JP2002195539A - ガス浄化処理装置 - Google Patents

ガス浄化処理装置

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JP2002195539A
JP2002195539A JP2000395055A JP2000395055A JP2002195539A JP 2002195539 A JP2002195539 A JP 2002195539A JP 2000395055 A JP2000395055 A JP 2000395055A JP 2000395055 A JP2000395055 A JP 2000395055A JP 2002195539 A JP2002195539 A JP 2002195539A
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Shigeru Tominaga
成 冨永
Kazuki Kobayashi
和樹 小林
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱体の流路の閉塞を抑制することができる
ガス浄化処理装置を提供する。 【解決手段】 蓄熱体19を含む第1及び第2の蓄熱部
3、5と、ガスを昇温する昇温手段17を備えた反応部
1と、ガスの通流方向を切り換える切換手段13とを有
し、ガスの流路に第1の蓄熱部3、反応部1及び第2の
蓄熱部5を順に配設し、切換手段13によってガスの通
流方向を切り換え可能であり、第1及び第2の蓄熱部
3、5の各々の蓄熱体19と反応部1との間に、反応部
1からの輻射熱を遮蔽し、かつガスが通流可能な熱遮蔽
部材7を備えた構成とする。これにより、反応部1から
の輻射熱は、熱遮蔽部材7によって遮蔽されるため、蓄
熱体19の反応部1に近い部分の温度上昇を抑え、蓄熱
体19の反応部1側の表層部での無機化合物の膜または
層の生成速度を抑制することができる。したがって、蓄
熱体の流路の閉塞を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス浄化処理装置
に係り、特に、ガスに含まれる有害成分や悪臭成分など
を燃焼により酸化分解し、さらに燃焼によって昇温した
ガスの熱を蓄熱して処理するガスの予熱に利用する蓄熱
燃焼式のガス浄化処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】様々な製造装置や設備などから排出され
る排ガスなどには、有害成分や悪臭成分などが含まれて
いる場合がある。このため、このような様々な製造装置
や設備から排出されるガスを大気中に放出する場合、こ
れらの有害成分や悪臭成分などをできる限り分解または
除去して排出しなければならない。
【0003】例えば、自動車などの塗装工場、金属洗浄
工場、印刷工場などからの排出されるガスには、トルエ
ン、キシレン、スチレンなどの揮発性有機化合物(VO
C:volatile organic compound)が含まれている。こ
のようなVOC含有ガスは、十数ppmから数%程度の濃
度であっても環境へ影響を及ぼすことが明らかになって
きた。このため、上記に例示したような工場などでは、
VOC含有ガスを浄化処理した後に、大気中に放出して
いる。このような有害成分や悪臭成分などを分解または
除去するガスの浄化処理方法としては、ガスを直接バー
ナーなどで燃焼する直接燃焼方式、触媒燃焼により燃焼
を行う触媒燃焼方式、ガスをバーナーなどで燃焼する前
に予熱を行う蓄熱燃焼方式、触媒燃焼と蓄熱燃焼とを組
み合わせた触媒燃焼/蓄熱方式、有害成分や悪臭成分な
どを濃縮して除去する濃縮方式、そして微生物の活性を
利用して有害成分や悪臭成分を分解して除去する生物処
理方式などがある。
【0004】この中で、浄化処理過程において昇温され
