JP2002198533A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP2002198533A JP2001344989A JP2001344989A JP2002198533A JP 2002198533 A JP2002198533 A JP 2002198533A JP 2001344989 A JP2001344989 A JP 2001344989A JP 2001344989 A JP2001344989 A JP 2001344989A JP 2002198533 A JP2002198533 A JP 2002198533A
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政勝 鈴木
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリアの移動度が高く、結晶欠陥が少ない
チャネルを有する電界効果トランジスタを備えた半導体
装置を提供する。 【解決手段】 Si基板10上のNMOSトランジスタ
において、Si層13n、SiGeC層14nとが形成
されている。このSiGeC層14nとSi層13nと
のヘテロ界面に存在する伝導帯の不連続部を利用したキ
ャリア蓄積層が形成されており、このキャリア蓄積層を
チャネルとして電子が走行する。SiGeC層14nは
シリコンに比べて電子の移動度が大きく、NMOSトラ
ンジスタの動作速度も大きくなる。PMOSトランジス
タの正孔が走行するチャネルは、SiGe層15pとS
i層17pとの界面に生じる価電子帯の不連続部を利用
して形成されている。SiGe層もSi層に比べて正孔
の移動度が大きく、このPMOSトランジスタの動作速
度も大きくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置に関
し、特に、SiGeC層あるいはSiGe層を用いたヘ
テロ接合の電界効果型トランジスタを備えた半導体装置
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高集積化が進行しつ
つあるが、MOS型トランジスタの微細化もゲート長が
0.1μmを下回るような超微細化領域においては、短
チャンネル効果の影響や抵抗成分の増大などにより、電
流駆動能力が飽和するなど、これまでのような性能向上
を見込めないことが予想されている。特に、微細MOS
トランジスタの高駆動力化のためには、チャネルのキャ
リア移動度の向上や、ソース・ドレイン電極のコンタク
トの低抵抗化が重要である。
【0003】そこで、シリコン基板上に形成される単一
組成のSiを用いた相補型半導体装置(CMOSデバイ
ス)に代わって、Si/SiGe系(IV族混晶)による
ヘテロ構造CMOSデバイス(Heterostructure CMO
S:以下、HCMOSデバイスと略する)の提案がされ
ている。これは、チャネルとしてSi/Si02 界面で
はなくバンドギャップが相異なる2種類の半導体による
ヘテロ接合体の界面を利用するものである。このような
Siよりも高いキャリア移動度を与えるSi/SiGe
系を用いることにより、より高速の素子を実現できると
期待されている。このSi/SiGe系では、組成の制
御によりSi基板上に所望の歪量とバンドギャップ値と
を有するエピタキシャル成長層を形成することが可能で
ある。IBM社のIsmail は、Si/SiGe系系のH
CMOSデバイスによる特性向上についての基礎実験を
している(K. Ismail, "Si/SiGe High Speed Field-Eff
ect Transistors", IEDM Tech. Dig. 1995, p509. 及
びM.A. Armstrong et al, "Design of Si/SiGe Hetroju
nction Complementary Metal-Oxide-SemiconductorTran
sistors" IEDM Tech. Dig. 1995, p761.を参照)。
【0004】図15は、このHCMOSデバイスの一例
を示す断面図である。同図に示すように、Si基板10
1の一部には、ソース・ドレイン領域109と、ゲート
絶縁膜107及びその上にゲート電極110とにより構
成される電界効果型トランジスタが設けられている。そ
して、ゲート電極110の下方におけるソース領域−ド
レイン領域間のいわゆるチャネル領域には、SiGeバ
ッファ層102と、δドープ層115と、スペーサ層1
03と、i−Si層104と、i−SiGe層105
と、i−Si層106とが形成されている。これらの領
域において、SiGeバッファ層102は、i−Si層
104とi−SiGe層105との間にn−チャネル層
112を形成するために、i−Si層104に引っ張り
歪みを与えるものである。このSiGeバッファ層10
2において、Si基板101の直上ではGe組成比が0
%となり、最上ではGe組成比が30%となるように、
段階的に組成比が変更されている。
【0005】ここで、負バイアスが印加されると、i−
Si層104において、下方のSiGeバッファ層10
2とのヘテロ界面にn−チャネル層112が形成され
る。δドープ層115は、上方に形成されるn−チャネ
ル層112にキャリアである電子を供給するものであ
る。また、スペーサー層103は、下方に形成されたδ
ドープ層115のイオンと上方のn−チャネル層112
とを空間的に分離し、キャリアのイオン散乱による移動
度の低下を防止するものである。
【0006】また、正バイアスが印加されると、i−S
iGe層105において、上方のi−Si層106との
ヘテロ界面にはp−チャネル層111が形成される。ゲ
ート絶縁膜107は、ゲート電極110とp−チャネル
層111とを絶縁するためのものである。
【0007】上述のように、ヘテロ電界効果トランジス
タにおいては、バンドギャップの異なる2種類の半導体
層間のヘテロ界面にチャネルを形成することが特徴であ
る。従って、チャネル形成のために必然的にバンドギャ
ップの異なる少なくとも2種類の半導体層が存在する。
加えて、半導体層中に電子又は正孔が高速で移動するた
めのチャンネルを形成するには、ヘテロ界面に伝導帯又
は価電子帯の不連続部を有することが必要となる。上述
のSi/SiGe系では、正孔についてはSiGe層1
05がi−Si層106に対して価電子帯における不連
続部を有するため、正孔用のチャネルが形成される(図
15の左方部分参照)。しかし、伝導帯には不連続部が
ほとんどないので、電子用のチャネルを形成するため
に、i−Si層104に引っ張り歪を印加することによ
り、i−SiGe層105とのヘテロ界面に伝導帯の不
連続部を形成している(図15の右方部分参照)。
【0008】このような構造をもつHCMOSデバイス
は、Si/Si02 によるチャネルを使用する従来のC
MOSデバイスに比べ、同じ加工寸法で2倍の高速度動
作を半分の消費電力で実現できることがシミュレーショ
ンの結果から予想されている。すなわち、Si半導体と
SiGe混晶を組み合わせることによりヘテロ界面を形
成し、高移動度チャネルを形成した半導体素子であっ
て、ヘテロ接合を利用する素子の高速動作と、MOSデ
バイスの大規模集積性を両立する素子として非常に注目
を集めている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようなSiGeなどのIV族混晶を利用するヘテロデバイ
スは従来のCMOSデバイスの性能限界を克服する方法
として大いに期待されているが、SiGeに代表される
IV族混晶を用いるヘテロ電界効果トランジスタは、その
製造の難しさから同じSiGe混晶を用いたヘテロデバ
イスであるヘテロバイポーラトランジスタに比べ研究開
発が遅れており、まだその期待される性能を十分発揮し
うる構造および製造方法の検討が十分に行われていると
はいえない。また、ヘテロ電界効果トランジスタの中で
も、上述のようなゲート電極と半導体層の間に絶縁膜を
有するいわゆるヘテロMOS構造の場合、SiGe層内
には安定で良好な絶縁膜を形成できないため、ゲート絶
縁膜としてSi02 からなる酸化膜を使用する。従っ
て、ゲート絶縁膜の直下は必ずSi層である必要がある
が、SiはSiGeに比べ必ずバンドギャップが大きい
という特徴をもっている。
【0010】そのために、上記従来のHCMOSデバイ
スの構造においては、以下のような問題があった。
【0011】第1に、上述のように、Si基板101上
に電子のチャネルを形成するために、i−Si層104
に引っ張り歪を印加して、Si/SiGeヘテロ界面に
バンド不連続を形成している。しかし、格子定数を変化
させることから、格子緩和による転位の導入を伴う。
【0012】図16は、SiGeバッファ層102とそ
の上のi−Si層104とを抜き出して示す断面図であ
る。i−Si層104は、SiGeバッファ層102よ
りも格子定数が小さいことから、結晶成長した段階で引
っ張り歪みが蓄積されている。この歪みの蓄積が大きく
なると、同図に示すように、i−Si層104に転位が
入ってしまう。このように、i−Si層104とSiG
eバッファ層102との間における格子不整合歪による
転位や欠陥の導入は避けられない。したがって、この結
晶を利用した素子の初期特性はともかく、信頼性や寿命
の観点からは、転位の増殖などによる特性劣化の影響が
でてくると考えられる。
【0013】また、Si基板101上にSiより格子定
数の大きなSiGeからなるSiGeバッファ層102
を積層し、その上に成長するi−Si層104に引っ張
り歪を蓄積させているが、SiGeバッファ層102の
膜厚を大きくしていくと、その間にSiGeバッファ層
102の格子定数がSiの格子定数から本来のSiGe
の格子定数に変化する臨界膜厚を超えるため、格子緩和
が生じSiGeバッファ層102にも転位等の欠陥が導
入される。
【0014】これらの欠陥は、素子の初期特性への影響
は少ない場合もあるが、長期的な信頼性や寿命という観
点からは、重大な問題を引き起こすおそれがある。すな
わち、電流による欠陥の増殖や、金属や不純物の欠陥を
介在した拡散による劣化が生じ、信頼性の低下を招くお
それがある。
【0015】本発明の第1の目的は、HCMOSデバイ
スのゲート下方のチャネル領域における構造としてキャ
リア蓄積層を形成しうるバンド不連続部を有しながら格
子整合又はほぼ格子整合したヘテロ接合体を利用するこ
とにより、キャリアの移動度が高くかつ信頼性の高い半
導体装置を提供することにある。
【0016】第2に、SiGeに代表されるIV族混晶を
用いたヘテロ電界効果デバイスは、従来の微細CMOS
デバイスの性能限界を克服する素子構造として有効な技
術であるが、現時点ではチャネル移動度の向上の研究に
比べ、ソース・ドレイン電極のコンタクトの最適化の検
討はさらに不十分であり、その高移動度を十分生かしき
る構造になっているとはいえない。上述のIBM社によ
るヘテロCMOSデバイスの技術も、チャネル領域の移
動度向上については詳細な検討が行われているが、微細
トランジスタの性能向上に重要なもう一つの要素である
ソース・ドレイン電極のコンタクトの低抵抗化について
