JP2008239654A - ポリアミドフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリアミドフィルムをスリットして巻き取る際に、スリット工程におけるポリアミドフィルムの吸湿をコントロールし、それにより製品ロールへのしわの混入を防止して、巻芯にしわの少ないポリアミドフィルムロールを得る。
【解決手段】ポリアミドフィルムを巻き取ってなるロールをスリットするに際し、ポリアミドフィルムとして吸湿伸び率が2.0%以下のものを使用するとともに、スリット時の雰囲気を絶対湿度が0.006〜0.018kg/kgとなるようにコントロールする。
【選択図】なし
【解決手段】ポリアミドフィルムを巻き取ってなるロールをスリットするに際し、ポリアミドフィルムとして吸湿伸び率が2.0%以下のものを使用するとともに、スリット時の雰囲気を絶対湿度が0.006〜0.018kg/kgとなるようにコントロールする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアミドフィルムの製造方法に関する。
ポリアミド樹脂からなるポリアミドフィルムは、一般に、機械的特性、光学的特性、熱的特性、ガスバリア性、強靭性などに優れており、包装用途、特に食品包装用途を主体に、広く使用されている。
ポリアミドフィルムは、一般に次のようにして製造されている。すなわち、ポリアミド樹脂がTダイや円形ダイから押出製膜された後、フラット式同時二軸延伸法、フラット式逐次二軸延伸法、インフレーション延伸法等を用いて二軸延伸され、熱固定されたあと、巻取機で、幅広、長尺の原反ロールとしていったん巻き取られる。しかる後に、原反ロールから繰り出されたフィルムがスリッターにて所望の幅、長さにスリットされ、製品ロールとして出荷、販売される。
ところで、ポリアミドフィルムは、吸湿性が高く、吸湿により寸法が変化しやすいという特性を有している。この吸湿による寸法変化は、数々のトラブルを引き起こしやすい。たとえば、原反ロールは、ポリアミドフィルムの製造過程において高温で熱固定された後に巻き取られるものであるため、ほぼ絶乾状態となっているが、周囲の雰囲気に曝されると、吸湿伸びにより、ロール表面にしわが発生したり、幅が狂ったりする。
フィルムのスリット工程において、高速運転中は、原反ロールから繰り出されてから製品ロールに巻き取られるまでのフィルムが周囲の雰囲気に曝される時間が短いため、吸湿の影響がほとんど現れない。しかし、製品ロールが巻き終わったあと次の製品ロールを巻き始めるまでに、その製品ロールの取外し、次の巻取コアの取付け、その巻取コアへのフィルムの貼付け等の作業が必要となり、その作業時間中に原反ロールの表面やスリット工程内のフィルムが吸湿しわが発生しやすい。そのしわの程度が大きくなると、製品ロールの巻芯へしわが混入してしまうという問題がある。
上記の吸湿による影響を低減するために、いくつかの提案がなされている。たとえば、特許文献1には、二軸延伸ポリアミドフィルムを熱固定した後、フィルムを冷却して巻き取るまでの工程において、熱固定後のフィルムにスプレーガンで水を噴霧してフィルムを急冷し、続いて150℃以下の加湿空気を吹き付けることにより、フィルムの水分率を0.5〜2.0%の範囲にあらかじめ調湿しておく方法が提案されている。
特許文献2には、スリット時に個々のテープに付与する張力を、長尺体における湿度収縮度に応じて、たとえば収縮する部分のテープには収縮しない部分のテープより大きい張力を付与してスリットするよう、スリットするテープの個々の単位に独立して調整する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、スプレーガンで均一にフィルムを急冷するのが困難であり、このためフィルムの諸物性にばらつきが生じる問題がある。また、吸湿しているためスリップ性が低くなり、スリット工程やコンバーティング工程において種々の不具合が生じる可能性がある。
特許文献2に記載の方法は、テープのようにスリット後の幅が十分に小さい場合には効果的であるが、包装用のフィルムのようにある程度の幅を持つ場合は、個々の張力制御が困難になる問題がある。
特開平5−261806号公報
特開2003−311678号公報
