JP2002196163A - 光合分波器 - Google Patents

光合分波器

Info

Publication number
JP2002196163A
JP2002196163A JP2000395536A JP2000395536A JP2002196163A JP 2002196163 A JP2002196163 A JP 2002196163A JP 2000395536 A JP2000395536 A JP 2000395536A JP 2000395536 A JP2000395536 A JP 2000395536A JP 2002196163 A JP2002196163 A JP 2002196163A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveguide
optical
waveguides
channel
slab
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000395536A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Katayama
誠 片山
Masayuki Nishimura
正幸 西村
Shigeru Tanaka
茂 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2000395536A priority Critical patent/JP2002196163A/ja
Publication of JP2002196163A publication Critical patent/JP2002196163A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再現性がよくかつより簡単な構成で、隣接す
る信号チャネル間のクロストーク特性の劣化を改善する
光合分波器を提供する。 【解決手段】 スラブ導波路(120,140)とチャネル導波
路(130)との間に、該チャネル導波路(130)おのおのの幅
あるいは厚みの3培以上の、クラッドガラスが充填され
た隙間が設けられている。この構成により、スラブ導波
路(120,140)とチャネル導波路(130)とが直接接続された
場合と同程度に、隣接する信号チャネル間のクロストー
ク特性の劣化が効果的に改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、波長分割多重
(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送シ
ステムに波長選択素子として適用可能なアレイ導波路回
折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)型の光
合分波器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】AWG型の光合分波器(以下、AWG回
路という)は、干渉による特定波長の取り出しあるいは
挿入を可能にする波長フィルタとしてWDM伝送システ
ムにおける波長選択素子に広く利用されている。また、
AWG回路は、回折格子ほどの精密な機械加工や、干渉
膜ほどの精密な多層膜形成が不要で、リソグラフィやエ
ッチングなどの一般的な微細加工プロセスで実現できる
ことから、他の光導波路素子との集積の可能性とも併せ
て今後のWDM伝送システムの中心的な光学デバイスと
してその発展が期待されている。
【0003】このようなAWG回路は、単一基板上に、
入力導波路、入力用スラブ導波路、それぞれ長さの異な
る複数のチャネル導波路(フェーズドアレイ)、出力用
スラブ導波路、出力導波路が一体的に作り込まれ、これ
ら導波路がクラッドガラスで覆われた構造を備える。特
に、従来のAWG回路において低損失化を実現するため
には、チャネル導波路それぞれをの断面構造を矩形に加
工するとともに、それらをより近接するよう加工する必
要がある。ところが、スラブ導波路とチャネル導波路の
接続部分のように導波路同士がより近接した隣接導波路
間では、クラッドガラスが充填されずに空隙が生じ、設
計通り再現性よくAWG回路を製造することができなか
った。
【0004】特開平7−63934号公報には、上述の
ようなクラッドガラスの充填の不完全性を防止し、制作
が容易でありかつ再現性のよいAWG回路を得るため、
スラブ導波路―チャネル導波路間のような隣接導波路間
を1μm〜10μm程度離間させ、この隙間にクラッド
ガラスが充填された構造が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、従来のA
