JP2002196316A - 液晶表示パネルとビューファインダおよび投射型表示装置 - Google Patents

液晶表示パネルとビューファインダおよび投射型表示装置

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JP2002196316A
JP2002196316A JP2001328848A JP2001328848A JP2002196316A JP 2002196316 A JP2002196316 A JP 2002196316A JP 2001328848 A JP2001328848 A JP 2001328848A JP 2001328848 A JP2001328848 A JP 2001328848A JP 2002196316 A JP2002196316 A JP 2002196316A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、TN表示パネルは偏光板を用いるため
に光利用効率が悪く高輝度表示を実現できなかった。ま
た、PD表示パネルは高輝度表示は実現できるが、従来
の構成では未硬化のUV樹脂が残るため安定性が悪く実
用に用いられるものではなかった。また、製造条件マー
ジンも狭く高散乱特性のPD表示パネルを安定して得る
ことは困難であった。 【解決手段】 対向基板11上に対向電極13及び誘電
体多層膜16を、アレイ基板12上にスイッチング素子
としてTFT14及び画素電極15を形成し、両基板間
に高分子分散液晶層17を狭持する。また、TFT14
上に遮光膜18を形成する。誘電体多層膜16はSiO
2とHfO2薄膜を多層に積層して形成する。また、TF
T14へ信号を伝達する信号線上に液晶層17の比誘電
率より小さい誘電体材料で薄膜等を形成し電磁シールド
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のタッチパネルあるい
はテレビ画像等を表示する表示パネルと、前記表示パネ
ルをライトバルブとして用い、前記表示パネルに表示さ
れた画像をスクリーンに拡大投射する表示装置(以後、
投射型表示装置と呼ぶ)、また、前記表示パネルをビデ
オカメラの撮映画像のモニタとして用いる表示装置(以
後、ビューファインダと呼ぶ)等の装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルはCRTに比較して軽
量、薄型などの数多くの特徴を有するため、研究開発が
盛んである。また、近年ではポケットテレビあるいはビ
デオカメラのビューファインダの表示部として用いられ
ている。しかし、大画面化が困難であるなどの問題点も
多い。そこで近年、小型の表示パネルの表示画像を投射
レンズなどにより拡大投射し、大画面の表示画像を得る
投射型表示装置が注目をあつめている。なお、現在、商
品化されている投射型表示装置およびビューファインダ
には液晶の旋光特性を利用したツイストネマティック
(以後、TNと呼ぶ)表示パネルが用いられている。
【0003】以下、従来の表示パネルについて説明す
る。ただし、説明に不要な箇所は省略しており、また、
図面を見易くするためにモデル的に描いている。以上の
ことは以後の図面に対しても同様である。
【0004】図46は従来の表示パネルの断面図であ
る。薄膜トランジスタ(以後、TFTと呼ぶ)14等が
形成されたアレイ基板12と対向基板11と4〜6μm
の間隔で保持され、前記基板間にTN液晶層383が注
入されている。表示領域の周辺部は封止樹脂(図示せ
ず)で封止されている。381はクロムなどの金属材料
で形成されたブラックマトリックス(以降、BMと呼
ぶ)、13はITOなどの透明物質で形成された対向電
極、15は画素電極、382は配向膜である。
【0005】画素電極15および対向電極13上には配
向膜382が形成されており、前記配向膜382にはT
N液晶層383の液晶分子を配向させるためのラビング
処理が施されている。また、対向基板11およびアレイ
基板12には偏光板384が貼り付けられている。
【0006】ここで、TN表示パネルの製造方法につい
て簡単に説明しておく。まず、アレイ基板12と対向基
板11にはそれぞれ配向膜382a、382bが塗布さ
れ、ラビング工程により配向処理される。その後、アレ
イ基板12の周辺部にTN液晶層383の注入口を残し
て封止樹脂(図示せず)が塗布される。また、対向基板
11上に均一な液晶膜厚を得るための透明のガラスビー
ズもしくは樹脂からなるビーズを散布する。次に、対向
基板11とアレイ基板12を貼り合わせる。その後、加
熱することにより前記封止樹脂を硬化させる。次に貼り
合わせた前記基板を真空室に入れ、アレイ基板12と対
向基板11のギャップ内を真空状態にした後、液晶の注
入口をTN液晶に浸す。その後、真空室の真空を破る
と、液晶は注入口からギャップ内に注入される。最後に
注入口を封止して完成する。
【0007】図15は表示パネルをシャーシ等に取り付
けた表示パネルモジュールの平面図およびH−H’線で
の断面図である。ステンレス板を板金加工したシャーシ
161に、コネクタ163および電界コンデンサ(図示
せず)等を積載したプリント基板162が取り付けられ
ている。プリント基板162の中央部は打ち抜かれてお
り、打ち抜いた箇所に表示パネルがはめこまれている。
プリント基板162上にはコネクタ163の端子からの
電気信号等を伝達するための銅薄配線(図示せず)が形
成されている。また、表示パネルにも前記電気信号を伝
達するための薄膜配線とが形成されている。銅薄配線の
一端と薄膜配線の一端とはアルミニウム(Al)の細線
(ボンディング線)により接続されている。
【0008】表示パネルの表示領域の外側には口の字状
に遮光パターン164が形成されている。図15では遮
光パターンは点線で示す。図15の遮光パターン164
の近傍のJ−J’およびK−K’線での断面図を図47
に示す。遮光パターン164はクロム(Cr)で形成さ
れ、その膜厚は1000オングストローム程度であり、
対向基板11の対向電極13上に形成される。なお、2
1はソース信号線である。
【0009】遮光パターン164およびBMがCrで形
成されるのは比較的膜厚が薄くて良好な遮光効果がある
からである。TN表示パネルは液晶分子を配向させるた
めに、配向膜382に配向処理をほどこす必要がある。
配向処理は画素電極15上をこする(ラビング)ことに
よりおこなうため、BM381等の膜厚が厚くなると、
対向基板11、アレイ基板12上の、凹凸が大きくな
り、良好な配向処理を行えなくなる。
【0010】表示領域の外側に遮光パターン164が形
成される理由について、簡単に説明しておく。表示領域
の外側には画素はないが表示領域に信号を伝達するため
ソース信号線21等が形成されている。ソース信号線2
1は金属薄膜であるから、遮光する。しかし、ソース信
号線とソース信号線との間に入射した光は、前記信号線
間には遮光物はないから透過する。表示領域の光のみが
透過(画素で変調されて)すればよいのであって、表示
領域外からの透過光は無用であるばかりか、前記光は表
示画像を見にくくする。前記透過光の遮光はシャーシ1
61で行なう。シャーシ161はステンレス等の金属板
であるから、光は透過しない。シャーシ161は中央部
に穴があけられ、前記穴と表示パネルの表示領域が一致
するように配置される。
【0011】表示パネルは、半導体プロセスで作製され
るため寸法精度は非常に高いが、シャーシ161は機械
加工で作製されるため寸法精度は低い。また、シャーシ
161に表示パネルを取り付ける精度は低い。したがっ
て、シャーシ161の穴径が大きければ、表示領域の周
辺部つまりソース信号線間等から光もれが生じる。穴径
が小さければ表示領域の一部をシャーシ161で遮光し
てしまう。また、取り付け位置がずれると、一端から光
もれが生じ、他端は表示領域の一部を遮光してしまう。
そこで遮光パターン164を2mm程度の幅で形成し、
シャーシ161の穴径を表示領域よりも大きめに作製し
ておく。すると、表示領域とシャーシの穴径のすきまに
遮光パターン164が位置するようにでき、パネルの取
り付け位置が最悪2mmずれても表示領域の外側から光
もれが生じることはない。また、表示領域を遮光してし
まうこともない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】TN液晶を用いた表示
パネルは、偏光板384aを用いて入射光を直線偏光に
する必要がある。また、表示パネルの出射側にも液晶表
示パネルで変調された光を検出するため、偏光板384
bを配置する必要がある。つまり、TN液晶表示パネル
の前後には光を直線偏光にするための偏光板384a
(以後、偏光子と呼ぶ)と変調された光を検出するため
の偏光板384b(以後、検光子と呼ぶ)の2枚の偏光
板を配置する必要がある。液晶表示パネルの画素開口率
を100%とし、偏光子384aに入射する光量を10
0とすると偏光子384aより出射する光量は40%、
表示パネルの透過率は80%、検光子384bの透過率
は80%となるから、全体としての透過率は0.4×
0.8×0.8=約25%となり、25%の光しか有効
に利用できない。したがって、TN表示パネルでは低輝
度画像表示しか実現できない。
【0013】偏光板384等で損失した光はほとんどが
偏光板384に吸収されて熱に変換される。熱は偏光板
384自身および輻射熱等により表示パネルを加熱す
る。投射型表示装置の場合、偏光板384に入射する光
量は数万ルクス以上となる。したがって、投射型表示装
置のライトバルブとしてTN表示パネルを用いた場合、
偏光板384およびパネル等は高温状態となり、短期間
で著しい性能劣化をひきおこす。
【0014】また、TN表示パネルは配向膜382を塗
布し、ラビング処理が必要である。ラビング処理等は工
程数を増加させ、製造コストの増大をひきおこす。ま
た、近年、投射型表示装置に用いる表示パネルの画素数
は30万画素以上と大容量となり、それにつれ画素サイ
ズは微細化の傾向にある。画素の微細化は信号線、TF
T14等による凹凸を単位面積あたり多数形成すること
になる。前記凹凸により良好にラビング処理を行なえな
くなることは明らかである。また、画素サイズの微細化
は1つの画素に占めるTFT14および信号線の形成面
積が大きくなり画素開口率を低減させる。一例として、
対角3インチの表示パネルで35万画素形成した場合、
画素開口率は約30%である。150万画素形成した場
合は10%弱という予測値もある。これらの画素開口率
の低減は表示画像の低輝度化にとどまらず、入射光開口
部以外に照射された光により、さらに表示パネルは加熱
されることになりTN表示パネルの性能劣化を加速す
る。
【0015】TN液晶は、画素電極15に印加した電圧
により液晶の配向状態を変化させ光変調を行なう。TN
表示パネルの入射側と出射側にはそれぞれ偏光板が配置
され、前記偏光子384aと検光子384bの偏光軸は
直交させている。一般的に、TN表示パネルは電圧印加
状態で黒表示を行えるモード(NWモード)で使用す
る。
【0016】NWモードの表示パネルの表示画像は色再
現性はよいが、課題として、画素周辺部からの光もれが
ある。これは液晶分子が、正規の方向に配向せず、逆方
向に配向することからおきる。この配向状態を逆チルド
・ドメインと呼ぶ。これは画素電極15とソース信号線
21間に発生する電界により液晶分子の立ち上がり方向
が部分的に逆になることより生じる。液晶分子の立ち上
がり方向が逆になった部分は、電圧が印加されているに
もかかわらず、光は出射面の検光子384bを通過す
る。つまり、光もれが生じる。正常な液晶の立ち上がり
方向であれば光もれは生じない。
【0017】光もれを防止する方法として、対向電極上
に形成するBM381の幅を太くする方法があるが、こ
れも画素閉口面積を低下させることとなり、表示輝度を
低下させることから、有効な方法とは言えない。
【0018】以下のようにTN液晶を用いる表示パネル
は、偏光板384を用いる必要がある。また、画素周辺
部に光ぬけが発生しやすいため、BMを太くしなければ
ならない。したがって、光利用率が悪く、表示輝度は低
い。BMに照射された光は表示パネルを加熱することに
なり、パネル温度を上昇させ、パネルの寿命を短くす
る。
【0019】同様に、TN表示パネルをライトバルブと
して用いる投射型表示装置も、光利用率が悪く、投射画
像のスクリーン輝度は低い。そこで、偏光板384を用
いない高分子分散(PD)表示パネルを用いた投射型表
示装置が提案されている。一例として、特開平3−94
225号公報に記載のものがあげられる。投射型表示装
置に用いるライトバルブとしてのPD表示パネルは、入
射光を散乱あるいは透過させることにより光変調を行な
う。
【0020】PD表示パネルの構造としては図46のT
N液晶表示パネルから、偏光板384を除去し、かつ、
配向膜382が形成されていない構成が例示される。当
然のことながら液晶層にはPD液晶を用いる。
【0021】PD表示パネルの動作について図34
(a)、(b)を用いて簡単に説明する。図34
(a)、(b)はPD表示パネルの動作の説明図であ
る。図34(a)、(b)において、ポリマー332中
には水滴状の液晶(以後、水滴状液晶331と呼ぶ)が
分散されている。画素電極15にはTFT(図示せず)
等が接続され、TFTのオン、オフにより画素電極15
に電圧が印加されて、画素電極15上の液晶配向方向を
可変させて光を変調する。図34(a)に示すように電
圧を印加していない状態では、それぞれの水滴状液晶3
31は不規則な方向に配向している。この状態ではポリ
マー332と水滴状液晶331とに屈折率差が生じ、入
射光は散乱する。
【0022】ここで図34(b)に示すように、画素電
極15に電圧を印加すると液晶分子の方向がそろう。液
晶分子が一定方向に配向したときの屈折率をあらかじめ
ポリマー332の屈折率と合わせておくと、入射光は散
乱せずにアレイ基板12より出射する。
【0023】ここで、PD表示パネルの製造方法につい
て説明しておく。ポリマー332として、光硬化樹脂、
特に紫外線により硬化する紫外線硬化樹脂(以後、UV
樹脂)が通常用いられる。アレイ基板12と対向基板1
1とは一定の間隔をあけて保持される。保持手段として
は微細なビーズが用いられることが多い。なお、PD表
示パネルには基本的には配向膜382の形成は必要な
い。アレイ基板12と対向基板11間に未硬化のUV樹
脂成分と液晶成分とを混合させた溶液(以後、混合溶液
と呼ぶ)を注入する。次に紫外線光を混合溶液に照射す
る。すると混合溶液のUV樹脂は硬化し、樹脂成分と液
晶成分とが相分離する。液晶が少ない場合は図34に示
すように水滴状液晶331となり、液晶が多い場合は、
水滴状液晶331は連続状につながる。
【0024】未硬化のUV樹脂は、紫外線光を照射され
た箇所は硬化し、樹脂成分と液晶成分とが相分離する
が、光が照射されなかった箇所は樹脂は未硬化となる。
図46の表示パネルの構成において、TN液晶層383
のかわりに混合溶液を注入した場合を考える。BM38
1は金属薄膜で形成されているため、紫外線光を遮光す
る。また、TFT14等も金属薄膜等で形成されている
ため、紫外線光を遮光する。BM381下の領域aのU
V樹脂はアレイ基板12側から紫外線光を照射しても、
対向基板11側から紫外線光を照射しても硬化しない。
それはA方向から紫外線光を照射した時はBM381が
前記光を遮光し、B方向から紫外線を照射した時はTF
T14が前記光を遮光するからである。
【0025】未硬化となったUV樹脂はPD表示パネル
の信頼性、寿命に悪影響を与える。表示パネルを動作さ
せているうちに液晶の組成が変化しやすく、また、液晶
層と対向基板11等が剥離しやすい。
【0026】BM381等があると、表示パネルを製造
する際に紫外線照射条件も設定しにくい。製造時、アレ
イ基板12と対向基板11間に液晶と未硬化のUV樹脂
を所定の割合で混合した混合溶液を注入し、紫外線光を
照射すると画素電極15周辺部(BMに近い箇所)の液
晶の平均粒子径、またはポリマーネットワークの平均孔
径は大きくなる傾向がある。これは、BM381が紫外
線を吸収し、加熱されるため、BM周辺部の樹脂の温度
が極部的に高まり、液晶成分と樹脂成分とを相分離させ
る条件が極部的に変化するためと考えられる。もちろん
散乱特性も低下する。以上のようにBM381が形成さ
れていると製造時のわずかな温度変化、紫外線の照射強
度により、画素電極上の液晶の平均粒子径またはポリマ
ーネットワークの平均孔径の大きさは変化する傾向がみ
られ、その製造条件マージンは狭い。したがって、同一
特性のPD表示パネルを安定して作製することが困難で
ある。
【0027】PD表示パネルを投射型表示装置のライト
バルブとして用いる場合、先に説明した未硬化のUV樹
脂がPD表示パネル内に残っていると性能劣化が著し
い。これは投射型表示装置では表示パネルに数万ルクス
以上の光が入射し、光ストレス、熱ストレスが大きいた
めと考えられる。
【0028】以上のように、従来、TN表示パネルは偏
光板を用いるために光利用効率が悪く、高輝度表示を実
現できなかった。また、PD表示パネルは高輝度表示は
実現できるが、従来の構成では未硬化のUV樹脂が残る
ため安定性が悪く、実用に用いられるものではなかっ
た。また、製造条件マージンも狭く、高散乱特性のPD
表示パネルを安定して得ることは困難であった。
【0029】本発明は、高輝度表示かつ安定性が良好で
経時変化のない表示パネル、およびそれをライトバルブ
