JP2002195950A - 金属材料の清浄度評価方法 - Google Patents

金属材料の清浄度評価方法

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JP2002195950A
JP2002195950A JP2000392646A JP2000392646A JP2002195950A JP 2002195950 A JP2002195950 A JP 2002195950A JP 2000392646 A JP2000392646 A JP 2000392646A JP 2000392646 A JP2000392646 A JP 2000392646A JP 2002195950 A JP2002195950 A JP 2002195950A
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oxide
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maximum
cleanliness
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Yoshio Nuri
嘉夫 塗
Yoshiyuki Kato
恵之 加藤
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Sanyo Special Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 精度よく迅速に金属材料の清浄度の評価方法
を提供する。また、このような金属材料の量産工程にも
対応した、迅速な金属材料の清浄度の評価方法を提供す
る。 【解決手段】 酸化物系介在物の最大径を求めて金属材
料の清浄度を評価する方法であって、被分析対象金属材
料からn個の試料片を採取し、各試料片について、試料
片と対電極との間で複数回のスパーク放電を行い、試料
片中の酸化物系介在物に起因する最高発光スペクトル強
度を検出し、最高発光スペクトル強度と酸化物系介在物
の最大径とが対応する検量線から、n個の各試料片につ
いての酸化物系介在物の最大径ajを算出して被分析対
象金属材料の清浄度を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属材料の清浄度
を評価する方法に関するものである。より詳しくは、発
光分析法を利用して酸化物系介在物の最大径を推定し、
金属材料について信頼性の高い清浄度評価を行う方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】最近の冶金技術の向上から、鋼などの金
属材料の清浄度が大幅に改善され、20ミクロンを越え
る中型から大型の金属材料中の非金属介在物は一段と少
なくなり、かつ、大きさも小さくなっている。このよう
な中で、偶発的に、あるいは極めて低い確率で発生する
大型介在物の検出は、非常に困難になっている。しか
し、例えばAl23、MgO・Al23、(Ca,M
g)O・Al23などの介在物は軸受鋼などにおいて疲
労破壊の原因となりやすく、依然として問題となってい
る。
【0003】現在、金属材料の清浄度を見る検査方法と
しては、光学顕微鏡による方法が標準である。しかし、
この方法では測定に長時間要すること、測定者の眼の疲
労が著しいこと、測定者により測定値にばらつきが生じ
やすいこと、顕微鏡観察に鏡面研磨が必要なため、試料
調整費用がかさむこと、などの問題点がある。(JISG 0
555, ASTM E45, ASTMA295, DIN50602, ISO4967 な
ど)。
【0004】また、金属材料から酸溶解により介在物を
抽出しその介在物の粒径を顕微鏡で評価する方法やEB
溶解法により金属材料を溶解し浮上した介在物を顕微鏡
により観察する方法が提案されているが(特開平9−1
25199号、特開平9−125200号)、介在物が
酸に溶解したり、介在物自身が融解、凝集したりする場
合があり、さらに、酸溶解に時間がかかるなど、処理の
迅速性に劣り、製品の量産工程に対応することも困難で
あった。
【0005】しかして、このような状況の下、実際に金
属材料の清浄度を評価し、保証できる、新たな技術の開
