JP2002192289A - ラック付き管状部材製造用のラック形成型 - Google Patents

ラック付き管状部材製造用のラック形成型

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JP2002192289A
JP2002192289A JP2000390509A JP2000390509A JP2002192289A JP 2002192289 A JP2002192289 A JP 2002192289A JP 2000390509 A JP2000390509 A JP 2000390509A JP 2000390509 A JP2000390509 A JP 2000390509A JP 2002192289 A JP2002192289 A JP 2002192289A
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Japan
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rack
tooth
mold
forming die
manufacturing
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JP2000390509A
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Kazutomi Oka
和富 岡
Ryosuke Suzuki
亮介 鈴木
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Neturen Co Ltd
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Neturen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 自動車のステアリング装置などに使用される
ラック付き管状部材を、素材の鋼管の長さの一部分を押
圧して外面円周の一部を平面とし、ラック形成型を前記
平面にされた部分に接触させて保持した状態でマンドレ
ルを鋼管の内部に押込み、順次しごき加工をして製造す
るにあたり、寿命の長いラック形成型を提供する。 【解決手段】 ラック形成型21の歯型部分は、歯の雌
型における1つの歯形底部の両隅間の厚さの歯型底部板
24と、歯の雌型における1つの歯形底部23,23
1,232と隣接する歯形底部23,231,232に
おいて隣接する隅間の厚さの歯型凸部板25とを交互に
積層して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラック付き管状部材
すなわち管材の長さの一部にラック部を有する部材の製
造のさい使用するラック形成型に関する。ラック付き管
状部材はたとえば自動車のステアリング装置の部品とし
て使用されており、一般にラックバーと称されるので以
下の説明では原則的にラックバーの名称を用いる。本発
明は鋼管を素材として中空なラックバーを塑性加工によ
り製造するための寿命の長いラック形成型を提供する。
【0002】
【従来の技術】自動車のステアリング装置のラックバー
は従来は中実な棒材のものが使用されていたが、軽量化
を目的にして中空にしたものの製造が指向されている。
図4はこのようなラックバー1を示す斜視図であり、図
中2はラックの歯である。このように中空なものは棒材
にラック部を切削加工した後に穴をあけるのが一般的な
製造方法であるが、一方、素材に鋼管を使用して塑性加
工によりラック部を形成する方法が特公平3−5892
号公報に示されている。
【0003】この方法はまず鋼管のラックを形成すべき
部分をつぶして平面にし、次にこの部分にラックを形成
するという2段階の工程からなる。このためにまず左右
に開くことができる第1次成形用割型を設けて素材の鋼
管の加工すべき部分を収容するが、この型は合わせた状
態において上部のラックを形成すべき部分に貫通穴が設
けられている。そして先が平面になったプレス型を上か
らこの貫通穴に挿入して鋼管のその部分を平面に加工
し、これを第1次成形体とする。次に内面形状がラック
バーの完成品の外形形状と一致し、左右に開くことがで
きる第2次成形用割型に上記第1次成形体を収容する。
すなわちこの第2次成形用割型は左右の型を合わせたと
き、上部にラックの歯の雌型が構成されるようになって
いる。そしてマンドレルを鋼管内に挿入して、先に平面
にされた部分を内部からしごき加工をする。これにより
第1次成形体の外部においては材料が盛り上がり、上記
第2次成形用割型の形状に従ってラックが成形されると
いうものである。
【0004】また本発明者らは先に特願平11−370
086号としてさらに改良された中空なラックバーの製
造方法を提示した。この方法はまず図5の縦断面図、図
6の横断面図に示すように、鋼管3の長さのうちの加工
