JP2002190620A - 窒化物半導体発光ダイオード - Google Patents

窒化物半導体発光ダイオード

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JP2002190620A
JP2002190620A JP2000386324A JP2000386324A JP2002190620A JP 2002190620 A JP2002190620 A JP 2002190620A JP 2000386324 A JP2000386324 A JP 2000386324A JP 2000386324 A JP2000386324 A JP 2000386324A JP 2002190620 A JP2002190620 A JP 2002190620A
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JP
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substrate
type electrode
led
nitride semiconductor
light
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JP2000386324A
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Toshio Nishida
敏夫 西田
Naoki Kobayashi
小林  直樹
Hisao Saito
久夫 斎藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶性、熱伝導性に優れ、LEDの出射光に対
して透明性を有するSiCまたはGaN等の半導体基板
を用いた窒化物半導体LEDにおいて、基板側に出射し
た光を効率良く反射させ、LEDの光取り出し効率を向
上させる。 【解決手段】半導体基板3上に設けた窒化物半導体LE
D構造4を有し、光取り出し側のp型電極5の直下の部
分の、光取り出し側と反対側の基板3裏面を、透明絶縁
層1と金属層のn型電極2との積層構造により被覆した
窒化物半導体LED。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上に設
けた窒化物半導体からなる発光層を有する窒化物半導体
発光ダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発光ダイオード(Light Emitting
Diode。以下、LEDと称する。)のうち、窒化物半導
体からなるLEDは、これまで主としてサファイア基板
上に形成されてきた。
【0003】しかしながら、サファイア基板上では、高
温において窒化物からなる厚さ4μm程度以上の厚いバ
ッファ層を形成し、低温において結晶核を形成する場合
でも、転位密度が10〜1010cm−2という高い
密度の転位が発光層に存在するため、LEDの特性を向
上することは困難であった。
【0004】これに対して、SiC(炭化珪素)基板上
に窒化物半導体層を形成する場合は、結晶格子の不一致
(すなわち、格子不整合)が3.4%と、サファイア基
板上に窒化物半導体層を形成した場合の約13%に比較
して大変小さく、また、窒化物半導体層の主な成長方向
である6方晶のc軸方向に垂直な面において極性面を有
し、窒化物半導体層の成長初期における表面改質の不完
全性が無いことから、極めて薄い、言い換えれば極めて
高いスループットでより高品質な窒化物半導体層による
素子作製が可能となっている。例えば、短い成長時間で
厚さ0.5μm程度の薄いバッファ層を形成する場合で
も、転位密度が10cm−2程度と、高品質な成長が
可能である。
【0005】さらに、近年開発の進んでいるGaN(窒
化ガリウム)基板を用いると、一層良好な結晶品質が得
られるとともに、SiC基板で問題となる基板と窒化物
半導体層との熱膨張率差が生じないために、素子化の自
由度が著しく改善される。
【0006】これら、SiC並びにGaN基板において
は、サファイア基板と異なり、不純物のドーピングを施
すことにより、基板に導電性を与えることができること