発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような問題点を解決する金属材料の清浄度の評価方
法を提供せんとするものである。また、このような金属
材料の量産工程にも対応した、迅速な金属材料の清浄度
の評価方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決することを目的に研究を進め、スパーク放電によ
る発光分析法を利用して酸化物系介在物の最大径を求め
ることを検討したところ、スパーク放電による発光分析
により、酸化物系介在物に起因する発光スペクトル強度
のうちの最大値と酸化物介在物の最大粒径との相関関係
に基づいて、金属材料について精度よく迅速に最大介在
物径を推定することができることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は次の通りである。 (1)酸化物系介在物の最大径を求めて金属材料の清浄
度を評価する方法であって、被分析対象金属材料からn
個の試料片を採取し、各試料片について、試料片と対電
極との間で複数回のスパーク放電を行い、試料片中の酸
化物系介在物に起因する最高発光スペクトル強度を検出
し、最高発光スペクトル強度と酸化物系介在物の最大径
とが対応する検量線から、n個の各試料片についての酸
化物系介在物の最大径aj(j=1,n)を算出し、下
記式(1)および(1’)により被分析対象金属材料中
の酸化物系介在物の推定最大径amaxを算出して被分析
対象金属材料の清浄度を評価することを特徴とする金属
材料の清浄度評価方法。 [式1]酸化物系介在物の最大径aj (j=1,n)と
基準化変数yj (j=1,n)の一次回帰式 a=ty+u ・・・・・・・(1) ただし、 n=検査回数 基準化変数yj =−ln[−ln{j/(n+1)}] (j=
1,n) t=回帰係数 u=定数 [式1’]被分析対象金属中の酸化物系介在物の推定最
大径amax の算出式(回帰式) amax=t×ymax +u ・・・・・・(1’) ただし、 So=検査基準面積(mm2 ) S=予測を行う面積(mm2 ) T(再帰期間)=(S+So )/Somax(基準化変数)=−ln[−ln{(T−1)/
T}] (2)酸化物系介在物の最大径を求めて金属の清浄度を
評価する方法であって、被分析対象金属材料からn個の
試料片を採取し、各試料片について、試料片と対電極と
の間で複数回のスパーク放電を行い、試料片中の酸化物
系介在物に起因する最高発光スペクトル強度を測定し
て、最高発光スペクトル強度Ij(j=1,n)を求
め、下記式(2)および(2’)により推定最大Imax
を算出し、最高発光スペクトル強度と酸化物系介在物の
最大径とが対応する検量線から、被分析対象金属材料中
の酸化物系介在物の推定最大径amaxを算出して被分析
対象金属材料の清浄度を評価することを特徴とする金属
材料の清浄度評価方法。[式2]最高発光スペクトル強
度Ij(j=1,n)と基準化変数yj (j=1,n)の
一次回帰式 I=ty+u ・・・・・・・・(2) ただし、 n=検査回数 基準化変数yj =−ln[−ln{j/(n+1)}] (j=
1,n) t=回帰係数 u=定数 [式2’]被分析対象金属中の酸化物系介在物の推定最
大Imax の算出式(回帰式) Imax=t×ymax +u ・・・・・・・・(2’) ただし、 So=検査基準面積(mm2 ) S=予測を行う面積(mm2 ) T(再帰期間)=(S+So )/Somax(基準化変数)=−ln[ −ln{(T−1)/ T}]
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上述の問題点を解
決するため、スパーク放電発光分光分析法によって酸化
物系介在物に起因する最大発光スペクトル強度を検出し
て、所定の統計的手法で処理することにより、迅速に大
量の金属材料についての最大介在物径を推定できること
を見出した。以下、本発明の実施形態について具体的に
説明する。
【0010】本発明では、被分析対象金属材料からスパ
ーク放電発光分光分析に供するn個の試料片を採取す
る。n個の試料片は、被分析対象金属材料のいずれかの
部位から採取してくればよいが、評価の目的などに応じ
被分析対象金属材料について適切に評価できるように所
定の検査部位を設定し、その検査部位から採取してくる
ことが好ましい。検査部位の設定は、例えば、連続鋳造