本発明の課題は、ポリアミドフィルムをスリットして巻き取る際に、スリット工程におけるポリアミドフィルムの吸湿をコントロールし、それにより製品ロールへのしわの混入を防止して、巻芯にしわの少ないポリアミドフィルムロールを得ることにある。
本発明者は、ポリアミドフィルムをスリットして巻き取るときの雰囲気の湿度と、ポリアミドフィルムの吸湿伸びと、その水分率との関係を調査し、鋭意検討を重ねた結果、特定の吸湿特性を有するポリアミドフィルムを、特定の環境下でスリットすることによって、上記の目的を達成できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、ポリアミドフィルムを巻き取ってなるロールをスリットするに際し、前記ポリアミドフィルムとして吸湿伸び率が2.0%以下のものを使用するとともに、スリット時の雰囲気を絶対湿度が0.006〜0.018kg/kgとなるようにコントロールすることを特徴とするポリアミドフィルムの製造方法である。
本発明により、巻芯にしわが少なく、印刷やラミネートなどのコンバーティング工程においてしわによるロスを少なくした、高品質のポリアミドフィルムロールを製造することができる。
本発明の方法において、スリットすることに供するポリアミドフィルムは、スリット工程における吸湿の影響を最小限に抑えるために、吸湿伸び率が2.0%以下であることが必要である。吸湿伸び率は、1.8%以下であることが好ましく、1.5%以下であることがさらに好ましい。
ここで、吸湿伸び率とは、ポリアミドフィルムを、23℃、0%RH(RH:相対湿度、絶対湿度0.00kg/kg)雰囲気下から、23℃、100%RH(絶対湿度0.018kg/kg)雰囲気下へ湿度変化させたときの、フィルムの横方向(TD)の伸び率をいう。換言すると、吸湿伸び率は、絶乾状態のポリアミドフィルムを後述するスリット環境の上限湿度下に曝したときの伸び率を意味する。
吸湿伸び率の値が2.0%を超えると、後述するスリット工程のための環境下で、吸湿によるポリアミドフィルムの寸法変化量が大きくなり、巻き取りまでにしわが入りやすくなるなど問題が起きる。
吸湿伸び率を2.0%以下としたポリアミドフィルムは、公知の技術で製造可能である。その詳細は後述する。
本発明において、ポリアミドフィルムは、以下のポリアミド樹脂を主成分とするフィルムであることが好ましい。詳細には、ポリアミド樹脂としては、ナイロン4、6、7、8、11、12、6・6、6・10、6・11、6・12、6T、6/6・6、6/12、6/6T、6I/6Tなどがあげられる。機械的特性や熱的特性に優れる点から、包装用ポリアミドフィルムとしては、ナイロン6を主成分とするのが好適である。
ポリアミド樹脂には、必要に応じて、通常配合される各種の添加剤および改質剤、例えば、滑材、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、架橋剤、難燃剤、着色剤(顔料、染料など)などを配合してもよい。
ポリアミドフィルムは、実質的に無定形、無配向のポリアミドフィルム(未延伸フィルム)を二軸延伸したものである。延伸方法としては、同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法、インフレーション延伸法などが挙げられる。
未延伸フィルムを得るには、例えばポリアミドを押出機で加熱溶融してTダイからフィルム状に押出し、これにエアーナイフキャスト法、静電印加キャスト法等の公知のキャスティング法を適用することで回転する冷却ドラム上で冷却固化して、急冷製膜する。この未延伸フィルムが配向していると、後工程で延伸性が低下することがある。
この未延伸フィルムを同時二軸延伸法により延伸する方法について述べる。未延伸フィルムは、あらかじめ温浴中で水分率が2〜8%になるよう調湿され、次いで、テンター式同時二軸延伸機にて、140〜200℃の温度範囲で、縦方向、横方向にそれぞれ2.0〜4.0倍に同時二軸延伸される。その後、同テンター内において一定幅の状態で150〜215℃、好ましくは170〜210℃の温度で熱固定され、引き続いて、190〜210℃の温度で、リラックス率が2.0〜7.0%、好ましくは3.0〜6.0%になるようリラックス処理される。最後に、延伸機の掴み代が切除された後、巻取機で巻き取られることで、原反ロールが得られる。
