JP2002194020A - 官能基を有するブロック共重合体及びその製造方法。 - Google Patents

官能基を有するブロック共重合体及びその製造方法。

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JP2002194020A
JP2002194020A JP2000394209A JP2000394209A JP2002194020A JP 2002194020 A JP2002194020 A JP 2002194020A JP 2000394209 A JP2000394209 A JP 2000394209A JP 2000394209 A JP2000394209 A JP 2000394209A JP 2002194020 A JP2002194020 A JP 2002194020A
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block
block copolymer
aromatic vinyl
vinyl compound
acid
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JP2000394209A
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Makoto Tawada
誠 多和田
Ryuji Fukuda
竜司 福田
Taizo Aoyama
泰三 青山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易な操作により、芳香族ビニル系ブロック共
重合体に様々な種類の官能基を任意の導入率で導入する
方法を提供し、圧縮永久歪みや他樹脂との相溶性などの
ポリマーの物性を改善する 【解決手段】芳香族ビニル系化合物からなるブロック
と、芳香族ビニル系化合物以外からなるブロックとを有
するブロック共重合体であって、スチレン系誘導体単位
を1分子当たりに少なくとも一個有することを特徴とす
るブロック共重合体により達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、官能基を有するブ
ロック共重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ビニル系化合物からなるブロック
及び芳香族ビニル系化合物以外からなるブロックとを有
するブロック共重合体は、エラストマー材料、樹脂及び
ゴム等の改質剤、制振剤、粘着剤のベースポリマーなど
に有用であることが知られている。
【0003】このようなブロック共重合体は他樹脂との
相溶性に大きく影響を与える極性基を有しない。また、
このようなブロック共重合体と他樹脂とを溶融混練し物
性の改善を目指す場合があるが、一般にそのための反応
点となる反応性官能基を有しない。
【0004】このため、共重合体自体の物性改善、例え
ば、他樹脂との相溶性の改良や圧縮永久歪み改善には限
界があった。これらの課題を解決する手段として、官能
基を有するモノマーとの共重合(例えば特開平11−1
00420号公報)及び重合終了時に官能基を有する化
合物を添加して官能性を付与する方法(例えば特開平1
1−222510号公報、特開平11−166025号
公報)があげられる。前者の方法は、官能性モノマーの
種類や添加量のコントロールにより官能基含量が制御さ
れた重合体を得ることができるが、添加したときの重合
挙動が官能基のないモノマーの重合挙動と異なるため、
重合の制御が困難である場合がある。また、重合を阻害
する官能基を有するモノマーに関しては本方法は適用で
きない。また、後者の方法に関しては、官能基が重合体
分子の末端の活性点にしか導入されないため、重合体一
分子あたりの官能基導入率に限界があり、物性改善の効
果が現れにくい。
【0005】芳香族ビニル系ブロック共重合体に極性基
もしくは官能基を導入する従来の方法では、重合挙動が
変わるまたは官能化率に限界がある等の問題があり、目
的とする物性の改善効果が得られなかった。
【0006】そこで、様々な種類の官能基を任意の官能
化率で導入したブロック共重合体、及び、容易な操作に
よりブロック共重合体に官能基を導入できる上記ブロッ
ク共重合体の製造方法が要望されてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、容易
な操作により、芳香族ビニル系ブロック共重合体に様々
な種類の官能基を任意の導入率で導入する方法を提供
し、圧縮永久歪みや他樹脂との相溶性などのポリマーの
物性を改善することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、芳香族ビニル系ブロック共重合体の製造
段階において酸無水物もしくは酸塩化物を反応させ得ら
れる共重合体、及びその製造方法が上記問題を解決し得
ることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、芳香族ビニル系化合物
からなるブロックと、芳香族ビニル系化合物以外からな
るブロックとを有するブロック共重合体であって、下記
一般式(I)で表される単位を1分子当たりに少なくと
も一個有することを特徴とするブロック共重合体に関す
るものである。
【0010】
【化3】 [式中、R1は官能基を有する一価の有機基] 一方、本発明の製造方法は、芳香族ビニル系化合物から
なるブロックと芳香族ビニル系化合物以外からなるブロ
ックとを有するブロック共重合体の製造法であって、ル
イス酸存在下に前記ブロック共重合体と酸無水物または
酸塩化物を共存させてなり、1分子当たり少なくとも一
個の上記一般式(I)で表される単位を有することを特
徴とする、ブロック共重合体の製造方法である。
【0011】前記酸無水物は無水酢酸であるのが好まし
く、酸塩化物はメタクリル酸クロライドであるのが好ま
しい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のブロック共重合体は、芳香族ビニル系化