鋼片を被分析対象とするのであれば、図1に示すように
連続鋳造鋼片のトップ、ミドル、ボトムに設定するな
ど、被分析対象の性質に合わせて大型非金属介在物の発
生しやすい部位に設定することができる。また、設定し
た検査部位からは同じ形状の試料片を複数個(例えば、
3個)採取することが好ましい。例えば、このようにす
れば被分析対象金属材料の全部位を平均的に検査するこ
とができる。また、連続鋳造鋼片を被分析対象金属材料
とする場合であれば、トップ、ミドル、ボトムの全部位
に検査部位を設定し試料を採取すれば、鋳造の初期、中
期、末期に対応する部位を検査することにもなる。
【0011】試料片の数nは、統計的には大きいほど信
頼性が向上することになるが、実用上好ましくは20〜
60個、特に好ましくは、30〜40個である。この範
囲であれば、作業上の負担もそれほど大きくなく迅速に
試験を行うことができ、統計的にも信頼できる介在物の
最大径の推測データを得ることができる。
【0012】本発明では、スパーク放電発光分光分析法
により、n個の各試料片それぞれについて最大発光スペ
クトル強度Iを検出する。スパーク放電発光分光分析法
には既にいくつかの具体的手法が知られており、本発明
では公知の方法に沿ってスパーク放電発光分光分析を行
うことができる。すなわち、スパーク放電発光分光分析
法は、不活性ガス雰囲気下において試料片と対電極との
間で複数回のスパーク放電を行い、測定目的の成分に起
因して発生した発光スペクトル線を分光器で検出するも
のであり、本発明においても基本的にこのような手法に
沿って行うことができる。
【0013】図2および3は、スパーク放電発光分光分
析法を模式的に示したものである。スパーク放電5は対
電極1と試料片2との間で発生させる。スパーク放電5
が生じると、所定のスパーク放電領域51内で試料の蒸
発が起こり、この際に発光スペクトル線7が生じる。生
じた発光スペクトル線7は分光器3で所定の波長ごとに
分光し、分光器3内に備えられた検出器(不図示)によ
り発光スペクトル強度として検出される。
【0014】酸化物系介在物(例えば、Al23、Ca
O、MgO、SiOなど)が含有する元素の種類に応じ
て、発光スペクトル線はそれぞれ固有の波長を有してお
り、特定波長の発光スペクトル線は分光器により分光・
検出することができる。また、被試験対象金属材料部
(「地金部」ということがある)と酸化物系介在物とで
はスペクトル線の強度の違いとして区別できる。通常、
酸化物系介在物に起因する発光スペクトル線の光強度
(すなわち、発光スペクトル強度)のほうが顕著に高い
傾向がある。
【0015】本発明では、スパーク放電は各試験片ごと
に複数回行われる。放電回数は、データの信頼性の向上
という観点からは、多いほうが好ましい。しかし、試料
に対する放電深度とスペクトルの検出性の容易さなどを
の観点からすると、好ましくは500〜5000回、さ
らに好ましくは1000〜3000回程度の放電回数が
好適である。
【0016】上記のようにスパーク放電は1つの試料片
について複数回行われ、複数の発光スペクトル強度が得
られる。複数得られた発光スペクトル強度のうちの最大
強度を示す値を、その試料片についての最大発光スペク
トル強度Iとする。得られた最大発光スペクトル強度I
は、予め作成しておいた最大発光スペクトル強度と、酸
化物系介在物の最大介径との検量線に基づき、最大介在
物径に換算される。
【0017】検量線は、例えば、金属材料中の介在物を
酸溶解で抽出し、あるいは削り込んで、顕微鏡で観察し
て、予め介在物の最大径を求めた試料について発光分光
分析を行うことにより作成することができる。検量線
は、例えば、図4のような形態となる。検量線は、金属
材料の種類、発光分光分析の各種条件などの要因が異な
るごとに作成することが望ましい。
【0018】上記のようにして、n個の試験片について
のn個の最大介在物径のデータaj(j=1、n)が求
められる。
【0019】次に、このようにして決定した試料片ごと
の介在物の最大径aj(j=1,n)から上記式(1)
および(1’)により被分析対象金属材料中の酸化物系
介在物の推定最大径amaxを算出する。式(1)は、先
に求めたaj(j=1,n)と、基準化変数yiから求め
られる一次回帰式である。被分析対象金属材料中の酸化
物系介在物の最大径amaxを求めるには、式(1’)を