WG回路について検討した結果、以下のような課題を発
見した。すなわち、特開平7−63934号公報に記載
されたAWG回路は、隣接導波路間を、回折による過剰
損失が最大で0.1dBと十分に無視できる程度小さく
抑えるため、1μm〜10μm程度離間させている。
【0006】ところが、従来のAWG回路では、隣接導
波路間にクラッドガラスを充填することによる過剰損失
を十分に無視できる程度に抑えるよう、該隣接導波路間
の間隔を設定しても、隣接する信号チャネル間のクロス
トークは著しく劣化してしまうという課題があった。
【0007】この発明は、上述のような課題を解決する
ためになされたものであって、再現性がよくかつより簡
単な構成で、隣接チャネル間のクロストーク特性の劣化
を改善する光合分波器を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る光合分波
器は、基板と、該基板上にそれぞれ設けられた、1又は
それ以上の入力導波路、第1スラブ導波路、複数のチャ
ネル導波路、第2スラブ導波路、及び各信号チャネルご
とに設けられた複数の出力導波路とを備え、WDM伝送
システムに波長選択素子として適用可能なAWG型の光
合分波器である。
【0009】この発明に係る光合分波器において、上記
第1及び第2スラブ導波路は、それぞれ所定のスラブ長
を有する。なお、スラブ長は、一般的に各スラブ導波路
のレンズ面として機能する光入力端の焦点距離に相当す
る。また、上記入力導波路は、信号チャネルとして所定
波長間隔ごとに設定されたチャネル波長を有する信号そ
れぞれを第1スラブ導波路に導くための導波路であっ
て、第1スラブ導波路の光入力端面にその光出力端が光
学的に接続されている。上記複数のチャネル導波路は、
互いに異なる長さを有する導波路であって、入力導波路
とともに第1スラブ導波路を挟むように該第1スラブ導
波路の光出力端面にそれぞれの光入力端が光学的に接続
される一方、出力導波路とともに第2スラブ導波路を挟
むように該第2スラブ導波路の光入力端面にそれぞれの
光出力端が光学的に接続された状態で基板上に平面的に
配列されている。さらに、上記出力導波路は、第2スラ
ブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入力端が光学的に
接続された状態で基板上に平面的に配列された導波路で
あって、所定波長間隔ごとに設定されたチャネル波長を
有する信号それぞれを個別に取り出すための導波路であ
る。
【0010】特に、この発明に係る光合分波器は、スラ
ブ導波路とチャネル導波路との間のように導波路同士が
より近接して配置される部分において、これら隣接導波
路の間隔を一定値以上離すことにより、隣接する信号チ
ャネル間でクロストークの劣化が著しく改善される事実
を発明者らが発見したことにより完成されたものであ
る。
【0011】すなわち、この発明に係る光合分波器で
は、隣接導波路間を離間させることに起因した隣接する
信号チャネル間のクロストークの劣化を改善するため、
チャネル導波路の光入力端と第1スラブ導波路の光出力
端面との間、及び、該チャネル導波路の光出力端と第2
スラブ導波路の光入力端面との間の少なくとも一方を、
該チャネル導波路おのおのの幅あるいは厚みの3倍以上
離間させたことを特徴としている。
【0012】また、この発明に係る光合分波器におい
て、上記基板に対し、少なくともチャネル導波路の比屈
折率差は0.75%以上であることが好ましい。該チャ
ネル導波路の基板に対する比屈折率差を大きくすること
により、光の閉じ込め効果が向上し、チャネル導波路の
間隔をより狭く設定できるからである。
【0013】この発明に係る光合分波器において、上記
チャネル導波路は、基板に垂直な方向から見て、それぞ
れの光入力端が第1スラブ導波路の光出力端面の90%
以上の範囲に亘って該光出力端面に対向するよう配列さ
れるのが好ましい。一方、第2スラブ導波路側において
も、上記チャネル導波路は、基板に垂直な方向から見
て、それぞれの光出力端が第2スラブ導波路の光入力端
面の90%以上の範囲に亘って該光入力端面に対向する
よう配列されるのが好ましい。光の取り込み角度を大き
くすることで、隣接する信号チャネル間のクロストーク
の更なる改善効果が得られるからである。
【0014】なお、上記隣接導波路(例えばスラブ導波
路とチャネル導波路)間の間隔は、基板に対するこれら
導波路の比屈折率差によって多少変動する。そこで、こ
の発明に係る光合分波器では、隣接導波路間を離間させ
ることに起因した隣接する信号チャネル間のクロストー
クの劣化を改善するため、チャネル導波路の光入力端と
