JP2002194223A - 木目模様を有する樹脂成形品の製造法 - Google Patents

木目模様を有する樹脂成形品の製造法

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JP2002194223A
JP2002194223A JP2000396365A JP2000396365A JP2002194223A JP 2002194223 A JP2002194223 A JP 2002194223A JP 2000396365 A JP2000396365 A JP 2000396365A JP 2000396365 A JP2000396365 A JP 2000396365A JP 2002194223 A JP2002194223 A JP 2002194223A
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Tsuneyuki Irie
常行 入江
Hiromichi Uohashi
広道 魚橋
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Nagase and Co Ltd
Setsunan Kasei Co Ltd
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ECO POLYMER KK
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Setsunan Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明瞭な年輪模様を持つ美しい木質的外観及び
優れた木質的触感を有すると共に、該木質的外観及び木
質的触感を安定して発現し得るところの樹脂成形品を押
出成形により製造する方法を提供する。 【解決手段】 セルロース系粉粒体を5〜70重量%含
む樹脂組成物(A)から成る粒状物100重量部、ポリ
エチレン(B)0.1〜10重量部、及び着色剤(C)
0.01〜15重量部を含む樹脂組成物を押出成形する
ことを特徴とする木目模様を有する樹脂成形品の製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木目模様を有する
樹脂成形品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セルロース系粉粒体、例えば、木
粉を含まない熱可塑性樹脂を押出成形して成形品に木目
模様を付与する方法として、数種の異なる色、例えば、
茶色、黄色等に予め着色した樹脂を金型内部で完全には
混合しないようにして押し出す方法、あるいは数種の異
なる色、例えば、茶色、黄色等の樹脂ペレットをドライ
ブレンドし、次いで押し出す方法等が知られている。し
かし、これらの方法では、出来上がった押出成形品が木
粉を含まない故、木質的外観及び木質的触感に乏しく、
また、木目模様を出すために多量の着色剤を配合するこ
とが必要であるのみならず、着色剤の配合量に見合うだ
けの明瞭な木目模様が得られなかった。更に、成形に際
して必要な着色配合をその都度準備しなければならない
という欠点もあった。
【0003】そこで、セルロース系粉粒体、例えば、木
粉を含む熱可塑性樹脂を押出成形して成形品に木目模様
を付与する方法が開発された。該方法としては、数種の
異なる色、例えば、茶色、黄色等に予め着色した、セル
ロース系粉粒体を含む樹脂ペレットを準備し、これらを
ドライブレンドし、次いで押し出す方法が知られてい
る。しかし、いわゆる木目の山、即ち、年輪部分を明瞭
に表現できないと言う欠点があった。あるいは、セルロ
ース系粉粒体を含む樹脂の押出しにベント付き押出機を
使用して、ベント口より数種の異なる色の樹脂ペレット
を投入する方法も開発されている。しかし、該方法で
は、安定して木目模様が得られないと言う欠点を有して
いた。更に、ベント式押出機は異型押出機としては一般
的ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、明瞭な年輪
模様を持つ美しい木質的外観及び優れた木質的触感を有
すると共に、該木質的外観及び木質的触感を安定して発
現し得るところの樹脂成形品を押出成形により製造する
方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々の検討を行った。その結果、セルロー
ス系粉粒体を含む熱可塑性樹脂に着色剤を添加して、木
目模様を有する樹脂成形品を押出成形により製造するに
際して、下記のように、セルロース系粉粒体を所定量で
含む樹脂組成物(A)から成る粒状物にポリエチレン
(B)及び着色剤(C)を所定量で配合して押出成形す
れば、驚くべきことに、すばらしく良好な木目模様を発
現し得ることを見出した。これは、ポリエチレン(B)
が着色剤(C)を押出成形に際して効果的に成形品表面
に浮かび上がらせる効果を有することを発見したことに
基くものであり、該効果は樹脂組成物(A)を粒状の形
態とし、かつ下記所定量で各成分を配合することにより
初めて達成されるものである。樹脂組成物(A)が粒状
物でなく、また、各成分の配合量が多過ぎても少な過ぎ
ても達成できない。ここで、着色剤(C)は、樹脂組成
物(A)及びポリエチレン(B)とは別個に粉末状で存
在することができる。
【0006】加えて、本発明者らは、更に変性ポリフェ
ニレンエーテル(D)を下記所定量で配合し、かつ着色
剤(C)と一緒に粒状の形態で存在せしめれば、該変性
ポリフェニレンエーテルの持つポリエチレン(B)とは
別異の効果、即ち、着色剤を成形品表面に線状に浮び上
がらせる効果により、より明瞭かつ美しい年輪部分を有
する木目模様を発現し得ることを見出したのである。変
性ポリフェニレンエーテル(D)を添加するに際して
は、変性ポリフェニレンエーテルを粒状物とし、かつ該
粒状物中に着色剤を含めなければならない。これにより
初めて上記変性ポリフェニレンエーテルの持つ上記効果
を発揮し得るのである。
【0007】即ち、本発明は、(1)セルロース系粉粒
体を5〜70重量%含む樹脂組成物(A)から成る粒状
物100重量部、ポリエチレン(B)0.1〜10重量
部、及び着色剤(C)0.01〜15重量部を含む樹脂
組成物を押出成形することを特徴とする木目模様を有す
る樹脂成形品の製造法である。
【0008】特開平7−149918号公報には、
(A)木粉を分散して含有する熱可塑性樹脂から成る木
質粒状体と、(B)着色剤を含有する熱可塑性樹脂から
成る着色粒状体とを、重量比100:1乃至100:5
0の割合でドライブレンドし、不完全混合状態を保ちな
がら加熱成形することを特徴とする着色模様表面を持つ
プラスチック成形品の製造方法が開示されている。着色
粒状体(B)を構成する熱可塑性樹脂は、木質粒状体
(A)を構成する熱可塑性樹脂と同じものを使用するこ
とができ(該公報0016欄)、熱可塑性樹脂としてポ
リエチレンが挙げられている(該公報第0008欄)。
そして、実施例26〜28には、ポリエチレン、木粉及
びポリプロピレンから成る木質粒状体(A)とポリエチ
レン、クルミ木粉、ポリプロピレン及び青色顔料から成
る着色粒状体(B)とを夫々ペレットでドライブレンド
した後、射出成形することが記載されている。これら
は、ポリエチレンを使用するものの、(A)及び(B)
のペレットはいずれも木粉を含んでいる。これは、射出
成形に際して、着色粒状体(B)に木粉を含めずにポリ
エチレンを使用すると、木質粒状体(A)との混合が良
好となり過ぎて着色模様が不十分となるためであり、そ
こで、着色粒状体(B)に木粉を多量に配合して木質粒
状体(A)と着色粒状体(B)との混合状態を悪くし
て、成形品に良好な着色模様を与えようとするものであ
る(該公報第0023欄)。しかし、該方法では、流れ
模様は得られるものの木目模様にはならず、むしろモザ
イク模様に近い模様となる(実施例28)。また、これ
らの実施例は射出成形によるものであり押出成形ではな
い。実施例38〜42には押出成形によるものが記載さ
れているが、得られた模様はすべて砂目模様であり木目
模様は得られていない。更に、樹脂として変性ポリフェ
ニレンエーテルを使用する記載はない。
【0009】これに対して、本願発明では、樹脂組成物
(A)のみが粒状物であればよく、ポリエチレン(B)
は粒状物である必要はない。また、ポリエチレン(B)
に木粉を含めて粒状にしてはならない。本願発明は、ポ
