JP2002195823A - 平面度測定装置 - Google Patents

平面度測定装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】表面を傷つけず、また、保持手段によって測定
対象物に変形を生じさせることなく、高精度で板状体の
平面度を測定する。 【解決手段】測定対象の板状体4を垂直に立て、板状体
4を当てピン14付き吸着パッド13で保持し、板状体
4が自重によって撓むのを防止する。板状体4の表面を
接触型3次元測定装置2によって外形形状を測定し、平
面度を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCD用などの大
型フォトマスク基板や半導体ウエーハ等の板状体の平面
度測定装置に関し、特に、自重や外圧によって撓みなど
の変形を生じやすい板状体の平面度を高精度で効率よく
測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LCD用のフォトマスク基板などの大型
のガラス板の平面度を測定するには、石定盤上にガラス
板を置き、隙間をシックネスゲージなどで測定していた
が、ガラス板が薄い場合、自重によってガラス板が石定
盤になじむように変形してしまい、正確な平面度の測定
が困難であった。
【0003】他に板状体の平面度測定手段として、光干
渉法、レーザ反射法等が知られている。光干渉法は、基
準表面と測定対象表面間の距離の差によって形成される
干渉縞を利用して測定する方法であるため、表面が研磨
光沢面を有する透明材料に測定対象物が限定される。ま
た、透明材料であっても研磨前や研磨途中の光沢面が形
成されない状態では原理的に平面度を測定することがで
きない。
【0004】また、干渉縞を利用しているため、一般に
平面度が数10μm程度以下の大きさのものしか測定で
きず、大きな撓みや反りを伴う場合の平面度を測定する
ことができない。さらに、干渉縞を平面度に換算する複
雑な解析作業を要し、直接的に平面度を数値で得ること
が面倒であった。
【0005】レーザ反射法は、測定対象面をレーザ光で
走査し、表面状態の変化による反射光のフレをセンサで
検知して平面度を測定する方法であるが、走査面が狭い
ため大面積のものを測定することが困難で、反りが少な
く平面度が比較的良好なものしか測定できない。
【0006】図4に示すように、シリコンウエハーの周
縁部を保持する保持装置を備えた環状ホルダーが回転自
在に鉛直に設けられており、垂直に保持したウエーハを
回転させ、環状ホルダーを収容することのできる溝の両
側にセンサを設けた計測装置によってウエーハを走査
し、平坦度、反り、厚み等の形状を測定するようにした
ものがある。
【0007】
【発明が解決すべき課題】従来の平面度測定装置では、
板状体の自重による撓みによって周縁部の測定値に誤差
を生じるといった問題があった。特に、この現象は板状
体が薄いもの、また、大きなものになるほど顕著とな
り、平面度の測定において大きな誤差要因となってい
た。また、自重による撓みを防止するために測定対象物
を垂直に保持する方式を採用したものであっても、円形
以外の形状のものや大きな形状のものの平坦度を計測す
ることは困難であった。
【0008】この発明は、従来の平面度測定技術の欠点
を解消し、板状体、特に、寸法的に大型で板状体のソリ
や表面の性状、あるいは、材料の光学的性質を問わず、
表面を傷つけることなく、また、保持手段によって測定
対象物に変形を生じさせず、高効率、高精度で測定でき
るようにすることである。
【0009】
【課題の解決手段】測定対象の板状体を垂直に立て、板
状体を当てピン付き吸着パッドによって保持することに
より板状体が自重によって撓むのを防止するとともに保
持部材によって板状体が変形するのを防止し、板状体の
表面を3次元測定器などの接触型の外形測定装置によっ
て平面度を測定するようにした。
【0010】板状体を垂直に保持することによって、従
来の水平に置いた場合のような自重による変形が防止さ
れ、板状体自身の水平度を正確に測定することができ
る。また、板状体を垂直に保持する吸着パッドは、中央
部に板状体に接触する当てピンを有しているので、吸着
パッドの吸引力による板体の変形が防止される。
【0011】
【実施例】図1に示すように、平面度測定装置は、板状
体保持装置1と外形測定装置2とから構成される。
【0012】保持装置1は、基台10と基台10に対し
て直立する保持板11、保持板11の前面に設けた支持
台12、及び保持板11の表面に設けた吸着パッド13
から構成される。
【0013】保持板11の角が切り取ってあり、ガラス
などの板状体4を保持板11にセットするときに邪魔に
ならないようにしてあり、後側には控え部材が基台10
の間に設けてあり、保持板の垂直度が狂わないようにし
