JP2002190294A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池Info
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Abstract
く、電池本来の機構を利用した自己完結的な手段でもっ
て非水電解質二次電池の安全性の向上を図る。 【解決手段】 リチウムを挿入離脱可能な化合物を正極
活物質とする正極と、リチウムを挿入離脱可能な材料を
負極活物質とする負極と、非水電解質と、前記正負極の
間に介装されたセパレータと、を有する非水電解質二次
電池において、前記セパレータには、リチウムデンドラ
イトを挿通するための貫通孔が形成されていることを特
徴とする。
Description
吸蔵離脱可能な正負極活物質および非水電解質を用いた
非水電解質二次電池に関し、より詳しくは安全性を高め
た非水電解質二次電池に関する。
動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しているが、こ
のような状況にあって、軽量かつ高容量の非水電解質二
次電池の利用が拡大している。
ウムの移動により充放電を行う電池であり、この種の電
池には、一般にリチウムイオンを挿入離脱することがで
きる炭素系材料(負極活物質)と、コバルト酸リチウ
ム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等の遷移
金属酸化物(正極活物質)と、リチウム塩を含む非水電
解質が使用されている。このような構成の非水電解質二
次電池は、適正な範囲で充放電が行われている限り優れ
た充放電特性を示す。
負極で吸蔵しきれないリチウムイオンが負極上で金属リ
チウムとして析出し、この析出物が針状(デンドライ
ト)に発達し、遂にはセパレータを突き破って正極に達
し内部短絡を引き起こす。そして、従来の非水電解質二
次電池では、十分に成長したデンドライトが一気にセパ
レータを突き破るため、セパレータが大きく損傷される
ともに、内部短絡により電池性能が害されるほどに電池
温度が上昇する。
果(例えば5Vを越えて上昇する)、正極において電解
液の分解が生じる。電解液の分解は、電解液不足ととも
に電池内圧の上昇を招き、これに上記電池温度が加わる
と電極活物質と電解液との急激な反応を招くことにな
る。
いては、別途で作製した保護回路を組み込み、電池電圧
が過度に上昇したときには電流を遮断する等して電池の
安全性を担保している。しかし、保護回路の組み込み
は、電池価格の上昇を招くとともに、電池の一層の小型
・軽量化を図る上での障害になる。
み、保護回路を別個に組み込むことなく、電池本来の機
構を利用した手段でもって、電池の小型化、軽量化、低
コスト化を図りつつ安全性を向上させることができる非
水電解質二次電池の提供を目的としている。
に本発明は下記構成を採用する。請求項1に記載の発明
は、リチウムを挿入離脱可能な化合物を正極活物質とす
る正極と、リチウムを挿入離脱可能な材料を負極活物質
とする負極と、非水電解質と、前記正負極の間に介装さ
れたセパレータと、を有する非水電解質二次電池におい
て、前記セパレータには、リチウムデンドライトを挿通
するための貫通孔が形成されていることを特徴とする。
チウムが放出された場合や、低温で負極の活性が低下し
ている状態で充電を行った場合には、負極上にリチウム
デンドライトが析出する。このリチウムデンドライトが
発生した初期(デンドライトが十分に成長する前)に、
リチウムデンドライトがセパレータを挿通して正負極間
を結び通電すれば、短絡状態となってそれ以上充電反応
が進行せず、且つリチウムデンドライトが細い状態であ
るので、電池電圧や温度上昇等による電池の安全性の低
下を抑制することが可能である。したがって、上記構成
の如く、セパレータにリチウムデンドライトを挿通する
ための貫通孔が形成されていれば、リチウムデンドライ
トが発生した初期に正負極間が通電され、電池の安全性
の低下を抑制することが可能となる。