はほとんど検討がなされていない。
【0017】すなわち、Si単結晶を用いたCMOSデ
バイス構造においては、ソース・ドレイン電極に接続さ
れる基板側のコンタクト領域の構造についてはさまざま
な検討が為されているが、一般的なCMOSデバイスに
おける最適なコンタクト領域の構造および形成方法が、
素子構造が異なるヘテロ電界効果デバイスにおいても最
良であるかどうかは検討が必要である。
【0018】本発明の第2の目的は、ヘテロ電界効果デ
バイスの優れた特性を損ねることなく小さなコンタクト
抵抗を発揮しうるコンタクト領域を有する半導体装置及
びその製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の半導体装
置は、半導体基板の一部に形成され、ゲート電極とソー
ス・ドレイン領域と該ソース・ドレイン領域間のチャネ
ル領域とを有する電界効果トランジスタを備えている半
導体装置であって、上記チャネル領域には、Si層と、
上記Si層に接して形成され、Cの組成比yが0.01
〜0.03であるSi1-x-y Gex y 層(0≦x≦
1,0<y≦1)とが設けられていて、Si1-x-y Ge
x y 層内における上記Si層に近接した領域にはキャ
リア蓄積層が形成されている。
【0020】これにより、Cの組成比yが0.01〜
0.03であるSi1-x-y Gex y層とSi層との界
面には、キャリアを2次元的に閉じこめるキャリア蓄積
層を形成するのに必要なバンド不連続部を形成すること
が可能である。そして、このキャリア蓄積層がチャネル
として機能するので、Si層よりも大きなキャリア移動
度を与えるSi1-x-y Gex y 層をチャネルとする動
作速度の大きい電界効果型トランジスタが得られる。し
かも、Si1-x-y Gex y 層とSi層との間では、格
子不整合がなくなりあるいは極めてわずかになるように
制御できるので、格子歪を0あるいはほとんどないよう
に調整でき、Si1-x-y Gex y 層に結晶欠陥が入ら
ないように構成することが可能である。したがって、高
い信頼性を有する半導体装置を得ることができる。
【0021】上記Si1-x-y Gex y 層の各元素の組
成比を、上記Si1-x-y Gex y層と上記Si層とが
格子整合する組成比に調整しておくことができる。
【0022】これにより、格子不整合に起因する歪のな
いSi1-x-y Gex y 層内にチャネルが形成されるの
で、極めて高い信頼性を有する半導体装置が得られるこ
とになる。
【0023】上記Si1-x-y Gex y 層を、上記Si
層よりも小さい格子定数を有し、かつ格子緩和を生じな
い膜厚を有するものとすることができる。
【0024】これにより、Si1-x-y Gex y 層には
引っ張り歪みが加わるために、Si層とのバンドの不連
続量を大きくすることができ、キャリアの閉じこめ効率
が向上する。
【0025】上記半導体基板上に形成され、単一組成の
半導体層をチャネル領域とするMOSトランジスタをさ
らに備えることができる。
【0026】上記キャリア蓄積層に蓄積されるキャリア
を負のキャリアとすることができる。
【0027】上記Si層内の上記Si1-x-y Gex y
層に近接した領域に、上記キャリア蓄積層にキャリアを
供給するためのキャリア供給層を設けておくことが好ま
しい。
【0028】本発明の第2の半導体装置は、半導体基板
上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ
を備えた半導体装置であって、上記電界効果トランジス
タは、Si1-x-y Gex y 層(0≦x≦1,0≦y≦
1)を含む第1の半導体層、上記第1の半導体層とはバ
ンドギャップの異なる半導体により構成される第2の半
導体層、及び上記第1,第2の半導体層の間の界面付近
の領域に形成されたキャリア蓄積層を有するチャネル領
域と、第3の半導体層及び該第3の半導体層よりもバン
ドギャップの大きい半導体で構成される第4の半導体層
を有するソース・ドレイン領域と、上記第3の半導体層
の直上に形成された低抵抗の導体膜からなるソース・ド
レインコンタクト層とを備えている。
【0029】これにより、ヘテロ接合を利用したキャリ
ア移動の高いつまり動作速度の高い電界効果トランジス
タにおけるソース・ドレイン領域へのコンタクト抵抗を
低減することが可能になる。
【0030】上記第1の半導体層と上記第3の半導体層
とを共通の第1の半導体膜により構成し、上記第2の半
導体層と上記第4の半導体層とを共通の第2の半導体膜
により構成し、上記第2の半導体膜を上記第1の半導体
膜の上に形成しておくことができる。
【0031】上記第1の半導体層と上記第3の半導体層
とを互いに異なる半導体膜により構成し、上記第3の半
導体層を上記第1の半導体層の上方に形成しておき、上
記第4の半導体層を、上記第3の半導体層の上に形成し
ておくことができる。
【0032】本発明の半導体装置の製造方法は、Si
1-x-y Gex y 層(0≦x≦1,0≦y≦1)を含む
第1の半導体層と、上記第1の半導体層とは異なるバン
ドギャップを有する第2の半導体層と、上記第1,第2
の半導体層の間の界面付近の領域に形成されたチャネル
となるキャリア蓄積層とを有し、電界効果トランジスタ
として機能する半導体装置の製造方法であって、半導体
基板の電界効果トランジスタ形成領域に、第3の半導体
層と、該第3の半導体層よりも大きいバンドギャップを
有する第4の半導体層とを順次形成する第1の工程と、
上記第4の半導体層の上方に導体膜を堆積した後、該導
体膜をパターニングしてゲート電極を形成する第2の工
程と、上記ゲート電極の両側方に位置する上記電界効果
型トランジスタ形成領域に少なくとも上記キャリア蓄積
層に達する深さまで不純物を導入して、ソース・ドレイ
ン領域を形成する第3の工程と、上記ソース・ドレイン
領域における上記第4の半導体層を、少なくとも上記第
3の半導体層が露出するまでエッチングにより除去する
第4の工程と、上記第3の半導体層の露出した面上に低
抵抗の導体膜からなるソース・ドレインコンタクト層を
形成する第5の工程とを備えている。
【0033】この方法により、上述の構造を有する半導
体装置が容易に形成されることになる。
【0034】上記第1の工程は、上記第1及び第3の半
導体層を共通の第1の半導体膜で構成し、上記第2及び
第4の半導体層を共通の第2の半導体膜で構成するよう
に行うことができる。
【0035】上記第1の工程の前に、上記第1及び第2
の半導体層を形成する工程をさらに備え、上記第1の工
程は、上記第1の半導体層の上方に第3の半導体層を形
成するように行うことができる。
【0036】上記第4の工程は、上記第3の半導体層と
上記第4の半導体層とに対するエッチング選択比の高い
エッチング条件で行うことが好ましい。
【0037】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)第1の実施形
態に係るHCMOSデバイスは、SiGe/Si系にC
を添加してなるSiGeCの3元混晶系を用い、このS
iGeC層とSi層とをほぼ格子整合させ、バンドギャ
ップエネルギーの差異からヘテロ界面にバンド不連続部
を形成する電界効果トランジスタである。
【0038】図1は、第1の実施形態に係るHCMOS
デバイスの構造を示す断面図である。同図に示すよう
に、シリコン基板10上には、NMOSトランジスタと
PMOSトランジスタとが形成されているが、まず、N
MOSトランジスタの構造から説明する。
【0039】NMOSトランジスタにおいて、Si基板
10上にはpウェル11(高濃度p型シリコン層)が形
成されており、さらにその上に、V族元素が高濃度にド
ーピングされたδドープ層及びスペーサー層を有するS
i層13nと、SiGeC層14n(Cの組成率は1
%、Geの組成率は8.2%)とが順次形成されてい
る。後述するように、このSiGeC層14nにおける
各元素の組成比は、SiGeC層14nとその直下のS
i層13nとが格子整合する値となっている。
【0040】このSiGeC層14nとSi層13nと
のヘテロ界面には、図1の右方部分に示すように、バン
ドオフセット値ΔEc を有する伝導帯Ecのバンド不連
続部が存在しており、このバンド不連続部に負のキャリ
アである電子を2次元電子ガス(2DEG)として閉じ
こめるためのキャリア蓄積層が形成される。そして、こ
のSiGeC層14n側の界面付近に形成されたキャリ
ア蓄積層が電子が高速で走行するチャネルとなる。Si
GeC層14n内では、Si層内に比べて電子の移動度
が大きく、このNMOSトランジスタの動作速度も大き
くすることができる。
【0041】さらに、このSiGeC層14nの上に、
SiGe層15n(Geの組成率は30%、Siの組成
率は70%)と、Si層17nとが順次形成され、さら
に表面には、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜19
nが形成されている。このゲート絶縁膜19nの下には
Si層17nが存在しているために、Si層17nの表
面を酸化するだけで結晶性の高いゲート絶縁膜19nを
容易に形成することができる。ゲート絶縁膜19nの上
には、ゲート電極18nが形成され、このゲート電極1
8nの両側に位置する基板内にはソース・ドレイン層1
6nが形成されている。SiGeC層14n内における
電子の走行は、ゲート電極18nに印加される電圧によ
って制御される。なお、ソース・ドレイン層16nは、
pウェル11に達する深さにまで形成されているが、少
なくとも、SiGeC層14nに形成されるチャネルと
なる部分の深さにまで形成しておけばよい。
【0042】一方、PMOSトランジスタは、以上で説
明したNMOSトランジスタとほぼ同じ構成を有してい
る。Si基板10上にはnウェル12(高濃度n型Si
層)が形成されており、さらにその上に、V族元素が高
濃度にドーピングされたδドープ層を有するSi層13
pと、SiGeC層14p(Geの組成率は8.2%、
Cの組成率は1%)とが順次形成されている。さらに、
このSiGeC層14pの上に、SiGe層15p(G
eの組成率は30%、Siの組成率は70%)と、Si
層17pとが順次形成されている。PMOSトランジス
タの場合は、キャリアが正孔となるが、この正孔が流れ
るチャネルはSiGe層15pとSi層17pとの界面
のSiGe層15p側に形成される。このSiGe層1
5pとSi層17pとのヘテロ界面に、バンドオフセッ
ト値ΔEv を有する価電子帯のバンド不連続部が存在
し、この不連続部にキャリア蓄積層が形成される。した
がって、SiGe層15p側の界面に形成されたキャリ
ア蓄積層チャネルを正孔が走行するが、SiGe層15
p内でもSi層内に比べて正孔の移動度が大きいので、
このPMOSトランジスタの動作速度も大きくなる。
【0043】PMOSトランジスタにおいて、Si層1
7pの上には、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜1
9pが形成されている。ゲート電極18pの両側にはソ
ース・ドレイン層16pが形成され、SiGe層15p
