JP2002190714A - 電力増幅モジュール及び電力増幅モジュール用基板 - Google Patents
電力増幅モジュール及び電力増幅モジュール用基板Info
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Abstract
供する。 【解決手段】 マイクロ波帯を利用した通信機器の送信
部に用いられる電力増幅モジュールに係る。電力増幅部
21は、入力された信号を増幅して出力する。非可逆回
路部22は電力増幅部21の後段に備えられている。非
可逆回路部22の3つの中心導体Ls1〜Ls3は1つ
のキャパシタCp4を共有する。
Description
用した通信機器等において、主に、送信回路部に用いら
れる電力増幅モジュール及び電力増幅モジュール用基板
に関する。
信機器の普及によりマイクロ波帯の送信部に用いられる
電力増幅モジュールへの需要が高まっている。電力増幅
モジュールは移動体通信機器の1部品であり、近年、通
信機器、特に携帯電話の形状の小型化、高機能化と共
に、低電圧動作化、高効率化及び軽量化の要望が強くな
っている。
受信された信号は、ローノイズアンプ部へ伝達され、ロ
ーノイズアンプ部からミキサ部へ供給されて、変調さ
れ、更にIF部を経てベースバンド部へ送られる。ま
た、ベースバンド部で生成された送信信号は、ミキサ部
で変調され、電力増幅部回路へ伝えれ、電力増幅部回路
にて増幅された信号が、デュプレクサ(Duplexer)を経
て送信用アンテナヘ伝えられる。電力増幅部回路では、
ミキサ部から供給された信号を、必要な電力レベルまで
増幅する。電力増幅部回路から出力された信号は、非可
逆回路部へ供給される。
するものであって、電力増幅部回路から供給された信号
を、送信用アンテナ側へ伝達するが、送信用アンテナ側
から電力増幅部回路ヘ戻る信号をカットする。この非可
逆回路部の働きにより、出力側負荷インピーダンスの変
化等に起因する電力の反射、それによる信号品質劣化
(ノイズレベルの増加)、効率劣化、及び、電力増幅部
回路内部の回路の破壊等が回避される。
常、電力検出部を通過させ、その電力レベルが検出され
る。そして、電力制御部から電力増幅部回路に、送信さ
れる電力が常に一定となるように、自動電力制御(APC、
Auto Power Contro1)が加わる。このため、電力増幅部
回路からの出力信号が、必要以上に増加したり、必要以
下に減少したりすることなく、必要とされる電力レベル
に常に制御される。電力検出部を通過した信号は、ロー
パスフィルタにより、高次高調波成分が除去され、デュ
プレクサ(Duplexer)へ伝えられ、更に送信アンテナに
伝達される。
の基板上に実装され、電力増幅モジュールを構成する。
電力増幅モジュールを構成する基板の材料としては、一
般に、基板上に形成されるストリップラインの波長短縮
効果による形状小型化と、マイクロ波の伝送損失低減化
のため、高誘電率系、低誘電正接の材料が用いられる。
具体的には、BaO−TiO2−Nd2O3系セラミック
粉末を用いられている。基板は、このセラミック粉末を
用いた複数層、例えば6層を積層した構成となってい
る。
回路の入出力インピーダンス整合回路及び直流バイアス
回路に必要な受動素子は、この基板内に形成される。電
力増幅部回路は、通常、前段半導体素子、後段半導体素
子、及び段間インピーダンス整合回路を含み、これらを
1パッケージ化したMMIC(Microwave MonolithicI
C)の形態をとる。
回路、出力インピーダンス整合回路、及び、50Ωの終
端抵抗とともに、1パッケージ化したものが用いられて
いる。非可逆回路部は、例えばYIG(イットリウム/
鉄/ガーネット)から構成されるフェリ磁性体と、フェ
リ磁性体によって支持されている3つの中心導体と、フ
ェリ磁性体に直流磁界を印加するマグネットと、インピ
ーダンス整合回路を形成するための誘電体基板と、上シ
ールドケースと、下シールドケースと、端子基板とから
構成される。
27003号公報等に開示されているように、3つの中
心導体のそれぞれの端子に個別に接地容量を接続し、3
つの中心導体のそれぞれと、個別に接続された接地容量
とにより、3つの共振回路を構成させてある。
信機器の小型化が進むにつれ、その構成部品の1つであ
る電力増幅モジュールの形状の小型化、及び、薄型化も
当然に要求される。小型化及び薄型化の要請に対して、
基板の多層化、基板材料として高誘電率系及び低誘電正
接の材料の利用、MMICの利用等の工夫が図られてい
る。更に、基板にキャビティを設けて、キャビティ内に
MMICや非可逆回路部を配置し、薄型化を図る等の手
