JP2002190458A - 化学機械研磨用水系分散体 - Google Patents

化学機械研磨用水系分散体

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JP2002190458A
JP2002190458A JP2000388557A JP2000388557A JP2002190458A JP 2002190458 A JP2002190458 A JP 2002190458A JP 2000388557 A JP2000388557 A JP 2000388557A JP 2000388557 A JP2000388557 A JP 2000388557A JP 2002190458 A JP2002190458 A JP 2002190458A
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polishing
acid
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Masayuki Hattori
雅幸 服部
Michiaki Ando
民智明 安藤
Nobuo Kawahashi
信夫 川橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁体膜の過剰研磨(ディッシン
グ)が小さく、かつ、スクラッチ(研磨後の絶縁体材料
表面の傷)の発生が少ない、STI工程に用いる化学機
械研磨用水系分散体を提供すること。 【解決手段】 上記課題は、無機粒子と、窒素原
子含有界面活性剤を含有することを特徴とする、化学機
械研磨用水系分散体によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学機械研磨用水
系分散体に関する。更に詳しくは、半導体装置の製造工
程における微細化素子分離工程に用いられる化学機械研
磨用水系分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の集積度の向上、多層配線化
などにともない、メモリデバイスの記憶容量は飛躍的に
増大している。これは、加工技術の微細化の進歩に支え
られたものである。しかし要求される記憶容量は年々大
きくなり、多層配線化等の技術を駆使しても、チップサ
イズの増大は避けられず、また、微細化にともないメモ
リデバイス製造に要する工程数は増え、チップのコスト
高を招いている。このような状況下、被加工膜等の研磨
に化学機械研磨の技術が導入され、注目を集めている。
この化学機械研磨の技術を適用することにより、より効
率的に微細構造の高容量メモリデバイスの製造が可能に
なりつつある。
【0003】そのような技術のひとつとして、さらなる
微細化を目的として、例えば、微細化素子分離(Sha
llow Trench Isolation)、いわ
ゆる、STI技術が検討されている。このSTI技術
は、シリコン基板に溝を形成した後、絶縁膜材料を堆積
し、化学機械研磨により余剰の絶縁膜を除去するもので
あり、従来の化学機械研磨に比較してより微細な配線構
造を形成することができる。しかし、従来知られていた
化学機械研磨とは主たる研磨対象を異にするため、従来
用いられていた化学機械研磨用分散体をそのまま使用す
ると、工程上、種々の問題が生ずる。特に、絶縁体膜の
過剰研磨(ディッシング)が大きくなり、スクラッチ
(研磨後の絶縁体材料表面の傷)が発生しやすく、半導
体製造の歩留まりの向上に対して障害となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の状況
に鑑み、絶縁体膜の過剰研磨(ディッシング)が小さ
く、かつ、スクラッチ(研磨後の絶縁体材料表面の傷)
の発生が少ない、即ち平坦化特性の優れた、STI工程
に用いる化学機械研磨用水系分散体を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は、無機粒子と、窒素原子含有界面活性剤を含有する
ことを特徴とする、化学機械研磨用水系分散体によって
解決される。以下に本発明の化学機械研磨用水系分散体
について詳細に説明する。本発明の化学機械研磨用水系
分散体は、無機粒子と、窒素原子含有界面活性剤を含有
する
【0006】上記「無機粒子」としては、その目的に応
じて適宜のものが使用できるが、例えばシリカ、セリ
ア、アルミナ、チタニア、ジルコニア等が好ましいもの
として挙げられる。これらのうち、シリカ、およびセリ
アが特に好ましい。シリカとしては、塩化ケイ素等を
水素と酸素の存在下に気相において反応させて得られる
ヒュームド法シリカ、ケイ酸塩をイオン交換して得ら
れるコロイダルシリカ、及び金属アルコキシドから加
水分解及び縮合を経て得られるコロイダルシリカ等が挙
げられる。また、セリアとしては、炭酸セリウム、水酸
化セリウム、或いはシュウ酸セリウム等を焼成してなる
ものを用いることができ、これらのうち、炭酸セリウム
を焼成して得られるセリアが特に好ましい。無機粒子は
1種のみを使用してもよいが、シリカとセリア、シリカ
とアルミナ、或いはセリアとアルミナ等、2種以上を組