たガスの熱を回収して未処理のガスの予熱源として再利
用する蓄熱燃焼方式によるガス浄化処理装置は、ランニ
ングコストやメンテナンスが容易である点で他の方式に
よるガス浄化処理装置よりも有利である。このような蓄
熱燃焼方式のガス浄化処理装置は、ガスと熱交換する蓄
熱体を含む第1及び第2の蓄熱部、バーナーなどの昇温
手段を備えた反応部、ガスの通流方向を切り換える切換
手段などで構成されている。ガスの流路には、第1の蓄
熱部、反応部、そして第2の蓄熱部の順に配設されてお
り、切り換え手段は、ガスの通流方向を、第1の蓄熱部
に流入し第2の蓄熱部から流出する方向と、第2の蓄熱
部に流入し第1の蓄熱部から流出する方向とに切り換え
る。
【0005】これにより、例えば第1の蓄熱部に流入し
第2の蓄熱部から流出する方向にガスが通流するとき、
ガスが第1の蓄熱部に流入すると、このガスは、まず、
第1の蓄熱部の蓄熱体に蓄熱された熱をにより予熱され
る。予熱されたガスは、反応部に流入すると昇温手段に
よって昇温され、このガス中の有害成分や悪臭成分など
が燃焼により酸化分解されることにより浄化処理され
る。燃焼により浄化処理されたガスは、第2の蓄熱部に
流入し、第2の蓄熱部の蓄熱体に熱を渡すことで冷却さ
れ、この後排出される。
【0006】次に、切り換え手段は、第2の蓄熱部に流
入し第1の蓄熱部から流出する方向にガスが通流するよ
うに切換られ、ガスは、第2の蓄熱部に流入し、前述の
ようにガスの燃焼熱によって蓄熱された第2の蓄熱部の
蓄熱体からの熱によって予熱される。予熱されたガス
は、前述と同様に、反応部に流入すると昇温手段によっ
て昇温されて燃焼し、浄化処理される。燃焼により浄化
処理されたガスは、第1の蓄熱部に流入し、第1の蓄熱
部の蓄熱体に熱を渡すことで冷却され、この後排出され
る。蓄熱燃焼方式によるガス浄化処理装置は、このよう
な動作を繰り返すことによりガスの浄化処理を行う。
【0007】蓄熱体は、サドル形、リング形、球形など
の蓄熱材をガスが通流可能な容器などに充填した構成
や、複数の流路により断面がハニカム構造となっている
ブロック状の蓄熱材からなる構成のものなどが用いられ
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、昇温された
環境で無機化合物を生成する成分をガスが含んでいる場
合、反応部での燃焼によって蓄熱体を構成する蓄熱材表
面に無機化合物の膜または層が形成される。この蓄熱材
表面に形成される無機化合物の膜または層は、ガス浄化
処理装置の使用に連れて成長するため、蓄熱材間の隙間
からなるガスの流路またはハニカム構造を形成するガス
の流路、すなわち蓄熱体の流路が部分的に閉塞されてし
まう。蓄熱体のガスの流路が部分的に閉塞されてしまう
と、蓄熱部での圧力損失が増大してしまい、例えばガス
浄化処理装置のガスの処理量を一定に維持しようとすれ
ば、送風機の負荷を増大させなければならず、エネルギ
ー消費量が増大する。さらに、ガス浄化処理装置の使用
に連れて無機化合物の膜または層が成長すると、蓄熱体
のガスの流路が、無機化合物によって完全に閉塞され、
装置が運転不能になってしまう場合もある。
【0009】本発明の課題は、蓄熱体の流路の閉塞を抑
制することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のガス浄化処理装
置は、ガスとの熱交換が可能な蓄熱体を含み、ガスが通
流可能に形成された第1及び第2の蓄熱部と、ガスを昇
温する昇温手段を備えた反応部と、ガスの通流方向を切
り換える切換手段とを有し、ガスの流路に第1の蓄熱
部、反応部及び第2の蓄熱部を順に配設し、切換手段に
よってガスが第1の蓄熱部に流入し第2の蓄熱部から流
出する方向と、第2の蓄熱部に流入し第1の蓄熱部から
流出する方向とに切り換え可能であり、第1及び第2の
