JP2002194315A - 接着方法 - Google Patents

接着方法

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JP2002194315A
JP2002194315A JP2000394410A JP2000394410A JP2002194315A JP 2002194315 A JP2002194315 A JP 2002194315A JP 2000394410 A JP2000394410 A JP 2000394410A JP 2000394410 A JP2000394410 A JP 2000394410A JP 2002194315 A JP2002194315 A JP 2002194315A
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Toshiaki Sasahara
俊昭 笹原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で接着性が発現して、発泡や膨れ等の
接着剤層の状態不良を起こさず、作業性に優れた接着方
法を提供する。 【解決手段】 熱硬化性ポリイソシアネートを含有する
粘度10Pa・s/25℃以下の一液接着剤を80℃未
満で耐熱性被着体に塗布した後、80〜300℃で熱硬
化させる、接着方法である。なお、該熱硬化性ポリイソ
シアネートは、有機ポリイソシアネートと活性水素基含
有化合物を反応させて得られるイソシアネート基末端プ
レポリマーを含有するものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱硬化性ポリイソ
シアネートを含有する低粘度の一液接着剤を用いた耐熱
性被着体の接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ウレタン系接着剤は、様々な基材に対し
て良好な密着性を示すため、広く用いられている。ウレ
タン系接着剤は、(a)活性水素基を有する主剤と、ポ
リイソシアネート硬化剤とからなる二液タイプ、(b)
活性水素基を有する主剤に、あらかじめブロックイソシ
アネートを配合した一液タイプ、(c)イソシアネート
基を有する樹脂からなる一液タイプ、に大別される。
【0003】しかし、(a)二液タイプの接着剤は、主
剤と硬化剤を使用直前に配合しなければならないため、
配合ミス、保管場所の確保等といった問題がある。ま
た、主剤と硬化剤を配合した後は、早急に使い切らなけ
ればならず、一旦配合したものを保管することは非常に
困難である。(b)ブロックイソシアネートを配合した
一液タイプは、硬化の際に解離していないブロック剤が
徐々に解離していくため密着性低下等の問題がある。
(c)イソシアネート基を有する樹脂からなる一液タイ
プは、空気中の湿気との反応であるため、炭酸ガス発生
による接着層の状態不良(発泡、ふくれ、割れ)、接着
層の表面は早く硬化するが、内部まで硬化するには時間
がかかる等の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、短時間で接
着性が発現して、発泡やふくれ等のない、接着剤層の状
態不良を起こさず、作業性に優れた接着方法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、以下
の(1)〜(3)に示すものである。 (1) 熱硬化性ポリイソシアネートを含有する25℃
での粘度が10Pa・s以下の一液接着剤を80℃未満
で耐熱性被着体に塗布した後、80〜300℃で熱硬化
させること、を特徴とする接着方法。
【0006】(2) 熱硬化性ポリイソシアネートが、
有機ポリイソシアネートと活性水素基含有化合物を反応
させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーであ
る、前記(1)の接着方法。
【0007】(3) 耐熱性被着体が金属系基材であ
る、前記(1)又は(2)の接着方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明における一液接着剤は、熱硬化性ポリイソ
シアネートを含有するあるいはこれを溶剤で希釈した、
25℃における粘度が10Pa・s以下好ましくは5P
a・s以下の液体(溶液)である。25℃における粘度
が10Pa・sを超えた場合、粘度が高すぎてスプレー
塗装やロール塗装が困難になりやすい。 この熱硬化性
ポリイソシアネートとは、有機ポリイソシアネートに
水、ポリカルボン酸、ポリオール、ポリアミン、アミノ
アルコール等の活性水素基含有化合物を反応させてウレ
ア化、ウレタン化、アミド化等させて得られるイソシア
ネート基含有変性体、又はこれらの反応と同時あるいは
反応後にイソシアネート基を二量化(ウレトジオン結
合、カルボジイミド結合の生成)、三量化(イソシアヌ
レート結合の生成)、高重合化(ウレトンイミン結合等
の生成)等させて得られるイソシアネート基含有変性体
等である。このうち、被膜の密着性の点から、有機ポリ
イソシアネートに活性水素基含有化合物を反応させて得
られるイソシアネート基末端プレポリマー、あるいはこ
れとイソシヌレート・ウレタン変性ポリイソシアネート
との混合物が好ましい。
【0009】有機ポリイソシアネートとしては、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キ
シレン−1,3−ジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテル
ジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−
ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−
4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフ
ェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′
−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ
ジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソ
シアネート、クルードトリレンジイソシアネート等の芳
香族ポリイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、デ
カメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート
等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キ
シレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジ
イソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネー
ト等の脂環族ジイソシアネート等のジイソシアネート、
及び前記イソシアネートのビウレット変性体、ウレトジ
オン変性体、カルボジイミド変性体、イソシアヌレート
変性体、ウレトンイミン変性体、これらの混合変性体が
挙げられる。これらのうち、耐候性に優れている点か
ら、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。これらの有機
ポリイソシアネートは単独であるいは2種以上を混合し
て使用することができる。
【0010】活性水素基含有化合物としては具体的に
は、水、(数平均)分子量62から500未満の低分子
ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコー
ル、数平均分子量500〜30,000の高分子ポリオ
ール等が挙げられる。
【0011】低分子ポリオールとしては、エチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール(1,3−BD)、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル(NPG)、1,8−オクタンジオール、1,9−ノ
ナンジオール、デカメチレングリコール、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、2,2−ジエチル
−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3
−ヘキサンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−
エチレングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エ
チレングリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エ
チレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、3−ヒド
ロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−
2,2−ジメチルプロピオネート、ダイマー酸ジオー
ル、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビ
スフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオ
キサイド付加物、水素添加ビスフェノールAのエチレン
オキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ク
オドロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の
カチオン性基を有さない低分子ポリオール類、2,2−
ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタ
ン酸等の−COOH含有低分子ポリオール類、−COO
H含有低分子ポリオール類とアンモニア、有機アミン、
アルカリ金属、アルカリ土類金属等との塩、2−スルホ
−1,3−プロパンジオール、2−スルホ−1,4−ブ
タンジオール等のスルホン酸基含有低分子ポリオール
類、スルホン酸基含有低分子ポリオール類とアンモニ
ア、有機アミン、アルカリ金属、アルカリ土類金属等と
の塩等が挙げられる。
【0012】低分子ポリアミンとしては、エチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、
メンセンジアミン、4,4′−ジフェニルメタンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、メタキシ
レンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。
【0013】低分子アミノアルコールとしては、モノエ
タノールアミン、モノプロパノールアミン、ジエタノー
ルアミン、ジプロパノールアミン等のモノアルカノール
アミン、ジアルカノールアミン等が挙げられる。
【0014】高分子ポリオールとしては、ポリエステル
ポリオール、ポリアミドエステルポリオール、ポリカー
ボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエ
ーテルエステルポリオール、ポリオレフィンポリオー
ル、動植物系ポリオール等が挙げられ、これらのうちポ
リエステルポリオールが好ましい。
【0015】ポリエステルポリオールとしては、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、コハク酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキ
シルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイド
ロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,
β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸等のカチオン性基を有さな
いポリカルボン酸類、5−スルホ−イソフタル酸等のス
ルホン酸基含有ポリカルボン酸類やこのスルホン酸基有
ポリカルボン酸類とアンモニア、有機アミン、アルカリ