として用いた投射型表示装置等を提供するものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】第1に本発明の液晶表示
パネルは、画素電極がマトリックス状に配置された第1
の基板と、対向電極が形成された第2の基板と、前記第
1の基板と第2の基板間に狭持された液晶層と、前記隣
接した画素電極間に配置された誘電体柱とを具備し、前
記誘電体柱の誘電率は、前記液晶層の誘電率よりも小さ
く、かつ、前記誘電体柱の高さが前記液晶層の膜厚と略
一致していることを特徴とする。
【0031】第2に、本発明の液晶表示パネルは、画素
電極がマトリックス状に配置された第1の基板と、対向
電極が形成された第2の基板と、前記第1の基板と第2
の基板間に狭持された液晶層と、前記第1の基板に形成
された第1の誘電体柱と、前記第2の基板に形成された
第2の誘電体柱とを具備し、前記第1の誘電体柱の高さ
と前記第2の誘電体柱の高さとを加えた高さが、前記液
晶層の膜厚と略一致し、前記誘電体柱の誘電率は、前記
液晶層の誘電率よりも小さいことを特徴とする。
【0032】第3に、本発明の液晶表示パネルは、反射
電極がマトリックス状に配置された第1の基板と、対向
電極が形成された第2の基板と、前記第1の基板と第2
の基板間に狭持された液晶層と、前記隣接した反射電極
間に形成された誘電体膜とを具備し、前記誘電体膜の誘
電率は、前記液晶層の誘電率よりも小さいことを特徴と
する。
【0033】第4に、請求項1から請求項3のいずれか
に記載の本発明の液晶表示パネルは、誘電体膜または誘
電体柱は、誘電体多層膜であることを特徴とする。
【0034】第5に、本発明の液晶表示パネルは、画素
電極がマトリックス状に配置された第1の基板と、対向
電極が形成された第2の基板と、前記第1の基板と第2
の基板間に狭持された液晶層とを具備し、前記第1の基
板側に3原色からなるカラーフィルタが形成され、隣接
した前記画素電極間に少なくとも2色のカラーフィルタ
が重ねて形成されており、前記カラーフィルタの誘電率
は、前記液晶層の誘電率より小さいことを特徴とする。
【0035】第6に、本発明の液晶表示パネルは、画素
電極がマトリックス状に配置された第1の基板と、対向
電極が形成された第2の基板と、前記第1の基板と第2
の基板間に狭持された液晶層とを具備し、前記第1の基
板側に3原色からなるカラーフィルタが形成され、画素
電極に信号を供給する信号線上に少なくとも2色のカラ
ーフィルタが重ねて形成されており、前記カラーフィル
タの誘電率は、前記液晶層の誘電率より小さいことを特
徴とする。
【0036】第7に、本発明の液晶表示パネルは、マト
リックス状に配置された画素電極と、前記画素電極に信
号を印加するスイッチング素子が形成された第1の基板
と、対向電極が形成された第2の基板と、前記第1の基
板と第2の基板に狭持された液晶層と、前記画素電極上
および画素電極間に形成されたカラーフィルタとを具備
し、前記画素電極間には少なくとも2色以上のカラーフ
ィルタが積層され、前記高分子分散液晶層は、光硬化樹
脂成分とネマティック液晶成分とを有することを特徴と
する。
【0037】第8に、本発明の投射型表示装置は、請求
項1から請求項7のいずれかに記載の液晶表示パネル
と、アーク放電ランプと、前記アーク放電ランプが放射
した光を前記液晶表示パネルに導く光学系と、前記液晶
表示パネルで変調した光を拡大投影する投射レンズとを
具備することを特徴とする。
【0038】第9に、本発明のビューファインダは、請
求項1から請求項7のいずれかに記載の液晶表示パネル
と、前記液晶表示パネルを照明する照明手段と、前記液
晶表示パネルで変調した光を拡大して観察者に見えるよ
うにする拡大レンズとを具備することを特徴とする。
【0039】第10に、本発明のビューファインダは、
請求項1から請求項7のいずれかに記載の液晶表示パネ
ルと、光発生手段と、前記光発生手段が放射した光を略
平行光に変換し、前記液晶表示パネルを照明する第1の
レンズと、前記液晶表示パネルで変調した光を拡大して
観察者に見えるようにする拡大レンズとを具備すること
を特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の表示パネルについて説明をする。尚、各図面は説明を
容易あるいは理解を容易にするためモデル的に描いてい
る。したがって、図面において物理的な厚みあるいは形
状は実際の表示パネルとは必ずしも一致しない。また、
説明に不要な箇所は省略している。
【0041】図1は本発明の表示パネルの断面図であ
る。対向基板11およびアレイ基板12はガラス基板で
あり、厚みは1.1mm、また、前記ガラス基板の屈折
率nは1.52である。アレイ基板12上にITOから
なる画素電極15、および画素電極15に信号を印加す
るスイッチング素子としてのTFT14、および各種信
号線(図示せず)等が形成されている。スイッチング素
子としては、前記TFTの他、リングダイオード、MI
M等の2端子素子、あるいはバリキャップ、サイリスタ
素子等でもよい。
【0042】なお、本明細書中あるいは請求項におい
て、基板(例えば、各基板11、12、214、21
5)とは、ガラス基板に限定するものではない。例え
ば、アクリル、ポリカーボネートなどの樹脂からなる板
でもよい。また、前記樹脂などからなるフィルムあるい
はシートでもよい。
【0043】TFT14には遮光膜18が形成されてい
る。遮光膜18は主として、液晶層17で散乱した光が
TFT14の半導体層に入射することを防止する。光が
半導体層に入射すると、TFTがオフ状態とならない、
あるいはTFTのオフ抵抗が低下するホトコンダクタ現
象(以後、ホトコンと呼ぶ)が発生する。遮光膜の形成
材料としては、アクリル樹脂にカーボンを分散させたも
のが例示される。また、各種原色顔料(赤、緑、青、シ
アン、マゼンダ、イエローの色素)を最適に混合したも
の、TFT上にSiO2などで絶縁薄膜を形成し、前記
絶縁薄膜上に遮光膜としての金属薄膜をパターニングし
て形成する方法も例示される。また、アモルファスシリ
コンを厚く蒸着し遮光膜とする方法もある。また、TF
T14はゲートの下に半導体層を形成するスタッガ構造
を採用することが好ましい。
【0044】なお、PD表示パネルでは、TFTはホト
コンが発生しにくいようにポリシリコン技術で形成する
ことが好ましい。ポリシリコン技術とは通常のICを作
製する半導体技術である高温ポリシリコン技術、また近
年開発が盛んなアモルファスシリコン膜を形成し、前記
膜を結晶化させる低温ポリシリコン技術を含む。特に、
ドライブ回路を内蔵出来、かつ、低価格でパネルを製造
できる可能性のある低温ポリシリコン技術でTFTを形
成することが好ましい。前記技術で形成したTFTはホ
トコンダクタ現象の発生がアモルファスシリコン技術で
形成したTFTに比較して格段に発生しにくい。そのた
め、散乱−透過で光変調をおこなう高分子分散液晶表示
パネルに最適である。
【0045】遮光膜18を樹脂で形成する場合におい
て、樹脂に含有させる光吸収材料としては電気絶縁性が
高く、液晶層17に悪影響を与えない材料であれば何で
もよい。例えば、黒色の色素あるいは顔料を樹脂中に分
散したものを用いても良いし、カラーフィルターの様
に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色しても
よい。黒色色素の例としては、単一で黒色となるフルオ
ラン系色素を発色させて用いることもでき、緑色系色素
と赤色系色素とを混合した配色ブラックを用いることも
できる。
【0046】以上の材料はすべて黒色の材料であるが、
本発明の表示パネルを投射型表示装置のライトバルブと
して用いる場合はこれに限定されるものではない。投射
型表示装置は3枚の表示パネルでR、G、Bの3色の光
をそれぞれ変調するものである。R光を変調する表示パ
ネルの遮光膜18としてはR光を吸収させれば良い。つ
まり特定波長を吸収できるように、例えば、カラーフィ
ルタ用の光吸収材料を望ましい光吸収特性が得られるよ
うに改良して用いれば良い。基本的には前記した黒色吸
収材料と同様に、色素を用いて天然樹脂を染色したり、
色素を合成樹脂中に分散した材料を用いることができ
る。色素の選択の範囲は黒色色素よりもむしろ幅広く、
アゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、
トリフェニルメタン染料などから適切な1種、もしくは
それらのうち2種類以上の組み合わせでも良い。また、
光吸収膜の不純物の対策としては、色素(顔料)中のア
ルカリ金属を取り除くことにより対策できる。
【0047】黒色色素は液晶層17に悪影響を与える材
料が多い。そのため、使用は好ましくない。そこで、前
述のように特定波長を吸収できる色素を光吸収薄膜の含
有色素として採用することが好ましい。
【0048】R光用、B光用およびG光用の3枚の表示
パネルをライトバルブとして用いる投射型表示装置では
採用が容易である。つまり、変調する光の色に対して、
補色の関係にある色素を光吸収薄膜である遮光膜18中
に含有させればよい。補色の関係とは、例えば、B光に
対しては黄色である。黄色に着色された光吸収薄膜はB
光を吸収する。したがって、B光を変調する表示パネル
は黄色の遮光膜18を形成する。
【0049】遮光膜18を樹脂で形成すれば、液晶層1
7とアレイ基板12との密着性がよくなる。高分子分散
液晶層17は樹脂成分を含有しているためである。液晶
層17ととくに画素電極15等を構成するITOとは剥
離が生じやすい。TFT14等に樹脂からなる遮光膜1
8を形成すれば、前記遮光膜18が緩衝層となり剥離す
るということがなくなる。この点から、樹脂からなる遮
光膜を採用することが好ましい。
【0050】対向電極13と画素電極15間にはPD液
晶層17が挟持されている。本発明の表示パネルに用い
る液晶材料としてはネマティック液晶、スメクティック
液晶、コレステリック液晶が好ましく、単一もしくは2
種類以上の液晶性化合物や液晶性化合物以外の物質も含
んだ混合物であってもよい。
【0051】なお、先に述べた液晶材料のうち、異常光
屈折率neと常光屈折率noの差の比較的大きいシアノビ
フェニル系のネマティック液晶、または、経時変化に安
定なフッ素系、クロル系のネマティック液晶が好まし
く、中でもクロル系のネマティック液晶が散乱特性も良
好でかつ、経時変化も生じ難く最も好ましい。
【0052】高分子マトリックス材料としては透明なポ
リマーが好ましく、ポリマーとしては、製造工程の容易
さ、液晶層との分離等の点より光硬化タイプの樹脂を用
いる。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が
例示され、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリ
ルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するものが好ま
しい。中でもフッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂は
散乱特性が良好な光変調液晶層17を作製でき、経時変
化も生じ難く好ましい。
【0053】また、前記液晶材料は、常光屈折率no
1.49から1.54のものを用いることがこのまし
く、中でも、常光屈折率noが1.50から1.53の
ものを用いることがこのましい。また、屈折率差△nが
0.15以上のものを用いることが好ましい。no、△
nが大きくなると耐熱、耐光性が悪くなる。no、△n
が小さければ耐熱、耐光性はよくなるが、散乱特性が低
くなり、表示コントラストが十分でなくなる。
【0054】以上のことから、光変調液晶層17の構成
材料として、常光屈折率noが1.50から1.53、
かつ、△nが0.15以上0.30以下のクロル系のネ
マティック液晶を用い、樹脂材料としてフッ素基を有す
る光硬化性アクリル樹脂を採用することが好ましい。
【0055】このような高分子形成モノマーとしては、
2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールドアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールアクリレート等々である。
【0056】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0057】また、重合を速やかに行なう為に重合開始
剤を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社
製「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピル
フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー
社製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケター
ル(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が挙
げられる。その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。
【0058】なお、樹脂材料が硬化した時の屈折率np
と、液晶の常光屈折率noとは略一致するようにする。
液晶層に電界が印加された時に液晶分子が一方向に配向
し、液晶層の屈折率がnoとなる。したがって、樹脂の
屈折率npと一致し、液晶層は光透過状態となる。屈折
率npとnoとの差異が大きいと液晶層に電圧を印加して
も完全に液晶層が透明状態とならず、表示輝度は低下す
る。屈折率npとnoとの屈折率差は0.1以内が好まし
く、さらには0.05以内が好ましい。
【0059】PD液晶層中の液晶材料の割合はここで規
定していないが、一般には20重量%〜90重量%程度
がよく、好ましくは50重量%〜85重量%程度がよ
い。20重量%以下であると液晶滴の量が少なく、散乱
の効果が乏しい。また90重量%以上となると高分子と
液晶が上下2層に相分離する傾向が強まり、界面の割合
は小さくなり散乱特性は低下する。高分子分散液晶層の
構造は液晶分率によって変わり、だいたい50重量%以
下では液晶滴は独立したドロップレト状として存在し、
50重量%以上となると高分子と液晶が互いに入り組ん
だ連続層となる。
【0060】水滴状液晶の平均粒子径または、ポリマー
ネットワークの平均孔径は、0.5μm以上3.0μm
以下にすることが好ましい。中でも、0.8μm以上2
μm以下が好ましい。PD表示パネルが変調する光が短
波長(例えば、B光)の場合は小さく、長波長(例え
ば、R光)の場合は大きくする。水滴状液晶の平均粒子
径もしくはポリマーネットワークの平均孔径が大きい
と、透過状態にする電圧は低くなるが散乱特性は低下す
る。小さいと、散乱特性は向上するが、透過状態にする
電圧は高くなる。
【0061】本発明の表示パネルに高分子分散液晶を用
いる場合は、青色光を変調する表示パネルの水滴状液晶
の平均粒子径もしくはポリマーネットワークの平均孔径
は、赤色光を変調する表示パネルのそれよりも小さくし
ている。
【0062】本発明にいう高分子分散液晶とは、液晶が
水滴状に樹脂中に分散されたもの(図34参照)、樹脂
がスポンジ状(ポリマーネットワーク)となり、そのス
ポンジ状間に液晶が充填されたもの等が該当し、他に特
開平6−208126号公報、特開平6−202085
号公報に開示されているような樹脂が層状となっている
のも包含する。また、特公平3−52843号公報のよ
うに液晶がカプセル状の収容媒体に封入されているもの
も含む。さらには、液晶または樹脂中に二色性、多色性
色素を含有されたものも含む。
【0063】液晶層17の膜厚は5〜20μmの範囲が
好ましく、さらには8〜15μmの範囲が好ましい。膜
厚が薄いと散乱特性が悪くコントラストがとれず、逆に
厚いと高電圧駆動を行わなければならなくなり、ゲート
信号線にTFT14をオンオフさせる信号を発生するゲ
ートドライブ回路、ソース信号線21に映像信号を印加
するソースドライブ回路の設計などが困難となる。
【0064】液晶層17の膜厚制御としては、黒色のガ
ラスビーズまたは黒色のガラスファイバー、もしくは、
黒色の樹脂ビーズまたは黒色の樹脂ファイバーを用い
る。特に、黒色のガラスビーズまたは黒色のガラスファ
イバーは、非常に光吸収性が高く、かつ、硬質のため液
晶層に散布する個数が少なくてすむので好ましい。
【0065】以上の説明においてビーズ、ファイバーは
黒色としたが、本発明の表示パネルを投射型表示装置の
ライトバルブとして用いる場合はこれに限定されるもの
ではない。投射型表示装置は3枚の表示パネルでR、
G、Bの3色の光をそれぞれ変調するものである。R光
を変調する表示パネルに用いる黒ビーズ19などは、R
光を吸収させれば良い。つまり、変調する光の色に対し
て、補色の関係にある色素を含有した黒ビーズ19を用
いればよい。
【0066】液晶層17は、電圧無印加状態で入射光を
散乱(黒表示)する。透明のビーズを用いると黒表示で
あっても、前記ビーズの箇所から光漏れが生じ、表示コ
ントラストを低下させる。本発明の表示パネルのよう
に、黒色のガラスビーズまたは黒色のガラスファイバー
を用いれば光漏れは生じず、良好な表示コントラストを
実現できる。
【0067】一方、対向基板11上にはITOからなる
対向電極13が形成され、対向電極13上に誘電体多層
膜16が形成されている。誘電体多層膜16の薄厚は
1.5μm以上となるため、誘電体多層膜16上に対向
電極13を形成することはあまり好ましくない。これ