第1スラブ導波路の光出力端面との間、及び、該チャネ
ル導波路の光出力端と第2スラブ導波路の光入力端面と
の間の少なくとも一方を、該チャネル導波路を伝搬する
光のモードフィールド径をMとするとき、2M以上かつ
6M以下だけ離間させるのがより好ましい。
【0015】さらに、この発明に係る光合分波器におい
て、クラッドガラスの埋め込み効果の向上及び隣接する
信号チャネル間のクロストーク劣化を改善を図るため、
上記入力導波路おのおのについても、その光出力端が第
1スラブ導波路の光入力端面から該入力導波路の厚みの
1/2以上離間するよう基板上に配置されるのが好まし
い。同様に、上記出力導波路おのおのも、その光入力端
が第2スラブ導波路の光出力端面から該出力導波路の厚
みの1/2以上離間するよう基板上に配置されるのが好
ましい。
【0016】具体的な実施形態として、この発明に係る
光合分波器は、30本以上の出力導波路を備え(すなわ
ち、合分波対象の信号チャネルは30以上)、波長間隔
100GHz以下の信号チャネルの合分波を可能にす
る。そのため、当該光合分波器において、チャネル導波
路おのおのの配置間隔は15μm以下に設定されるのが
好ましい。出力導波路おのおのの配置間隔は20μm以
下に設定されるのが好ましい。また、上記第1及び第2
スラブ導波路の各スラブ長は15mm以下に設計される
のが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る光合分波器
の実施形態を、図1〜図5を用いて詳細に説明する。な
お、各図において、同一部分には同一の番号を付して重
複する説明は省略する。
【0018】図1は、この発明に係る光合分波器として
のAWG回路の構成を示す平面図である。この図1に示
されたように、当該光合分波器は、石英ガラス基板10
0上に光導波路部分が一体的に形成された光部品であ
る。すなわち、基板100上には、1又はそれ以上の入
力導波路110、第1スラブ導波路120(入力用スラ
ブ導波路)、複数のチャネル導波路130、第2スラブ
導波路140(出力用スラブ導波路)及び信号チャネル
CH1、CH2、…、CH39、CH40にそれぞれ対
応した出力導波路150が設けられている。
【0019】上記各導波路部分にはGeO2が添加され
ており、該GeO2の添加量は、チャネル導波路130
の曲率半径の低減を可能にするため(光の閉じ込め効率
の向上)、基板100と導波路部分との比屈折率差は
0.75%以上である。なお、基板100は、石英ガラ
ス基板に限らず、シリコン基板と該シリコン基板上に成
膜された10〜数10μmのガラス層とにより構成され
てもよい。このガラス層上にGeO2が添加された導波
路を形成しても同様の作用・効果が得られる。また、図
2は、図1中のI−I線に沿ったAWG回路の断面構造
を示す図であり、基板100上には、導波路となるべき
コア101(幅W、厚み(高さ)Hを有する)と、該コ
ア101を覆うクラッド102とが設けられている。
【0020】上記第1スラブ導波路120は、当該光合
分波器へ入力される光の入射角度に対して角度θをなす
よう配置されるとともに、チャネル導波路130の光入
力端が光学的に接続される平坦な光出力端面120a
と、入力導波路110の光出力端が光学的に接続される
光入力端面120bとを有する。一方、上記第2スラブ
導波路140は、チャネル導波路130の光出力端が光
学的に接続される平坦な光入力端面140aと、出力導
波路150の光入力端が光学的に接続される光出力端面
140bとを有する。また、これら第1及び第2スラブ
導波路120、140は、それぞれスラブ長fを有す
る。なお、スラブ長は、第1及び第2スラブ導波路12
0、140おのおのにおける光入力端面に位置する凸レ
ンズ面の焦点距離に相当する。
【0021】上記入力導波路110は、信号チャネルと
して所定波長間隔ごとに設定されたチャネル波長を有す
る各信号を第1スラブ導波路120に導くための導波路
であって、この入力導波路110の光出力端は第1スラ
ブ導波路120の光入力端面120bに光学的に接続さ
れている。上記チャネル導波路130は、互いに異なる
長さを有する導波路であって、基板100上に平面的に
配列されている。これらチャネル導波路130は、入力
導波路110とともに第1スラブ導波路120を挟むよ
うに該第1スラブ導波路120の光出力端面120aに
光学的に接続される一方、出力導波路150とともに第
2スラブ導波路140を挟むように該第2スラブ導波路
140の光入力端面140aに光学的に接続されてい
る。さらに、上記出力導波路150は、第2スラブ導波
路140の光出力端面140bに光入力端が光学的に接