から、LEDの一方の電極を基板の裏面に形成すること
ができるという特徴がある。
【0007】また、これらの基板はサファイア基板と比
較して熱伝導率が高く、青色LEDで問題となるモール
ド樹脂の劣化を抑制できる可能性がある。
【0008】さらに、これらの基板では、不純物濃度を
必要最低限にしたり、基板を研磨したり、GaNまたは
4H−SiC基板を用いるなどにより、窒化物半導体L
EDにおいて重要な青色発光に対し、比較的透明な基板
とすることが可能となる。したがって、発光層から基板
側に出射された光を反射させて取り出す可能性が生じ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は、基板の裏面から電極を取るために、オーミック性に
優れた金属、例えばTi(チタン)等を基板裏面に蒸着
すると、半導体基板とオーミック金属との界面に生じる
準位により光吸収層が形成されてしまう。このため、発
光層から基板側に放出された光は、この界面で吸収さ
れ、外部に取り出すことができないという課題があっ
た。
【0010】本発明の目的は、結晶性、熱伝導性に優
れ、LEDの出射光に対して透明性を有するSiCまた
はGaN等の半導体基板を用いた窒化物半導体LEDに
おいて、基板側に出射した光を効率良く反射させ、LE
Dの光取り出し効率を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、半導体基板上に設けた窒化物半導体から
なる発光層を有する窒化物半導体LEDにおいて、光取
り出し側の少なくとも電極直下の部分の、前記光取り出
し側と反対側の前記基板裏面を、透明絶縁層と金属層と
の積層構造により被覆したことを特徴とする。
【0012】また、前記基板として窒化ガリウム基板ま
たは炭化珪素基板を用いることを特徴とする。
【0013】本発明では、基板裏面を透明絶縁層と金属
層(基板裏面側電極)との積層構造で被覆することによ
り、従来、半導体基板と基板裏面側電極との間で生じた
光吸収を低減することができ、LEDの光取り出し効率
を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する
図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。
【0015】実施の形態1 図1は、本発明の実施の形態1のLEDの構造を示す側
面図である。
【0016】3はn型SiCからなる半導体基板、4は
窒化物半導体からなるLED構造、5は厚さ10nmの
ニッケルまたはニッケルが酸化したほぼ透明または半透
明オーミックp型電極、1は透明絶縁膜、2は厚さ20
nmのチタンからなるオーミックn型電極、6aは厚さ
200nmの金からなるボンディング用p型電極、6b
は厚さ200nmの金からなるn型電極である。
【0017】すなわち、厚さ250μm、ドーピング濃
度1018cm−3のn型6H−SiCからなる基板3
を有機溶剤並びにフッ酸で洗浄した後、有機金属気相成
長法によりInGaN層を発光層(図示省略)とするL
ED構造4を作製する。バッファ層(図示省略)にはn
型のAlGaN混晶層を用い、これにより基板3との電
気伝導性が確保できる。
【0018】基板3の上面に厚さ10nmのニッケル層
を蒸着し、フォトリソグラフィー・プロセスを用いてお
よそ250μm角のニッケルからなる透明なp型電極5
を形成する。その後、このp型電極5の上に、50μm
角の金からなるボンディング用p型電極(パッド電極)
6aを設ける。
【0019】その後、この基板3のp型電極5を形成し
た方の上面にガラス板を貼り付け、裏面を研磨し、基板
3の厚さを70μmと薄くしたところ、基板3の色は薄
緑色からほとんど透明な色に変わった。
【0020】この基板3を洗浄した後、その裏面にSi
膜を厚さ100nm程度形成する。その後、フォト
リソグラフィー・プロセスを用い、p型電極5の直下の
部分を中心におよそ350μm角のSiO膜のパター
ンを形成するように、それ以外のSiO膜を除去し、
SiOからなる透明絶縁膜1を形成する。
【0021】その後、透明絶縁膜1を形成した側の基板
3の裏面上にTiを厚さ20nm蒸着し、反射膜(ミラ
ー)としても機能するn型電極2を形成し、その上にA