は、誘電体多層膜16のエッジで対向電極13が電気的
に切断されるからである。誘電体多層膜16は屈折率が
1.7以下の低屈折率の誘電体薄膜(以後、低屈折薄膜
と呼ぶ)と屈折率が1.8以上の高屈折率の誘電体薄膜
(以後、高屈折薄膜と呼ぶ)を交互かつ多層に積層した
ものである。低屈折薄膜としては、酸化ケイ素(SiO
2、屈折率n=1.46)またはフッ化マグネシウム
(MgF2、屈折率n=1.39)が例示される。高屈
折薄膜としては酸化ハフニウム(HfO2、屈折率n=
2.0)または酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率n
=2.05)、酸化タンタル(Ta25、屈折率n=
1.95)が例示され、中でも、紫外線光の領域で光吸
収率が小さいHfO2およびSiO2を用いることが好ま
しい。ZrO2は紫外線光の透過率がHfO2に比較して
多少劣り、また、MgO2はクラックなどが生じること
がある。SiO2とHfO2の多層構成はクラック等も生
じにくく、紫外線透過率も良好である。
【0068】低屈折薄膜あるいは高屈折薄膜の一層あた
りの物理的膜厚dは、およそd=λ/(4・n)(ただ
し、λは設計主波長nm)で示される。設計主波長とは
誘電体多層薄膜がR光を反射するように設計する場合は
λ=620nm、G光を反射するように設計する場合は
λ=540nm、B光を反射するように設計する場合は
λ=460nm程度とする。なお、前記λは表示パネル
が変調する光の波長、光の波長に対する強度分布に対応
して定める。
【0069】実際に設計を行なう場合には、特定波長に
急激な透過帯域が生じたり、反射帯域が生じたりするた
め各層の光学的膜厚を調整する必要がある。誘電体多層
膜16の設計の一例を以下の(表1)、(表2)、(表
3)に示し、また、その特性図を図35、図36および
図37に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】なお、各表においてITOとは対向電極1
3のことである。ITOの屈折率nは2.0としてい
る。ITO薄膜(対向電極)13は表示パネルに入射す
る光の波長に対応してその膜厚を最適に形成する。一例
としてITO薄膜(対向電極)13の光学的膜厚(d・
n)は略λ/2とする。略λ/2の倍数とすれば特定波
長に対する光の反射率が低下する。また、液晶層17の
屈折率は1.5としている。これは液晶材料により変化
するが、ほとんどの場合は1.5から1.6の範囲であ
り、その屈折率の変化は誘電体多層薄膜の設計にあまり
影響を与えない。
【0074】また、各表において層数は24層(ITO
薄膜13を除くと23層)としているが、これに限定さ
れるものではない。さらに積層してもよいし、逆に少な
くとも良い。少ない場合は特定可視光の反射率が低下す
る。多く積層すれば特定可視光はほぼ100%反射す
る。これは、積層の製造コストと求める特性により決定
すべきである。
【0075】また、(表1)から(表3)のうち任意の
2つを組み合わせれば(積層すれば)、2つの波長の光
を反射できるようになる。例えば、(表1)と(表2)
の2つを積層させればB光およびG光を反射する誘電体
多層膜16を構成できる。また、(表1)から(表3)
のすべてを積層すればR、G、B光のすべてを反射する
誘電体多層膜16を構成できる。
【0076】また、表示パネルで変調する光の波長に応
じてITO薄膜13の膜厚を変化させている点も重要で
ある。ただし、これに限定するものではない。光学設計
で他の膜厚にすることも可能だからである。ITO薄膜
とHfO2の屈折率はともに2.0であるから各表のI
TO薄膜の物理的膜厚を薄くして、薄くした分だけHf
2で補い、規定の膜厚のITO薄膜の物理的膜厚とし
てもよい。
【0077】表示パネルの誘電体多層膜16がB光を反
射する場合の設計例を(表1)に示す。その特性図を図
35に示す。誘電体多層膜16は紫外線領域の光を透過
し、B光を反射する。同様にG光を反射する場合の設計
例を(表2)に示し、その特性図を図36に示す。さら
に、R光を反射する場合の設計例を(表3)に示し、そ
の特性図を図37に示す。
【0078】各誘電体多層膜16は混合溶液のUV樹脂
を硬化させる時は、紫外線を透過する。表示パネルをラ
イトバルブとして用いているときは、特定可視光を反射
するため、BM381として機能する。
【0079】なお、誘電体多層膜16は紫外線光を透過
し、可視光を反射するとしたが、これに限定されるべき
ではない。ポリマー332が可視光硬化タイプの場合は
特定可視光を透過し、表示パネルが変調する波長の光を
反射させればよい。例えば、表示パネルがR光を変調す
る場合、誘電体多層膜16はB光を透過しポリマー33
2を硬化させ、R光を反射しBMとして機能させればよ
い。例えば、図37の特性のものを誘電体多層膜16と
して用いればよい。以上のことは以下の本発明の実施例
においても同様である。
【0080】23層を積層したときの誘電体多層膜16
の膜厚はB光を反射する場合で、1.5μm程度、R光
を反射する場合で、2.0μm強となる。PD液晶はラ
ビング処理の必要がないから、誘電体多層膜16の形成
により凹凸が生じても問題とならない。このように膜厚
のある誘電体多層膜を形成できるのは、PD表示パネル
ならではの特徴である。
【0081】誘電体多層膜16で可視光の全帯域(白色
光)を反射させようとすると、設計主波長λを2種類用
いなければならない。例えば、第1の波長λ1を500
nm、第2の波長λ2を600nmにする。まず、第1
の波長λ1で、物理的膜厚を求め第1の誘電体多層膜を
ITO薄膜(対向電極)13上に形成し、さらにその上
に第2の波長λ2で物理的膜厚を求め、第2の誘電体多
層膜を積層する。以上のように形成すれば、可視光全域
の光を反射し、かつ、紫外線領域の光を透過する誘電体
多層膜16を作製できる。誘電体多層膜の膜厚は先の実
施例の2倍の3μm程度となる。
【0082】誘電体多層膜16はTFT14、ゲートお
よびソース信号線の上層に形成されている。前記誘電体
多層膜は従来のTN表示パネルのBM381と同一位
置、同一形状と考えて大差ない。つまり、画素電極、画
素形状に対応して形成される。パターニングは一例とし
て、SiO2、HfO2はフッ化水素酸等で、ZrO2
硫酸、フッ化水素酸等で、MgF2は硝酸等でエッチン
グできる。エッチング条件などは誘電体多層膜の常着条
件によってかなり変化するので試験を行いながら、条件
だしをおこなう必要がある。なお、ドライエッチング技
術を用いてパターニングを行なってもよい。
【0083】誘電体多層膜16は紫外線光の光を透過す
る。この透過するとは対向基板11に入射した光のほと
んどが液晶層17に到達するという意味でない。紫外線
光はガラスの対向基板11でも吸収されるし、対向電極
13のITOもかなり吸収する。入射した紫外線光の一
部が液晶層17に達し、UV樹脂の硬化を開始させる光
透過量があるという意味である。
【0084】Crなどの薄膜は1000オングストロー
ム以上の膜厚があると全く光を透過しない。それに比較
すれば誘電体多層膜16は紫外線光を十分透過する。ガ
ラスの対向基板11と対向電極13を透過し液晶層17
に到達する紫外線の光量と、ガラスの対向基板11と対
向電極13と誘電体多層膜16を透過し液晶層17に到
達する紫外線の光量は差異がある。しかし、UV樹脂を
硬化できることには異論がない。
【0085】以上のように誘電体多層膜16は紫外線光
を透過するから、すべての液晶層17の混合溶液のUV
樹脂を硬化できる。したがって、本発明の表示パネルは
経時変化がおきにくく、安定性が良好である。また、可
視光を反射するから、BMの機能も有する。
【0086】誘電体多層膜16が一定膜厚以上あると、
電圧降下を生じさせ不要な電界分布により画素電極15
の周辺部からの光もれを防止する効果がある。以下、こ
の効果について図2を参照しながら、説明をする。
【0087】液晶の比誘電率εは15から30程度であ
る。それに比較して、誘電体多層膜16の比誘電率は小
さい。例えば、SiO2の比誘電率は4程度である。
【0088】図2に示すように、電圧が印加された部分
間には電気力線22が生じる。例えば、ソース信号線2
1と画素電極15間、ソース信号線21と対向電極13
間にである。液晶分子23は電気力線22に沿って配向
する。液晶分子23がアレイ基板12に対して垂直に配
向すると、図24に示すように液晶分子23の屈折率と
ポリマー332の屈折率が一致し、光透過状態となる。
図2(a)の電気力線22bに沿って液晶分子23が配
向すると、画素電極15周辺部が光透過状態となり、画
素電極15周辺部から光もれが発生する。これは表示パ
ネルの表示コントラストを低下させる。
【0089】図2(b)に示すように、誘電体多層膜1
6が形成されていると、液晶層17中のソース信号線2
1と対向電極13間の電気力線数は少なく(電界強度は
弱く)なる。液晶の立ちあがり電圧以下では液晶分子2
3は配向しないから、ソース信号線21上の液晶層17
は常時散乱状態となる。ソース信号線21上の液晶層1
7に電圧が印加されにくくなるのは誘電体多層膜16で
の電圧降下が大きいからである。誘電体多層膜16の膜
厚は1.5μm以上、液晶層17の膜厚は10μm強で
ある。誘電体多層膜16の比誘電率は液晶層17の比誘
電率と比較してかなり小さいから、液晶層17に印加さ
れる電圧は低くなる。
【0090】誘電体多層膜16を十分厚く、かつ幅広く
形成すればアレイ基板12に対して垂直に配向する液晶
分子23はなくなる、あるいはわずかとなり、画素電極
15周辺部からの光もれは発生しにくくなる。光もれを
防止するという効果からは、誘電体多層膜16の膜厚は
厚い方がよい。また、厚くなれば特定可視光を良好に反
射するようになる。光もれの効果も考慮して、誘電体多
層膜16の形成位置および層数を決定すべきである。
【0091】図1に示す実施例では誘電体多層膜16は
対向電極13上に形成したが、図3に示すようにアレイ
基板12上に形成してもよい。図3に示すように誘電体
多層膜16は、隣接した画素電極15間にまたがるよう
に形成をする。この場合、画素電極15とソース信号線
21間からの光もれを防止するためには、誘電体多層膜
16は入射光を反射する光学的性質をもたせるように設
計すればよい。例えば、表示パネルがR光を変調するも
のである場合は、R光を反射し、アレイ基板12より出
射しないようにする。
【0092】誘電体多層膜16は紫外線光を透過させる
性質をもたせる必要はない。なぜならば、対向電極13
面には紫外線光の遮光物は何も形成されていないからで
ある。なお、図2(b)で説明したように、誘電体多層
膜16に電圧降下の機能があることも同様である。例え
ば、図4に示すようにである。液晶層17におよぶ電気
力線22を少なくする効果は図2のように対向電極13
上に形成した場合よりも効果が高い。直接、誘電体多層
膜16aがソース信号線21上に形成され、ソース信号
線21からの電界をシールドするからである。
【0093】先の実施例は誘電体多層膜16により、ソ
ース信号線などからの電界をシールドする構成であっ
た。しかし、誘電体多層膜16を他の材料に置き換えて
もシールド効果を実現できる。他の材料とは、液晶層1
7の液晶の比誘電率よりも小さい材料(低誘電体材料)
である。例えば、SiO2、SiNxなどの無機材料、
液晶層17のポリマー332、レジスト、ポリビニール
アルコール(PVA)などの有機材料などが例示され
る。その実施例としては図3、図6、図13において誘
電体多層膜16aを前記低誘電体材料で構成すればよ
い。
【0094】図4において、低誘電体材料(誘電体多層
膜)16aの比誘電体率をε2、液晶層17の比誘電体
率をε1、液晶層17の膜厚をd1、低誘電体材料(誘
電体多層膜)16aの膜厚をd2とし、対向電極13と
ソース信号線21間に印加される電圧をVとすると、液
晶層17の膜厚d1に印加される電圧Vは、以下の(数
1)で表される。
【0095】 (数1) E=(ε2d1V)/(ε1d2+ε2d1) 液晶層17の膜厚d1に印加される電圧Eが、液晶の立
ち上がり電圧(液晶が電圧により配向し、液晶層の透過
率が変化しはじめる電圧)以下となるように、低誘電体
材料16aの膜厚を設定すれば光漏れが生じることはな
くなり最も好ましい。しかし、実用上は多少液晶が配向
しても差し支えない場合が多い。一般的に液晶層17が
完全に透過状態となったときを100%として30%の
透過量であれば許容できる。つまり、液晶層17に印加
される電圧Eが透過率30%以下となるように低誘電体
材料16aの膜厚を規定する。
【0096】(数1)に関する事項は、後に説明する図
6、図13の誘電体多層膜16aの膜厚、図8、図14
に示す信号線上に形成されたカラーフィルタ71の膜
厚、図39(b)に示す低誘電体柱(391a+391
b)の高さの設定にも適用できる。
【0097】誘電体多層膜16はBMとして機能させる
ことにより画素電極15周辺からの光抜けを防止すると
いう技術的効果がある。この効果は、低誘電体材料でソ
ース信号線21などをシールドすることでも達成でき
る。つまり、誘電体多層膜16はBMとして機能させる
のと、低誘電体材料でソース信号線21などをシールド
するのとは、液晶表示パネルという技術分野が同一で、
かつ、解決する技術的課題が同一である。
【0098】前記低誘電体材料の内、有機材料を用いる
ことが好ましく、中でも、ポリマー332などに用いる
感光性の樹脂を用いることが好ましい。例えば、紫外線
硬化性アクリル樹脂が例示される。これらの樹脂は、液
晶層17との密着性を良好にするため、液晶層とアレイ
基板12との剥離などが発生しにくくする効果がある。
また、比較的厚く構成できる。樹脂の感光、現像プロセ
スにより低誘電体膜を短時間かつ低コストで容易に形成
できるからである。当然のことながら、低誘電体膜(誘
電体多層膜)16aの膜厚が厚いほどシールド効果、横
電界防止の効果は高くなる。
【0099】なお、低誘電体膜(誘電体多層膜)16a
に限定するものではない。例えば、図38、図39に示
すように低誘電体柱391としてもよい。図38は透過
型の表示パネルに適用した例、図39(a)は反射型の
表示パネルに適用した例である。
【0100】前記低誘電体柱391は対向基板11側に
形成することが好ましい。対向基板11側は対向電極1
3以外は形成されておらず、基板面に平滑性があり、か
つ、TFT14などの静電気による破壊などが生じるお
それがないからである。
【0101】なお、低誘電体柱391は、柱状に形成す
ることに限定されない。例えば、図39(b)に示すよ
うに、アレイ基板12に低誘電体柱391bを形成し、
対向基板11に低誘電体柱391aを形成してもよい。
【0102】低誘電体柱391のように柱状に形成すれ
ば、前記低誘電体柱で液晶層17の膜厚を一定に保つこ
とができる。したがって、黒ビーズ19の散布が必要で
ない。そのため、表示パネルの製造工程が簡略化され
る。また、画素電極15上に黒ビーズ19などの障害物
がなくなるため、良好な画像表示を実現できる。
【0103】このように低誘電体柱391、低誘電体膜
16aを容易に形成できるのは、PD表示パネルは、T
N表示パネルのようにラビングという配向処理が不要な
ためである。低誘電体柱391、低誘電体膜16aが形
成されていればラビングという配向処理は不可能であ
る。低誘電体柱391または低誘電体膜にラビング布が
引っかかってうまく対向基板11、アレイ基板12面を
こすれないためである。
【0104】図38等に示すように、ソース信号線21
から発生する電気力線をシールドすれば、画素電極15
周辺部の光抜けを低減できる。ソース信号線21と画素
電極15間の電磁結合を防止できるからである。
【0105】低誘電体膜および低誘電体柱391は、着
色してもよい。着色すれば、液晶層17内で乱反射する
光を吸収でき画像品位は向上する。遮光膜18でも説明
したように、例えば、黒色の色素あるいは顔料を樹脂中
に分散したものを用いても良いし、カラーフィルタの様
に、ゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色しても
よい。黒色色素の例としては、単一で黒色となるフルオ
ラン系色素を発色させて用いることもでき、緑色系色素
と赤色系色素とを混合した配色ブラックを用いることも
できる。
【0106】以上の材料はすべて黒色の材料であるが、
本発明の表示パネルを投射型表示装置のライトバルブと
して用いる場合はこれに限定されるものではなく、R光
を変調する表示パネルの低誘電体柱391としてはR光
を吸収させれば良い。したがって、色素を用いて天然樹
脂を染色したり、色素を合成樹脂中に分散した材料を用
いることができる。例えば、アゾ染料、アントラキノン
染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料な
どから適切な1種、もしくはそれらのうち2種類以上を
組み合わせればよい。
【0107】また、低誘電体柱391上にBM381を
形成する構成も考えられる。この場合、図38に示すよ
うに、低誘電体柱391と対向電極13間にBM381
を形成する。このように構成することにより、画素電極
15周辺からの光抜けは全くなくなる。
【0108】図1および図2の表示パネルは画素電極1
5がITOで形成された光透過型の表示パネルを想定し
ているが、これに限るものではなく、例えば、画素電極
15が金属で形成された反射型の表示パネルにも適用で
きる。誘電体多層膜16の設計は(表1)、(表2)、
(表3)の場合と異なる。なぜならばITO薄膜(対向
