圧換算)0.1%以下で行われ
ることを特徴とする本発明の第1に記載のメチルビニル
エーテル−無水マレイン酸共重合体の製造方法を提供す
る。本発明の第3は、重合工程以降の工程における加熱
が、不活性ガスの雰囲気下に行われることを特徴とする
本発明の第1又は2に記載のメチルビニルエーテル−無
水マレイン酸共重合体の製造方法を提供する。本発明の
第4は、重合工程以降の工程における加熱温度が60℃
以上であることを特徴とする本発明の第1〜3のいずれ
かに記載のメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重
合体の製造方法を提供する。本発明の第5は、重合工程
以降の工程が、脱溶媒工程、乾燥工程、及び必要に応じ
て設けられる造粒化工程、配合工程、輸送工程、及び/
又は貯蔵工程であることを特徴とする本発明の第1〜4
のいずれかに記載のメチルビニルエーテル−無水マレイ
ン酸共重合体の製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、原料として無水マレイン酸、メチルビニル
エーテル、重合開始剤及び溶媒を使用する。反応原料で
ある無水マレイン酸、メチルビニルエーテルの製造法、
品質には特に制限はなく、高純度グレードや工業用グレ
ードのものが使用できる。
【0007】溶媒は、モノマーである無水マレイン酸、
メチルビニルエーテル及び重合開始剤を溶解するもので
あれば特に限定されるものでないが、得られる共重合体
の分離を容易にするためには、該共重合体の良溶媒でな
いものが好ましく使用される。このような溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;
1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエ
タンと塩化メチレンの混合溶媒;酢酸エチル等のエステ
ル系溶媒;脂肪族炭化水素等が使用できるが、両モノマ
ー及び重合開始剤の良溶媒として、また生成共重合体に
は貧溶媒として好適に機能するベンゼン、トルエン等が
通常用いられる。しかし、本発明はVME−MAA共重
合体を溶解する溶媒の存在下に行われ、反応後該溶媒を
留去等により分離したり、貧溶媒を加えてVME−MA
A共重合体を析出させた後溶媒を分離する等の方法によ
り溶媒分離を行うこともできる。
【0008】重合開始剤は上記モノマーのラジカル重合
に通常使用されるものであり、上記溶媒に溶解性のある
ものであれば特に限定されるものではなく、ラウリルパ
ーオキサイド等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物等が挙げられ、ラウリルパーオキサイ
ド等が好ましく使用される。これらの重合開始剤には、
必要に応じて還元剤を加えて重合速度を大きくすること
もできる。
【0009】本発明では、反応は回分式、半回分式、連
続式のいずれでも行うことができる。反応圧力は常圧で
も、加圧でも、減圧でもよく、反応雰囲気は窒素等の不
活性ガスであってもよい。原料、溶媒、反応雰囲気は脱
酸素されたり、不活性ガスで置換されていることが好ま
しい。以下本発明の製造方法を、VME−MAA共重合
体を溶解しない溶媒を使用し、回分式反応で行う場合を
例にして説明する。はじめに、重合反応に使用される無
水マレイン酸全量を溶媒に溶解して得た無水マレイン酸
溶液が重合缶に供給される。使用される溶媒の量は、重
合反応に供される無水マレイン酸及びメチルビニルエー
テルと該溶媒との合計に対して75〜95重量%が好ま
しいが、特に85〜95重量%が好ましい。溶媒は、一
部は前記重合開始剤溶解用の溶媒として使用され、大部
分は上記無水マレイン酸溶液の調製に使用される。
【0010】上記重合缶にはメチルビニルエーテル及び
重合開始剤溶液の各供給口が設けられており、更に重合
缶に通常装備される攪拌機及び還流冷却器が設けられて
いることが好ましい。本発明においては、攪拌操作は下
記説明にあるように無水マレイン酸溶液のみと重合開始
剤の接触を避け、しかも重合反応を均一に進める必要が
ある点で特に重要であるが、攪拌機の態様は特に限定さ
れるものではない。又、本発明では、メチルビニルエー
テルの供給速度が低いため、またメチルビニルエーテル
を重合缶の底部から供給すれば大気に直接接触する量が
少ないため、還流冷却器は必ずしも必要ではないが、メ
チルビニルエーテルの常圧沸点が5〜6℃と低いこと、
また高価であるので少量でもその気化逸散は好ましくな
いこと、及び除熱のために装備されていることが好まし
い。
【0011】上記重合缶中の無水マレイン酸溶液は常温