前述のように吸湿伸び率を2.0%以下にするためには、リラックス処理前までの定幅での熱固定の際に徐々に昇温(徐昇温)させたり、リラックス処理におけるリラックス率を小さくしたりすることが好ましい。具体的には、たとえば、定幅での熱固定ゾーンを3ゾーンに分割し、それぞれのゾーン(以下、「1S」「2S」「3S」と称する)を170℃、200℃、210℃という条件としてフィルムを昇温し、リラックス率を5%とした場合に、吸湿伸び率を2.0%以下とすることができる。これよりもさらにゆっくりと昇温したり、リラックス率をさらに小さくすることで、吸水伸び率を、2%以下の、より低い値とすることができる。
これに対しゾーン2Sが最高温度となるように、たとえば1Sと2Sと3Sとの温度を170℃、210℃、200℃という条件として急速に昇温し、リラックス率を8%と大きくした場合は、吸湿伸び率は2.0%を超えてしまう。
ポリアミドフィルムに機能性を付与するために、インラインコート延伸技法を用いて、未延伸のポリアミドフィルムに帯電防止剤、接着改良組成物、バリア性樹脂等をコートした後に、延伸することもできる。
本発明の方法において、スリットに供するポリアミドフィルムは、水分率を1.0%以下とすることが好ましく、0.5%以下とすることがさらに好ましい。水分率は、そのポリアミドフィルムを絶乾状態に変化させたときの重量変化率を意味する。
通常のポリアミドフィルムの製法に従って原反ロールを製造すると、上述のような高温で熱固定する工程を経ているため、その原反ロールの水分率は通常0.5%以下となっている。ポリアミドフィルムは、水分率が高くなるに従い、表面同士の水素結合性が高まり、そのためにスリップ性が低下したりブロッキングが起こったりする。このため、原反ロールは、保管中の吸湿を防止するために、スリット直前まで防湿包装しておくことが好ましい。
ほぼ絶乾状態のポリアミドフィルムの原反ロールにおいて、製造後の吸湿によりその水分率が1.0%を超えた場合は、それにより吸湿伸びが発生してしわが入ってしまうことが多い。あらかじめ何らかの手段により、たとえば特許文献1に記載されたように熱固定後のフィルムにスプレーガンで水を噴霧してフィルムを急冷し、続いて150℃以下の加湿空気を吹き付けることにより、水分率が1.0%を超える程度に吸湿した状態で製造された原反ロールでは、フィルムのスリップ性が低下しているため、巻取速度を高くするとしわが入りやすくなる。このため、低速で巻き取らざるを得ず、生産性が高いとはいえなくなる。
本発明においては、スリットする場所の環境を積極的にコントロールすることが必要である。詳しくは、スリット環境として、絶対湿度が0.006〜0.018kg/kgであることが必要である。好ましくは0.008〜0.016kg/kg、さらに好ましくは0.010〜0.014kg/kgである。
スリット環境をコントロールする方法は特に限定されず、エアコンディショナー、加湿機、除湿機を運転するなど、適当な方法を、単独あるいは組み合わせて実行すればよい。
絶対湿度が0.018kg/kgを超えると、スリット工程において吸湿が進み、巻芯のしわが発生しやすい。絶対湿度が0.006kg/kg未満の場合は、静電気が発生しやすくなり、剥離帯電によるスパークが生じたり、製品ロールが帯電したりする。
本発明の方法において、スリットの方式としては、公知の技術を用いることができる。たとえば切断方式としては、シェアカット、レザーカット、スコアカット等の方式を用いることができる。巻取駆動方式としては、中心駆動方式、表面駆動方式、中心表面併用駆動方式等の方式を用いることができる。巻取方式としては、ドラム接触型や、個別タッチローラ接触型等の方式を用いることができる。これらの各方式は、必要に応じて選択することができる。
長尺の原反ロールをスリット工程において所望の製品長さに巻き取ることになるため、1本の原反ロールのスリットにおいて、巻き取られた製品ロールの交換作業が、通常数回行われる。この交換作業の間にスリット工程内のフィルムおよび原反ロール表層のフィルムが吸湿してしまうため、製品ロールの巻芯にしわが入ることが多い。したがって、製品ロールが巻き上がってから次の製品ロールを巻き始める時間は短いほうが好ましく、10分以内であることが好ましい。さらに好ましくは7分以内である。
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない限りこれらに限定されるものではない。なお、フィルムの各物性は、以下に示す方法によって測定した。