合物からなるブロックと、芳香族ビニル系化合物以外か
らなるブロックとを有するブロック共重合体であって、
下記一般式(I)で表される単位を1分子当たりに少な
くとも一個有することを特徴とするブロック共重合体で
ある
【0013】
【化4】 [式中、R1は官能基を有する一価の有機基] 前記式中のR1は官能基を有する一価の有機基であり、
1の種類については特に制限はないが、例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、2'−カルボキシフェニ
ル基、2'−カルボキシビニル基、2'−カルボキシエチ
ル基、3'−カルボキイソプロピル基、9'−デセニル
基、イソプロペニル基、2'−カルボキシシクロヘキシ
ル基、3'−カルボキシプロピル基、フェニル基等が挙
げられる。この中でも好ましいのは、メチル基、イソプ
ロピル基であるスチレン系誘導体単位である。
【0014】ポリマー1分子当たりに含有される一般式
(I)で表される単量体の単位数は特に制限はなく、ポ
リマー1分子当たり少なくとも一個あれば良い。
【0015】本発明の共重合体の分子量については特に
制限はないが、該分子量が10,000未満の場合は、
共重合体から得られる成形物の力学物性が不充分なもの
となる傾向にある。また、該分子量が500,000を
超える場合は、共重合体の溶融粘度が極めて高いものと
なり、成形性が不充分となる傾向がある。本発明の共重
合体については、ゲルパーミエーションクロマトグラム
における最大ピークを示す分子量が10,000〜50
0,000であるのが好ましい。
【0016】本発明の芳香族ビニル系ブロックを構成す
る単量体としては、カチオン重合可能な芳香族系ビニル
化合物であれば特に限定されない。芳香族ビニル系化合
物としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,
6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α
−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチ
ルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メ
チル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルス
チレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6
−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチル
スチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β
−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−
2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロ
スチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロ
ロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−ク
ロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロス
チレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ
−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレ
ン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−
2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジク
ロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレ
ン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m
−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メ
トキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチ
レン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリ
ル基で置換されたスチレン誘導体、ビニルナフタレン誘
導体、インデン誘導体等が挙げられる。これらのなかで
も好ましいのは、スチレン系単量体からなるブロックで
あり、特に好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、
インデン誘導体からなる群から選ばれた1種以上の単
量体からなるブロックである。
【0017】本発明の芳香族ビニル系化合物以外からな
るブロックは、カチオン重合可能な単量体であれば特に
制限はないが、例えば脂肪族オレフィン類、ジエン類、
ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、β
−ピネン、アセナフチレン等の単量体が挙げられる。
【0018】脂肪族オレフィン系単量体としては、イソ
ブチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−
ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセ
ン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニ
ルシクロヘキセン、オクテン、ノルボルネン等が挙げら
れる。
【0019】ジエン系単量体としては、ブタジエン、イ
ソプレン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、
ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデン
ノルボルネン等が挙げられる。
【0020】ビニルエーテル系単量体としては、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イ
ソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、te
rt−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニ
ルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられ
る。
【0021】シラン化合物としては、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニル
トリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニル
ジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−
ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオ
キシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0022】これらの中でも好ましくは、脂肪族オレフ
ィン類からなるブロックであり、特に好ましくはイソブ
チレンからなるブロック共重合体である。
【0023】本発明の芳香族ビニル系ブロック体の構造
に特に制限はないが、芳香族ビニル系ブロック−芳香族
ビニルを主成分としないブロックからなるジブロック共
重合体、芳香族ビニル系ブロック−芳香族ビニルを主成
分としないブロック−芳香族ビニル系ブロックからなる
トリブロック体、芳香族ビニルを主成分としないブロッ
ク−芳香族ビニル系ブロック−芳香族ビニルを主成分と
しないブロックからなるトリブロック体、芳香族ビニル
を主成分としないブロック−芳香族ビニル系ブロックを
アームとし、これらのアーム3本以上が多官能性化合物
からなるコアに結合した星状ブロック体等、及び、これ
らの混合物が挙げられる。これらの中で、共重合体の物
性の観点から、芳香族ビニル系ブロック−芳香族ビニル
系を主成分としないブロック−芳香族ビニル系ブロック
からなるトリブロック体、及び、芳香族ビニル系ブロッ
ク−芳香族ビニル系を主成分としないブロックからなる
ジブロック共重合体がより好ましい。
【0024】一方、本発明の製造方法は、芳香族ビニル
系化合物からなるブロックと、芳香族ビニル系化合物以
外からなるブロックとを有するブロック共重合体の製造
法であって、ルイス酸存在下に前記ブロック共重合体と
酸無水物または酸塩化物を共存させてなり、1分子当た
り少なくとも一個の一般式(I)で表される単位を有す
ることを特徴とする、ブロック共重合体の製造方法であ
る。
【0025】前記したブロック共重合体は、一般的にカ
チオン重合によって製造されるものである。このカチオ
ン重合では触媒として四塩化チタンや三塩化アルミニウ
ムといったルイス酸が一般的に用いられるため、重合終
了時には系中に生成したブロック共重合体及びルイス酸
成分が共存している。ここに酸無水物または酸塩化物を
添加すると、ブロック共重合体の芳香族ビニル系ブロッ
クのベンゼン環の部分と添加した酸無水物または酸塩化
物とがフリーデルクラフツ反応を起こし、ブロック共重
合体分子内に一般式(I)を有する単量体単位が生成す
る。ルイス酸触媒存在下では酸無水物もしくは酸塩化物
は、一般式(II)で表されるように塩素原子が遊離し炭
素カチオンを生成した状態になっている。
【0026】
【化5】 この炭素カチオンが存在する系に芳香族化合物、例えば
芳香族ビニル単量体を含有するブロックを含む共重合体
が共存すると、炭素カチオンが芳香族環と反応し一般式
(III)で表される化合物が生成する。
【0027】
【化6】 本発明の酸無水物または酸塩化物は、芳香族ビニル系ブ
ロック共重合体とルイス酸触媒が共存している状態で添
加すれば、芳香族ビニル系ブロック共重合体と反応させ
ることができる。ブロック共重合体の製造段階であるカ
チオン重合の終了時に添加しても良いし、芳香族ビニル
系化合物及びそれ以外のブロックからなるブロック共重
合体の溶液にルイス酸触媒を添加し、その後当該酸無水
物または酸塩化物を添加しても良い。
【0028】本発明で芳香族ビニル系ブロック共重合体
と共存させる酸無水物もしくは酸塩化物としては特に限
定されないが、酸無水物の具体例としては、無水ギ酸、
無水酢酸、無水酪酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、
無水こはく酸等が挙げられる。なかでも無水酢酸が好ま
しい。また、酸塩化物の具体例としては、ギ酸塩化物、
酢酸塩化物、酪酸塩化物、メタクリル酸塩化物、アクリ
ル酸塩化物等があげられる。なかでもメタクリル酸塩化
物、アクリル酸塩化物が好ましい。
【0029】酸無水物及び酸塩化物の添加当量について
は特に制限はないが、所望するブロック共重合体の官能
化率に応じて、ブロック共重合体に含有される芳香族環
と等量のモル数である酸無水物または酸塩化物が添加さ
れる。
【0030】酸無水物もしくは酸塩化物を添加するとき
の反応系の温度は、炭素カチオンが生成する温度であれ
ば特に制限は無いが、冷凍機等の設備上の問題から−8
0℃以上が好ましく、また重合末端のカチオンが安定に
存在する必要から100℃以下が好ましい。反応が進行
する実質的な温度として、例えば、−80℃~100
℃、好ましくは−70℃から0℃が望ましい。
【0031】本発明では上記の芳香族化合物と共に、ル
イス酸触媒を共存させる。このようなルイス酸としては
一般的にカチオン重合に使用できるものであれば良く、
TiCl4、TiBr4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、S