リエチレン(B)が押出成形に際して、着色剤(C)を
成形品表面に浮かび上がらせる効果を有効に利用したも
のである。該効果は、押出成形時にポリエチレン(B)
が着色剤(C)の大部分を伴って、粒状物である樹脂組
成物(A)の間隙を縫って流れて、そして着色剤(C)
を成形品表面に偏在せしめると言う作用に基くものであ
る。該効果は、ポリエチレン(B)に木粉を含めて粒状
にしたのでは発揮できない。この理由は未だ定かではな
いが、木粉の持つ表面官能性がポリエチレンに何らかの
作用を及ぼすためと考えられ、その結果、押出成形に際
して、ポリエチレンが木粉の動きに支配されて、着色剤
を成形品表面に偏在させることができず、むしろ成形品
全体に均一に存在せしめてモザイク模様に近い模様とな
し、良好な木目模様を発現し得ないものと考えられる。
かかる観点から、樹脂組成物(A)から成る粒状物中に
ポリエチレンが含まれていても、該ポリエチレンは着色
剤を成形品表面に浮び上がらせる効果を発揮できず、従
って、樹脂組成物(A)から成る粒状物とは別に必ずポ
リエチレン(B)が存在しなければならない。本願発明
では、上記ポリエチレンの効果を利用することにより、
上記公報記載の発明では得ることができなかった、明瞭
な年輪模様を持つ美しい木質的外観を有する成形品を押
出成形により得たのである。本願発明は、上記公報記載
の発明とは技術思想が全く異なる。
【0010】好ましい態様として、(2)上記樹脂組成
物が、ポリエチレン(B)0.1〜5重量部を含むとこ
ろの上記(1)記載の方法、(3)上記樹脂組成物が、
ポリエチレン(B)0.5〜2重量部を含むところの上
記(1)記載の方法、(4)上記樹脂組成物が、ポリエ
チレン(B)0.8〜1.5重量部を含むところの上記
(1)記載の方法、(5)上記樹脂組成物(A)が、セ
ルロース系粉粒体を20〜60重量%含むところの上記
(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、(6)上
記樹脂組成物(A)が、セルロース系粉粒体を40〜5
5重量%含むところの上記(1)〜(4)のいずれか一
つに記載の方法、(7)上記樹脂組成物が、着色剤
(C)0.01〜9重量部を含むところの上記(1)〜
(6)のいずれか一つに記載の方法、(8)上記樹脂組
成物が、着色剤(C)0.02〜7重量部を含むところ
の上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の方法、
(9)上記樹脂組成物が、更に変性ポリフェニレンエー
テル(D)0.001〜15重量部を含み、かつ、
(C)と(D)とが一緒になって粒状物を形成している
ところの上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の方
法、(10)上記樹脂組成物が、更に変性ポリフェニレ
ンエーテル(D)0.98〜12重量部を含み、かつ、
(C)と(D)とが一緒になって粒状物を形成している
ところの上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の方
法、(11)上記樹脂組成物が、更に変性ポリフェニレ
ンエーテル(D)1.98〜9重量部を含み、かつ、
(C)と(D)とが一緒になって粒状物を形成している
ところの上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載の方
法、(12) セルロース系粉粒体を5〜70重量%含む樹脂組成物
(A)から成る粒状物、 粉末状のポリエチレン(B)、及び 粉末状の着色剤(C) をドライブレンドし、次いで押出成形するところの上記
(1)〜(8)のいずれか一つに記載の方法、(13) セルロース系粉粒体を5〜70重量%含む樹脂組成物
(A)から成る粒状物、 粉末状のポリエチレン(B)、及び 着色剤(C)の全部と変性ポリフェニレンエーテル
(D)の全部とから成る粒状物 をドライブレンドし、次いで押出成形するところの上記
(9)〜(11)のいずれか一つに記載の方法、(1
4)セルロース系粉粒体を5〜70重量%含む樹脂組成
物(A)から成る粒状物100重量部、着色剤(C)
0.01〜15重量部、及び変性ポリフェニレンエーテ
ル(D)0.001〜15重量部を含み、かつ、(C)
と(D)とが一緒になって粒状物を形成しているところ
の樹脂組成物を押出成形することを特徴とする木目模様
を有する樹脂成形品の製造法、(15)上記樹脂組成物
が、変性ポリフェニレンエーテル(D)1〜12重量部
を含むところの上記(14)記載の方法、(16)上記
樹脂組成物が、変性ポリフェニレンエーテル(D)1.
98〜9重量部を含むところの上記(14)記載の方
法、(17)(B)熱可塑性樹脂が、ポリスチレン樹
脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ポリメチルメ
タクリレート樹脂及びポリカーボネート樹脂より成る群
から選ばれる上記(1)〜(16)のいずれか一つに記
載の方法を挙げることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物(A)に含ま
れるセルロース系粉粒体に特に制限はなく、例えば、オ
ガ粉、木屑、パルプ粉、コルク粉、ココナッツやし殻
粉、クルミ殻粉等を使用し得る。該セルロース系粉粒体
は、これらを単独で使用してもよく、又は二種以上を混
合して使用してもよい。好ましくは製材工程で発生する
松、杉、ひのき、ツガ等のオガ粉が用いられる。該セル
ロース系粉粒体の平均粒子径は好ましくは1〜500μ
mである。また、所望により他の充填剤、例えば、二酸
化チタン、タルク等を併用することもできる。
【0012】樹脂組成物(A)に含まれる熱可塑性樹脂
は好ましくは、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹
脂、AES樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂及びポ
リカーボネート樹脂より成る群から選ばれる一つ又はそ
れ以上の樹脂である。このなかで、特に好ましくは、A
BS樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂又はAES樹脂
が使用される。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いても
よいし、あるいは二種以上を併用することもできる。ま
た、該熱可塑性樹脂として、上記の熱可塑性樹脂と共に
又は上記の熱可塑性樹脂に代えて、ポリエチレン及び/
又は変性ポリフェニレンエーテルを使用することもでき
る。この場合には、上記において既に説明したように、
ポリエチレン及び/又は変性ポリフェニレンエーテル
は、下記において述べる本願発明の成分(B)ポリエチ
レン及び成分(D)変性ポリフェニレンエーテルとして
作用しない。
【0013】樹脂組成物(A)のセルロース系粉粒体含
有量は、樹脂組成物(A)の全重量に対して、上限が7
0重量%、好ましくは60重量部、より好ましくは55
重量部であり、下限が5重量部、好ましくは20重量
部、より好ましくは40重量部である。セルロース系粉
粒体が上記上限を超えては、押出成形が困難となり、セ
ルロース系粉粒体(A)が上記下限未満では、成形品に
木質的外観及び木質的触感が得られない。
【0014】また、本願発明において、該樹脂組成物
(A)は粒状物の形態で使用される。これにより、押出
成形の際に、ポリエチレン(B)及び変性ポリフェニレ
ンエーテル(D)が、該粒状物の間隙を通り抜けて着色
剤(C)を成形品表面に浮かび上がらせ、また、着色剤
(C)を成形品表面に線状に浮び上がらせるのである。
【0015】本発明において使用されるポリエチレン
(B)に特に制限はなく、例えば、高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等公知の
ものが使用される。該ポリエチレンとしては、メルトイ
ンデックス(MI、JIS K 7210)が0.1以上
のものが好ましい。メルトインデックスが小さ過ぎると
着色剤の発色を十分に発現し得ない。また、ポリエチレ
ン(B)として、ポリエチレンワックスを使用すること
もできる。ポリエチレン(B)を配合することにより、
着色剤を効果的に成形品表面に浮かび上がらせることが
できて、美しい木質的外観を得ることができる。
【0016】本発明において使用される着色剤(C)に
