JP2002189308A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

Info

Publication number
JP2002189308A
JP2002189308A JP2000388064A JP2000388064A JP2002189308A JP 2002189308 A JP2002189308 A JP 2002189308A JP 2000388064 A JP2000388064 A JP 2000388064A JP 2000388064 A JP2000388064 A JP 2000388064A JP 2002189308 A JP2002189308 A JP 2002189308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
phthalocyanine
photosensitive member
electrophotographic
electrophotographic photosensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000388064A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4201973B2 (ja
Inventor
Mitsusachi Mimori
光幸 三森
Mamoru Rin
護 臨
Akiteru Fujii
章照 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2000388064A priority Critical patent/JP4201973B2/ja
Publication of JP2002189308A publication Critical patent/JP2002189308A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4201973B2 publication Critical patent/JP4201973B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電性、感度等の電気特性、及び耐摩擦性、
耐刷性等の機械特性に優れた電子写真感光体を得る。 【解決手段】 導電性基体上に少なくとも感光層を有す
る電子写真感光体において、該感光層が、ポリアリレー
ト樹脂及び少なくともフタロシアニン化合物を含む2種
以上の有機顔料を含有することを特徴とする電子写真感
光体。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
する。詳しくは、電気特性及び機械特性に優れた電子写
真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術は、即時性、高品質の画像
が得られることなどから、従来の複写機だけにとどまら
ず、各種プリンタ、ファクシミリなど幅広く使われてい
る。電子写真技術の中核をなす感光体については、現在
一部にアモルファスシリコン、砒素―セレン系などの無
機光導電材料が使われているが、主流は有機系感光体で
ある。
【0003】有機系感光体としてはいくつかの層構成が
考案されているが、電荷発生と電荷輸送の機能を分離し
電荷発生層、電荷輸送層を積層したいわゆる積層型感光
体が、設計がやりやすい、生産性が高い、より高性能な
感光体が得られることなどから、精力的に研究・開発さ
れており、現在では中高速の複写機やプリンタにまで使
用範囲が広がっている。
【0004】しかしながら高速機用として使用するため
には、電気特性的には光感度が不十分、残留電位が高
い、光応答性が悪い、更に繰り返し使用した場合帯電性
が低下する、残留電位が蓄積する、感度が変動する、低
温で使用した場合、諸特性が悪化するなど種々の問題を
抱えており、まだまだ十分な特性を有しているとはいえ
ない。
【0005】その中でも、より高性能の感光体を開発す
ることは、高速の複写機やプリンタ等に使用するために
も広く望まれている。例えば、電荷輸送剤と結着樹脂と
よりなる電荷輸送層を上層へ配設した感光体の場合に
は、電荷輸送層表面へのトナーの付着、および現像剤や
転写用紙と感光体表面との接触による磨耗、傷の発生等
の問題があり、そしてこれらの問題点を改善するものと
して、電荷輸送層における結着樹脂として、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等を用いた
例が数多く報告されているが、電子写真特性、耐久性の
点で、いまだ問題があった。
【0006】そこで、この改良案として、ポリエステル
樹脂を用いた感光体が種々報告されている。しかしなが
ら、特開平5−341539号、特開平7−11419
1号、特開平8−110646号各公報等で例示されて
いるポリエステル樹脂を用いた感光体は、耐オゾン性に
劣るという欠点がある。また、特開平9−127711
号、特開平9−222743号各公報では、バインダー
として、ポリカーボネートを使用した感光体において、
電子写真装置内で、一回転目から画像を形成させるため
に、一回転目のV0低下を防ぐ手段として、フタロシア
ニンとアゾ顔料を混合して使用する技術が開示されてい
るが、露光に使用するレーザー波長に対して感度の無い
アゾ顔料を混合しているため、感度悪化が起こるという
問題を抱えていた。
【0007】さらに、特開平3−37667号公報で
は、バインダーとしてポリカーボネートを使用した感光
体において、フタロシアニンとアゾ顔料を混合した例が
示されており、感度の低いビスアゾ顔料に対し、フタロ
シアニンを併用させることにより、ビスアゾ顔料を単独
で使用するより感度を向上できた由報告されているが、