用いる。すなわち、1つの試料片の面積(検査基準面
積)S0と予測を行う面積Sとから再帰期間Tを求め、
さらにymaxを求めて式(1’)からamaxを算出する。
このようにして算出されるamaxが、面積Sの被分析対
象金属材料中の酸化物系介在物の推定最大径である。
【0020】本発明の別の実施の形態としては、先に推
定最大発光スペクトル強度Imaxを求めた後、最大発光
スペクトル強度Iと介在物の最大径との検量線によって
推定最大発光スペクトル強度Imaxから推定最大径amax
を換算して求めることもできる。この場合式(2)およ
び(2’)を用いる。すなわち、各試料片についての最
大発光スペクトルIを求めた後、式(2)および
(2’)から最大発光スペクトル強度Iの推定最大値I
maxを算出し、最大発光スペクトル強度Iと介在物の最
大径とが対応する検量線から、介在物の推定最大径a
maxを求めることができる。各試料片の最大発光スペク
トル強度Iの測定方法などその他の点は、先に説明した
形態と同様にして行うことができる。
【0021】本発明の評価方法は、発光分光分析法によ
って測定して求められる発光スペクトル強度と介在物の
直径を対応させ、さらに統計的な手法を用いることによ
り、被分析対象金属材料の一部のデータから被分析対象
金属材料全体中の酸化物系介在物の最大径amaxを極め
て精度よく推定することに成功したものである。
【0022】本発明の評価方法は広く金属材料について
用いることができるが、本発明の評価方法を好適に用い
ることができるものとしては、好ましくはAl合金、F
e合金、Mg合金、Ti合金、Cr合金、Co合金、N
i合金、Cu合金、Zn合金、Ag合金、Sn合金、W
合金などが挙げられ、より好ましくはAl合金、Fe合
金などが挙げられ、特に好ましくは鋼材などが挙げられ
る。
【0023】また、本発明の評価方法は、例えば、連続
鋳造時の溶鋼を採取して、溶製チャージ内の清浄度評価
などにも好適に用いることができる。
【0024】さらに、本発明の評価方法によれば金属材
料中の酸化物系介在物の最大径を推定することができる
が、特に、Al23、MgO・Al23、(Ca,M
g)O・Al23などの酸化物系介在物の最大径の推定
に好適である。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 (実施例1) 1.被分析対象金属材料およびその処理 被分析対象金属材料として、連続鋳造法により製造し
た、160tの高炭素Cr軸受鋼(JIS SUJ2)の図1に
示すような丸棒状の鋼片を用い、以下のように本発明の
方法によって清浄度の評価を行った。
【0026】図1に示されるような前記丸棒状鋼片の
〜の部分に検査部位を設定し、各検査部位から幅85
×長さ16×厚さ20mmの試験片を採取した。トップ
部とミドル部からはそれぞれ3個、ボトム部からはそれ
ぞれ4個の合計30個の分析用試験片を切り出した(す
なわちn=30となる)。ボトム部は一般的に他の部位
よりも鋼材の清浄度が劣る傾向があるため、ボトム部か
らは他の部位よりも多く4個の試料片を採取した。
【0027】次に、各試験片をスパーク放電発光分光分
析に供した。スパーク放電の条件は次の通りである。 (スパーク放電条件) 周波数:300Hz 放電回数:2000回(pulse) 蒸発領域:直径約8mmφ(2000 pluseあたり) 蒸発量:約0.27mg(2000 pluseあたり) 2000回の放電の結果得られた、発光スペクトル強度
のうち最大のものを最大発光スペクトル強度Iとし、1
個目の試料片のIをI1として測定し、順次I3 0まで測
定した。
【0028】次いで、顕微鏡観察に基づいて作成した検
量線(介在物の最大径と最大発光スペクトル強度との関
係)に基づいて、I1〜I30にそれぞれ対応する、各試
料片ごとの介在物の最大径、すなわち酸化物系介在物の
最大径aj(j=1,n)を求めた。
【0029】2.被分析対象金属材料中の酸化物系介在
物の最大径の推定 上記のようにして求めた、30個の各試験片ごとの介在
物の最大径aj(j=1,n)から以下のようにして介
在物の推定最大径amaxを求めた。
【0030】まず、介在物の最大径aを最小値から並
べ、小さい順にa1,a2,・・・・a jと定義した。
【0031】ここで試料片の順位を表す1、2、・・・
jを対数で2回計算したものが、[式1]但し書きにある