すべき部分とその両側の一部を、鋼管の全周を取り囲む
割型5、6に収容する。この割型は合わせた状態におい
て鋼管の加工すべき部分に対応した個所に貫通した縦穴
8が形成されている。この状態で縦穴8にポンチ9を挿
入してこの部分の鋼管3を押圧して平面にする。次いで
図7の縦断面図、図8の横断面図に示すように、ポンチ
9に代えてラック形成型11を縦穴8に挿入して鋼管3
の平面にされた部分に接触させて保持し、鋼管の内部に
マンドレル12を押込み、前記平面にされた部分の内面
をしごいてラック形成型11に従ってラックを形成させ
る。
【0005】上記特公平3−5892号公報、特願平1
1−370086号のいずれの方法も、すべて塑性加工
によっているので切削加工と異なり材料の無駄がなく、
また加工による材料強化の効果もあって材質的にも優れ
たものができる。また特公平3−5892号の方法にお
いては2種類の割型を使用するが、特願平11−370
086号の方法においては鋼管全体を収容する割型は1
種類のみで済む。ラックの雌型の部分は損耗が激しいこ
とが判明しているが、この方法では交換する場合割型自
体はそのままでラック形成型だけ交換すれば済むことに
なり、型のコストが低減できる。また量産のときはポン
チを組み合わせる割型あるいはラック形成型を組み合わ
せる割型をそれぞれ専用とし、材料をその間で移動して
加工することもできる。この場合もっぱらラック形成型
と組み合わせる割型についてはラック形成型を上型など
1つの型に固定するようにしてもよい。この場合でもラ
ック形成型の寿命が来たときにこれだけの交換ができる
という利点は変わらない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように特願平1
1−370086号のラックバーの製造方法において
は、損耗の激しいラック形成型の部分だけの交換が可能
であるが、それでもできるだけ寿命の長いラック形成型
が欲しいという要請は当然に存在する。このようなこと
から、本発明はラック付き管状部材製造用のラック形成
型において、できるだけ寿命の長いものを提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、素材の鋼管をポンチで押圧して外面
円周の一部を平面状とし、前記平面状にされた部分にラ
ック形成型を接触させて保持した状態で、マンドレルを
鋼管の内部に押込みしごき加工をして前記ラック形成型
に従ってラックを形成するためのラック付き管状部材製
造用のラック形成型において、前記ラック形成型の歯型
部分は歯の雌型における1つの歯形底部の両隅間の厚さ
の歯型底部板と、歯の雌型における1つの歯形底部と隣
接する歯形底部において隣接する隅間の厚さの歯型凸部
板とを交互に積層することにより構成されていることを
特徴とするラック付き管状部材製造用のラック形成型で
ある。またここにおいて、歯型底部板と歯型凸部板とは
材質が異なる金属で構成されていることも特徴とする。
また歯型底部板と歯型凸部板にすべき素材の金属板を交
互に積層した後に、歯の雌型を切り出して形成すること
を特徴とする前記本発明のラック付き管状部材製造用の
ラック形成型の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】図2はラック形成型11を使用し
たときの損傷状況を示す断面図であるが、歯型底部に亀
裂が入るのがほとんどであり、図に示したように特に歯
型底部13の両隅、すなわち形成されるラックの歯の頂
面と側面との稜線に相当する位置から亀裂15が入るこ
とが多い。これはマンドレルによるしごき加工において
はマンドレルの軸方向の応力も作用し、このためラック
形成型の歯の部分を倒そうとする力が働くが、この応力
は歯型底部に集中することが原因の一つに挙げられる。
さらには複数のマンドレル挿入によるしごき加工の始め
の段階ではまず歯幅の中央部分が隆起し、ラック形成型
の歯型底部に隆起した金属が衝突した後、すなわち歯幅
中央部でラックの頂部が形成された後、順次幅方向に隆
起部分が広がっていく現象も原因であると考えられる。
すなわち歯幅中央部の歯型底部には先に隆起した金属が
当たり続けるので大きな力がかかることになる。
【0009】上記のようなラック形成型の歯型底部に生
ずる亀裂の防止策について本発明者らは種々の実験を行
なったが、その中でラック形成型自体の構造についても
有効な対策を見いだした。すなわちラック形成型を1つ
ずつの歯ごとに分割したものを重ね合わすことにより亀
裂発生を防止できるというものである。その方法として
図3に側面図を示したような、歯型底部33の中央部を
分割面32とした板状の分割片34を重ね合わせた形態
のラック形成型31を実験した。このような分割歯型に
よるラック形成型31を使用すると歯型底部に発生する
亀裂を防止できるが、その理由はラック形成型全体が柔
軟な構造になるためである。すなわち亀裂を発生させる