uを厚さ200nm蒸着して、n型電極6bを形成す
る。
【0022】ここで、このLEDをp型電極5を設けた
上面側から見ると、SiO透明絶縁膜1の無い部分の
オーミック接触したn型電極2の部分は黒い色をしてい
る。すなわち、この部分は光を吸収するが、SiO
明絶縁膜1を設けた部分では、青みがかった銀色の光沢
をもった鏡が形成される。
【0023】基板3の裏面の上記n型電極2、n型電極
6bを形成した後、上記ガラス板を取り除く。このLE
Dにp型電極6a、n型電極6bから通電すると、LE
D構造4の発光層において電子と正孔とが再結合し、光
が放出される。SiO透明絶縁膜1を設けた本実施の
形態1のLEDでは、SiO透明絶縁膜1を設けない
LEDと比較して素子抵抗がやや高くなったが、光取り
出し効率が約50%改善された。
【0024】実施の形態2 本実施の形態2では、本発明を4H−SiC基板上の窒
化物半導体LEDに適用した例である。素子構造は、図
1に示したのと同様である。
【0025】3はn型SiCからなる半導体基板、4は
窒化物半導体からなるLED構造、5は厚さ10nmの
ニッケルまたはニッケルが酸化したほぼ透明または半透
明オーミックp型電極、1は透明絶縁膜、2は厚さ20
nmのチタンからなるオーミックn型電極、6aは厚さ
200nmの金からなるボンディング用p型電極、6b
は厚さ200nmの金からなるn型電極である。
【0026】すなわち、厚さ250μm、ドーピング濃
度1018cm−3のn型4H−SiCからなる基板3
を有機溶剤並びにフッ酸で洗浄した後、有機金属気相成
長法によりInGaN層を発光層(図示省略)とするL
ED構造4を作製する。バッファ層(図示省略)にはn
型のAlGaN混晶層を用い、これにより基板3との電
気伝導性が確保できる。
【0027】基板3の上面に厚さ10nmのニッケル層
を蒸着し、フォトリソグラフィー・プロセスを用いてお
よそ250μm角のニッケルからなる透明なp型電極5
を形成する。その後、このp型電極5の上に、50μm
角の金からなるボンディング用p型電極6aを設ける。
【0028】その後、この基板3のp型電極5を形成し
た方の上面にガラス板を貼り付け、裏面を研磨し、基板
3の厚さを100μmと薄くする。4H−SiC基板は
6H−SiC基板に比較して透明性が良いので、厚さ1
00μm程度でも透明な基板となった。
【0029】この基板3を洗浄した後、その裏面にSi
膜を厚さ100nm程度形成する。その後、フォト
リソグラフィー・プロセスを用い、p型電極5の直下の
部分を中心におよそ350μm角のSiO膜のパター
ンを形成するように、それ以外のSiO膜を除去し、
SiOからなる透明絶縁膜1を形成する。
【0030】その後、透明絶縁膜1を形成した側の基板
3の裏面上にTiを厚さ20nm蒸着し、反射膜(ミラ
ー)としても機能するn型電極2を形成し、その上にA
uを厚さ200nm蒸着して、n型電極6bを形成す
る。
【0031】ここで、このLEDをp型電極5を設けた
上面側から見ると、SiO透明絶縁膜1の無い部分の
オーミック接触したn型電極2の部分は黒い色をしてい
る。すなわち、この部分は光を吸収するが、SiO
明絶縁膜1を設けた部分では、青みがかった銀色の光沢
をもった鏡が形成される。
【0032】基板3の裏面の上記n型電極2、n型電極
6bを形成した後、上記ガラス板を取り除く。このLE
Dにp型電極6a、n型電極6bから通電すると、LE
D構造4の発光層において電子と正孔とが再結合し、光
が放出される。4H−SiC基板は導電性が良く、比較
的厚い基板でよいので、SiO透明絶縁膜1を設けた
本実施の形態2のLEDでは、SiO透明絶縁膜1を
設けないLEDと同等の素子抵抗で、光取り出し効率が
約50%改善された。
【0033】実施の形態3 本実施の形態3では、本発明をGaN基板上の窒化物半
導体LEDに適用した例である。素子構造は、図1に示
したのと同様である。
【0034】3はn型GaNからなる半導体基板、4は
窒化物半導体からなるLED構造、5は厚さ10nmの
ニッケルまたはニッケルが酸化したほぼ透明または半透
明オーミックp型電極、1は透明絶縁膜、2は厚さ20
nmのアルミニウムからなるオーミックn型電極、6a
は厚さ200nmの金からなるボンディング用p型電