段も採られている。
非可逆回路部の3つの中心導体のそれぞれの端子に個別
に接続される3つのキャパシタ(接地容量)を備える必
要がある。これらの3つのキャパシタは、基板を利用し
て構成されるが、薄型化を目的として、基板にキャビテ
ィを形成した場合、3つのキャパシタを形成するための
平面積が減少する。この平面積減少を補うためには、基
板の平面積を増やす他はない。即ち、非可逆回路部の3
つの中心導体のそれぞれの端子に、キャパシタ(接地容
量)を個別に接続する従来構造では、薄型化のためにキ
ャビティを設けたことが、平面積縮小による小型化を妨
げる結果となっていた。
増幅モジュール、及び、その製造に適した電力増幅モジ
ュール用基板を提供することである。
ため、本発明に係る電力増幅モジュールは、電力増幅部
と、非可逆回路部とを含む。前記電力増幅部は、入力さ
れた信号を増幅して出力する。
の中心導体とを組み合わせた組立体を含み、前記電力増
幅部の後段に備えられる。前記3つの中心導体は、1つ
のキャパシタを共有する。
ジュールにおいて、非可逆回路部は、フェリ磁性体と3
つの中心導体とを組み合わせた組立体を含んでいるか
ら、3つの中心導体の内の2つを入出力用として用い、
残りの1つに、終端抵抗を接続し、フェリ磁性体に直流
磁界を印加させることにより、アイソレータとして動作
させることができる。
する電力増幅部の後段に備えられているから、電力増幅
部から供給された信号を、非可逆回路部を通して、送信
用アンテナ側へ伝達するとともに、送信用アンテナ側か
ら電力増幅部ヘ戻る信号を、非可逆回路部によってカッ
トすることができる。この非可逆回路部の働きにより、
出力側負荷インピーダンスの変化等に起因する電力の反
射、それによる信号品質劣化、効率劣化、及び、電力増
幅部内部の回路の破壊等が回避される。
導体は、1つのキャパシタを共有するから、従来、3つ
必要であったキャパシタが1個で済む。このため、小型
化が可能になる。薄型化のために、基板にMMICまた
は非可逆回路部を配置するキャビティを設けた場合も、
キャパシタの一個分の平面積を考慮するだけでよい。こ
のため、薄型化と、小型化とを同時に達成できる。
電体層を含んでおり、キャパシタは誘電体層の1つを容
量層とする。この構成は、小型化に適している。
を含んでおり、前記非可逆回路部を構成するフェリ磁性
体と3つの中心導体とを組み合わせた組立体が、前記キ
ャビティ内に配置されている。この構成によれば、薄型
化を達成することが可能になる。
体層を配置する。前記キャパシタは、前記キャビティの
下側に位置する前記誘電体層を容量層とする。この構成
によれば、従来は、使用されていなかったキャビティ下
側の層を、非可逆回路部のキャパシタのための容量層と
して利用し、平面形状の小型化を達成することができ
る。
る基板は、好ましくは、有機樹脂材料と、セラミック粉
末との混合材料でなるハイブリッド層を含む。電力増幅
部及び非可逆回路部は基板に搭載される。このような基
板は、セラミック基板と比較して、曲げ強度が大きく、
破損、割れ等を生じにくい。
の高い誘電体セラミック粉末を選択し、有機樹脂基板に
比較して、優れた電気的特性を確保することができる。
(W−CDMA対応)における高周波回路部の構成を示
すブロック図である。受信アンテナANT2で受信され
た信号は、ローノイズアンプ部AMPへ伝達され、ミキ
サ部MIXRで変調され、更にIF部を経由してベース
バンド部BSBへ送られる。
送信信号は、ミキサ部MIXTで変調される。ミキサ部
MIXTによる変調は、フェーズロックループPLLか
らミキサ部MIXTに供給される信号に基づいて行われ
る。送信信号は、ミキサ部MIXTで変調された後、電
力増幅部回路部PWAへ供給される。電力増幅部回路部
PWAは、送信用アンテナANT1から出力される送信
信号を、受信者に届く電力になるまで増幅する役割を担
う。電力増幅部回路部PWAにて増幅された信号は、デ
ュプレクサDUPを経て送信用アンテナANT1ヘ伝え
られ、送信用アンテナANT1から空中に放射される。
すブロック図である。図示された電力増幅部回路部PW
Aは、バンドパスフィルタ1、電力増幅モジュール2、
電力検出部3及びローパスフィルタ4を含んでいる。ミ
キサ部MIXTから電力増幅部回路部PWAへ供給され
た変調信号は、バンドパスフィルタ1により、必要な周
波数成分のみが抽出され、電力増幅部21ヘ伝えられ
る。バンドパスフィルタ1を通過した信号は、電力増幅
モジュール2に供給される。
と、非可逆回路部22と、出力インピーダンス整合回路
23とを含む。電力増幅モジュール2では、バンドパス
フィルタ1を通過した信号を、電力増幅部21により増