における正孔の走行はゲート電極18pに印加される電
圧により制御されている。
【0044】また、NMOSトランジスタとPMOSト
ランジスタとの間は、基板に形成された溝をシリコン酸
化膜によって埋め込んでなるトレンチ分離20が設けら
れており、このトレンチ分離20によって、NMOSト
ランジスタとPMOSトランジスタとが、互いに電気的
に分離されている。
【0045】なお、各Si層13n,13p、各SiG
eC層14p,14n、各SiGe層15n,15p、
各Si層17n,17pは、結晶成長によりそれぞれ同
時に形成されている。そして、各層の寸法は、例えば以
下のような寸法とすることができる。ただし、必ずしも
以下の寸法に限定されるものではない。
【0046】各Si層13n,13pの厚みは例えば
0.6μm程度であり、0〜1μmの範囲にあることが
好ましい。スペーサー層の厚みは例えば30nm程度で
あり、0〜50nmの範囲にあることが好ましい。各S
iGeC層14p,14nの厚みは3〜50nmである
ことが好ましい。各SiGe層15n,15pの厚みは
5nm程度であり、3〜5nmの範囲にあることが好ま
しい。各Si層17n,17pの厚みは1nm程度であ
り、0.5〜5nmの範囲にあることが好ましい。ゲー
ト絶縁膜19n,19pの厚みは、例えば5nm程度で
ある。
【0047】また、ゲート電極18n,18pのゲート
長は0.25μm,ゲート幅は2.5μm、ソース・ド
レイン領域の幅は1.2μm程度であり、ソース・ドレ
イン電極21n,21pのコンタクト面積は、0.5μ
m×0.6μm程度である。各ウェル13n,13pの
ドーピング濃度は1×1017〜1×1018cm-3程度で
あり、δドープ層のドーピング濃度は、1×1018〜1
×1020cm-3程度である。
【0048】本実施形態におけるHCMOSデバイス
(HeterostructureCMOSデバイス)の特徴は、Si
GeC層を用いている点である。このSiGeC層は、
Si、Ge、Cの各々の組成比の調整により、バンドギ
ャップ量およびシリコンに対する格子不整合率を変える
ことができる。ここで、本実施形態におけるSi,G
e,Cの組成比と、各層の歪及びバンドオフセット量と
の関係について詳細に説明する。
【0049】図2は、横軸にC(カーボン)の組成比
(%)、縦軸にGeの組成比(%)をとったときに、S
iGeC層とSi層との格子不整合率(%)(ミスフィ
ット)が変化する様子を示している。ミスフィットがゼ
ロのラインは、SiGeC層とSi層との格子定数が等
しいことを示す。Ge(ゲルマニウム)単結晶の格子定
数はSi単結晶の格子定数よりも大きく、C(カーボ
ン)単結晶の格子定数は、Si単結晶の格子定数よりも
小さいので、GeとCの組成比を調整することで、Si
GeC層14nの格子定数とSi層13nの格子定数と
を一致させることができるのである。
【0050】図3は、Si,Ge,Cの3元素の組成比
に対する格子整合との関係を示す特性図である。同図の
3つの頂点は、それぞれSi,Ge,Cの組成率が10
0%(組成比が1)の点であり、SiGeC層の3元混
晶系の組成比の調整によってSiとの格子不整合率が変
化する様子を示している。同図中のハッチング領域はS
iGeC層に引っ張り歪を与える組成比の領域を示し、
同図中の実線は、SiGeC層とSi層との格子不整合
がゼロつまり両者が格子整合するための各元素の組成比
の条件を示す。Geの格子定数はSiの格子定数よりも
4.2%大きく、Cの格子定数はSiの格子定数よりも
34.3%小さいので、Geの組成比をCの組成比より
も8.2倍大きくすることで、SiGeC層の格子定数
をSi層の格子定数に一致させることができる。
【0051】本実施形態におけるSiGeC層14nに
おいては、Geの組成率が8.2%(x=0.082)
であり、Cの組成率が1%(y=0.01)であること
から、図3よりSi基板との格子不整合が0であり、S
iGeC層14nと下方のSi層13nとは同じ格子定
数を有していることがわかる。
【0052】次に、図4は、横軸にCの組成比をとり、
縦軸にエネルギーレベルをとったときに、SiGeC層
とSi層との界面における伝導帯のバンドオフセット値
ΔEc、ならびに価電子帯のバンドオフセット値ΔEv
が変化する様子を示している。但し、黒丸は価電子帯の
バンドオフセット値ΔEvであり、白丸は伝導帯のバン
ドオフセット値ΔEcを表わしている。また、エネルギ
ーの原点は、伝導帯に対してはSiの伝導帯の下端のエ
ネルギー値にとり、価電子帯に対してはSiの価電子帯
の上端のエネルギー値にとってある。また、同図の実線
は無歪み系に対応し、同図の点線は引っ張り歪み系に対
応している。
【0053】図4に示すように、本実施形態のSiGe
C層(Cの組成比が0.01)及びSi層間の界面にお
ける伝導帯ならびに価電子帯のバンドオフセット値は、
それぞれ300meV、0meVであり、SiGeC層
とSi層の界面では価電子帯にはバンド不連続部がな
く、伝導帯にのみバンド不連続部が形成されることがわ
かる。また、本実施形態のSiGeC層14nにおける
Cの組成比は0.01であるので、SiGeC層14n
とSi層13nとは格子整合している。したがって、2
次元電子ガスが走行するチャネルが形成されるSiGe
C層14n内において、下方のSi層13nとの格子不
整合に起因する転位等の欠陥の発生を防止できる。
【0054】一方、本実施形態におけるSiGeC層1
4nとSi層13n間の界面における価電子帯にはバン
ド不連続部がないため、SiGeC層14n内に正孔を
閉じ込めることができない。そこで、正孔をキャリアと
するPMOSトランジスタの場合は、SiGe層15p
とSi層17pとのヘテロ接合を利用している。SiG
e単結晶の格子定数はSi単結晶の格子定数よりも大き
く、しかも、SiGe層15pはSi層13pと格子整
合しているSiGeC層14pの上に位置するため、圧
縮歪みによるバンド構造の変化により価電子帯でのバン
ドオフセット値が大きくなっている。この場合もゲート
からの電界印加時にバンド傾斜により正孔が2次元的に
閉じ込められ(2DHG)て、キャリア蓄積層となる。
したがって、SiGe層15p内のキャリア蓄積層が正
孔が高速で走行するためのチャネルとなる。
【0055】以上のように、本実施形態の構造による
と、NMOSトランジスタにおいては、SiGeC層1
4nにおける各元素Si,Ge,Cの組成比の調整によ
り、伝導帯のバンドオフセット値を2次元電子ガスを蓄
積するのに十分な値に維持しながら、SiGeC層とS
i層との間の格子整合を図ることができる。よって、S
iGeC層内における2次元電子ガスの高いキャリア移
動度を利用した動作速度の高速化を実現しながら、欠陥
密度の低減による高い信頼性を発揮することができる。
また、SiGeC層14nとSi層13n間の界面にお
ける価電子帯にはバンド不連続部がないため、SiGe
C層14n内に正孔を閉じ込めることができないが、S
iGe層15pとSi層17pとのヘテロ接合を利用す
ることで、正孔をキャリアとして利用するPMOSトラ
ンジスタのチャネルを形成することができ、高速動作を
実現することができる。
【0056】そして、速度の大きいNMOSトランジス
タと、SiGeを用いて価電子帯のバンド不連続部を形
成して速度の大きいPMOSトランジスタとを集積する
ことにより、高性能なHCMOSデバイスを実現するこ
とができる。
【0057】なお、本実施形態では、Geの組成率を
8.2%、Cの組成率を1%としたが、図4から格子整
合系でバンド不連続部つまりバンドオフセット値ΔEv
がもっとも大きくなるようにするには、Cの組成比を大
きくすればよいことがわかる。このように大きなバンド
オフセット値ΔEvを設けることにより、ヘテロ界面に
閉じ込められた2次元電子ガス(2DEG)は、電子の
濃度が高くなってもヘテロ界面を乗り越えることがな
く、安定して走行することができる。特に、Cの組成比
を0.01〜0.03の範囲に調整することが好まし
い。この範囲内では、無歪み系及び引っ張り歪み系のい
ずれにおいても、2次元電子ガスを閉じこめるためのキ
ャリア蓄積層を形成するのに適正なバンドオフセット値
ΔEv(=−0.2〜−0.6えV)を得ることができ
る。
【0058】なお、本実施形態では、SiGe層15p
におけるGeの組成率を30%としたが、バンドオフセ
ット値がもっとも大きくなるようにGeの組成率を大き
くし、圧縮歪みを大きくしてもよい。
【0059】また、HCMOSデバイスはSi基板上に
形成することから、素子のスピードが要求されるところ
にはこのHCMOSデバイスを用い、それ以外には、通
常のSi単一組成を有する活性領域上に形成したCMO
Sデバイスを作製してもよい。このように構成すること
で、Si基板に直接作製するMOS型電界効果トランジ
スタとの集積化をも可能になる。なお、SiGeCを用
いたデバイスとしては、同一基板上にp,n型のトラン
ジスタを形成する必要はない。例えば、移動体通信機器
に用いる集積回路の場合、高速動作が要求される高周波
領域で使用される増幅器,ミキサー等は相補型回路を構
成する必要がないために、p,n型のうちの一方のみ
(例えばn型)のSiGeCを用いたMOSトランジス
タで構成し、相補型回路を構成する必要のあるデジタル
信号処理を行う部分をSi単一組成を用いたCMOSデ
バイスで構成することなどが考えられる。
【0060】次に、第1の実施形態のHCMOSデバイ
スの製造方法について、図5(a)〜(f)を参照しな
がら説明する。図5(a)〜(f)は、図1に示すHC
MOSデバイスの構造を実現するための製造工程の一例
を示す断面図である。
【0061】まず、図5(a)に示す工程で、Si基板
10にpウェル11、nウェル12をイオン注入により
形成する。
【0062】次に、図5(b)に示す工程で、各ウェル
11,12上に、UHVーCVD法によりδドープ層を
含むSi層13と、SiGeC層14(Ge:8.2
%、C:1%)と、SiGe層15と、Si層17とを
それぞれ成長させる。なお、δドープ層及びスペーサー
層も形成されているが、見やすくするためにこれらの層
の図示は省略されている。
【0063】次に、図5(c)に示す工程で、PMOS
トランジスタ、NMOSトランジスタとを電気的に分離
するために、トレンチ分離用の溝を形成した後、この溝
をシリコン酸化膜で埋めてトレンチ分離20を形成す
る。この処理により、Si層13、SiGeC層14、
SiGe層15、Si層17が、各々NMOSトランジ
スタ側のSi層13n、SiGeC層14n、SiGe
層15n、Si層17nと、PMOSトランジスタ側の
Si層13p、SiGeC層14p、SiGe層15
p、Si層17pとに分離される。さらに、Si層17
n,17pの表面を酸化してゲート絶縁膜19n,19
pをそれぞれ形成する。
【0064】次に、図5(d)に示す工程で、基板の全
面上にポリシリコン膜を堆積した後、これをパターニン
グしてNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタ
の各ゲート絶縁膜19n,19pの上にゲート電極18
n,18pをそれぞれ形成する。その後、各ゲート電極
