JP2016107269A

JP2016107269A - プレス用金型

Info

Publication number: JP2016107269A
Application number: JP2014243680A
Authority: JP
Inventors: 博康田井; Hiroyasu Tai
Original assignee: Senyo Shokai KK
Current assignee: Senyo Shokai KK
Priority date: 2014-12-02
Filing date: 2014-12-02
Publication date: 2016-06-20
Anticipated expiration: 2034-12-02
Also published as: JP6386895B2

Abstract

【課題】短時間かつ低コストで製作できるプレス用金型を提供する。【解決手段】雄型１と雌型２の夫々が、所定形状に打ち抜かれた複数枚の鋼板５を、積層一体化して、ブロック状に構成されている。【選択図】図１

Description

本発明は、プレス用金型に関する。

従来、金属板をプレス加工によって成形するには、雄型と雌型を備えたプレス用金型が用いられている（特許文献１参照）。

特開２０１０−９９７００号公報

しかし、図７に示すような従来の金型は、雄型８及び雌型９を、金属ブロックから削り出しによって製作するため、製作に手間と時間が掛かり、コストが増大するという欠点があった。また、短い期間内に、小ロットのプレス製品を製作するために従来の削り出し金属ブロックでは間に合わないという欠点もあった。

そこで、本発明は、短時間かつ低コストで製作できるプレス用金型を提供することを目的とする。

本発明に係るプレス用金型は、雄型と雌型の夫々が、所定形状に打ち抜かれた複数枚の鋼板を、積層一体化して、ブロック状に構成されているものである。
または、雄型と雌型の夫々が、所定形状に打ち抜かれた複数枚の鋼板を積層状とし、複数枚の該鋼板に挿通される位置決めピンを有し、かつ、複数枚の上記鋼板を溶接部にて一体化して、ブロック状に構成されているものである。
また、上記雄型と上記雌型は、横断面形状が一定となるよう設定され、複数枚の上記鋼板が、所定の同一形状に形成されているものである。

本発明のプレス用金型によれば、容易に短時間で製作でき、型製作費用を低減できる。高性能切削工作機や放電加工機等の高精度で高価な機械工作設備が無くても金型を製作できる。特に、少量の新しい形状のプレス製品（プレス加工品）を短い納期内に製造せねばならない場合のプレス用金型として、容易に短時間で製作できるという本発明の効果は、小ロットのプレス製品を製造する現場にとって最適な発明である。

本発明の実施の一形態を示す斜視図である。鋼板作成工程を示す斜視図である。鋼板積層工程を示す斜視図である。鋼板一体化工程を示す斜視図である。仕上げ工程を示す斜視図である。本発明の他の実施形態を示す縦断面図である。従来のプレス用金型を示す斜視図である。

以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
本発明のプレス用金型は、図１に示すように、雄型１と雌型２の夫々が、所定形状の複数枚の鋼板５，５を、積層一体化して、ブロック状に構成したものである。

先ず、雄型１の構成を製作方法と共に説明する。
製作すべき雄型１は、横断面形状が一定となるように設定している。
図２に示すように、金属製板素材をプレス機で、所定形状に打ち抜いて、鋼板５（雄型用鋼板５Ａ）を形成する。
所定形状に打ち抜くとは、製作すべき雄型１の横断面の輪郭形状（外縁形状）をもつように形成することである。また、打ち抜きの際に、鋼板５に、複数の位置決め用の貫孔７，７を所定位置に貫設する。プレス加工機による打ち抜きで、所定の同一形状の鋼板５を複数枚作成する（鋼板作成工程）。なお、図２においては、１枚の金属板素材から１枚の鋼板５を打ち抜いた場合を図示しているが、１枚の金属板素材から複数枚の鋼板５を打ち抜いて作成しても良い。