幅する。電力増幅部21から出力された信号は、非可逆
回路部22へ供給される。
し、電力増幅部21から供給された信号を送信用アンテ
ナANT1側へは伝達するが、送信用アンテナANT1
側から電力増幅部21ヘ戻る信号をカットする。非可逆
回路部22がないと、動作環境等に起因して出力側負荷
インピーダンスが変化した場合、電力増幅部21で増幅
された電力が反射され、電力増幅部21ヘ戻り、電力増
幅部21から出力される信号の品質劣化(ノイズレベル
の増加)、効率劣化、電力増幅部21の内部回路の破壊
等を招く。非可逆回路部22は、このような反射による
不具合を防止するために備えられている。
出力インピーダンス整合回路23を経て、電力検出部3
に供給される。そして、電力検出部3を通過するとき、
信号の電力レペルが検出される。電力検出信号は、電力
制御部5に供給される。電力制御部5は電力検出部3か
ら供給される電力検出信号に基づき、電力増幅部21に
APC制御を加え、出力電力を一定化する。
フィルタ4により、高次高調波成分が除去され、デュプ
レクサDUPへ伝えられ、更に、送信用アンテナANT
1に伝達される。そして、送信用アンテナANT1か
ら、空中へ信号が放射される。
のもであり、電力増幅部21に要求される主な特性は以
下のとおりである。
の中心周波数から5.0MHz、または、10.0MH
z離れた周波数におけるノイズレベルを、中心周波数の
電力レベルに対する相対比で表した値である。電力付加
効率(PAE)とは、出力電力と消費電力との割合をパ
ーセントで表示したもので、高いほど好ましい。
ダンスZIoが50Ωの場合に、上記特性が得られるよ
うに設計される。実際には、50Ωの状態が定常的に持
続することはなく、アンテナの角度や、温度条件などに
より30〜70Ω程度は充分に変化しえる。
ーダンスの変化により、反射電力が直接、電力増幅部2
1の出力に供給されることとなるので、本来出力される
電力増幅部21の電力が上記特性を満たしていても、負
荷側(アンテナ側)へ伝達される信号の品質は劣化す
る。
幅部21の出力負荷インピーダンスZIo=50Ωの場
合と、Zlo=30Ωの場合において、下記動作条件に
おけるPAE値及びACPR値を示す。
は、出力負荷インピーダンスZIoの変化により、特性
の劣化が顕著に見られる。これに対し、非可逆回路部2
2を接続した場合、非可逆回路部22の出力側のインピ
ーダンスは変化するが、反射してくる電力は、すべて非
可逆回路部22により吸収される。非可逆回路部22の
入力インピーダンスは、通常、45〜55Ωのインピー
ダンスに整合されているため、電力増幅部21からの出
力信号は、負荷側からの反射電力により、乱されること
がない。
を示している。図示実施例において、電力増幅部21
は、入力インピーダンス整合回路211、前段の電力増
幅用半導体素子212、後段の電力増幅用半導体素子2
14、インピーダンス整合回路215及び直流バイアス
回路216を含んでいる。
えばHBT(ヘテロジャンクション・バイポーラ・トラ
ンジスタ)やFET(電界効果型トランジスタ)から構
成される。
給される直流電圧Vd、及び、Vg端子に供給される信
号Vgに基づき、電力増幅用半導体素子212に直流バ
イアスを印加する。
されたPin端子から、入力インピーダンス整合回路2
11を経て、電力増幅用半導体素子212に供給された
信号は、半導体素子212によって電力増幅される。半
導体素子212によって電力増幅された信号は、電力増
幅用半導体素子214に供給され、電力増幅作用を受け
る。
増幅を受けた信号は、インピーダンス整合回路215を
経て、非可逆回路部22に供給される。インピーダンス
整合回路215は、MMIC20の出力インピーダンス
を非可逆回路部22の入力インピーダンス(10〜30
Ω)に変換する。
のインピーダンス整合は、電力増幅部21に備えられた
インピーダンス整合回路215によって行われる。この
ため、電力増幅部回路の出力インピーダンス整合回路
と、非可逆回路部の入力インピーダンス整合回路の2つ
のインピーダンス整合回路を備える場合よりも、電力増
幅部回路と非可逆回路部との間に備えられるべきインピ
ーダンス整合回路数が半減し、より一層の小型化が達成
できるようになる。
て、電力増幅用半導体素子212及び電力増幅用半導体
素子214は、1パッケージ化されたMMIC(Microw
aveMonolithic IC)20を構成する。MMIC20の出
力インピーダンスは、インピーダンス整合回路215及
び非可逆回路部22によって、負荷インピーダンスであ
る50Ωに変換される。
in端子からバンドパスフィルタ1(図2参照)の側を