電極)13がないからである。しかし、設計手法は誘電
体多層膜16と同様に行えばよく、その実現性に困難性
はない。
【0109】画素電極周辺部の光もれをさらに防止する
には、図5(b)に示すように画素電極15の周辺部に
遮光膜51を形成すればよい。なお、図5(a)は対向
基板11等をとりのぞいたときのアレイ基板12の平面
図、図5(b)は表示パネルの断面図である。遮光膜の
一例としてCrからなる金属薄膜が例示され、また、ア
クリル樹脂にカーボン等を分散させたものが例示され
る。また、遮光膜18と同様の材料を用いてもよい。図
2の電気力線22bにより液晶分子23が配向し液晶層
17が透過しても、遮光膜51により遮光するから画素
周辺部の光ぬけはなくなる。
【0110】遮光膜51はソース信号線21と画素電極
15とが近接する位置に形成することが好ましく、さら
に好ましくは図5(a)に示すように、ゲート信号線5
2と画素電極15とが近接する位置にも形成することが
好ましい。これはゲート信号線52と画素電極15間に
も電気力線が発生するためである。他の構成および効果
等は図1と同様であり説明を省略する。
【0111】なお、図6に示すようにアレイ基板12に
誘電体多層膜16aを、対向基板11に誘電体多層膜1
6bを形成してもよい。その際、誘電体多層膜16aは
R光反射、誘電体多層膜16bはG光反射というふうに
してもよい。両基板11、12に誘電体多層膜16a、
16bの凹凸を形成することにより、両基板11、12
と液晶層17との密着性が良好となり、剥離等が低減す
る。また、誘電体多層膜16が反射する光の帯域が広く
なりBMとしての機能も高くすることができる。また、
図6において、16aは樹脂などで形成した低誘電体膜
と置き換えてもよい。
【0112】1枚の表示パネルでカラー表示を行うに
は、図7に示すように画素電極15もしくは対向電極1
3上にカラーフィルタ71を形成すればよい。カラーフ
ィルタの色配置としてはデルタ配置、正方配置等がある
がいずれでもよい。
【0113】図8のように、カラーフィルタ71を画素
電極15上に形成し、かつソース信号線21等の信号線
上にも形成すると、図4に示すようにシールドの効果が
発揮される。なぜならば、カラーフィルタ71は通常樹
脂で形成されているため、比誘電率εは液晶層17の比
誘電率より小さい。また、カラーフィルタの膜厚は比較
的厚い。そのためソース信号線21等にカラーフィルタ
を形成すれば電界シールドの効果が発揮されるからであ
る。図8に示すようにカラーフィルタは信号線上に重ね
る。例えば、赤色のカラーフィルタ71cに緑色のカラ
ーフィルタ71aをソース信号線21a上に重ねる。好
ましくは、さらに青色、黒色のカラーフィルタを重ね
る。そうすれば、図9に示すように電気力線22a、2
2bは非常に弱くなり、前記電気力線に沿って液晶分子
は配向しなくなる。ゆえに、画素電極15の周辺部から
の光もれは発生しにくくなる。以上の構成を選択すれ
ば、良好な表示コントラストを実現できる。
【0114】各カラーフィルタが重なった部分は光を吸
収することからも、画素電極15周辺部(というよりは
少なくとも2色のカラーフィルタが重なった部分)から
は光もれが発生しなくなる。
【0115】カラーフィルタの色はR、G、Bの3色も
しくはR、G、Bおよび黒等の4色を用いる。しかし、
これに限定するものではなく、イエロー、シアン、マゼ
ンダの3色もしくはイエロー、シアン、マゼンダおよび
黒の4色等でもよい。
【0116】また、光変調層はラビング処理が必要でな
い等の観点から、高分子分散液晶を用いることが好まし
いが、これに限定するものではない。例えば、ゲストホ
スト(ゲスト=色素、ホスト=液晶)液晶を用いてもよ
い。好ましくは、前記ゲストホスト液晶に黒色の色素を
含有させる。ゲストホスト液晶には相転移型等、いろい
ろなモードのものがある。これらのいずれを用いてもよ
い。一般的にゲストホスト液晶層が透過状態の時、反射
電極等に形成されたカラーフィルタの色が見え、不透過
状態の時、黒色表示となる。
【0117】図8は透過型の表示パネルであるが、先の
カラーフィルタを重ねるという技術的思想は図12等に
示すような反射型の表示パネルにも適用できる。つま
り、反射電極121aおよび121bにカラーフィルタ
を形成し、反射電極121間で前記カラーフィルタを重
ねる。この場合、ソース信号線21はないからソース信
号線からの電界をシールドするという効果はない。しか
し、反射電極121aと121b間で生じる電界(以
後、横電界と呼ぶ)に液晶分子が配向し、液晶層17が
透過状態(透過状態となると、画素電極間に映像表示と
関係のない表示が表示される)となることを防止でき
る。
【0118】以上のようにカラーフィルタを画素電極等
間に形成すれば、画素電極等周辺部の光もれ等を防止で
きる。反射電極121間には、少なくとも2色のカラー
フィルタが重ねられる。好ましくは3色または4色のカ
ラーフィルタを重ねる。重ねられた箇所は光を透過しに
くく、もしくは透過しなくなる。したがって、重ねられ
た箇所は遮光膜として機能する。つまり、反射電極12
1aと121b間から光が絶縁層123に侵入すること
を防止できる。侵入した光が、TFT14の半導体層に
入射すると、TFT14にホトコンダクタ現象をひきお
こさせる。カラーフィルタを重ねて遮光膜とすれば前記
ホトコンダクタ現象の発生を防止でき、良好な画素表示
を行なえる。また、カラーフィルタを重ねるだけである
から、コスト増もない。
【0119】なお、前述の説明において、反射電極12
1間あるいは画素電極15間に2色以上のカラーフィル
タを重ねて遮光膜とするとしたが、これに限定するもの
ではない。例えば、2色のカラーフィルタの色素をあら
かじめ混合したカラーフィルタを作製し、前記混合した
カラーフィルタを前記電極間に形成してもよい。したが
って、2色以上のカラーフィルタを積層するとは、2色
以上の色素を含有するカラーフィルタを一層以上形成す
るという方式または構成をも包含する。
【0120】カラーフィルタによる光もれ等の防止とい
う事項は、誘電体多層膜16により光もれ等という課題
の解決の手段として同一である。もちろん図8に示すよ
うに対向電極13上に誘電体多層膜16を形成しておい
てもよいが、前記誘電体多層膜16がなくとも、“カラ
ーフィルタを重ねる”という構成により光もれ等を防止
できることはいうまでもない。
【0121】つまり、誘電体多層膜16はBMとして機
能させるのと、カラーフィルタでソース信号線21など
をシールドするのとは、液晶表示パネルという技術分野
が同一で、かつ、解決する技術的課題が同一である。
【0122】なお、ITO薄膜(対向電極)13は図1
0に示すように誘電体多層膜16上に形成してもよいこ
とは言うまでもないであろう。
【0123】本発明の表示パネルに共通して言えること
であるが、図11に示すように画素電極15と対向電極
13のうち少なくとも一方に絶縁膜111を形成するこ
とは有効である。絶縁膜としてはTN液晶表示パネル等
に用いられるポリイミド等の配向膜、ポリビニールアル
コール(PVA)等の有機物、SiO2等の無機物が例
示される。好ましくは、密着性等の観点からポリイミド
等の有機物がよい。
【0124】高分子分散液晶層17は比較的、比抵抗が
低い。そのため画素電極15に印加された電荷を1フィ
ールド(1/30または1/60秒)の時間のあいだ完
全に保持できない場合がある。保持できないと液晶層1
7が完全に透明状態とならず、表示輝度が低下する。ポ
リイミド等の有機物からなる薄膜は比抵抗が非常に高
い。したがって、有機物からなる薄膜を電極上に形成す
ることにより電荷の保持率を向上できる。絶縁膜111
は液晶層17を電極が剥離するのを防止する効果もあ
る。それは液晶層17を構成する材料の約半分近くは樹
脂からなる有機物であるからである。
【0125】また、有機物からなる絶縁膜111を形成
すれば、液晶層17のポリマーネットワークの孔径ある
いは水滴状液晶の粒子径がほぼ均一になるという効果も
ある。対向電極13上に有機残留物がのこっていても絶
縁膜111で被覆するためと考えられる。その効果はポ
リイミドよりもPVAの方が良好である。これはポリイ
ミドよりもPVAの方がぬれ性が高いためと考えられ
る。しかし、パネルに各種の絶縁膜111を作製し、お
こなった信頼性(耐光性、耐熱性など)試験の結果で
は、TN液晶の配向膜等に用いるポリイミドが、経時変
化がほとんど発生せず良好である。そのため、ポリイミ
ドを絶縁膜111として用いることが好ましい。
【0126】なお、有機物で絶縁膜を形成する際、その
膜厚は0.02μm以上0.1μm以下の範囲が好まし
く、さらには0.03μm以上0.08μm以下が好ま
しい。また、カラーフィルタ71を形成する場合は、図
11(b)に示すように画素電極15上に形成する。当
然のことながらカラーフィルタ71は対向電極上に形成
してもよい。また、カラーフィルタ71が絶縁膜111
として機能する場合は、カラーフィルタ71が形成され
ていない電極上にのみ絶縁膜111を形成すればよい。
【0127】なお、以上の図38、図39に示す低誘電
体柱391もしくは低誘電体膜(誘電体多層膜)16a
に関する構成、図8、図14のカラーフィルタに関する
構成、図1の黒ビーズ19および誘電体多層膜16に関
する構成、図5の遮光膜51に関する構成、図11の絶
縁膜111に関する構成などは本発明の表示パネルおよ
び表示装置において任意に組み合わせて用いられる。こ
の事項は、アクティブマトリックス型表示パネル(反
射、透過型パネル)、単純マトリックス型表示パネルあ
るいは図21に示すキャラクタ表示パネルのいずれにも
適用される。
【0128】表示パネルが反射型の場合は、図12に示
すように反射電極121間に誘電体多層膜16を形成す
ればよい。この場合の誘電体多層膜16も図1に示す場
合と同様に紫外線光を透過し、変調する光を反射するB
Mとしての機能を具備すればよい。誘電体多層膜16の
構成および効果等は図1と同様であるので説明を省略す
る。
【0129】以下、本発明の反射型の表示パネルについ
て少し詳しく説明しておく。ガラス基板(対向基板)1
1の片面には反射防止膜124が形成されている。反射
防止膜124は図13に示すように3層の構成あるいは
図12に示すように2層構成がある。なお、3層の場合
は広い可視光の波長帯域での反射を防止するために用い
られ、これをマルチコートと呼ぶものとする。2層の場
合は特定の可視光の波長帯域での反射を防止するために
用いられ、これをVコートと呼ぶものとする。マルチコ
ートとVコートは表示パネルの用途に応じて使い分け
る。通常、Vコートは投射型表示装置のライトバルブと
して表示パネルを用いる場合に採用され、マルチコート
は表示パネルを直視型パネルとして用いる時に採用され
る。
【0130】マルチコートの場合は酸化アルミニウム
(Al23)を光学的膜厚nd=λ/4、ジルコニウム
(ZrO2)をnd=λ/2、フッ化マグネシウム(M
gF2)をnd=λ/4積層して形成する。通常、λと
して520nmもしくはその近傍の値として薄膜は形成
される。Vコートの場合は一酸化シリコン(SiO)を
光学的膜厚nd=λ/4とフッ化マグネシウム(MgF
2)をnd=λ/4、もしくは酸化イットリウム(Y2
3)とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd=λ/4積
層して形成する。なお、SiOは青色側に吸収帯域があ
るため青色光を変調する場合はY23を用いた方がよ
い。また、物質の安定性からもY23の方が安定してい
るため好ましい。
【0131】TFT14上には絶縁膜123を介して反
射電極121が形成されている。反射電極121とTF
T14とは接続部122で電気的に接続されている。絶
縁膜123の材料としてはポリイミド等を代表とする有
機材料あるいはSiO2、SiNxなどの無機材料が用
いられる。反射電極121は表面をAlの薄膜で形成さ
れる。Cr等を用いて形成してもよいが、反射率がAl
より低く、また硬質のため反射電極121周辺部の破れ
などが生じやすい。
【0132】図12等に示す本発明の表示パネルでは、
反射電極121の下層にTFT14を形成している。つ
まり、反射電極121は高分子分散液晶層17で散乱し
た入射光がTFT14の半導体層に入射することを防止
する遮光膜(BM)の機能と、液晶層17に電圧を印加
する電極としての機能とを合わせもっている。反射電極
121は金属材料で形成され、遮光効果も十分であり、
また、構造も簡単であるため、低コスト化を実現でき
る。
【0133】アレイ基板12にはソース信号線等(図示
せず)が形成されている。反射電極121は、前記信号
線から放射される電気力線が液晶層17に達するのをシ
ールドするという機能もある。したがって、前記ソース
信号線からの電気力線による画像ノイズが発生しない。
【0134】反射電極121とTFT14とは接続部1
22で電気的に接続をとる。接続をとるためには絶縁膜
123の膜厚以上に金属薄膜(反射電極)121を蒸着
する必要がある。絶縁膜123の膜厚は1μm程度であ
る。そのため、接続部122に1μmの段差が生じる。
また、反射電極121の膜厚も1μmとなるため、隣接
した反射電極間には1μmの谷間が生じる。本発明の表
示パネルは高分子分散液晶を用いているため、ラビング
が必要でないため、前記段差があってもなんら障害はな
く、高い製造歩留で液晶表示パネルを製造できる。
【0135】接続部122の端子には1μmの段差が生
じる。また、TFT14の形状が反射電極121にパタ
ーニングされ、1μm程度の凹凸が生じる。本発明の表
示パネルは高分子分散液晶を用いているため、散乱状態
の変化として光変調を行う。したがって、前記段差およ
びTFT14の凹凸による液晶膜厚の1μm程度の変化
は、ほとんど光変調に影響を与えない。TN液晶等のよ
うに旋光特性を光変調に応用する表示パネルでは前記凹
凸は光変調に致命傷となるであろう。また、本発明の表
示膜厚は8μm以上と厚いことも液晶層17の膜厚むら
に対して、よい方向に作用する。
【0136】図12でも明らかなように、図46に示す
従来のTN表示パネルのように対向電極13にはBM3
81を形成していない。本発明の表示パネルは、基本的
には対向電極13上にはパターニングして形成した構成
物はない。そのため、対向基板11とアレイ基板12と
を貼り合わせる工程において、対向基板11とアレイ基
板12との位置合わせが不要となり製造が容易となる。
もし、BM381等が形成されておれば前記BM381
を画素電極15と対向するようにμmオーダーの位置合
わせが必要となる。
【0137】また、BM381が形成されておれば、液
晶層17に紫外線光を照射して液晶層の樹脂成分と液晶
成分とを相分離させる際、前記BMが紫外線光を遮光
し、BM下の樹脂が未硬化で残るという問題が発生す
る。前記未硬化の樹脂は表示パネルの安定性を阻害し、
経時変化が大きくなる。このような表示パネルは実用上
採用できない。
【0138】さらに、従来の表示パネルの1つであるT
N表示パネルでは、偏光板を用いて、入射光を直線偏光
にする必要がある。したがって、光の半分以上は利用で
きないことになり、光利用率は非常に低い。本発明の表
示パネルは高分子分散液晶を用いているため、偏光板を
用いる必要がないため、光利用率は非常に高くなる。
【0139】対向電極125は、対向基板11側から順
に第1の誘電体薄膜、ITO薄膜、第2の誘電体薄膜で
構成される3層構成であり、ITO薄膜の光学的膜厚は
λ/2、第1の薄膜、および第2の薄膜の光学的膜厚は
それぞれλ/4である。なお、ITO薄膜は対向電極と
しても機能する。
【0140】第1の薄膜および第2の薄膜の屈折率は
1.60以上1.80以下が望ましい。一例としてSi
O、Al23、Y23、MgO、CeF3、WO3、Pb
2が例示される。また、中でも、第1の薄膜をSiO
に、第2の薄膜をY23にした場合、可視光領域全般に
わたり0.1%以下の極めてすぐれた反射防止効果を実
現できる。
【0141】なお、対向電極125は、第1および第2
の誘電体薄膜の光学的膜厚をλ/4、ITO薄膜の光学
的膜厚をλ/2としたが、第1および第2の誘電体薄膜
の光学的膜厚をλ/4、ITO薄膜の光学的膜厚をλ/
4としてもよい。
【0142】さらに、反射防止膜の理論で述べれば、N
を1以上の奇数、Mを1以上の整数としたとき、第1お
よび第2の誘電体薄膜の光学的膜厚は(N・λ)/4、
ITO薄膜の光学的膜厚は(N・λ)/4であればよ
い。もしくは、第1および第2の誘電体薄膜の光学的膜
厚は(N・λ)/4、ITO薄膜の光学的膜厚は(M・
λ)/2であればよい。
【0143】さらには、第1および第2の誘電体薄膜の
うち一方は省略することができる。その場合は、多少反
射防止としての性能は低下するが、実用上は十分である
ことが多い。この場合も、さきの反射防止の理論を適用
する事ができる。
【0144】対向電極125の形成により液晶層17に
入射せずに、反射する光を防止できるから、表示コント
ラストを大幅に向上できる。
【0145】なお、誘電体多層膜16は図13の16a
に示すように反射電極間に形成してもよい。さらには、
誘電体多層膜は低誘電体膜16aと置き換えてもよい。
また、図14に示すように反射電極121上にカラーフ
ィルタを形成することにより一枚の表示パネルでカラー
画像を表示できる。
【0146】高分子分散液晶分散液晶を用いた表示パネ
ルでは液晶層および対向アレイ基板間で光の乱反射が生
じ、表示コントラストが低いという課題がある。この課
題に対しては図29のように本発明の表示パネル281