ような大きな力が加わると分割した部分が開いて隙間が
生じていわば安全弁のような役割を果たすためと考えら
れる。
【0010】一方、上記のような亀裂発生防止の機構か
ら予想されることであるが、図3のような歯型底部33
の中央部を分割面32としたラック形成型31を使用す
ると、形成されたラックにおいて各歯の頂面の中央部に
ラックの幅方向のばりが生ずる。このようなばりはラッ
クバーの製品に残ることは許されず、このためばり除去
のための研磨工程が増えるという問題がある。このよう
なことから、ばり発生を防止すべく重ね合わせた分割片
を締め付ける加圧力をできる限り増大することを検討し
たところ、ばり発生は防止できたが亀裂発生防止効果は
失われることが判明した。すなわち先に図2に示したよ
うに歯型底部の両隅に亀裂が発生するようになり、結果
として分割歯型でない通常の一体型のラック形成型を使
用した場合と変わり無くなってしまうのである。
【0011】本発明者らは上記のような実験を経てさら
に別の分割方法によるラック形成型を発明するに至っ
た。すなわち図1は本発明のラック形成型21を示す側
面図であるが、分割面22が歯の雌型における1つの歯
形底部23の両隅になっている。つまり前記の図3に示
したラック形成型31はラックの歯1つあたり1つの分
割片が対応していたが、本発明のラック形成型において
はラックの歯1つあたり2つの分割片が対応することに
なる。すなわち分割片としては図1に示したように、1
つの歯形底部231の両隅271、272間の厚さの歯
型底部板24と、1つの歯形底部231と隣接する歯形
底部232において隣接する隅272、273間の厚さ
の歯型凸部板25との2種類になり、これらを交互に積
層することになる。なお図1において26は積層した歯
型底部板24と歯型凸部板25とを締め付けるボルトで
ある。
【0012】図1に示したような分割方法を採用するこ
とによりラック形成型に亀裂が発生することを防止する
ことができるとともに、ばりの発生も防止できる。すな
わち図1のラック形成型の場合、ばりが発生するとすれ
ば形成されるラックの歯の頂面と側面との稜線の位置に
なる。しかし分割片、すなわち歯型凸部板と歯型底部板
とを締め付ける加圧力を極端に大きくしなくてもばりの
発生がほとんど見られなかった。この理由は図3のよう
な歯型底部の中央部を分割面とした場合と異なり、歯型
の隅部にまで塑性変形した金属が流入するには両側の壁
の抵抗があり、このためばりを発生させるような力が隅
の角部の金属自体にはあまり働かないということが考え
られる。
【0013】ラックバーの製造において上記のような本
発明のラック形成型を使用することにより、亀裂の発生
を防止してラック形成型の寿命を長くすることができる
が、歯型底部板24と歯型凸部板25とを材質が異なる
金属で構成することによりさらに耐久性を向上させるこ
とができる。すなわち歯型底部の亀裂の原因の1つと考
えらているものであるが、ラック形成型の歯型凸部には
横に倒そうとする力が働くので、歯型凸部板については
硬度だけでなく延性、すなわちねばりがある材料を使用
することが好ましい。一方、歯型底部板は塑性変形した
金属が正面から高い圧力でぶつかり、磨耗が多いので硬
度が大きい材料を選択することが好ましい。このように
本発明のラック形成型においては歯型底部板と歯型凸部
板とを材質が異なる金属で構成することができる。
【0014】上記のような本発明のラック形成型の製作
方法であるが、歯の部分の加工方法に限れば通常の一体
型のラック形成型を製作するのと同じ方法で良い。すな
わちそれぞれ歯型底部板および歯型凸部板にすべき素材
の金属板を交互に積層してこれらを貫通するボルトによ
り締めた後に、これから歯の雌型を切断などの方法で形
成すれば良い。歯型は歯の方向がラックバーの軸に対し
て斜めになっているはす歯ラックの場合もあるが、いず
れにしても幅方向には同じ断面形状で貫通しているの
で、歯の部分はワイヤ放電加工で切り出して形成すると
良い。フライスカッタなどによる切削加工であると加工
後に熱処理をして硬度を上げる必要が生ずることが多い
が、ワイヤ放電加工による切断は被加工物の硬度が高く
ても適用できる。したがってワイヤ放電加工は後から熱
処理することが困難な本発明における金属板を積層した
材料の加工に特に適している。
【0015】上記のようなラック形成型の製作方法とは
別に、ラック形成型の分割片である歯型凸部板と歯型底
部板とを個々に製作してから組み立てる方法も考えられ
る。この場合は個々の分割片は精度的に互換性がある筈
であるから、ある分割片の部分が損傷したときには分解
してこの部分だけ交換して再組み立てすることも可能と
考えられる。しかしながらこの場合組み立てたときの分
割片のずれを防止して精度を確保するため、各分割片の
片面に凸部、反対側の面にこの凸部に丁度はまる凹部を
設けるなどの手段が必要となる。したがって本発明のラ
ック形成型においてはラックの歯1つあたり2つの分割