基準化変数yiである。このj、aj、yjをまとめたも
のが表1である。
【0032】
【表1】
【0033】また、最大介在物径を横軸にとり、この基
準化変数を縦軸とし、介在物径の小さいもの(即ち
1)から順にプロットしたものが図5の●印である。
そしてこの●を一次回帰したものが右側の右上がりの直
線である(この直線を式で示したものが、本実施例にお
ける被分析対象金属材料についての式(1)である)。
【0034】ここで、発光分光分析試験は各試験片の測
定面積が一定であるので縦軸の基準化変数は試料の面積
を表している。表1でいえば、yi=−1.2337は
試料片1個分の基準面積であるので50mm2(=S0
を意味し、yi=−1.0082は試料片2個分の基準
面積で2S0に相当する。このようにある面積Sに対
し、その面積内に含まれる最大径介在物amaxを予測し
た場合にはその面積Sに相当する縦軸の値から逆算すれ
ばよい。この換算式が式(1’)で、[式1’]但し書き
にあるT(再帰期間)で予測したいその面積Sに相当す
る縦軸の値を求めればよい。
【0035】図5の場合、予測を行う面積30万mm2
[式1’の但し書きT(再帰期間)=600)]に対
し、右側の右上がりの直線が示す最大介在物径は17.
3μmとなる。
【0036】一方、顕微鏡法(従来法)では検査基準面
積S0=100mm2、予測を行う面積S=30000〜
50000mm2[式1’の但し書きT(再帰期間)=
300〜500]が一般的であり、ちなみにT=300
としたときに、出現する最大介在物径を図5から推定す
ると16.2μmとなった。
【0037】3.被分析対象金属材料の清浄度の評価 被分析対象金属材料の清浄度は、推定最大介在物径=a
max、検査基準面積S0mm2、予測を行う面積Smm2
して与えることができる。上記の結果をまとめると次の
通りである。
【0038】本発明の方法によると、被分析対象金属材
料である丸棒状塊の清浄度の評価は、推定最大介在物径
max=17.3μm、検査基準面積S0=50mm2
予測を行う面積S=30万mm2となった。
【0039】これに対し、顕微鏡法による介在物調査結
果は、検査基準面積S0=100mm2、予測を行う面積
S=50000mm2に出現する最大介在物径は約1
6.2μmであった。
【0040】これらの結果の評価精度を確認すべく、次
のような試験を行った。繰り返し応力を受け疲労強度が
求められる小型機械部品を、本実施例で用いた丸棒状塊
から作製し、その疲労破壊試験を行った。破断試験片の
破面に観察された介在物径を測定したところ、17.5
μmであった。
【0041】したがって、本発明の推定最大径の値と実
測値がよく整合し、本発明の評価方法の予測精度が優れ
ることがわかった。
【0042】(実施例2)ばね鋼(JIS鋼種SUP1
0)を電気炉で150t溶解した。これをRH脱ガス
後、連続鋳造で断面が380×490mmの鋳片(プル
ーム)に鋳造した。そして分塊圧延しφ167mmで重
量が2tのビレットを得た。これを圧延し、φ5の弁バ
ネに加工した。このバネを使用すると使用中に破断した
ので破断部を調査すると40μmの介在物が確認され
た。
【0043】一方、このバネに供した圧延材のうち、バ
ネ加工せず保管しておいた圧延材の残存から試料片を切
りだし、上述の実施例1と同様にして、試料片調整、発
光分光分析法による酸化物系介在物の粒径評価を行った
ところ、このバネ加工に供した圧延材約2t中に存在し
得る、酸化物系介在物の最大径は43μmであると推定
された。このように、酸化物系径介在物の最大径の評価
方法として適していることがわかった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、金属材料の清浄度の評
価を、精度よく、迅速に行うことができる。また、本発
明のよれば、顕微鏡観察のように検査作業員の眼を酷使
することがないので、検査作業員の負担を軽減すること
ができる。また、本発明によれば、検査に要する人員を
減らすことが可能である。また、写真材料などの使用量
を減らすことができること、鏡面検査面が不要であるこ
と、などのため検査に要するランニングコストの低減を
図ることができる。
【0045】本発明は、最近の鋼などの金属材料の清浄
度の評価・品質保証に寄与するものであり、当業界のニ