の非水電解質二次電池において、前記貫通孔は前記正負
極間を直線状で結ぶ構造であることを特徴とする。この
ように、貫通孔が前記正負極間を直線状で結んでいれ
ば、リチウムデンドライトが円滑に成長することができ
るので、リチウムデンドライトのより発生初期において
正負極問での通電が可能となって、電池の安全性が一層
向上する。
の非水電解質二次電池において、前記貫通孔は前記正負
極間を最短で結ぶ構造であることを特徴とする。上記構
成であれば、リチウムデンドライトのより一層発生初期
において正負極問での通電が可能となるので、電池の安
全性がより一層向上する。
3に記載の非水電解質二次電池において、前記貫通孔の
直径が5μm以上であることを特徴とする。このように
規制するのは、貫通孔の直径が5μm以上であれば、リ
チウムデンドライトの横方向(基板と平行方向)への成
長が大きい場合においても、正負極間を容易に結ぶこと
が可能となるからである。
の非水電解質二次電池において、前記貫通孔の直径が1
00μm以下であり、望ましくは70μm以下であるこ
とを特徴とする。このように規制するのは、貫通孔の直
径が100μm以下であると、通常の使用状態(過充電
状態等でない状態)において、内部短絡を生じる可能性
が減少し、貫通孔の直径が70μm以下であると、通常
の使用状態において、内部短絡を確実に防止できるから
である。
の非水電解質二次電池において、前記貫通孔の直径が5
0μm以下であることを特徴とする。このように規制す
るのは、貫通孔の直径が50μm以下であると、電池の
温度上昇が発生した場合に、ポリエチレン製微多孔膜か
ら成るセパレータが溶解し、正負極間の通電を妨げると
いうシャットダウン機構が円滑に働くので、電池の安全
性をより向上させることができるからである。
の非水電解質二次電池において、前記貫通孔の直径が3
0μm以下であることを特徴とする。このように規制す
るのは、貫通孔の直径が30μm以下であると、自己放
電による劣化を抑制できるので、高温保存時において、
電池電圧の変化及び厚みの増加量が少なくなるからであ
る。
7に記載の非水電解質二次電池において、前記貫通孔の
割合が1個/cm2 以上であることを特徴とする。この
ように規制するのは、貫通孔が1個/cm2 以上の密度
で存在すれば、負極上にランダムに発生したリチウムデ
ンドライトによる通電を、より初期に発生させることが
可能となり、且つ複数箇所で通電されるので、各通電箇
所における負荷が減少し、安全性を一層向上させること
ができるからである。
8に記載の非水電解質二次電池において、前記セパレー
タと前記正負極活物質との間に導電性ポリマーを有する
ことを特徴とする。二次電池では充放電サイクルを繰り
返すことにより、極板からの活物質の剥落や、電解液の
分解による堆積物が発生する。これがセパレータ上の貫
通孔を塞いだ場合、リテウムデンドライトによる通電を
阻害する。しかし、上記構成の如く、セパレータと活物
質の問に導電性ポリマーが存在していれば、剥落物のセ
パレータ上への堆積等が発生しないため、充放電サイク
ルを繰り返した場合であっても電池作製初期と同レベル
で、通電機構を維持することが可能となる。
入離脱可能な化合物を正極活物質とする正極と、リチウ
ムを挿入離脱可能な材料を負極活物質とする負極と、非
水電解質と、前記正負極の間に介装されたセパレータ
と、を有する非水電解質二次電池において、前記セパレ
ータには、直径が5μm以上の貫通孔が形成されている
ことを特徴とする。
実験により説明する。 (実施例)実施例にかかる非水電解質二次電池を、次の
ようにして作製した。
3 )と酸化コバルト(Co3 O4 )とを700〜900
℃の温度で焼成して正極活物質としてのコバルト酸リチ
ウム(LiCoO2)を作製した。このコバルト酸リチ
ウムと、導電助剤としての黒鉛およびケッチェンブラッ
クと、結着剤としてのフッ素樹脂とを、質量比で90:
3:2:5の割合で混合し、これをN−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)に溶解して活物質ベーストとした。