も特に制限はなく、無機系、有機系のいずれも使用する
ことができる。好ましくは、成形品に違和感のない木目
模様を発現し得る色のものであり、例えば、黒色、黄
色、茶色、赤色、緑色、橙色、灰色、白色等が挙げられ
る。本発明において着色剤(C)を粉末状で単独で使用
することもできるが、カラーマスターバッチを使用する
ことが好ましい。該カラーマスターバッチは、着色剤
(C)、熱可塑性樹脂、並びに少量のMgO等の分散剤
及びミネラルオイル等を含む混合物であり、着色剤
(C)は該混合物の全重量に対して、好ましくは0.1
〜45重量%、より好ましくは15〜35重量%で含ま
れる。該カラーマスターバッチに使用される熱可塑性樹
脂は、上記に掲げた樹脂組成物(A)に含まれる熱可塑
性樹脂を使用することができ、樹脂組成物(A)に含ま
れる熱可塑性樹脂と同一の種類の樹脂であっても、異な
る種類の樹脂であってもよい。該カラーマスターバッチ
としては市販品を使用することができ、例えば、セツナ
ン化成株式会社製のもくめくん7HG0082(商標、
ABS樹脂ベース、茶色)、もくめくん7HG0247
(商標、ABS樹脂ベース、赤茶色)等を挙げることが
できる。また、該カラーマスターバッチに、上記の熱可
塑性樹脂に代えて又は上記の熱可塑性樹脂と共に、本願
発明の成分(B)ポリエチレンを使用することもでき
る。この際、ポリエチレン(B)は、押出成形の際に着
色剤(C)を成形品の表面に浮き上がらせると言う本願
発明の効果を発揮し得る。
【0017】また、本発明においては、樹脂組成物中に
変性ポリフェニレンエーテル(D)を配合することがで
きる。該変性ポリフェニレンエーテル(D)としては公
知のものを使用できる。ポリフェニレンエーテルの末端
が、例えば、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物等
によって変性されているポリフェニレンエーテルが挙げ
られる。末端基のエポキシ化については、例えば、特開
昭63−125525号公報に記載されており、末端基
のカルボキシル化及び酸無水物化については、例えば、
特表昭62−500456号公報に記載されている。上
記の変性ポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエ
ーテルの全ての末端基が変性されたものでなくてもよ
く、未変性の末端基を、例えば、70重量%以下の量で
含むものであってもよい。該変性ポリフェニレンエーテ
ル(D)としては、市販品を使用することができ、例え
ば、ノリル115(商標、日本ジーイープラスチックス
株式会社製)等を挙げることができる。
【0018】変性ポリフェニレンエーテル(D)は、着
色剤(C)と一緒になって粒状物を形成していることが
必須である。例えば、着色剤(C)と変性ポリフェニレ
ンエーテル(D)とを含むカラーマスターバッチとして
使用することができる。この際、該混合物、即ち、カラ
ーマスターバッチに含まれる着色剤(C)は該混合物の
全重量に対して、好ましくは0.1〜45重量%、より
好ましくは15〜35重量%で含まれる。該カラーマス
ターバッチとしては市販品を使用することができ、例え
ば、セツナン化成株式会社製のもくめくん7NL019
6(商標、こげ茶色)、もくめくん7N10266(商
標、こげ茶色)、もくめくん7N20282(商標、赤
こげ茶色)、もくめくん2N30210(商標、アイボ
リー色)等を挙げることができる。変性ポリフェニレン
エーテル(D)を配合することにより、着色剤を成形品
表面にすじ状に表すことができて、より明瞭かつ美しい
年輪部分を有する木目模様を得ることができる。
【0019】本発明の方法において、上記の成分
(A)、(B)、(C)及び(D)の配合量は下記の通
りである。
【0020】ポリエチレン(B)の配合量は、樹脂組成
物(A)100重量部に対して、上限が10重量部、好
ましくは5重量部、より好ましくは2重量部、更に好ま
しくは1.5重量部であり、下限が0.1重量部、好ま
しくは0.5重量部、より好ましくは0.8重量部であ
る。ポリエチレン(D)が上記上限を超えては、押出し
時に金型内圧が低くなり過ぎて、安定した押出し状態を
得ることができず、上記下限未満では、美しい木質的外
観を発現できない。
【0021】着色剤(C)の配合量は、樹脂組成物
(A)100重量部に対して、上限が15重量部、好ま
しくは9重量部、より好ましくは7重量部であり、下限
が0.01重量部、好ましくは0.02重量部である。
着色剤(C)が上記上限を超えては、効果の著しい増加
は認められず、コスト高になるばかりであり、上記下限
未満では、木目模様を発現できない。
【0022】変性ポリフェニレンエーテル(D)の配合
量は、樹脂組成物(A)100重量部に対して、上限が
15重量部、好ましくは12重量部、より好ましくは9
重量部であり、下限が0.001重量部、好ましくは
0.98重量部、より好ましくは1.98重量部であ
る。変性ポリフェニレンエーテル(D)が上記上限を超
えては、成形品表面がささくれ状態となり、上記下限未
満では、明瞭かつ美しい年輪模様を発現できない。
【0023】本発明の方法で使用する樹脂組成物には、
本発明の効果を損なわない範囲で、当業者に公知の各種
の添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、
滑剤、可塑剤、離形剤、タルク、炭酸カルシウム、金属
フレーク、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤、充填材、
補強材を添加することができる。該充填材の配合量は、
(A)と(B)との合計100重量部に対して、下限が
好ましくは1重量%、特に好ましくは5重量%であり、
上限が20重量%、特に好ましくは15重量%である。
更に、本発明の方法で使用する樹脂組成物には、本発明
の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン(B)及び変
性ポリフェニレンエーテル(D)以外の熱可塑性樹脂、
例えば、上記で挙げた、樹脂組成物(A)に含まれる熱
可塑性樹脂を含めることもできる。これにより、樹脂組
成物(A)に含まれる木粉含有量を見かけ上調節するこ
とができて、種々の木粉含有量を有する押出成形品を得
ることができる。
【0024】本発明において、上記の各成分は従来から
公知の方法で混合することができる。例えば、ペレッ
ト、細片状態等の樹脂組成物(A)、粉末状のポリエチ
レン(B)及び粉末状の着色剤(C)、あるいはペレ
ット、細片状態等の樹脂組成物(A)、粉末状のポリエ
チレン(B)及び着色剤(C)のペレット状マスターバ
ッチをターンブルミキサーやヘンシェルミキサーで代表
される高速ミキサー等でドライブレンドして均一混合
し、また、変性ポリフェニレンエーテル(D)を配合す
る場合には、ペレット、細片状態等の樹脂組成物
(A)、粉末状のポリエチレン(B)及び着色剤(C)
と変性ポリフェニレンエーテル(D)とのペレット状マ
スターバッチをターンブルミキサーやヘンシェルミキサ
ーで代表される高速ミキサー等でドライブレンドして均
一混合される。次いで、これらの混合物を、通常の押出
機、例えば、単軸、二軸、二軸異方向、二軸同方向押出
機等を使用して、所望の形状に押出成形される。これに
より、成形品の表面に美しい木質的外観及び優れた木質
的触感を発現することができる。
【0025】本発明の方法により得られた木目模様を有
する樹脂成形品は、例えば、建築内装用腰壁、巾木、床
材、店舗用商品棚、廊下、階段の手摺等の建築資材等に
広く使用することができる。
【0026】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0027】
【実施例】実施例及び比較例で使用した物質は下記の通
りである。 <木粉入り樹脂> プラスッド AE1004(商標)、長瀬産業株式会社
製、木粉50重量%含有ABS樹脂 <ABS樹脂> クララスチック W−21(商標)、日本エーアンドエ
ル株式会社製 <ポリエチレン> ・低密度ポリエチレン:ジェイレクス LD−JF21
4A(商標)、日本ポリオレフィン株式会社製、MI=
0.6 ・低密度ポリエチレン:ジェイレクス LD−JF33
0S(商標)、日本ポリオレフィン株式会社製、MI=
1.0 ・低密度ポリエチレン:ジェイレクス LL−AM76
0A(商標)、日本ポリオレフィン株式会社製、MI=
12 ・低密度ポリエチレン:ジェイレクス LD−JM90