から徐々に加熱され、好ましくは約80℃まで加熱昇温
され、この温度維持下に、重合開始剤溶液の添加開始前
に、メチルビニルエーテルの一部の添加が開始される。
無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体の製造
に使用される両モノマーの全使用量比は1:1が最も好
ましいが、必要に応じて変えても構わない。重合開始剤
溶液の添加の開始前に添加されるメチルビニルエーテル
モノマーの量は、その全使用量の1/50〜1/5が好
ましく、1/30〜1/5がより好ましく、1/10〜
1/5が最も好ましい。メチルビニルエーテルモノマー
の初期添加量が1/50未満の場合は、微量過ぎるため
か重合開始剤添加により交互共重合体以外の無水マレイ
ン酸リッチの重合体が生成しやすい。又、逆に1/5を
超えると、メチルビニルエーテルモノマーの気化量が多
くなり、液相に存在するメチルビニルエーテルモノマー
量は増加せず、供給の意義を失うことになってしまう。
【0012】無水マレイン酸溶液に全メチルビニルエー
テルモノマーの一部が添加されて無水マレイン酸に均一
に溶解された後、重合開始剤溶液の添加が開始され、並
行して、メチルビニルエーテルモノマーの残部も添加さ
れる。重合開始剤溶液の添加とメチルビニルエーテルモ
ノマーの残部の添加は必ずしも並行して、連続的に行う
必要はないが、長時間、好ましくは5時間以上の時間を
かけて添加することが好ましい。又、両者はその供給時
に直接の接触がないように別々の供給口から添加される
ことが好ましい。メチルビニルエーテルモノマーの残部
及び所望量の重合開始剤の添加が終了すれば、無水マレ
イン酸とメチルビニルエーテルとの重合反応もほぼ終了
するが、好ましくは、該反応系をそのままの状態で更に
0.5〜2時間保持することが好ましい。
【0013】上記の方法により、溶媒中に分散された無
水マレイン酸−メチルビニルエーテル交互共重合体が得
られる。
【0014】重合工程で得られたVME−MAA共重合
体の反応マスは、続いて重合工程以降の工程として脱溶
媒工程、乾燥工程により処理され、必要に応じて、造粒
化工程、配合工程、輸送工程、貯蔵工程等に処せられ
る。
【0015】反応マスは、脱溶媒工程に供給されて、共
重合体と溶媒とに分離される。反応マスが共重合体の分
散液の場合は、溶媒分離には、比重分離、濾過、遠心分
離、蒸留等の通常の分離手段が使用できる。例えば、分
散液は遠心分離機にかけられ、溶媒は除去されるが、溶
媒の完全な除去は、続いて行われる乾燥工程で行われ
る。
【0016】乾燥工程で用いられる乾燥機の種類は、特
に限定されるものでは無く、連続式乾燥機、或いは回分
式乾燥機のいずれであってもよい。乾燥機としては、例
えば、箱型乾燥機、真空箱型乾燥機、トンネル乾燥機、
ノズルジェット乾燥機、バンド乾燥機、ターボ縦型乾燥
機、縦型乾燥機、回転乾燥機、通気回転乾燥機、水蒸気
加熱管束回転乾燥機、溝型攪拌乾燥機、流動相乾燥機、
ドラム乾燥機、多段円盤乾燥機、多円筒乾燥機等が挙げ
られる。
【0017】伝導受熱攪拌円錐型真空乾燥機を例にし
て、操作方法について説明する。尚、このタイプの乾燥
機としては、(株)オーカワラ製作所のリボコーン乾燥
機、ホソカワミクロン(株)製のナウター型乾燥機を挙
げることが出来る。伝導受熱攪拌円錐型真空乾燥機は、
生産性の観点から一般に、加温および減圧される。加温
は、使用する前記溶媒の沸点に応じて最適に調整され
る。例えば、前記溶媒(例えばベンゼン)を用いる場
合、加温用の熱媒の温度は80℃〜150℃に調整する
ことが望ましい。また、減圧度は、生産性や省力化の観
点から、真空として5kPaA以下、好ましくは2.5kPaA
以下に調整される。乾燥時間は特に制限はないが、この
乾燥機の場合、減圧加温乾燥時間は、5時間〜15時間
を要することが一般的である。
【0018】この時、乾燥機内に酸素が存在しない場
合、VME−MAA共重合体の比粘度はまったく低下し
ないが、わずかな酸素(例えば0.5%)でも存在する
と、著しい比粘度の低下が起こることを本発明者は発見
した。その反応機構は明らかになっていないが、定性的
には、酸素分子がVME−MAA共重合体の開裂を行
い、低分子量化が起きているものと考えられる。
【0019】その為、乾燥機で乾燥を行う前に、乾燥機
内を真空ポンプ等を用い、減圧操作を行い、系内の圧力
を例えば1kPaA(Aは絶対圧を示す。)以下、好ましく
は、0.2kPaA以下にする。その後、不活性ガス(窒素
ガス、アルゴンガス等)による置換を、例えば3回から
4回繰り返し、系内から完全に酸素を取り除くことが必