フタロシアニン単独系の電気特性の改良には至っていな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、機械特
性改良のため、感光層のバインダー樹脂としてポリアリ
レート樹脂を用い、電化発生剤としてフタロシアニンを
用いた電子写真感光体について研究を進めていた。フタ
ロシアニンには、色々な無金属、金属含有、結晶型を有
するものが報告されているが、製造されるフタロシアニ
ンの電気特性の改良は非常に困難であった。
【0009】また、レーザー露光する感光体において、
システム改良の為、露光波長に吸収のない電荷発生剤の
添加を行った系では、感度悪化が問題となっており、こ
の改善が求められていた。本発明の目的は、上記実情に
鑑みて為されたものであり、その目的は、高感度で且つ
優れた電気特性及び機械的物性を有する電子写真感光体
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、感光層のバイ
ンダー樹脂として、強度の高いポリアリレート樹脂を使
用することにより、耐摩擦性、トナーフイルミング性等
の機械的耐久性を向上させた上で、電荷発生剤として、
フタロシアニンを含む2種以上の有機顔料を用いること
により、それぞれの有機顔料を単独使用するよりも格段
に優れた感度を発現することができ、結果的に帯電性、
感度等の経時的劣化を減少させることのできる電子写真
感光体が得られる、つまり、帯電性、感度等の電気的耐
久性と、耐摩擦性、トナーフイルミング性等の機械的耐
久性を同時に満足する電子写真感光体を得られることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち本発明の要旨は、導電性基体上に少な
くとも感光層を有する電子写真感光体において、該感光
層が、ポリアリレート樹脂及び少なくともフタロシアニ
ン化合物を含む2種以上の有機顔料を含有することを特
徴とする電子写真感光体、に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】<導電性支持体>本発明の対象と
する電子写真感光体は、少なくとも感光層は導電性支持
体上に設けられた構造を有する。感光層が形成される導
電性支持体としては周知の電子写真感光体に採用されて
いるものがいずれも使用できる。
【0013】具体的には例えばアルミニウム、ステンレ
ス鋼、銅、ニッケル等の金属材料からなるドラム、シー
トあるいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物、あ
るいは表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化す
ず、酸化インジウム等の導電性層を設けたポリエステル
フィルム、紙等の絶縁性支持体が挙げられる。更に、金
属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電解質等
の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布して導電
処理したプラスチックフィルム、プラスチックドラム、
紙、紙管等が挙げられる。また、金属粉末、カーボンブ
ラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性とな
ったプラスチックのシートやドラムが挙げられる。又、
酸化スズ、酸化インジウム等の導電性金属酸化物で導電
処理したプラスチックフィルムやベルトが挙げられる。
【0014】なかでもアルミニウム等の金属のエンドレ
スパイプが好ましい支持体である。導電性支持体と感光
層との間には通常使用されるような公知のバリアー層が
設けられていてもよい。バリアー層としては、例えばア
ルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロー
ス類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミ
ド、ポリアミドなどの有機層が使用される。
【0015】有機層をバリアー層として用いる場合には
単独あるいはチタニア、アルミナ、シリカ、酸化ジルコ
ニウム等の金属酸化物あるいは銅、銀、アルミニウム等
の金属微粉末を分散させて用いてもよい。これらのバリ
アー層の膜厚は適宜設定できるが、通常、0.05〜2
0μm、好ましくは0.1〜10μmの範囲である。
【0016】<感光層> (1)層構成 感光層(光導電層)は、電荷発生層、電荷輸送層をこ
の順に積層したもの、あるいは電荷発生層と電荷輸送
層を逆に積層したもの、さらには電荷輸送媒体中に電
荷発生物質を分散したいわゆる分散型などいずれも用い
ることができる。
【0017】具体的には,2種類以上の電荷発生材料を
直接蒸着あるいはバインダーとの分散液として塗布して
電荷発生層を作成し,その上に電荷輸送物質をポリアリ
レートとともに溶解し,その分散液を塗布することによ
り,電荷輸送層を作成してなる積層型感光体(上記
)、電荷発生層と電荷輸送層の積層順序を前記と逆の
構成としたもの(上記)、あるいは電荷発生物質と電
荷輸送物質とが,バインダー中に分散,溶解した状態で
伝導性支持体上に塗布された一層型感光体(上記)で
あってもよい。これらの中でも積層型感光体が電気特性
の面から好ましい。
【0018】(2)バインダー樹脂 本発明の電子写真感光体は、その感光層を構成するバイ
ンダー樹脂として、ポリアリレート樹脂を少なくとも1
種使用する。該ポリアリレート樹脂としては、下記一般
式(3)を繰り返し単位として有するものが好ましい。
【0019】
【化5】
【0020】一般式(3)において、Xは、直接結合ま
たは2価の連結基を表し、環A、環B及び環Cは、ぞれ
ぞれ1〜4個の置換基を有していてもよいベンゼン環を
表す。環A、環B及び環Cの置換基としては、各々独立