続された状態で上記基板100上に平面的に配列された
導波路であって、所定波長間隔ごとに設定されたチャネ
ル波長を有する各信号に対応して、すなわち信号チャネ
ルそれぞれに対応して設けられている。
【0022】なお、図1に示された光合分波器は、入力
導波路110、第1スラブ導波路120、チャネル導波
路130、第2スラブ導波路140及び出力導波路15
0の順に光が伝搬する40チャネルの信号分離を可能に
するAWG回路として説明されているが、各信号チャネ
ルに対応して複数の入力導波路を設けることにより、波
長合波を可能にするAWG回路も実現できる。
【0023】特に、この発明に係る光合分波器は、スラ
ブ導波路とチャネル導波路との間のように導波路同士が
より近接して配置される部分において、これら隣接導波
路の間隔を一定値以上離すことにより、隣接する信号チ
ャネル間でクロストークの劣化が著しく改善される事実
を発明者らが発見したことにより完成されたものであ
る。
【0024】したがって、この発明に係る光合分波器で
は、チャネル導波路130の光入力端と第1スラブ導波
路120の光出力端面120aとの間、及び、該チャネ
ル導波路130の光出力端と第2スラブ導波路140の
光入力端面140aとの間の少なくとも一方が、これら
スラブ導波路140とチャネル導波路130のような隣
接する導波路間を離間させることに起因した隣接する信
号チャネル間のクロストークの劣化を効果的に改善する
ため、該チャネル導波路おのおのの幅あるいは厚みの3
倍以上離間(図1中の間隔x)している。なお、隣接す
る導波路間の間隔は、基板100に対するこれら導波路
の比屈折率差によって多少変動する。そこで、この発明
に係る光合分波器では、チャネル導波路130の光入力
端と第1スラブ導波路120の光出力端面120aとの
間、及び、該チャネル導波路130の光出力端と第2ス
ラブ導波路140の光入力端面140aとの間の少なく
とも一方を、該チャネル導波路130を伝搬する光のモ
ードフィールド径をMとするとき、2M以上かつ6M以
下だけ離間している。
【0025】また、この発明に係る光合分波器におい
て、上記基板100に対し、チャネル導波路130を含
む各導波路の比屈折率差は0.75%以上である。各導
波路110〜150の比屈折率差を大きくすることによ
り、光の閉じ込め効率を向上させ、導波路間隔をより狭
く設定可能にするためである。
【0026】さらに、この発明に係る光合分波器におい
て、上記チャネル導波路130は、基板100に垂直な
方向から見て、それぞれの光入力端が第1スラブ導波路
120の光出力端面120aの90%以上の範囲に亘っ
て該光出力端面120aに対向するよう配列されるのが
好ましい。一方、第2スラブ導波路140側において
も、上記チャネル導波路130は、基板100に垂直な
方向から見て、それぞれの光出力端が第2スラブ導波路
140の光入力端面140aの90%以上の範囲に亘っ
て該光入力端面140aに対向するよう配列される。光
の取り込み角度が大きい方が、隣接する信号チャネル間
のクロストークの更なる改善効果が得られるからであ
る。
【0027】さらに、この発明に係る光合分波器におい
て、クラッドガラス(図2中のクラッド102に相当)
の埋め込み効果の向上及び隣接する信号チャネル間のク
ロストーク劣化の改善を図るため、上記入力導波路11
0は、その光出力端が第1スラブ導波路120の光入力
端面120bから該入力導波路110の厚みの1/2以
上離間するよう基板100上に配置されている。同様
に、上記出力導波路150おのおのも、その光入力端が
第2スラブ導波路140の光出力端面140bから該出
力導波路150の厚みの1/2以上離間(図1中の間隔
y)するよう基板100上に配置されている。
【0028】次に、実際に使用する際の具体的な仕様と
して、当該光合分波器は、30本以上の出力導波路15
0を備え(すなわち、合分波対象の信号チャネルCHは
30以上)、波長間隔100GHz以下の信号チャネル
の合分波を可能にする光学デバイスであるのが好まし
い。この際、当該光合分波器において、チャネル導波路
130おのおのの配置間隔d1は15μm以下、出力導
波路150おのおのの配置間隔d2は20μm以下、ま
た、上記第1及び第2スラブ導波路120、140の各
スラブ長fは15mm以下に設定される。
【0029】発明者らは上述の仕様に合致するよう、信
号波長間隔Δλが100GHz、中心チャネル波長(C
H20)が1550.918nmである40チャネル信
号分離を可能にするAWG回路を設計した。
【0030】設計されたAWG回路において、基板10
0と各導波路部分110〜150との比屈折率差は1.