金属、アルカリ土類金属等との塩類、これらの酸無水
物、酸ハライド、ジアルキルエステル等の1種類以上
と、前述の低分子ポリオールとの反応によって得られる
もの等が挙げられる。更に、前述の低分子ポリオールを
開始剤として、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−
カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ
−バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクト
ン)モノマーを開環重合させて得られるラクトン系ポリ
エステルポリオール等が挙げられる。また更に、低分子
ポリオールの一部に替えてヘキサメチレンジアミン、イ
ソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポ
リアミンや低分子アミノアルコールを用いて得られるポ
リアミドエステルポリオールが挙げられる。
【0016】ポリカーボネートポリオールとしては、前
述の低分子ポリオールの1種類以上と、エチレンカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネー
トとの脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られ
るもの等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとして
は、前述の低分子ポリオール、低分子ポリアミンや低分
子アミノアルコールを開始剤として、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド、
テトラヒドロフラン等のエポキサイドや環状エーテルの
単品又は混合物を開環重合させて得られるもの等が挙げ
られる。ポリエーテルエステルポリオールとしては、前
述のポリエーテルポリオールと前述のポリカルボン酸類
等から得られるコポリオール等が挙げられる。また、前
述のポリエステルやポリカーボネートと、エポキサイド
や環状エーテルとの反応で得られるものも挙げられる。
【0017】ポリオレフィンポリオールとしては、水酸
基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン、こ
れらの塩素化物等が挙げられる。動植物系ポリオールと
しては、ヒマシ油系ポリオール、絹フィブロイン等が挙
げられる。
【0018】また、数平均分子量が500以上で、か
つ、1分子中に活性水素基を平均1個以上有するもので
あれば、ダイマー酸系ポリオール、水素添加ダイマー酸
系ポリオールの他に、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ポ
リビニルアルコール等の活性水素基含有樹脂も使用で
き、これらのうち水酸基含有アクリル樹脂(アクリルポ
リオール)が好ましい。これらの活性水素基含有化合物
はいずれも単独であるいは2種以上を混合して使用する
ことができる。
【0019】有機ポリイソシアネートと活性水素基含有
化合物との反応における温度は、0〜100℃が好まし
く、更には20〜80℃が好ましい。また、このときの
イソシアネート基と活性水素基のモル比は、イソシアネ
ート基/活性水素基=1.1/1〜2/1が好ましい。
【0020】このときの反応装置としては、上記の反応
が達成できればいかなる装置でも良く、例えば、攪拌装
置の付いた反応釜やニーダー、一軸又は多軸押し出し反
応機等の混合混練装置が挙げられる。反応を早く進める
ため、触媒として、ポリウレタンやポリウレアの製造に
おいて常用されるジブチル錫ジラウレート等の金属触媒
やトリエチルアミン等の三級アミン触媒を用いてもよ
い。
【0021】熱硬化性ポリイソシアネートのイソシアネ
ート含量は、固形分100質量%換算で1〜30質量
%、特に1〜25質量%であることが好ましい。
【0022】本発明において、一液接着剤として特に好
ましい熱硬化性ポリイソシアネートは、有機ジイソシア
ネートと数平均分子量1,000〜30,000のポリ
エステルジオール及び低分子グリコールを反応させて得
られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーであ
る。このポリエステルジオールは、酸成分が芳香族ジカ
ルボン酸:50モル%以上であるものが更に好ましい。
また更に、このプレポリマーにイソシアヌレート・ウレ
タン変性ポリイソシアネートを混合すると、耐久性を向
上させることができる。この場合、密着性や耐久性を考
慮すると、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー
とイソシアヌレート・ウレタン変性ポリイソシアネート
の質量比は、好ましくはイソシアネート基末端ウレタン
プレポリマー/イソシアヌレート・ウレタン変性ポリイ
ソシアネート=10/0〜1/9、更に好ましくは10
/0〜5/5である。
【0023】熱硬化性ポリイソシアネートを希釈する溶
剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系
溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水
素系溶剤、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
メチルシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジエチルエ
ーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の
エーテル系溶剤、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソ
ルブ系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の一塩基酸エス
テル系溶剤、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、