(1)吸湿伸び率
原反ロールから縦方向(MD)×横方向(TD)=10mm×150mmのサンプルを切り出し、23℃、0%RHの条件下で1日調湿後、初期サンプルTD長(Xmm)を測定した。続いて23℃、100%RHに環境を変化させ、1日調湿後、サンプルTD長(Ymm)を測定した。これらの測定結果を用いて下記式より吸湿伸び率(Z:%)を算出した。
Z(%)=(Y−X)/X×100
原反ロールから縦方向(MD)×横方向(TD)=10mm×150mmのサンプルを切り出し、23℃、0%RHの条件下で1日調湿後、初期サンプルTD長(Xmm)を測定した。続いて23℃、100%RHに環境を変化させ、1日調湿後、サンプルTD長(Ymm)を測定した。これらの測定結果を用いて下記式より吸湿伸び率(Z:%)を算出した。
Z(%)=(Y−X)/X×100
(2)水分率
スリット前の原反ロールからフィルムをサンプリングし、ひょう量瓶に入れた後、乾燥し、乾燥前後の質量変化より水分率を算出した。
スリット前の原反ロールからフィルムをサンプリングし、ひょう量瓶に入れた後、乾燥し、乾燥前後の質量変化より水分率を算出した。
(ポリアミドフィルム原反ロールの製造)
滑材として平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.2質量%含有するとともにエチレンビスステアリルアミドを0.05質量%含有したナイロン6(融点:220℃)を、260℃で、Tダイよりシート状に溶融押出しし、その後にエアーナイフキャスト法により15℃の回転ドラムに密着させて急冷して、厚さ150μmの実質的に無定形で配向していない未延伸フィルムを得た。
滑材として平均粒径1.5μmのシリカ粒子を0.2質量%含有するとともにエチレンビスステアリルアミドを0.05質量%含有したナイロン6(融点:220℃)を、260℃で、Tダイよりシート状に溶融押出しし、その後にエアーナイフキャスト法により15℃の回転ドラムに密着させて急冷して、厚さ150μmの実質的に無定形で配向していない未延伸フィルムを得た。
ついで、この未延伸フィルムを60℃に調整した温水槽に導き、調湿して、水分率5%の未延伸フィルムを得た。
続いて、この未延伸フィルムを、テンター式同時二軸延伸機に導いてクリップに把持させ、200℃で予熱を行ったあと、190℃で縦方向(MD)に3倍、横方向(TD)に3.3倍に延伸した。その後、表1に示す熱固定温度の条件で、リラックス処理前まで定幅熱固定を施し、200℃でリラックス処理を施し、巻取機で巻き取って、原反ロールAを得た。この原反ロールAの幅は4000mm、長さは21000mとした。
同様にして、表1に示される原反ロールB〜Eを得た。このうち、原反ロールCは、原反ロールAを40℃、85%RHの環境下で3日間放置したものである。また原反ロールEは、表1の条件で製造した後、40℃、85%RHの環境下で1日間放置したものである。
(実施例1)
スリッター室を、絶対湿度0.013kg/kg(温度:25℃、相対湿度(RH):65%)に調整した。中心駆動方式のドラム接触型スリッターを用いて、スリット条件を、800mm幅×5丁取りで、巻取張力98N/m(10kgf/m)、巻取接圧196N/m(20kgf/m)、巻取速度300m/minと設定した。
スリッター室を、絶対湿度0.013kg/kg(温度:25℃、相対湿度(RH):65%)に調整した。中心駆動方式のドラム接触型スリッターを用いて、スリット条件を、800mm幅×5丁取りで、巻取張力98N/m(10kgf/m)、巻取接圧196N/m(20kgf/m)、巻取速度300m/minと設定した。
原反ロールAをスリッターの巻出部にセットし、巻取部まで通紙し保管中に吸湿の影響を受けた表面を取り除くために100m巻き取った。次に、巻取側を新しい紙管に交換し、フィルムを貼り付けて巻取を開始し、4000mの製品ロールを巻き取った。その後、同様に4000mの製品ロールを4回巻き取った。このとき、巻取停止から巻取再開までの時間は6分であった。
こうしたところ、水分率が低く、吸湿伸び率の低い原反ロールAを使用し、またスリット時の環境である絶対湿度を所定の条件に調節したため、巻芯から表層までしわがまったく入らず、帯電することもなく、高品位な製品ロールができた。
