JP2002198580A - アクチュエータ - Google Patents

アクチュエータ

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JP2002198580A
JP2002198580A JP2000395997A JP2000395997A JP2002198580A JP 2002198580 A JP2002198580 A JP 2002198580A JP 2000395997 A JP2000395997 A JP 2000395997A JP 2000395997 A JP2000395997 A JP 2000395997A JP 2002198580 A JP2002198580 A JP 2002198580A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】荷重変化や温度変化が生じた場合でも、常に積
層型圧電素子の積層方向に予荷重が印加された状態で長
期間駆動させることができる圧電アクチュエータを提供
する。 【解決手段】金属ケース1内に、圧電体5と内部電極7
とを交互に積層してなる積層型圧電素子2を収容し、該
積層型圧電素子2を伸縮させることにより、金属ケース
1を伸縮させるアクチュエータであって、金属ケース1
に、積層型圧電素子2を収容固定するとともに、積層型
圧電素子2の伸縮方向に加重を印可する予荷重印加部1
7と、該予荷重印加部17に隣接して設けられ、積層型
圧電素子2に固定された変位伝達部材19により伸縮変
形する易変形部21とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータに
係わり、例えば、光学装置等の精密位置決め装置や振動
防止用の駆動素子、自動車用エンジンの燃料噴射用の駆
動素子等に使用されるアクチュエータに関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来、圧電体は、電圧を印加することによ
り伸縮する逆圧電効果を有している。しかしながら、圧
電体1枚1枚の伸縮量は微量であることから、圧電体を
複数枚積層して形成した積層型圧電アクチュエータを作
製していた。この積層型圧電アクチュエータは、圧電体
に電圧を印加して数〜数十μm伸長させ、アクチュエー
タの駆動力源とするものである。
【0003】ところで、従来、外気との遮断を行い、耐
湿性の向上、及びオイルや燃料等の異物の侵入を防止す
るため、積層型圧電素子を金属ケース内に収容してアク
チュエータが構成されており、積層型圧電素子の変位を
金属ケースに伝達し、金属ケース自体を変位させること
が行われている。
【0004】このようなアクチュエータとして、特開平
6−283778号公報に開示されるようなものが知ら
れている。この公報に開示されたアクチュエータでは、
積層型圧電素子を金属ケースに封入することにより、外
気との遮断を行い、耐湿性の向上、及びオイルや燃料等
の侵入を防止することができる。
【0005】また、この公報によると、積層型圧電素子
と蛇腹(ダイヤフラム)の内壁との間に、荷重印加保持
手段を設けることにより、積層型圧電素子に変位方向と
逆向きの予荷重が印加されるため、積層型圧電素子に全
く接着剤を使用せず搭載することが可能となり、接着剤
のアウトガスによる腐食などの不具合が発生しない構造
となっている。
【0006】即ち、この公報に開示されたアクチュエー
タでは、蛇腹(ダイヤフラム)が積層型圧電素子への予
荷重の印加、及び変位量の伝達を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−283778号報に開示されたアクチュエータ
では、蛇腹により、積層型圧電素子に予荷重を印加する
とともに、この蛇腹が変形することにより、変位を伝達
していたので、積層型圧電素子を高速で長期間変位させ
ると、経時的に蛇腹が劣化していき、予荷重を印加でき
なくなり、アクチュエータとして機能しなくなるという
問題があった。
【0008】また、このようなアクチュエータでは、積
層型圧電素子に印加された荷重が除去された場合や温度
変化が生じた場合に、金属ケース内の積層型圧電素子に