見たときのインピーダンス50Ωを、MMIC20の入
力インピーダンスに整合させるもので、インダクタL1
及びキャパシタC1、C2を含むLC回路より構成され
る。Pin端子に供給された信号は、理想的には、無反
射にてMMIC20に入力される。
C20を構成する電力増幅用半導体半導体素子212及
び電力増幅用半導体素子214により、所望の電力まで
増幅される。
ーダンス整合回路215は、インダクタL2及びキャパ
シタC3のL型回路と、キャパシタC4、インダクタL
3及びキャパシタC5のπ型回路と、直流阻止用キャパ
シタC6とを含んでいる。
非可逆回路部22はフェリ磁性体(YIG)と120度
の角度で交差する3つの中心導体Ls1〜Ls3と、マ
グネットとを有する。マグネットにより、フェリ磁性体
に直流磁界Hdcを印加する。電力増幅部21から、端
子T1に供給された信号は、端子T2にのみ伝送され
る。出力端子T2に戻る反射電力等は、端子T3にのみ
伝送される。端子T3には、50Ωの終端抵抗R1が接
続されており、反射電力はこの抵抗R1によって吸収さ
れる。
のものを用いることができる。その一例を図5に示す。
図5に図示された非可逆回路素子は、フェリ磁性体YI
Gと中心導体Ls1〜Ls3とを組み合わせた組立体6
5、及び、マグネット66を含んでいる。
120度の角度で交差する3つの中心導体Ls1〜Ls
3が、1つのキャパシタCp4を共有する。この点は、
端子T1〜T3のそれぞれと、接地との間に、それぞれ
キャパシタを有する従来の非可逆回路部との対比におい
て、際立った構成上の特徴点である。
3つ必要であったキャパシタが、1個のキャパシタCp
4で済む。このため、小型化が可能になる。
その磁気結合により、端子T3にも伝達されるが、端子
T3には50Ωの終端抵抗R1が接続されているため、
反射することなく、終端抵抗R1で消費される。このた
め、非可逆回路部22の出力側からその入力側へ信号が
伝達することはなく、非可逆回路部22の入力から非可
逆回路部22の出力の方向にしか信号は伝達しない。
導体素子212、214を動作させるための直流バイア
スを印加し、かつ、増幅電力を外部に漏洩させるのを防
ぐ役割をもつ。従って、直流バイアス回路216に含ま
れるインダクタL5、L6には、電力増幅用半導体素子
212、214で増幅された信号をVd端子へ漏洩させ
ないよう、理想的にはインピーダンスを無限大にするこ
とが求められる。このため、インダクタL5、L6は、
波長λに関して、(λ/4)長パターン、または、(λ
/4)長パターンに相当するインピーダンスを持つイン
ダクタ素子により構成される。
層構成の一例を示す部分断面図である。図示された電力
増幅モジュールは、基板7と、MMIC20と、非可逆
回路部22とを含んでいる。MMIC20は、既に述べ
たように、電力増幅用半導体素子212、段間インピー
ダンス整合回路213及び電力増幅用半導体素子214
を含んでいる(図2、3参照)。
つの層を積層した構造となっている。第1の層71〜第
4の層74には、キャビティ82が設けてあって、キャ
ビティ82の内部に非可逆回路部22の一部である組立
体65が配置されている。この組立体65は、図5に図
示したように、フェリ磁性体(YIG)と、3つの中心
導体Ls1〜Ls3とを組み合わせたものである。図示
はされていないが、MMIC20もキャビティ内に挿入
することができる。
7のパターンを示す図である。図7は、基板1の最上層
を構成する第1の層71を表面からみた平面図である。
第1の層71には、キャビティ82が形成してあって、
キャビティ82の内部に非可逆回路部22の組立体65
が配置されている。キャビティ82を取り囲む第1の層
71の表面には、入力インピーダンス整合回路211の
インダクタL1を構成する導体パターン、及び、キャパ
シタC2が備えられている。また、直流バイアス回路2
16のキャパシタC7〜C9、インピーダンス回路21
5のキャパシタC3、C4を構成する導体パターン、及
び、インダクタL2、L3を構成する導体パターン、並
びに、非可逆回路部22の端子T3に接続される終端抵
抗R1が備えられている。
2の表面を示す平面図である。第2の層72には、非可
逆回路部22の組立体65を配置するキャビティ82が
形成されている。キャビティ82の周辺にはグランドパ
ターンGND1が形成されている。
3の表面を示す平面図である。第3の層73には、非可
逆回路部22の組立体65を配置するキャビティ82が
形成されている。キャビティ82の周辺には、入力イン
ピーダンス整合回路211のキャパシタC1を構成する
導体パターンと、インピーダンス回路215のキャパシ
