JP2002200314A - パチンコ類遊技機の賞球払出経路 - Google Patents

パチンコ類遊技機の賞球払出経路

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Abstract

(57)【要約】 【課題】パチンコ類遊技機内部の賞球払出経路を構成す
る貯留タンク、上皿部及び下皿部におけるパチンコ球の
静電気によるスパーク放電現象の防止を図るものであ
る。 【解決手段】パチンコ球の静電気によるスパーク放電が
起こる貯留タンク、上皿部及び下皿部の3つの部分の各
々における前半部分及び後半部分を定め、前半部分には
パチンコ球が接触する内部に半導電性合成樹脂を設けア
ースし、第1段階の緩やかな除電を行い、後半部分の内
部には導電性部材(金属性)を設けアースし、第2段階
の完全な除電を行うことを特徴としている。本発明によ
り多量の静電気が一気に流れるスパーク放電現象を防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ類遊技機
の賞球払出経路の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】パチンコ類遊技機の外部に設けられた設
備側の球磨き工程や供給過程で発生した静電気がパチン
コ球に帯電するので、遊技機内部に供給される直前の受
渡部である補給シュートから球が離れる際には、静電気
が最大値(数kv)になり、同様に賞球払出装置内部で
も球が払出された際にも起こり、マイクロコンピュータ
ー等を含む種々の電子回路を採用している最近のパチン
コ類遊技機が、この静電気によるノイズにより電子回路
に誤作動を発生させる。
【0003】また、パチンコ類遊技機内部の賞球払出経
路は、成型加工の容易性、軽量化及びコストダウン等の
観点から、合成樹脂により構成されいる。このため、貯
留タンクから賞球経路を流下する際又は賞球払出装置か
ら払い出された球が、賞球払出樋を流下する際のいずれ
か又は両方で、合成樹脂との摩擦による場合にも静電気
が発生し球に帯電し、上記問題を引き起こす。
【0004】そこで、従来技術として以下に例示列挙す
る静電気によるノイズ対策が講じられていた。賞球タン
ク、賞球払出路、下皿にアースを設けたパチンコ機(特
開平11−221319)、上皿内に設けられた金属プ
レートによりアースを行うもの(11−76559特開
平)、上皿出口部に設けられた導電性部材によりアース
を行うもの(特開2000−176131)、下皿内に
設けられた導電性部材によりアースを行うもの(実開平
04−33902)及び下皿出口部に設けられた導電板
によりアースを行うもの(特開2000−51488)
が開示されている。
【0005】しかしながら、これら従来技術の共通の特
徴が、高電位に帯電した球を金属板等の導電性部材を用
いて一気に放電させるものであり、多量の静電気が一瞬
に流れることにより「スパーク放電現象」を引き起こ
し、却って大きな静電気ノイズを発生させてしまう弊害
が依然としてある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記技術の
有する問題点を鑑みて創出されたものであり、その目的
は、パチンコ類遊技機内部の賞球払出経路を構成する貯
留タンク、上皿部及び下皿部における静電気によるスパ
ーク放電現象の防止を図るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、パチンコ類遊技機の賞球払出経路に1
又は2以上の熱可塑性樹脂に導電性物質を混入して通電
が可能である半導電性合成樹脂で構成したものに、アー
スされた導電性部材をその一部に含めるように配設した
ことを特徴とする除電可能である賞球払出経路を提供す
るものである。本発明において、パチンコ球の静電気に
よるスパーク放電が特に起りやすい貯留タンク、上皿部
及び下皿部の3つの部分の各々における前半部分及び後
半部分を定め、前半部分では静電気を帯電したパチンコ
球が半導電性部材に接触し、第1段階の緩やかな除電を
行い、後半部分の内部にはさらに導電性部材を設けアー
スし、第2段階の完全な除電を行うことを特徴としてい
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、半導電性部材と
は熱可塑性樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレン等)又
はゴムに導電性物質(カーボン又は金属繊維その他の導
電性粒子、物質)を混入して通電が可能であるものを用