片が対応していて分割数が多いこともあり、加工に多く
の手間が掛かることになる。このため本発明においては
推奨しないが、上記のような分割片を個々に製作してか
らラック形成型に組み立てる製作方法を排除するもので
はない。このようなことから先に述べた素材の金属板を
積層してこれから歯の雌型を切り出す製作方法によるラ
ック形成型においては、使用して損傷した部分の分割片
だけを交換することは特に考慮していない。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ラックバ
ーの製造工程において使用するラック形成型を歯型底部
板と歯型凸部板とを交互に積層した分割歯型にしたの
で、使用により亀裂が発生することを防止し寿命を延長
できる。しかも製品のラックバーにおいて、ラック形成
型の歯型底部板と歯型凸部板との間からばりが発生する
こともない。なお本発明は上記の実施形態に限定され
ず、その発明の範囲内で種々の変形が可能である。各図
に示したような実施形態から変形されていても本発明の
精神から逸脱しない限り本発明の範囲内のものである。
たとえば、鋼管を押圧して外面円周の一部を平面とする
場合において、それが単純な平面から変形されていても
本発明の範囲内のものである。同様に鋼管の平面にされ
た部分の内面に対向するマンドレルの面についても単純
な平面でなく変形されていることもありうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラック形成型を示す側面図
【図2】ラック形成型を使用したときの損傷状況を示す
断面図
【図3】実験した分割片を重ね合わせた形態のラック形
成型を示す側面図
【図4】中空なラックバーを示す斜視図
【図5】中空なラックバーの製造方法を示す縦断面図
【図6】中空なラックバーの製造方法を示す横断面図
【図7】中空なラックバーの製造方法を示す縦断面図
【図8】中空なラックバーの製造方法を示す横断面図
【符号の説明】
1 ラックバー 2 ラックの歯 3 鋼管 5、6 割型 8 縦穴 9 ポンチ 11 ラック形成型 12 マンドレル 13 歯型底部 15 亀裂 21 ラック形成型 22 分割面 23、231、232 歯形底部 24 歯型底部板 25 歯型凸部板 26 ボルト 271、272、273 隅 31 ラック形成型 32 分割面 33 歯型底部 34 分割片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21K 1/76 B21K 1/76 A F16H 55/26 F16H 55/26 // B21D 51/16 B21D 51/16 Z Fターム(参考) 3J030 AC10 BA08 BC02 BC05 BC10 4E050 JB06 JC02 JD05 4E087 AA09 BA02 BA18 CA13 CA17 DB06 DB07 EC01 ED04 HA06 HA38 HB02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材の鋼管をポンチで押圧して外面円周
    の一部を平面状とし、前記平面状にされた部分にラック
    形成型を接触させて保持した状態で、マンドレルを鋼管
    の内部に押込みしごき加工をして前記ラック形成型に従
    ってラックを形成するためのラック付き管状部材製造用
    のラック形成型において、前記ラック形成型の歯型部分
    は歯の雌型における1つの歯形底部の両隅間の厚さの歯
    型底部板と、歯の雌型における1つの歯形底部と隣接す
    る歯形底部において隣接する隅間の厚さの歯型凸部板と
    を交互に積層することにより構成されていることを特徴
    とするラック付き管状部材製造用のラック形成型。
  2. 【請求項2】 歯型底部板と歯型凸部板とは材質が異な
    る金属で構成されていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のラック付き管状部材製造用のラック形成
    型。
  3. 【請求項3】 歯型底部板と歯型凸部板にすべき素材の
    金属板を交互に積層した後に、歯の雌型を切り出して形
    成することを特徴とする請求項1ないし3に記載のラッ
    ク付き管状部材製造用のラック形成型の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008235851A (ja) * 2007-02-21 2008-10-02 Shinko Electric Ind Co Ltd 光半導体素子用ステム及びその製造方法
JP2016025221A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 日産自動車株式会社 凹凸成形品の成形装置

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