により厚み20μmのアルミ箔(金属芯体)の両面に均
一に塗布した後、加熱した乾燥機中を通過させて、10
0〜150℃の温度で真空乾燥することにより、ペース
ト作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、
この極板を厚みが0.17mmになるようにロールプレ
ス機により圧延して正極を作製した。
離することのできる天然黒鉛からなる負極活物質と、結
着剤としてのフッ素樹脂とを、質量比で95:5の割合
で混合し、これをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し
てペーストとした。このペーストをドクターブレード法
により金属芯体としての銅箔(厚み20μm)の両面に
均一に塗布した後、加熱した乾燥機中を通過させて、1
00〜150℃の温度で真空乾燥することにより、ペー
スト作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次い
で、この極板を厚みが0.14mmになるようにロール
プレス機により圧延して負極を作製した。
ステルを吸着させたものと、ポリエチレン粉末とを混合
し、溶融押出法により製膜を行って、厚さ200μmの
シートを得た。次いで、得られたシートを、20%の苛
性ソーダ水溶液と有機溶媒に浸漬して、シリカ粉末とエ
ステルとを抽出除去し、更に水洗乾燥した後、MD方
向、TD方向に延伸して、厚さ20μmのポリエチレン
製微多孔膜を得た。このポリエチレン製微多孔膜に対し
て、発振波長248nmのKrFエキシマレーザー、及
び10μm孔径の細孔を有するステンレス製マスクを使
用して、貫通孔を形成した。尚、このようにして形成さ
れた貫通孔の方向と、孔径と、密度とは、以下の通りで
ある。
向〔図7(a)に示すように、負極表面に対する角度θ
=90°〕 ・貫通孔の孔径:10μm ・貫通孔の密度:2個/cm2
(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比
3:7となるように混合した混合溶媒に、LiPF
6 (電解質塩)を1モル/リットル濃度に溶解した溶液
を電解液とした。
タレートフィルム、アルミニウムフィルム等が積層され
たラミネートシートを用いて筒状の外装体を作製し、こ
れを電池ケースとした。
池の組み立方法を説明する。先ず正極5の芯体に正極集
電タブ7を取付け、負極6の芯体に負極集電タブ8を取
り付けた後、正負電極間に上記セパレータを介装し、巻
取り機で渦巻き状に巻いた。この後、その最外周をテー
プで止め、偏平に押しつぶして板状渦巻電極体1とし
た。
体3の収納空間2内に、正負集電タブ7・8が外側に突
き出るようにして収納し、正負集電タブ7・8側の開口
4aを加熱溶着した。次いで、もう一方の開口から上記
電解液を5ml注液した後、当該開口を同様に加熱溶着
し封止(4b)し、実施例1にかかる非水電解質二次電
池を作製した。この電池の実容量は500mAhであ
る。なお、4cはラミネート材を筒状とするときの溶着
部位を示す。このようにして作製した電池を、以下、本
発明電池Aと称する。
(この大きさでは、リチウムデンドライトを挿通するこ
とができない)ポリエチレン製微多孔膜をセパレータと
して用いたこと以外は、上記実施例と同様にして比較例
にかかる非水電解質二次電池を作製した。このようにし
て作製した電池を、以下、比較電池Xと称する。
電池Xに対し、電流値500mA(1C)で5時間の過
充電を行った。そして、過充電量と電池電圧との関係を
調べたので、その結果を図4に示し、また、電池の膨ら
み程度と封止部の状態を調べたので、その結果を表1に
示す。
ドライトを挿通するための貫通孔が形成されたセパレー
タを用いた本発明電池Aは、充電深度が150%に到達
した付近で電位は一定となり、また、電池の膨張が僅か
(0.58mm)であり、封止部の異常が認められなか