いる。一般に半導体と定義される体積固有値は「10-2
Ω・cm〜108Ω・cm」の範囲を言うが、本発明におけ
る除電効果は僅かに通電するが本来は絶縁体に分類され
る1010Ω・cmまで除電効果が有効である。これは賞球
払出経路の場合に、大当たり状態で大量の賞球が連続し
て流れる場合を除いて、間欠的に賞球が流れるので、導
体に近い半導体では半導体のコンデンサ効果よりも静電
気リーク(アース)が勝ってしまう。従って、上記事項
を鑑み、一般的な半導体よりも絶縁体に近い半導体を用
い、コンデンサ容量を大きくし且つ静電気リーク(アー
ス)も速やかに行えるようにする必要があるので、本発
明の除電効果の目的が達成されるよう半導電性部材の体
積固有抵抗値を、101Ω・cm〜1010Ω・cmの範囲と
した。この範囲は、導電性物質の混入量の調節をするこ
とにより任意に変更ができる。本半導電性部材は、帯電
した静電気を一気に流さないコンデンサ効果を有するの
で、多量の静電気が一瞬に流れることによる「スパーク
放電現象」を防止することができる。一方、導電性部材
は、真ちゅう、鉄、銅、銀若しくはアルミニウム等の金
属板又はこれらの金属被膜を施した板を用いることで、
静電気を完全な除電を行う。
【0009】本発明においては、賞球払出経路自体を半
導電性部材とすること又はその内側表面にネジ止め若し
くは貼付その他の方法で、半導電性部材を取付けてもよ
い。導電性部材は、取付位置へ同様な方法で配設する。
また、これら半導電性部材及び導電性部材の両方又は導
電性部材は、アース容量を確保したアース線を取付け
て、アース線を一本にまとめて又は各々別に接地位置ま
で確実に結線する。
【0010】構成する貯留タンク、上皿部及び下皿部に
分けて上記の半導電性部材及び導電性部材を取付けるが
以下この構成について順に説明する。従来はこの補給シ
ュート(1)から球が落下して直接に貯留タンクに移動
する構成があるが(図2)、本発明では、パチンコ遊技
機の遊技時に補給シュート(1)と貯留タンク(2)の
間に設置されるように、貯留タンクの上部に新たにアー
スされた板状の半導電性部材(3)を設置し、貯留タン
クに連続した貯留タンクの一部として又は島設備側から
連続した島設備の一部として機能するように構成する。
補給シュートから落下した球は、一旦このアースされた
板状の半導電性部材(3)への接触を介して半導電性で
構成された貯留タンク(2)に移動する(図1,3)。
【0011】従って、補給シュートから静電気の帯電し
た球は、上記貯留タンク(2)の半導電性部材(3)及
び半導電性で構成された貯留タンクと接触することによ
り、第1段階の除電が行われ、この貯留タンク部の構成
により球に帯電した静電気は半減する。次に、貯留タン
ク(2)に移動し貯留されている球は、導電性部材(金
属板)(4)によりアースされているので、第2段階の
除電が行われ、静電気は完全に除去される。
【0012】次に除電可能である上皿部の構成について
説明する。貯留タンク(2)に貯留された球は賞球払出
に伴い、賞球払出装置(5)で球が1個単位までに分離
され賞球払出装置下部の賞球払出樋(6)を流下して、
設定数の球が上皿部に向けて放出される。この場合に、
賞球払出装置(5)から球が分離した瞬間に、球に帯電
した静電気は数kvの値を示すことがある。そこで、賞
球払出装置(5)から放出した球を、上皿部に移動する
過程において、半導電性部材(7)と接触させることに
より第1段階の除電を行い、球に帯電した静電気を半減
させる。次に、上皿部においてアースされた導電性部材
(8)に球が接触することで2段階の除電を行い、帯電
した静電気は完全に除去される。ここで、半導電性部材
及び導電性部材の配設には、以下に例示列挙する配置方
法を採用することにより、静電気が帯電した球を完全に
除電することが可能である。
【0013】賞球払出装置下部の賞球払出樋(6)、上
皿出口部材(9)及び上皿(11)を含めた上皿部(1
3)の全部又はその内側表面を半導電性部材で構成し、
上皿出口部材(9)又は上皿(11)の少なくとも1つ
にアースされた導電性部材(8.18)を球が接触する
内側表面に設けること。
【0014】アースされた半導電性部材(7)を賞球払
出樋(6)の内側表面の全部又は流下した球が主に接触
する賞球払出樋が垂直方向から水平方向への移行部分で
ある賞球払出樋の一部に設け、アースされた導電性部材
(8)を上皿出口部材(9)の球が接触する内側表面の
全部又は一部に設けること(図4)。
【0015】アースされた半導電性部材(10)を上皿
出口部材(9)の内側表面の全部又は一部に設け、アー
スされた導電性部材(18)を上皿(11)の内側表面