18n,18pをマスクとして、NMOSトランジスタ
側には、リンイオン(P+ )の注入により、ソース・ド
レイン領域16nを形成し、PMOSトランジスタ側に
は、ボロンイオン(B+ )の注入により、ソース・ドレ
イン領域16pをそれぞれ形成する。NMOSトランジ
スタのソース・ドレイン領域16nの深さは少なくとも
SiGeC層14n内のキャリア蓄積層よりも深ければ
よく、PMOSトランジスタのソース・ドレイン領域1
6pの深さは、少なくともSiGe層15p内のキャリ
ア蓄積層よりも深ければよい。これは、SiGeC層1
4n、SiGe層15p内の各キャリア蓄積層にチャネ
ルが形成されるためである。
【0065】次に、図5(e)に示す工程で、ゲート絶
縁膜19n,19pのうちソース・ドレイン領域16
n,16pの上方の部分に開口を形成し、図5(f)に
示す工程で、ゲート絶縁膜19n,19pの開口にソー
ス・ドレイン電極21n,21pをそれぞれ形成する。
【0066】これにより、Si基板10の上にNMOS
トランジスタ、PMOSトランジスタからなるHCMO
Sデバイスが形成される。
【0067】このように、本実施形態の製造方法による
と、NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタで異
なったチャネルを形成する必要があるものの、結晶成長
はNMOSトランジスタ,PMOSトランジスタで共通
に行うことができ、簡単に製造することができる。
【0068】(第2の実施形態)上述の第1の実施形態
では、SiGeC層をシリコンに格子整合させたものを
用いて電界効果型トランジスタを形成したが、本実施形
態では、結晶性の劣化のない範囲で、SiGeC層に積
極的に歪みを導入し、この歪みによるバンド構造の変化
を利用したトランジスタとするものである。本実施形態
に係るHCMOSデバイスの構造は、基本的には、図1
に示す第1の実施形態に係るPMOSトランジスタ,N
MOSトランジスタを1つのトランジスタ内に実現した
構造となっている。
【0069】図6(a)〜(c)は、それぞれSiGe
C層に圧縮歪みを生ぜしめた場合、SiGeC層をSi
層に格子整合させた場合(歪みなし)、及びSiGeC
層に引っ張り歪みを生ぜしめた場合における結晶構造の
状態を示す図である。同図(a)に示すように、SiG
eC層の格子定数をSi層の格子定数よりも大きくする
とSiGeC層には圧縮歪みが生じ、SiGeC層にお
ける伝導帯の下端−価電子帯の上端間のバンドギャップ
値が拡大する。一方、同図(c)に示すように、SiG
eC層の格子定数をSi層の格子定数よりも小さくする
とSiGeC層には引っ張り歪が生じ、SiGeC層に
おける伝導帯の下端−価電子帯の上端間のバンドギャッ
プが縮小する。すなわち、SiGeC層の歪みによりバ
ンド構造が変化していくので、この効果を積極的に利用
することで、SiGeC層に隣接するSi層等の層のバ
ンドオフセット値を変更することができる。
【0070】ここで、SiGeC層の格子定数をSi層
の格子定数からずらせた場合でも、SiGeC層の厚み
を格子緩和が起こらず歪みが蓄積される程度にすること
により、転位等の結晶欠陥の発生に起因する素子の信頼
性の低下を有効に防止することができる。
【0071】図7(a),(b)は、本実施形態に係る
電界効果トランジスタのチャネル領域におけるバンド構
造図及び断面図である。Si基板の上にSi層13nを
成長させた後、Cの組成比を大きくしたSiGeC層1
4n(Geを10%、Cを4%)を成長させることによ
り、SiGeC層14nにおけるバンドギャップ値は大
きく、格子定数は小さくなるように設定することができ
る。そして、SiGeC層14nの厚みを格子緩和が起
こらずに歪みが蓄積される程度に小さくしておくことに
より、SiGeC層14nは引っ張り歪みを受ける。し
たがって、Cの組成比を大きくすることによるバンドギ
ャップ値の増大効果に加えて、SiGeC層14nの引
っ張り歪みにより、SiGeC層14nからSi層13
nの界面における伝導帯のバンドオフセット値が大きく
なり、2次元電子ガス(2DEG)の閉じ込め効率が向
上する。
【0072】さらに、SiGeC層14nは格子緩和し
ていないので、上面の格子定数はSi層13nの格子定
数に一致している。したがって、SiGeC層14nの
上にSiGe層15pを成長させると、SiGe層15
pの格子定数がSi層13nの格子定数よりも大きいた
めにSiGe層15pは圧縮歪みを受ける。
【0073】したがって、本実施形態に係る半導体装置
によると、SiGeC層14nに引っ張り歪み、SiG
e層15pに圧縮歪みを導入することにより、SiGe
C層14nとSi層13nとの界面における伝導帯での
バンドオフセット値を大きく、またSiGe層15pと
Si層17pとの界面における価電子帯でのバンドオフ
セット値を大きくしておき、このトランジスタをNMO
Sトランジスタとして使用する場合にはSiGeC層1
4nに形成されるチャネルを利用する一方、PMOSト
ランジスタとして使用する場合にはSiGe層15pに
形成されるチャネルを利用することで、共通のゲート電
極やソース・ドレイン領域を有しながら、チャネル位置
の異なるHCMOSデバイスを形成することができる。
【0074】しかも、各層の厚みを適正に設定すること
で、格子不整合による転位や欠陥の導入の無い、良好な
結晶性による信頼性の高い電界効果型トランジスタを有
するHCMOSデバイスを得ることができる。
【0075】なお、上述の図4の破線は、本実施形態に
おけるSiGeC層14nに0.25%の引っ張り歪み
が加わるような組成を示している。一般に、SiGeC
層におけるGeの組成比がCの組成比の8.2倍のとき
にSi層に格子整合するのであるから、Geの組成比を
Cの組成比の8.2倍よりも小さくすることでSiGe
C層14nに引っ張り歪みを導入することができる。ま
た、Cの組成比をyとしたとき、Geの組成を8.2y
−0.12とした場合、SiGeC層14nの格子定数
をSi層13nの格子定数より0.25%小さくするこ
とができる。
【0076】図4に示すように、無歪み系の場合と同じ
く、SiGeC層14nとSi層13nの界面では、価
電子帯にはバンド不連続部がなく、伝導帯にのみバンド
不連続が形成されることがわかる。Cの組成率が2%以
下の場合は伝導帯のバンドオフセット値は無歪みの場合
とほとんど同じであり、Cの組成率とGeの組成率との
比が格子整合の条件を満足する値からずれても、格子整
合系とほぼ同じ素子特性を得ることができる。このこと
は、SiGeC層14nを結晶成長する際のCの組成率
とGeの組成率の制御の面から見て、条件に幅を持たせ
ることができることを意味し、SiGeC層の結晶成長
を容易にする。また、Cの組成率が2%以上の場合、無
歪みの場合と比べて、同じCの組成率においてもバンド
オフセット値を大きくとることができる。これにより、
バンドオフセット値をより大きくとる必要がある場合に
も対応することができる。
【0077】ここでは、SiGeCの格子定数をSiよ
りも小さくして使用してはいるが、層の厚みは格子緩和
が起こらず歪みが蓄積される程度にしているので、転位
等の結晶欠陥により素子の信頼性が低下することはな
い。
【0078】(第3の実施形態)先に述べた第1の実施
形態では、電界効果トランジスタのチャネル領域にSi
GeC層をSi層に格子整合させたへテロ構造を形成
し、ヘテロ界面におけるバンド不連続部に電子もしくは
正孔を閉じ込めて、キャリアとして用いた。
【0079】本実施形態では、キャリアを閉じ込める領
域をヘテロ界面ではなくSi/SiGeC/Siもしく
は、Si/SiGe/Siの構造で量子井戸構造を形成
し、障壁層ではさまれる量子井戸( SiGeC 、Si
Ge)をチャネルとして動作するトランジスタを設け
る。
【0080】図8は、本実施形態に係るHCMOSデバ
イスの断面図である。Si基板30上に、NMOSトラ
ンジスタとPMOSトランジスタとが形成されたCMO
Sデバイス構造である。この構造では、シリコン基板3
0上にpウェル31及びnウェル32を設けている点
と、その上にV族元素が高濃度にドーピングされたδド
ープ層を有する第1のSi層33n,33pを設けてい
る点とは、第1の実施形態における図1に示すHCMO
Sデバイスの構造と同じである。ただし、この第1のS
i層33n,33p上のPMOSトランジスタ,NMO
Sトランジスタの構造は、上記第1の実施形態の構造と
異なっている。
【0081】NMOSトランジスタにおいては、第1の
Si層33nの上に、第1のSi層33nに格子整合す
る組成を有するSiGeC層34nが形成されており、
さらにSiGeC層34nの上に第2のSi層35nが
積層されている。本実施形態では、第1のSi層33n
−SiGeC層34n−第2のSi層35nに亘る伝導
帯において、2つのバンド不連続部によって挟まれる量
子井戸領域(SiGeC層34n)が存在するので、こ
の量子井戸領域であるSiGeC層34nにキャリアで
ある2次元電子ガス(2DEG)を閉じこめるためのキ
ャリア蓄積層が形成される(図8の右方のバンド図参
照)。すなわち、NMOSトランジスタの動作時にはS
iGeC層34nにチャネルが形成される。なお、第2
のSi層35nの上に、膜厚の小さなSiGe層36n
と、第3のSi層37nとが順次形成されている。
【0082】この構造により、上記第1の実施形態と同
様に、Si層に比べて電子の移動度の大きいSiGeC
層34nにキャリアの移動のためのチャネルが形成され
るので、動作速度の大きいNMOSトランジスタが得ら
れる。加えて、量子井戸層となるSiGeC層34nの
膜厚が小さいため、キャリアの閉じ込め効率が上記第1
の実施形態における構造よりも向上し、混晶比の小さな
系で実現できる。そのため、混晶化に伴う結晶構造の規
則性の悪化に起因するキャリアの散乱などのキャリアと
なる電子の移動度を劣化させる要因を抑制できる。
【0083】PMOSトランジスタにおいても、第1の
Si層33pの上に、第1のSi層33pに格子整合す
る組成を有するSiGeC層34pと、第2のSi層3
5pと、膜厚の小さいSiGe層36pと、第3のSi
層37pとが順次形成されている点は上記NMOSトラ
ンジスタの構造と同じである。ただし、PMOSトラン
ジスタの場合は、第2のSi層35p−SiGe層36
p−第3のSi層37pに亘る価電子帯において、2つ
のバンド不連続部で挟まれる量子井戸領域(SiGe層
36p)が存在し、この量子井戸領域にキャリアである
正孔を2次元的に閉じこめるためのキャリア蓄積層が形
成される。すなわち、PMOSトランジスタの動作時に
は、SiGe層36pにチャネルが形成される。SiG
e層36pもSi層に比べて正孔の移動度が大きいの
で、このPMOSトランジスタの動作速度も大きくな
る。
【0084】さらに、NMOSトランジスタ,PMOS
トランジスタにおいて、基板の上には、シリコン酸化膜
からなるゲート絶縁膜39n,39pが形成され、ゲー
ト絶縁膜39n,39pの上にはゲート電極38n,3
8pが形成されている。ゲート電極38n,38pの両