6A(商標)、日本ポリオレフィン株式会社製、MI=
21 ・低密度ポリエチレン:ジェイレクス LD−JMA0
7A(商標)、日本ポリオレフィン株式会社製、MI=
50 <ポリプロピレン> ・ノーブレン MPE331(商標)、住友化学工業株
式会社製 <ABS樹脂ベースのカラーマスターバッチ> ・もくめくん7HG0082(商標)、セツナン化成株
式会社製、茶色の着色剤を24.5重量%含有(残部は
ABS樹脂) ・もくめくん7HG0247(商標)、セツナン化成株
式会社製、赤茶色の着色剤を25.1重量%含有(残部
はABS樹脂) <変性ポリフェニレンエーテル樹脂ベースのカラーマス
ターバッチ> ・もくめくん7NL0196(商標)、セツナン化成株
式会社製、こげ茶色の着色剤を24重量%含有(残部は
変性ポリフェニレンエーテル樹脂) <ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂ベースのカラーマ
スターバッチ> ・ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂(サイコロイMC
5300、商標、日本ジーイープラスチックス株式会社
製)100重量部にこげ茶色の顔料23重量部を加え、
二軸押出機(PMC45型、株式会社池貝鉄工所製)を
使用して温度200〜230℃において押出して製造し
たもの
【0028】
【実施例1】プラスッド AE1004(商標)100
重量部に、ジェイレクス LD−JF214A(商標)
1.5重量部、もくめくん7HG0082(商標)8重
量部及びもくめくん7HG0247(商標)1.9重量
部をいずれもペレット形状で配合し、ミキサーを使用し
て均一になるまでドライブレンドした。該組成物におけ
る各成分の配合量は、(A)樹脂組成物100重量部
(木粉50重量部)、(B)ポリエチレン1.5重量部
及び(C)着色剤2.44重量部である。次いで、単軸
押出機(アイケージー株式会社製、50mm単軸押出
機)を使用して、165℃で溶融混練しつつ、押出速度
50cm/分で幅50mm×厚さ3mmの断面を持つ平
板を押出成形した。得られた成形品は、チーク調の木目
下地にダークブラウンの年輪模様が程よく表現された美
しい木質的外観を有し、かつ優れた木質的触感を有して
いた。
【0029】
【実施例2】プラスッド AE1004(商標)の配合
量を60重量部とし、更に、ABS樹脂ペレット40重
量部を配合したことを除いて、実施例1と同一にして平
板を押出成形した。該組成物における各成分の配合量
は、(A)樹脂組成物100重量部(見かけの木粉含有
量30重量部)、(B)ポリエチレン1.5重量部及び
(C)着色剤2.44重量部である。得られた成形品
は、実施例1に比べて多少木質感が劣ったが、チーク調
の木目下地にダークブラウンの年輪模様が程よく表現さ
れた美しい木質的外観を有し、かつ優れた木質的触感を
有していた。
【0030】
【実施例3】プラスッド AE1004(商標)の配合
量を20重量部とし、更に、ABS樹脂ペレット80重
量部を配合したことを除いて、実施例1と同一にして平
板を押出成形した。該組成物における各成分の配合量
は、(A)樹脂組成物100重量部(見かけの木粉10
重量部)、(B)ポリエチレン 1.5重量部及び
(C)着色剤2.44重量部である。得られた成形品
は、木粉含有量が少ないものの、チーク調の木目下地に
ダークブラウンの年輪模様が程よく表現された美しい木
質的外観を有し、かつ優れた木質的触感を有していた。
【0031】
【実施例4】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)の配合量を3.0重量部としたことを除いて、実施
例1と同一にして平板を押出成形した。該組成物におけ
る各成分の配合量は、(A)樹脂組成物100重量部
(木粉50重量部)、(B)ポリエチレン3.0重量部
及び(C)着色剤2.44重量部である。得られた成形
品は、チーク調の木目下地にダークブラウンの年輪模様
が程よく表現された美しい木質的外観を有し、かつ優れ
た木質的触感を有していた。実施例1と比較して発色状
態がより良好となり、より濃色であると言う印象を与え
た。
【0032】
【実施例5】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)の配合量を5.0重量部としたことを除いて、実施
例1と同一にして平板を押出成形した。該組成物におけ
る各成分の配合量は、(A)樹脂組成物100重量部
(木粉50重量部)、(B)ポリエチレン5.0重量部
及び(C)着色剤2.44重量部である。得られた成形
品は、チーク調の木目下地にダークブラウンの年輪模様
が程よく表現された美しい木質的外観を有し、かつ優れ
た木質的触感を有していた。実施例4と比較して発色状
態が更に良好となり、より濃色であると共に表面のつや
が向上した。
【0033】
【実施例6】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)の配合量を7.0重量部としたことを除いて、実施
例1と同一にして平板を押出成形した。該組成物におけ
る各成分の配合量は、(A)樹脂組成物100重量部
(木粉50重量部)、(B)ポリエチレン7.0重量部
及び(C)着色剤2.44重量部である。得られた成形
品は、チーク調の木目下地にダークブラウンの年輪模様
が程よく表現された美しい木質的外観を有し、かつ優れ
た木質的触感を有していた。実施例5と発色状態はほぼ
同じであったが、表面のつやがより一層向上した。
【0034】
【実施例7】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)をジェイレクス LD−JF330S(商標)に代
えたことを除いて、実施例1と同一にして平板を押出成
形した。該組成物における各成分の配合量は、(A)樹
脂組成物100重量部(木粉50重量部)、(B)ポリ
エチレン1.5重量部及び(C)着色剤2.44重量部
である。得られた成形品は、チーク調の木目下地にダー
クブラウンの年輪模様が程よく表現された美しい木質的
外観を有し、かつ優れた木質的触感を有していた。実施
例1と比較して発色状態が多少良好になった。
【0035】
【実施例8】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)をジェイレクス LL−AM760A(商標)に代
えたことを除いて、実施例1と同一にして平板を押出成
形した。該組成物における各成分の配合量は、(A)樹
脂組成物100重量部(木粉50重量部)、(B)ポリ
エチレン1.5重量部及び(C)着色剤2.44重量部
である。得られた成形品は、チーク調の木目下地にダー
クブラウンの年輪模様が程よく表現された美しい木質的
外観を有し、かつ優れた木質的触感を有していた。実施
例7と比較して発色状態が更に良好になった。
【0036】
【実施例9】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)をジェイレクス LD−JM906A(商標)に代
えたことを除いて、実施例1と同一にして平板を押出成
形した。該組成物における各成分の配合量は、(A)樹
脂組成物100重量部(木粉50重量部)、(B)ポリ
エチレン1.5重量部及び(C)着色剤2.44重量部
である。得られた成形品は、実施例1と同様に、チーク
調の木目下地にダークブラウンの年輪模様が程よく表現
された美しい木質的外観を有し、かつ優れた木質的触感
を有していた。実施例8と比較して発色状態が更に良好
になり、木質感にも優っていた。
【0037】
【実施例10】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)をジェイレクス LD−JMA07A(商標)に代
えたことを除いて、実施例1と同一にして平板を押出成
形した。該組成物における各成分の配合量は、(A)樹
脂組成物100重量部(木粉50重量部)、(B)ポリ
エチレン1.5重量部及び(C)着色剤2.44重量部
である。得られた成形品は、チーク調の木目下地にダー
クブラウンの年輪模様が程よく表現された美しい木質的
外観を有し、かつ優れた木質的触感を有していた。実施
例9と比較して発色状態が更に良好になり、多少派手な
印象を与えた。
【0038】
【実施例11】更に、もくめくん7NL0196(商
標)を0.2重量部配合したことを除いて、実施例1と