に設けること(図5)。この配設では、上皿(11)に
払出された球に静電気が再帯電することが防止が可能と
なる。さらに、アースされた半導電性部材(7)を賞球
払出樋(6)の内側表面の全部又は流下した球が主に接
触する賞球払出樋が垂直方向から水平方向への移行部分
である賞球払出樋の一部に設けるとの先の構成(図4)
に追加してもよく、この場合は半導電性部材(7)によ
る第1段階の除電の機会が増えるので、より緩やかに除
電が行われ、スパーク放電現象の防止策としてさらに有
効となる。
【0016】次に除電可能である下皿部(14)の構成
について説明する。上皿(11)からオーバーフローし
た球は、上下皿連結樋(15)を下皿(12)に流下
し、この流下中に球は上下連結樋(15)との摩擦によ
り再び静電気を帯びることがある。そこで、上記の上皿
部(13)の場合と同様に、半導電性部材と接触させる
ことにより第1段階の除電を行い、球に帯電した静電気
を半減させ、次にアースされた導電性部材に球が接触す
ることで2段階の除電を行い、帯電した静電気は完全に
除去される。以下に例示列挙する配置方法を採用するこ
とにより、下皿部(14)における静電気が帯電した球
を完全に除電することを可能とする。
【0017】上下皿連結樋(15)、下皿出口部材(1
7)、下皿(12)を含めた下皿部(14)の全部又は
その内側表面を半導電性部材で構成し、下皿(12)に
アースされた導電性部材(20)を球が接触する内側表
面に設けること。
【0018】アースされた半導電性部材(16)を下皿
出口部材(17)の内側表面の全部又は一部に設け、ア
ースされた導電性部材(20)を下皿(12)の内側表
面に設けること(図6)。
【0019】アースされた半導電性部材(19.20)
を上下皿連結樋(15)の全部若しくは上下皿連結樋が
垂直方向から水平方向に移行する賞球払出樋の一部分及
び下皿出口部材(17)のいずれか又は両方にを設け
て、下皿(12)にアースされた導電性部材(20)を
設けること。この場合には半導電性部材による第1段階
の除電を複数回行えるので、より緩やかに除電が行える
ので、スパーク放電の防止策としてさらに有効となる。
【0020】次に、上皿(11)が満杯状態になり賞球
払出装置下部の賞球樋(6)まで球がオーバーフローし
た状態における除電について説明する。賞球払出装置
(5)から新たに払い出された球は、賞球払出樋(6)
を流下して上皿(11)に移動し、上皿(11)が満杯
であるので、止まらず直ちに上下皿連結樋(15)を流
下して下皿(12)に移動する(図8)。この場合にお
いて、上述した除電可能である上皿部(13)及び下皿
部(14)を設けているので、ここでの完全に除電され
ている球に、賞球払出装置(5)から新たに払い出され
た除電されていない高電位に帯電した球(21)が接触
することにより、スパーク放電が生ずるという新たな弊
害が生じる可能性がある。
【0021】そこで、賞球払出装置下部の賞球払出樋
(6)の中間部及び上下皿連結樋(15)に以下の構成
を採用することで、上皿満杯時における上記のスパーク
放電を防止する。
【0022】賞球払出装置下部の賞球払出樋(6)及び
上下皿連結樋(15)の中間部に1又は2以上の取付部
(22.23)を設け、アースされた半導電性部材(2
4.25)を配置する。賞球払出装置(5)から新たに
払い出された高電位に帯電した球は流下する間に、賞球
払出樋の中間部に設けられた突起状の半導電性の取付部
(22)に接触し、第1段階の除電が行われ、球に帯電
した静電気は半減し、上皿部(13)でのスパーク放電
が防止できる。さらに、上皿(10)をオーバーフロー
した球は、上下皿連結樋(15)を流下中に再度帯電す
ることがあるが、ここでも中間部に半導電性の取付部
(22)を設けたので、第1段階の除電が行われ、球に
帯電した静電気は半減し、下皿部でのスパーク放電が防
止できる(図9)。従って、半導電性部材と導電性部材
が交互に設けられており、最終的に導電性部材(18)
を配設した下皿(12)で完全に除電され貯留されるの
で、上皿満杯時(図8)における高電位に帯電した球に
よるスパーク現象を防止できる。尚、本構成を採用する
ことは、上述の上皿部(13)及び下皿部(14)の除
電効果にも補助的に寄与でき、さらに有効的な除電効果
を奏することが可能である。
【0023】上記の賞球払出装置下部の賞球払出樋
(6)及び上下皿連結樋(15)の構成に換えて、又は
付加するように、賞球払出装置下部の賞球払出樋(6)
及び上下皿連結樋(15)の全部、若しくはその内側表
面を半導電性部材で構成することが挙げられる。