に厚い透明基板283または凹レンズ284を取りつけ
ることにより対処できる。厚い透明基板283または凹
レンズ284は対向基板11またはアレイ基板12の屈
折率と略一致する透明接続剤ではりつける。液晶層17
で散乱した光は光出射面で反射し、無効面に塗布された
光吸収膜285で吸収される。そのため、前記光が再び
液晶層17にもどり散乱(2次散乱)することがない。
したがって表示コントラストが向上する。以上の記述は
特願平4−145297号にてさらに詳しく説明されて
いるので参照されたい。
【0147】以上に説明した誘電体多層膜を用いて、図
15の遮光パターン164を形成すれば、遮光パターン
下のUV樹脂も硬化できるし、本来の遮光の機能をもた
せることができる。図16はその実施例である。同図に
おいて、図16(a)は表示パネルにおいてソース信号
線21の方向(K−K’)に平行な断面図、図16
(b)は表示パネルにおいてソース信号線21の方向と
は直交する方向(J−J’)の断面図であり、表示領域
の外側に誘電体多層膜で遮光パターン151が形成され
ている。
【0148】表示パネルの製造時において、対向基板1
1とアレイ基板12間に注入した混合溶液は対向基板1
1側から紫外線光を照射し、紫外線光は誘電体多層膜
(遮光パターン)151を透過してUV樹脂を硬化させ
る。また、表示パネル完成後、表示パネルの使用時にお
いては、表示パネルが変調する光が誘電体多層膜(遮光
パターン)151に入射すると反射される。したがっ
て、アレイ基板12側には前記光は出射されない。誘電
体多層膜(遮光パターン)151の構成は(表1)から
(表3)で、効果等は図1等で説明したので説明を省略
する。
【0149】先の本発明の表示パネルの実施例は、各画
素電極にTFT等を配置したアクティブマトリックス型
表示パネルに関するものであった。紫外線を透過させ、
可視光を反射させてBMとして機能させる誘電体多層膜
16を、表示パネルに形成するという技術的思想は単純
マトリックス型表示パネルにも適用できる。
【0150】図18は本発明の技術的思想を単純マトリ
ックス型表示パネルに適用した実施例である。電極基板
174にはITOからなるストライプ状電極171が形
成されており、一方の電極基板175には同じくITO
からなるストライプ状電極176が形成されている。ス
トライプ状電極171と176とは直交する様に配置さ
れている。
【0151】図18に示す実施例では誘電体多層膜17
2は電極基板174側のみに形成されている。図17
(a)に示すように前記誘電体多層膜172は矩形の開
口部(画素)173以外の部分に形成されている。図1
7(a)のC−C’における断面図を図17(b)に、
D−D’における断面図を図17(c)に示す。なお、
誘電体多層膜172の機能については(表1)から(表
3)に示すものと同じものを用いる。また、効果、機能
についても図1等で説明をしたのであらためて説明する
必要はないであろう。
【0152】単純マトリックス型表示パネルにおいて
も、ストライプ状電極171aと171b間に異なった
信号が印加されることから、両電極間に横電界が発生す
る。前記横電界に液晶分子が配向すれば、両電極間が光
透過状態等になる。誘電体多層膜172が形成されてお
れば光透過状態等が発生しても、前記誘電体多層膜17
2はBMとして機能するから光もれが発生することがな
い。したがって、良好な画像表示が行なえる。また、誘
電体多層膜172の比誘電率εは液晶の比誘電率に比較
して小さい。したがって、図4等の電界シールドの効果
も有する。つまり、誘電体多層膜172により横電界の
強度を低減できるものである。
【0153】図18は電極基板174側にのみ誘電体多
層膜を形成した構成であったが、図20に示すように、
電極基板175側にも誘電体多層膜を形成してもよい。
その際、図17(a)のようにマトリックス状に形成し
てもよいが、図19に示すようにストライプ状に形成し
てもよい。図20は図19に示すように誘電体多層膜1
72aをストライプ状に形成した電極基板を用いて構成
した図面である。なお、ストライプ状に形成するとはス
トライプ状電極171aと171bとの間にストライプ
状に誘電体多層膜172を形成することを言う。
【0154】図20は図19(a)の電極基板を2枚用
い、2枚の電極基板を直交させたものである。電極基板
175にはストライプ状電極176が形成され、前記ス
トライプ状電極間に誘電体多層膜172bが形成され
る。前記誘電体多層膜172bはストライプ状電極17
6aと176b間の横電界を防止するとともに、ストラ
イプ状電極間から光もれを防止するBMとして機能す
る。一方、電極基板174にもストライプ状電極171
が形成され、前記ストライプ状電極間に誘電体多層膜1
72aが形成される。なお、カラーフィルタはストライ
プ状電極171と176のいずれか一方に形成すればよ
い。また、図8と同様に前記カラーフィルタをストライ
プ状電極間に形成し、かつ、各カラーフィルタを重ねる
ことにより、カラーフィルタを遮光膜として機能させる
ことができることは明らかである。
【0155】以上は、テレビ画像等を表示させる表示パ
ネルに関するものであった。その他、固定した図形、数
字等を表示する表示パネル等(以後、図形表示パネルと
呼ぶ)にも本発明の技術的思想を適用できる。
【0156】図21は図形表示パネルの平面図および断
面図である。図21では“8”という数字を表示する例
を示しているがこれに限定するものではない。例えば、
“ON”、“OFF”の文字等や、”○×”などの図形
であってもよい。図21(b)は図21(a)のG−
G’線での断面図である。電極基板215には金属薄膜
等で形成された反射電極217が形成され、その上にカ
ラーフィルタ213が形成されている。一方、電極基板
214にはITOからなる透明電極216が形成され、
その上に誘電体多層膜212が形成されている。両電極
基板間に高分子分散液晶層17が狭持されている。ただ
し、電極基板215において、217をカラーフィルタ
として、213をITOとしてもよい。
【0157】カラーフィルタ213は開口部211より
も少なくとも広範囲に反射電極217上に形成されてい
る。また、カラーフィルタ213が反射する色は誘電体
多層膜212が反射する光色と一致させることが好まし
い。つまり、液晶層17が透明状態(電極216と21
7間に電圧が印加された時)の時、“8”という文字は
みえなくなる。逆に液晶層17が散乱状態(電極216
と217間に電圧が印加されていない状態)の時は液晶
層17は白濁状態となるから、“8”という文字は白色
に浮かびあがってみえる。
【0158】なお、誘電体多層膜212の構成は(表
1)から(表3)にあげるものが例示され、その効果、
機能等は図1で説明したのと同様であるから、説明を省
略する。また、誘電体多層膜212は図22(b)に示
すように電極基板214が空気と接する面に形成しても
よい。
【0159】図23は図21に示す液晶表示パネル21
8を用いた表示装置の構成図である。液晶表示パネル2
18上にはスイッチ236が配置されている。前記スイ
ッチ236は透明導電シート231aと231bから構
成され、透明導電シート231aと231bとが接触す
ることにより両シート間に導通がとれる。導通がとれた
か否かは検出手段237で検出される。前記検出手段2
37はインバータ235とT型フリップフロップ(T−
FF)234で構成され、両シート間に導通がとれるご
とにC出力の論理レベルは反転をする。つまり、使用者
が透明導電シート231aをおさえるごとにC出力の論
理レベルが反転するように構成されている。アナログス
イッチ232はC出力によりスイッチSをON、OFF
させる。C出力がHレベルの時スイッチSはON状態と
なり、Lレベルの時OFF状態となる。スイッチSがO
N状態の時、アナログスイッチ232からの矩形信号が
液晶表示パネル218の透明電極216に印加され、液
晶層17は透明状態となる。液晶層17が透明状態とな
れば液晶表示パネル218の文字はみえなくなる。逆に
液晶層17が白濁状態であれば文字はみえる。
【0160】以上のことから使用者は透明導電シート2
31aを押さえることにより液晶表示パネル218の文
字等をみえなくしたり、みえる状態にしたりと切りかえ
ることができる。応用展開としては家電機器の電源のO
N、OFF表示、電子手帳などのタッチパネル等に用い
ることができる。
【0161】その他、本発明の技術的思想は高分子分散
液晶を用いた光書き込み型液晶表示パネル(例えば、特
開平2−93519号公報)等にも用いることができ
る。さらには、高分子分散液晶を用いる液晶表示パネル
に限定することはない。例えば、特定波長の可視光を反
射してBMとして機能させる効果はTN表示パネル、S
TN表示パネル等にも応用展開できる。例えば、図46
においてBM381を誘電体多層膜16とすればよい。
【0162】以上の説明より明らかなように、本発明の
表示パネルは、第1の基板上または第2の基板上に、誘
電体多層膜16を形成する。この誘電体多層膜16は特
定波長の可視光を反射、紫外線を透過できるように構成
することにより、第1の基板と第2の基板間に混合溶液
を狭持後、紫外線光を照射して誘電体多層膜16下のU
V樹脂も硬化できる。したがって、狭持させたすべての
混合溶液中のUV樹脂を硬化できるため、経時変化がな
く、安定な表示パネルを得ることができる。
【0163】また、誘電体多層膜16は表示パネルに入
射する光を反射するため、従来のTN表示パネルのブラ
ックマトリックスと同じく、遮光機能を合わせもつ。
【0164】さらに誘電体多層膜16は液晶に比較して
比誘電率が低いため、信号線と対向電極間等に発生する
電気力線数を少なくすることができ、画素周辺部の光も
れ等を抑制できる。画素電極の周辺部に遮光膜51を形
成すれば、さらにその効果は大きくなる。また、カラー
フィルタなどを画素間に重ねて形成することにより、カ
ラーフィルタを遮光膜として作用させることができる。
【0165】図38に示すように、低誘電体柱391で
ソース信号線21から発生する電気力線をシールドすれ
ば、画素電極15周辺部の光抜けを低減できる。ソース
信号線21と画素電極15間の電磁結合を防止できるか
らである。
【0166】また、画素電極15と対向電極13のうち
少なくとも一方に絶縁膜111を形成することは有効で
ある。有機物からなる絶縁膜111を電極上に形成する
ことにより電荷の保持率を向上できる。絶縁膜111は
液晶層17と電極とが剥離するのを防止する効果もあ
る。それは液晶層17を構成する材料の約半分近くは樹
脂からなる有機物であるからである。
【0167】また、有機物からなる絶縁膜111を形成
すれば、液晶層17のポリマーネットワークの孔径ある
いは水滴状液晶の粒子径がほぼ均一になるという効果も
ある。また、高分子分散液晶を用いることにより、偏光
板が不要となり、TN表示パネルに比較して2倍以上の
高輝度表示が実現できる。これは光利用効率を向上でき
ることのみならず、光が熱に変換されることを大幅に減
少でき、加熱によるパネルの性能劣化をひきおこすこと
がなくなる。これは投射型表示装置のように一枚の表示
パネルに入射する光の強さが数万ルクスと大きい場合、
非常に有効である。
【0168】以下、図面を参照しながら本発明の投射型
表示装置について説明する。まず、本発明の投射型表示
装置に共通する仕様について記載する。なお、以下の値
あるいは値の範囲は、特に高分子分散液晶を光変調層と
する表示パネルをライトバルブとして用いる投射型表示
装置として重要な事項である。
【0169】本発明の投射型表示装置において、光利用
率の向上の観点から、パネル有効表示サイズ(パネルの
表示領域)が小さくなれば、照明光のFナンバーは大き
くする必要がある。パネル有効表示サイズdを大きくす
れば、照明光のFナンバーは小さくでき、結果として明
るい大画面表示を実現できる。しかし、パネル有効表示
サイズが大きくなると投射型表示装置のシステムサイズ
が大きくなり好ましくない。また、パネル有効表示サイ
ズが小さくなればパネルの表示領域に入射する単位面積
あたりの光束が増大し、パネルを加熱して好ましくな
い。
【0170】また、発光体輝度をランプ寿命を考慮して
1.2×108ntと一定とすると、アーク長とランプ
の消費電力はおよそ比例すると考えられる。一例として
アーク長3mmのランプは50W、アーク長4mmのラ
ンプは100W、アーク長5mmのランプは150W程
度となる。メタルハライドランプの効率は80lm/W
である。50Wのランプの全光束は4000lm、10
0Wのランプの全光束は8000lm、150Wのラン
プの全光束は12000lmとなる。ランプのアーク長
とランプ消費電力には相関があり、アーク長とFナンバ
ーとは相関がある。
【0171】投射型表示装置において投射画像の画面サ
イズが40インチ以上で、かつ実用域の視角および画像
の明るさを得るためには300〜400lm以上の光束
が必要である。したがって、ランプの光利用率が4%程
度とすると、100W以上のランプを用いなければなら
ない。このことから、表示コントラスト(CR)を良好
に得るためだけであればアーク長3mmのランプを用い
ることができるが、十分な投射画像の輝度を得るために
は100W以上のメタルハライドランプが必要である。
【0172】また、パネル有効表示サイズも小さいと十
分な表示輝度を得ることができない。パネル有効表示サ
イズはアーク長を5mm、照明光の有効F値を7とする
と、3.5インチ前後の大きさが必要である。アーク長
が5mm程度、パネル有効表示サイズが2インチ強であ
れば、照明光の有効F値は5弱となる。この場合、表示
輝度は実用域となるが、良好な表示コントラスト(C
R)は望めない。
【0173】各種の実験と検討の結果、照明光の有効F
値が5以上であれば実用域の表示輝度が得られる。しか
し、良好な表示輝度と表示コントラストおよび適正な消
費電力かつランプ寿命を得るためには照明光の有効F値
(=投射光の有効F値)は7前後、ランプのアーク長は
5mm前後、ランプのWは150W前後を用いなければ
ならないという結果を得た。
【0174】投射レンズのFナンバーを低下させるとス
クリーンに到達するスクリーン光束は高くなる。それに
ともない、ランプの消費電力も大きくしなければならな
い。また、ランプの長寿命化の観点からランプの消費電
力が大きくなると、アーク輝度を一定と考えると長アー
クになる。当然、表示コントラスト(CR)はFナンバ
ーが小さくなると表示コントラストは悪くなる。逆に、
投射光学系のFナンバーを大きくすると表示コントラス
トは高くなるが、スクリーン光束は小さくなる。
【0175】各種の実験と検討の結果、ランプに関して
はアーク長は良好な表示コントラストを得るために3m
m以上6mm以下でなければならない。また、消費電力
の点から250W以下でなければならない。かつ、スク
リーン輝度を得るために100W以上のメタルハライド
ランプを用いなければならない。さらに好ましくは、ス
クリーン輝度および表示コントラストを考慮するとアー
ク長は3mm以上6mm以下でなければならない。
【0176】パネルの有効表示領域の対角長はシステム
サイズの点から4.5インチ以下でなければならない。
また、光利用効率の点から2インチ以上でなければなら
ない。中でも十分な光集光効率を得、かつコンパクトに
するためには好ましくは3インチ以上4インチ以下にし
なければならない。
【0177】投射レンズのFナンバー、広義には投射光
学系のFナンバーは、良好なコントラスト(CR)を得
るために5以上でなければならない。また、十分なスク
リーン輝度を得るために9以下でなければならない。さ
らに前述のランプのアーク長を考慮すればFナンバーは
6以上8以下でなければならない。
【0178】また、照明光の光の広がり角(Fナンバ
ー)を投射レンズの集光角(Fナンバー)と略一致させ
なければ光利用率は低下する。これは、Fナンバーが大
きい方に制約を受けるからである。本発明の投射型表示
装置の照明光のFナンバーと投射レンズのFナンバーは
一致させている。
【0179】なお、以上の記載において、例えば、ラン
プのアーク長が5mmとは、”実質的に5mm”である
ことを意味する。実質的に5mmとは、アーク長が8m
mであっても、前記アークから放射された光の内、投射
レンズが、アークの中央部の5mm付近から放射した光
しか集光できなければ、実質的にアーク長は5mmとな
る。同様にFナンバーとは有効Fナンバーを意味する。
たとえ物理的なFナンバーが4でも、光が投射レンズの
瞳の中央付近しか通過していなければ、当然Fナンバー
は4以上である。
【0180】図24は第1の実施例における本発明の投
射型表示装置の構成図である。ただし、説明に不要な構
成要素は省略している。光源241は内部に凹面鏡24
1bおよび光発生手段241aとしてのメタルハライド
ランプあるいはキセノンランプを配置している。また、
光の出射側には紫外線(UV)および赤外線(IR)を
カットするUVIRカットフィルタ241cが配置され
ている。凹面鏡241bはランプ241aのアーク長に
あわせて適正値に設計する。凹面鏡241bは楕円面鏡
あるいは放物面鏡を用いる。また、242aはB光を反
射させるダイクロイックミラー(BDM)、242bは
G光を反射させるダイクロイックミラー(GDM)、2
42cはR光を反射させるダイクロイックミラー(RD
M)である。なお、BDM242aからRDM242c
の配置は同図の順序に限定するものではない。また、最
後のRDM242cは全反射ミラーにおきかえてもよい
ことは言うまでもない。