5%、各導波路110、130、150のコア幅Wは
4.3μm、各導波路110、130、150のコア厚
みHは4.3μmであり、このときのモードフィールド
径は5.5μmである。第1及び第2スラブ導波路12
0、140のスラブ長fはそれぞれ4800μm、基板
100のサイズは20mm×20mm、基板100の厚
みは0.5mm、チャネル導波路130の間隔d1は
6.0μm、チャネル導波路130の本数は80、第1
スラブ導波路120の設置角度θは80゜、出力導波路
150の間隔d2は15μmに設定されている。なお、
チャネル導波路130おこおのの光路長差ΔLは36.
702μm、該チャネル導波路130の曲率半径は2m
mに設定されている。
【0031】上述のように、この発明に係るAWG回路
として設計されたサンプルにおいて、第1スラブ導波路
120の光出力端面120aとチャネル導波路130の
光入力端、及び第2スラブ導波路140の光出力端面1
40aとチャネル導波路130の光出力端との間は所定
距離x(μm)だけ離間している。また、チャネル導波
路130は、基板100に垂直な方向から見て、それぞ
れの光入力端が第1スラブ導波路120の光出力端面1
20aの90%以上の範囲に亘って該光出力端面120
aに対向するよう配列されるとともに、それぞれの光出
力端が第2スラブ導波路140の光入力端面140aの
90%以上の範囲に亘って該光入力端面140aに対向
するよう配列されている。
【0032】発明者らは、上記サンプルに関し、第1及
び第2スラブ導波路120、140おのおのとチャネル
導波路130の間隔xを変動させたときのチャネルCH
20を中心とした隣接信号チャネルのクロストークの変
化と接続損失をそれぞれ測定した。図4は、上記サンプ
ルについて、間隔xを変更したときのチャネルCH20
におけるクロストークの測定結果を示すグラフである。
また、図5は、上記サンプルについて、間隔xを変更し
たときのチャネルCH20における接続損失の測定結果
を示すグラフである。
【0033】図4から分かるように、隣接する信号チャ
ネル間でのクロストークは、間隔xが増加するに従って
一旦増加するが、該間隔がある一定値以上大きくなる
と、逆にスラブ導波路120、140とチャネル導波路
130とが直接接続された場合(x=0μm)と同程度
まで低下する。この傾向は接続損失についても言える。
【0034】この現象は断定的には言及できないが、1
つの仮説として、スラブ導波路−チャネル導波路の間隔
xが比較的小さい領域A(図4参照)では、スラブ導波
路120、140に直接接続(x=0μm)されたチャ
ネル導波路中をコアモードとして伝搬していた光の一部
がスラブ導波路―チャネル導波路間のクラッド層中を伝
搬した後、隣接するチャネル導波路のコアモードとして
伝搬する確率が増加することにより、クロストーク特性
が劣化するものと考えられる。逆に、スラブ導波路―チ
ャネル導波路の間隔xがある値を超えると(図4中の領
域B)、チャネル導波路中をコアモードとして伝搬して
いた光の一部は、スラブ導波路―チャネル導波路間のク
ラッド層中を相当長い距離伝搬することになるため、さ
らにその一部が放射モードとなる確率が著しく増加す
る。この結果、隣接するチャネル導波路のコアモードと
して伝搬する確率が低下したことにより、クロストーク
特性が改善されるものと考えられる。
【0035】以上の考察に基づいて、この発明に係る光
合分波器では、隣接導波路間を離間させることに起因し
た隣接する信号チャネル間のクロストークの劣化を改善
するため、チャネル導波路130の光入力端と第1スラ
ブ導波路120の光出力端面120aとの間、及び、該
チャネル導波路130の光出力端と第2スラブ導波路1
40の光入力端面140aとの間の少なくとも一方が、
該チャネル導波路130おのおのの幅あるいは厚みの3
倍以上離間している。換言すれば、チャネル導波路13
0の光入力端と第1スラブ導波路120の光出力端面1
20aとの間、及び、該チャネル導波路130の光出力
端と第2スラブ導波路140の光入力端面140aとの
間の少なくとも一方が、該チャネル導波路130を伝搬
する光のモードフィールド径をMとするとき、2M以上
かつ6M以下だけ離間している。
【0036】なお、上述のサンプルでは、第1及び第2
スラブ導波路120、140とチャネル導波路130と
の間を所定距離離間させた構成を示したが、クラッド埋
め込み効果をさらに向上させるため、入力導波路110
と第1スラブ導波路120、及び、出力導波路150と
第2スラブ導波路140の間もクラッドガラスを介して
離間させてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、第1及
び第2スラブ導波路おのおのとチャネル導波路との間
に、該チャネル導波路おのおのの幅あるいは厚みの3培
以上の、クラッドガラスが充填された隙間が設けられて
いる。この発明は、従来技術からは到底創達し得なかっ