に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜4
のアルコキシル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル
基、炭素数6〜20の置換基を有していても良い芳香族
基のいずれかが挙げられる。
【0021】炭素数1〜6のアルキル基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペ
ンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜4
のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が挙げられ
る。またハロゲンには塩素原子、臭素原子、フッ素原子
などが挙げられ、ハロゲン化アルキル基としてはクロロ
メチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ト
リフルオロメチル基等が挙げられる。置換基を有してい
ても良い芳香族基には、フェニル基、4−メチルフェニ
ル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0022】これらの中で、環A及び環Bの置換基とし
ては、好ましくは水素原子、メチル基およびフェニル基
であり、特に好ましくはメチル基が用いられる。また環
A及び環Bは、それぞれ2個のメチル基をエステル基の
オルト位に有するベンゼン環であるものが最も好まし
い。環Cは、製造上の点から、フェニレン基が好まし
い。
【0023】Xとしては、単結合、下記一般式(5)、
−O−、−S−、−CO−、−SO 2−、−(CH2)s
−(sは2〜5の整数)等が挙げられる。中でも両側の
A,Bのベンゼン環と合わせて公知のビスフェノールを
構成する成分であることが好ましいが、特に、下記一般
式(5)で表される置換基を有していても良いメチレン
基が機械物性の点から好ましい。
【0024】
【化6】
【0025】一般式(5)中、R1,R2はそれぞれ水素
原子、置換基を有していても良い炭素数1〜10のアル
キル基又はアリール基、であり、R1とR2とが結合して
環構造を形成しても良い。本発明に用いるポリアリレー
ト樹脂としては、特に下記式(4)で表される繰り返し
単位を有するものが、電気特性、機械物性の点から好ま
しい。
【0026】
【化7】
【0027】また、本発明に用いられるポリアリレート
樹脂は、その構成成分であるジカルボン酸成分として、
テレフタル酸成分が他のジカルボン酸成分より多いもの
であることが電気特性、滑り性、耐刷性の点から好まし
い。 (2)電荷発生物質 本発明においては、少なくともフタロシアニン化合物を
含む2種以上の有機顔料を用いる。
【0028】フタロシアニン化合物以外の有機顔料とし
ては,ペリノン系顔料,チオインジゴ,キナクリドン,
ペリレン系顔料,アントラキノン系顔料,アゾ系顔料,
ビスアゾ系顔料,トリスアゾ系顔料,テトラキス系アゾ
顔料,シアニン系顔料等が挙げられる。更に,多環キノ
ン,ピリリウム塩,チオピリリウム塩,インジゴ,アン
トアントロン,ピラントロン等の各種有機顔料,染料が
使用できる。
【0029】中でも無金属フタロシアニン,銅,塩化イ
ンジウム,塩化ガリウム,錫,オキシチタニウム,亜
鉛,バナジウム等の金属又は,その酸化物,塩化物の配
位したフタロシアニン類と、モノアゾ,ビスアゾ,トリ
スアゾ,ポリアゾ類等のアゾ顔料とを併用することが好
ましい。本発明においては、金属含有及び/又は無金属
フタロシアニンと、上記他の有機顔料とを組み合わせ使
用し、かつ、感光層のバインダー樹脂として前記一般式 (3)で示されるポリアリレート樹脂を利用すると、レ
ーザー光に対する感度が向上した感光体が得られる。特
に、感光層が少なくとも、電荷発生物質と電荷輸送物質
とを含有する場合、電荷発生物質として、X線回折スペ
クトルのブラック角(2θ±0.2°)27.3°に回
折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン(Y
型),または,(2θ±0.2°)9.3°,13.2
°,26.2°,および27.1°に回折ピークを示す
オキシチタニウムフタロシアニン,ブラッグ角2θ(±
0.3゜)9.2、14.1、15.3、19.7、 27.1゜に回折ピーク
を有するジヒドロキシシリコンフタロシアニン化合物、
X線回折スペクトルのブラック角(2θ±0.2°)
8.5°,12.2°,13.8°,16.9°,2
2.4°,28.4°および30.1°に主たる回折ピ
ークを示すジクロロスズフタロシアニンを含有すること
が好ましい。
【0030】フタロシアニン化合物と組み合わせる有機
顔料としてはアゾ顔料が好ましいが、中でも好ましいア
ゾ顔料のアゾ成分としては、以下の構造があげられる。
【0031】
【化8】
【0032】上記のビスアゾ成分のうち(a)で表され
るものが電気特性の点から好ましい。また、ビスアゾ顔
料を構成する好ましいカップラーとしては、以下の構造
があげられる。
【0033】
【化9】
【0034】これらのアゾ成分、カップラーは置換基を
有していても良く、左右非対称のアゾ顔料である事は好
ましい。アゾ顔料としては、特開昭54−79632
号、特開昭54−145142号、特開昭55−117
151号、特開昭57−176055号、特開昭63−
192627号、特開昭63−282743号各公報等
で公示されているビスアゾ顔料も、電気特性の面から好
ましく用いられる。
【0035】本発明において、フタロシアニン化合物に
対する他の有機顔料の重量比は、通常、0.01〜3、
好ましくは0.1〜1である。 (3)電荷輸送物質 本発明において、感光層に用いられる電荷輸送物質は、
公知のいずれの物も使用することができるが、該電荷輸
送物質のイオン化ポテンシャルIPが、