極、6bは厚さ200nmの金からなるn型電極であ
る。
【0035】すなわち、厚さ400μm、ドーピング濃
度5×1018cm−3のn型GaNからなる基板3を
有機溶剤並びに塩酸で洗浄した後、有機金属気相成長法
によりInGaN層を発光層(図示省略)とするLED
構造4を作製する。バッファ層(図示省略)にはn型の
GaN層を用い、これにより基板3との電気伝導性が確
保できる。
【0036】基板3の上面に厚さ10nmのニッケル層
を蒸着し、フォトリソグラフィー・プロセスを用いてお
よそ250μm角のニッケルからなる透明なp型電極5
を形成する。その後、このp型電極5の上に、50μm
角の金からなるボンディング用p型電極6aを設ける。
【0037】GaN基板は4H−SiC基板や6H−S
iC基板に比較してバンドギャップが大きく、透明性が
大変良いので、厚さ400μm野間までも透明な基板で
ある。したがって、実施の形態1、2のように基板3の
研磨は行なわない。
【0038】この基板3を洗浄した後、その裏面にSi
膜を厚さ100nm程度形成する。その後、フォト
リソグラフィー・プロセスを用い、p型電極5の直下の
部分を中心におよそ350μm角のSiO膜のパター
ンを形成するように、それ以外のSiO膜を除去し、
SiOからなる透明絶縁膜1を形成する。
【0039】その後、透明絶縁膜1を形成した側の基板
3の裏面上にAlを厚さ20nm蒸着し、反射膜(ミラ
ー)としても機能するn型電極2を形成し、その上にA
uを厚さ200nm蒸着して、n型電極6bを形成す
る。
【0040】ここで、このLEDをp型電極5を設けた
上面側から見ると、SiO透明絶縁膜1の無い部分の
オーミック接触したn型電極2の部分は黒い色をしてい
る。すなわち、この部分は光を吸収するが、SiO
明絶縁膜1を設けた部分では、青みがかった銀色の光沢
をもった鏡が形成される。
【0041】このLEDにp型電極6a、n型電極6b
から通電すると、LED構造4の発光層において電子と
正孔とが再結合し、光が放出される。GaN基板は導電
性が良く、比較的厚い基板でよいので、SiO透明絶
縁膜1を設けた本実施の形態3のLEDでは、SiO
透明絶縁膜1を設けないLEDと同等の素子抵抗で、光
取り出し効率が約50%改善された。
【0042】実施の形態4 本実施の形態3では、本発明をGaN基板上の窒化物半
導体LEDに適用した例である。
【0043】図2は、本発明の実施の形態4のLEDの
構造を示す側面図である。
【0044】3はn型GaNからなる半導体基板、4は
窒化物半導体からなるLED構造、5は厚さ10nmの
ニッケルまたはニッケルが酸化したほぼ透明または半透
明オーミックp型電極、1は透明絶縁膜、2は厚さ20
nmのアルミニウムからなるオーミックn型電極、6a
は厚さ200nmの金からなるボンディング用p型電
極、6bは厚さ200nmの金からなるn型電極であ
る。
【0045】すなわち、厚さ400μm、ドーピング濃
度5×1018cm−3のn型GaNからなる基板3を
有機溶剤並びに塩酸で洗浄した後、有機金属気相成長法
によりInGaN層を発光層(図示省略)とするLED
構造4を作製する。バッファ層(図示省略)にはn型の
GaN層を用い、これにより基板3との電気伝導性が確
保できる。
【0046】基板3の上面に厚さ10nmのニッケル層
を蒸着し、フォトリソグラフィー・プロセスを用いてお
よそ250μm角のニッケルからなる透明なp型電極5
を形成する。その後、このp型電極5の上に、50μm
角の金からなるボンディング用p型電極6aを設ける。
【0047】GaN基板は4H−SiC基板や6H−S
iC基板に比較してバンドギャップが大きく、透明性が
大変良いので、厚さ400μm野間までも透明な基板で
ある。したがって、実施の形態1、2のように基板3の
研磨は行なわない。
【0048】この基板3を洗浄した後、その裏面のp型
電極5の直下の部分にシリコン樹脂膜(例えば東京応化
製OCD)を滴下する。その後、このシリコン樹脂膜を
350℃で4時間加熱してドーム状に焼き固め、SiO
膜からなる透明絶縁膜1を形成する。その大きさはp
型電極5の直下の部分を中心におよそ直径350μmで
ある。
【0049】その後、透明絶縁膜1を形成した側の基板