【0181】243は本発明の表示パネルである。例え
ば、図1、図3、図5、図11、図16、図17、図3
8の表示パネルなどが該当する。ただし、R光を変調す
る表示パネル243cの液晶層17の膜厚を他のGおよ
びB光を変調する表示パネルの液晶層17の膜厚に比較
して厚めにして構成する。また、変調する光の波長に応
じて、水滴状液晶の平均粒子径またはポリマーネットワ
ークの平均孔径を変化させている。変調の光の波長が長
くなるほど前記平均粒子径または平均孔径は大きくな
る。これは光が長波長になるほど散乱特性が低下しコン
トラストが低くなる傾向があるからである。また、表示
パネルに誘電体多層膜16が形成されて表示パネルは、
誘電体多層膜16で入射光を反射し、BMとして機能す
るように構成している。244はレンズ、246は投射
レンズ、245はしぼりとしてのアパーチャである。な
お、244、245および246で投射光学系を構成し
ている。なお、アパーチャ245は、投射型表示装置の
動作を説明上図示したものである。アパーチャ245は
投射光学系の集光角を規定するものであるから、投射光
学系の機能に含まれるものとして考えればよい。つまり
投射光学系のF値が大きければアパーチャ245の穴径
は小さいと考えることができる。高コントラスト表示を
得るためには投射光学系のF値は大きいほどよい。しか
し、大きくなると白表示の輝度は低下する。具体的には
アパーチャは用いず、投射光学系の機能にアパーチャの
機能は含まれる。なお、247はリレーレンズである。
【0182】図40は図24をより具体的に表すために
斜視図で図示したものである。ただし、リレーレンズ2
47などの説明に不要な部品は省略している。また、図
40に示した投射器421を用いた投射型表示装置のキ
ャビネット425の構成を図41に示す。キャビネット
425の前側上部に透過型のスクリーン424を配置
し、下部後方に投射器421を配置し、下部前方に平面
ミラー422を配置し、スクリーン424の後方に平面
ミラー423を配置している。投射距離(投射レンズか
らスクリーン中心までの光路長)を短くし、投射器42
1を小型にすることにより、キャビネット425をコン
パクトにすることができる。
【0183】以下、本発明の投射型表示装置の動作につ
いて説明する。なお、R、G、B光のそれぞれの変調系
については、ほぼ同一動作であるのでB光の変調系につ
いて例にあげて説明する。
【0184】光源241から白色光が照射され、この白
色光のB光成分はBDM242aにより反射される。こ
のB光は表示パネル243aに入射する。表示パネル2
43aは、図34(a)、(b)に示すように画素電極
に印加された信号により入射した光の散乱と透過状態と
を制御し光を変調する。
【0185】散乱した光はアパーチャ245aで遮光さ
れ、逆に平行光または所定角度内の光はアパーチャ24
5aを通過する。変調された光は投射レンズ246aに
よりスクリーン(図示せず)に拡大投映される。以上の
ようにして、スクリーンには画像のB光成分が表示され
る。同様に表示パネル243bはG光成分の光を変調
し、また、表示パネル243cはR光成分の光を変調し
て、スクリーン上にはカラー画像が表示される。
【0186】図24は3つの投射レンズ246によりス
クリーンに拡大投映する方式であるが、一つの投射レン
ズで拡大投映する方式もある。その構成図を図25に示
す。表示パネル254は前述の本発明の表示パネルを用
いる。
【0187】ここでは説明を容易にするため、254G
をG光の映像を表示する表示パネル、254RをR光の
映像を表示する表示パネル、254BをB光の映像を表
示する表示パネルとする。したがって、各ダイクロイッ
クミラーを透過および反射する波長は、ダイクロイック
ミラー252aはR光を反射し、G光とB光を透過す
る。ダイクロイックミラー252cはG光を反射し、R
光を透過させる。ダイクロイックミラー252bはB光
を透過し、G光を反射させ、また、ダイクロイックミラ
ー252dはB光を反射させ、G光およびR光を透過す
る。
【0188】メタルハライドランプ241aから出射さ
れた光は全反射ミラー251aにより反射され、光の方
向を変化させられる。次に前記光はUVIRカットフィ
ルタ241cにより紫外線領域および赤外線領域の波長
の光がカットされる。紫外線および赤外線をカットされ
た光はダイクロイックミラー252a、252bにより
R・G・B光の3原色の光路に分離され、R光はフィー
ルドレンズ253Rに、G光はフィールドレンズ253
Gに、B光はフィールドレンズ253Bに入射する。各
フィールドレンズ253は各光を集光し、表示パネル2
54はそれぞれ映像信号に対応して液晶の配向を変化さ
せ、光を変調する。このように変調されたR・G・B光
はダイクロイックミラー252c、252dにより合成
され、投射レンズ255によりスクリーン(図示せず)
に拡大投映される。
【0189】なお、図24、図25に示す投射型表示装
置において図18、図20で説明した単純マトリックス
型表示パネルも、ライトバルブとして採用できることは
言うまでもない。また、図25に示す構成を投射器42
1としてキャビネット425に配置すれば図41に示す
リア型の投射型表示装置を構成できる。
【0190】以下、図12などに示す反射型の表示パネ
ルをライトバルブとして用いる本発明の投射型表示装置
の構成について説明する。図26は図12等に示した本
発明の反射型の表示パネル264をライトバルブとして
用いた投射型表示装置の一実施例の構成図である。光源
241はランプ241a、凹面鏡241b、UVIRカ
ットフィルタ241cで構成される。ランプ241aは
メタルハライドランプであり、R、G、Bの3原色の色
成分を含む光を出射する。凹面鏡241bはガラス製
で、反射面に可視光を反射し赤外光を透過させる多層膜
を蒸着したものである。UVIRカットフィルタ241
cはガラス基板の上に可視光を透過し赤外光と紫外光を
反射する多層膜を蒸着したものである。ランプ241a
からの放射光に含まれる可視光は、凹面鏡241bの反
射面により反射する。凹面鏡241bから出射する反射
光は、UVIRカットフィルタ241cにより赤外線と
紫外線とが除去されて出射する。
【0191】投射レンズ261は表示パネル側の第1レ
ンズ群261bとスクリーン側の第2レンズ群261a
とで構成され、第1レンズ群261aと第2レンズ群2
61bとの間には平面ミラー262が配置されている。
表示パネル264の画面中心にある画素から出射する散
乱光は、第1レンズ群261bを透過した後、約半分が
平面ミラー262に入射し、残りが平面ミラー262に
入射せずに第2レンズ群261aに入射する。平面ミラ
ー262の反射面の法線は投射レンズ261の光軸26
5に対して45°傾いている。光源241からの光は平
面ミラー262で反射されて第1レンズ群261bを透
過し、表示パネル264に入射する。表示パネル264
からの反射光は、第1レンズ群261b、第2レンズ群
261aの順に透過してスクリーンに到達する。投射レ
ンズ261の絞りの中心から出て表示パネル264に向
かう光線は、液晶層17にほぼ垂直に入射するように、
つまりテレセントリックとしている。
【0192】ここでは説明を容易にするために、264
aをR光を変調する表示パネル、264cをB光を変調
する表示パネル、264bをG光を変調する表示パネル
であるとして説明する。
【0193】図26において263はダイクロイックミ
ラーであるが、これは色合成系と色分離系を兼用してい
る。光源からの出射された白色光は平面ミラー262に
よりおりまげられ、投射レンズ261の第1群261b
に入射する。この際、UVIRカットフィルタ241c
により不要なB光およびR光はカットされる。UVIR
カットフィルタ241cの帯域は半値の値で430nm
〜690nmである。以後、光の帯域を記述する際は半
値で表現する。ダイクロイックミラー263aはG光を
反射し、R光およびB光を透過させる。G光はダイクロ
イックミラー263cで帯域制限され表示パネル264
bに入射する。G光の帯域は510〜570nmとす
る。一方、ダイクロイックミラー263bはB光を反射
し、R光を透過させる。B光は表示パネル264cに、
R光は表示パネル264aに入射する。入射するB光の
帯域は430nm〜490nm、R光の帯域は600n
m〜690nmである。これらの光の帯域は本発明の他
の投射型表示装置についても同様である。各表示パネル
はそれぞれの映像信号に応じて散乱状態の変化として光
学像を形成する。各表示パネルで形成された光学系はダ
イクロイックミラー263で色合成され、投射レンズ2
61に入射し、スクリーン266上に拡大投射される。
【0194】図26に示すように、色分離光学系はダイ
クロイックミラーを用いて構成され、前記ダイクロイッ
クミラーは、色分離機能と、液晶表示パネルで変調され
た光を合成する色合成機能を有する。
【0195】表示パネルを反射構造にすることにより、
図27に示すようにアレイ基板または対向基板の裏面に
直接、放熱板271等を配置することができる。放熱板
271はシリコン系の接着剤で表示パネル264にはり
つける。このように構成すれば表示パネルの冷却が容易
になる。
【0196】また、表示パネルに入射する光は、対向電
極125から反射電極121(入射経路)、反射電極1
21から対向電極125(出射経路)と、2回にわた
り、液晶層17を通過することになる。したがって、見
かけ上、透過型の表示パネルに比較して液晶膜厚が2倍
に形成したのと同等になる。そのため、透過型の表示パ
ネルに比較して、散乱性能が向上し、高コントラスト表
示を実現できる。
【0197】ダイクロイックミラー263は、特定の波
長の光を反射(透過)させるフィルタとして機能する。
例えば、ダイクロイックミラー263aは、光源241
からの光が、表示パネル264bに入射する際に、特定
の波長の光を反射する。また、表示パネル264bで反
射した光が、投射レンズ261に入射する際に、特定の
波長の光を反射する。
【0198】1つのダイクロイックミラー263は、表
示パネルに入射する際と、出射する際の2回、光を反射
する。図13の構成では、1つのダイクロイックミラー
で、2回、光の波長の帯域制限をする。つまり、ダイク
ロイックミラーは2次のフィルタとして機能している。
図24のダイクロイックミラー242に比較して、帯域
制限をするカットオフ特性が急峻となる。そのため、各
表示パネルに入射する光の帯域にオーバーラップが生じ
ない。したがって、色再現性が良好となり、高品位の画
像表示を実現できる。
【0199】また、ダイクロイックミラー263を色分
離機能と色合成機能とを、兼用することにより、投射型
表示装置のシステムサイズの小型化を実現している。
【0200】さらに、ダイクロイックミラーを用いて色
分離および色合成光学系をコンパクトにするためには図
42のように構成すればよい。なお、図42において4
26は補助レンズである。3枚のダイクロイックミラー
263d、263eおよび263fはX字状に組み合わ
されて配置される。入射光267aは前記3枚のダイク
ロイックミラー263d、263eおよび263fによ
りR、GおよびBの3原色の光に分離される。例えば、
ダイクロイックミラー263dはR光を反射し、ダイク
ロイックミラー263eおよび263fはB光を反射す
る。G光は3枚のダイクロイックミラーを透過して、表
示パネル264eに到達する。各分離された光は本発明
の表示パネル264d、264eおよび264fによっ
て変調される。変調された光は出射光267bとなり、
ダイクロイックミラー263で色合成されて投射レンズ
261により投射される。
【0201】なお、図24、図25、図26および図4
2においてダイクロイックミラーによってR光、G光お
よびB光の3原色の光に分離するとしたが、これに限定
するものではなく、例えば、ダイクロイックフィルタ、
ダイクロイックプリズム等を用いてもよい。
【0202】図44はダイクロイックプリズム441を
用いて色分離色合成を行なう投射型表示装置の構成図で
ある。ダイクロイックプリズム441には2つの光分離
面442a、442bを有しており、前記光分離面44
2で入射光267aをR・GおよびBの3原色光に分離
する。各表示パネル264は光波長制限フィルタ433
を介してダイクロイックプリズム441に取りつけられ
ている。つまり、ダイクロイックプリズム441に光波
長制限フィルタ433が光結合剤282でオプティカル
カップリングされ、また、前記光波長制限フィルタ43
3に表示パネル264が光結合剤282でオプティカル
カップリングされて貼り付けられている。
【0203】光結合剤282としては、アクリル樹脂な
どの接着剤、シリコン樹脂を成分とするゲル、エチレン
グリコールなどの液体などが例示される。これらの光結
合剤は屈折率が表示パネルの基板の屈折率に近いものが
多く実用上充分である。
【0204】ダイクロイックプリズム441は、すべて
がガラスもしくは樹脂で形成されたものが例示される。
その他、ガラスなどで枠(容器)を作製し、前記枠内
に、光分離面442を形成した板などを挿入し、前記枠
の空間内をエチレングリコール等の枠の材質の屈折率と
略一致する液体などを充填したものでもよい。エチレン
グリコールの他に、シリコン樹脂などのゲルでもよい。
枠と、前記液体もしくはゲルとの屈折率との差は0.1
5以内とし、また、屈折率の範囲は1.40以上1.5
5以下にすることが望ましい。
【0205】ダイクロイックプリズム441の無効領域
(光入出射面435および表示パネル264がとりつけ
られた面以外の領域)には、図45に示すように光吸収
膜(黒色塗料など)432が塗布されている。材料とし
ては図29等に示す光吸収膜285と同様のものが用い
られる。前記光吸収膜432は表示パネル264で散乱
した光を吸収する機能を有する。つまり、表示パネル2
64で散乱した光を吸収する機能を有すればよく、黒色
に限定するものではない。例えば、光変調液晶層17で
変調する光色に対して補色の塗料でもよい。
【0206】さらには、光吸収膜という語は他の光吸収
手段をも含むと解するべきである。例えば、蒸着技術に
より薄膜をダイクロイックプリズム441の無効領域に
形成して光吸収膜432とする構成、光吸収する板また
はフィルムをダイクロイックプリズム441の無効領域
に貼り付ける構成、ダイクロイックプリズム441の無
効領域を研磨し散乱状態にした構成が例示される。
【0207】光波長制限フィルタ433にはダイクロイ
ックミラー、ダイクロイックフィルタが例示され、ま
た、ガラスもしくは樹脂中に光吸収する色素を含有させ
たフィルタが例示される。本発明の投射型表示装置には
このうちのいずれを用いてもよいが、光帯域を狭帯域に
できるダイクロイックフィルタを用いることが最も好ま
しい。
【0208】図44において光波長制限フィルタ433
を表示パネル264と光分離面442間に配置するのは
以下の理由からである。
【0209】ダイクロイックミラーまたはダイクロイッ
クプリズムの光分離面442には、屈折率の異なる透明
誘電体膜が光の波長程度の膜厚で透明板またはプリズム
面に積層されている。前記積層された透明誘電体薄膜に
より、ほとんど光吸収損失を受けることなく、光の多重
干渉現象により任意の波長で透過波長域と反射波長域と
に分光する機能を有する。このような光学多層膜は、光
分離面に入射する入射光の入射角がゼロから増加するに
従い、P偏光とS偏光に対応した分光特性の相違が顕著
となることが知られている。
【0210】ここで、P偏光とS偏光等を定義してお
く。P偏光とは、ダイクロイックプリズムなどの光分離
面442と入射光線の進行方向を含む面上で振動する光
を言う。また、S偏光とは前記P偏光の振動方向と垂直
な方向に振動する光を言う。
【0211】TN型表示パネルを用いた投射型表示装置
の場合、偏光板を用いているため、その偏光軸をP偏光
とS偏光のいずれかのみを利用するように配置し、一方
の偏光のみが利用される。このため、ダイクロイックミ
ラーまたはダイクロイックプリズムの分光特性の偏光依
存性が生じても、先鋭な色分離特性が得られることにな
り、投射画像の色相はよいものが得られる。
【0212】一方、PD表示パネルなどを用いた場合に
は、ランダム光(P偏光およびS偏光の両方)が入射光
となる。したがって、ダイクロイックミラーおよびダイ
クロイックプリズムは分光特性において、P偏光とS偏
光との平均値に対応する分光作用を示す。つまり、シャ
ープな波長カットができない。このことは1つの表示パ
ネルに入射する光の色純度が低下することを意味する。
そのため、色合成された投射画像の色相は、TN型表示
パネルを用いた投射型表示装置に比して劣ることにな
る。
【0213】ダイクロイックプリズムなどの光分離面4
42で反射した光はS偏光の方がP偏光より帯域が広く
なることが知られている。逆にダイクロイックプリズム
の光分離面442を透過する光はP偏光の方がS偏光の
帯域より広くなる。
【0214】例えば、前記ダイクロイックプリズム44
1の光分離面442aがR光を反射するのであれば、前
記R光のS偏光成分は広い帯域の波長の光が反射され、
R光のP偏光成分は広い帯域の波長の光が透過する。し
たがって、S偏光のR光はG光の帯域に近い光も反射
し、P偏光のR光はG光の帯域に近い光も透過する。
【0215】つまり、ダイクロイックプリズム441の
光分離面442aでR光の分離が良好に行なえないこと
を意味する。これが色相を劣化させる要因である。色相
の劣化とは色再現性の低下とおきかえることができる。
例えば、本来R光のみを変調する表示パネル264d