【0036】
【数1】 4.7(eV) < IP < 5.5(eV) の範囲にあることは、電気特性の面から、好ましい。ま
た、該電荷輸送物質としては、その構造式中に、スチル
ベン、アリールアミン、及びブタジエン骨格の少なくと
も一種を有する電荷輸送物質を含有することは好まし
い。
【0037】以下の表−1に本発明の感光体に用いられ
る電荷輸送物質の具体例を示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】(4)その他の添加剤 ・染料色素 本発明において、場合により感光層に添加される染料色
素としては、例えばメチルバイオレット、ブリリアント
グリーン、クリスタルバイオレット等のトリフェニルメ
タン染料、メチレンブルーなどのチアジン染料、キニザ
リン等のキノン染料及びシアニン染料やビリリウム塩、
チアビリリウム塩、ベンゾビリリウム塩等が挙げられ
る。
【0042】・電子吸引性化合物 本発明において、場合により感光層に添加される電子吸
引性化合物としては、例えばクロラニル、2,3−ジク
ロロ−1,4−ナフトキノン、1−ニトロアントラキノ
ン、1−クロロ−5−ニトロアントラキノン、2−クロ
ロアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン
類;4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド類;9
−ベンゾイルアントラセン、インダンジオン、3,5−
ジニトロベンゾフェノン、2,4,7−トリニトロフル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノ
ン、3,3′,5,5′−テトラニトロベンゾフェノン
等のケトン類;無水フタル酸、4−クロロナフタル酸無
水物等の酸無水物;テトラシアノエチレン、テレフタラ
ルマロノニトリル、9−アントリルメチリデンマロノニ
トリル、4−ニトロベンザルマロノニトリル、4−(p
−ニトロベンゾイルオキシ)ベンザルマロノニトリル等
のシアノ化合物;3−ベンザルフタリド、3−(α−シ
アノ−p−ニトロベンザル)フタリド、3−(α−シア
ノ−p−ニトロベンザル)−4,5,6,7−テトラク
ロロフタリド等のフタリド類等の電子吸引性化合物が挙
げられる。
【0043】(5)感光層の形成方法 本発明の電子写真用感光体の感光層は成膜性、可撓性、
機械的強度を向上させるために周知の可塑剤を含有して
いてもよい。その際、上記塗布液中に添加する可塑剤と
して、フタル酸エステル、りん酸エステル、エポキシ化
合物、塩素化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、メチ
ルナフタレンなどの芳香族化合物などが挙げられる。
【0044】積層型感光体の場合、アリールアミン系化
合物を電荷輸送層中の電荷輸送材料として用いる場合の
塗布液は、前記組成のものでもよいが、光導電性粒子、
染料色素、電子吸引性化合物等は除くか、少量の添加で
よい。この場合の電荷発生層としては上記光導電性粒子
と必要に応じバインダーポリマーや他の有機光導電性物
質、染料色素、電子吸引性化合物等の溶媒に溶解乃至分
散させて得られる塗布液を塗布乾燥した薄層、あるいは
前記光導電性粒子を蒸着等の手段により製膜とした層が
挙げられる。
【0045】感光層の塗布方法としては、スプレー塗布
法、スパイラル塗布法、リング塗布法、浸漬塗布法等が
ある。スプレー塗布法としては、エアスプレー、エアレ
ススプレー、静電エアスプレー、静電エアレススプレ
ー、回転霧化式静電スプレー、ホットスプレー、ホット
エアレススプレー等があるが、均一な膜厚を得るための
微粒化度、付着効率等を考えると回転霧化式静電スプレ
ーにおいて、再公表平1−805198号公報に開示さ
れている搬送方法、すなわち円筒状ワークを回転させな
がらその軸方向に間隔を開けることなく連続して搬送す
ることにより、総合的に高い付着効率で膜厚の均一性に
優れた電子写真感光体を得ることができる。
【0046】スパイラル塗布法としては、特開昭52−
119651号公報に開示されている注液塗布機または
カーテン塗布機を用いた方法、特開平1−231966
号公報に開示されている微小開口部から塗料を筋状に連
続して飛翔させる方法、特開平3−193161号公報
に開示されているマルチノズル体を用いた方法等があ
る。
【0047】また浸漬塗布法としては、一例として以下
のような手順が挙げられる。まず、電荷輸送物質(好ま
しくは前述の化合物)、バインダー、溶剤等を用い、全
固形分濃度が通常25%以上、40%以下、粘度が通常
50〜300センチポアーズ以下、好ましくは100〜
200センチポアーズ以下の電荷輸送層形成用の塗布液
を調製する。
【0048】ここで実質的に塗布液の粘度はバインダー
ポリマーの種類及びその分子量により決まるが、あまり
分子量が低い場合にはポリマー自身の機械的強度が低下
するためこれを損わない程度の分子量を持つバインダー
ポリマーを使用することが好ましい。この様にして調整
された塗布液を用いて浸漬塗布法により電荷輸送層が形
成される。
【0049】その後塗膜を乾燥させ、必要且つ充分な乾
燥が行われる様に乾燥温度時間を調整すると良い。乾燥
温度は、通常100〜250℃、好ましくは、110〜
170℃、さらに好ましくは、120〜140℃の範囲
である。乾燥方法としては、熱風乾燥機、蒸気乾燥機、
赤外線乾燥機及び遠赤外線乾燥機等を用いることができ
る。
【0050】この様にして得られる本発明の電子写真感
光体は高感度で、残留電位が低く帯電性が高く、かつ、
繰返しによる変動が小さく、特に、画像濃度に影響する
帯電安定性が良好であることから、高耐久性感光体とし
て用いることができる。又、750〜850nmの領域
の感度が高いことから、特に半導体レーザープリンター
用感光体に適している。