3の裏面上にAlを厚さ20nm蒸着し、反射膜(ミラ
ー)としても機能するn型電極2を形成し、その上にA
uを厚さ200nm蒸着して、n型電極6bを形成す
る。
【0050】ここで、このLEDをp型電極5を設けた
上面側から見ると、SiO透明絶縁膜1の無い部分の
オーミック接触したn型電極2の部分は黒い色をしてい
る。すなわち、この部分は光を吸収するが、SiO
明絶縁膜1を設けた部分では、干渉色を有する鏡が形成
される。
【0051】このLEDにp型電極6a、n型電極6b
から通電すると、LED構造4の発光層において電子と
正孔とが再結合し、光が放出される。GaN基板は導電
性が良く、比較的厚い基板でよいので、SiO透明絶
縁膜1を設けた本実施の形態4のLEDでは、SiO
透明絶縁膜1を設けないLEDと同等の素子抵抗で、光
取り出し効率が約60%改善された。この理由は、基板
3の裏面のSiO透明絶縁膜1をドーム状に形成して
球面ミラーを形成したことにより、エスケープコーン
(escape-cone)の外側で本来出射できない角度の光も
取り出すことができるためである。
【0052】実施の形態5 本実施の形態5では、本発明を櫛型パターンのp型電極
を有する窒化物半導体LEDに適用した例である。
【0053】図3(a)は、本発明の実施の形態5のL
EDの構造を示す上面図、(b)は側面図である。
【0054】3はn型SiCからなる半導体基板、4は
窒化物半導体からなるLED構造、5は厚さ10nmの
ニッケルまたはニッケルが酸化したほぼ透明または半透
明オーミックp型電極、1は透明絶縁膜、2は厚さ20
nmのチタンからなるオーミックn型電極、6aは厚さ
200nmの金からなるボンディング用p型電極、6b
は厚さ200nmの金からなるn型電極である。
【0055】すなわち、厚さ250μm、ドーピング濃
度1018cm−3のn型6H−SiCからなる基板3
を有機溶剤並びにフッ酸で洗浄した後、有機金属気相成
長法によりInGaN層を発光層(図示省略)とするL
ED構造4を作製する。バッファ層(図示省略)にはn
型のAlGaN混晶層を用い、これにより基板3との電
気伝導性が確保できる。
【0056】基板3の上面に厚さ10nmのニッケル層
を蒸着し、フォトリソグラフィー・プロセスを用いてお
よそ300μm角の領域に図3(a)に示すように例え
ば7本のストライプ状のニッケル層が連結された櫛型の
ほぼ透明なp型電極5を形成する。その後、このp型電
極5の上に、50μm角の金からなるボンディング用p
型電極6aを設ける。
【0057】その後、この基板3のp型電極5を形成し
た方の上面にガラス板を貼り付け、裏面を研磨し、基板
3の厚さを70μmと薄くしたところ、基板3の色は薄
緑色からほとんど透明な色に変わった。
【0058】この基板3を洗浄した後、その裏面にSi
膜を厚さ100nm程度形成する。その後、フォト
リソグラフィー・プロセスを用い、p型電極5の直下の
部分を中心におよそ350μm角のSiO膜のパター
ンを形成するように、それ以外のSiO膜を除去し、
SiOからなる透明絶縁膜1を形成する。
【0059】その後、透明絶縁膜1を形成した側の基板
3の裏面上にTiを厚さ20nm蒸着し、反射膜(ミラ
ー)としても機能するn型電極2を形成し、その上にA
uを厚さ200nm蒸着して、n型電極6bを形成す
る。
【0060】ここで、このLEDをp型電極5を設けた
上面側から見ると、SiO透明絶縁膜1の無い部分の
オーミック接触したn型電極2の部分は黒い色をしてい
る。すなわち、この部分は光を吸収するが、SiO
明絶縁膜1を設けた部分では、青みがかった銀色の光沢
をもった鏡が形成される。
【0061】基板3の裏面の上記n型電極2、n型電極
6bを形成した後、上記ガラス板を取り除く。このLE
Dにp型電極6a、n型電極6bから通電すると、LE
D構造4の発光層において電子と正孔とが再結合し、光
が放出される。SiO透明絶縁膜1を設けた本実施の
形態5のLEDでは、SiO透明絶縁膜1を設けない
LEDと比較して素子抵抗がやや高くなったが、光取り
出し効率が約60%改善された。実施の形態1のLED
の光取り出し効率が50%であるのと比較して、本実施
の形態5の光取り出し効率が60%と高いのは、ほぼ透
明なp型電極5を櫛型に形成したからである。すなわ