同一にして平板を押出成形した。該組成物における各成
分の配合量は、(A)樹脂組成物100重量部(木粉5
0重量部)、(B)ポリエチレン1.5重量部、(C)
着色剤2.49重量部及び(D)変性ポリフェニレンエ
ーテル0.15重量部である。得られた成形品は、実施
例1に比べてより一層年輪模様が浮き出した美しい木質
的外観を有し、かつ優れた木質的触感を有していた。
【0039】
【実施例12】更に、もくめくん7NL0196(商
標)を0.5重量部配合したことを除いて、実施例1と
同一にして平板を押出成形した。該組成物における各成
分の配合量は、(A)樹脂組成物100重量部(木粉5
0重量部)、(B)ポリエチレン1.5重量部、(C)
着色剤2.58重量部及び(D)変性ポリフェニレンエ
ーテル0.38重量部である。得られた成形品は、一層
年輪模様が浮き出した美しい木質的外観を有し、かつ優
れた木質的触感を有していた。実施例11と比較して木
目の密度が増していた。
【0040】
【実施例13】更に、もくめくん7NL0196(商
標)を0.2重量部配合したことを除いて、実施例2と
同一にして平板を押出成形した。該組成物における各成
分の配合量は、(A)樹脂組成物100重量部(見かけ
の木粉30重量部)、(B)ポリエチレン1.5重量
部、(C)着色剤2.49重量部及び(D)変性ポリフ
ェニレンエーテル0.15重量部である。得られた成形
品は、実施例2に比べてより一層年輪模様がシャープに
浮き出した美しい木質的外観を有し、かつ優れた木質的
触感を有していた。
【0041】
【実施例14】更に、もくめくん7NL0196(商
標)を0.2重量部配合したことを除いて、実施例3と
同一にして平板を押出成形した。該組成物における各成
分の配合量は、(A)樹脂組成物100重量部(見かけ
の木粉10重量部)、(B)ポリエチレン1.5重量
部、(C)着色剤2.49重量部及び(D)変性ポリフ
ェニレンエーテル0.15重量部である。得られた成形
品は、実施例3に比べてより一層年輪模様がシャープに
浮き出した美しい木質的外観を有し、かつ優れた木質的
触感を有していた。
【0042】
【比較例1】ABS樹脂100重量部に、もくめくん7
HG0082(商標)3重量部及びもくめくん7HG0
247(商標)2重量部をいずれもペレット形状で配合
し、ミキサーを使用して均一になるまでドライブレンド
した。次いで、単軸押出機(アイケージー株式会社製、
50mm単軸押出機)を使用して、165℃で溶融混練
しつつ、押出速度50cm/分で幅50mm×厚さ3m
mの断面を持つ平板を押出成形した。該比較例の方法
は、木粉を含まないABS樹脂の押出成形品に木目模様
を施すために従来から実施されている方法である。該方
法により得られた成形品は、発色が不十分であり、かつ
発現された流れ模様はコントラストに欠けており、木目
模様と言うには程遠いものであった。
【0043】
【比較例2】ABS樹脂100重量部に、もくめくん7
HG0082(商標)6重量部及びもくめくん7HG0
247(商標)4重量部をいずれもペレット形状で配合
し、ミキサーを使用して均一になるまでドライブレンド
した。次いで、単軸押出機(アイケージー株式会社製、
50mm単軸押出機)を使用して、165℃で溶融混練
しつつ、押出速度50cm/分で幅50mm×厚さ3m
mの断面を持つ平板を押出成形した。該比較例は、各カ
ラーマスターバッチの配合量を比較例1の2重量倍にし
たものである。カラーマスターバッチの配合量を増やし
ても、従来法で得られた成形品は、比較例1と同様に、
発色が不十分であり、かつ発現された流れ模様はコント
ラストに欠けており、木目模様と言うには程遠いもので
あった。
【0044】
【比較例3】ABS樹脂100重量部に、もくめくん7
HG0082(商標)9重量部及びもくめくん7HG0
247(商標)6重量部をいずれもペレット形状で配合
し、ミキサーを使用して均一になるまでドライブレンド
した。次いで、単軸押出機(アイケージー株式会社製、
50mm単軸押出機)を使用して、165℃で溶融混練
しつつ、押出速度50cm/分で幅50mm×厚さ3m
mの断面を持つ平板を押出成形した。該比較例は、各カ
ラーマスターバッチの配合量を比較例1の3重量倍にし
たものである。カラーマスターバッチの配合量を増やし
ても、従来法で得られた成形品は、比較例1と同様に、
発色が不十分であり、かつ発現された流れ模様はコント
ラストに欠けており、木目模様と言うには程遠いもので
あった。
【0045】
【比較例4】プラスッド AE1004(商標)100
重量部にもくめくん7HG0082(商標)9重量部を
配合し、単軸押出機(アイケージー株式会社製、50m
m単軸押出機)を使用して溶融混練しペレットを作成し
た。また、別にプラスッド AE1004(商標)10
0重量部にもくめくん7HG0247(商標)9重量部
を配合し、上記と同様にしてペレットを作成した。これ
らをミキサーを使用して均一になるまでドライブレンド
した。次いで、単軸押出機(アイケージー株式会社製、
50mm単軸押出機)を使用して、165℃で溶融混練
しつつ、押出速度50cm/分で幅50mm×厚さ3m
mの断面を持つ平板を押出成形した。該比較例の方法
は、木粉を含むABS樹脂の押出成形品に木目模様を施
すために従来から実施されている方法である。該方法に
より得られた成形品は、チーク調の木目発色をしていた
が発色は不十分であり、かつ発現された流れ模様はコン
トラストに欠けており、木目模様と言うには程遠いもの
であった。
【0046】
【比較例5】プラスッド AE1004(商標)100
重量部に、上記のポリカーボネート樹脂/ABS樹脂ベ
ースのカラーマスターバッチ5重量部をいずれもペレッ
ト形状で配合し、ミキサーを使用して均一になるまでド
ライブレンドした。次いで、単軸押出機(アイケージー
株式会社製、50mm単軸押出機)を使用して、165
℃、押出速度50cm/分で幅50mm×厚さ3mmの
断面を持つ平板を押出成形した。該比較例の方法は、上
記の特開平7−149918号公報に開示された従来法
である。該方法により得られた成形品には木目模様はな
く、未溶融又は半溶融のマスターバッチが斑点状に成形
品表面に一部露出した御影石調の砂目模様となった。
【0047】
【比較例6】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)67重量部、木粉30重量部及びノーブレンMPE
331(商標)3重量部を配合し、二軸押出機(PCM
45型、株式会社池貝鉄工所製)を使用して温度200
〜220℃で押出して樹脂組成物から成るペレット
(I)を製造した。また、別途、ジェイレクス LD−
JF214A(商標)27重量部、木粉70重量部、ノ
ーブレンMPE331(商標)3重量部及び青色着色剤
0.5重量部を配合し、上記同一条件で押出して樹脂組
成物から成るペレット(II)を製造した。次いで、上記
のペレット(I)100重量部とペレット(II)5重量
部を配合し、ミキサーを使用して均一になるまでドライ
ブレンドした。これを単軸押出機(アイケージー株式会
社製、50mm単軸押出機)を使用して、165℃で溶
融混練しつつ、押出速度50cm/分で幅50mm×厚
さ3mmの断面を持つ平板を押出成形した。該比較例の
方法は、上記の特開平7−149918号公報の実施例
26に開示された従来法に準じたものである。該方法に
より得られた成形品には木目模様はなく、全体に青く着
色された押出品が得られた。
【0048】
【比較例7】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)を配合しなかったことを除いて、実施例1と同一に
して実施した。該方法により得られた成形品は、発色が
不十分であり、かつ発現された流れ模様はコントラスト
に欠けており、木目模様と言うには程遠いものであっ
た。また、成形品の表面化にささくれが生じた。
【0049】
【比較例8】ジェイレクス LD−JF214A(商
標)を20重量部配合したことを除いて、実施例1と同
一にして実施した。該方法により得られた成形品は、表
面が完全にポリエチレンにより覆われて木質的感が全く
消え、完全なプラスチック感を有していた。
【0050】
【比較例9】プラスッド AE1004(商標)に代え
てABS樹脂を同量配合したことを除いて、実施例1と
同一にして実施した。該方法により得られた成形品は、
木質的外観及び木質的触感を有していなかった。
【0051】
【比較例10】プラスッド AE1004(商標)に代
