JP2002192610A - 逐次二軸延伸ポリエステルフィルムのスリキズ検知方法 - Google Patents

逐次二軸延伸ポリエステルフィルムのスリキズ検知方法

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JP2002192610A
JP2002192610A JP2000395336A JP2000395336A JP2002192610A JP 2002192610 A JP2002192610 A JP 2002192610A JP 2000395336 A JP2000395336 A JP 2000395336A JP 2000395336 A JP2000395336 A JP 2000395336A JP 2002192610 A JP2002192610 A JP 2002192610A
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JP
Japan
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film
zone
cutter
stretching machine
polyester film
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JP2000395336A
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English (en)
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Shoji Nishimoto
彰二 西本
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未延伸シートを縦延伸した後、フラット式横
延伸機で横延伸して二軸延伸ポリエステルフィルムを製
造するに際し、横延伸機内で生じた微小なスリキズを検
知する方法を提供する。 【解決手段】 熱弛緩ゾーンと冷却ゾーンの間の、走行
フィルムの上側と下側の位置にカッタを設置し、フィル
ムが上下にたるんで不安定に走行した場合、このカッタ
に接触してフィルムに切り込みが入るようにし、この切
り込みによって、フィルムのスリキズ発生を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、逐次二軸延伸ポリ
エステルフィルムの製造中に発生したスリキズを検出す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸フィルムは、透明性、引張強
度、衝撃強度、寸法安定性などの特性を兼備しており、
各種の工業用途、包装用途に用いられている。特に、二
軸延伸ポリエステルフィルムは寸法安定性に優れている
ため、用途に応じた熱収縮特性、つまり、熱安定性や均
一な熱収縮性が要求される。この熱収縮特性は、二軸延
伸フィルムの製造工程中、主に横延伸機における熱セッ
トゾーンと熱弛緩ゾーンの条件により影響される。特
に、熱弛緩ゾーンはフィルムの熱収縮性を決定付ける重
要な工程である。
【0003】横延伸機の熱セットゾーンを含むそれまで
の工程、つまり、予熱ゾーンや延伸ゾーンでは、横方向
に延伸するためにフィルムには横方向に張力がかかって
おり、そのままの状態、すなわち、ピーンと張った状態
で走行する。熱セットゾーンはこの横方向に張力のかか
ったフィルムに高温熱風を付与することにより、フィル
ムに熱安定性を与える。そしてこの張力は、完全には除
去されないためにフィルムの横方向に残留し、さらに熱
弛緩ゾーンで残留張力をなくしたり、低減したりするこ
とで、より向上した熱安定性を得ることができる。この
熱セットゾーンと熱弛緩ゾーンの温度の設定と幅方向の
弛緩割合の設定により、使用目的に応じた熱収縮特性を
フィルムに与えることができる。
【0004】しかし、熱セットが十分でなかったり、幅
方向の熱セット幅が狭すぎる場合は、フィルムは横方向
にたるんだ状態で走行することになる。このたるみ量が
大きいと、上下のノズルに接触し、フィルムにスリキズ
が発生する。
【0005】このスリキズにも強弱があり、非常に薄い
スリキズの場合は、走行中はもちろん、停止状態でも発
見できないことがある。また、たるみの発生した走行フ
ィルムにおいて、スリキズは、常時発生する場合や、機
内の循環熱風の影響でフィルムがばたつくため、飛び飛
びに発生する場合がある。特に、後者の場合は高速運転
下では、発見することが困難であり、これらのスリキズ
は、印刷不良、蒸着不良を引き起こす原因であり、重大
欠点となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発見が困難
なスリキズの発生状態を一早く知ることができる方法を
提供し、スリキズの発生した製品をつくることを未然に
防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究した結果、特定の位置にカッタ
を設置し、たるんだり、ばたついたフィルムに強制的に
切り込みを入れ、その切り込みの発生により、スリキズ
の発生状態を感知することが有効な手段であることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は、
未延伸シートを縦延伸した後、フラット式横延伸機で横
延伸して二軸延伸ポリエステルフィルムを製造するに際
し、横延伸機の熱弛緩ゾーンと冷却ゾーンの間の、走行
フィルムの上側と下側の位置にカッタを設置し、フィル
ムが上下にたるんで不安定に走行した場合、このカッタ
に接触してフィルムに切り込みが入るようにし、この切
り込みによって、フィルムのスリキズ発生を検知するこ
とを特徴とする逐次二軸延伸ポリエステルフィルムのス
リキズ検知方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるポリエステルフィルムの原料
としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リブチレンテレフタレート(PBT)、および、これら
のコポリエステルまたは混合物からなるポリエステルで
あり、最も好適にはPETである。PETとしては、極
限粘度は0.5dl/g以上、好ましくは0.6〜1.