ち、基板3の裏面の透明絶縁膜1とn型電極2との界面
で反射される発光のうち、オーミックp型電極5を櫛型
に形成したことにより、基板3とp型電極5との界面の
オーミック接触部での光吸収が低減するからである。
【0062】以上のように、上記実施の形態1〜5で
は、半導体基板3上に設けた窒化物半導体からなる発光
層を有する窒化物半導体LEDにおいて、光取り出し側
のp型電極5の直下の部分の、光取り出し側と反対側の
基板3裏面を、透明絶縁層1と金属層のn型電極2との
積層構造により被覆した。この構成により、従来、半導
体基板3と基板裏面側n型電極2との間で生じた光吸収
を低減できるので、LEDの光取り出し効率を向上させ
ることができる。
【0063】以上本発明を実施の形態に基づいて具体的
に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変
更可能であることは勿論である。例えば、上記実施の形
態では、説明のために簡単なLED構造の例を示した
が、実際の光部品とする場合には、光の出射面側、すな
わち、p型電極5側に樹脂をドーム状に形成することに
より、LEDの放出光がこのドーム表面で屈折をして方
向性に優れた発光を得ることが可能である。また、LE
Dの周囲に凹面鏡を有するフレームを用いることによ
り、LEDから横方向に出射した光を凹面鏡で上方向に
反射させ、より光取り出し効率の高いLEDを実現する
ことが可能である。もちろん、ドーム状の樹脂と凹面鏡
を共用することにより、出射方向制御と光取り出し効率
に一層優れたLEDを実現できることは言うまでもな
い。また、LEDチップをマウントする金属支持体の上
で樹脂を硬化させる場合もあるが、ディッピングにより
樹脂をモールドして金属支持体を樹脂で取り囲んだ構造
も適用できることは言うまでもない。また、紫外線発光
LEDを被覆する樹脂の中に、可視光を発する蛍光材料
を含ませたり、樹脂の下面、中間、上面に蛍光材料を含
む膜を形成して白色などより発光波長分布の広いLED
を実現することも容易である。さらに、図3(a)に示
した実施の形態5の櫛型電極と同様に、オーミック接触
部での光吸収を低減する凹凸の多い電極構造が適用でき
ることは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来、半導体基板と基板裏面側電極との間で生じた光吸
収を低減することができるので、光取り出し効率の優れ
たLEDを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1〜3のLEDの構造を示
す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態4のLEDの構造を示す側
面図である。
【図3】(a)は本発明の実施の形態5のLEDの構造
を示す上面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1…透明絶縁膜、2…n型電極、3…半導体基板、4…
窒化物半導体LED構造、5…p型電極、6a…p型電
極(パッド電極)、6b…n型電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 久夫 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5F041 AA04 AA33 CA33 CA34 CA40 CA83 CA85 CA91 CA93

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に設けた窒化物半導体からな
    る発光層を有する窒化物半導体発光ダイオードにおい
    て、光取り出し側の少なくとも電極直下の部分の、前記
    光取り出し側と反対側の前記基板裏面を、透明絶縁層と
    金属層との積層構造により被覆したことを特徴とする窒
    化物半導体発光ダイオード。
  2. 【請求項2】前記基板として窒化ガリウム基板または炭
    化珪素基板を用いることを特徴とする請求項1記載の窒
    化物半導体発光ダイオード。
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