図３に示すように、鋼板５の各貫孔７，７に、複数本の金属製丸棒状の位置決めピン３を、夫々、挿通させて、鋼板５を位置決めしつつ、鋼板５の厚み方向に、複数枚、積層状に配設する（鋼板積層工程）。
なお、複数枚の鋼板５，５を積層状に配設後に、丸棒状の位置決めピン３を貫孔７に挿通させて、位置決めを行っても良い。
ここで、積層状に配設する方向（積層方向）Ｎは、雄型１と雌型２がプレス加工の際に相互に接近離間する金型作動方向Ｙ（図１参照）に対して、直交する縦方向（長手方向）Ｎである。

図４に示すように、積層状に配設した複数枚の鋼板５，５に複数本の位置決めピン３，３が串刺し状に挿通している鋼板積層体６に、積層方向（位置決めピン軸心方向）Ｎに沿って溶接して溶接部４を形成し、この溶接部４にて鋼板５，５同士を固着一体化して、ブロック状に構成する（鋼板一体化工程）。この積層方向Ｎに沿った一直線状の溶接部４を、複数条（本）形成する。
また、位置決めピン３の端部と、鋼板積層体６の端面を形成する鋼板５と、を溶接して固着し、位置決めピン３の抜けを防止する抜け止め部10を形成する（抜け止め工程）。なお、鋼板一体化工程と抜け止め工程はどちらを先に行っても良い。

図５に示すように、鋼板積層体６に形成した複数の溶接部４，４の内、プレス製品を形成するための成形面11に設けた溶接部４（４Ａ）を、リュータやグラインダ等の研削工具（手動電動工具）で、成形面11に沿うように滑らかに、或いは、成形面11よりも僅かに凹むように研削して、図１に示すような雄型１に仕上げる（仕上げ工程）。なお、仕上げ工程において、プレス機の上盤や下盤からの押圧力を受ける押圧受け面に、溶接部４を形成した場合は、その溶接部４も研削する。
製作した雄型１は、積層状に配設される複数枚の鋼板５，５と、複数枚の鋼板５，５を串刺し状に挿通する複数本の位置決めピン３，３と、複数枚の鋼板５，５を一体化するための複数の溶接部４，４と、位置決めピン３の抜けを防止するための抜け止め部10と、を備えている。

図１に示すように、雌型２は、（雄型１と同様に、）積層状に配設される複数枚の鋼板５，５と、複数枚の鋼板５，５を串刺し状に挿通する複数本の位置決めピン３，３と、複数枚の鋼板５，５を一体化するための複数の溶接部４，４と、位置決めピン３の抜けを防止するための抜け止め部10と、を備えている。
製作方法は、雌型２の横断面形状が一定となるように設定する。図示省略するが、金属製板素材から製作すべき雌型２の横断面輪郭形状に打ち抜くと共に貫孔７を打ち抜いた鋼板５（雌型用鋼板５Ｂ）を、複数枚作成する。所定の同一形状に形成された複数枚の鋼板５が積層状に配設すると共に複数枚の鋼板５，５の各貫孔７，７に複数本の位置決めピン３，３が夫々挿通して鋼板５が位置決めされた鋼板積層体６を形成する。
そして、鋼板積層体６を溶接部４にて一体化すると共に抜け止め部10にて位置決めピン３の抜け（脱落）を防止して、ブロック状に構成し、成形面11の溶接部４（４Ａ）を研削して仕上げる。

また、鋼板５（雄型用鋼板５Ａ及び雌型用鋼板５Ｂ）は、厚さが１．６ｍｍ以上３．２ｍｍ以下のものが好ましい。下限値未満であるとプレス加工に耐え得る十分な強度が得られない虞れがあり、上限値を越えると、鋼板製作用プレス機を大型にする必要がある。

次に、図６に縦断面で示す他の実施形態は、雄型１及び雌型２の横断面形状を非一定（不定）に設けたものである。非同一形状に形成される（輪郭形状の異なる）複数種類の鋼板５を作成する。種類毎に同一形状となる鋼板５を複数枚形成する。そして、複数枚の鋼板５を所定の順番で積層状に配設して鋼板積層体６を形成して一体化し、ブロック状としたものである。他の構成は上述の実施形態と同様である。