2dl/gの範囲である。0.5dl/gより小さいと
フィルムの機械強度が不足し、また、1.2dl/gを
超えるとフィルム製造時の操業性を悪化させる。
【0009】本発明において二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの製造方法としては、たとえば、押出機よりPET
を温度270〜300℃でTダイから押し出し、室温以
下に温度調節した冷却ドラム上に密着させて冷却し、所
望の厚みの未延伸シートを得る。ついで、得られたシー
トを、必要に応じて縦方向に1〜1.2倍程度に予備縦
延伸した後、2〜4倍程度に縦延伸し、次にシートの端
部をフラット式横延伸機のクリップに把持させ、50〜
150℃の温度で延伸倍率2〜5倍で横延伸した後、1
50〜250℃で数秒間熱処理を施し、続いて横方向に
1〜10%弛緩することにより、所望の厚みと熱収縮特
性を有する延伸フィルムとする。ついで、得られたフィ
ルムロールをスリットし、製品ロールとする。
【0010】本発明において二軸延伸ポリエステルフィ
ルムの厚みは、用途に合わせて適宜選択できるが、通常
5〜100μmの範囲である。
【0011】延伸ゾーンで延伸されたフィルムには、横
方向に延伸応力に応じた張力がかかっており、フィルム
は横方向にピーンと張った状態である。熱セットゾーン
ではフィルムを熱固定することになるが、温度や吹き付
け風量(風速)が不適切であると熱固定が不十分とな
り、フィルムは横方向に張力のかかった状態から、徐々
にたるみが生じた状態となってしまう。また、熱弛緩ゾ
ーンでも十分に残留張力を除去できないと、フィルムは
横方向にたるんでしまう。これらの場合、フィルムはた
るんだ状態で、横延伸機の循環風を吹き出す上下ノズル
に接触したりして、冷却ゾーンを通過し、横延伸機から
出てくることになる。
【0012】本発明では、この熱弛緩ゾーンと冷却ゾー
ンの間に、カッタを設けることを特徴とする。つまり、
フィルムにたるみが生じ、前記ノズルに接触する状態が
発生した場合、設けたカッタにより、フィルムに切り込
みが入れられる。この切り込みにより、スリキズを起こ
すたるみがフィルムに発生したことを察知することがで
きる。
【0013】このカッタは、横延伸機の熱弛緩ゾーンと
冷却ゾーンの間の、走行フィルムの上側と下側の位置に
設置することが必要である。また、幅方向では、左、中
央、右の3か所で、幅方向に4等分するように3か所設
けることがより好ましい。これは、横延伸機内の吹き付
けエアーがフィルムについて流れる随伴流がつくるエア
ートンネルの発生位置がランダムに発生したり、数か所
に発生したりする場合があるためである。上カッタは、
上ノズルの先端位置よりも、また下カッタは、下ノズル
の先端位置よりも、それぞれ10〜20mmフィルム側
になるように刃の先端をセットすることがより好まし
い。10mmより小さいとたるんだフィルムのばたつき
方次第ではその効果が発現しにくい場合がある。また、
20mmより大きいと、たるんでいない正常な走行状態
のフィルムに切り込みを入れるおそれがある。
【0014】カッタの種類に特別の制限はなく、一般に
カッタナイフと言われているものにセットするカッタ刃
であれば十分であり、これを前記した位置に金属製の固
定部品で固定すれば十分である。このカッタは、カッタ
の刃の側をフィルムの進行方向に向かうようにセットす
ればよく、特に角度等に拘泥する必要はない。
【0015】図で本発明を簡単に説明する。図1は横延
伸機内の側面断面図とカッタ部の拡大図、図2は横延伸
機内の立面断面図を示す。図において、吹き付けノズル
1を設置した熱弛緩ゾーン、冷却ゾーンを両端がクリッ
プ5に把持されたフィルム2が走行していくが、このゾ
ーン間にカッタ3を左右4等分となる位置に上下1対で
設置する。たるんだフィルムがカッタに接触することで
フィルムに切れ込みが入る。つまり、本発明の方法によ
り、スリキズの発生を一早く察知でき、スリキズ等の欠
点のないフィルムを製造することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的に説明