タC5を構成する導体パターンが形成されている。これ
らの導体パターンC1、C5と、第2の層72に形成さ
れたグランドパターンGND1とにより、第2の層72
を容量層とするキャパシタC1、C5が得られる。
74の表面を示す平面図である。第4の層74には、非
可逆回路部22の組立体65を配置するキャビティ82
が形成されている。キャビティ82の周辺にはグランド
パターンGND2が形成されている。第2の層72に形
成されたグランパターンGND2と、第3の層73に形
成された導体パターンC1、C5により、追加的なキャ
パシタC1、C5が得られる。
75の表面を示す平面図である。第5の層75には、直
流バイアス回路216のインダクタL5及びL6を構成
するストリップラインが形成されている。インダクタL
5、L6の他端は互いに接続され、Vd端子(図7参
照)に導かれる。第5の層75の表面には、更に、非可
逆回路部22の3つの中心導体Ls1〜Ls3によって
共有されるキャパシタCp4を構成する導体パターンC
p41が形成されている。導体パターンCp41は、キ
ャビティ82の真下に設けられている。従って、キャビ
ティ82の内部に非可逆回路部22の組立体65を挿入
した場合、組立体65に含まれるフェリ磁性体の表面が
導体パターンCp41に接触する。
76の表面を示す平面図である。第6の層76の表面に
は、第5の層75の表面に形成された導体パターンCp
41と対向するグランドパターンGND3が形成されて
いる。従って、第5の層75を誘電体層として、導体パ
ターンCp41とグランドパターンGND3との重なり
面積によるキャパシタCp4が取得される。
77の表面を示す平面図である。第7の層77の表面に
は、導体パターンCp42が形成されている。従って、
第6の層76を誘電体層として、導体パターンCp41
とグランドパターンGND3との重なり面積によるキャ
パシタCp4が取得される。
7の層77の裏面には、導体パターンCp42と対向す
るグランドパターンGND4が形成されている。従っ
て、第7の層77を誘電体層として、導体パターンCp
42とグランドパターンGND4との重なり面積による
キャパシタCp4が取得される。
77において、キャパシタを形成する層、マイクロスト
リップラインまたはストリップラインを形成する層で
は、高誘電率系、低誘電正接の材料を用いる。このよう
な材料を用いることにより、波長短縮効果による形状小
型化、マイクロ波伝送損失低減化に供することができ
る。また、インダクタ形成層では、低誘電率、低誘電正
接の材料を用いる。これにより、インダクタ形成層の薄
型化が可能になる。
は、有機樹脂材料と、誘電体粉末とを含有する混合材料
よりなるハイブリッド層とする。ハイブリッド層の比誘
電率及び誘電正接は、有機樹脂材料の選択、誘電体粉末
材料の選択、及び、両者の混合比の選択等によって調整
できるから、第1の層71〜第7の層77に要求される
比誘電率及び誘電正接を、容易に実現できる。
誘電体粉末は、比誘電率が5〜1000の範囲にあり、
誘電正接が0.00002〜0.01の範囲にあるセラ
ミック材料から選択することができる。具体例として
は、チタン−バリウム−ネオジウム系セラミックス、チ
タン−バリウム−スズ系セラミックス等を挙げることが
できる。
着性、及び電気特性に優れた材料の中から、適宜選択し
て用いることができる。有機樹脂材料の含有量は40〜
60vol%の範囲であることが好ましい。有機樹脂材
料の具体例としては、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂
等を挙げることができる。更に具体的には、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、低誘電率エポキシ樹脂、ポリブタ
ジエン樹脂、BTレジン等を挙げることができる。これ
らの樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合し
て用いてもよい。2種以上を混合して用いる場合、混合
比は任意である。
樹脂またはポリビニルベンジルエーテル化合物である。
図7〜図14に示した第1の層71〜第7の層77の積
層構造において、第1の層71〜第3の層73、第5の
層75〜第7の層77は、キャパシタ形成層であり、高
誘電率、低誘電正接であることが好ましい。そこで、こ
れらの層を構成する有機樹脂材料として、エポキシ樹脂
またはポリビニルベンジルエーテル化合物を用いる。エ
ポキシ樹脂またはポリビニルベンジルエーテル化合物と
しては、比誘電率が2.5〜3.5の範囲にあり、誘電