側にはソース・ドレイン層42n,42pが形成され、
ソース・ドレイン領域42n,42pの上にはソース・
ドレイン電極41n,41pがコンタクトしている。な
お、いうまでもないが、NMOSトランジスタ,PMO
Sトランジスタにおいて、量子井戸領域であるSiGe
C層34n,SiGe層36pにおける電子,正孔の走
行はゲート電極38n,38pに印加される電圧により
それぞれ制御されている。
【0085】また、NMOSトランジスタとPMOSト
ランジスタとの間は、分離用溝にシリコン酸化膜を埋め
込んでなるトレンチ分離40が形成されており、このト
レンチ分離40によって、NMOSトランジスタ,PM
OSトランジスタは、互いに電気的に分離されている。
【0086】本実施形態のHCMOSデバイスによる
と、第1の実施形態と同様に、NMOSトランジスタに
おいては、Si層に格子整合するとともに量子井戸領域
となるSiGeC層34nが形成されており、このSi
GeC層34nに電子が走行するためのチャネルが形成
される。また、PMOSトランジスタにおいても、量子
井戸領域となるSiGe層36pが形成されており、こ
のSiGe層36pに正孔が走行するためのチャネルが
形成される。したがって、キャリア閉じこめ効率の高い
量子井戸構造を利用したスイッチング速度の大きいNM
OSトランジスタとPMOSトランジスタとを集積する
ことにより、高性能なHCMOSを実現することができ
る。
【0087】ただし、本実施形態において、素子のスピ
ードが要求される回路にこのHCMOSデバイスを用
い、それ以外の回路には、通常のSi基板上に形成した
CMOSデバイスを作製するようにしてもよく、Si基
板上に直接形成したMOS型電界効果トランジスタとの
集積をも可能である。
【0088】なお、必ずしも、NMOSトランジスタ及
びPMOSトランジスタのチャネルの双方が量子井戸領
域となっていなくてもよい。
【0089】次に、第3の実施形態に係るHCMOSデ
バイスの製造方法について、図9(a)〜(f)を参照
しながら説明する。図9(a)〜(f)は、図8に示す
HCMOSデバイスの構造を実現するための製造工程の
一例を示す断面図である。
【0090】まず、製造工程の概略を説明すると、Si
GeC層34,第2のSi層35及びSiGe層36を
成長させる際に、SiGeC層34及びSiGe層36
の膜厚を、量子井戸構造となるように10nm以下、例
えば3nmとしている。その他の部分は、図5(a)〜
(f)に示す工程とほぼ同じ工程で形成される。
【0091】まず、図9(a)に示す工程で、Si基板
30にpウェル31、nウェル32をイオン注入により
形成する。
【0092】そして、図9(b)に示す工程で、pウェ
ル31,nウェル32上に、UHVーCVD法によりδ
ドープ層を含む第1のSi層33と、SiGeC層34
(Ge:36%、C:4%)と、第2のSi層35と、
SiGe層36と、第3のSi層37とを順次成長させ
ていく。
【0093】次に、図9(c)に示す工程で、PMOS
トランジスタ、NMOSトランジスタとを電気的に分離
するために、トレンチ分離用溝を形成した後、この溝を
シリコン酸化膜で埋めてトレンチ分離40を形成する。
この処理により、第1のSi層33、SiGeC層3
4、第2のSi層35、SiGe層36、第3のSi層
37及びゲート絶縁膜39が、各々NMOSトランジス
タ側の第1のSi層33n、SiGeC層34n、第2
のSi層35n、SiGe層36n、第3のSi層37
nと、PMOSトランジスタ側の第1のSi層33p、
SiGeC層34p、第2のSi層35p、SiGe層
36p、第3のSi層37pとに分離される。その後、
第3のSi層37n,37pの表面を酸化して、ゲート
絶縁膜39n,39pを形成する。
【0094】この後、図9(d)に示す工程で、ゲート
電極38ん、38pを形成した後、NMOSトランジス
タ側には、リンイオン(P+ )の注入により、ソース・
ドレイン領域42nを形成し、PMOSトランジスタ側
には、ボロンイオン(B+ )の注入により、ソース・ド
レイン領域42pを形成する。NMOSトランジスタの
ソース・ドレイン領域42nの深さは少なくともSiG
eC層34nよりも深ければよく、PMOSトランジス
タのソース・ドレイン領域42pの深さは、少なくとも
SiGe層36pよりも深ければよい。これは、SiG
eC層34n、SiGe層36p内にチャネルが形成さ
れるためである。
【0095】この後、図9(e)に示す工程で、ソース
・ドレイン領域42n、42pの上方部分のゲート絶縁
膜39n,39pに開口を形成し、図9(f)に示す工
程で、その開口に、ソース・ドレイン電極41n,41
pをそれぞれ形成する。
【0096】以上の工程により、第3の実施形態に係る
NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタからなる
HCMOSデバイスの構造が実現する。
【0097】本実施形態の製造方法によると、NMOS
トランジスタのチャネルをヘテロ接合を利用した量子井
戸構造のSiGeC層34nとし、PMOSトランジス
タのチャネルをヘテロ接合を利用した量子井戸構造のS
iGe層36pとするHCMOSデバイスが容易に形成
される。しかも、本実施形態の製造方法によると、NM
OSトランジスタ、PMOSトランジスタで異なったチ
ャネルを形成する必要があるものの、結晶成長はNMO
Sトランジスタ,PMOSトランジスタで共通に行うこ
とができ、簡単に製造することができる。
【0098】(第4の実施の形態)図10は、第4の実
施形態に係る電界効果トランジスタの構造を示す断面図
である。本実施形態は、ヘテロ電界効果トランジスタに
適したソース・ドレインコンタクトを提供する構造に関
するものである。
【0099】同図に示されるように、Si層からなるウ
ェル51の上には、SiGeバッファ層52と、δドー
プ層53と、スペーサー層54と、n−チャネル層67
と、i−Si層55と、i−Si1-x Gex 層56と、
i−Si層57と、ゲート絶縁膜58とが形成されてい
る。そして、ゲート絶縁膜58の上にゲート電極65が
形成され、i−Si1-x Gex 層56のうちゲート電極
65の両側方に位置する領域の上に、ソース・ドレイン
コンタクトW層61とAlソース・ドレイン電極63と
が順次形成されている。また、ゲート電極65の両側に
おいて、SiGeバッファ層52の一部,δドープ層5
3,スペーサー層54,n−チャネル層67,i−Si
層55,i−Si1-x Gex 層56及びi−Si層57
に亘る領域に、ソース・ドレイン領域59が形成されて
いる。さらに、ゲート電極65とAlソース・ドレイン
電極63との間は、第1層目の絶縁膜66によって埋め
られている。
【0100】ここで、上記電界効果トランジスタの各部
の構造について説明する。
【0101】まず、SiGeバッファ層52内における
Geの組成率は、上方に向かうにしたがって大きくなっ
ている。このSiGeバッファ層52は、SiGe混晶
を格子緩和させるのに十分な膜厚で形成することによ
り、Siよりも大きな格子定数を有しており、その上に
歪み効果を利用したn−チャネルの形成が可能になされ
ている。なお、このような格子緩和させたSiGeバッ
ファ層を用いずに、Si基板に格子整合させた状態でS
i層とSiGe層のヘテロ接合を形成した場合、価電子
帯には段差の大きい大きな不連続部が現れるが、伝導帯
には不連続部はほとんど現れないため、2次元電子ガス
を閉じこめてn−チャネルを形成することは困難であ
る。
【0102】ここで、SiGeバッファ層52中でのG
eの組成率は、例えば0%〜30%まで連続的にもしく
は薄い層ごとに段階的に変化している。この時、各層で
格子緩和を発生させ、バッファ層の最上面で基板面内の
格子定数がバルクのSi0.7Ge0.3 と同一になるよう
にする。組成率を縦方向に変化させるのは、格子緩和に
伴う転位等の結晶欠陥がその上のチャネルに与える影響
を小さくするためである。なお、SiGeバッファ層5
2の全体の膜厚は大体1μm程度必要である。
【0103】このSiGeバッファ層52上に不純物を
加えないSi0.7 Ge0.3 からなるスペーサー層54を
配置する。このスペーサー層54とその上のSi層55
とのヘテロ界面に存在する伝導帯の不連続部にキャリア
蓄積層を形成し、このキャリア蓄積層を2次元的に電子
を閉じ込めるn−チャネル67とする。
【0104】δドープ層53は、n−チャネル67にキ
ャリアである電子を供給するために、PやAsといった
V族の元素を高濃度にドープした層である。δドープ層
53上のスペーサー層54は、不純物をドープしないS
0.7 Ge0.3 から構成され、n−チャネル67のキャ
リア電子とδドープ層53のイオンを空間的に分離する
ことにより、キャリア電子のイオンによる散乱を低減
し、移動度を向上させる役割を持つ。このスペーサー層
54の膜厚は、厚いほどイオン化した不純物によるキャ
リアの散乱効果を低減することができるが、逆にキャリ
ア密度が減少してしまうので、3nm程度の厚みにする
ことが好ましい。
【0105】i−Si1-x Gex 層56とi−Si層5
7は、ヘテロ界面に価電子帯に段差を形成し、p−チャ
ネル68を形成するために使用される。Xは0.7前後
に設定することが好ましい。
【0106】ゲート絶縁膜58は、ゲート電極65とそ
の下の半導体層との間を絶縁することにより、ゲートリ
ーク電流を低減させ、素子の低消費電力動作を可能にす
る。なお、SiGe層56を酸化して形成される酸化膜
は水溶性で不安定な膜となるため、SiGe系電界効果
トランジスタにおいてもゲート絶縁膜としてシリコン酸
化膜を用いることが好ましい。従って、Si系ヘテロM
OSデバイスにおいては、ゲート絶縁膜の直下の半導体
層はSi層であることが好ましい。
【0107】すなわち、本実施形態に係る電界効果トラ
ンジスタは、上記の積層膜からなるチャネル領域と、図
10の破線で示されるソース・ドレイン領域59と、ト
ランジスタの動作のための電流の導入・取り出しのため
のAlソース・ドレイン電極63と、電流を制御するた
めの電圧を印加するためのゲート電極65とにより構成
されている。そして、この電界効果トランジスタをn−
チャネル電界効果型トランジスタとして使用する場合に
はn−チャネル67を形成させるようにゲート電極65
に電圧を印加し、p−チャネル電界効果型トランジスタ
として使用する場合にはp−チャネル68を形成させる
ようにゲート電極65に電圧を印加する。
【0108】本実施形態に係る発明の特徴は、Si
1-x-y Gex y 層(0≦x≦1,0≦y≦1)を含む
第1の半導体層と、上記第1の半導体層とは異なるバン
ドギャップを有する第2の半導体層と、上記第1,第2
の半導体層の間の界面付近の領域に形成されたキャリア
蓄積層とを有するチャネル領域と、第3の半導体層と、
該第3の半導体層よりも大きいバンドギャップを有する
第4の半導体層とを有するソース・ドレイン領域と、上
記第3の半導体層の直上に形成された低抵抗の導体膜か
らなるソース・ドレインコンタクト層とを備えている点
である。
【0109】そして、本実施形態の電界効果トランジス