えてABS樹脂を同量配合したことを除いて、実施例1
1と同一にして実施した。該方法により得られた成形品
は、発色が不十分であり、かつ発現された流れ模様はコ
ントラストに欠けており、木目模様と言うには程遠いも
のであった。また、流れ模様に沿ってクラックが生じ
た。
【0052】
【発明の効果】本発明は、明瞭な年輪模様を持つ美しい
木質的外観及び優れた木質的触感を有すると共に、該木
質的外観及び木質的触感を安定して発現し得るところの
木質樹脂成形品を押出成形により製造する方法を提供す
るものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月11日(2001.6.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項粒状物(A)に含まれる樹脂が、ポリス
チレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ポリ
メチルメタクリレート樹脂及びポリカーボネート樹脂よ
り成る群から選ばれる一つ又はそれ以上の樹脂であると
ころの請求項1記載の方法。
【請求項】 ポリエチレン(B)の量が0.1〜5重
量部であるところの請求項1又は2記載の方法。
請求項4(C)が、ポリスチレン樹脂、AS樹
脂、ABS樹脂、AES樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂及びポリカーボネート樹脂より成る群から選ばれ
る一つ又はそれ以上の樹脂との粒状組成物の形態である
ところの請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項セルロース系粉粒体を5〜70重量%含
む樹脂組成物から成る粒状物(A)100重量部、ポリ
エチレン(B)0.1〜10重量部、及び着色剤(C)
0.01〜15重量部と変性ポリフェニレンエーテル樹
脂(D)0.001〜15重量部とから成る粒状組成物
を混合し、得た混合物を加熱溶融して押出成形すること
を特徴とする木目模様を有する樹脂成形品の製造法。
【請求項粒状物(A)に含まれる樹脂が、ポリス
チレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ポリ
メチルメタクリレート樹脂及びポリカーボネート樹脂よ
り成る群から選ばれる一つ又はそれ以上の樹脂であると
ころの請求項5記載の方法。
【請求項ポリエチレン(B)の量が0.1〜5重
量部であるところの請求項5又は6記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく種々の検討を行った。その結果、セルロー
ス系粉粒体を含む熱可塑性樹脂に着色剤を添加して、木
目模様を有する樹脂成形品を押出成形により製造するに
際して、下記のように、セルロース系粉粒体を所定量で
含む樹脂組成物から成る粒状物(A)にポリエチレン
(B)及び着色剤(C)を所定量で混合して押出成形す
れば、驚くべきことに、すばらしく良好な木目模様を発
現し得ることを見出した。これは、ポリエチレン(B)
が着色剤(C)を押出成形に際して効果的に成形品表面
に浮かび上がらせる効果を有することを発見したことに
基くものであり、該効果は樹脂組成物を粒状の形態
(A)とし、かつ下記所定量で各成分を混合することに
より初めて達成されるものである。樹脂組成物が粒状物
(A)でなく、また、各成分の配合量が多過ぎても少な
過ぎても達成できない。ここで、着色剤(C)は、粒状
(A)及びポリエチレン(B)とは別個に粉末状又は
粒状で存在する
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】加えて、本発明者らは、更に変性ポリフェ
ニレンエーテル樹脂(D)を下記所定量で混合し、かつ
着色剤(C)と一緒に粒状組成物の形態で存在せしめれ
ば、該変性ポリフェニレンエーテル樹脂の持つポリエチ
レン(B)とは別異の効果、即ち、着色剤を成形品表面
に線状に浮び上がらせる効果により、より明瞭かつ美し
い年輪部分を有する木目模様を発現し得ることを見出し
たのである。変性ポリフェニレンエーテル樹脂(D)を
添加するに際しては、変性ポリフェニレンエーテル樹脂
を粒状物とし、かつ該粒状物中に着色剤を含めなければ
ならない。これにより初めて上記変性ポリフェニレンエ
ーテル樹脂の持つ上記効果を発揮し得るのである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】即ち、本発明は、(1)セルロース系粉粒
体を5〜70重量%含む樹脂組成物から成る粒状物
(A)100重量部、ポリエチレン(B)0.1〜10
重量部、及び着色剤(C)0.01〜15重量部を混合
し、得た混合物を加熱溶融して押出成形することを特徴
とする木目模様を有する樹脂成形品の製造法である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】これに対して、本願発明では、セルロース
粉粒体を含む樹脂組成物のみが粒状物(A)であればよ
く、ポリエチレン(B)は粒状物である必要はない。ま
た、ポリエチレン(B)に木粉を含めて粒状にしてはな
らない。本願発明は、ポリエチレン(B)が押出成形に
際して、着色剤(C)を成形品表面に浮かび上がらせる
効果を有効に利用したものである。該効果は、押出成形
時にポリエチレン(B)が着色剤(C)の大部分を伴っ
て、粒状物(A)の間隙を縫って流れて、そして着色剤
(C)を成形品表面に偏在せしめると言う作用に基くも
のである。該効果は、ポリエチレン(B)に木粉を含め
て粒状にしたのでは発揮できない。この理由は未だ定か
ではないが、木粉の持つ表面官能性がポリエチレンに何
らかの作用を及ぼすためと考えられ、その結果、押出成
形に際して、ポリエチレンが木粉の動きに支配されて、
着色剤を成形品表面に偏在させることができず、むしろ
成形品全体に均一に存在せしめてモザイク模様に近い模
様となし、良好な木目模様を発現し得ないものと考えら
れる。かかる観点から、粒状物(A)中にポリエチレン
が含まれていても、該ポリエチレンは着色剤を成形品表
面に浮び上がらせる効果を発揮できず、従って、粒状物
(A)とは別に必ずポリエチレン(B)が存在しなけれ
ばならない。本願発明では、上記ポリエチレンの効果を
利用することにより、上記公報記載の発明では得ること
ができなかった、明瞭な年輪模様を持つ美しい木質的外
観を有する成形品を押出成形により得たのである。本願
発明は、上記公報記載の発明とは技術思想が全く異な
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】好ましい態様として、(2)粒状物(A)
に含まれる樹脂が、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、AB
S樹脂、AES樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂及
びポリカーボネート樹脂より成る群から選ばれる一つ又
はそれ以上の樹脂であるところの上記(1)記載の方
法、(3)ポリエチレン(B)の量が0.1〜5重量部
であるところの上記(1)又は(2)記載の方法、
(4)ポリエチレン(B)の量が0.5〜2重量部であ
ところの上記(1)又は(2)記載の方法、(5)ポ
リエチレン(B)の量が0.8〜1.5重量部である
ころの上記(1)又は(2)記載の方法、(6)セルロ
ース系粉粒体の量が20〜60重量%であるところの上
記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の方法、(7)
セルロース系粉粒体の量が40〜55重量%であるとこ
ろの上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の方法、
(8)着色剤(C)の量が0.01〜9重量部である
ころの上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の方
法、(9)着色剤(C)の量が0.02〜7重量部であ
ところの上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の
方法、(10)(C)が、ポリスチレン樹脂、AS樹
脂、ABS樹脂、AES樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂及びポリカーボネート樹脂より成る群から選ばれ