(実施例2)
スリッター室の絶対湿度を0.009kg/kg(温度:23℃、相対湿度(RH):50%)に変更した。かつ巻取停止から巻取再開までの時間を12分に変更した。それ以外は実施例1と同様にした。そうしたところ、巻取再開までの時間が長かったため巻芯にわずかにしわが見られたが、水分率が低くかつ吸湿伸びの小さい原反ロールAを使用し、しかもスリット時の環境である絶対湿度を所定の条件に調節したため、表層までしわがほとんど入らず、帯電することもなく、高品位な製品ロールができた。
スリッター室の絶対湿度を0.009kg/kg(温度:23℃、相対湿度(RH):50%)に変更した。かつ巻取停止から巻取再開までの時間を12分に変更した。それ以外は実施例1と同様にした。そうしたところ、巻取再開までの時間が長かったため巻芯にわずかにしわが見られたが、水分率が低くかつ吸湿伸びの小さい原反ロールAを使用し、しかもスリット時の環境である絶対湿度を所定の条件に調節したため、表層までしわがほとんど入らず、帯電することもなく、高品位な製品ロールができた。
(実施例3)
原反ロールをCに変更し、巻取速度を150m/minに変更した。それ以外は実施例1と同様にした。そうしたところ、吸湿伸びの小さい原反ロールを使用し、スリット時の環境である絶対湿度を調節したため、巻芯から表層までしわがまったく入らず、帯電することもなく、高品位な製品ロールができた。ただし、この原反ロールCは、水分率が高かったので、スリップ性が低下しており、巻取速度を高くすることができなかった。
原反ロールをCに変更し、巻取速度を150m/minに変更した。それ以外は実施例1と同様にした。そうしたところ、吸湿伸びの小さい原反ロールを使用し、スリット時の環境である絶対湿度を調節したため、巻芯から表層までしわがまったく入らず、帯電することもなく、高品位な製品ロールができた。ただし、この原反ロールCは、水分率が高かったので、スリップ性が低下しており、巻取速度を高くすることができなかった。
(実施例4)
原反ロールをDに変更し、スリッター室の絶対湿度を0.006kg/kg(温度:20℃、相対湿度(RH):50%)に変更した。それ以外は実施例1と同様とした。すると、水分率が低く、吸湿伸び率が所定の範囲である原反ロールDを使用し、かつスリット時の環境である絶対湿度を調節したため、巻き芯から表層までまったくしわが入らず、帯電することもない、高品位な製品ロールを得ることができた。しかし、吸湿伸び率が本発明で規定する範囲の上限、スリット環境の絶対湿度が本発明で規定する範囲の下限であったため、製品ロールが吸湿しないように管理に注意を要した。
原反ロールをDに変更し、スリッター室の絶対湿度を0.006kg/kg(温度:20℃、相対湿度(RH):50%)に変更した。それ以外は実施例1と同様とした。すると、水分率が低く、吸湿伸び率が所定の範囲である原反ロールDを使用し、かつスリット時の環境である絶対湿度を調節したため、巻き芯から表層までまったくしわが入らず、帯電することもない、高品位な製品ロールを得ることができた。しかし、吸湿伸び率が本発明で規定する範囲の上限、スリット環境の絶対湿度が本発明で規定する範囲の下限であったため、製品ロールが吸湿しないように管理に注意を要した。
(実施例5)
原反ロールをEに変更し、スリッター室の絶対湿度を0.006kg/kg(温度:20℃、相対湿度(RH):40%)に変更した。また巻取速度を230m/minに変更した。それ以外は実施例1と同様とした。そうしたところ、吸湿伸び率が特に低い原反ロールEを使用し、またスリット時の環境である絶対湿度を調節したため、巻芯から表層までしわがまったく入らず、帯電することもない、非常に高品位な製品ロールが得られた。ただし、原反ロールEは水分率が高かったので、スリップ性が低下しており、したがって巻取速度を高くすることができなかった。
原反ロールをEに変更し、スリッター室の絶対湿度を0.006kg/kg(温度:20℃、相対湿度(RH):40%)に変更した。また巻取速度を230m/minに変更した。それ以外は実施例1と同様とした。そうしたところ、吸湿伸び率が特に低い原反ロールEを使用し、またスリット時の環境である絶対湿度を調節したため、巻芯から表層までしわがまったく入らず、帯電することもない、非常に高品位な製品ロールが得られた。ただし、原反ロールEは水分率が高かったので、スリップ性が低下しており、したがって巻取速度を高くすることができなかった。