寸法変化(寸法収縮)が生じるため、組み付け時に印加
された予荷重が設計通りに印加できなくなり、金属ケー
ス内にて積層型圧電素子がフリーな状態となり、金属ケ
ース内にて自由に移動してしまうという問題があった。
【0009】また、この荷重フリーな状態で金属ケース
内にて積層型圧電素子が動き、傾いた状態にてセットさ
れると、片当たりの状態が生じ、この状態で荷重印加や
電圧印加による駆動を行った場合、積層型圧電素子に曲
げ応力が加わり、更に、これが長期に渡ると積層型圧電
素子が破損するという問題があった。
【0010】即ち、本発明者等によれば、積層型圧電素
子は、図4の荷重印加及び荷重除去時の積層型圧電素子
の寸法変化に示すように、積層型圧電素子は印加荷重の
増加に伴い積層方向に収縮しており、この荷重を除去し
た場合、元の寸法(0点)に戻らずに、積層方向の寸法
に収縮が生じることを確認した。
【0011】また、近年、アクチュエータは、その使用
目的から、0℃以下の低温下や、200℃前後の高温下
など、様々な幅広い温度下で使用されるようになってき
ている。このような使用環境下において、図5に示した
雰囲気温度と積層型圧電素子の寸法変化との関係に示す
ように、温度上昇に伴って積層方向の寸法が収縮してい
ることを確認した。
【0012】この現象は、積層型圧電素子に使用される
圧電磁器は、分極処理を施すことによって、電圧を印加
した際に逆圧電効果を生じて伸長しているが、分極処理
を施した圧電磁器は、温度上昇に伴いその材料のキュリ
ー温度に近づくにつれ、分極処理によって1方向に向い
ていたドメインが未分極時の状態に戻っていくために発
生しているためである。
【0013】これらの現象から、上記特開平6−283
778号報に開示されたアクチュエータでは、積層型圧
電素子に印加された荷重が除去された場合や温度変化が
生じた場合に、金属ケース内の積層型圧電素子に寸法変
化(寸法収縮)が生じるため、組み付け時に印加された
予荷重がかからない状態となり、金属ケース内にて積層
型圧電素子がフリーな状態となるという問題があった。
【0014】本発明は、積層型圧電素子を金属ケースに
封入することにより、外気との遮断を行い耐湿性の向
上、及びオイルや燃料の侵入の防止を行なうとともに、
荷重変化や温度変化が生じた場合でも、常に積層型圧電
素子の積層方向に予荷重が印加された状態で長期間駆動
させることができるアクチュエータを提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のアクチュエータ
は、金属ケース内に、圧電体と内部電極とを交互に積層
してなる積層型圧電素子を収容し、該積層型圧電素子を
伸縮させることにより、前記金属ケースを伸縮させるア
クチュエータであって、前記金属ケースに、前記積層型
圧電素子を収容固定するとともに、前記積層型圧電素子
の伸縮方向に荷重を印加する予荷重印加部と、該予荷重
印加部に隣接して設けられ、前記積層型圧電素子に固定
された変位伝達部材により伸縮変形する易変形部とを設
けたことを特徴とする。
【0016】このようなアクチュエータでは、積層型圧
電素子が駆動すると、変位伝達部材により、金属ケース
の易変形部が変位し、積層型圧電素子の伸縮方向に荷重
を印加する予荷重印加部は変位しないため、積層型圧電
素子を駆動しても予荷重印加部は変形せず、予荷重印加
部は長期間の駆動により劣化することがなく、これによ
り、荷重変化や温度変化が生じた場合でも、常に積層型
圧電素子の積層方向に予荷重が印加された状態で変位を
伝達することが可能となる。
【0017】また、本発明のアクチュエータでは、易変
形部は、金属ケースを蛇腹状に形成して構成されている
ことが望ましい。これにより、絞り加工等の塑性加工に
より金属ケースを安価に作製することができるととも
に、金属ケースの易変形部が容易に変形できる。
【0018】さらに、本発明のアクチュエータでは、金
属ケースの易変形部のバネ定数が30〜100kgf/
mmであることが望ましい。これにより、積層型圧電素
子が発生する変位量を低下することなく伝達することが
できるとともに、積層型圧電素子が変位する際に易変形
部から受ける反力による衝撃を小さくできるため、耐久