【0051】(6)積層型感光体 ・電荷発生層 上述した及びの積層型感光層を形成する電荷発生層
は、前記の電荷発生物質が、バインダー樹脂及び必要に
応じ他の有機光導電性化合物、色素、電子吸引性化合物
等と共に溶剤に溶解あるいは分散し、こうして得られる
塗布液を塗布乾燥して電荷発生層を得る。
【0052】つまり、積層型感光層における電荷発生層
は、これらの物質の微粒子を、例えばポリアリレート樹
脂、ポリビニルアセテート、ポリアリレート、ポリカー
ボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプ
ロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノキシ樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエステ
ル、セルロースエーテルなどの各種バインダー樹脂で結
着した形の分散層で使用してもよい。更に、バインダー
樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルアル
コール、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合
体および共重合体、ポリアミド、けい素樹脂等が挙げら
れる。この場合の電荷発生材料(電荷発生物質)の使用
比率はバインダー樹脂100重量部に対して通常20〜
2000重量部、好ましくは30〜500重量部、より
好ましくは33〜500重量部の範囲より使用され、電
荷発生層の膜厚は通常0.05〜5μm、好ましくは
0.1〜2μm、より好ましくは0.15〜0.8μm
が好適である。また電荷発生層は必要に応じて塗布性を
改善するためのレベリング剤や酸化防止剤、増感剤等の
各種添加剤を含んでいてもよい。更にまた電荷発生層は
上記電荷発生材料の蒸着膜であってもよい。
【0053】・電荷輸送層 電荷輸送層に使用される電荷輸送物質としては、前述の
スチルベン、アリールアミン、ブタジエン骨格から選ば
れる少なくとも1種の構造を有する電荷輸送物質以外に
も、ヒドラゾン、縮合多環、複素環、エナミン骨格を有
する化合物等を併用することができる。
【0054】電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂と
しては、上述した、本発明のポリアリレート樹脂の他
に、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体、及びその共重合
体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル
カーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキ
シ、エポキシ、シリコーン樹脂などを共用したり、共重
合する事も可能であり、またこれらの部分的架橋硬化物
も使用できる。
【0055】バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合
は、バインダー樹脂100重量部に対して、通常、30
〜90重量部、好ましくは40〜70重量部の範囲で使
用される。電荷輸送層の膜厚は、通常、10〜60μ
m、好ましくは10〜45μm、更に好ましくは27〜4
0μmの厚みで使用されるのがよい。
【0056】さらに、電荷輸送層には、必要に応じて酸
化防止剤、増感剤等の各種添加剤並びに他の電荷輸送材
料を含んでいてもよい。またこの他に、塗膜の機械的強
度や、耐久性向上のための種々の添加剤を用いることが
できる。この様な添加剤としては、周知の可塑剤や、種
々の安定剤、流動性付与剤、架橋剤等が挙げられる。
【0057】・感光層の形成方法 電荷発生層と電荷輸送層の二層からなる感光層の場合
は、電荷発生層の上に上記塗布液を塗布するか、上記塗
布液を塗布して得られる電荷輸送層の上に電荷発生層を
形成させることにより、製造することができる。塗布液
調製用の溶剤としてはテトラヒドロフラン、1,4−ジ
オキサン等のエーテル類、メチルエチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニ
トリル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド
等の非プロトン性極性溶媒;酢酸エチル、蟻酸メチル、
メチルセロソルブアセテート等のエステル類;ジクロロ
エタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素などのアミン
系化合物を溶解させる溶剤が挙げられる。勿論これらの
中からバインダーを溶解するものを選択する必要があ
る。
【0058】このようにして形成される感光体にはま
た、必要に応じ、バリアー層、接着層、ブロッキング層
等の中間層、透明絶縁層、あるいは保護層など、電気特
性、機械特性の改良のための層を有していてもよいこと
はいうまでもない。最表面層としては、従来公知の例え
ば熱可塑性あるいは熱硬化性ポリマーを主体とするオー
バーコート層を設けてもよい。
【0059】各層の形成方法としては層に含有させる物
質を溶剤に溶解または分散させて得られた塗布液を順次
塗布する等の公知の方法が適用できる。 (7)単層型感光体 上述したの分散型感光層の場合、用いられる電荷発生
物質の種類は、前記したものと同様であるが、その粒子
径は充分小さいことが必要であり、好ましくは1μm以
下、より好ましくは、0.5μm以下で使用される。
【0060】感光層内に分散される電荷発生物質の量
は、例えば0.5〜50重量%の範囲であるが少なすぎ
ると充分な感度が得られず、多すぎると帯電性の低下、
感度の低下などの弊害があり、より好ましくは1〜20
重量%の範囲で使用される。単層型の感光層は、常法に
従って、上述した電荷輸送物質を上述したバインダー樹