する。 比較例1 押出機より、PET(相対粘度1.38)を280℃で
Tダイより溶融押出し、ピニングワイヤーにより、溶融
フィルムに7kVの電圧を印加し、表面温度35℃に温
調した冷却ロール上に密着させて急冷し、放電や、ピニ
ング泡が発生することなく、厚み160μm、幅140
0mmの未延伸フィルムを得た。
【0017】得られた未延伸フィルムを88℃の温度で
縦方向に3.4倍に延伸し、巾1100mmのフィルム
を得た。ついで、フラット式横延伸機のクリップに把持
させ、120℃の温度で、延伸倍率として4.6倍に横
延伸した後、235℃で2秒間の熱処理を施し、横方向
に3%弛緩処理した。このフィルムを冷却して巻取機で
巻き取り、厚さが12μmの延伸フィルムを得た。得ら
れたフィルムを観察したところ、フィルム表面に異常は
なかった。
【0018】次に、2%ずつ弛緩率を上昇していった。
同様に観察すると、10%まではフィルム表面に異常は
見られなかった。(弛緩率が10%のとき、フィルムは
機内で少したるんだ状態であり、かなりノズルに近い位
置で走行していた。)
【0019】12%より弛緩率が大きくなるほど、スリ
キズが表面にみられ、スリキズがより強くより多くなっ
ていった。このとき、機内の状況を観察すると、弛緩処
理の割合が大きすぎてフィルムの張力がなくなり、機内
で大きくたるんでいた。しかも、たるみが上下に大きく
振れている状態であった。得られたフィルムの表面を入
念に観察すると、全幅において無数のスリキズが発見で
きた。また、それらのスリキズは薄くて見難いものから
強くて一瞥するだけでも十分に確認できるものまで、い
ろいろなタイプがみられた。さらに、一様に全幅に対し
て発生しているのではなく、長さ方向、幅方向に発生し
たり、発生していなかったりと、周期性はないが連続的
に発生していた。つまり、たるんだフィルムがランダム
にばたついているためであった。
【0020】実施例1 横延伸機の熱弛緩ゾーンと冷却ゾーン間のゾーンしきり
板4に、フィルム幅を4等分するように上下3か所にカ
ッタ3を設置し、カッタの先端が吹き付けノズル1の先
端よりも15mmフィルム側になるようにした以外は、
比較例1と同様に運転した。弛緩率は最初3%に設定
し、徐々に弛緩率を上昇したところ、12%に設定した
ところで、カッタによりフィルムに切り込みが入れられ
始め、フィルムが切断した。この切り込みにより、比較
例1において検知しがたい微小なスリキズがフィルム発
生していることを容易に検知することができた。
【0021】
【発明の効果】本発明の方法によれば、横延伸機でのス
リキズ発生トラブルを即座に察知し、不良製品をつくる
ことなく、かつ逐次二軸延伸ポリエステルフィルムの品
質が著しく改良される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエステルフィルム製造工程における横延伸
機内の側面断面図とカッタ設置付近の拡大図である。
【図2】ポリエステルフィルム製造工程における横延伸
機内の立面断面図である。
【符号の説明】
1 吹き付けノズル 2 走行フィルム 3 カッタ 4 ゾーンしきり板 5 クリップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未延伸シートを縦延伸した後、フラット
    式横延伸機で横延伸して二軸延伸ポリエステルフィルム
    を製造するに際し、横延伸機の熱弛緩ゾーンと冷却ゾー
    ンの間の、走行フィルムの上側と下側の位置にカッタを
    設置し、フィルムが上下にたるんで不安定に走行した場
    合、このカッタに接触してフィルムに切り込みが入るよ
    うにし、この切り込みによって、フィルムのスリキズ発
    生を検知することを特徴とする逐次二軸延伸ポリエステ
    ルフィルムのスリキズ検知方法。
JP2000395336A 2000-12-26 2000-12-26 逐次二軸延伸ポリエステルフィルムのスリキズ検知方法 Pending JP2002192610A (ja)

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