蓄熱部の蓄熱体と反応部との間に、各々、反応部からの
輻射熱を遮蔽し、かつガスが通流可能な熱遮蔽部材を備
えた構成とすることにより上記課題を解決する。
【0011】このような構成とすれば、蓄熱体の反応部
に近い部分の温度を上昇させる反応部からの輻射熱は、
熱遮蔽部材によって遮蔽される。無機化合物の膜または
層の生長速度は、ガスの通流方向の切り換えによる無機
化合物の膜または層が生成する部位の温度変化パターン
の影響を受ける。このため、熱遮蔽部材によって反応部
からの輻射熱を遮蔽することにより、蓄熱体の反応部に
近い部分の温度変化パターンを高低差が比較的大きい状
態にして、蓄熱体の温度が無機化合物の膜または層の生
長に適した温度に保持されないようにすることができ
る。したがって、蓄熱材表面での無機化合物の膜または
層の生長速度を抑えることができるため、蓄熱体のガス
流路の閉塞を抑制することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用してなるガス
浄化処理装置の一実施形態について図1乃至図6を参照
して説明する。図1は、本発明を適用してなるガス浄化
処理装置の概略構成と動作を示す断面図である。図2
は、蓄熱体と熱遮蔽部材の概略構成を示した斜視図であ
る。図3は、蓄熱体の部位に対する温度及びシリコン化
合物付着量の関係を示す図である。図4は、ガス浄化処
理の時間に対する蓄熱体の各部位の温度を示す図であ
り、(a)は熱遮蔽部材を設置した場合、(b)は熱遮
蔽部材を設置していない場合の図である。図5は、熱遮
蔽部材を設置した場合と熱遮蔽部材を設置していない場
合との蓄熱材の単位面積当たりのシリコン化合物付着量
を比較した図である。図6は、熱遮蔽部材を設置した場
合と熱遮蔽部材を設置していない場合との蓄熱材へのシ
リコン化合物付着状態を比較した図である。
【0013】本実施形態のガス浄化処理装置は、図1に
示すように、反応部1、第1蓄熱部3、第2蓄熱部5、
そして反応部1と第1蓄熱部3との間及び反応部1と第
2蓄熱部5との間に設置された熱遮蔽部材7などを備え
た本体11、本体11の外部に取り付けられた切換手段
である切換弁13などで構成されている。本実施形態で
は、本体11は、箱状に形成されており、本体11の内
側は、本体11の上部を除いて、本体11の底面から上
向きに延在する隔壁15によって2分されている。2分
されていない本体11の上部は、反応部1となり、本体
11の上面、つまり反応部1の上面の隔壁15に対向す
る部分には昇温手段としてバーナ17が取り付けられて
いる。本体11の隔壁15で2分された部分は、各々、
第1蓄熱部3と第2蓄熱部5となっている。第1蓄熱部
3と第2蓄熱部5には、各々、蓄熱体19が設置されて
いる。第1蓄熱部3と第2蓄熱部5では、ガスは、蓄熱
体19に形成された流路を通流する。
【0014】本実施形態の蓄熱体19は、図2に示すよ
うに、並列に複数のガスの流路が形成されてガスの流れ
の方向に交わる方向の断面がハニカム構造となっている
ブロック状のセラミック製の蓄熱材で形成されている。
第1蓄熱部3及び第2蓄熱部5にハニカム構造を有する
蓄熱体19を用いる場合、ハニカム構造のセルサイズが
蓄熱性能に大きく影響を与える。すなわち、セルサイズ
を小さくすれば一定体積中の表面積、すなわち伝熱面積
が増大することから、セルサイズが小いさいほど、一定
の蓄熱性能を得るために必要な蓄熱体の大きさは小さく
なり、装置をコンパクト化できることになる。その一方
で、セルサイズが小さいほど、圧力損失が高くなる。し
たがって、ハニカム構造を有する蓄熱体を用いる場合に
は、伝熱面積と圧力損失の兼ね合いでセルサイズを決定
する。一般的には、100cpsi(セルピッチ2.54mm
×板厚0.43mm)〜200cpsi(セルピッチ1.72m