さらに、図示省略するが、鋼板一体化工程において、金属用接着剤によって、鋼板５，５同士を接着させつつ積層状に配設し、複数枚の鋼板５を、相互に隣り合う鋼板５と鋼板５の間の接着層にて一体化して、ブロック状に構成しても良い。
また、図示省略するが、鋼板一体化工程において、積層状に配設した複数枚の鋼板５をプレス加工によって塑性変形させ、複数枚の鋼板５を、相互に隣り合う鋼板５，５同士の塑性変形嵌合部にて一体化して、ブロック状に構成しても好ましい。
さらに、位置決めピン３を、頭付きボルト部材とし、貫孔７を挿通した先端部にナット部材を螺着して、位置決めピン３をボルト・ナット結合により固着して抜け止めを行っても良い。或いは、位置決めピン３の両端部に雄ネジを形成し、両端部にナット部材を螺着し、ボルト・ナット結合によって固着して抜け止めを行うも良い。つまり、ボルト・ナット結合による抜け止め部10を有しているものである。

なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、溶接部４は、一直線状に限らず、破線状や、スポット状であっても良い。位置決めピン３は、２本以上であっても良い。雄型１及び雌型２の形状は、図示以外の形状も自由である。

以上のように、本発明に係るプレス用金型は、雄型１と雌型２の夫々が、所定形状に打ち抜かれた複数枚の鋼板５を、積層一体化して、ブロック状に構成されているので、金属ブロックから削り出しによって、或いは、複雑な切削機械加工部品の組み合わせによって、作成した従来の金型に比べて、容易かつ短時間で金型を作成できる。プレス成型品を加工するための金型を、低コストで迅速に作成でき、型製作費（型償却費）を大幅に低減できる。特に、多品種少量生産用のプレス成型品を（短い納期内で）製造するための金型として好適である。また、高性能な切削工作機や放電加工機等の高価な機械工作設備がなくてもプレス用金型を作成できる。

また、雄型１と雌型２の夫々が、所定形状に打ち抜かれた複数枚の鋼板５を積層状とし、複数枚の鋼板５に挿通される位置決めピン３を有し、かつ、複数枚の鋼板５を溶接部４にて一体化して、ブロック状に構成されているので、従来の金型に比べて、容易かつ短時間で金型を作成できる。プレス成型品を加工するための金型を、低コストで迅速に作成でき、型製作費（型償却費）を大幅に低減できる。特に、多品種少量生産用のプレス成型品を製造するための金型として好適である。また、高性能な切削工作機や放電加工機等の高価な機械工作設備がなくてもプレス用金型を作成できる。複数枚の鋼板５を正確かつスムーズに積層状に配設できる。接着剤や塑性加工による一体化に比べて迅速に固着（一体化）でき、金型製作期間を短縮できる。

また、雄型１と雌型２は、横断面形状が一定となるよう設定され、複数枚の鋼板５が、所定の同一形状に形成されているので、迅速に効率良く鋼板５を低コストで作成できる。雄型１及び雌型２でプレス加工を行う際に、応力集中が発生しにくく、鋼板５，５同士の剥がれや離間を防止でき、耐久性を向上できる。鋼板積層工程や鋼板一体化工程を容易かつ迅速に行うことができる。

１雄型
２雌型
３位置決めピン
４溶接部
５鋼板

Claims

雄型（１）と雌型（２）の夫々が、所定形状に打ち抜かれた複数枚の鋼板（５）を、積層一体化して、ブロック状に構成されていることを特徴とするプレス用金型。
雄型（１）と雌型（２）の夫々が、所定形状に打ち抜かれた複数枚の鋼板（５）を積層状とし、複数枚の該鋼板（５）に挿通される位置決めピン（３）を有し、かつ、複数枚の上記鋼板（５）を溶接部（４）にて一体化して、ブロック状に構成されていることを特徴とするプレス用金型。
上記雄型（１）と上記雌型（２）は、横断面形状が一定となるよう設定され、複数枚の上記鋼板（５）が、所定の同一形状に形成されている請求項１又は２記載のプレス用金型。