み合わせて用いることもできる。また有機粒子を上記無
機粒子と組み合わせて使用することもできる。
【0007】上記「有機粒子」としては、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン及びスチレン系共重合体、ポリアセタ
ール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィ
ン及びオレフィン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリメ
チルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂及び(メ
タ)アクリル系共重合体などの熱可塑性樹脂が挙げられ
る。
【0008】また、スチレン、メチルメタクリレート等
と、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリ
レート等とを共重合させて得られる架橋構造を有する共
重合樹脂が挙げられる。更に、フェノール樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂及び
不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ
る。これらの有機粒子は、乳化重合法、懸濁重合法、乳
化分散法、粉砕法等、各種の方法により製造することが
できる。尚、これらの有機粒子は1種のみを使用でも良
いし、2種以上を併用することもできる。
【0009】更に、無機粒子と有機粒子とは、必ずしも
各々が独立した状態で分散している必要はない。例え
ば、無機粒子と有機粒子とが混在する状態でアルコキシ
シランを重縮合させ、有機粒子の少なくとも表面にポリ
シロキサン等が結合され、更にシリカ、セリア等の無機
粒子が静電力等により結合された形態等であってもよ
い。尚、生成するポリシロキサン等は有機粒子が有する
アニオン基に直接結合されていてもよいし、シランカッ
プリング剤等を介して間接的に結合されていてもよい。
【0010】無機粒子の平均粒子径(平均二次粒径)は
0.01〜3μmであることが好ましく、この平均粒子
径が0.01μm未満であると、十分に研磨速度の大き
い水系分散体とすることができない。一方、平均粒子径
が3μmを超える場合は、無機粒子が沈降し、分離し易
くなり、安定な水系分散体とすることが容易ではない。
この平均粒子径は、特に0.02〜1.0μm、更には
0.03〜0.7μmであることが好ましい。この範囲
の平均粒子径を有する無機粒子であれば、研磨速度が大
きく、且つ粒子の沈降、分離も抑えられ、安定な化学機
械研磨用水系分散体とすることができる。尚、この平均
粒子径は、動的光散乱法測定機、レーザー散乱回折型測
定機等により測定することができ、透過型電子顕微鏡に
よる観察によって計測することもできる。また、乾燥
し、粉体化した無機粒子の比表面積を測定し、それに基
づいて算出することもできる。
【0011】有機粒子の平均粒子径は0.01〜3μm
であることが好ましい。この平均粒子径が0.01μm
未満であると、酸化ケイ素膜を研磨する速度の、窒化ケ
イ素膜を研磨する速度に対する比が小さく、選択性が十
分に向上しないことがある。一方、平均粒子径が3μm
を超える場合は、有機粒子が沈降し、分離し易く、安定
な水系分散体とすることが容易ではない。この平均粒子
径は、特に0.02〜1.0μm、更には0.04〜
0.7μmであることが好ましい。この範囲の平均粒子
径を有する有機粒子であれば、平坦化特性に優れ、かつ
粒子が沈降しても固い沈降層ができないため再分散性に
優れ、安定な化学機械研磨用水系分散体とすることがで
きる。尚、この平均粒子径は無機粒子の場合と同様にし
て測定することができる。
【0012】水系分散体における無機粒子の含有量は、
無機粒子の種類にもよるが、シリカの場合は、水系分散
体を100質量部(以下、「部」と略記する。)とした
場合に、2〜20部とすることができ、特に4〜15
部、更には6〜12部とすることが好ましい。シリカの
含有量が2部未満であると、研磨速度が十分に向上せ
ず、20部を超える場合は、水系分散体の安定性が低下
する傾向にあり、コスト高にもなるため好ましくない。
また、セリアの場合は、水系分散体を100部とした場
合に、0.02〜5部とすることができ、特に0.05
〜2部、更には0.1〜1部とすることが好ましい。セ
リアの含有量が下限値未満、或いは上限値を超える場合
は、シリカと同様の問題を生ずるため好ましくない。
【0013】本発明において使用される窒素原子含有界
面活性剤としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルア
ンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化
ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリル
ジメチルアンモニウム、炭素数12〜18のアルキル基
を含有する塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、アル