m×板厚0.36mm)のハニカム構造を有する蓄熱体が
適用されている。なお、蓄熱体19は一体のものである
必要はなく、例えばセルサイズが異なるハニカム構造を
有する複数のブロック状の蓄熱材を積層して構成するこ
ともできる。
【0015】本体11の底面、つまり第1蓄熱部3と第
2蓄熱部5の底面には、図1に示すように、各々、切換
弁13に連通する貫通孔21、22が形成されている。
したがって、反応部1、第1蓄熱部3、及び第2蓄熱部
5は、反応部1を介して第1蓄熱部3から第2蓄熱部5
へ、または反応部1を介して第2蓄熱部5から第1蓄熱
部3へガスが通流可能な流路となっている。本体11内
の流路の反応部1と第1蓄熱部3の間の部分と、反応部
1と第2蓄熱部5の間の部分とには、各々、反応部1か
らの輻射熱を遮蔽するための熱遮蔽部材7が設置されて
いる。本実施形態の熱遮蔽部材7は、図2に示すよう
に、蓄熱体19と同様のハニカム構造の断面を有し蓄熱
体19よりもセルサイズが大きいセラミック製のブロッ
ク状の蓄熱材23を流路の延在方向に対して斜めに交わ
る方向にスライスしたものを用いている。熱遮蔽部材7
は、反応部1からの輻射熱を遮蔽するものであり蓄熱の
必要がないため、熱遮蔽部材7のハニカム構造のセルサ
イズは、主に圧力損失と流路の閉塞の起こり難さなどを
考慮して決定している。
【0016】本体11の底面外側に取り付けられた切替
弁13は、図1に示すように、浄化処理するガスが通流
する図示していない管路などに連結されるガス導入口部
24、第1蓄熱部3の底面に連結されて貫通孔21に連
通する連結口部25、第2蓄熱部5の底面に連結されて
貫通孔21に連通する連結口部27、浄化処理されたガ
スを排出するガス排出口部29、第1蓄熱部3と第2蓄
熱部5のいずれか一方に浄化処理するガスが流入し、他
方から浄化処理したガスが流出するようにする弁体3
1、そして弁体31を動作させるための図示していない
駆動手段などで構成されている。この切替弁13の弁体
31の動作によって、ガス導入口部24と第1蓄熱部3
に連結された連結口部25とが連通し、ガス排出口部2
9と第2蓄熱部5に連結された連結口部27とが連通し
た状態、そしてガス導入口部24と第2蓄熱部5に連結
された連結口部27とが連通し、ガス排出口部29と第
1蓄熱部3に連結された連結口部25とが連通した状態
の間で切り換えができる。
【0017】このような構成のガス浄化処理装置の動作
と本発明の特徴部について説明する。なお、図1におい
て実線の矢印は、切換弁13が第1蓄熱部3から第2蓄
熱部5へガスが流れる状態にあるときのガスの流れを、
破線の矢印は弁体31の動作を示す。切替弁13の弁体
31がガス導入口部24と第1蓄熱部3に連結された連
結口部25とが連通し、ガス排出口部29と第2蓄熱部
5に連結された連結口部27とが連通した状態にあると
き、切替弁13のガス導入口部24を介して第1蓄熱部
3に流入したガスは、第1蓄熱部3の蓄熱体19を通流
することによって蓄熱体19に蓄熱されている熱を受け
て温度上昇し、予熱される。予熱されたガスは、反応室
1に流入し、反応室1でバーナ17の熱によりさらに昇
温され、ガス中に含まれる有害成分や悪臭成分などがて
燃焼して酸化分解される。このような浄化処理により昇
温されたガスは、第2蓄熱室5に流入し、第2蓄熱室5
の蓄熱体19を通流するときに保有する熱を蓄熱体19
に与えて冷却される。冷却されたガスは、切替弁13を
介して切替弁13のガス排出口部29から排出される。
【0018】ついで、切替弁13を駆動して弁体31を
動作させ、ガス導入口部24と第2蓄熱部5に連結され
た連結口部27とが連通し、ガス排出口部29と第1蓄
熱部3に連結された連結口部25とが連通した状態と
し、第2蓄熱部5から第1蓄熱部3へ流れる方向にガス
の流れを切り換える。これにより今度は、切替弁13の