る一つ又はそれ以上の樹脂との粒状組成物の形態である
ところの上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の方
法、(11) セルロース系粉粒体を5〜70重量%含む樹脂組成物
から成る粒状物(A)、 粉末状のポリエチレン(B)、及び 粉末状の着色剤(C) をドライブレンドし、次いで押出成形するところの上記
(1)〜(9)のいずれか一つに記載の方法を挙げるこ
とができる。また、本発明は、(11)セルロース系粉
粒体を5〜70重量%含む樹脂組成物から成る粒状物
(A)100重量部、ポリエチレン(B)0.1〜10
重量部、及び着色剤(C)0.01〜15重量部と変性
ポリフェニレンエーテル樹脂(D)0.001〜15重
量部とから成る粒状組成物を混合し、得た混合物を加熱
溶融して押出成形することを特徴とする木目模様を有す
る樹脂成形品の製造法である。好ましい態様として、
(12)粒状物(A)に含まれる樹脂が、ポリスチレン
樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ポリメチル
メタクリレート樹脂及びポリカーボネート樹脂より成る
群から選ばれる一つ又はそれ以上の樹脂であるところの
上記(11)記載の方法、(13)ポリエチレン(B)
の量が0.1〜5重量部であるところの上記(11)又
は(12)記載の方法、(14)ポリエチレン(B)
量が0.5〜2重量部であるところの上記(11)又は
(12)記載の方法、(15)ポリエチレン(B)の量
0.8〜1.5重量部であるところの上記(11)又
は(12)記載の方法、(16)セルロース系粉粒体
量が20〜60重量%であるところの上記(11)〜
(15)のいずれか一つに記載の方法、(17)セルロ
ース系粉粒体の量が40〜55重量%であるところの上
記(11)〜(15)のいずれか一つに記載の方法、
(18)着色剤(C)の量が0.01〜9重量部である
ところの上記(11)〜(17)のいずれか一つに記載
の方法、(19)着色剤(C)の量が0.02〜7重量
であるところの上記(11)〜(17)のいずれか一
つに記載の方法、(20) セルロース系粉粒体を5〜70重量%含む樹脂組成物
から成る粒状物(A)、粉末状のポリエチレン
(B)、及び 着色剤(C)の全部又は一部と変性ポリフェニレンエ
ーテル樹脂(D)の全部とから成る粒状物 をドライブレンドし、次いで押出成形するところの上記
(11)〜(19)のいずれか一つに記載の方法、を挙
げることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の粒状物(A)に含まれる
セルロース系粉粒体に特に制限はなく、例えば、オガ
粉、木屑、パルプ粉、コルク粉、ココナッツやし殻粉、
クルミ殻粉等を使用し得る。該セルロース系粉粒体は、
これらを単独で使用してもよく、又は二種以上を混合し
て使用してもよい。好ましくは製材工程で発生する松、
杉、ひのき、ツガ等のオガ粉が用いられる。該セルロー
ス系粉粒体の平均粒子径は好ましくは1〜500μmで
ある。また、所望により他の充填剤、例えば、二酸化チ
タン、タルク等を併用することもできる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】粒状物(A)に含まれる熱可塑性樹脂は好
ましくは、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、
AES樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂及びポリカ
ーボネート樹脂より成る群から選ばれる一つ又はそれ以
上の樹脂である。このなかで、特に好ましくは、ABS
樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂又はAES樹脂が使
用される。これらの熱可塑性樹脂は単独で用いてもよい
し、あるいは二種以上を併用することもできる。また、
該熱可塑性樹脂として、上記の熱可塑性樹脂と共に又は
上記の熱可塑性樹脂に代えて、ポリエチレン及び/又は
変性ポリフェニレンエーテルを使用することもできる。
この場合には、上記において既に説明したように、ポリ
エチレン及び/又は変性ポリフェニレンエーテルは、下
記において述べる本願発明の成分(B)ポリエチレン及
び成分(D)変性ポリフェニレンエーテル樹脂として作
用しない。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】粒状物(A)のセルロース系粉粒体含有量
は、粒状物(A)の全重量に対して、上限が70重量
%、好ましくは60重量部、より好ましくは55重量部
であり、下限が5重量部、好ましくは20重量部、より
好ましくは40重量部である。セルロース系粉粒体が上
記上限を超えては、押出成形が困難となり、セルロース
系粉粒体が上記下限未満では、成形品に木質的外観及び
木質的触感が得られない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、本願発明において、セルロース系粉
粒体を含む樹脂組成物は粒状物(A)の形態で使用され
る。これにより、押出成形の際に、ポリエチレン(B)
及び変性ポリフェニレンエーテル樹脂(D)が、該粒状
物の間隙を通り抜けて着色剤(C)を成形品表面に浮か
び上がらせ、また、着色剤(C)を成形品表面に線状に
浮び上がらせるのである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明において使用される着色剤(C)に
も特に制限はなく、無機系、有機系のいずれも使用する
ことができる。好ましくは、成形品に違和感のない木目
模様を発現し得る色のものであり、例えば、黒色、黄
色、茶色、赤色、緑色、橙色、灰色、白色等が挙げられ
る。本発明において着色剤(C)を粉末状で単独で使用
することもできるが、カラーマスターバッチを使用する
ことが好ましい。該カラーマスターバッチは、着色剤
(C)、熱可塑性樹脂、並びに少量のMgO等の分散剤
及びミネラルオイル等を含む混合物であり、着色剤
(C)は該混合物の全重量に対して、好ましくは0.1
〜45重量%、より好ましくは15〜35重量%で含ま
れる。該カラーマスターバッチに使用される熱可塑性樹
脂は、上記に掲げた粒状物(A)に含まれる熱可塑性樹
脂を使用することができ、粒状物(A)に含まれる熱可
塑性樹脂と同一の種類の樹脂であっても、異なる種類の
樹脂であってもよい。該カラーマスターバッチとしては
市販品を使用することができ、例えば、セツナン化成株
式会社製のもくめくん7HG0082(商標、ABS樹
脂ベース、茶色)、もくめくん7HG0247(商標、
ABS樹脂ベース、赤茶色)等を挙げることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】また、本発明において、変性ポリフェニレ
ンエーテル樹脂(D)を配合することができる。該変性
ポリフェニレンエーテル樹脂(D)としては公知のもの
を使用できる。ポリフェニレンエーテル樹脂の末端が、
例えば、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物等によ
って変性されているポリフェニレンエーテル樹脂が挙げ
られる。末端基のエポキシ化については、例えば、特開
昭63−125525号公報に記載されており、末端基
のカルボキシル化及び酸無水物化については、例えば、
特表昭62−500456号公報に記載されている。上
記の変性ポリフェニレンエーテル樹脂は、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂の全ての末端基が変性されたものでなく
てもよく、未変性の末端基を、例えば、70重量%以下
の量で含むものであってもよい。該変性ポリフェニレン
エーテル樹脂(D)としては、市販品を使用することが
でき、例えば、ノリル115(商標、日本ジーイープラ
スチックス株式会社製)等を挙げることができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】変性ポリフェニレンエーテル樹脂(D)
は、着色剤(C)と一緒になって粒状組成物を形成して
いることが必須である。例えば、着色剤(C)と変性ポ
リフェニレンエーテル樹脂(D)とを含むカラーマスタ
ーバッチとして使用することができる。この際、該粒状