【0024】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、パチンコ類
遊技機内部の賞球払出経路を2段階による除電を可能と
し、高電位の静電気を緩やかに且つ完全に除電できるパ
チンコ類遊技機内部の貯留タンク、上皿部及び下皿部の
賞球払出経路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパチンコ機の後面全体を示す正面
【図2】従来発明によるパチンコ機の後面に設けられた
貯留タンク部を示す平面図
【図3】本発明によるパチンコ機の後面に設けられた貯
留タンクの上部に板状の半導電性部材を設けた貯留タン
ク部を示す平面図
【図4】アースされた半導電性部材を球が接触する賞球
払出樋内部に設け、且つアースされた導電性部材を上皿
出口部材内部に設けたパチンコ機の後面に配設される上
皿部をを示す平面図
【図5】アースされた半導電性部材を球が接触する上皿
出口部材内部に設け、アースされた導電性部材を上皿内
部に設けたパチンコ機の後面に配設される上皿部をを示
す平面図
【図6】アースされた半導電性部材を球が接触する下皿
出口部材内部に設け、アースされた導電性部材を下皿に
設けたパチンコ機の後面に配設される上皿部を示す平面
【図7】アースされた半導電性部材を球が接触する上下
皿連結樋内部及び下皿出口部材の両方にを設けて、下皿
に導電性部材を設けけたパチンコ機の後面に配設される
上皿部を示す平面図
【図8】上皿満杯時における除電されていない高電位に
帯電した球が上皿部及び下皿部にある除電された球に接
触することを示す平面図
【図9】賞球払出装置下部の賞球払出樋の中間部及び上
下皿連結樋の中間部にの取付部を設け、アースされた半
導電性部材を配置した上皿部及び下皿部を示す平面図
【符号の説明】
1 補給シート 2 貯留タンク 3 貯留タンク上部にある板状半導電性部材 4 貯留タンク内部にある導電性部材 5 賞球払出装置 6 賞球払出装置下部の賞球払出樋 7 賞球払出装置下部の賞球払出樋内側表面に設けら
れた半導電性部材 8 上皿出口部材の内側表面に設けられた導電性部材 9 上皿出口部材 10 上皿出口部材の内側表面に設けられた半導電性部
材 11 上皿 12 下皿 13 上皿部 14 下皿部 15 上下連結樋 16 下皿出口部材の内部に設けられた半導電性部材 17 下皿出口部材 18 上皿の内側表面に設けられた導電性部材 19 上下連結樋内側表面に設けられた半導電性部材 20 下皿の内側表面に設けられた導電性部材 21 静電気に帯電したパチンコ球 22 賞球払出装置下部の賞球払出樋内部に設けられた
取付部 23 上下連結樋内側表面に設けられた取付部 24 賞球払出装置下部の賞球払出樋の取付部に設けら
れた半導電性部材 25 上下連結樋の取付部に設けられた半導電性部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パチンコ類遊技機の賞球払出経路の1又は
    2以上を熱可塑性樹脂に導電性物質を混入して通電可能
    である半導電性合成樹脂で構成した半導電性部材に、ア
    ースされた導電性部材をその一部に含めるように配設し
    たことを特徴とする除電可能である賞球払出経路。
  2. 【請求項2】パチンコ類遊技機の賞球払出経路の1又は
    2以上を熱可塑性樹脂に導電性物質を混入して通電可能
    である半導電性合成樹脂で構成される半導電性部材及び
    アースされた導電性部材を順に配設したことを特徴とす
    る除電可能である賞球払出経路。
  3. 【請求項3】パチンコ類遊技機の遊技時に補給シュート
    からのパチンコ球が接触して、貯留タンクに流下できる
    ように補給シュートと貯留タンクの間に半導電性部材を
    設置し、その一部に導電性部材を含めるように設置した
    請求項1又は2のいずれかに記載の賞球払出経路。
  4. 【請求項4】賞球払出樋を半導電性部材で構成し、上皿
    出口部材の内側表面に導電性部材を設置した請求項1又
    は2のいずれかに記載の賞球払出経路。
  5. 【請求項5】上皿出口部材を半導電性部材で構成し、上
    皿の内側表面に導電性部材を設置した請求項1又は2の
    いずれかに記載の賞球払出経路。
  6. 【請求項6】上下皿連結樋及び下皿出口部材を半導電性
    部材で構成し、下皿の内側表面に導電性部材を設置した
    請求項1又は2のいずれかに記載の賞球払出経路。
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