ガス導入口部24を介して第2蓄熱部5に流入したガス
は、第2蓄熱部5の蓄熱体19を通流することによって
蓄熱体19に蓄熱されている熱を受けて温度上昇し、予
熱される。予熱されたガスは、反応室1に流入し、反応
室1で昇温されて浄化処理される。浄化処理されたガス
は、第1蓄熱室3に流入し、第1蓄熱室3の蓄熱体19
を通流するときに保有する熱を蓄熱体19に与えて冷却
される。冷却されたガスは、切替弁13を介して切替弁
13のガス排出口部29から排出される。このように、
切替弁13によって本体11に形成された流路でのガス
の通流方向を交互に切り換えながら、ガスを連続的また
は間欠的に浄化処理する。
【0019】ここで、シリコン化合物の付着に関する実
験の結果の一例を参照し、無機化合物の膜または層の形
成、つまり無機化合物の蓄熱体への付着挙動について説
明する。この実験では、図3に示すように、200cpsi
のハ二カム構造を有する蓄熱体19を用いて行った。ま
た、この実験で用いた蓄熱体19は、6個のハ二カム構
造を有するブロック状の蓄熱材33a、33b、33
c、33d、33e、33fを順次積層したものであ
る。このような蓄熱体19を蓄熱材33a側からガスが
流入するようにガス浄化処理装置に設置し、このガス浄
化処理装置で1%シリコンオイルを含む700ppmのト
ルエン含有ガスを一定期間処理した。処理終了後、蓄熱
体19を構成する各蓄熱材33a、33b、33c、3
3d、33e、33fへのシリコン化合物付着量を各蓄
熱材33a、33b、33c、33d、33e、33f
の温度と対応させて計測した。
【0020】この結果、蓄熱体19の温度は、蓄熱材3
3a側、つまりガスの流入側で低く、蓄熱材33f側、
つまり反応室1側で高くなっており、蓄熱材33aと蓄
熱材33fとの間でほぼ直線的に変化している。一方、
シリコン化含物の付着量は、蓄熱材33a側、つまりガ
スの流入側で少なく、蓄熱材33f側、つまり反応室1
側で多くなっており、その間、蓄熱材33aと蓄熱材3
3fとの間で指数関数的に増加している。この実験は、
加速試験であるため、高濃度のシリコンオイル含有ガス
を用いているが、実際にガス浄化処理装置でガスが処理
される場合でも、シリコン濃度が1.0mg/m3以上の被処
理ガスを処理する場合に実験結果のような状態が生じ易
く、被処理ガス中のシリコン濃度や処理温度に依存する
が、数ヶ月の単位で蓄熱体の流路であるセルの目詰まり
や、セルの目詰まりにともなう圧力損失の上昇が生じ
る。
【0021】反応部に近く700℃以上になる蓄熱体の
高温部分でのシリコン化合物の層の形成は、半導体基板
上にシリカ(SiO)膜を低温で形成するCVD法
(Chemical Vapor Deposition : 化学蒸着法)と同じ
原理に由来する反応であると考えられる。すなわち、蓄
熱体から熱を受けながら蓄熱体の流路を通流するガス中
のシリコンが高温部で熱分解し、SiOやシロキサン結
合(Si−O)にメチル基が一部ついたような反応性の
ある気体が充満している状態となり、それがコージェラ
イト基材上で酸化反応し、その反応生成物であるシリコ
ン化合物が基板上に蒸着するような現象が想定される。
【0022】このシリコン化合物の層の生成速度は、シ
リコン化合物の層が生成される部位での温度、反応気体
に曝される時間、及び反応気体の濃度に依存する。この
うち、ガス浄化処理装置の蓄熱材表面でのシリコン化合
物の膜または層の成長速度に最も影響が大きいのは反応
部の温度である。これに加えて、本願の発明者らは、シ
リコン化合物の層の成長速度に最も影響を与えるもう一
つの要因が、反応部からの輻射熱であることを見いだし
た。すなわち、本願の発明者らは、反応部からの輻射熱
により、蓄熱体の反応部側の部分、つまりガスの流出面
の表層部分におけるガスの通流方向の切り換えによる温
度変化パターンがシリコン化合物の層の成長速度に影響