タをn−チャネル電界効果型トランジスタとして使用す
る場合には、i−Si層55はSi1-x-y Gex y
(0≦x≦1,0≦y≦1)を含む第1の半導体層であ
り(x=y=0)、SiGeバッファ層52は第2の半
導体層であり、i−Si1-x Gex 層56は第3の半導
体層であり、i−Si層57はi−Si1-x Gex 層5
6よりもバンドギャップの大きい第4の半導体層であっ
て、第3の半導体層であるi−Si1-x Gex層56の
直上にソース・ドレインコンタクトW層61が形成され
ている。
【0110】一方、本実施形態の電界効果トランジスタ
をp−チャネル電界効果型トランジスタとして使用する
場合には、i−Si1-x Gex 層56はSi1-x-y Ge
x y 層(0≦x≦1,0≦y≦1)を含む第1の半導
体層である(y=0)とともに第3の半導体層であり、
i−Si層57は第2の半導体層であるとともに第3の
半導体層よりもバンドギャップの大きい第4の半導体層
であって、第3の半導体層であるi−Si1-x Gex
56の直上にソース・ドレインコンタクトW層61が形
成されている。
【0111】以上のように、本実施形態では、Alソー
ス・ドレイン電極63とのコンタクトを行う基板側の領
域を、チャネル形成のための各半導体層のうちバンドギ
ャップの小さい層に設けている。この実施形態の場合、
p−チャネル形成用のSi層57とi−Si1-x Gex
層 56のヘテロ界面のうち、バンドギャップの小さい
i−Si1-x Gex 層56の直上にソース・ドレインコ
ンタクトW層61を設ける構造としている。これによ
り、最上層の半導体層であるi−Si層57の直上にコ
ンタクトを設けるよりもコンタクト抵抗が小さくなり、
素子の低消費電力と高速動作とが可能になる。
【0112】なお、Si層上のSi0.7 Ge0.3 層の上
にWを成長させた後、金属(この場合Al)を堆積させ
ると、非常に抵抗の低いコンタクトを得ることができ
る。このSiGe膜を利用したコンタクトは、従来のC
MOSデバイスで一般的に低抵抗コンタクトとして利用
されているシリサイド技術を用いた低抵抗コンタクトよ
りも1桁抵抗値が低いコンタクトが得られる(IEEE Ele
ctron Device Letters誌vol.17, No.7,1996 pp36
0)。
【0113】この論文では、SiGe層はソース・ドレ
イン電極コンタクト形成のためだけに成長させられてい
るが、本実施形態のように、チャネル形成用のSiGe
層にコンタクトをとる構造をとれば、後述するトランジ
スタ製造方法で明らかにするように、新たにSiGe結
晶を成長させる必要がなくなり生産性が向上する。
【0114】ただし、本実施形態において、デバイスの
スピードが要求されるところにこのHCMOSデバイス
を用い、それ以外には、通常のSi基板上に形成したC
MOSデバイスを作製するようにしてもよく、Si基板
上に直接形成したMOS型電界効果トランジスタとの集
積をも可能である。
【0115】つぎに、本実施形態に係る電界効果トラン
ジスタの製造方法について説明する。図11(a)〜
(e)及び図12(a)〜(e)は、図10に示す電界
効果トランジスタの構造を実現するための製造工程の一
例を示す断面図である。
【0116】まず、図11(a)に示す工程で、チャネ
ル形成のエピタキシャル成長に先立ち、Si基板50に
イオン注入を行い、NMOSトランジスタ、PMOSト
ランジスタの下地となるpウェル51n,及びnウェル
51pを形成する。
【0117】次に、図11(b)に示す工程で、基板上
にエピタキシャル成長を行う前に、基板にRCA洗浄法
等を利用した洗浄を施して、表面の不純物を除去する。
その後、表面の酸化膜を除去し、基板をエピタキシャル
成長装置に挿入し、真空状態で加熱を行って清浄な表面
を得る。そして、この清浄な表面上に、チャネル領域を
形成するための半導体層のエピタキシャル成長を行う。
この半導体層には、SiGeバッファ層52、δドープ
層53、スペーサー層54、n−チャネル層67、i−
Si層55、i−Si1-x Gex 層56、p−チャネル
層68、i−Si層57等が含まれる。ただし、見やす
くするために、δドープ層53,スペーサー層54,n
−チャネル層67及びp−チャネル層68の図示は省略
する。以下、この半導体層内の各層の形成手順を説明す
る。
【0118】半導体層の成長方法については、固体ソー
スを用いるMBE法や気体ソースを利用するUHV−C
VD法などが利用できる。UHV−CVD法の場合、装
置内の雰囲気をまず超高真空(10-10 Torr程度)に
し、結晶成長に必要なソースを真空容器内に導入してか
ら、10-5〜10-6Torr程度の真空度に到達した状態で
結晶成長を行う。
【0119】そこで、本実施形態においても、上述の処
理により基板に清浄な表面を生成した後、真空容器内の
真空度が十分高くなった時点で基板温度を500〜70
0℃程度に設定し、各半導体結晶層の成長を行う。な
お、基板温度を変化させると、単一の半導体結晶層内で
組成比が変化するなど結晶の質に影響を与えるために、
基本的には単一層を成長させている間は基板温度を変化
させない。また、800℃以上といった高温では、Ge
とSiが相互拡散してヘテロ界面の急峻性が損なわれた
り、歪み緩和が行われチャネル特性が悪化するなど、好
ましくないことが起こるため、成長温度は上記のように
700℃以下を選択しておく。
【0120】結晶成長は、超高真空状態にした真空容器
内に、結晶成長に必要なソースガスを導入することで行
う。結晶成長に使用するソースガスとしては、Si層の
成長用にはジシランを使用している。SiGe層の成長
には、ジシラン等のSi層を成長させるためのソースガ
スに加え、ゲルマンをGeのソースガスとして使用す
る。この時、各ソースガスの分圧比の調整により、Si
Ge層内のSiとGeの組成比を制御することができ
る。ガス流量は、真空度が10-5〜10-6Torr程度にな
るように調整する。
【0121】まず、組成比を段階的に変化させかつ格子
緩和された多数のSiGe層を積層してSiGeバッフ
ァ層52を形成する。このとき、組成比を段階的に変化
させるために、上述のように、Siのソースガスの分圧
とGeのソースガスの分圧の比を段階的に変化させる。
【0122】次に、δドープ層53の形成には、アルシ
ンもしくはフォスフィンといったドーパントガスを、ジ
シランおよびゲルマンとともに真空容器内に導入する。
【0123】ここで、δドープ層53に導入した不純物
がスペーサー層54に混じると、トランジスタ特性が劣
化するために、ドーパントガスを真空容器内に導入した
後は、一度ソースガスの供給をとめ、真空度が十分向上
した後にスペーサー層54を成長させるためのガスを導
入し、スペーサー層54を成長させる。スペーサー層5
4の組成は均一にSi0.7 Ge0.3 とし、ジシランとゲ
ルマンの流量を固定して成長を行う。
【0124】スペーサー層54の成長後、ソースガスの
供給を一旦停止し、真空度が向上してからジシランのみ
を成長室に導入し、不純物をドープしないi−Si層5
5を成長させる。
【0125】i−Si層55の成長後、再びジシランと
ゲルマンを成長室に導入し、i−Si1-x Gex 層56
を成長させる。Geの組成比は70%とする。i−Si
1-xGex 層56の成長後、ソースガスの供給を一旦停
止した後、真空度が向上してからジシランのみを成長室
に導入し、i−Si層57を成長させる。
【0126】以上の処理により、チャネル領域を構成す
る半導体層のエピタキシャル成長工程は終了する。
【0127】次に、図11(c)に示す工程では、基板
をUHV−CVD装置から取り出して熱酸化炉内に導入
し、最上層のi−Si層57の表面を酸化してシリコン
酸化膜からなるゲート絶縁膜58を形成する。
【0128】次に、図11(d)に示す工程で、ゲート
絶縁膜58上にゲート電極65を形成する。このゲート
電極の形成法は従来のCMOSデバイス工程と同様であ
る。すなわち、ポリシリコン膜を堆積し、不純物をイオ
ン注入した後ドライエッチによりポリシリコン膜をパタ
ーニングして、ゲート電極65n,65pを形成する。
不純物イオンとしてはフッ化ボロンイオン(BF2+)を
使用することができる。このゲート電極用のポリシリコ
ン膜が堆積された段階では、ソース・ドレイン領域は形
成されていない。
【0129】次に、図11(e)に示す工程で、ゲート
電極65n,65pをマスクとして、ドーパントとなる
不純物イオンを基板内に注入して、ソース・ドレイン領
域59n,59pを形成した後、コンタクトを取るため
に基板上に露出している酸化膜を除去するためのエッチ
ングをおこなう。なお、イオン注入の際には、イオンの
加速電圧を、不純物分布のピークがソース・ドレイン電
極のコンタクトを設ける層にあるように選択する。注入
する不純物イオンとしては、NMOSトランジスタ領域
にはn型不純物である砒素イオン(As+ )もしくは燐
イオン(P+ )を、PMOSトランジスタ領域にはp型
不純物であるボロンイオン(B+ )を使用する。したが
って、NMOSトランジスタのソース・ドレイン領域5
9nを形成するためのイオン注入と、PMOSトランジ
スタのソース・ドレイン領域59pを形成するためのイ
オン注入とは、それぞれ別個のマスクを用いて行う必要
がある。
【0130】なお、イオン注入直後は、不純物の活性化
のためのアニールを行う。ただし、アニール熱処理によ
り、ヘテロ界面でのSiとGeの相互拡散や、Si/S
iGe系に存在する歪みの緩和過程における結晶欠陥の
発生がないよう、1000℃程度で短時間(30秒)の
RTA(ラピッドサーマルアニーリング)を行うことが
好ましい。
【0131】次に、図12(a)に示す工程で、基板上
に再度フォトレジストマスク(図示せず)を形成し、ド
ライエッチングによりNMOSトランジスタ形成領域−
PMOSトランジスタ形成領域間の領域を少なくともチ
ャネル領域よりも深く掘り込んで、素子分離用溝71を
形成する。
【0132】次に、図12(b)に示す工程で、溝71
を含む基板の全面上に第1層目の絶縁膜72を堆積す
る。絶縁膜を構成する材料としては高温プロセスを避け
るために、500℃以下で成膜できるプラズマCVD法
によるTEOS膜などを使用することが好ましい。この
とき、溝71に埋め込まれた絶縁膜によりトレンチ分離
73が構成される。
【0133】次に、本実施形態の特徴であるソース・ド
レインコンタクトを以下の手順により形成する。ただ
し、図10に示す構造を実現するための工程は、以下の
手順に限定されるものではない。
【0134】本実施形態の効果を最大限発揮するために
は、最終的にコンタクトの下地となる極めて薄い特定の
半導体層が存在している必要がある。そのために、本実
施形態では、下地となる特定の半導体層としてi−Si
1-x Gex 層56n,56pを選択し、i−Si1-x
x 層56n,56pが露出するまでエッチングを行
う。このi−Si1-x Gex 層56n,56pを露出さ
せる際にはウェットエッチングによる選択性の高いエッ
チングを用いることが好ましい。ただし、ウェットエッ
チングは異方性に乏しく、微細加工に適していないた
め、まず、ドライエッチングにより、第1層目の絶縁膜