性を向上できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のアクチュエータは、図1
に示すように、金属ケース1内に積層型圧電素子2を収
容して構成されている。この積層型圧電素子2は、図2
に示すように、圧電体5と内部電極7とを交互に積層し
て構成された素子本体9と、この素子本体9の外面に形
成された一対の外部電極11とから構成されている。
【0020】内部電極2の端部には1層おきに絶縁体1
3が形成され、絶縁体13が形成されていない内部電極
7の端部が、同一の外部電極11に接続されている。
【0021】圧電体5は、例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛Pb(Zr,Ti)O3(以下PZTと略す)或い
は、チタン酸バリウムBaTiO3を主成分とする圧電
セラミック材料などが使用されるが、これらに限定され
るものではなく、圧電性を有するセラミックスであれば
何れでも良い。
【0022】なお、この圧電体5材料としては、圧電歪
み定数d33が高いものが望ましい。また、圧電体5の厚
み、つまり内部電極7間の距離は、小型化および高い電
界を印加するという点から0.05〜0.25mmであ
ることが望ましい。
【0023】内部電極7は、素子本体9の全ての側面に
露出しているが、そのうち2つの側面において、内部電
極2端部を含む圧電体5の端部1層おきに溝が形成さ
れ、該溝部にガラス、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリアミドイミド樹脂、シリコーンゴム等の絶縁体13
が充填されている。なお、絶縁体13は低ヤング率の材
質、例えばシリコーンゴム等が好ましい。
【0024】このように、内部電極7は互い違いに1層
おきに絶縁され、絶縁されていない内部電極7の他方の
端面は、予め素子本体9の側面に塗布しておいた導電性
耐熱接着剤に導電性部材を密着させた状態で、熱硬化性
導電性接着剤を塗布し加熱硬化させることにより、外部
電極11を形成することができる。
【0025】また、素子本体9の積層方向の両端面に
は、素子本体9を機械的に保持し、発生する力を外部へ
伝達するための不活性部14が積層され、接合されてい
る。
【0026】金属ケース1は、断面が円柱状のケース本
体1aと、このケース本体1aの下端に嵌入されたベー
ス部材1bと、ケース本体1aの上面に配置された上端
封止部材1cとから構成され、内部の積層型圧電素子2
が気密に収納されている。
【0027】ベース部材1bには積層型圧電素子2が固
定されており、また、ベース部材1bには、一対のハー
メチックリードピン15が設けられており、これらのハ
ーメチックリードピン15の一端は、ベース部材1bに
固定された積層型圧電素子2の外部電極11にそれぞれ
接続されている。
【0028】そして、本発明のアクチュエータでは、図
1に示すように、金属ケース1には、積層型圧電素子2
が収容固定され、積層型圧電素子2に伸縮方向(圧電体
の積層方向)に荷重を印加する予荷重印加部17と、こ
の予荷重印加部17の上部に設けられ、積層型圧電素子
2に固定された変位伝達部材19により伸縮変形する易
変形部21とが設けられている。
【0029】即ち、予荷重印加部17は、ケース本体1
aの内周に嵌合する荷重印加リング23と、この荷重印
加リング23の下面に当接し、積層型圧電素子2を下方
に押圧するバネ部材25とから構成され、荷重印加リン
グ23を反力として、バネ部材25により、積層型圧電
素子2が、ベース部材1b側に押圧されている。
【0030】易変形部21は、上端が上端封止部材1c
に当接するピンからなる変位伝達部材19を有してお
り、下端が荷重印加リング23を挿通し、積層型圧電素
子2の上面に当接している。また、易変形部材21にお
けるケース本体1aは蛇腹状に形成されている。これに
より、絞り加工等の塑性加工によりケース本体1aを安
価に作製することができるとともに、ケース本体1aの
易変形部21が容易に変形できる。
【0031】易変形部21は、厚み0.1〜0.4mm
のSUS304やSUS401Lなどの金属製円筒を絞
り加工等の塑性加工することにより得られる。尚、本発
明では、ケース本体1a全体が上記材料から構成されて