った。これに対して、比較電池Xはリチウムデンドライ
トを挿通するための貫通孔が形成されていない通常のポ
リエチレン製微多孔膜を用いているので、充電の進行に
伴い電池電圧の上昇が発生した後、電圧低下が発生し、
また、23.56mmという大幅な膨張が認められ、更
に、封止部に剥がれが認められた。なお、封止部の剥が
れは電池の密閉性が害されたことを意味する。
池Xでは、過充電の結果、正極電位が電解液の分解開始
電位以上になったために、正極において電解液の分解が
生じ、この時発生する分解ガスにより電池が膨張して、
封止部が開口したものと考えられる。また、電池の変形
により電池内部でショートが発生し、これにより電池電
圧の上昇が発生した後、電池電圧が0Vまで低下したも
のと考えられる。
の初期において、負極上に発生したリチウムデンドライ
トが貫通孔を通じて正極に到達して、内部短絡が生じ、
これ以上の過充電が進まなかったために、正極電位の上
昇は停止し、電解液の分解によるガス発生量が顕著に少
なくなったものと考えられる。なお、過充電の初期に発
生する析出物は微細であるので、これによる内部短絡で
あると、一気に過大な電流が流れることはない。よっ
て、電池温度の上昇が少ない。尚、上記のような効果
は、内部圧力の変化に対して容易に変形の発生するアル
ミラミネート外装体を用いた電池において特に有用であ
る。
チウムデンドライトを挿通するための貫通孔が形成され
ているセパレータを用いると過充電に伴う電池内圧の上
昇を抑制できることが確認できたので、以下では他の条
件についての検討を行った。
と過充電特性との関係を調べた。具体的には、表2に示
すように、負極活物質として、シリコン又は酸化スズを
用いたこと以外は、実施例1と同様にして非水電解質二
次電池(本発明電池B1、B2)を作製した。そして、
実施例1と同様な過充電試験を行い、過充電量と電池電
圧との関係を調べたので、その結果を図5に示す。尚、
負極は単位面積当たりの容量がそれぞれ等しくなるよう
理論容量から塗布厚みを決定し、そして、正負極容量比
(負極容量/正極容量)が1.1となるよう調整した。
び本発明電池B1、B2においては、全て、充電深度1
50%付近から電池電圧が平坦になる様子が観測され
た。これは正負極容量比が一定であるため、正極の充電
深度が等しい状態で全ての負極上でリチウムデンドライ
トの析出が発生するためであると考えられる。尚、平坦
になる電池電圧が各電池で異なっているのは、満充電状
態での負極の電位が異なるためであるものと考えられ
る。また、ここでは詳細に示さないが、正極活物質とし
てコバルト酸リチウムに変えてニッケル酸リチウム、或
いはマンガン酸リチウムを用いた場合にも同様の結果が
得られることを実験により確認している。
と過充電特性との関係を調べた。具体的には、表3に示
すように、貫通孔の作製方法として、電気処理法又は針
での機械法を用いたこと以外は、実施例1と同様にして
非水電解質二次電池(本発明電池C1、C2)を作製し
た。そして、実施例1と同様な過充電試験を行い、過充
電量と電池電圧との関係を調べたので、その結果を図6
に示す。尚、電気処理法は、グロー放電法又は大気圧低
温プラズマ処理法等によって行われるが、本実験では大
気圧低温プラズマ処理法により実験した。
び本発明電池C1、C2においては、全て、充電深度1
50%付近から電池電圧が4.6〜4.7Vで一定とな
り、試験終了後の電池についても変形はほとんど発生し
ていなかったことが認められた。このことから、孔の作
製方法には関係なく、セパレータにリチウムデンドライ
トを挿通するための貫通孔が形成されていれば、リチウ
ムデンドライトによる通電が発生することが判明した。
尚、ここでは詳細に示さないが、同様の孔を有するポリ
エチレンテレフタレート製不織布をセパレータとして用
いた場合にも同様の結果が得らることを実験により確認
した。
充電特性との関係を調べた。具体的には、表4に示すよ
うに、貫通孔の方向を、負極表面に対する角度θ=60
°、45°、30°としたこと以外は、実施例1と同様