していることを見いだした。
【0023】このような現象を明らかにするために行っ
た実験の結果の一例を示す。実験用の蓄熱体19は、図
4に示すように、ハニカム構造を有するセラミック製の
ブロック状の蓄熱材35a、35b、35cを3層積層
したものを用いた。蓄熱材35a、35b、35cは、
各々、100cpsi(セルピッチ2.45mm×板厚0.43
mm)のハニカム構造を有し、高さ150mmである。した
がって、蓄熱体19は、高さ450mmであり、反応部1
側から順に蓄熱材35a、35b、35cとなってい
る。また、蓄熱材35aのガスの流出面37、蓄熱材3
5aと35bの間39、蓄熱材35bと35cの間4
1、蓄熱材35cのガスが流入する面43に熱電対を設
置して各部37、39、41、43での温度を計測し
た。
【0024】実験Aは、本願発明を適用したガス浄化処
理装置の構成であり、上記のような実験用蓄熱体19と
反射部1との間に熱遮蔽部材7を設置した。熱遮蔽部材
7は、40cspi(セルピッチ3.50mm×板厚0.50m
m)のハニカム構造を有するセラミック製であり、高さ
50mmである。また、熱遮蔽部材7のガスの流出面に熱
電対45を設置し、温度を計測した。実験Bは、従来の
ガス浄化処理装置の構成であり、熱遮蔽部材7を設置し
ていない。
【0025】実験A、実験Bにおいて、各々、ガス浄化
処理装置に1%シリコンオイルを含む700ppmのトル
エン含有ガスを流して自燃させ、その時の実験A、実験
B各々の蓄熱材35a、35b、35cの各部37、3
9、41、43の温度を測定した。そして、浄化処理開
始200時間後のシリコン化合物付着量を比較した。
【0026】実験A、実験Bでの蓄熱材35a、35
b、35cの各部37、39、41、43におけるガス
の通流方向の切り換えによる温度変化パターンを比較す
ると、熱遮蔽部材7が設置された実験Aの場合、図4に
示すように、反応部1側の蓄熱材35a上部、つまり流
出面37の温度変化パターンは、切換弁13によるガス
の通流方向の切り換えに対応してサインカーブを描くよ
うに変化している。一方、熱遮蔽部材7を設置していな
い実験Bの場合、蓄熱材35a上部、つまり流出面37
の温度変化パターンは、その振幅つまり高低差が小さ
く、より高温状態で保持されているような温度変化パタ
ーンとなっている。すなわち、熱遮蔽部材7を設置して
いない実験Bの場合、蓄熱材35a上部は、温度変化が
小さく、熱遮蔽部材7が設置された実験Aよりも長く高
温に保持されることになる。
【0027】実験A、実験Bでの蓄熱材35a上部のシ
リコン化合物付着量を比較すると、図5に示すように、
熱遮蔽部材7を設置した実験Aは、熱遮蔽部材7を設置
していない実験Bに比べ、シリコン化合物付着量が約1
/4になっている。なお、シリコン化合物付着量は、蓄
熱材35a上端から深さ10mm部分までの平均付着量を
計測した。また、実験A、実験Bの各々の蓄熱材35a
上部におけるシリコン化合物の付着量の分布を調べる
と、図6に示すように、熱遮蔽部材7が設置されていな
い実験Bでは、流出面37部分のハニカム構造のセルを
形成する壁47表面に付着したシリコン化合物49の層
が他の部分に比べて厚くなっている。これは、反射部1
からの輻射熱を受ける蓄熱体19の流出面37の表層部
分でのシリコン化合物の層の成長速度が他の部分に比べ
て大きいことを示している。一方、熱遮蔽部材7が設置
されている実験Aでは、実験Bに比べて蓄熱体19の流
出面37の表層部分でのシリコン化合物の層が薄く、実
験Bよりもシリコン化合物の層の成長速度が遅くなって
いる。
【0028】このような実験A、実験Bにおけるシリコ
ン化合物の成長速度の違いが反射部1からの輻射熱の影
響であることをさらに確認するため、セルサイズ100
cpsiのハニカム構造を有する熱遮蔽部材7の厚さを20