いる。
【0032】また、金属ケース1の易変形部21のバネ
定数は30〜100kgf/mmとされている。易変形
部21のバネ定数は、図3に示すバネ定数と積層型圧電
素子の変位量との関係から理解されるように、予荷重印
加用のバネ部材25のバネ定数が高くなるに伴い、積層
型圧電素子の変位量が低下しているため、積層型圧電素
子2の変位を低下させることなく伝達するために、30
〜100kgf/mmであることが望ましい。
【0033】また、積層型圧電素子2が変位する際、易
変形部21の反力による衝撃が積層型圧電素子2に加わ
り、特に電圧のパルス印加による連続駆動などでは、こ
の衝撃が繰り返し印加されるため、積層型圧電素子2の
耐久性を向上させるため、バネ定数は、特に30〜60
kgf/mmが望ましい。そして、易変形部21のバネ
定数がバネ部材25より大きくなると、積層型圧電素子
2の発生する変位が、この易変形部21により拘束さ
れ、変位が低下するため、易変形部21のバネ定数は、
バネ部材25のよりも小さいことが望ましい。
【0034】さらに、予荷重印加部17にはSUS等の
金属製荷重印加用リング23がレーザー溶接など方法で
溶接されており、コイルバネや皿バネなどのバネ部材2
5を荷重印加用リング25で押すことにより積層型圧電
素子2に荷重印加を行なっているため、このバネ部材2
5のバネ定数も易変形部21のバネ定数と同様に、積層
型圧電素子2の変位を低下させることがないように、3
0〜100kgf/mmが望ましい。
【0035】積層型圧電素子2の封止に用いた、ケース
本体1a、荷重印加用リング23、ベース部材1b、及
び上端封止部材1cは、レーザー溶接などによりそれぞ
れ溶接されている。この際、各部材が異種材の場合、各
部材の線膨張差の影響により、溶接後の冷却時に溶接部
にクラックが生じるため、気密封止が困難となるため、
これらの部材は同材質とすることが望ましい。
【0036】本発明の圧電アクチュエータは以下のよう
にして作製される。積層型圧電素子は、先ず、チタン酸
ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3などの圧電体セラ
ミックスの仮焼粉末と、有機高分子からなるバインダー
と、可塑剤とを混合したスラリーを作製し、スリップキ
ャステイング法により、厚み50〜250μmのセラミ
ックグリーンシートを作製する。
【0037】このグリーンシートの片面に内部電極7と
なる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストをス
クリーン印刷法により1〜10μmの厚みに印刷する。
この導電性ペーストを乾燥させた後、導電性ペーストが
塗布された複数のグリーンシートを所定の枚数だけ積層
し、この積層体の積層方向の両端部に、導電性ペースト
が塗布されていないグリーンシートを積層する。
【0038】次に、この積層体を50〜200℃で加熱
を行いながら加圧を行い、積層体を一体化する。一体化
された積層体は所定の大きさに切断された後、400〜
800℃で5〜40時間、脱バインダが行われ、900
〜1200℃で2〜5時間の本焼成が行われ、素子本体
9となる積層焼結体を得る。この素子本体9の側面に
は、内部電極7の端部が露出している。
【0039】その後、素子本体9の2つの側面におい
て、内部電極7端部を含む圧電体5の端部に該2側面に
おいて互い違いになるように、1層おきに深さ50〜5
00μm、積層方向の幅50〜300μmの溝を形成
し、該溝部にシリコーンゴム等の絶縁体3を充填する。
【0040】このあと、素子本体9の側面において内部
電極7は互い違いに1層おきに絶縁されており、この素
子本体9の側面に外部電極ペーストを塗布し、乾燥して
外部電極11を形成し、積層型圧電素子2の外周面にデ
イッピング等の方法により、シリコーンゴムを被覆す
る。その後、外部電極11に0.1〜3kVの分極電圧
を印加し、積層型圧電素子2全体を分極処理すること
で、最終的な積層型圧電素子2を得る。
【0041】この様にして得られた積層型圧電素子2
を、接着剤を用いてベース部材1bに固定した後、積層
型圧電素子2の外部電極11とハーメチックリードピン