72のうちソース・ドレイン電極を形成しようとする領
域を選択的に除去してコンタクトホールを形成し、ゲー
ト絶縁膜58n,58pを露出させた後、ウェットエッ
チングを行うことが望ましい。このような処理の例とし
ては、例えば以下の処理がある。
【0135】まず、最上層の酸化膜(ゲート絶縁膜58
n,58p)の除去には、よく知られているようにフッ
酸系の溶液を使用する。そして、i−Si層57n,5
7pが露出すると、フッ酸はシリコンをほとんど除去し
ないので、エッチング液をi−Si層57を除去できる
エッチング液に変更する。ここで、本実施形態では、i
−Si層57n,57pの下のi−Si1-x Gex 層5
6n,56pにコンタクトを形成するので、i−Si
1-x Gex 層56n,56pをあまりエッチせず、i−
Si層57n,57pを選択的にエッチできるエッチン
グ液(エッチャント)を選択する。そして、このエッチ
ャントを使用し、i−Si層57n,57pを除去し、
i−Si1-x Gex 層56n,56pを露出させる。こ
のとき、i−Si1-x Gex 層56n,56pの一部が
オーバーエッチングにより除去されてもよい。先述した
ように、このi−Si1-x Gex 層56n,56pは、
NMOSトランジスタのチャネル領域にn−チャネルを
形成させるためにエピタキシャル成長させたものであ
る。従って、本実施形態を用いれば、SiGe層を用い
た低抵抗コンタクトを形成するために新たにi−Si
1-x Gex 層56n,56pを成長させるための工程が
不要となる。
【0136】次に、コンタクトを形成するために、この
露出したi−Si1-x Gex 層56n,56pの上に低
抵抗の金属膜を堆積させる。この金属膜を構成する金属
材料としては、先述のようにタングステン(W)を使用
すると非常に抵抗値の低いコンタクトを形成することが
できる。そこで、本実施形態では、LPCVD法によ
り、WF6 を水素で希釈したガスをソースガスとして用
い、温度条件を400℃として、i−Si1-x Gex
56n,56p上にソース・ドレインコンタクトW層6
1n,61pを選択成長させている。
【0137】次に、図12(e)に示す工程で、スパッ
タリングを行って、基板の全面上にAl合金膜を堆積し
た後、パターニングして、Alソース・ドレイン電極6
3n,63pを形成する。以上の工程で、ソース・ドレ
イン領域上に低抵抗のコンタクトを形成することができ
る。
【0138】先述のように、Si系ヘテロMOSデバイ
スにおいては、ゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜を使
用する関係上、半導体最上層はバンドギャップの大きい
Si層であることが好ましいため、本実施形態のような
半導体層を除去した後コンタクト金属層を形成する技術
は、Si系ヘテロMOSデバイスの形成に特に適した技
術である。
【0139】(第5の実施形態)上記実施形態では、S
iとSiGeとからなるヘテロ接合体を利用したチャネ
ル構造を代表例として取り上げたが、HCMOSデバイ
スのソース・ドレイン領域に低抵抗のコンタクトを形成
する発明は、かかる実施形態に限定されるものではな
く、Siとこの実施形態のSiGeとの積層構造以外の
構成をもつヘテロエピタキシャル積層膜によるチャネ
ル、例えばSiとSi1-x-y Gexy (0≦x≦1,
0≦y≦1)混晶半導体との間にチャネル形成したもの
でもかまわない。ヘテロ界面によるチャネル形成には、
必ずバンドギャップの異なる2種類の半導体の接合が必
要となるため、このような低抵抗のコンタクト層の形成
が有効となる。
【0140】図13は、図1に示す構造に低抵抗のコン
タクト金属層を形成した第5の実施形態に係るHCMO
Sデバイスの断面図である。
【0141】同図に示すように、本実施形態に係るHC
MOSデバイスにおいては、SiGe層15n,15p
の上に、ソース・ドレインコンタクトW層25n,25
pが形成されている。
【0142】本実施形態に係る発明の特徴は、上記第1
の実施形態の特徴に加え、上記第4の実施形態と同様
に、Si1-x-y Gex y 層(0≦x≦1,0≦y≦
1)を含む第1の半導体層と、上記第1の半導体層とは
異なるバンドギャップを有する第2の半導体層と、上記
第1,第2の半導体層の間の界面付近の領域に形成され
たキャリア蓄積層とを有するチャネル領域と、第3の半
導体層と、該第3の半導体層よりも大きいバンドギャッ
プを有する第4の半導体層とを有するソース・ドレイン
領域と、上記第3の半導体層の直上に形成された低抵抗
の導体膜からなるソース・ドレインコンタクト層とを備
えている点である。
【0143】そして、本実施形態のNMOSトランジス
タにおいては、SiGeC層14nはSi1-x-y Gex
y 層(0≦x≦1,0≦y≦1)を含む第1の半導体
層であり、Si層13nは第2の半導体層であり、Si
Ge層15nは第3の半導体層であり、Si層17nは
SiGe層15nよりもバンドギャップの大きい第4の
半導体層であって、第3の半導体層であるSiGe層1
5nの直上にソース・ドレインコンタクトW層25nが
形成されている。
【0144】一方、本実施形態のPMOSトランジスタ
においては、SiGe層15pはSi1-x-y Gex y
層(0≦x≦1,0≦y≦1)を含む第1の半導体層で
ある(y=0)とともに第3の半導体層であり、Si層
17pは第2の半導体層であるとともに第3の半導体層
よりもバンドギャップの大きい第4の半導体層であっ
て、第3の半導体層であるSiGe層15pの直上にソ
ース・ドレインコンタクトW層25pが形成されてい
る。
【0145】以上のように、本実施形態では、Alソー
ス・ドレイン電極21n,21pとのコンタクトを行う
基板側の領域(ソース・ドレインコンタクトW層25
n,25p)を、チャネル形成のための各半導体層のう
ちバンドギャップの小さい層の直上に設けているので、
最上層の半導体層であるSi層17n,17pの直上に
コンタクトを設けるよりもコンタクト抵抗が小さくな
り、素子の低消費電力と高速動作とが可能になる。
【0146】特に、SiGe層15n,15pに接触す
るように、タングステン(W)からなるソース・ドレイ
ンコンタクトW層25n,25pを設けているので、非
常に低いコンタクト抵抗が得られる。
【0147】すなわち、本実施形態では、上記第1の実
施形態の効果を発揮しながら、コンタクト抵抗の低減を
図ることができる。
【0148】(第6の実施形態)図14は、図8に示す
構造に低抵抗のコンタクト金属層を形成した第6の実施
形態に係るHCMOSデバイスの断面図である。
【0149】同図に示すように、本実施形態に係るHC
MOSデバイスにおいては、量子井戸領域となっている
SiGe層36n,36pの上に、ソース・ドレインコ
ンタクトW層45n,45pが形成されている。
【0150】本実施形態に係る発明の特徴は、上記第3
の実施形態の特徴に加え、上記第4の実施形態と同様
に、Si1-x-y Gex y 層(0≦x≦1,0≦y≦
1)を含む第1の半導体層と、上記第1の半導体層とは
異なるバンドギャップを有する第2の半導体層と、上記
第1,第2の半導体層の間の界面付近の領域に形成され
たキャリア蓄積層とを有するチャネル領域と、第3の半
導体層と、該第3の半導体層よりも大きいバンドギャッ
プを有する第4の半導体層とを有するソース・ドレイン
領域と、上記第3の半導体層の直上に形成された低抵抗
の導体膜からなるソース・ドレインコンタクト層とを備
えている点である。
【0151】そして、本実施形態のNMOSトランジス
タにおいては、量子井戸領域であるSiGeC層34n
はSi1-x-y Gex y 層(0≦x≦1,0≦y≦1)
を含む第1の半導体層であり、第1のSi層33nは第
2の半導体層であり、量子井戸領域であるSiGe層3
6nは第3の半導体層であり、第3のSi層37nはS
iGe層36nよりもバンドギャップの大きい第4の半
導体層であって、第3の半導体層であるSiGe層36
nの直上にソース・ドレインコンタクトW層45nが形
成されている。
【0152】一方、本実施形態のPMOSトランジスタ
においては、SiGe層36pはSi1-x-y Gex y
層(0≦x≦1,0≦y≦1)を含む第1の半導体層で
ある(y=0)とともに第3の半導体層であり、第3の
Si層37pは第2の半導体層であるとともに第3の半
導体層よりもバンドギャップの大きい第4の半導体層で
あって、第3の半導体層であるSiGe層36pの直上
にソース・ドレインコンタクトW層45pが形成されて
いる。
【0153】以上のように、本実施形態では、Alソー
ス・ドレイン電極41n,41pとのコンタクトを行う
基板側の領域(ソース・ドレインコンタクトW層45
n,45p)を、チャネル形成のための各半導体層のう
ちバンドギャップの小さい層の直上に設けているので、
最上層の半導体層であるSi層37n,37pの直上に
コンタクトを設けるよりもコンタクト抵抗が小さくな
り、デバイスの低消費電力と高速動作とが可能になる。
【0154】特に、SiGe層36n,36pに接触す
るように、タングステン(W)からなるソース・ドレイ
ンコンタクトW層45n,45pを設けているので、非
常に低いコンタクト抵抗が得られる。
【0155】すなわち、本実施形態では、上記第3の実
施形態の効果を発揮しながら、コンタクト抵抗の低減を
図ることができる。
【0156】(その他の変形形態)上記第1〜第6の実
施形態では、ゲート電極の下にゲート絶縁膜を設けたM
OS型電界効果トランジスタについて説明したが、本発
明はかかる実施形態に限定されるものではない。特に、
最上層に絶縁膜があるヘテロMOS構造ではなく、ヘテ
ロ界面を用いる電界効果トランジスタならば、絶縁膜を
用いないショットキー接合を用いるデバイスでも実施可
能であり、抵抗の低減効果を得ることが可能になり、デ
バイスの低消費電力高速動作上有利となる。
【0157】上記第1〜第6の実施形態では、δドープ
層を形成したが、本発明はかかる実施形態に限定される
ものではなく、δドープ層を設けなくても本発明の効果
を発揮することは可能である。また、δドープ層を形成
する場合でも、スペーサー層は必ずしも必要でない。
【0158】上記第1,第2,第3,第5,第6の実施
形態におけるSiGe層に変えて、Cを微量添加したS
iGeC層を設けてもよい。
【0159】また、上記第1,第2,第3,第5,第6
の実施形態においては、SiGeC層とSiGe層との
上下関係を逆にしてもよいものとする。その場合、第
5,第6の実施形態では、ソース・ドレイン領域におけ
るSiGeC層の直上にソース・ドレインコンタクトW
層を形成すればよい。
【0160】
【発明の効果】本発明の第1の半導体装置によれば、電
界効果トランジスタを有する半導体装置において、Si
層とCの組成比yが0.01〜0.03であるSi
1-x-y Ge x y 層とを設け、Si1-x-y Gex y
内に形成されるキャリア蓄積層をチャネルとして利用す
るようにしたので、動作速度が大きく、かつ信頼性の高
い電界効果型トランジスタを有する半導体装置の提供を
図ることができる。
【0161】本発明の第2の半導体装置によれば、Si