組成物、即ち、カラーマスターバッチに含まれる着色剤
(C)は該粒状組成物の全重量に対して、好ましくは
0.1〜45重量%、より好ましくは15〜35重量%
で含まれる。該カラーマスターバッチとしては市販品を
使用することができ、例えば、セツナン化成株式会社製
のもくめくん7NL0196(商標、こげ茶色)、もく
めくん7N10266(商標、こげ茶色)、もくめくん
7N20282(商標、赤こげ茶色)、もくめくん2N
30210(商標、アイボリー色)等を挙げることがで
きる。変性ポリフェニレンエーテル樹脂(D)を配合す
ることにより、着色剤を成形品表面にすじ状に表すこと
ができて、より明瞭かつ美しい年輪部分を有する木目模
様を得ることができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】ポリエチレン(B)の配合量は、粒状物
(A)100重量部に対して、上限が10重量部、好ま
しくは5重量部、より好ましくは2重量部、更に好まし
くは1.5重量部であり、下限が0.1重量部、好まし
くは0.5重量部、より好ましくは0.8重量部であ
る。ポリエチレン()が上記上限を超えては、押出し
時に金型内圧が低くなり過ぎて、安定した押出し状態を
得ることができず、上記下限未満では、美しい木質的外
観を発現できない。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】着色剤(C)の配合量は、粒状物(A)1
00重量部に対して、上限が15重量部、好ましくは9
重量部、より好ましくは7重量部であり、下限が0.0
1重量部、好ましくは0.02重量部である。着色剤
(C)が上記上限を超えては、効果の著しい増加は認め
られず、コスト高になるばかりであり、上記下限未満で
は、木目模様を発現できない。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】変性ポリフェニレンエーテル樹脂(D)の
配合量は、粒状物(A)100重量部に対して、上限が
15重量部、好ましくは12重量部、より好ましくは9
重量部であり、下限が0.001重量部、好ましくは
0.98重量部、より好ましくは1.98重量部であ
る。変性ポリフェニレンエーテル樹脂(D)が上記上限
を超えては、成形品表面がささくれ状態となり、上記下
限未満では、明瞭かつ美しい年輪模様を発現できない。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】本発明の方法では、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、当業者に公知の各種の添加剤、例えば酸化
防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、離形
剤、タルク、炭酸カルシウム、金属フレーク、難燃剤、
紫外線吸収剤等の添加剤、充填材、補強材を添加するこ
とができる。該充填材の配合量は、(A)と(B)との
合計100重量部に対して、下限が好ましくは1重量
%、特に好ましくは5重量%であり、上限が20重量
%、特に好ましくは15重量%である。更に、本発明の
方法では、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチ
レン(B)及び変性ポリフェニレンエーテル樹脂(D)
以外の熱可塑性樹脂、例えば、上記で挙げた、粒状物
(A)に含まれる熱可塑性樹脂を含めることもできる。
これにより、粒状物(A)に含まれる木粉含有量を見か
け上調節することができて、種々の木粉含有量を有する
押出成形品を得ることができる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】本発明において、上記の各成分は従来から
公知の方法で混合することができる。例えば、ペレッ
ト、細片状態等の樹脂組成物(A)、粉末状のポリエチ
レン(B)及び粉末状の着色剤(C)、あるいはペレ
ット、細片状態等の樹脂組成物(A)、粉末状のポリエ
チレン(B)及び着色剤(C)のペレット状マスターバ
ッチをターンブルミキサーやヘンシェルミキサーで代表
される高速ミキサー等でドライブレンドして均一混合
し、また、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(D)を配
合する場合には、ペレット、細片状態等の樹脂組成物
(A)、粉末状のポリエチレン(B)及び着色剤(C)
と変性ポリフェニレンエーテル樹脂(D)とのペレット
状マスターバッチをターンブルミキサーやヘンシェルミ
キサーで代表される高速ミキサー等でドライブレンドし
て均一混合される。次いで、これらの混合物を、通常の
押出機、例えば、単軸、二軸、二軸異方向、二軸同方向
押出機等を使用して、所望の形状に押出成形される。こ
れにより、成形品の表面に美しい木質的外観及び優れた
木質的触感を発現することができる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【実施例1】プラスッド AE1004(商標)100
重量部に、ジェイレクス LD−JF214A(商標)
1.5重量部、もくめくん7HG0082(商標)8重
量部及びもくめくん7HG0247(商標)1.9重量
部をいずれもペレット形状で配合し、ミキサーを使用し
て均一になるまでドライブレンドした。次いで、単軸押
出機(アイケージー株式会社製、50mm単軸押出機)
を使用して、165℃で溶融混練しつつ、押出速度50
cm/分で幅50mm×厚さ3mmの断面を持つ平板を
押出成形した。該組成物における各成分の配合量は、
(A)樹脂組成物100重量部(木粉50重量部)、
(B)ポリエチレン1.5重量部及び(C)着色剤2.
44重量部である。得られた成形品は、チーク調の木目
下地にダークブラウンの年輪模様が程よく表現された美
しい木質的外観を有し、かつ優れた木質的触感を有して
いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 5/00 5/00 C08L 23/06 C08L 23/06 71/12 71/12 101/00 101/00 // B29K 1:00 B29K 1:00 23:00 23:00 (72)発明者 魚橋 広道 静岡県三島市富士見台45番地の4 Fターム(参考) 4F071 AA12 AA12X AA15 AA15X AA20 AA20X AA22 AA22X AA33 AA34 AA34X AA51 AA73 AA77 AE09 AH03 BB06 BC07 4F207 AA04 AA13 AA21 AA28 AA32 AB12 AB19 AC01 AF08 KA01 KA17 4J002 AH00W BB03Y BC03X BC06X BG06X BN07X BN15X CG00X CH07Z FD096 GL00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系粉粒体を5〜70重量%含
    む樹脂組成物(A)から成る粒状物100重量部、ポリ
    エチレン(B)0.1〜10重量部、及び着色剤(C)
    0.01〜15重量部を含む樹脂組成物を押出成形する
    ことを特徴とする木目模様を有する樹脂成形品の製造
    法。
  2. 【請求項2】 上記樹脂組成物が、ポリエチレン(B)
    0.1〜5重量部を含むところの請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記樹脂組成物が、更に変性ポリフェニ
    レンエーテル(D)0.001〜15重量部を含み、か
    つ、(C)と(D)とが一緒になって粒状物を形成して
    いるところの請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 樹脂組成物(A)に含まれる樹脂が、ポ
    リスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、
    ポリメチルメタクリレート樹脂及びポリカーボネート樹
    脂より成る群から選ばれる一つ又はそれ以上の樹脂であ
    るところの請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
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