脂と共に適当な溶剤中に溶解し、必要に応じ、適当な電
荷発生材料、増感染料、電子吸引性化合物、他の電荷輸
送材料、あるいは、可塑剤、顔料等との周知の添加剤を
添加して得られる塗布液を導電性支持体上に塗布、乾燥
し、通常、数μ〜数十μ、好ましくは10〜45μm、
特に好ましくは20μm以上の膜厚の層を形成させるこ
とにより製造することができる。
【0061】<電子写真装置>本発明の電子写真感光体
を使用する複写機・プリンター等の電子写真装置は、少
なくとも帯電、露光、現像、転写の各プロセスを含む
が、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用い
ても良い。帯電方法(帯電器)としては、例えばコロナ
放電を利用したコロトロンあるいはスコロトロン帯電、
導電性ローラーあるいはブラシ、フィルムなどによる接
触帯電などいずれを用いても良い。このうち、コロナ放
電を利用した帯電方法では暗部電位を一定に保つために
スコロトロン帯電が用いられることが多い。現像方法と
しては、磁性あるいは非磁性の一成分現像剤、二成分現
像剤などを接触あるいは非接触させて現像する一般的な
方法が用いられる。転写方法としては、コロナ放電によ
るもの、転写ローラーあるいは転写ベルトを用いた方法
等いずれでもよい。転写は、紙やOHP用フィルム等に
対して直接行っても良いし、一旦中間転写体(ベルト状
あるいはドラム状)に転写したのちに、紙やOHP用フ
ィルム上に転写しても良い。
【0062】通常、転写の後、現像剤を紙などに定着さ
せる定着プロセスが用いられ、定着手段としては一般的
に用いられる熱定着、圧力定着などを用いることができ
る。これらのプロセスのほかに、通常用いられるクリー
ニング、除電等のプロセスを有しても良い。
【0063】
【実施例】以下に本発明の具体的態様を実施例により更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの実施例によって限定されるものではない。 製造例1(ポリアリレートAの製造) 1Lビーカーに水酸化ナトリウム(7.26g)とH2
O(600ml)を評取し、窒素バブリングしながら、
攪拌し、溶解させた。そこに、p―tertブチルフェノー
ル(0.3035g)、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド(0.089g)及び、ビス(4−ヒドロ
キシー3,5−ジメチルフェニル)メタン[テトラメチ
ルビスフェノールF](17.86g)、の順に添加、
攪拌した後、このアルカリ水溶液を2L反応漕に移し
た。
【0064】別途、テレフタル酸クロライド(10.1
1g)、イソフタル酸クロライド(4.33g)をジク
ロロメタン(300ml)に溶解し、滴下ロート内に移
した。重合漕の外温を20℃に保ち、反応漕内のアルカ
リ水溶液を攪拌しながら、滴下ロートより、ジクロロメ
タン溶液を1時間かけて滴下した。さらに、3時間攪拌
を続けた後、酢酸(5ml)ジクロロメタン(100m
l)を加え、水(100ml)30分間攪拌した。その
後、攪拌を停止し、有機漕を分離した。この有機漕を
0.1N水酸化ナトリウム水溶液(600ml)にて洗
浄を2回行い、次に0.1N塩酸(600ml)にて洗
浄を2回行い、さらにH2O(600ml)にて洗浄を
2回行った。
【0065】洗浄後の有機層をメタノールに注いで得ら
れた沈殿物を濾過にて取り出し、乾燥して目的のポリア
リレートAを得た。得られたポリアリレートの粘度平均
分子量は、34300であった。
【0066】
【化10】
【0067】実施例1 電荷発生物質として(2θ±0.2°)9.3°,1
3.2°,26.2°,および27.1°にCuKα線に
よるX線回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシア
ニン 2重量部、及び、以下構造を有するアゾ顔料 1
重量部を用い、これに
【0068】
【化11】
【0069】ジメトキシエタン 202.5重量部、4
−メトキシ4−メチル2−ペンタノン22.5重量部を
加え、サンドブラインドミルで2時間粉砕し微粒化分散
処理を行った。 次にポリビニルブチラール(電気化学
工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000
C)0.75重量部、及び、フェノキシ樹脂(ユニオン
カーバイド社製、商品名PKHH) 0.75重量部を
添加し、さらに1時間分散処理を行い、さらに15分超
音波を施し、分散液を調整した。 次にこの分散液をポ
リエステルフィルム上に蒸着したアルミニウム蒸着面上
にバーコーターにより乾燥後の顔料の着量が 0.2
g/m2となるように電荷発生層を設けた。
【0070】この電荷発生層の上に、電荷輸送物質とし
て前記表−1に示される化合物(T14)を60重量部、
および、製造例1で作成したポリアリレートA100重
量部をテトラヒドロフラン/トルエン混合溶液 100
0重量部で溶解させた溶液をフィルムアプリケータによ
り塗布し、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電荷輸
送層を設けた。
【0071】得られた感光体を感光体Aと称する。な
お、感光体の評価は以下のように行った。 [電気特性]半減露光量はまず、感光体を暗所で50μ
Aのコロナ電流により負帯電させ、次いで20ルックス
の白色光を干渉フィルターに通して得られた780nm
の光(露光エネルギー10μW/cm2 )で露光し、表
面電位が−550Vから−275Vまで減衰するのに要する露
光量を測定することにより求めた。さらに露光時間を
9.9秒とした時の表面電位を残留電位(Vr)として
測定した。
【0072】比較例1 実施例1において電荷発生物質として用いたフタロシア
ニン及びアゾ顔料の代わりに、(2θ±0.2°)9.