正接が0.0025〜0.005の範囲にあるものを用
いることが好ましい。
ベンジルエーテル化合物の含有率をa(vol%)と
し、セラミック粉末の含有率をb(vol%)としたと
き、a+b=100(vol%)として、40(vol
%)≦b≦60(vol%)を満たすように混合する。
この混合材料によれば、比誘電率7〜14、誘電正接
0.01〜0.002を実現することができる。
段として、有機樹脂材料と誘電体粉末とを含む混合物
に、ガラスクロスを埋設してもよい。ガラスクロス材料
は、SiO2を主成分とするもので、基板7の骨格を形
成する役割を担う。利用できるガラスクロスの組成例を
下に示す。
てもよい。難燃剤の具体例としては、テトラプロモジフ
ェノールA変形またはポリビニルベンジルエーテル化合
物を挙げることができる。ガラスクロスを用いた基板材
料の特性例を、以下に示す。
>エポキシ樹脂またはポリビニルベンジルエーテル化合
物の含有率をa(vol%)とし、BaO−Ti02−
Nd203系セラミックスの含有率をb(vol%)と
し、ガラスクロスの含有率をc(vol%)とし、難燃
剤の含有率をd(vol%)として、 a:b:c:d=30:45:20:5 とした例では、比誘電率=9、誘電正接=0.003と
なった。また、 a:b:c:d=25:50:20:5 とした例では、比誘電率=12、誘電正接=0.003
となった。
誘電率、低誘電正接の材料を用いる。好ましくは、比誘
電率は2.5〜3.5の範囲、誘電正接は0.006〜
0.003の範囲とする。その好ましい材料はエポキシ
樹脂またはポリビニルベンジルエーテル化合物である。
ク粉末の混合材料、または、これとガラスクロスとの組
み合わせでなるから、従来の電力増幅モジュールの基板
に見られた曲げ強度の弱さを改善できる。
小型化について、従来の電力増幅モジュールを参照して
説明する。図15は従来の電力増幅モジュールの構成を
概略的に示す図、図16は図15に図示された電力増幅
モジュールに用いられている非可逆回路部22の回路構
成を示す図である。図において、図4、図6に現れた構
成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を
付してある。図15、16に図示する電力増幅モジュー
ルでは、非可逆回路部22の3つの中心導体Ls1〜L
s3のそれぞれの端子に、接地容量となる3つのキャパ
シタCp1、Cp2及びCp3を備える(図16参
照)。
及びCp3は、基板7を利用して構成されるが、薄型化
を目的として、基板7にキャビティ82を形成した場
合、3つのキャパシタCp1、Cp2及びCp3を形成
するための平面積が減少する。この平面積減少を補うた
めには、基板7の平面積を増やす他はない。具体的に
は、基板7の平面積を増大させ、第2の層72及び第3
の層73を容量として、非可逆回路部22の周辺におい
て、キャパシタCp1、Cp2及びCp3を形成する。
このため、3つの中心導体Ls1〜Ls3のそれぞれの
端子に、キャパシタCp1、Cp2及びCp3を個別に
接続した従来構造では、薄型化のためにキャビティ82
を設けたことが、基板7の平面積縮小による小型化を妨
げる。
つ必要であったキャパシタが、1個のキャパシタCp4
で済む。このため、小型化が可能になる。
したように、第5の層75の表面に導体パターンCp4
1を形成し、第7の層77の表面に導体パターンCp4
2を形成し、第5の層75〜第7の層77を誘電体層と
し、導体パターンCp41とグランドパターンGND3
との重なり面積、及び、導体パターンCp42とグラン
ドパターンGND3及びGD4との重なり面積によるキ
ャパシタCp4を取得する構造の場合は、図15、16
の従来構造において、利用されていなかった非可逆回路
部22の真下の領域を有効に利用し、小型化に供するこ
とができる。
構造の場合、基板7の寸法限界は 横×縦×高さ=10.0×6.0×2.0mm であったが、図6〜14に示した実施例の場合、基板7
の寸法を、 横×縦×高さ=80.0×6.0×2.0mm まで縮小することができた。
用基板の一例を示す平面図である。図示された電力増幅
モジュール用基板は、大判の基板700を共通にして、
複数(8個)の電力増幅モジュール要素Q11〜Q1
4、Q21〜Q24を集合した集合体となっている。電
力増幅モジュール要素Q11〜Q14、Q21〜Q24
のそれぞれは、MMIC、アイソレータ及び各種チップ
部品が搭載されていない点を除く他、図6〜図15に示
した構成と同じである。電力増幅モジュール要素数は任
意である。
増幅モジュールを製造するには、まず、図18に示すよ
うに、電力増幅モジュール要素Q11〜Q14、Q21