フタル酸ジオクチル等の二塩基酸エステル類、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン等の非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。これ
らは単独であるいは2種以上を混合して使用することが
できる。
【0024】熱硬化性ポリイソシアネートには、必要に
応じて添加剤を併用できる。この添加剤としては、顔
料、ブロッキング防止剤、分散安定剤、粘度調節剤、レ
ベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、無機及び有機充填剤、可塑剤、滑剤、帯電
防止剤、補強材等が挙げられる。なお、触媒は、硬化時
間を短縮する効果があるが、熱硬化性ポリイソシアネー
トの経時安定性(貯蔵安定性)を低下させるので、添加
しないほうが好ましい。
【0025】次に、具体的な接着の手順について説明す
る。接着剤はまず、タレや溶剤の急激な蒸発を防ぐた
め、80℃未満好ましくは常温で耐熱性被着体に塗布す
る。本発明の接着方法における耐熱性被着体(以後、単
に「被着体」という)は、接着剤の塗布後に加熱するこ
とから、耐熱性があること、具体的には熱変形温度が8
0℃以上であることが必要である。このような被着体と
しては例えば、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス等の
金属系基材、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリスルホン樹脂等の耐熱プラスチック、セラ
ミックス、ガラス、コンクリート、石材等が挙げられ
る。本発明においては金属系基材が好ましい。接着剤の
塗布量は、固形分100質量%換算で1〜300g/m
2 、特に1〜200g/m2 であることが好ましい。
【0026】塗布方法としては、ドクターブレード、リ
バースロール、グラビアロール、スピンナーコート、エ
クストルーダ、スプレーコート、ディップコート、フロ
ーコート、ワイヤーコート等による公知の方法が用いら
れる。
【0027】接着剤を被着体に塗布した後、被着体温度
を80〜300℃、好ましくは100〜280℃で加熱
硬化させる。また、加熱時間は10秒間〜120分間で
あることが好ましく、特に20秒間〜60分間が好まし
い。本発明は短時間で接着強度が発現することが可能で
あるため、長すぎる加熱時間は、エネルギーの浪費であ
るばかりか、接着剤層に不必要な熱履歴を与えることに
なる。なお、空気中の水分は、この程度の硬化時間では
関与することがほとんどないため、特に制限はないが、
イソシアネート基と水との反応により生成する炭酸ガス
による接着剤層への悪影響を押さえるため、硬化雰囲気
は0.1mol水蒸気/mol気体以下の空気や不活性
ガスの存在下が好ましく、特に0.05mol水蒸気/
mol気体以下の空気や不活性ガスの存在下がより好ま
しい。
【0028】本発明の接着方法においては、熱硬化性ポ
リイソシアネートを含有する接着剤を単独で使用し、塗
布に際して活性水素基含有化合物を併用しない。このた
め、二液タイプの接着剤に比較して、作業性が良好であ
るという利点を有する。
【0029】本発明において接着剤の硬化機構は不明で
あるが、おそらくウレタン基とイソシアネート基との反
応によるアロファネート基生成反応が主反応と考えられ
る。本発明において、イソシアネート基末端ウレタンプ
レポリマーが好ましいのは、ウレタン基とイソシアネー
ト基が存在するためと考えられる。また、イソシアヌレ
ート基生成反応やウレトジオン基生成反応も起こってい
ると考えられる。
【0030】なお、エチレン性不飽和結合を有する化合
物を用いたものも、一液加熱硬化の接着剤になりうる。
しかしながら、このようなものは、空気中の酸素で架橋
してしまうことが多いため、貯蔵時に増粘することがあ
る。このため、本発明に用いる一液接着剤は、エチレン
性不飽和結合を有する化合物を存在しないことが好まし
い。
【0031】本発明の接着方法において用いる接着剤
は、いわゆる湿気硬化型のウレタン系接着剤と共通する
部分がある。しかし、湿気硬化型接着剤では、空気と接
触する部分は硬化が進行するが、接着剤層の内部は未反
応となることが多い。また、冬期は乾燥しているため、
硬化が進行しにくい。一方、本発明では接着剤層の内部
も十分に硬化する。また、加熱設備さえあれば、季節に
関係なく、十分な接着性を短時間で発現できる。
【0032】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、
以下の実施例において、特に断らない限り、「%」は質
量%を意味する。
【0033】〔イソシアネート基含有変性体の合成〕 合成例1 攪拌機、温度計、窒素シール管、及び冷却器を装着した
容量1,000mlの反応器に、ヘキサメチレンジイソ
シアネート(HDI)を105.0g仕込んだ。次にポ
リオール−1を513.0g仕込み、80℃で2時間反
応させた。更に、この中にネオペンチルグリコール(N
PG)を36.0g仕込み、80℃で3時間反応させ
た。その後、シクロヘキサノンを346g仕込み、攪拌
し均一にして、イソシアネート基末端ウレタンプレポリ
マー溶液NCO−1を得た。NCO−1はイソシアネー
ト含量:0.82%、粘度(25℃):15Pa・s、
固形分:50.1%であった。
【0034】合成例2 合成例1と同様な反応器にHDIを101.0g仕込ん
だ。次にポリオール−1を532.0g仕込み、80℃
で2時間反応させた。更に、この中に1,3−ブタンジ
オール(1,3−BD)を27.0g仕込み、80℃で
3時間反応させた。その後、シクロヘキサノンを340
g仕込み、攪拌し均一にして、イソシアネート基末端ウ
レタンプレポリマー溶液NCO−2を得た。NCO−2
はイソシアネート含量:0.98%、粘度(25℃):
13Pa・s、固形分:50.0%であった。
【0035】合成例3 合成例1と同様な反応器にHDIを104.1g仕込ん
だ。次にポリオール−2を526.0g仕込み、80℃
で2時間反応させた。更に、この中に1,3−BDを2
7.9g仕込み、80℃で3時間反応させた。その後、
酢酸エチルを342g仕込み、攪拌し均一にして、イソ
シアネート基末端ウレタンプレポリマー溶液NCO−3
を得た。NCO−3はイソシアネート含量:1.00
%、粘度(25℃):8.2Pa・s、固形分:50.