nCl4、SbCl5、SbF5、WCl6、TaCl5、VCl
5、FeCl3、ZnBr2、AlCl3、AlBr3等の金属
ハロゲン化物;Et2AlCl、EtAlCl2等の有機
金属ハロゲン化物が好ましい。中でも触媒としての能
力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl4、A
lCl3が好ましい。本発明で添加するルイス酸の量
は、酸無水物もしくは酸塩化物から炭素カチオンを生成
させるに十分な量であれば、特に制限はない。ルイス酸
が添加した酸無水物のすべてに対して作用するために
は、最低でも酸無水物分子の数に対して、2倍当量必要
である。また、酸塩化物の場合では、最低でも酸塩化物
分子の数に対して、1倍当量必要である。ルイス酸の当
量がこれよりも少ないと発明の効果が十分現れない。ま
た、添加するルイス酸が酸無水物分子及び酸塩化物分子
に対して100倍当量以上もしくは50倍等量以上であ
れば、発明の効果を実質的に増大させることにはならな
い。そのため、本発明において、ルイス酸は、通常酸無
水物に対しては2〜100倍モルの範囲、酸塩化物に対
しては1〜50倍モルの範囲で用いる。ルイス酸はイソ
ブチレン及び他のモノマーの逐次添加によるブロック共
重合体の合成時に重合系に共存させるものをそのまま反
応の触媒として用いても良いが、酸無水物もしくは酸塩
化物を添加する際に更に追加しても良い。
【0032】本発明は、必要に応じて溶媒中で行うこと
ができる。本発明においては、カチオン重合を本質的に
阻害しない溶媒であれば、従来公知のもの全てを使用す
ることができる。具体的には、塩化メチル、ジクロロメ
タン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライ
ド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベ
ンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタ
ン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水
素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,
3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチル
ヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の
環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフ
ィン油等を挙げることができる。
【0033】これらの溶剤は、ブロック共重合体を構成
する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等の
バランスを考慮して単独又は2種以上を組み合わせて使
用される。溶剤の使用量は、得られる重合体溶液の粘度
や除熱の容易さを考慮して、通常、重合体の濃度が1〜
50wt%、好ましくは5〜30wt%となるように決
定される。
【0034】本発明により得られた極性基もしくは官能
基を有する芳香族ビニル系からなるブロック及びそれ以
外のブロックからなるブロック共重合体は、従来のブロ
ック共重合体と同様の各種用途に使用され得る。例え
ば、エラストマー材料、樹脂やゴム等の改質剤、制振
剤、粘着剤のベースポリマーとして用いることができ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳し
く説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更
実施可能なものである。実施例等により得られた共重合
体試料は以下の条件により混練し、プレスシートに加工
して評価した。
【0036】(混練) 加工機:ラボプラストミル(東洋製機社製) 混練温度:180℃ 回転数:100rpm 混練時間:10分 得られたブロック共重合体の各物性は下記の通り測定し
た。
【0037】(硬度)JISK6253に準拠し、試験
片は12mm厚プレスシートを用いた。試験器はタイプA
デュロメーターを用いた。
【0038】(引っ張り強さ)JISK6251に準拠
し、試験片は2mm厚プレスシートを、ダンベルで7号型
に打ち抜いて使用した。引っ張り速度は100mm/分と
した。
【0039】(圧縮永久ひずみ)JISK6262に準
拠し、試験片は12mmプレスシートを、ダンベルで7号
型に打ち抜いて使用した。保持温度は100℃、保持時
間は22時間とした。圧縮永久ひずみの値は25%変形
の条件にて測定を行った。
【0040】(架橋ゲル分)試料片をトルエン溶媒中に
入れ72時間室温で放置した後、遠心分離(100rp
m、30分)にて不溶分を分離、初期重量と不溶分の重
量との比から算出した。
【0041】(実施例1)2Lのセパラブルフラスコに
スチレン―イソブチレンブロック共重合体30g(スチ
レン含量30%、スチレンユニットのモル数0.086
mol)を入れた後、重合容器内を窒素置換した。注射器
を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥
したもの)120mL及びノルマルブチルクロリド(モ
レキュラーシーブスで乾燥したもの)180mLを加え
た。次に、シリンジを用いて無水酢酸8.8g(0.0
86mol)を加えた。最後に、溶液を攪拌しながら四塩
化チタン32.5g(0.172mol)を加えて反応
を開始した。反応開始から2時間後、反応溶液に約30
0mLの水を加えて激しく攪拌し反応を終了させた。
【0042】反応溶液を多量の水で5回以上水洗を行っ
た。さらに大量のメタノール・アセトン混合溶媒(1:
1vt/vt)にゆっくりと滴下して重合体を沈殿さ
せ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥するこ
とにより目的のブロック共重合体を得た。
【0043】(実施例2)2Lのセパラブルフラスコに
スチレン―イソブチレンブロック共重合体75g(スチ
レン含量30%、スチレンユニットのモル数0.216
mol)を入れた後、重合容器内を窒素置換した。注射器
を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥
したもの)1200mL及びノルマルブチルクロリド
(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)1800mL
を加えた。次に、シリンジを用いてメタクリル酸クロラ
イド30g(0.291mol)を加えた。最後に、溶液
を攪拌しながら三塩化アルミニウム39.4g(0.2
95mol)を加えて反応を開始した。反応開始から3
0分後、反応溶液に約1000mLの水を加えて激しく
攪拌し反応を終了させた。
【0044】反応溶液を多量の水で5回以上水洗を行っ
た。さらに大量のメタノール・アセトン混合溶媒(1:
1vt/vt)にゆっくりと滴下して重合体を沈殿さ
せ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥するこ
とにより目的のブロック共重合体を得た。
【0045】(比較例1)2Lのセパラブルフラスコに
スチレン―イソブチレンブロック共重合体75g(スチ
レン含量30%、スチレンユニットのモル数0.216
mol)を入れた後、重合容器内を窒素置換した。注射器
を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥
したもの)1200mL及びノルマルブチルクロリド
(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)1800mL
を加えた。次に、溶液を攪拌しながら三塩化アルミニウ
ム39.4g(0.295mol)を加えて反応を開始
した。反応開始から30分後、反応溶液に約1000m
Lの水を加えて激しく攪拌し反応を終了させた。
【0046】反応溶液を多量の水で5回以上水洗を行っ
た。さらに大量のメタノール・アセトン混合溶媒(1:
1vt/vt)にゆっくりと滴下して重合体を沈殿さ
せ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥するこ
とにより目的のブロック共重合体を得た。実施例及び比
較例で得られた生成共重合体のプレスシートの評価結果
を表1に示す。
【0047】
【表1】 上記表1から、実施例1で得られたアシル基を有するブ
ロック共重合体、及び実施例2で得られたメタクリロイ
ル基を有するブロック共重合体は、比較例のブロック共
重合体と比べて、圧縮永久歪みが改善されたことがわか
る。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ルイス酸触媒存在下に
おいて、ブロック共重合体と酸無水物もしくは酸塩化物
とを反応させることにより、所望の官能化率のブロック
共重合体を容易な操作で合成できた。本発明で得られた
極性基もしくは官能基を有するブロック共重合体は、従
来のものに比べて圧縮永久歪みを改善することが出来
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J026 HA05 HA06 HA28 HA39 HB02 HB04 HB07 HB10 HB14 HB15 HB16 HB19 HB39 HB45 HB48 HB49 HE01 4J100 AA03Q AA04Q AA06Q AA07Q AA08Q AA09Q AA16Q AA19Q AA20Q AB02P AB03P AB04P AB07P AB08P AB09P AB16Q AE02Q AE03Q AE04Q AE13Q AL08Q AP16Q AP17Q AR11Q AR17Q AR18Q AR22Q AS02Q AS03Q BA05P BA05Q BA14H BA71Q CA04 FA12 HA55 HA61 HA62 HC27 HC30 HG01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ビニル系化合物からなるブロック
    と、芳香族ビニル系化合物以外からなるブロックとを有
    するブロック共重合体であって、下記一般式(I)で表
    される単位を1分子当たりに少なくとも一個有すること
    を特徴とするブロック共重合体。 【化1】 [式中、R1は官能基を有する一価の有機基]
  2. 【請求項2】芳香族ビニル系化合物以外からなるブロッ
    クがイソブチレン系ブロックである請求項1記載のブロ
    ック共重合体。
  3. 【請求項3】芳香族ビニル系化合物からなるブロックが
    スチレンである請求項2記載のブロック共重合体。
  4. 【請求項4】芳香族ビニル系化合物からなるブロック
    と、芳香族ビニル系化合物以外からなるブロックとを有
    するブロック共重合体の製造法であって、ルイス酸存在
    下に前記ブロック共重合体と酸無水物または酸塩化物を
    共存させてなり、1分子当たり少なくとも一個の一般式
    (I)で表される単位を有することを特徴とする、ブロ
    ック共重合体の製造方法 【化2】 [式中、R1は官能基を有する一価の有機基]
  5. 【請求項5】芳香族ビニル系化合物以外からなるブロッ
    クがイソブチレン系ブロックである請求項4記載のブロ
    ック共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】酸無水物が無水酢酸である請求項4記載の
    ブロック共重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】酸塩化物がメタクリル酸クロライドである
    請求項4記載のブロック共重合体の製造方法。
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