〜Q24のそれぞれに、MMIC20、アイソレータ2
2、及び必要なチップ部品を実装する。
ュール要素Q11〜Q14の群と、電力増幅モジュール
要素Q21〜Q24の群との間に設定された切断線X1
で1次切断し、電力増幅モジュール要素Q11〜Q14
の群と、電力増幅モジュール要素Q21〜Q24の群と
をそれぞれ含むバー状の集合体を得る。
ュール要素Q11〜Q14の群、及び、電力増幅モジュ
ール要素Q21〜Q24の群のそれぞれにおいて、電力
増幅モジュール要素間の切断線Y1ーY1線で切断する
ことにより、図6〜図15に示した電力増幅モジュール
が得られる。切断には、ダイシングソーが用いられる。
型、かつ、薄型の電力増幅モジュール、及び、この電力
増幅モジュールを得るのに適した基板を提供することが
できる。
デジタル移動体通信機器(W−CDMA対応)おける高
周波回路部の構成を示すブロック図である。
電力増幅部回路部PWAの詳細を示すブロック図であ
る。
路構成を示す回路図である。
逆回路部の回路図である。
可逆回路部の具体的な構造を示す分解斜視図である。
の一例を示す部分断面図である。
1の層を表面からみた平面図である。
1の層と隣接する第2の層の表面を示す平面図である。
2の層と隣接する第3の層の表面を示す平面図である。
第3の層と隣接する第4の層の表面を示す平面図であ
る。
第4の層と隣接する第5の層の表面を示す平面図であ
る。
第5の層と隣接する第6の層の表面を示す平面図であ
る。
第6の層と隣接する第7の層の表面を示す平面図であ
る。
第6の層と隣接する第7の層の裏面を示す平面図であ
る。
図である。
用いられている非可逆回路部の電気的回路図である。
例を示す平面図である。
用いた電力増幅モジュールの製造方法を示す図である。
る。
る。
Claims (21)
- 【請求項1】 電力増幅部と、非可逆回路部とを含む電
力増幅モジュールであって、 前記電力増幅部は、入力された信号を増幅して出力し、 前記非可逆回路部は、フェリ磁性体と3つの中心導体と
を組み合わせた組立体を含み、前記電力増幅部の後段に
備えられ、前記3つの中心導体は、1つのキャパシタを
共有する電力増幅モジュール。 - 【請求項2】 請求項1に記載された電力増幅モジュー
ルであって、 基板を含んでおり、前記基板は前記電力増幅部及び前記
非可逆回路部を支持しており、 前記基板は、少なくとも1つの誘電体層を含んでおり、
前記キャパシタは前記誘電体層の1つを容量層とする電
力増幅モジュール。 - 【請求項3】 請求項2に記載された電力増幅モジュー
ルであって、 前記基板は、キャビティを含んでおり、 前記非可逆回路部の前記組立体が前記キャビティ内に配
置されており、 前記誘電体層は、前記キャビティの下側に位置してお
り、 前記キャパシタは、前記キャビティの下側に位置する前
記誘電体層を容量層とする電力増幅モジュール。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載された電
力増幅モジュールであって、 前記基板は、少なくとも1つのハイブリッド層と、導体
層とを含んでおり、 前記ハイブリッド層は、有機樹脂材料と、誘電体粉末と
を含む混合材料でなり、 前記導体層は、前記ハイブリッド層によって支持され、
電気回路を構成する電力増幅モジュール。 - 【請求項5】 請求項4に記載された電力増幅モジュー
ルであって、前記ハイブリッド層は、前記誘電体層を構
成する電力増幅モジュール。 - 【請求項6】 請求項4または5の何れかに記載された
電力増幅モジュールであって、ハイブリッド層は、比誘
電率が7〜14の範囲にあり、誘電正接が0.01〜
0.002の範囲にある電力増幅モジュール。 - 【請求項7】 請求項6に記載された電力増幅モジュー
ルであって、前記有機樹脂材料の含有量は40〜60v
ol%の範囲である電力増幅モジュール。 - 【請求項8】 請求項6に記載された電力増幅モジュー
ルであって、前記有機樹脂材料は、ポリビニルベンジル
エーテル化合物を含む電力増幅モジュール。 - 【請求項9】 請求項6に記載された電力増幅モジュー
ルであって、前記有機樹脂材料は、エポキシ樹脂を含む
電力増幅モジュール。 - 【請求項10】 請求項8または9の何れかに記載され
た電力増幅モジュールであって、 前記誘電体粉末は、セラミック粉末であり、 前記有機樹脂材料の含有率をa(vol%)とし、セラ
ミックス粉末含有率をb(vol%)としたとき、a+
b=100(vol%)として、 40(vol%)≦b≦60(vol%) を満たす電力増幅モジュール。 - 【請求項11】 請求項2乃至10の何れかに記載され