にして非水電解質二次電池(本発明電池D1〜D3)を
作製した。そして、実施例1と同様な過充電試験を行
い、過充電量と電池電圧との関係を調べたので、その結
果を図8に示す。
は充電深度150%付近から電池電圧が4.6〜4.7
Vで平坦になることが認められた。これに対し、本発明
電池D1〜D3では電池電圧の平坦化の開始する充電深
度が160%、175%、185%と徐々に深くなって
いき、平坦化した電池電圧も約0.1Vずつ上昇してい
くことが認められた。これは、セパレータ上の貫通孔の
角度が、正負極問を最短で結ぶ方向に対して増加してい
くことにより、貫通孔の長さが増加していくため、リチ
ウムデンドライトが正負極問を結ぶには一層成長する必
要が生じ、より充電が進行した状態に到達するまでデン
ドライトによる通電が発生しないことによるものと考え
られる。
充電特性との関係を調べた。具体的には、表5に示すよ
うに、貫通孔の孔径を、3μm、5μm、20μm、3
0μm、50μm、100μm、200μmとしたこと
以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池(本
発明電池E1〜E7)を作製した。そして、実施例1と
同様な過充電試験を行い、過充電量と電池電圧との関係
を調べたので、その結果を図9に示す。尚、貫通孔の孔
径は、KrFエキシマレーザでの処理時にステンレス製
マスクの孔径を変えることにより変化させた。
5μm以上の本発明電池A、E2〜E7では、充電深度
150%付近から電池電圧の平坦化が生じ、電池電圧も
4.5〜4.7Vでほぼ一定の値を示した。これに対
し、貫通孔の孔径が3μmの本発明電池E1では、充電
の進行に伴い電池電圧は上昇し、約220%の充電深度
において充電電源の上限値である12Vに到達したこと
が認められた。
チウムデンドライトがセパレータを通じて正極に到達す
る場合、ある程度の直径を有する針状結晶として成長す
る。したがって、貫通孔の孔径が小さ過ぎると(5μm
未満になると)、リチウムデンドライトはセパレータ中
へ成長していくことが困難となることがあるため、正負
極間での通電を発生させることができない場合がある。
この結果、過充電反応がある程度進行して、正極電位の
上昇が発生する。一方、貫通孔の孔径が大きくなると
(5μm以上になると)、貫通孔の大きさに関わらず、
貫通孔の存在により金属リチウムによる内部導通が円滑
に発生するものと考えられる。尚、通常の微多孔膜を使
用した比較電池Xでは、電圧上昇によるガス発生が引き
起こす電池の変形によりショートが発生することが認め
られた。
良率との関係を調べた。具体的には、表6に示すよう
に、貫通孔の孔径を、5μm、20μm、30μm、5
0μm、70μm、100μm、200μmとしたこと
以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池(本
発明電池F1〜F7)を作製した。そして、耐電圧特性
における不良率を調べたので、その結果を表6及び図1
0に示す。尚、電池の個数は、各電池500個である。
孔の孔径が70μm以下の本発明電池F1〜F5、A1
では不良が全く発生せず、また、貫通孔の孔径が100
μmの本発明電池F6では若干の不良が発生したが、実
用上問題のないレベルであったのに対して、貫通孔の孔
径が200μmの本発明電池F7では想当数の不良が発
生し、実用上、若干問題があるレベルであった。
調べたところ、貫通孔の孔径が大きな電池では、セパレ
ータの機械的強度が大きく低下するため、巻き取り体
(電極体)作製時に加わるテンションによりセパレータ
に部分破断が発生し、電池内部でショートが発生すると
いうことを、不良発生電池を分解することにより確認で
きた。
る時間と内部抵抗との関係を調べた。具体的には、表7
に示すように、貫通孔の孔径を、5μm、30μm、5
0μm、70μm、100μmとしたこと以外は、実施
例1と同様にして非水電解質二次電池(本発明電池G1
〜G5)を作製した。そして、各電池を電池電圧を4.