ーズに応える極めて有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】被分析対象金属材料における検査部位の設定、
各検査部位からの試料片の採取数の一例を示す図であ
る。
【図2】スパーク放電分光分析法の概略を示す図であ
る。
【図3】スパーク放電の様子を模式的に示した図であ
る。
【図4】最大発光スペクトル強度と酸化物系介在物の最
大径との対比検量線の一例を比較して示した図である。
【図5】酸化物系介在物の最大径の推定における光学顕
微鏡法(従来法)と本発明法とを比較して示した図であ
る。
【符号の説明】
1・・・対電極 2・・・試料片 21・・・酸化物系介在物 3・・・分光器 5・・・スパーク放電 51・・・スパーク放電領域 6・・・蒸発領域 7・・・発光スペクトル線
フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA03 BA01 BA03 BA07 CA05 EA09 GA07 GA08 GB21 LA01 NA01 NA06 NA11 2G055 AA01 AA03 BA20 FA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物系介在物の最大径を求めて金属材
    料の清浄度を評価する方法であって、被分析対象金属材
    料からn個の試料片を採取し、各試料片について、試料
    片と対電極との間で複数回のスパーク放電を行い、試料
    片中の酸化物系介在物に起因する最高発光スペクトル強
    度を検出し、最高発光スペクトル強度と酸化物系介在物
    の最大径とが対応する検量線から、n個の各試料片につ
    いての酸化物系介在物の最大径aj(j=1,n)を算
    出し、下記式(1)および(1’)により被分析対象金
    属材料中の酸化物系介在物の推定最大径amaxを算出し
    て被分析対象金属材料の清浄度を評価することを特徴と
    する金属材料の清浄度評価方法。 [式1]酸化物系介在物の最大径aj (j=1,n)と
    基準化変数yj (j=1,n)の一次回帰式 a=ty+u ・・・・・・・(1) ただし、 n=検査回数 基準化変数yj =−ln[−ln{j/(n+1)}] (j=
    1,n) t=回帰係数 u=定数 [式1’]被分析対象金属中の酸化物系介在物の推定最
    大径amax の算出式(回帰式) amax=t×ymax +u ・・・・・・(1’) ただし、 So=検査基準面積(mm2 ) S=予測を行う面積(mm2 ) T(再帰期間)=(S+So )/Somax(基準化変数)=−ln[−ln{(T−1)/
    T}]
  2. 【請求項2】 酸化物系介在物の最大径を求めて金属の
    清浄度を評価する方法であって、被分析対象金属材料か
    らn個の試料片を採取し、各試料片について、試料片と
    対電極との間で複数回のスパーク放電を行い、試料片中
    の酸化物系介在物に起因する最高発光スペクトル強度を
    測定して、最高発光スペクトル強度Ij(j=1,n)
    を求め、下記式(2)および(2’)により推定最大I
    maxを算出し、最高発光スペクトル強度と酸化物系介在
    物の最大径とが対応する検量線から、被分析対象金属材
    料中の酸化物系介在物の推定最大径amaxを算出して被
    分析対象金属材料の清浄度を評価することを特徴とする
    金属材料の清浄度評価方法。[式2]最高発光スペクト
    ル強度Ij(j=1,n)と基準化変数yj (j=1,
    n)の一次回帰式 I=ty+u ・・・・・・・・(2) ただし、 n=検査回数 基準化変数yj =−ln[−ln{j/(n+1)}] (j=
    1,n) t=回帰係数 u=定数 [式2’]被分析対象金属中の酸化物系介在物の推定最
    大Imax の算出式(回帰式) Imax=t×ymax +u ・・・・・・・・(2’) ただし、 So=検査基準面積(mm2 ) S=予測を行う面積(mm2 ) T(再帰期間)=(S+So )/Somax(基準化変数)=−ln[ −ln{(T−1)/ T}]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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