mmと薄くして、蓄熱体19の流出面37の温度変化パタ
ーンを調べたところ、厚さ50mmの場合とほほ同じであ
り、同様の効果が得られることが分かった。すなわち、
輻射熱さえ遮蔽すれば蓄熱体19の流出面37の温度変
化パターンを変えることができ、付着を抑制できる。
【0029】このように本実施形態のガス浄化処理装置
は、反応部1と蓄熱体19との間に、反応部1からの輻
射熱を遮蔽する熱遮蔽部材7が設けられている。このた
め、蓄熱体19の反応部1側の面、つまり流出面37の
表層部でのガス通流方向の切り換えによる温度変化パタ
ーンが従来のガス浄化処理装置における蓄熱体19の流
出面37の温度変化パターンよりも高低差が大きくな
る。これにより、蓄熱体19の温度がシリコン化合物の
層の生成に適した温度に保持されないようにすることが
でき、蓄熱体19の流出面37でのシリコン化合物の層
の成長速度を抑制することができるため、蓄熱体の流路
の閉塞を抑制することができる。
【0030】さらに、蓄熱体の流路の閉塞が抑制できる
ことによって、蓄熱体での圧力損失の増大を抑えること
ができるため、蓄熱体の使用寿命を向上できる。また、
蓄熱体での圧力損失の増大を抑えることができることに
よって、送風機の負荷を増大することによるエネルギー
消費量の増大を抑えることができる。加えて、蓄熱体の
流路が完全に閉塞されることによってガス浄化処理装置
の運転を停止しなければならない状態になるまでの期間
を延ばすことができる。加えて、本実施形態では、シリ
コン化合物の層の形成を例示しているが、本願発明は、
昇温された環境で生成される様々な無機化合物、例えば
リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属化
合物などの膜または層の生成による蓄熱体の流路の閉塞
を抑制できる。
【0031】また、本実施形態のガス浄化処理装置で
は、熱遮蔽部材としてハニカム構造を有するセラミック
製の蓄熱材を斜めにスライスして形成した熱遮蔽部材7
を用いているが、熱遮蔽部材は、反応部からの輻射熱を
遮蔽できれば、様々な材質、様々な構成の熱遮蔽部材を
用いることができる。例えば、熱遮蔽部材7のようにガ
スの流路が斜めに形成された状態のものではなく、蓄熱
部のガスの流れに沿う方向に流路が形成されたハニカム
構造を有する蓄熱材を用いることもできる。さらに、図
7に示すように、蓄熱体19と反応部1の間に蓄熱部の
ガスの流れ方向に斜めに交わる傾斜した25Cr−20
Ni耐熱綱製の板で複数のスリットを形成したベーンタ
イプの熱遮蔽部材51を用いることもできる。ベーンタ
イプの熱遮蔽部材51であれば、圧力損失も小さく、輻
射熱の遮蔽効果も大きい。
【0032】また、図8に示すように、サドル状の非一
体型の蓄熱材53を耐熱金網55に浅く充填した熱遮蔽
部材57を用いることもできる。このとき、サドル状の
非一体型の蓄熱材53に代えてリング状や球状などの蓄
熱材を充填することもできる。さらに、図9に示すよう
に、セラミック製の繊維を編んだスクリーン59を複数
枚重ねた熱遮蔽部材61を用いることもできる。このと
き、セラミック製の繊維を編んだスクリーン59に代え
て、耐熱鋼製などの多孔板やワイヤを積層したものを用
い、これらを1層または複数層に積層して熱遮蔽部材と
することもできる。さらに、図10に示すように、本体
11の蓄熱体19と反応部1との間の流路の部分に、上
下に互い違いに邪魔板63を設置して熱遮蔽部材65と
することもできる。これらの各熱遮蔽部材の構成におい
て、熱遮蔽部材の材質に関しては、セラミックや耐熱鋼
に限らず、熱遮蔽部材が曝される温度に耐えうるもので
あれば、耐火煉瓦やその他の耐熱性を有する材質にする
ことができる。
【0033】また、本実施形態のガス浄化処理装置で
は、蓄熱体としてハニカム構造を有するセラミック製の