要である。系内の乾燥雰囲気中の酸素濃度(常圧換算)
は、0.1%以下、好ましくは0.05%以下、さらに
好ましくは0.01%以下である。系内の酸素濃度は、
携帯型電極式酸素濃度計を用いる方法、または系内のガ
スをテドラバッグ等にサンプリングし、ガスクロマトグ
ラフィ分析を行う方法等により測定できる。
【0020】乾燥機内の酸素濃度が上記範囲内である時
は、反応で得られた溶液状態のVME−MAA共重合体
の比粘度は、例えば140℃で乾燥したとしても、低下
は起こらない。一方、乾燥機内の酸素濃度が高くなる
程、加熱温度が高くなるほど、加熱時間が長くなるほ
ど、比粘度が対数的に低下する。したがって、これらの
酸素濃度、加熱温度、加熱時間を調整することにより、
加熱による比粘度の低下を防止することができる。
【0021】乾燥機で減圧乾燥を行う場合、フランジ等
の継ぎ目から空気が漏れこまないような設備にする必要
がある。その為、フランジ部のパッキングは高真空に耐
える材質としたり、場合によってはフランジ部を設け
ず、溶接することにより洩れを防止する必要がある。継
ぎ目の部分で空気の漏れ込み防止が困難な場合、継ぎ目
を取り囲む周囲を気密性のボックスで囲い、ボックス内
を窒素雰囲気とすることも出来る。
【0022】空気の漏れ込みテストは、不活性ガス(窒
素ガス、アルゴンガス等)により乾燥機内を例えば10
0〜200kPaG(Gはゲージ圧を示す。)の加圧とし、
10分以上放置後、石鹸水をかけ、発泡状態を観察す
る。通常、石鹸水によるテストでは、10-3〜10-4
ットル・mmHg/sの漏洩流量を検知できるとされてい
る。(出展資料;高圧ガス保安技術/高圧ガス保安協会
出版)
【0023】乾燥工程に続いて、必要に応じて、フレー
ク等への造粒化工程、配合工程、輸送工程、貯蔵工程等
に処せられる。これらの工程においても、加熱温度が6
0℃以上である場合には、酸素濃度は上記乾燥工程の条
件に対応する条件で行われることがよい。VME−MA
A共重合体を粉体以外の製品形状とする場合、例えば単
独で造粒化する場合、又は他のポリマーもしくは添加剤
との混合物をフレーク等に造粒する場合にも、加熱温度
が高いほど低酸素濃度であることが必要である。
【0024】輸送工程、貯蔵工程等においても同様の傾
向がある。例えば、パウダー状態で大気圧の空気と接触
して保存すると、60℃では2日程度で比粘度の低下が
観測され、100℃では12時間で比粘度が半分に低下
する。液体状態で加熱される場合には、さらに酸素濃度
への配慮が必要である。したがって、重合工程以降の工
程において、60℃以上に加熱される場合には、相及び
加熱時間にもよるが、雰囲気中の酸素濃度は常圧換算で
0.1%以下であり、80℃以上では0.05%以下、
100℃以上では0.01%以下にすることが望まし
い。
【0025】逆に上記現象を利用してVME−MAA共
重合体の減成を行い、所望の比粘度のVME−MAA共
重合体を製造することができる。例えば、比粘度5の該
共重合体を大気中で150℃に加熱することにより数時
間で比粘度1の共重合体に減成することができる。一般
に減成に適する条件は酸素濃度(常圧換算)0.5〜3
0%、加熱温度60〜200℃、及び加熱時間0.1〜
48時間である。酸素濃度(常圧換算)が0.5%より
低すぎると減成に時間がかかりすぎ、酸素濃度(常圧換
算)が30%よりあまりに高いと火災などの危険を生じ
る。加熱温度が60℃より余りに低すぎると減成反応時
間がかかりすぎ、200℃より高すぎると着色などが生
じやすい。
【0026】上記のようにして得られた減成体の比粘度
は特に制限はないが、例えば比粘度3〜6のVME−M
AA共重合体を出発原料にして、比粘度0.5〜5のも
のを得ることが可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、本発明では%は体積/体積%のことである。 (実施例1)比粘度4.8のVME−MAA共重合体5
gを30mlのガラスアンプルへ仕込んだ。そのアンプル
に3方コックを取り付け、減圧ポンプを用いて真空状態
とし、窒素ガスで置換し、アンプルを密封して試料アン
プルを作製した。尚、ここで用いた窒素ガスは、ガスク
ロマトグラフィ分析を実施したところ、純度99.9
%、酸素濃度は0%であった。この様にして作製した試
料アンプル3本を、経時変化テストのために恒温槽内で
110℃で、4、8又は12時間保持した後、アンプル
内のVME−MAA共重合体の比粘度を測定した。結果
は第1表に示した。
【0028】(実施例2)実施例1における恒温槽の温
度を140℃とした他は、実施例1と同様にして経時変
化テストを行い、各サンプルの比粘度を測定した。結果
は第1表に示した。
【0029】(参考例1)実施例1における置換ガスを
酸素0.5%、窒素99.5%となるようにガスクロマ
トグラフィ分析で測定しながら調整したガスとした他
は、実施例1と同様にし経時変化テストを行い、各サン
プルの比粘度を測定した。結果を第1表に示した。
【0030】(参考例2)実施例1における置換ガスを
酸素2%、窒素98%となるようにガスクロマトグラフ
ィ分析で測定しながら調整したガスとした他は、実施例
1と同様にし経時変化テストを行い、各サンプルの比粘
度を測定した。結果を第1表に示した。
【0031】(参考例3)実施例1における置換ガスを
酸素21%、窒素79%となるようにガスクロマトグラ
フィ分析で測定しながら調整したガスとした他は、実施
例1と同様にして経時変化テストを行い、各サンプルの
比粘度を測定した。結果を第1表に示した。
【0032】(参考例4)恒温相の温度を120℃とし
た他は、参考例3と同様にして経時変化テストを行い、
各サンプルの比粘度を測定した。結果を第1表に示し
た。
【0033】(参考例5)恒温相の温度を140℃とし
た他は、参考例3と同様にして経時変化テストを行い、
各サンプルの比粘度を測定した。結果を第1表に示し
た。
【0034】また、酸素の実質的に非存在下(検出下限
界酸素濃度0.001%)における110℃、140℃
での加熱時間−比粘度の関係を図1に示す。横軸は時間
(hr)、縦軸は比粘度ηを表す(以下各図共通)。酸
素濃度21%以下における110℃、120℃、140
℃での加熱時間−比粘度の関係を図2に示す。加熱温度
110℃における酸素濃度0.5%、2.0%、21%
での加熱時間−比粘度の関係を図3に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、乾燥工程等におけるV
ME−MAA共重合体の比粘度の低下を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素の実質的に非存在下における110℃、1
40℃での加熱時間−比粘度の関係を示す図である。
【図2】酸素濃度21%以下における110℃、120
℃、140℃での加熱時間−比粘度の関係を示す図であ
る。
【図3】加熱温度110℃における酸素濃度0.5%、
2.0%、21%での加熱時間−比粘度の関係を図3に
示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合工程において、無水マレイン酸およ
    びメチルビニルエーテルを溶媒の存在下に、重合開始剤
    を用いて共重合反応を行い、メチルビニルエーテル−無
    水マレイン酸共重合体を得た後、重合工程以降の工程に
    おける加熱が酸素の実質的に非存在下に行われることを
    特徴とするメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重
    合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合工程以降の工程における加熱が、雰
    囲気中の酸素濃度(常圧換算)0.1%以下で行われる
    ことを特徴とする請求項1に記載のメチルビニルエーテ
    ル−無水マレイン酸共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 重合工程以降の工程における加熱が、不
    活性ガスの雰囲気下に行われることを特徴とする請求項
    1又は2に記載のメチルビニルエーテル−無水マレイン
    酸共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合工程以降の工程における加熱温度が
    60℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載のメチルビニルエーテル−無水マレイン酸共
    重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合工程以降の工程が、脱溶媒工程、乾
    燥工程、及び必要に応じて設けられる造粒化工程、配合
    工程、輸送工程、及び/又は貯蔵工程であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載のメチルビニルエ
    ーテル−無水マレイン酸共重合体の製造方法。
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