0%であった。
【0036】合成例4 合成例1と同様な反応器に、HDIを900.0g、
1,3−BDを8.4g仕込み、反応器内を窒素置換し
て、攪拌しながら反応温度80℃に加温し、同温度で2
時間反応させた。この反応液のイソシアネート含量を測
定したところ、48.6%であった。次に、触媒として
カプリン酸カリウムを0.18g、助触媒としてフェノ
ールを0.9gを加え、60℃で6時間イソシアヌレー
ト化反応を行った。この反応液に停止剤としてリン酸を
0.13g加え、反応温度で1時間攪拌後、遊離HDI
を120℃、1.3Paの条件下で薄膜蒸留により除去
した。得られたイソシアヌレート・ウレタン変性ポリイ
ソシアネートは、外観:淡黄色透明液体、イソシアネー
ト含量:21.26%、粘度(25℃):2.5Pa・
s、遊離HDI含有量:0.3%であった。このイソシ
アヌレート・ウレタン変性ポリイソシアネートをNCO
−4とする。
【0037】合成例5 合成例1と同様な反応器に、HDIを12.9g、シク
ロヘキサノンを136g仕込んだ。次にポリオール−3
を548.0g、1,3−BDを3.5g仕込み、80
℃で3時間反応させた。その後、シクロヘキサノンを3
00g仕込み、攪拌し均一にして、イソシアネート基末
端ウレタンプレポリマー溶液NCO−5を得た。NCO
−5はイソシアネート含量:0.10%、粘度(25
℃):0.92Pa・s、固形分:40.0%であっ
た。
【0038】合成例1〜5において HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート 1,3−BD :1,3−ブタンジオール NPG :ネオペンチルグリコール ポリオール−1:イソフタル酸/テレフタル酸=1/1
とNPG/シクロヘキサンジメタノール=1/1(各モ
ル比)からのポリエステルポリオール 水酸基価=39.1mgKOH/g 固形分=70% トルエン溶液 ポリオール−2:綜研化学製アクリルポリオール 平均官能基数=2 水酸基価=41.0mgKOH/g 固形分=70% 酢酸エチル溶液 ポリオール−3:テレフタル酸/アジピン酸=1/1と
NPG/エチレングリコール=7/3(各モル比)から
のポリエステルポリオール 水酸基価=3.9mgKOH/g 固形分=70% トルエン溶液
【0039】〔一液接着剤の調製、接着試験〕 実施例1〜11、比較例1〜3 表1、2に示す配合で、一液接着剤を調製した。得られ
た接着剤は、アルミ板に両面塗布して、所定のオープン
タイムを取った後貼り合わせた。なお、接着部位はクラ
ンプで固定した。その後、実施例のサンプルはオーブン
に入れ、比較例のサンプルはそのまま静置した。硬化
後、直ちに引張せん断試験を行った。結果を表1、2に
示す。
【0040】〔塗布、硬化条件〕 基材 :アルミ板(100mm×25mm×
1.5mm)接着剤塗布面に、メチルエチルケトンをし
み込ませた脱脂綿にて脱脂する。 塗布面 :両面塗布 接着剤塗布面積:12.5mm×25mm 塗布量 :30g/m2 オープンタイム:室温で5分 硬化条件 : 実施例1〜7 ;130℃×30分間×0.015mo
l水蒸気/mol空気 実施例8〜11;130℃×30分間×0.001mo
l水蒸気/mol空気 比較例1〜3 ; 20℃×14日間×0.015mo
l水蒸気/mol空気
【0041】〔接着試験〕 測定環境:23℃×50%RH 引張速度:20mm/分
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】表1、2において 混合溶剤:酢酸エチル/酢酸ブチル/メチルエチルケト
ン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト=1/1/1/1(質量比)
【0045】表1、2に示されるように、実施例の接着
方法は一液タイプの接着剤を用いるので、塗布前の主剤
と硬化剤の配合という作業が不要であり、作業性に優れ
ている。また、短時間で接着力が発現する。一方、比較
例の湿気硬化方法では、作業性は良好であるが、接着力
は小さかった。なお、実施例5〜7と実施例8〜10を
比較すると、接着力に大きな差は見られなかった。これ
は、硬化の際の湿度は硬化反応に関与していないことを
示すものである。すなわち、本発明における硬化機構は
イソシアネート基と湿気(水)との反応ではないことが
分かる。
【0046】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の接着方法
は、接着剤塗布前の配合という作業が不要であるので作
業性に優れ、短時間で接着強度が発現する。本発明の接
着方法は、車両、家電、家具、包装用ラミネートフィル
ム等に適用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性ポリイソシアネートを含有する
    25℃での粘度が10Pa・s以下の一液接着剤を80
    ℃未満で耐熱性被着体に塗布した後、80〜300℃で
    熱硬化させること、を特徴とする接着方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性ポリイソシアネートが、有機ポ
    リイソシアネートと活性水素基含有化合物を反応させて
    得られるイソシアネート基末端プレポリマーである、請
    求項1に記載の接着方法。
  3. 【請求項3】 耐熱性被着体が金属系基材である、請求
    項1又は2に記載の接着方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006206828A (ja) * 2005-01-31 2006-08-10 Sunstar Engineering Inc 一液型ウレタン系湿気硬化性組成物

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