1層または複数層に積層したブロック状の蓄熱材19を
用いているが、蓄熱体としては、セラミックに限らずガ
スとの熱交換可能な様々な材料を用いることができ、ま
た、ブロック状の蓄熱材に限らずサドル形、リング形、
球形などの蓄熱材をガスが通流可能な容器などに充填し
た構成にすることができる。
【0034】また、本実施形態のガス浄化処理装置で
は、第1蓄熱部3と第2蓄熱部5を備えた2塔式になっ
ているが、多塔式の構成にすることもできる。さらに、
本発明は、本実施形態のような構成のガス浄化処理装置
に限らず、複数の蓄熱体とガスの通流方向を切り換える
切替手段を備えた蓄熱式のガス浄化処理装置で有れば、
様々な構成のガス浄化処理装置に適用することができ
る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、蓄熱体の流路の閉塞を
抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなるガス浄化処理装置の一実
施形態の概略構成と動作を示す断面図である。
【図2】蓄熱体と熱遮蔽部材の概略構成を示した斜視図
である。
【図3】蓄熱体の部位に対する温度及びシリコン化合物
付着量の関係を示す図である。
【図4】ガスの通流方向の切り換えによる蓄熱体の各部
位の温度変化パターンを示す図であり、Aは熱遮蔽部材
を設置した場合、Bは熱遮蔽部材を設置していない場合
を示す。
【図5】熱遮蔽部材を設置した場合Aと熱遮蔽部材を設
置していない場合Bとの蓄熱材の単位面積当たりのシリ
コン化合物付着量を比較した図である。
【図6】熱遮蔽部材を設置した場合Aと熱遮蔽部材を設
置していない場合Bとの蓄熱材へのシリコン化合物付着
状態を比較した図である。
【図7】熱遮蔽部材の別の構成例を示した斜視図であ
る。
【図8】熱遮蔽部材の別の構成例を示した斜視図であ
る。
【図9】熱遮蔽部材の別の構成例を示した斜視図であ
る。
【図10】本発明を適用してなるガス浄化処理装置の別
の実施形態の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 反応部 3 第1蓄熱部 5 第2蓄熱部 7 熱遮蔽部材 13 切換弁 17 バーナ 19 蓄熱体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスとの熱交換が可能な蓄熱体を含み、
    前記ガスが通流可能に形成された第1及び第2の蓄熱部
    と、前記ガスを昇温する昇温手段を備えた反応部と、前
    記ガスの通流方向を切り換える切換手段とを有し、前記
    ガスの流路に前記第1の蓄熱部、前記反応部及び前記第
    2の蓄熱部を順に配設し、切換手段によって前記ガスが
    前記第1の蓄熱部に流入し前記第2の蓄熱部から流出す
    る方向と、前記第2の蓄熱部に流入し前記第1の蓄熱部
    から流出する方向とに切り換え可能なガス浄化処理装置
    であり、 前記第1及び第2の蓄熱部の前記蓄熱体と前記反応部と
    の間に、各々、前記反応部からの輻射熱を遮蔽し、かつ
    前記ガスが通流可能な熱遮蔽部材を備えたことを特徴と
    するガス浄化処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006300399A (ja) * 2005-04-20 2006-11-02 Kondo Unyu-Kiko Co Ltd 回転式蓄熱燃焼型脱臭装置
JP2021105466A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 東京窯業株式会社 排ガス燃焼処理装置の蓄熱部構造、及び、排ガス燃焼処理方法

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