に、そのパネルに入射する光にG光がまざっているため
G光もR光として変調してしまい、原画像の色を再現で
きなくなることをいう。
【0216】図43に示すように、本発明の投射型表示
装置では光波長制限フィルタ433aにより、P偏光と
S偏光のうち狭帯域の偏光の帯域に透過光の帯域を制限
する。つまり、表示パネル264dに入射する光におい
て、S偏光の方がP偏光より帯域が広帯域であるから、
光波長制限フィルタ433aの透過光の帯域はP偏光の
帯域に制限する。特にダイクロイックプリズムを用いる
場合、P偏光とS偏光の帯域のズレは大きくなる傾向に
あるので、光波長制限フィルタ433を用いる効果は大
きい。
【0217】同様に、表示パネル264fに入射する光
において、S偏光の方がP偏光より帯域が広帯域である
から、光波長制限フィルタ433cの透過光の帯域はP
偏光の帯域に制限する。また、表示パネル264eに入
射する光において、P偏光の方がS偏光より帯域が広帯
域であるから、光波長制限フィルタ433bの透過光の
帯域はS偏光の帯域に制限する。
【0218】以上のことから、図42の構成においても
表示パネル264とダイクロイックミラー263間に光
波長制限フィルタ433を配置することは効果がある。
したがって、光分離面442と表示パネル264間に光
波長制限フィルタ433を配置するという技術的思想は
図44のダイクロイックプリズム441と組み合わせて
用いることに限定されるものではない。例えば、図2
4、図25、図26の構成においても適用することがで
きる。
【0219】また、光波長制限フィルタ433a、43
3bおよび433cは必ずすべてを各光路に配置しなけ
ればならないものではない。例えば、光波長制限フィル
タ433aと433cを用い、433bを除去した構成
でもよい。特に色純度が悪い光路のみに光波長制限フィ
ルタを挿入すれば、色再現性の改善をいう目的は達成で
きるからである。
【0220】図26では光波長制限フィルタ433は点
線で図示している。しかし、表示パネル264に光波長
制限フィルタを光結合剤でオプティカルカップリングし
た構成でもよい。また、光波長制限フィルタで反射する
光が投射レンズ261に入射する事を防止するため、光
波長制限フィルタが空気と接する面には反射防止膜を形
成することが好ましい。また、光軸265に対して、光
波長制限フィルタを傾けて配置する事が好ましい。
【0221】表示パネル264はダイクロイックプリズ
ム441に貼りつけられ、前記ダイクロイックプリズム
441の無効領域に光吸収膜432が塗布されている。
この構成は図29等に示したように、表示パネル264
に透明基板283がオプティカルカップリングされ、前
記透明基板283の無効領域に光吸収膜285が塗布さ
れていることと機能的に類似する。つまり、透明基板2
83をダイクロイックプリズム441とおきかえて考え
ればよい。
【0222】例えば、表示パネル264aを中心に考
え、かつ、表示パネル264aはR光を変調すると考え
れば、入射光267aはダイクロイックプリズム441
の光入出射面435より入射し、光分離面442bでR
光が反射される。表示パネル264aは反射電極121
に印加された電圧の大きさに応じて光変調液晶層17の
散乱度合を変化させる。そのうち透過光の成分は再び光
分離面442aで反射し、光入出射面435より出射さ
れる。散乱した光はそのほとんどが光吸収膜432に入
射して吸収され、光変調液晶層17に再びもどり、2次
散乱を発生させることはない。
【0223】以上のことから、図44においてダイクロ
イックプリズム441は色分離色合成の機能を有するほ
か、2次散乱光の発生を防止する機能を有することが理
解できるであろう。図44の本発明の構成は色分離色合
成系が非常に簡単で小型である。かつ、2次散乱の防止
機能をも有している。
【0224】また、図43の構成も考えられるであろ
う。立方体状の容器431中にダイクロイックミラー
(ガラス板などに誘電体多層膜が形成され、光干渉現象
により、光の波長を選択して光を反射するハーフミラ
ー)263、光波長制限フィルタ433および表示パネ
ル264が配置されている。容器431の内面もしくは
外面に光吸収手段としての光吸収膜432aが形成され
ている。容器431の空間部にはエチレングリコールな
どの液体もしくはゲル434が充填されている。
【0225】以上のように構成すれば光波長制限フィル
タ433と表示パネル264とはオプティカルカップリ
ングをとる必要はなくなる。光吸収膜432aが、図4
5に示す光吸収膜432として機能する。また、エチレ
ングリコール液434が表示パネル264を液体冷却す
る機能を有することから、表示パネル264の冷却が容
易である。
【0226】光波長制限フィルタ433を反射方式の投
射型表示装置(例えば、図26、図44など)に用いる
場合、前記光波長制限フィルタ433には光が表示パネ
ル264に入射する際と、光が表示パネル264から出
射する際の2度通過するパターンがある。したがって、
光波長制限フィルタ433は見かけ上、2次のバンドパ
スフィルタとして機能する。そのため、カットオフ帯域
が急峻で波長の選択性に優れるという特徴を有する。
【0227】なお、表示パネル264は、本発明の表示
パネルを用いることが好ましいが、その他のランダム光
を変調する表示パネルに置き換えてもよい。例えば、米
国登録特許USP5148298に開示された光書き込
み型表示パネル、USP4566935に開示された微
小なミラーの傾きにより光変調を行う表示パネル、ある
いは特開昭62−237424号公報に開示された回折
現象により光変調を行う表示パネルが例示される。
【0228】以上のことから、図43、図44等に示し
た投射型表示装置は、2つの技術的な発明と効果があ
る。1つはプリズムに表示パネルを光学的に結合し、前
記プリズムにより、2次散乱光を防止することである。
2つめは、光波長制限フィルタにより色相を改善するこ
とである。
【0229】以上の装置は、光散乱状態の変化として光
学像を形成する表示パネルをライトバルブ(光変調手
段)として用いた投射型表示装置である。しかし、本発
明の位相板でP偏光とS偏光とを変換し、色分離色合成
系での光の帯域幅を狭め、投射型表示装置の色相を改善
するという技術的思想は、他のランダム光を変調する表
示パネルを用いる投射型表示装置にも適用される。
【0230】投射型表示装置はスクリーンと投射装置と
が1つのキャビネット内に収容されたリア型投射型表示
装置(図41参照、通常プロジェクションテレビと呼ば
れる)と、スクリーンと投射装置が分離されたフロント
型投射型表示装置(シャープ(株)製)がある。本発明
の投射型表示装置はリア型、フロント型の双方に適用で
きるものである。例えば、図24または図26または図
44などの投射型表示装置と、スクリーンとを一体化し
て図41のように構成すればリア型投射型表示装置とな
る。
【0231】また、一枚の本発明の表示パネルを用いて
カラー表示を実現するためには、図28のように構成す
ればよい。その他、一枚の反射型パネルを用いてカラー
表示を実現するには、図28のRGBのうち一色の光を
変調する光学系を取りだし、かつライトバルブとして図
14に示す本発明の反射型の表示パネルを用いればよい
ことは言うまでもないであろう。
【0232】本発明の表示パネルは投射型表示装置のラ
イトバルブとしてのみでなく、例えば、ビデオカメラに
用いる表示装置(ビューファインダと呼ぶ)にも採用で
きる。以下、本発明の表示パネルをビューファインダに
採用した実施例を説明する。なお、ビューファインダに
本発明の表示パネルを用いる場合は誘電体多層膜16は
白色光を反射するように形成する。その他、表示パネル
としては図7、図8、図10、図20、図38などに示
す本発明の表示パネルを採用することができる。
【0233】図30は本発明のビューファインダの外観
図であり、図31および図32は図30の断面図であ
る。ボデー291の内部には、集光レンズ304および
本発明の表示パネル243を取り付けた取り付けホルダ
ー307が配置されている。また、取り付けホルダー3
08の内部には拡大レンズ305を有する接眼リング3
06が配置されている。301は蛍光発光管であり、蛍
光発光管301が放射する光は遮光板302の中央部の
穴303から出射される。ボデー291、取り付けホル
ダー307、308等は不要光を吸収するために、内面
を黒色あるいは暗色に塗装している。なお。蛍光発光管
301は発光ダイオード(LED)に置き換えてもよ
い。
【0234】取り付けホルダー308を観察者側に引っ
ぱることにより、取り付けホルダー307が引っぱら
れ、図32の配置となる。図31はビューファインダを
用いない時、つまり収納した状態を示している。なお、
取り付けホルダー307、308は一体として形成して
もよい。図32はビューファインダを用いて液晶表示パ
ネルの画像を観察するときの状態を示している。図32
の状態のときに、集光レンズ304の焦点が蛍光発光管
301の発光面となるようにしている。取り付けホルダ
ー307等を移動することにより、収納時にビューファ
インダの体積を小さくでき、また全長を短くすることが
できる。
【0235】一例として、表示パネル243の表示領域
の対角長は28mmであり、集光レンズ304は有効直
径が30mm、焦点距離が15mmとする。集光レンズ
304は平凸レンズであり、平面を蛍光発光管301側
に向けている。なお、集光レンズ304、拡大レンズ3
05はフレネルレンズに置き換えてもよい。フレネルレ
ンズにすればビューファインダの体積を小さくでき、ま
た、軽量化できる。
【0236】302は中央部に円形の穴303のあいた
遮光板である。蛍光発光管301から光が放射される領
域を小領域にする機能を有している。穴303の面積が
大きくなると表示パネルの表示画像は明るくなるが、コ
ントラストは低下する。これは集光レンズで304に入
射する光量は多くなるが、入射光の指向性が悪くなるた
めである。
【0237】蛍光発光管301から広い立体角に放射さ
れた光は、集光レンズ304により平行に近く、指向性
の狭い光に変換され、表示パネル243の対向電極(図
示せず)側から入射する。観察者は接眼カバー292に
眼を密着させて、表示パネル243の表示画像を見るこ
とになる。つまり、観察者の瞳の位置はほぼ固定されて
いる。表示パネル243の全画素が光を直進させる場合
を仮定した時、集光レンズ304は蛍光発光管301か
ら放射され、集光レンズ304の有効領域に入射する光
が拡大レンズ305を透過した後にすべて観察者の瞳に
入射するようにしている。このようにして観察者は、表
示パネル243の小さな表示画像を拡大して見ることが
できる。つまり、拡大した虚像を見ることができる。
【0238】ビューファインダは観察者の瞳の位置が接
眼カバー292によりほぼ固定されるため、その背後に
配置する光源は指向性が狭くてもよい。光源として蛍光
管を用いたライトボックスを用いる従来のビューファイ
ンダでは、表示パネルの表示領域とほぼ同じ大きさの領
域から、ある方向の微小立体角内に進む光だけが利用さ
れ、他の方向に進む光は利用されない。つまり、光利用
効率が非常に悪い。
【0239】本発明では、発光体の小さな光源を用い、
その発光体から広い立体角に放射される光を集光レンズ
304により平行に近い光に変換する。こうすると、集
光レンズ304からの出射光は指向性が狭くなる。観察
者の視点が固定されておれば前述の狭い指向性の光でも
ビューファインダの用途に十分となる。発光体の大きさ
が小さければ、当然、消費電力も少ない。以上のよう
に、本発明のビューファインダは観察者が視点を固定し
て表示画像を見ることを利用している。通常の直視表示
パネルでは一定の視野角が必要であるが、ビューファイ
ンダは所定方向から表示画像を良好に観察できれば用途
として十分である。
【0240】なお、本発明のビューファインダとビデオ
カメラとも取り付け金具293でビデオカメラに固定さ
れる。
【0241】表示パネル243には図8、図10に示す
ようにモザイク状のカラーフィルタが取り付けられてい
る。画素配置はいわゆるデルタ配置である。カラーフィ
ルタは赤、緑、青のいずれかの色を透過させる。カラー
フィルタの構成物により各色の膜厚を制御してもよい。
カラーフィルタの膜厚は、カラーフィルタの作製時に調
整して形成する。つまり、カラーフィルタの膜厚を赤、
緑、青で変化させる。カラーフィルタの膜厚により、各
画素上の液晶層17の膜厚はそれぞれのカラーフィルタ
色に応じて調整する事ができる。
【0242】また、図8に示すようにカラーフィルタを
用いて信号線上を被覆した表示パネルを用いれば画素周
辺部の光もれも防止できる。集光レンズ304は平面、
つまり曲率半径の大きい面を蛍光発光管301側に向け
ている。これは、正弦条件を満足しやすくして、表示パ
ネル243の表示画像の輝度均一性を良好にするためで
ある。
【0243】接眼リング306のボデー291への挿入
度合を調整することにより、観察者の視力に合わせてピ
ント調整を行なうことができる。なお、接眼カバー29
2により観察者の眼の位置が固定されるので、ビューフ
ァインダの使用中に視点位置がずれることはほとんどな
い。視点が固定されておれば、表示パネル243への光
の指向性が狭くても観察者は良好な画像を見ることがで
きる。さらに良好に見えるようにするには、蛍光発光管
301からの光の放射方向を最適な方向に移動させれば
よい。
【0244】図33は本発明のビューファインダに用い
る蛍光発光管の断面図である。図33に示すように、蛍
光発光管は外観としては豆電球状の形状である。321
はガラスからなるケースであり、直径は5mm〜20m
mである。323はフィラメントであり、直流4V〜8
V程度の電圧を印加することによりフィラメント323
を加熱する。324はアノードであり、印加電圧は直流
15〜25V程度である。アノード電圧により、フィラ
メント323の加熱により放出された電子は加速され
る。ケース321内には水銀分子(図示せず)が封入さ
れており、前記加速された電子は水銀分子と衝突する事
により紫外線を放出する。この紫外線が蛍光体322を
励起し可視光が発生する。このような発光素子としてミ
ニパイロ電機社製の蛍光発光管(ルナライト07シリー
ズ)がある。発光管の直径は7mmであり、ヒーター電
圧5V、アノード電圧23Vの直流を印加して用いる。
【0245】駆動はパルス駆動を行うことにより、放射
する光量を調整できる。パルスの周期は30ヘルツ以上
とし、好ましくは60ヘルツ以上とする。アノードに印
加する電圧をパルス信号とすることにより、パルス幅に
比例して放射光量を可変できる。
【0246】なお、図33(b)で示すように、ケース
321上に遮光膜325を形成し、発光素子からでる光
の放射面積を小さくすれば、図31に示すような遮光板
302は必要でなくなる。
【0247】以上のように、本発明のビューファインダ
は発光素子の小さな発光体から広い立体角に放射される
光を、集光レンズ304により効率良く集光するので、
蛍光管を用いた面光源のバックライトを用いる場合に比
較して、光源の消費電力を大幅に低減することができ
る。
【0248】なお、本発明の表示パネルを用いた表示装
置として図23等に示すタッチパネル、図24等に示す
投射型表示装置、図30等に示すビューファインダを例
示したがこれに限定するものではない。例えば、電子手
帳などの表示パネル、ポケットテレビなどの表示パネ
ル、携帯端末の表示パネル、ラップトップパーソナルコ
ンピュータなどの表示パネル、反射型のカラー表示モニ
ター、液晶表示パネル付きビデオカメラ(例えば、シャ
ープ(株)が発売している液晶ビューカム)の表示モニ
ター、テレビ電話の画像表示パネル、ヘッドマウントデ
ィスプレイの表示パネルなどにも採用できることは言う
までもない。
【0249】
【発明の効果】第1の本発明の表示パネルは、誘電体多
層膜212は可視光を反射するが、紫外線光を透過する
ように構成している。そのため、表示パネルの製造時、
誘電体多層膜212上から紫外線を照射することによ
り、前記誘電体多層膜212下の樹脂成分を硬化するこ
とができる。そのため、未硬化の樹脂成分が発生せず表
示パネルに経時変化がおこらず安定である。
【0250】第2の本発明の表示パネルにおいても、誘
電体多層膜16は特定の可視光を反射し、紫外線を透過
する。表示パネル製造時、誘電体多層膜16が形成され
た対向基板11側から紫外線光を照射することにより、
誘電体多層膜16の下の光硬化性樹脂成分を硬化させる
ことができる。そのため、液晶層17に未硬化の樹脂が
残ることがなく、表示パネルに経時変化が発生しない。
誘電体多層膜16は可視光の吸収はなく、すべて反射す
る。
【0251】したがって、従来のBMのように可視光を
吸収し、加熱されるということが発生しない。誘電体多
層膜16は可視光を反射することから、BMとしての遮
光機能もある。そのため、高品位の画像表示を行なえ
る。
【0252】また、TFT14上に形成した樹脂からな
る遮光膜18は光変調液晶層17で散乱した光が、前記
TFT14の半導体層に入射し、TFTにホトコンダク
タ現象が発生するのを防止する。また、遮光膜18は樹
脂で形成されているため、光変調液晶層17の樹脂成分
との密着性が良好で、光変調液晶層17とアレイ基板1
2との剥離等の発生を防止できる。
【0253】第3の本発明の表示パネルも第2の本発明
の表示パネルと同様に、誘電体多層膜172は紫外線を
透過する。したがって、製造時、誘電体多層膜172を
透過させて紫外線を照射でき、前記誘電体多層膜172
下の樹脂成分を硬化できる。そのため、未硬化の樹脂成