1-x-y Gex y 層を含む第1の半導体層−第2の半導
体層間にチャネルとなるバンド不連続部を形成させた電
界効果トランジスタを有する半導体装置において、ソー
ス・ドレイン領域を第3の半導体層及び第3の半導体層
よりもバンドギャップの大きい第4の半導体層により構
成し、この第3の半導体層の直上に低抵抗の導体膜から
なるソース・ドレインコンタクト層とを設けたので、ヘ
テロ接合を利用した動作速度の高いかつソース・ドレイ
ンコンタクト抵抗の小さい半導体装置の提供を図ること
ができる。
【0162】この半導体装置の構造は、本発明の半導体
装置の製造方法により容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るSiGeC系HCMOS
デバイスの構造を示す断面図である。
【図2】HCMOSデバイス内のSiGeC層の格子歪
みのGe組成率及びC組成率に対する依存性を示す図で
ある。
【図3】SiGeC系HCMOSデバイスのSiGeC
層とSi層との間において格子整合あるいは引っ張り歪
みを生じるSi,Ge,Cの組成率との関係を示す図で
ある。
【図4】SiGeC層のC組成比とエネルギーギャップ
値との関係を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図6】第2の実施形態におけるSiGeC層の組成と
格子不整合による歪みとの関係を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る格子整合系SiGeC−
HCMOSデバイスのバンドーラインナップを示す図で
ある。
【図8】第3の実施形態に係る量子井戸構造のチャネル
を有するHCMOSデバイスの構造を示す断面図であ
る。
【図9】第3の実施形態に係る半導体装置の製造工程を
示す断面図である。
【図10】第4の実施形態に係るHCMOSデバイスの
構造を示す断面図である。
【図11】第4の実施形態に係るHCMOSデバイスの
製造工程のうちの前半部分を示す断面図である。
【図12】第4の実施形態に係るHCMOSデバイスの
製造工程のうちの後半部分を示す断面図である。
【図13】第5の実施形態に係るHCMOSデバイスの
構造を示す断面図である。
【図14】第6の実施形態に係るHCMOSデバイスの
構造を示す断面図である。
【図15】従来のHCMOSデバイスの構造を示す断面
図である。
【図16】従来のHCMOSデバイスのヘテロ界面に導
入される格子不整合歪みによる転位等の欠陥を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 Si基板 11 pウェル 12 nウェル 13 Si層 14 SiGeC層 15 SiGe層 16 ソース・ドレイン領域 17 Si層 18 ゲート電極 19 ゲート絶縁膜 21 ソース・ドレイン電極 25 ソース・ドレインコンタクトW層 30 Si基板 31 pウェル 32 nウェル 33 第1のSi層 34 SiGeC層 35 第2のSi層 36 SiGe層 37 第3のSi層 38 ゲート電極 39 ゲート絶縁膜 41 ソース・ドレイン電極 42 ソース・ドレイン領域 45 ソース・ドレインコンタクトW層 50 Si基板 51n p−ウェル 51p n−ウェル 52 SiGeバッファ層 53 δドープ層 54 スペーサー層 55 i−Si層 56 i−Si1-xGex層 57 i−Si層 58 ゲート絶縁膜 59 ソース・ドレイン領域 61 ソース・ドレインコンタクトW層 63 Alソース・ドレイン電極 65 ゲート電極 66 第1層目の絶縁膜 67 n−チャネル 68 p−チャネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 政勝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上野山 雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 熊渕 康仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5F048 AA08 AC03 BA04 BA14 BC18 BC19 BD09 BE03 BF02 BF07 BG13 5F140 AA05 AA10 AB03 AC01 BA01 BA05 BB18 BB19 BC12 BE07 BF01 BF04 BG27 BG32 BG38 BJ05 BJ11 BK13 BK21 BK26 BK29 BK31 BK40 CB04 CB08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の一部に形成され、ゲート電
    極とソース・ドレイン領域と該ソース・ドレイン領域間
    のチャネル領域とを有する電界効果トランジスタを備え
    ている半導体装置であって、 上記チャネル領域には、 Si層と、 上記Si層に接して形成され、Cの組成比yが0.01
    〜0.03であるSi 1-x-y Gex y 層(0≦x≦
    1,0<y≦1)とが設けられていて、 Si1-x-y Gex y 層内における上記Si層に近接し
    た領域にはキャリア蓄積層が形成されていることを特徴
    とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記Si1-x-y Gex y 層の各元素の組成比は、上記
    Si1-x-y Gex y層と上記Si層とが格子整合する
    組成比に調整されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体装置において、 上記Si1-x-y Gex y 層は、上記Si層よりも小さ
    い格子定数を有し、かつ格子緩和を生じない膜厚を有し
    ていることを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の半導体装置におい
    て、 上記半導体基板上に形成され、単一組成の半導体層をチ
    ャネル領域とするMOSトランジスタをさらに備えてい
    ることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置において、 上記キャリア蓄積層に蓄積されるキャリアは負のキャリ
    アであることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載
    の半導体装置において、 上記Si層内の上記Si1-x-y Gex y 層に近接した
    領域には、上記キャリア蓄積層にキャリアを供給するた
    めのキャリア供給層がさらに形成されていることを特徴
    とする半導体装置。
  7. 【請求項7】 半導体基板上に形成された少なくとも1
    つの電界効果トランジスタを備えた半導体装置であっ
    て、 上記電界効果トランジスタは、 Si1-x-y Gex y 層(0≦x≦1,0≦y≦1)を
    含む第1の半導体層、上記第1の半導体層とはバンドギ
    ャップの異なる半導体により構成される第2の半導体
    層、及び上記第1,第2の半導体層の間の界面付近の領
    域に形成されたキャリア蓄積層を有するチャネル領域
    と、 第3の半導体層及び該第3の半導体層よりもバンドギャ
    ップの大きい半導体で構成される第4の半導体層を有す
    るソース・ドレイン領域と、 上記第3の半導体層の直上に形成された低抵抗の導体膜
    からなるソース・ドレインコンタクト層とを備えている
    ことを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の半導体装置において、 上記第1の半導体層と上記第3の半導体層とは共通の第
    1の半導体膜により構成され、 上記第2の半導体層と上記第4の半導体層とは共通の第
    2の半導体膜により構成され、 上記第2の半導体膜は、上記第1の半導体膜の上に形成
    されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の半導体装置において、 上記第1の半導体層と上記第3の半導体層とは互いに異
    なる半導体膜により構成され、 上記第3の半導体層は上記第1の半導体層の上方に形成
    されており、 上記第4の半導体層は、上記第3の半導体層の上に形成
    されていることを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】 Si1-x-y Gex y 層(0≦x≦
    1,0≦y≦1)を含む第1の半導体層と、上記第1の
    半導体層とは異なるバンドギャップを有する第2の半導
    体層と、上記第1,第2の半導体層の間の界面付近の領
    域に形成されたチャネルとなるキャリア蓄積層とを有
    し、電界効果トランジスタとして機能する半導体装置の
    製造方法であって、 半導体基板の電界効果トランジスタ形成領域に、第3の
    半導体層と、該第3の半導体層よりも大きいバンドギャ
    ップを有する第4の半導体層とを順次形成する第1の工
    程と、 上記第4の半導体層の上方に導体膜を堆積した後、該導
    体膜をパターニングしてゲート電極を形成する第2の工
    程と、 上記ゲート電極の両側方に位置する上記電界効果型トラ
    ンジスタ形成領域に少なくとも上記キャリア蓄積層に達
    する深さまで不純物を導入して、ソース・ドレイン領域
    を形成する第3の工程と、 上記ソース・ドレイン領域における上記第4の半導体層
    を、少なくとも上記第3の半導体層が露出するまでエッ
    チングにより除去する第4の工程と、 上記第3の半導体層の露出した面上に低抵抗の導体膜か
    らなるソース・ドレインコンタクト層を形成する第5の
    工程とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記第1の工程は、上記第1及び第3の半導体層を共通
    の第1の半導体膜で構成し、上記第2及び第4の半導体
    層を共通の第2の半導体膜で構成するように行うことを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記第1の工程の前に、上記第1及び第2の半導体層を
    形成する工程をさらに備え、 上記第1の工程は、上記第1の半導体層の上方に第3の
    半導体層を形成するように行うことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12のうちいずれか1つ
    に記載の半導体装置の製造方法において、 上記第4の工程は、上記第3の半導体層と上記第4の半
    導体層とに対するエッチング選択比の高いエッチング条
    件で行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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