た電力増幅モジュールであって、前記基板はガラスクロ
ス材を含む電力増幅モジュール。 - 【請求項12】 請求項2乃至11の何れかに記載され
た電力増幅モジュールであって、前記基板は難燃材を含
む電力増幅モジュール。 - 【請求項13】少なくとも1つのハイブリッド層と、導
体層と、キャビティとを含む電力増幅モジュール用基板
であって、 前記ハイブリッド層は、有機樹脂材料と、誘電体粉末と
を含む混合材料でなり、 前記導体層は、前記ハイブリッド層によって支持され、
電気回路を構成し、 前記キャビティは、基板面に開口している電力増幅モジ
ュール用基板。 - 【請求項14】 請求項13に記載された電力増幅モジ
ュール用基板であって、複数の電力増幅モジュール要素
を配列した集合体である電力増幅モジュール用基板。 - 【請求項15】 請求項13または14の何れかに記載
された電力増幅モジュール用基板であって、前記ハイブ
リッド層は、比誘電率が7〜14の範囲にあり、誘電正
接が0.01〜0.002の範囲にある電力増幅モジュ
ール用基板。 - 【請求項16】 請求項15に記載された電力増幅モジ
ュール用基板であって、前記有機樹脂材料の含有量は4
0〜60vol%の範囲である電力増幅モジュール用基
板。 - 【請求項17】 請求項16に記載された電力増幅モジ
ュール用基板。であって、前記有機樹脂材料は、ポリビ
ニルベンジルエーテル化合物を含む電力増幅モジュール
用基板。 - 【請求項18】 請求項16に記載された電力増幅モジ
ュール用基板であって、前記有機樹脂材料は、エポキシ
樹脂を含む電力増幅モジュール用基板。 - 【請求項19】 請求項17または18の何れかに記載
された電力増幅モジュール用基板であって、 前記誘電体粉末は、セラミック粉末であり、 前記有機樹脂材料の含有率をa(vol%)とし、セラ
ミックス粉末含有率をb(vol%)としたとき、a+
b=100(vol%)として、 40(vol%)≦b≦60(vol%) を満たす電力増幅モジュール用基板。 - 【請求項20】 請求項13乃至19の何れかに記載さ
れた電力増幅モジュール用基板であって、ガラスクロス
材を含む電力増幅モジュール用基板。 - 【請求項21】 請求項13乃至20の何れかに記載さ
れた電力増幅モジュール用基板であって、難燃材を含む
電力増幅モジュール用基板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001309547A JP2002190714A (ja) | 2000-10-12 | 2001-10-05 | 電力増幅モジュール及び電力増幅モジュール用基板 |
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JP2000312577 | 2000-10-12 | ||
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JP2004093617A Division JP2004282087A (ja) | 2000-10-12 | 2004-03-26 | 電力増幅モジュール用基板 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005093948A1 (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-06 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | 増幅器 |
JP2009027630A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Mitsubishi Electric Corp | 高周波電力増幅器 |
-
2001
- 2001-10-05 JP JP2001309547A patent/JP2002190714A/ja active Pending
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WO2005093948A1 (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-06 | Hitachi Kokusai Electric Inc. | 増幅器 |
JP2009027630A (ja) * | 2007-07-23 | 2009-02-05 | Mitsubishi Electric Corp | 高周波電力増幅器 |
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