(実施例6)
原反ロールをCに変更し、スリッター室の絶対湿度を0.018kg/kg(温度:28℃、相対湿度(RH):75%)に変更した。また巻取速度を150m/minに変更した。それ以外は実施例1と同様とした。そうしたところ、スリット時の環境である絶対湿度を本発明で規定する範囲の上限に調節したため、巻芯にわずかにしわが見られたが、吸湿伸びの小さい原反ロールCを使用したため、表層までしわがほとんど入らず、帯電することもない、高品位な製品ロールが得られた。ただし、原反ロールCは水分率が高かったので、スリップ性が低下しており、したがって巻取速度を高くすることができなかった。
原反ロールをCに変更し、スリッター室の絶対湿度を0.018kg/kg(温度:28℃、相対湿度(RH):75%)に変更した。また巻取速度を150m/minに変更した。それ以外は実施例1と同様とした。そうしたところ、スリット時の環境である絶対湿度を本発明で規定する範囲の上限に調節したため、巻芯にわずかにしわが見られたが、吸湿伸びの小さい原反ロールCを使用したため、表層までしわがほとんど入らず、帯電することもない、高品位な製品ロールが得られた。ただし、原反ロールCは水分率が高かったので、スリップ性が低下しており、したがって巻取速度を高くすることができなかった。
(実施例7)
原反ロールをEに変更し、スリッター室の絶対湿度を0.018kg/kg(温度:28℃、相対湿度(RH):75%)に変更した。それ以外は実施例1と同様とした。そうしたところ、スリット時の環境である絶対湿度を本発明で規定する範囲の上限に調節したにもかかわらず、吸湿伸び率が低い原反ロールEを使用したため、巻芯から表層までしわがまったく入らず、帯電することもない、高品位な製品ロールが得られた。
原反ロールをEに変更し、スリッター室の絶対湿度を0.018kg/kg(温度:28℃、相対湿度(RH):75%)に変更した。それ以外は実施例1と同様とした。そうしたところ、スリット時の環境である絶対湿度を本発明で規定する範囲の上限に調節したにもかかわらず、吸湿伸び率が低い原反ロールEを使用したため、巻芯から表層までしわがまったく入らず、帯電することもない、高品位な製品ロールが得られた。
(比較例1)
原反ロールをBに変更した。それ以外は実施例1と同様にした。しかし、この原反ロールBの吸湿伸び率が高かったため、巻き上がった製品ロールの交換中に吸湿の影響を受けて、次の製品ロールの巻き芯にしわが入った。
原反ロールをBに変更した。それ以外は実施例1と同様にした。しかし、この原反ロールBの吸湿伸び率が高かったため、巻き上がった製品ロールの交換中に吸湿の影響を受けて、次の製品ロールの巻き芯にしわが入った。
(比較例2)
スリッター室の絶対湿度を0.004kg/kg(温度:15℃、相対湿度:40%)に変更した。それ以外は実施例1と同様にした。
スリッター室の絶対湿度を0.004kg/kg(温度:15℃、相対湿度:40%)に変更した。それ以外は実施例1と同様にした。
スリット時の環境である絶対湿度が本発明の範囲から外れて低かったため、原反巻出部で剥離帯電が起こり、製品ロールが帯電していた。
(比較例3)
スリッター室の絶対湿度を0.020kg/kg(温度:30℃、相対湿度:75%)に変更した。それ以外は実施例1と同様にした。
(比較例3)
スリッター室の絶対湿度を0.020kg/kg(温度:30℃、相対湿度:75%)に変更した。それ以外は実施例1と同様にした。
スリット時の環境である絶対湿度が本発明の範囲から外れて高かったため、巻芯にしわが入って高品位な製品ロールが得られなかった。
各実施例、比較例の製品ロールについて、表2にその物性等をまとめて示す。
各実施例、比較例の製品ロールについて、表2にその物性等をまとめて示す。
Claims (1)
- ポリアミドフィルムを巻き取ってなるロールをスリットするに際し、前記ポリアミドフィルムとして吸湿伸び率が2.0%以下のものを使用するとともに、スリット時の雰囲気を絶対湿度が0.006〜0.018kg/kgとなるようにコントロールすることを特徴とするポリアミドフィルムの製造方法。
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