キルイミダゾリン、塩化ベンザルコニウム液などの陽イ
オン界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル
ジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボ
キシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベ
タイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ酸ア
ミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタ
インなどの両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、およ
びラウリン酸ジエタノールアミドなどのアルキルアルカ
ノールアミド型のノニオン性界面活性剤等を例示するこ
とができる。これらのうち、陽イオン界面活性剤、およ
びノニオン性界面活性剤が好ましく、塩化ラウリルトリ
メチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、およびラウリン酸ジエタノールアミドが特に好まし
い。
【0014】水系分散体における、窒素原子含有界面活
性剤の含有量は、種類にもよるが、水分散体100部と
した場合に0.0001〜1部とすることができ、更に
好ましくは0.001〜0.1部とすることが好まし
い。窒素原子含有界面活性剤の含有量が0.0001部
未満では目的とする平坦化が達成できず、含有量が1部
を越えると、研磨速度が著しく低下する場合があるため
好ましくない。
【0015】水系分散体の媒体としては、水、及び水と
メタノール等、水を主成分とする混合媒体を使用するこ
とができるが、水のみを用いることが好ましい。
【0016】本発明の水系分散体には種々の添加剤を配
合し、その性能を更に向上させることができる。酸を含
有させることによって、水系分散体を安定させることが
でき、選択性を向上させることができる場合もある。こ
の酸は特に限定されず、有機酸、無機酸のいずれも使用
することができる。有機酸としては、パラトルエンスル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプレンスル
ホン酸、グルコン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ
酸、グリコール酸、マロン酸、ギ酸、シユウ酸、コハク
酸、フマル酸、マレイン酸及びフタル酸等が挙げられ
る。また、無機酸としては、硝酸、塩酸及び硫酸等が挙
げられる。これら有機酸及び無機酸は各々1種のみを用
いてもよいし、2種以上を併用することもでき、有機酸
と無機酸とを併用することもできる。これらの酸は、水
系分散体を100部とした場合に、0.02〜2部、特
に0.05〜1部含有させることができる。
【0017】水系分散体に更に塩基を含有させ、pHを
調整することによって、粒子の分散性、研磨速度等をよ
り向上させることができる。この塩基は特に限定され
ず、有機塩基、無機塩基のいずれも使用することができ
る。有機塩基としては、エチレンジアミン、エタノール
アミン等の窒素含有有機化合物などが挙げられる。更
に、無機塩基としては、アンモニア、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられ、これ
らの塩は1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用す
ることもできる。塩基の含有量はpHを調整するうえで
重要であるが、水系分散体を100部とした場合に、
0.01〜1部、特に0.02〜0.5部含有させるこ
とができる。
【0018】好ましいpHは無機粒子により異なり、シ
リカの場合はpHは10〜12、セリアの場合はpH5
〜12であることが好ましく、このpH範囲であれば研
磨速度及び平坦化度がともに向上するため好ましい。
【0019】水系分散体には、その他の添加剤として、
過酸化水素、過硫酸塩、ヘテロポリ酸等の酸化剤、或い
はアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、鉄等の
多価金属イオンなどを含有させることもできる。更に、
ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシル硫酸ア
ンモニウム等の界面活性剤、高分子量のポリアクリル酸
等の分散剤、及びポリアクリルアミド等の粘度調整剤な
どを含有させることもできる。
【0020】本発明の化学機械研磨用水系分散体は、上
記のように無機粒子と、窒素原子含有界面活性剤と必要
に応じて上記の各種の添加剤を組み合わせ、含有させる
ことにより、半導体装置の製造におけるSTI工程にお
いて用いることができ、絶縁体膜の過剰研磨(ディッシ
ング)が少なく、スクラッチ(研磨後の絶縁体材料表面
の傷)が発生が少ない、平坦化性能の優れた研磨剤とす
ることができる。
【0021】本発明の化学機械研磨用水系分散体を用い