15とを半田などで接続する。次に、凸形状の変位伝達
部材19に皿バネなどのバネ部材25をセットし、積層
型圧電素子2の上端に乗せ、荷重印加用リング23がレ
ーザー溶接などの方法で溶接されたケース本体1aを被
せ、加圧用プレス器にて50〜150kgfの予荷重を
印加した状態にて、ケース本体1aの下端部とベース部
材1bとをレーザー溶接などの方法で溶接する。その
後、上端封止部材1cをケース本体1aの上面に乗せ変
位伝達部材19が上端封止部材1cに接触するように加
圧用プレス器にて荷重5〜20kgfを印加し、レーザ
ー溶接等の方法で溶接することにより、本発明のアクチ
ュエータを作製できる。
【0042】
【実施例】チタン酸ジルコン酸鉛Pb(Zr,Ti)O
3などの圧電体セラミックスの仮焼粉末と、有機高分子
からなるバインダーと、可塑剤とを混合したスラリーを
作製し、スリップキャステイング法により、厚み150
μmのセラミックグリーンシートを作製した。
【0043】このグリーンシートの片面に内部電極7と
なる銀−パラジウムを主成分とする導電性ペーストをス
クリーン印刷法により5μmの厚みに印刷し、導電性ペ
ーストを乾燥させた後、導電性ペーストが塗布された複
数のグリーンシートを400枚積層し、この積層体の積
層方向の両端部に、導電性ペーストが塗布されていない
グリーンシートを10枚積層した。
【0044】次に、この積層体を100℃で加熱を行い
ながら加圧を行い、積層体を一体し、10mm×10m
mの大きさに切断した後、800℃で10時間の脱バイ
ンダを行い、1100℃で2時間の本焼成を行ない素子
本体9となる積層焼結体を得た。
【0045】その後、素子本体9の2つの側面におい
て、内部電極7端部を含む圧電体5の端部に該2側面に
おいて互い違いになるように、1層おきに深さ100μ
m、積層方向の幅50μmの溝を形成し、絶縁体13を
充填した。この後、絶縁されていない内部電極7の他方
の端面は、予め塗布しておいた導電性耐熱接着剤に厚み
0.5mmの導電性部材の銀箔を密着させた状態で20
0℃で加熱し、加熱硬化させることにより、外部電極1
1を形成し、この後、積層型圧電素子の外周面にデイッ
ピング法により、シリコーンゴムを被覆した後、1kV
の分極電圧を印加し、素子全体を分極処理して積層型圧
電素子2を作製した。
【0046】この積層型圧電素子とSUS304製のベ
ース部材1bをエポキシ樹脂にて接着した後、ハーメチ
ックリードピン15と外部電極11を半田にて接続し
た。次に、荷重印加部のバネ定数が50kgf/mmと
なるように3直列に並べたJISH4の皿バネを、交互
に重ねて4並列に設定し、これを変位伝達部材19に乗
せた後、積層型圧電素子2上部へ置いた。
【0047】SUS304製の厚み0.15mmの円筒
を絞り加工にて、バネ定数が30kgf/mmとなるよ
うに易変形部21を形成し、SUS304製の荷重印加
用リング23をレーザー溶接して作製したケース本体1
aを被せ、加圧用プレス器予荷重50kgfを印加し
て、レーザー溶接器にて溶接した。
【0048】この後、上端封止部材1cをケース本体1
aに乗せ、変位伝達部材19が上端封止部材1cに接触
するように加圧用プレス器にて荷重5kgfを印加し、
レーザー溶接し、積層型圧電素子を気密封止して、本発
明のアクチュエータを作製した。
【0049】また、比較の為に、バネ定数30kgfの
蛇腹部を形成した金属ケース内に積層型圧電素子2を収
容し、蛇腹部を用いて予荷重印加を行う従来の特開平6
−283778号報に開示されたアクチュエータを作製
した。尚、上端封止部材を溶接する際、5kgfの荷重
を印加してレーザー溶接を行った。
【0050】まず、これらの変位特性を比較するため
に、印加電圧0〜200Vにて電圧・変位特性を測定し
た結果、両アクチュエータともに、変位量40μmを発
生しており、変位特性に差がないことが分かった。
【0051】次に、耐久性を比較するために、雰囲気温
度100℃、湿度90%下で、0Vから+200Vの直
流電界を50Hzの周波数にて印加する耐久試験を行っ
た。その結果、本発明品は変位量40μmで1×109
回でも問題無く駆動するのを確認した。また、耐久試験
終了後に、金属ケース外観を観察した結果、長期駆動に