2V満充電状態にした後、150℃まで加熱し、その後
150℃で保存した場合の時間と内部抵抗との関係を調
べたので、その結果を図11に示す。
が50μm以下の本発明電池G1〜G3では、加熱開始
後、約1時間経過した時点で急激に内部抵抗が増加した
のに対して、貫通孔の孔径が70μm以上の本発明電池
G4、G5では、加熱による温度上昇に伴う内部抵抗の
増加は穏やかであり、約130mΩで一定値となること
が認められた。
ポリエチレン製微多孔膜から成るセパレータが溶解し、
正負極間の通電を妨げるというシャットダウン機構はセ
パレータに求められる重要な機能である。貫通孔の孔径
が小さい場合には、溶解した周囲のポリエチレンが貫通
孔を塞ぐことが可能である。しかし、所定値以上の孔径
(50μmを越える孔径)を有する貫通孔が存在する場
合には、溶解した周囲のポリエチレンが貫通孔を塞ぐこ
とができず、加熱によるシャットダウンを起こすことが
物理的に不可能になる。このため、外部短絡による急激
な温度上昇発生時などにおいて、通常微多孔部分はシャ
ットダウンが発生するが、貫通孔部分では貫通孔が存在
したままの状態であることにより、完全にシャットダウ
ンを起こすものと比べて、電池の安全性が低下するおそ
れがあるという問題を生じる。
圧変化及び厚み増加との関係を調べた。具体的には、表
8に示すように、貫通孔の孔径を、5μm、30μm、
50μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして非水
電解質二次電池(本発明電池H1〜H3)を作製した。
そして、各電池を放電状態で60℃の恒温槽中に20日
間保存し、このときの電池電圧の変化及び電池厚みの増
加量を調べたので、その結果を表8に示す。
30μm以下の本発明電池A、H1、H2では、電池電
圧の変化及び電池厚みの増加量において、比較電池Xと
遜色なく、貫通孔の存在による劣化の進行は認められな
いのに対して、貫通孔の孔径が50μmの本発明電池H
3では、電池電圧の変化及び電池厚みの増加量とも、比
較電池Xに比べて著しく増加していることが認められ
る。
保存時の自己放電による劣化は大きくなる傾向があるこ
とが分かるが、貫通孔の孔径が30μm以下の範囲では
実用上問題となるような劣化は発生しないのに対して、
貫通孔の孔径が30μmを越えると実用上問題となるよ
うな劣化を発生することが分かる。尚、このような実験
結果となる理由の詳細については現段階では判明してい
ないが、貫通孔を通じた電解液中でのリチウムイオンの
電気泳動発生の容易性の差異や、極板から剥離した活物
質の影響ではないかと推測される。
充電特性との関係を調べた。具体的には、表9に示すよ
うに、貫通孔の密度を、0.5個/cm2 、1個/cm
2 、1.5個/cm2 、4個/cm2 としたこと以外
は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池(本発明
電池J1〜J4)を作製した。そして、実施例1と同様
な過充電試験を行い、過充電量と電池電圧との関係を調
べたので、その結果を図12に示す。尚、貫通孔は全て
均一に分散される構造である。
A、J2〜J4では、電池電圧の平坦化が観測された
が、貫通孔の密度が増加するにつれて平坦化の開始する
充電深度は浅くなり、電池電圧もより低くなっていっ
た。これに対して、本発明電池J1では、充電の進行に
つれて電池電圧は上昇し、充電深度230%付近で充電
電源の上限値である12Vに到達したことが認められ
た。これは、過充電状態で負極上に発生するリチウムデ
ンドライトは、析出初期において負極表面に均一に発生
するのではなく、反応活性な部位において選択的に析出
を開始する。この析出したデンドライトとセパレータに
形成された貫通孔とが対応している場合には、デンドラ
イトはセパレータを通じて正極に到達することが可能と
なる。そして、このデンドライトの析出と貫通孔とが対
応するには、1個/cm2 以上の密度で貫通孔か存在し
ているのが望ましく、1個/cm2 未満の密度であれ
ば、析出初期のデンドライトが正極に到達することがで
きず、電池電位が上昇するものと考えられる。尚、通常
の微多孔膜を使用した比較電池Xでは、電池電圧上昇に
よるガス発生が引き起こす電池の変形によりショートが
発生することが認められた。
池及びゲルポリマーを用いた電池と過充電特性との関係
を調べた。具体的には、表10に示すように、電解質と
してポリエチレンオキシド系ゲルポリマーを用いたこと
以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池(本
発明電池K)を作製した。そして、この電池について、
室温での充放電サイクルを500サイクル実施した後、
及び作製後サイクルを行っていない状態で、実施例1と
同様な過充電試験を行い、過充電量と電池電圧との関係
を調べたので、その結果を図13に示す。尚、ポリエチ
レンオキシド系ゲルポリマーは、実施例1と同様の電解
液とモノマーとを、体積比で12:1の割合で保持した
ものを用いた。
を使用した本発明電池Kでは、500サイクル実施した
後及び作製後サイクルを行っていない状態に係わらず、
充電深度200%付近で電池電圧の平坦化が発生し、且
つ平坦化した電池電圧も4.7V付近であった。これに
対して、電解液を用いた本発明電池Aでは、作製後サイ
クルを行っていない状態では充電深度150%付近から
電池電圧の平坦化が発生し、且つ平坦化した電池電圧も
4.7V付近であったのに対して、500サイクル実施
した後では充電深度140%付近で電池電圧の平坦化が
発生し、且つ平坦化した電池電圧も4.9Vと上昇して
いることが認められた。
ころ、電解液を単独で用いた本発明電池Aでは、充放電
サイクルにより発生する電解液の分解による堆積物や、
剥落した活物質がセパレータ上に堆積している様子が確
認された。これに対して、ゲルポリマーを用いた本発明
電池Kでは、分解による生成物や剥落した活物質はゲル
ポリマーによって保持されており、セパレータ上に堆積
している様子はほとんど観測されなかった。
物等が付着した場合には、貫通孔を塞いでしまう。この
ため過充電状態で負極上に発生したリチウムデンドライ
トが正極に到達するためには、通常以上に成長する必要
が生じる。この成長に必要な充電が進行するためには、
電池電圧が平坦化する充電深度は深くなり、電池電圧も
充電反応が進行するために上昇する。これに対して、本
発明電池Kの如く、セパレータ上に堆積物等が付着しな
い場合には、貫通孔を塞いでしまうことがないので、上
記の不都合が回避される。この結果、上記のような実験
結果となったものと考えられる。
を積極的に利用して過充電を防止する本発明によると、
特別な部材を用いることなくして、自己完結的に過充電
に起因する電池温度の上昇や、電池内でのガス発生を抑
制することができる。よって、本発明によると、信頼
性、安全性に優れた非水電解質二次電池を安価に提供す
ることができる。
る。
図である。
である。
と電池電圧との関係を示すグラフである。
示すグラフである。
示すグラフである。
る、貫通孔の方向を模式的に示す説明図である。
示すグラフである。
示すグラフである。
グラフである。
すグラフである。
を示すグラフである。
を示すグラフである。
Claims (10)
- 【請求項1】 リチウムを挿入離脱可能な化合物を正極
活物質とする正極と、リチウムを挿入離脱可能な材料を
負極活物質とする負極と、非水電解質と、前記正負極の
間に介装されたセパレータと、を有する非水電解質二次
電池において、 前記セパレータには、リチウムデンドライトを挿通する
ための貫通孔が形成されていることを特徴とする非水電
解質二次電池。 - 【請求項2】 前記貫通孔は前記正負極間を直線状で結
ぶ構造である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項3】 前記貫通孔は前記正負極間を最短で結ぶ
構造である、請求項2に記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項4】 前記貫通孔の直径が5μm以上である、
請求項1ないし3に記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項5】 前記貫通孔の直径が100μm以下であ
り、望ましくは70μm以下である請求項4に記載の非
水電解質二次電池。 - 【請求項6】 前記貫通孔の直径が50μm以下であ
る、請求項5に記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項7】 前記貫通孔の直径が30μm以下であ
る、請求項6に記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項8】 前記貫通孔の割合が1個/cm2 以上で
ある、請求項1ないし7に記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項9】 前記セパレータと前記正負極活物質との
間に導電性ポリマーを有する、請求項1ないし8に記載
の非水電解質二次電池。 - 【請求項10】 リチウムを挿入離脱可能な化合物を正
極活物質とする正極と、リチウムを挿入離脱可能な材料
を負極活物質とする負極と、非水電解質と、前記正負極
の間に介装されたセパレータと、を有する非水電解質二
次電池において、 前記セパレータには、直径が5μm以上の貫通孔が形成
されていることを特徴とする非水電解質二次電池。
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