て、被研磨面を化学機械研磨する場合は、市販の化学機
械研磨装置(株式会社荏原製作所製、型式「EPO−1
12」、「EPO−222」等、ラップマスターSFT
社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」
等、アプライドマテリアル社製、品名「Mirra」、
ラム・リサーチ社製、品名「Teres」、Speed
Fam−IPEC社製、型式「AVANTI 47
2」等)を用いて研磨することができる。研磨条件は目
的の応じて適宜の条件を採用することができるが、たと
えば以下の条件とすることができる。 水系分散体供給量;100〜300mL/分 研磨荷重;200〜600g/cm2 定盤回転数;50〜100rpm ヘッド回転数;50〜100rpm
【0022】本発明の化学機械研磨用水系分散体は、無
機粒子としてシリカを含有する場合、STI工程におい
て例えば図1のような幅250μmの溝を形成したシリ
コン基板上に、絶縁体材料を厚さtだけ堆積させたとき
の初期段差T0が400nm以上、例えば900nmで
ある被研磨体を、図2の状態まで15%オーバーポリッ
シュしたときのディッシングTが、90nm以下であ
る。ここで、「15%オーバーポリッシュ」とは、絶縁
体材料の堆積厚さtを研磨速度で除したジャストの研磨
時間に対し、15%だけ余分な時間研磨を継続すること
をいう。
【0023】また、無機粒子としてセリアを含有する本
発明の化学機械研磨用水系分散体は、上記と同様の条件
で評価したときのディッシングTは、80nm以下であ
り、さらに窒素原子含有界面活性剤の使用量を調整する
ことにより70nm以下、60nm以下とすることもで
きる。なお、従来知られている化学機械研磨用水系分散
体を使用して上記と同様の条件で評価すると、ディッシ
ングTの値は100〜200nm程度である。
【0024】本発明の化学機械研磨用水系分散体は、研
磨後の絶縁体材料表面にスクラッチが発生することが少
なく、例えば、8インチの熱酸化膜ウェハを2分間研磨
したときの、最大長さ1μm以上のスクラッチの発生
が、ウェハ当たり5個以下とすることができ、さらには
窒素原子含有界面活性剤の使用量を調整することにより
3個以下、0個とすることもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、実施例により本発明をさ
らに詳しく説明する。
【0026】無機粒子としてシリカを含有する水系分散
実施例l 水系分散体の調製 ヒュームド法シリカ(日本アエロジル(株)製、商品名
「#90アエロジル」、平均一次粒径20nm、平均二
次粒径220nm)を10質量%、KOHを0.2質量
%の含有量となるように配合した水分散体に、窒素原子
含有界面活性剤として塩化ラウリルトリメチルアンモニ
ウムを0.001重量%配合し水系分散体を調製した。
このときのpHは、10.4であった。
【0027】ディッシングの評価 TEOS膜付きの、パターン付きウェーハSKW−7
(商品名、SKW社製、ライン幅250μm、絶縁体材
料の積層膜厚2000nm、初期段差900nm)を下
記条件にて研磨した。 化学機械研磨装置;EPO112((株)荏原製作所
製) 研磨パッド;IC1000/SUBA400(ロデール
ニッタ社製) 水系分散体供給量;200mL/分 研磨荷重;400g/cm2 定盤回転数;70rpm ヘッド回転数;70rpm 研磨時間;15%オーバー((絶縁体材料の積層膜厚/
研磨速度)×1.15)
【0028】研磨後のディッシングを、微細形状測定装
置(KLA-Tencor社製、形式「P−10」)を
用いて測定した。その結果ディッシングは60nmであ
り、極めて良好であった。なお、ディッシングの値の評
価基準は以下の通りである。 100nm以上;不良 90nm以下;良好 70nm以下;極めて良好
【0029】スクラッチの評価 8インチ熱酸化膜ウェハ(AMT社製製)を、研磨時間
を2分間とした他はと同様の条件で研磨した後、パタ
ーンなしウェーハ表面異物検査装置(ケーエルエー・テ
ンコール社製、型式「サーフスキャン6420」)によ
り測定した。その結果、スクラッチは全く検出されなか
った。
【0030】上記の評価結果から、この水系分散体はS
TI工程に用いる水系分散体として極めて良好な性能を
有する水系分散体であることが分かった。
【0031】実施例2〜7、および比較例1〜4 シリカの種類、窒素原子含有界面活性剤の種類、その他
の添加剤の種類を表1のようにし、実施例1と同様にデ
ィッシングおよびスクラッチの評価を実施した。結果
は、表1に示す。なお、コロイダルシリカは、J.of
Colloid and Interface Sc
ience 25,62−69(1968)に記載され
ているように、エタノールおよび水を媒体として、テト
ラエトキシシランを、アンモニア触媒存在下に縮合させ
た後、水に溶媒置換させたものを使用した。ここで、エ
タノールと水の組成比を調整することにより、平均一次
粒径15nm(平均二次粒径39nm)および平均一次
粒径35nm(平均二次粒径67nm)の2種類のコロ
イダルシリカを調製した。。また、表1において、その
他添加剤として加えた「DBS−K」はドデシルベンゼ
ンスルホン酸カリウムを表し、「PAA−K」はポリア
クリル酸カリウム塩(分子量;6000)を表す。
【0032】
【表1】
【0033】表1によれば、実施例1〜7では、研磨速
度は120nm/分以上と十分であるとともに、ディッ
シングは70nm以下であり、また、スクラッチもまっ
たく検出されておらず、これらの水系分散体はSTI工
程における水系分散体として極めて優良であることが分
かる。一方、比較例1、4ではディッシングの値が11
5および122と大きく、このような水系分散体は、S
TI工程における水系分散体としては使用することがで
きない。また、比較例2、3では研磨速度が小さく、こ
れらの水系分散体は実用に供し得ないものであることが
分かる。
【0034】無機粒子としてセリアを含有する水系分散
実施例8 セリアの調製 バストネサイトを原料とし、これを硝酸に溶解させた
後、炭酸塩として再結晶を3回繰り返し、高純度化され
たセリウムの炭酸塩を得た。これを900℃で5時間焼
成しセリアを得た。このセリアを硝酸の存在下でイオン
交換水に0.3質量%の含有量となるように分散させ、
pHを6に調整して、平均粒子径(二次粒子径)0.2
4μmのセリアを含有する水分散体を得た。次いで、ポ
リオキシシチレンアルキルアミンを0.03重量%とな
る濃度で添加し、セリアを含有する水系分散体を調製し
た。
【0035】ディッシングの評価 上記で調製した水系分散体を使用し、実施例1と同様に
してディッシングの評価を行った。その結果ディッシン
グは60nmと極めて良好であった。
【0036】スクラッチの評価 上記で調製した水系分散体を使用し、実施例1と同様に
してスクラッチの評価を行った。その結果、スクラッチ
は検出されなかった。
【0037】上記の評価結果から、この水系分散体はS
TI工程に用いる水系分散体として極めて良好な性能を
有する水系分散体であることが分かった。
【0038】実施例9〜16、および比較例5〜10 窒素原子含有界面活性剤の種類と添加量、その他の添加
剤の種類と添加量を表2のようにした他は、実施例8と
同様にしてディッシングおよびスクラッチの評価を実施
した。結果は、表2に示す。なお、表2におけるその他
の添加剤のDBS−K、およびPAA−Kは、表1と同
じであり、「IPS−K」はポリイソプレンスルホン酸
カリウム塩(分子量;8000)を表す。
【0039】
【表2】
【0040】表2によれば、実施例8〜14では、研磨
速度は140nm/分以上と十分に大きいとともに、デ
ィッシングは70nm以下であり、スクラッチも観察さ
れておらず、これらの水系分散体はSTI工程における
水系分散体として極めて優良であることが分かる。一
方、比較例5〜8では、ディッシングが100nm以上
と大きく、且つスクラッチも多く、これらの水系分散体
は、STI用として使用することは困難であることが分
かる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁体膜の過剰研磨
(ディッシング)が小さく、かつ、スクラッチ(研磨後
の絶縁体材料表面の傷)の発生が少なく、STI工程に
用いる化学機械研磨用水系分散体として極めて好適な水
系分散体が提供される。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】STI工程の化学機械研磨における被研磨物の
研磨前の状態を示す模式図である。
【図2】STI工程の化学機械研磨における被研磨物の
研磨後の状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 絶縁体材料 t 絶縁体材料の初期堆積厚さ T0 初期段差 T ディッシング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C058 AA07 AC04 CA01 CB01 5F043 AA29 BB21 DD16 EE08 FF07 GG05 GG10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機粒子と、窒素原子含有界面活性剤を
    含有することを特徴とする、化学機械研磨用水系分散
    体。
  2. 【請求項2】 無機粒子が、ヒュームド法シリカまたは
    コロイダルシリカである請求項1に記載の化学機械研磨
    用水系分散体。
  3. 【請求項3】 無機粒子が、セリアである請求項1に記
    載の化学機械研磨用水系分散体。
  4. 【請求項4】 半導体の製造における微細化素子分離工
    程に用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記載の化
    学機械研磨用水系分散体。
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Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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