よるクラック等の発生がなく、易駆動部、及び予荷重印
加部共に劣化がないことを確認した。
【0052】また、比較用のアクチュエータータでは、
1×107回にて駆動しなくなった。この積層型圧電ア
クチュエータを分解し、封止した積層型圧電素子を観察
した結果、不活性部近傍より、クラックが生じ、この部
位を起点に両極間にてショートしているのが確認され
た。この不活性部近傍のクラックは、温度上昇に伴なう
積層型圧電素子の寸法変化により、金属ケース内にて積
層型圧電素子が片当たりの状態となり、曲げの応力が生
じたために発生した。
【0053】また、特開平6−283778号報に開示
されたアクチュエータにて、長期間駆動による易駆動部
21の劣化がないか確認するために、寸法変化が生じて
も位置ズレが発生しないように、蛇腹部を用いて予荷重
50kgfを印加し、レーザー溶接を行い、比較用アク
チュエータを作製した。このアクチュエータを雰囲気温
度100℃、湿度90%下で、0Vから+200Vの直
流電界を50Hzの周波数にて印加する耐久試験を行っ
た。
【0054】その結果、変位量40μmで1×109
でも問題無く駆動するのを確認したものの、蛇腹部外観
を観察した結果、クラックが発生しているのを確認し
た。これは、蛇腹部を用いて予荷重50kgfを印加し
たために、長期駆動による蛇腹部の劣化が促進されたた
めと考えられる。この結果から、本発明品は、金属ケー
スに予荷重印加部と易変形部を分けて設けていることか
ら、長期間駆動においても、金属ケースの劣化がなく、
耐久性に優れていることが判る。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のアクチュエ
ータでは、金属ケースに、積層型圧電素子に伸縮方向に
荷重を印可する予荷重印加部と、該予荷重印加部に隣接
して設けられ、積層型圧電素子に固定された変位伝達部
材により伸縮変形する易変形部とを設けたので、金属ケ
ースの易変形部が変位し、積層型圧電素子の伸縮方向に
荷重を印可する予荷重印加部は変位しないため、積層型
圧電素子の駆動しても予荷重印加部は変形しないため、
予荷重印加部は長期間の駆動により劣化することがな
く、これにより、荷重変化や温度変化が生じた場合で
も、常に積層型圧電素子の積層方向に予荷重が印加され
た状態で変位を伝達することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアクチュエータを示す縦断面図であ
る。
【図2】積層型圧電素子の一例を示す斜視図である。
【図3】バネ定数と積層型圧電素子の変位量の関係を示
すグラフである。
【図4】荷重印加及び荷重除去時の積層型圧電素子の寸
法変化を示すグラフである。
【図5】雰囲気温度と積層型圧電素子の寸法変化の関係
を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・金属ケース 2・・・積層型圧電素子 5・・・圧電体 7・・・内部電極 11・・・外部電極 17・・・予荷重印加部 19・・・変位伝達部材 21・・・易変形部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属ケース内に、圧電体と内部電極とを交
    互に積層してなる積層型圧電素子を収容し、該積層型圧
    電素子を伸縮させることにより、前記金属ケースを伸縮
    させるアクチュエータであって、前記金属ケースに、前
    記積層型圧電素子を収容固定するとともに、前記積層型
    圧電素子の伸縮方向に荷重を印加する予荷重印加部と、
    該予荷重印加部に隣接して設けられ、前記積層型圧電素
    子に固定された変位伝達部材により伸縮変形する易変形
    部とを設けたことを特徴とするアクチュエータ。
  2. 【請求項2】易変形部は、金属ケースを蛇腹状に形成し
    て構成されていることを特徴とする請求項1項記載のア
    クチュエータ。
  3. 【請求項3】金属ケースの易変形部のバネ定数が30〜
    100kgf/mmであることを特徴とする請求項1ま
    たは2項記載のアクチュエータ。
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