てある。吸着パッド13は、その中心に2〜3mmφの
当てピン14が設けてあり、背面には真空ポンプ3に接
続されるホース15が保持板10を貫通して取り付けて
ある。当てピンの材質は金属、樹脂、セラミックなど特
に問わないが、剛性があり伸縮のないものが好ましい。
吸着パッドは密着性の高いものが好ましく、吸着面のサ
イズは測定される板状体の厚み、大きさ等から変形が許
容される最小サイズが望ましい。500mm×500m
m×5mm厚さの板状体の場合には吸着面は10mmφ
程度が好ましく、これより大きいと吸着面に応力の発生
による変形が生じ、測定精度上問題となる可能性があ
る。
【0014】外形測定装置は、表面検出器(変位計)を
測定ヘッドに装着し、変位計を物体の表面に沿って移動
させることによって正確な外形形状を測定するもので、
変位計には接触型や非接触型のものがある。非接触型の
変位計としては、静電容量式、渦電流式、レーザー干渉
式、レーザービーム式等があり、測定対象物を傷つけた
り接触圧で変形させることがないということでは非接触
型のレーザービームタイプのものが好ましいが、被測定
物の材質や表面状態に左右されることなく測定でき、
又、大掛かりな装置を必要とすることない接触型の変位
計を用いることが実用上適している。接触型としては、
電気マイクロメータ、3次元座標測定機のタッチシグナ
ルプローブ等を用いることができる。
【0015】図1に示す外形測定装置2は、接触型であ
る3次元測定装置として示されており、基盤20と基盤
20に沿って移動するフレーム21、フレーム21から
水平に張り出しているビーム22、ビーム22の端部に
設けた伸縮可能なアーム23及びアーム23に装着した
変位計24から構成されており、測定対象物の表面全域
に渡り変位計が移動できるようになっている。
【0016】平面度を測定する場合は、測定対象物の板
状体4を支持台12の上に垂直に置き、真空ポンプ3を
作動させ、吸着パッド13によって吸着して固定する。
測定対象物の板状体4は、吸着パッド13に引き寄せら
れて当てピン14にあたる。板状体4は、3箇所の吸着
パッド13の中央部の当てピン14によって垂直に支持
され、吸着パッド13の吸着力が吸着パッド13の全領
域に分散され、吸着によって板状体4が変形するのが防
止され、平面度の測定精度をあげることができる。
【0017】#170のダイヤモンド研削面に仕上げた
500mm×800mm×10mm厚さの石英ガラス板
を石定盤上に水平に置き、隙間をシックネスゲージで測
定したところ平面度は10μmであった。同じ板状体を
吸着面サイズ10mmφの3個の吸着パッドと、接触型
3次元測定装置からなる本発明の平面度測定装置で測定
したところ、平面度は45μmであった。このように従
来の測定方法では、自重によって周縁部が変形して石定
盤になじみ、平面度の測定値が小さくでる傾向が見られ
たが、本発明の平面度測定装置によれば、自重による変
形が排除され、正確な測定が可能になる。
【0018】
【発明の効果】測定対象物の板状体を垂直に保持するこ
とによって、従来の水平に置いた場合のような自重によ
る変形が防止され、板状体の平面度を正確に測定するこ
とができる。また、板状体の表面を3次元測定器などの
接触型の測定装置によって平面度を測定するようにした
ので、板状体の材質や表面状態に左右されることなく測
定が可能となり、また、構造が単純であり、保守が容易
である。板状体を保持板に保持する吸着パッドには、中
央部に板状体に接触する当てピンを設けたので吸着によ
る板状体の変形が防止され、平面度の測定を正確におこ
なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平面度測定装置の側面図。
【図2】平面度測定装置の正面図。
【図3】平面度測定装置の保持部の斜視図。
【図4】従来の半導体ウエーハの平面度測定装置。
【符号の説明】
1 保持装置 2 3次元測定装置 10 基台 11 保持板 12 支持台 13 吸着パッド 14 当てピン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象の板状体を垂直に保持する保持装
    置と板状体平面の外形形状を計測する外形測定装置とか
    らなる板状体の平面度測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、保持装置は垂直な保持
    板の表面に設けた少なくとも3個の真空パッドであり、
    真空パッドはその中央に当てピンが設けてある板状体の
    平面度測定装置
  3. 【請求項3】請求項1または2において、外形測定装置
    が接触型の測定装置である板状体の平面度測定装置。
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