3°,13.2°,26.2°,および27.1°にCu
Kα線によるX線回折ピークを示すオキシチタニウムフタ
ロシアニン 3重量部のみを使用する以外は実施例1と
同様に行い、感光体Bを作成した。次いで、実施例1と
同様にして、電気特性を測定した。結果を表−2に記
す。
【0073】比較例2 実施例1において電荷発生物質として用いたフタロシア
ニン及びアゾ顔料の代わりに、アゾ顔料 3重量部のみ
を使用する以外は実施例1と同様に行い、感光体Cを作
成した。次いで、実施例1と同様にして、電気特性を測
定した。光減衰はほとんど無く、電気特性は、測定不能
であった。
【0074】実施例2 実施例1において電荷輸送物質として用いた化合物(T
−14)の代わりに、化合物(T−8)を用いる以外
は、実施例1と同様に行い感光体Dを作成した。次いで
実施例1と同様にして電気特性を測定した。結果を表−
2に記す。 比較例3 比較例1において電荷輸送物質として用いた化合物(T
−14)のかわりに、、化合物(T−8)を用いる以外
は、比較例1と同様に行い感光体Eを作成した。次いで
実施例1と同様にして電気特性を測定した。結果を表−
2に記す。
【0075】比較例4 比較例2において電荷輸送物質として用いた化合物(T
−14)のかわりに、、化合物(T−8)を用いる以外
は、比較例2と同様に行い感光体Fを作成した。次いで
実施例1と同様にして電気特性を測定した。光減衰はほ
とんど無く、電気特性は、測定不能であった。
【0076】実施例3 実施例1において用いたフタロシアニンの代わりに、X
線回折スペクトルのブラック角(2θ±0.2°)2
7.3°に回折ピークを示すY型オキシチタニウムフタ
ロシアニンを用いる以外は、実施例1と同様に行い感光
体Gを作成した。次いで実施例1と同様にして電気特性
を測定した。結果を表−2に記す。
【0077】比較例5 比較例1において用いたフタロシアニンの代わりに、X
線回折スペクトルのブラック角(2θ±0.2°)2
7.3°に回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシ
アニンを用いる以外は、比較例1と同様に行い感光体H
を作成した。次いで実施例1と同様にして電気特性を測
定した。結果を表−2に記す。
【0078】実施例4 実施例3において電荷輸送物質として用いた化合物(T
−14)の代わりに、化合物(T−8)を用いる以外
は、実施例3と同様に行い感光体Iを作成した。次いで
実施例1と同様にして電気特性を測定した。結果を表−
2に記す。 比較例6 比較例5において電荷輸送物質として用いた化合物(T
−14)のかわりに、、化合物(T−8)を用いる以外
は、比較例5と同様に行い感光体Jを作成した。次いで
実施例1と同様にして電気特性を測定した。結果を表−
2に記す。
【0079】比較例7 実施例3において用いたポリアリレートの代わりに、下
記構造を有するポリカーボネートを使用する以外は、
【0080】
【化12】
【0081】実施例3と同様に行い感光体Kを作成し
た。次いで実施例1と同様にして電気特性を測定した。
結果を表−2に記す。 比較例8 比較例5において用いたポリアリレートの代わりに、比
較例7で用いたポリカーボネートを用いる以外は、比較
例5と同様に行い感光体Lを作成した。次いで実施例1
と同様にして電気特性を測定した。結果を表−2に記
す。
【0082】比較例9 比較例1において用いたポリアリレートの代わりに、ポ
リエステル(東洋紡(株)製、商品名:バイロン20
0)を用いる以外は、比較例1と同様に行い感光体Mを
作成した。次いで実施例1と同様にして電気特性を測定
した。結果を表−2に記す。
【0083】比較例10 比較例2において用いたポリアリレートの代わりに、ポ
リエステル(東洋紡(株)製、商品名:バイロン20
0)を用いる以外は、比較例2と同様に行い感光体Nを
作成した。次いで実施例1と同様にして電気特性を測定
した。結果を表−2に記す。
【0084】
【表4】
【0085】上記の結果から明らかなようにポリアリレ
ートを使用した感光体のうち、2種類以上の電荷発生物
質を混合して用いて作製した本発明による感光体(実施
例1,2,3,4)は、従来の電荷発生物質1種類を用
いて作成した比較感光体(比較例1,2,3,4)と比
較して、電気特性の点において明確な改良効果がある事
がわかる。
【0086】ポリカーボネートを利用した感光体は、同
様に2種類の電荷発生物質を混合させて用いても(比較
例7)、1種類の電荷輸送物質により作製した感光体
(比較例8)と比較して、初期電気特性において悪化し
ており、ポリアリレートを使用した感光体(実施例3)
と比較しても電気特性が悪化している。本実施例で利用
したアゾ顔料は、電気特性測定時の露光で利用した78
0nmの光に対して感度が無い電荷発生物質であり、
(添加によりフタロシアニンの吸収を妨げる事になるた
め)、一般的には、電気特性の悪化が予想されるが、フ
タロシアニンとの併用で、ポリアリレートを電荷輸送層
のバインダーとして利用しすることにより、特異的に電
気特性を向上させていることがわかる。
【0087】
【発明の効果】本発明の組成により、電荷発生物質とし
てフタロシアニンを使用する感光体の電気特性を改善す
ることができる。つまり、電荷輸送層にポリアリレート
を使用した場合、フタロシアニンを含む、2種類以上の
有機顔料を混合させて用いることにより、元来フタロシ
アニンが有する以上の電気特性を引き出すことができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 章照 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA19 BA38 BA39 BA41 BA45 BB27 EA16

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくとも感光層を有す
    る電子写真感光体において、該感光層が、ポリアリレー
    ト樹脂及び少なくともフタロシアニン化合物を含む2種
    以上の有機顔料を含有することを特徴とする電子写真感
    光体。
  2. 【請求項2】 有機顔料が、少なくともフタロシアニン
    化合物及びアゾ化合物を含むものである請求項1に記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 フタロシアニン化合物が、チタニルフタ
    ロシアニンである請求項1または2に記載の電子写真感
    光体。
  4. 【請求項4】 チタニルフタロシアニンが、X線回折ス
    ペクトルのブラック角(2θ±0.2°)27.3°に
    回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン,ま
    たは,(2θ±0.2°)9.3°,13.2°,2
    6.2°,および27.1°に回折ピークを示すオキシ
    チタニウムフタロシアニンである請求項3に記載の電子
    写真感光体。
  5. 【請求項5】 アゾ化合物が、下記式(1)で表される
    ビスアゾ成分を有するものである請求項2〜4のいずれ
    かに記載の電子写真感光体。 【化1】
  6. 【請求項6】 アゾ化合物が、下記式(2)で表される
    カップラー成分のうち少なくとも1つを有するものであ
    る請求項2〜5のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化2】 (一般式(2)のカップラー成分群は置換基を有してい
    ても良い)
  7. 【請求項7】 ポリアリレート樹脂が、下記一般式
    (3)で表される繰り返し単位を有するものである、請