た、発明者らが発見した事実に基づいて完成されたもの
であり、スラブ導波路おのおのとチャネル導波路とが直
接接続された場合と同程度に、再現性がよくかつより簡
単な構成で、隣接する信号チャネル間のクロストークの
劣化を効果的に改善できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る光合分波器の概略構成を示す平
面図である。
【図2】図1中に示されたI−I線に沿った光合分波器
の断面構造を示す図である。
【図3】この発明に係る光合分波器の一実施形態として
製造されたサンプルの、導波路構造を概略的に説明する
ための平面図である。
【図4】この発明に係る光合分波器の一実施形態として
製造されたサンプルについて、スラブ導波路とチャネル
導波路の間隔xを変更したときの中心チャネル(CH2
0)におけるクロストークの測定結果を示すグラフであ
る。
【図5】この発明に係る光合分波器の一実施形態として
製造されたサンプルについて、スラブ導波路とチャネル
導波路の間隔xを変更したときの中心チャネル(CH2
0)における接続損失の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
100…基板、110、150…導波路群、120、1
40…スラブ導波路、130…チャネル導波路(フェー
ズドアレイ)、120a、140a…光入力端面、12
0b、140b…光出力端面。
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月15日(2001.3.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】このようなAWG回路は、単一基板上に、
入力導波路、入力用スラブ導波路、それぞれ長さの異な
る複数のチャネル導波路(フェーズドアレイ)、出力用
スラブ導波路、複数の出力導波路が一体的に作り込ま
れ、これら導波路がクラッドガラスで覆われた構造を備
える。特に、従来のAWG回路において低損失化を実現
するためには、チャネル導波路それぞれをの断面構造を
矩形に加工するとともに、それらをより近接するよう加
工する必要がある。ところが、スラブ導波路とチャネル
導波路の接続部分のように導波路同士がより近接した隣
接導波路間では、クラッドガラスが充填されずに空隙が
生じ、設計通り再現性よくAWG回路を製造することが
できなかった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】上述のように、この発明に係るAWG回路
として設計されたサンプルにおいて、第1スラブ導波路
120の光出力端面120aとチャネル導波路130の
光入力端、及び第2スラブ導波路140の光入力端面1
40aとチャネル導波路130の光出力端との間は所定
距離x(μm)だけ離間している。また、チャネル導波
路130は、基板100に垂直な方向から見て、それぞ
れの光入力端が第1スラブ導波路120の光出力端面1
20aの90%以上の範囲に亘って該光出力端面120
aに対向するよう配列されるとともに、それぞれの光出
力端が第2スラブ導波路140の光入力端面140aの
90%以上の範囲に亘って該光入力端面140aに対向
するよう配列されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 茂 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H047 KA03 KA12 LA19 MA05 QA04 RA08 TA11

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 前記基板上に設けられた、それぞれ所定のスラブ長を有
    する第1及び第2スラブ導波路と、 前記基板上に設けられた導波路であって、前記第1スラ
    ブ導波路の光入力端面にその光出力端が光学的に接続さ
    れた1又はそれ以上の入力導波路と、 前記第2スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入力
    端が光学的に接続された状態で前記基板上に平面的に配
    列された導波路であって、信号チャネルとして所定波長
    間隔ごとに設定されたチャネル波長を有する信号に対応
    して設けられた複数の出力導波路と、 前記入力導波路とともに前記第1スラブ導波路を挟むよ
    うに該第1スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入
    力端が光学的に接続される一方、前記出力導波路ととも
    に前記第2スラブ導波路を挟むように該第2スラブ導波
    路の光入力端面にそれぞれの光出力端が光学的に接続さ
    れた状態で前記基板上に平面的に配列された導波路であ
    って、互いに長さの異なる複数のチャネル導波路とを備
    え、 前記チャネル導波路おのおのは、前記第1スラブ導波路
    と離間することに起因した隣接する信号チャネル間のク
    ロストーク特性の劣化を改善するため、該第1スラブ導
    波路の光出力端面と該チャネル導波路の光入力端との間
    が、該チャネル導波路おのおのの幅あるいは厚みの3倍
    以上離間した状態で前記基板上に配列されている光合分
    波器。
  2. 【請求項2】 基板と、 前記基板上に設けられた、それぞれ所定のスラブ長を有
    する第1及び第2スラブ導波路と、 前記基板上に設けられた導波路であって、前記第1スラ
    ブ導波路の光入力端面にその光出力端が光学的に接続さ
    れた1又はそれ以上の入力導波路と、 前記第2スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入力
    端が光学的に接続された状態で前記基板上に平面的に配
    列された導波路であって、信号チャネルとして所定波長
    間隔ごとに設定されたチャネル波長を有する信号に対応
    して設けられた複数の出力導波路と、 前記入力導波路とともに前記第1スラブ導波路を挟むよ
    うに該第1スラブ導波路の光出力端面にそれぞれの光入
    力端が光学的に接続される一方、前記出力導波路ととも
    に前記第2スラブ導波路を挟むように該第2スラブ導波
    路の光入力端面にそれぞれの光出力端が光学的に接続さ
    れた状態で前記基板上に平面的に配列された導波路であ
    って、互いに長さの異なる複数のチャネル導波路とを備
    え、 前記チャネル導波路おのおのは、前記第2スラブ導波路
    から離間することに起因した隣接する信号チャネル間の
    クロストーク特性の劣化を改善するため、該第2スラブ
    導波路の光入力端面と該チャネル導波路の光出力端との
    間が、該チャネル導波路おのおのの幅あるいは厚みの3
    倍以上離間した状態で前記基板上に配列されている光合
    分波器。
  3. 【請求項3】 前記基板に対し、少なくとも前記チャネ
    ル導波路の比屈折率差は0.75%以上であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の光合分波器。
  4. 【請求項4】 前記チャネル導波路は、前記基板に垂直
    な方向から見て、それぞれの光入力端が前記第1スラブ
    導波路の光出力端面の90%以上の範囲に亘って該光出
    力端面に対向するよう配列されていることを特徴とする
    請求項1記載の光合分波器。
  5. 【請求項5】 前記チャネル導波路は、前記基板に垂直
    な方向から見て、それぞれの光出力端が前記第2スラブ
    導波路の光入力端面の90%以上の範囲に亘って該光入
    力端面に対向するよう配列されていることを特徴とする
    請求項2記載の光合分波器。
  6. 【請求項6】 前記チャネル導波路おのおのは、前記第
    1スラブ導波路の光出力端面と該チャネル導波路の光入
    力端との間が、該チャネル導波路おのおのを伝搬する光
    のモードフィールド径をMとするとき、2M以上かつ6
    M以下だけ離間した状態で前記基板上に配列されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光合分波器。
  7. 【請求項7】 前記チャネル導波路おのおのは、前記第
    2スラブ導波路の光出力端面と該チャネル導波路の光入
    力端との間が、該チャネル導波路おのおのを伝搬する光
    のモードフィールド径をMとするとき、2M以上かつ6
    M以下だけ離間した状態で前記基板上に配列されている
    ことを特徴とする請求項2記載の光合分波器。
  8. 【請求項8】 前記入力導波路おのおのは、その光出力
    端が前記第1スラブ導波路の光入力端面から該入力導波
    路の厚みの1/2以上離間するよう前記基板上に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項
    記載の光合分波器。
  9. 【請求項9】 前記出力導波路おのおのは、その光入力
    端が前記第2スラブ導波路の光出力端面から該出力導波
    路の厚みの1/2以上離間するよう前記基板上に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項
    記載の光合分波器。
  10. 【請求項10】 前記チャネル導波路おのおのの配置間
    隔は15μm以下であることを特徴とする請求項1〜9
    のいずれか一項記載の光合分波器。
  11. 【請求項11】 前記出力導波路おのおのの配置間隔は
    20μm以下であることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれか一項記載の光合分波器。
  12. 【請求項12】 前記第1及び第2スラブ導波路の各ス
    ラブ長は15mm以下であることを特徴とする請求項1
    〜9のいずれか一項記載の光合分波器。
  13. 【請求項13】 30本以上の前記出力導波路を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の光
    合分波器。
  14. 【請求項14】 前記チャネル波長の間隔は、100G
    Hz以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれ
    か一項記載の光合分波器。
JP2000395536A 2000-12-26 2000-12-26 光合分波器 Pending JP2002196163A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000395536A JP2002196163A (ja) 2000-12-26 2000-12-26 光合分波器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000395536A JP2002196163A (ja) 2000-12-26 2000-12-26 光合分波器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002196163A true JP2002196163A (ja) 2002-07-10

Family

ID=18860986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000395536A Pending JP2002196163A (ja) 2000-12-26 2000-12-26 光合分波器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002196163A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2198836C (en) Optical wavelength multiplexer/demultiplexer
JP4385224B2 (ja) 光導波路デバイス及び光導波路モジュール
JPH11271541A (ja) 波長分波回路
JP3112246B2 (ja) アレイ導波路格子
US6529649B1 (en) Optical filter with improved crosstalk rejection
JP2000171661A (ja) アレイ導波路回折格子型光合分波器
JP2001194541A (ja) 光導波回路
JP4250811B2 (ja) 光波長合分波器
US6665466B2 (en) Optical multiplexer/demultiplexer
US6768840B2 (en) Arrayed waveguide grating and method for manufacturing the same
JP3029028B2 (ja) 光波長合分波器
JP3224086B2 (ja) フラット帯域特性の周波数幅が可変なアレイ導波路格子
US6424760B1 (en) Optical multiplexer/demultiplexer
JP2002196163A (ja) 光合分波器
US6104847A (en) Optical device having an optical waveguide structure
JP2002090561A (ja) 光合分波器
JP4284852B2 (ja) 光合分波器
US6574397B2 (en) Optical multiplexer/demultiplexer
US20030031412A1 (en) Optical arrayed waveguide grating devices
JP2011128206A (ja) アレイ導波路回折格子
Janz et al. Planar waveguide echelle gratings: an embeddable diffractive element for photonic integrated circuits
US20230194780A1 (en) Integrated Optical Structure for Multiplexing and/or Demultiplexing
JP2007093721A (ja) 光波長合分波器
JP3832741B2 (ja) 波長タップ回路
JP2002196162A (ja) 光合分波器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070713

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091208