分が残らず、表示パネルに劣化が生じることがない。
【0254】第4の本発明の表示パネルは、対向基板1
1およびアレイ基板12上に絶縁膜111を形成し、前
記絶縁膜111で電圧を保持できるようにしている。そ
のため、液晶層17の比抵抗が低くても、前記絶縁膜1
11の比抵抗が十分高ければ、1フィールドの時間は十
分に電荷をチャージできる。また、高分子分散液晶層1
7と対向電極13とは密着性が悪く、ヒートショック等
で、高分子分散液晶層17と対向電極13との剥離が生
じやすい。しかし、本発明の表示パネルは、絶縁膜11
1を形成している。前記絶縁膜111は高分子分散液晶
層17と対向電極13との緩衝膜として機能するので、
前記剥離は発生しない。
【0255】第5の本発明の表示パネルは、ソース信号
線上21をカラーフィルタ71で被覆している。カラー
フィルタ71は電気力線をシールドする効果がある。し
たがって、液晶層17に電気力線が通過することを防止
できる。また、画素電極間に2色以上のカラーフィルタ
を積層することで遮光膜として機能する。したがって、
図14のように構成すれば反射電極121間から光が絶
縁層123に進入することがなく、TFT14のホトコ
ンダクタ現象の発生を防止できる。
【0256】第6の本発明の表示パネルは、ソース信号
線上21または反射電極間を低誘電体材料で被覆してい
る。低誘電体材料は電気力線をシールドする効果があ
る。したがって、液晶層17に電気力線が通過するこ
と、および反射電極間の横電界を防止できる。
【0257】第7の本発明の表示パネルは、BMとして
機能する誘電体多層膜16を形成しているため、画像ノ
イズが発生しても、視覚的に見えることはない。また、
前記誘電体多層膜16は紫外線を透過するため、製造時
に全ての液晶層の樹脂成分を硬化させることができる。
【0258】本発明のビューファインダでは、光発生手
段(蛍光発光管)301の発光部は非常に小さくて良い
ため、光発生手段(蛍光発光管)301の消費電力は極
めて少なくなる。また、集光手段(集光レンズ)304
で、光発生手段(蛍光発光管)301から放射された光
を平行光に変換して、光変調手段(表示パネル)243
を照明するため、照明光の光強度分布が表示パネル24
3の中央部を最大として同心円状となり、光源像が表示
されず、良好な表示を実現できる。
【0259】また、集光レンズ304と発光素子との距
離を可変可能に構成しているため、ビューファインダを
用いる時には、ビューファインダの体積および全長を短
くすることができる。ビデオカメラはコンパクトさが望
まれており、本発明のビューファインダを用いれば、低
消費電力およびコンパクト化の両方を実現できる。
【0260】本発明の投射型表示装置は、本発明の表示
パネルをライトバルブとして用いる。前記ライトバルブ
は光変調を行なうのに偏光板を用いる必要がない。した
がって、本発明の投射型表示装置は高輝度表示を実現で
きる。また、各表示パネル243の誘電体多層膜16は
各表示パネル243に入射する光を反射し、BMとして
機能するため、画素電極15周辺部に光ぬけが発生しな
い。そのため、高画質表示を実現できる。
【0261】また、本発明の投射型表示装置に、光波長
制限フィルタ433を用いることにより、P偏光とS偏
光のうち狭帯域の偏光の帯域に透過光の帯域を制限でき
る。したがって、表示画像の色純度(色再現性)を向上
させることができる。
【0262】また、表示パネル264をダイクロイック
プリズム441に貼りつけ、前記ダイクロイックプリズ
ム441の無効領域に光吸収膜432を塗布する。この
構成は図29等に示したように、表示パネル264に透
明基板283がオプティカルカップリングされ、前記透
明基板283の無効領域に光吸収膜285が塗布されて
いることと機能的に類似する。したがって、表示パネル
264で散乱された光はそのほとんどが光吸収膜432
に入射して吸収されるため、光変調液晶層17に再びも
どり、2次散乱を発生させることはない。このため、表
示コントラストは向上する。
【0263】図43のように投射型表示装置を構成すれ
ば、光波長制限フィルタ433と表示パネル264とは
オプティカルカップリングをとる必要はない。光吸収膜
432aが、図45に示す光吸収膜432として機能す
る。また、エチレングリコール液434が表示パネル2
64を液体冷却する機能を有することから、表示パネル
264の冷却が容易になるという効果を有する。
【0264】本発明の投射型表示装置では、反射型もし
くは透過型の高分子分散表示パネルを採用しているた
め、高輝度表示を実現でき、また、200インチ以上の
大画面化にも対応できる。また、R・G・B光の波長に
応じてそれぞれの誘電体多層薄膜の光学的膜厚を変化さ
せ、良好なブラックマトリックス機能をもたせている。
また、光調する光の波長に応じて液晶膜厚を厚くまたは
/および水滴状液晶の平均粒子径を大きくしているた
め、ホワイトバランスおよび表示コントラストが良好な
画像表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図2】本発明の一実施例における表示パネルの説明図
【図3】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図4】本発明の一実施例における表示パネルの説明図
【図5】本発明の一実施例における表示パネルの平面図
および断面図
【図6】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図7】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図8】本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図9】本発明の一実施例における表示パネルの説明図
【図10】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図11】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図12】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図13】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図14】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図15】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図16】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図17】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図18】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図19】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図20】本発明の一実施例における表示パネルを示す
【図21】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図22】(a)本発明の一実施例における表示パネル
の平面図 (b)本発明の一実施例における表示パネルの断面図
【図23】本発明の一実施例における表示装置の構成図
【図24】本発明の一実施例における投射型表示装置の
構成図
【図25】本発明の一実施例における投射型表示装置の
構成図
【図26】本発明の一実施例における投射型表示装置の
構成図
【図27】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図28】本発明の一実施例における投射型表示装置の
構成図
【図29】本発明の一実施例における表示パネルの説明
【図30】本発明の一実施例における表示装置(ビュー
ファインダ)の外観図
【図31】本発明の一実施例における表示装置(ビュー
ファインダ)の断面図
【図32】本発明の一実施例における表示装置(ビュー
ファインダ)の断面図
【図33】本発明の表示装置(ビューファインダ)に用
いる発光素子の断面図
【図34】高分子分散液晶の動作の説明図
【図35】本発明の表示パネルに形成した誘電体多層薄
膜の一例を示す特性図
【図36】本発明の表示パネルに形成した誘電体多層薄
膜の他の例を示す特性図
【図37】本発明の表示パネルに形成した誘電体多層薄
膜の他の例を示す特性図
【図38】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図39】本発明の一実施例における表示パネルの断面
【図40】本発明の一実施例における投射型表示装置の
光学系の斜視面図
【図41】本発明の一実施例における投射型表示装置の
構成図
【図42】本発明の一実施例における投射型表示装置の
構成図
【図43】本発明の一実施例における投射型表示装置の
説明図
【図44】本発明の一実施例における投射型表示装置の
構成図
【図45】本発明の一実施例における投射型表示装置の
説明図
【図46】従来の表示パネルの断面図
【図47】従来の表示パネルの断面図
【符号の説明】
11 対向基板 12 アレイ基板 13 対向電極 14 TFT 15 画素電極 16 誘電体多層膜 17 液晶層 18,51 遮光膜 19 黒ビーズ 21 ソース信号線 22 電気力線 23 液晶分子 52 ゲート信号線 71 カラーフィルタ 111 絶縁膜 121 反射電極 122 接続部 123 絶縁膜 124 反射防止膜 125 対向電極 161 シャーシ 162 プリント基板 163 コネクタ 164,151 遮光パターン 171,176 ストライプ状電極 172,212 誘電体多層膜 173,211 開口部 174,175,214,215 電極基板 213 カラーフィルタ 216 透明電極 217 反射電極 218 液晶表示パネル 231 透明導電シート 232 アナログスイッチ 234 T−FF 235 インバータ 236 スイッチ 237 検出手段 241 光源 241a ランプ 241b 凹面鏡 241c UVIRカットフィルタ 242,252,263 ダイクロイックミラー 244 レンズ 245 アパーチャ 246 投射レンズ 247 リレーレンズ 251,262 ミラー 254,264,281 表示パネル 255,261 投射レンズ 265 光軸 266 スクリーン 267a 入射光 267b 出射光 271 放熱板 272 接着剤 273 ドライブIC 282 光結合剤 283 透明基板 284 凹レンズ 285 光吸収膜 286 光出射面 291 ボデー 292 接眼カバー 293 取り付け金具 301 蛍光発光管 302 遮光板 303 穴 304 集光レンズ 305 拡大レンズ 307,308 取り付けホルダー 321 ケース 322 蛍光体 323 フィラメント 324 アノード 325 遮光膜 331 水滴状液晶 332 ポリマー 381 BM 382 配向膜 383 TN液晶層 384 偏光板 391 低誘電体柱 411,422,423 ミラー 412 投射レンズ 421 投射器 424 スクリーン 425 キャビネット 426 補助レンズ 431 容器 432 光吸収膜 433 光波長制限フィルタ 434 エチレングリコール液 435 光入出射面 441 ダイクロイックプリズム 442 光分離面
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1345 G02F 1/1345 G03B 21/00 G03B 21/00 E Fターム(参考) 2H088 EA14 GA02 GA10 HA02 HA08 HA12 HA18 HA21 HA28 JA05 KA05 KA26 KA30 MA02 MA06 2H089 HA04 HA18 QA16 RA05 SA02 SA16 TA02 TA09 TA12 2H091 FA02Y FA08X FA08Z FA26X FA26Z FA41Z GA02 GA13 HA07 JA02 KA01 KA10 LA16 LA17 2H092 GA13 GA17 GA62 JA24 NA01 PA08 PA11 PA12 PA13 QA07 QA15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素電極がマトリックス状に配置された
    第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に狭持された液晶層と、 前記隣接した画素電極間に配置された誘電体柱とを具備
    し、 前記誘電体柱の誘電率は、前記液晶層の誘電率よりも小
    さく、かつ、前記誘電体柱の高さが前記液晶層の膜厚と
    略一致していることを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 【請求項2】 画素電極がマトリックス状に配置された
    第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に狭持された液晶層と、 前記第1の基板に形成された第1の誘電体柱と、 前記第2の基板に形成された第2の誘電体柱とを具備
    し、 前記第1の誘電体柱の高さと前記第2の誘電体柱の高さ
    とを加えた高さが、前記液晶層の膜厚と略一致し、 前記誘電体柱の誘電率は、前記液晶層の誘電率よりも小
    さいことを特徴とする液晶表示パネル。
  3. 【請求項3】 反射電極がマトリックス状に配置された
    第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に狭持された液晶層と、 前記隣接した反射電極間に形成された誘電体膜とを具備
    し、 前記誘電体膜の誘電率は、前記液晶層の誘電率よりも小
    さいことを特徴とする液晶表示パネル。
  4. 【請求項4】 誘電体膜または誘電体柱は、誘電体多層
    膜であることを特徴とする請求項1から請求項3のいず
    れかに記載の液晶表示パネル。
  5. 【請求項5】 画素電極がマトリックス状に配置された
    第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に狭持された液晶層とを
    具備し、 前記第1の基板側に3原色からなるカラーフィルタが形
    成され、 隣接した前記画素電極間に少なくとも2色のカラーフィ
    ルタが重ねて形成されており、 前記カラーフィルタの誘電率は、前記液晶層の誘電率よ
    り小さいことを特徴とする液晶表示パネル。
  6. 【請求項6】 画素電極がマトリックス状に配置された
    第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板間に狭持された液晶層とを
    具備し、 前記第1の基板側に3原色からなるカラーフィルタが形
    成され、 画素電極に信号を供給する信号線上に少なくとも2色の
    カラーフィルタが重ねて形成されており、 前記カラーフィルタの誘電率は、前記液晶層の誘電率よ
    り小さいことを特徴とする液晶表示パネル。
  7. 【請求項7】 マトリックス状に配置された画素電極
    と、前記画素電極に信号を印加するスイッチング素子が
    形成された第1の基板と、 対向電極が形成された第2の基板と、 前記第1の基板と第2の基板に狭持された液晶層と、 前記画素電極上および画素電極間に形成されたカラーフ
    ィルタとを具備し、 前記画素電極間には少なくとも2色以上のカラーフィル
    タが積層され、 前記高分子分散液晶層は、光硬化樹脂成分とネマティッ
    ク液晶成分とを有することを特徴とする液晶表示パネ
    ル。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7のいずれかに記載
    の液晶表示パネルと、 アーク放電ランプと、 前記アーク放電ランプが放射した光を前記液晶表示パネ
    ルに導く光学系と、 前記液晶表示パネルで変調した光を拡大投影する投射レ
    ンズとを具備することを特徴とする投射型表示装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項7のいずれかに記載
    の液晶表示パネルと、 前記液晶表示パネルを照明する照明手段と、 前記液晶表示パネルで変調した光を拡大して観察者に見
    えるようにする拡大レンズとを具備することを特徴とす
    るビューファインダ。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項7のいずれかに記
    載の液晶表示パネルと、 光発生手段と、 前記光発生手段が放射した光を略平行光に変換し、前記
    液晶表示パネルを照明する第1のレンズと、 前記液晶表示パネルで変調した光を拡大して観察者に見
    えるようにする拡大レンズとを具備することを特徴とす
    るビューファインダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011045958A1 (ja) * 2009-10-14 2011-04-21 シャープ株式会社 液晶表示パネル、液晶表示パネルの製造方法および液晶表示装置
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