    求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体。 【化3】 (一般式(3)において、Xは、直接結合または2価の
    連結基を表し、A、B及びCは、それぞれ1〜4個の置
    換基を有していてもよいベンゼン環を表す)
  8. 【請求項8】 一般式(3)において、Xが置換基を有
    しても良いメチレン基、A及びBがそれぞれ少なくとも
    1つのメチル基を有するベンゼン環、Cが無置換のベン
    ゼン環である、請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 ポリアリレート樹脂が、下記式(4)で
    表される繰り返し単位を有するものである、請求項8に
    記載の電子写真感光体。 【化4】
  10. 【請求項10】 上記式(4)で表されるポリアリレー
    ト樹脂が、該樹脂を構成する酸成分中、テレフタル酸成
    分のモル分率が、他の酸成分のモル分率より多いもので
    ある請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 少なくともフタロシアニン化合物を含
    む2種以上の有機顔料を分散してなる塗布液を用いて感
    光層を形成することを特徴とする請求項1〜10のいず
    れかに記載の電子写真感光体の製造方法。
JP2000388064A 2000-12-21 2000-12-21 電子写真感光体 Expired - Fee Related JP4201973B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000388064A JP4201973B2 (ja) 2000-12-21 2000-12-21 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000388064A JP4201973B2 (ja) 2000-12-21 2000-12-21 電子写真感光体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002189308A true JP2002189308A (ja) 2002-07-05
JP4201973B2 JP4201973B2 (ja) 2008-12-24

Family

ID=18854872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000388064A Expired - Fee Related JP4201973B2 (ja) 2000-12-21 2000-12-21 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4201973B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004095143A1 (ja) * 2002-12-13 2004-11-04 Mitsubishi Chemical Corporation 電子写真感光体、該電子写真感光体を用いたドラムカートリッジおよび画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004095143A1 (ja) * 2002-12-13 2004-11-04 Mitsubishi Chemical Corporation 電子写真感光体、該電子写真感光体を用いたドラムカートリッジおよび画像形成装置
US7217483B2 (en) 2002-12-13 2007-05-15 Mitsubishi Chemical Corporation Electrophotographic photoreceptor, drum cartridge employing the electrophotographic photoreceptor, and image-forming apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP4201973B2 (ja) 2008-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3123185B2 (ja) クロロガリウムフタロシアニンの新規な結晶、その新規な結晶よりなる光導電材料及びそれを用いた電子写真感光体
JP4204569B2 (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP4657150B2 (ja) 積層型電子写真感光体及び画像形成装置
JP4134200B2 (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JP4778986B2 (ja) 電子写真感光体及び画像形成装置
JP4371568B2 (ja) 電子写真感光体
JP3868180B2 (ja) 電子写真感光体
JP6107298B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP6146188B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5126440B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、および画像形成装置
JP4132640B2 (ja) 電子写真感光体
JP3785019B2 (ja) 電子写真感光体
JP3891759B2 (ja) 電子写真感光体
JP4201973B2 (ja) 電子写真感光体
JP3829974B2 (ja) 電子写真感光体
JP6835103B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP4835668B2 (ja) 電子写真感光体
JP3910011B2 (ja) 電子写真感光体
JP5152300B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
JP3084882B2 (ja) 電子写真感光体
JP3805950B2 (ja) 電子写真感光体
JP2006113612A (ja) 電子写真感光体
JP2001166505A (ja) 電子写真感光体製造用塗液及びこの塗液を用いた電子写真感光体
JP3835514B2 (ja) 電子写真感光体
JP2001215741A (ja) 電子写真感光体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040402

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050118

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20041215

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20050823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060123

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060314

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080904

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081008

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees