JP2002188536A - 過給機付き内燃機関 - Google Patents

過給機付き内燃機関

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JP2002188536A
JP2002188536A JP2000390177A JP2000390177A JP2002188536A JP 2002188536 A JP2002188536 A JP 2002188536A JP 2000390177 A JP2000390177 A JP 2000390177A JP 2000390177 A JP2000390177 A JP 2000390177A JP 2002188536 A JP2002188536 A JP 2002188536A
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intake
engine
internal combustion
combustion engine
intake pipe
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JP2000390177A
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Joji Matsubara
譲二 松原
Tadakuni Takeda
忠邦 武田
Taizo Kitada
泰造 北田
Jun Takemura
純 竹村
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Supercharger (AREA)
  • Characterised By The Charging Evacuation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ内に直接燃料を噴射する筒内噴射型
内燃機関やインタクーラを備えた内燃機関に用いて好適
の過給機付き内燃機関に関し、吸気管長を適切に設定す
ることによりノッキングを確実に防止できるようにしな
がら機関の出力増を図ることができるようにする。 【解決手段】 過給機50を有する内燃機関において、
シリンダ3に接続された吸気マニホールド25及び吸気
ポート11Aからなる吸気管の長さを、機関の中速域で
慣性過給効果を弱める長さに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過給機を有する内
燃機関に関し、特に、シリンダ内に直接燃料を噴射する
筒内噴射型内燃機関やインタクーラを備えた内燃機関に
用いて好適の、過給機付き内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関(以下、エンジンともいう)に
おいて、インテークマニホールド(以下、インマニと省
略する)のブランチ長を長くして、即ち、インマニ及び
吸気ポートからなる吸気通路部分(吸気管長)を長くし
て慣性効果(慣性過給効果)を強めると、エンジンの中
速域の体積効率が増大することが一般的である。
【0003】一方、吸気系に過給機(ターボチャージ
ャ,以下、ターボチャージャをT/Cとも記す)を備え
たエンジン(T/C付きエンジンともいう)において
は、インマニのブランチ長が短くても(したがって、吸
気管長が短くても)過給圧を高めることで体積効率は自
由に制御できる。しかし、過給圧を高くすると当然吸気
温度も高くなり、吸気温度が高まるとノッキングが発生
しやすくなる。このため、過給圧を高めるのはノッキン
グを防止する観点からは不利であり、ブランチ長(した
がって、吸気管長)を長くしてターボチャージャによる
過給仕事を小さくした方がノッキング防止には有利であ
ると考えられていた。
【0004】したがって、T/C付きエンジンの場合
も、一般にはブランチ長(吸気管長)を長くして体積効
率を増大させる手法が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、T/C付き
エンジンにおいて、上述のように、慣性効果を考慮して
ブランチ長を比較的長くしたインマニを用いたもので
は、ノッキングが生じ易くなり、一方、ブランチ長をこ
れよりも短くして慣性効果を弱めると、ノッキングが緩
和されることが、試験結果から判明した。
【0006】これは、前述の「インマニのブランチ長を
長くしてターボチャージャによる過給仕事を小さくする
ことがノッキング防止に有利である」との考え方に反す
る特性であるが、さらに種々の試験を行なった結果、ブ
ランチ長を短くして慣性効果を弱めると、圧縮行程開始
時の吸気温度が低下するため、ノッキングが緩和される
ことが判明した。
【0007】つまり、インマニのブランチ長(吸気管
長)が長く慣性効果が強いと、吸気行程後半に高い正圧
波が生じるようになり、その直後の圧縮行程開始時の吸
気温度が上昇するため、ノッキングが生じやすく、逆
に、インマニのブランチ長が短く慣性効果が弱いと、吸
気行程後半の正圧波は弱まり、その直後の圧縮行程開始
時の吸気温度が低下するため、ノッキングが緩和される
のである。
【0008】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、過給機付き内燃機関において、インテークマニホ
ールドのブランチ長に大きく依存する吸気管長を適切に
設定することによりノッキングを確実に防止できるよう
にしながら機関の出力増を図ることができるようにし
た、過給機付き内燃機関を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の過給機付き内燃機関では、シリンダに接続さ
れた吸気マニホールド及び吸気ポートからなる吸気管の
長さが、機関の中速域で慣性過給効果を弱める長さに設
定されているので、機関の中速域における吸気行程後半
の正圧波が弱まり、その直後の圧縮行程開始時の吸気温
度が低下して、ノッキングが緩和されるようになる。
【0010】なお、請求項2記載の本発明の過給機付き
内燃機関では、上記の機関中速域で慣性過給効果を弱め
る吸気管の長さlは、シリンダの容積Vと該吸気管の断
面積Sとの相対関係として、S・l/V≦1.45の関
係を満たすように設定し、請求項3記載の本発明の過給
機付き内燃機関では、S・l/V≒1.36の関係を満
たすように設定する。これにより、より確実にノッキン
グが緩和されるようになる。
【0011】また、請求項4記載の本発明の過給機付き
内燃機関では、該吸気管に導かれる吸気を冷却するイン
タクーラが設けられており、インタクーラの冷却によっ
て吸気温度がより低下してノッキングが一層緩和される
ようになる。さらに、請求項5記載の本発明の過給機付
き内燃機関では、該内燃機関が該シリンダ内に直接燃料
を噴射する筒内噴射型内燃機関になっているので、更に
ノッキングの防止に有利である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図4は本発明の一実
施形態としての過給機付き内燃機関について示すもの
で、図1はその要部模式的構成図、図2はその模式的構
成図、図3,図4その各特性を示す図である。
【0013】まず、本実施形態にかかるエンジンは、例
えば自動車に搭載される筒内噴射型内燃機関(以下、筒
内噴射エンジン,直噴ガソリンエンジン又は単にエンジ
ンともいう)であって、図2に示すように構成されてい
る。つまり、エンジン1のシリンダヘッド2には、各シ
リンダ3毎に点火プラグ4と燃焼室5内に直接開口する
燃料噴射弁6とが設けられている。シリンダ3内には、
クランクシャフト7に連結されたピストン8が装備さ
れ、このピストン8の頂面には半球状に窪んだキャビテ
ィ9が形成されている。
【0014】シリンダヘッド2には、吸気弁10を介し
て燃焼室5と連通しうる吸気通路11、及び、排気弁1
2を介して燃焼室5と連通しうる排気通路13が接続さ
れている。吸気ポート11Aは燃焼室5上方に略鉛直に
配設され、ピストン8の頂面のキャビティ9と協働して
燃焼室5内で吸気による逆タンブル流を形成させるよう
になっている。
【0015】また、シリンダ3外周のウォータジャケッ
ト15には冷却水温を検出する水温センサ16が設けら
れ、クランクシャフト7には所定のクランク角位置で信
号を出力するクランク角センサ17が、吸気弁10,排
気弁12を駆動するカムシャフト(図示略)にはカムシ
ャフト位置に応じた気筒識別信号を出力する気筒識別セ
ンサ(図示略)が、それぞれ付設されている。クランク
角信号に基づいてエンジン回転速度を算出できるので、
クランク角センサ17はエンジン回転速度検出手段とし
ても機能する。
【0016】吸気通路11は、上流側からエアクリーナ
21,外部吸気管22,スロットルボディ23,サージ
タンク24,吸気マニホールド25の順に構成され、吸
気マニホールド25の下流端部に吸気ポート11Aが設
けられている。外部吸気管22のスロットルボディ23
よりも上流部には、ターボチャージャ(過給機)50の
コンプレッサ51とインタクーラ55とが上流側から介
装され、コンプレッサ51による過給とインタクーラ5
5による空気(吸気)の冷却とが行なわれるようになっ
ている。
【0017】また、スロットルボディ23には、燃焼室
5内へ流入する空気量を調整する電子制御式スロットル
弁(ETV)30がそなえられている。このETV30
の開度制御は、アクセル開度に応じた制御のみならず、
アイドルスピード制御や、ターボチャージャ50と協働
して後述するリーン運転時の大量吸気導入の制御も行な
えるようになっている。
【0018】さらに、エアクリーナ21の直ぐ下流部分
には吸入空気流量を検出するエアフローセンサ37が、
スロットルボディ23にはETV30のスロットル開度
を検出するスロットルポジションセンサ38とETV3
0の全閉を検出してアイドル信号を出力するアイドルス
イッチ39とがそれぞれ設けられている。排気通路13
は、上流側から排気ポート13A,排気マニホールド2
6,排気管(外部排気管)27の順に構成され、排気管
27には排ガス浄化用の三元触媒29が介装され、排気
マニホールド26には、O2センサ40が設けられてい
る。排気管27の上流部分には、ターボチャージャ(過
給機)50のタービン部52が介装されている。
【0019】また、ターボチャージャ50には、ウエス
トゲートバルブ53が備えられており、タービン部52
の過回転を防止すると共に、ターボチャージャ50の作
動・非作動を制御できるようになっている。なお、燃料
供給系については図示しないが、圧力が所定の高圧力
〔数十気圧(例えば2〜7MPa)程度〕に調整された
燃料が燃料噴射弁6に導かれ、燃料噴射弁6から高圧燃
料が噴射されるようになっている。
【0020】そして、点火プラグ4,燃料噴射弁6,E
TV30,ターボチャージャ50のウエストゲートバル
ブ53といった各エンジン制御要素の作動を制御するた
めに、内燃機関の制御手段としての機能を有する電子制
御ユニット(ECU)60がそなえられている。このE
CU60には、入出力装置,制御プログラムや制御マッ
プ等の記憶を行なう記憶装置,中央処理装置,タイマや
カウンタ等がそなえられており、前述の種々のセンサ類
からの検出情報やキースイッチの位置情報等に基づい
て、このECU60が、上述の各エンジン制御要素の制
御を行なうようになっている。
【0021】特に、本エンジンは、筒内噴射エンジンで
あり、燃料噴射を自由なタイミングで実施でき、吸気行
程を中心とした燃料噴射によって均一混合させ均一燃焼
を行なうほか、圧縮行程を中心とした燃料噴射によって
前述の逆タンブル流を利用して層状燃焼を行なうことが
できる。本エンジンの運転モードとしては、O2センサ
40の検出情報に基づいたフィードバック制御により空
燃比を理論空燃比近傍に保持するストイキ運転モード
(第2燃焼モード)と、空燃比を理論空燃比よりもリッ
チにするエンリッチ運転モード(第2燃焼モード)と、
空燃比を理論空燃比よりも大幅にリーンにして上記の層
状燃焼を用いて超希薄燃焼(超リーン運転)させる超リ
ーン運転モード(第1燃焼モード)とが設けられてい
る。
【0022】リーン運転モード(第1燃焼モード)で
は、圧縮行程で燃料噴射を行なって、前記の逆タンブル
流,ピストン8の頂面のキャビティ9を利用して、噴射
燃料を点火プラグ4の近傍のみに部分的に集めるととも
にこれ以外の部分は主として空気のみの状態とする層状
燃焼を行ない、燃料の着火性を確保しながら筒内全体で
は極めて希薄な空燃比として、燃費向上を図っている。
【0023】ECU60では、エンジン回転速度(以
下、エンジン回転数という)Ne及びエンジン負荷状態
を示す平均有効圧Peの目標値(目標Pe)に応じてい
ずれかの運転モードを選択するようになっており、エン
ジン回転数Neが小さく目標Peも小さい状態では層状
燃焼による超リーン運転モード(圧縮リーン運転モー
ド)を選択し、エンジン回転数Neや目標Peが増加し
ていくと、ストイキ,エンリッチの順に運転モードを選
択していく。
【0024】ところで、吸気系では、シリンダに接続さ
れた吸気管部分、つまり、吸気マニホールド25及び吸
気ポート11Aからなる内部吸気管(単に吸気管ともい
う)の吸気脈動によって、慣性過給が行なわれるが、本
エンジンでは、この慣性過給効果(単に、慣性効果とも
いう)がエンジンの中速域(ここでは、3000〜50
00rpmとする)で弱まるように、吸気マニホールド
25及び吸気11Aからなる吸気管の長さ(吸気管長と
もいう)が設定されている。
【0025】これは、慣性効果を弱めることにより、吸
気行程後半に発生する正圧波を弱めて吸気行程後の圧縮
行程開始時の吸気温度の上昇を抑制して、ノッキングの
発生を抑制しようとするために行なうものである。つま
り、ヘルムホルツの共鳴器の式より、共振周波数f
0(回/秒)を示すと、 f0=(c/2π)・√(S/V・l)・・・(1) ただし c:音速 S:吸気管断面積(図1参照) l:吸気管長(図1参照) V:シリンダ容積(図1参照) したがって、慣性過給効果が得られるエンジン回転数
[同調回転数(回転/分:rpm)]nは、吸気行程期
間をθs°とすると、 n=60・(θs/360)(c/2π)・√(S/V・l)・・・(2) となる。
【0026】同調回転数nを規定するのは、吸気行程期
間θs°,吸気管断面積S,シリンダ容積V,吸気管長
lの各パラメータであるが、吸気行程期間θs°は通常
一定の範囲内に規定される。また、吸気管断面積S,シ
リンダ容積Vについては、1サイクルあたりの吸入空気
量Qに着目すると、 Q=V/t=S/u ただし、t:吸気バルブが開いている時間 u:流速 となり、吸気バルブ開放時間t,流速uがいずれもほぼ
一定であるとすると、吸気管断面積Sとシリンダ容積V
との比(S/V)はほぼ一定となり、同調回転数nを規
定するのは、主として吸気管長lとなる。
【0027】したがって、エンジンの中速域(3000
〜5000rpm)で慣性効果が弱まるような吸気管長
(ブランチ長+吸気ポート長)lとは、同調回転数nが
エンジンの中速域(3000〜5000rpm)に来な
いようにする長さであり、同調回転数nがエンジンの中
速域(即ち、3000〜5000rpm)よりも高回転
側にずれるように吸気管長lが設定されている。
【0028】同調回転数nの周辺回転数では慣性過給効
果が強まる点を考慮して、同調回転数n及びその周辺回
転数がエンジンの中速域(即ち、3000〜5000r
pm)よりも確実に高回転側にずれるようにするには、
同調回転数nを6500rpm程度以上にすること(条
件1)が好ましく、これには吸気管長lを短くすること
になる。
【0029】しかし、吸気管長lを過剰に短くすると、
慣性過給効果は弱まるが、ターボチャージャ50による
過給効果が強まって、却って、圧縮行程開始時の吸気温
度の上昇を招いてしまい、ノッキングの発生を誘発して
しまうおそれが生じるようになる。そこで、慣性過給効
果を弱めながら、ターボチャージャ50による過給効果
が過剰に強化されないようにすること(条件2)がより
好ましい。
【0030】そこで、吸気管長lを上記の式(2)にお
いて各パラメータθs°,S,Vに実際のエンジンの数
値を代入して、条件1のもとに吸気管長lを求めると吸
気管長lは略400mm程度以下になり、条件2のもと
に吸気管長lを求めると吸気管長lは略375mm程度
になる。ここで、吸気管断面積Sとシリンダ容積Vと吸
気管長lとからなる無次元値(S・l/V)に着目し、
条件1,2を満たす無次元値(S・l/V)を求める
と、前述のように、略一定である比(S/V)の値は
3.6〜3.65程度なので、吸気管長lが略400m
mなら(条件1)、無次元値(S・l/V)は略1.4
5になり、吸気管長lが略375mmなら(条件2)、
無次元値(S・l/V)は略1.36になる。
【0031】つまり、条件1を満たす無次元値(S・l
/V)1は、 (S・l/V)1≦略1.45・・・(3) 条件2を満たす無次元値(S・l/V)12は、 (S・l/V)2≒1.36・・・(4) となる。
【0032】この実施形態では、無次元値(S・l/
V)が式(4)を満たすように、換言すれば、吸気管長
lが略375mm程度になるように設定されている。本
発明の一実施形態としての過給機付き内燃機関は、上述
のように、シリンダ3に接続された吸気マニホールド2
5及び吸気ポート11Aからなる吸気管の長さ(吸気管
長)lが略375mm程度に、換言すると無次元値(S
・l/V)が略1.36に設定されて、慣性効果がエン
ジンの中速域で弱まるようになっているので、慣性効果
が弱められた分だけ、吸気行程後半に発生する正圧波が
弱まり、吸気行程後の圧縮行程開始時における吸気温度
の上昇が抑制されて、ノッキングが発生しにくくなる。
【0033】また、吸気管長lを過剰に短くすると、慣
性過給効果は弱まるが、ターボチャージャ50による過
給効果が強まって、却って、圧縮行程開始時の吸気温度
の上昇を招いてしまうが、ここでは、慣性過給効果を弱
めながらターボチャージャ50による過給効果が過剰に
強化されないように吸気管長lを設定しているので、よ
り確実にノッキングの発生を防止することができる。
【0034】この結果、最も所要頻度が高く加速性能等
の出力性能の要求されるエンジンの中速域において、ノ
ッキングのおそれが軽減されて、点火プラグ4による点
火時期を進角させることができるようになり、これによ
り、エンジン出力の向上を図れるようになる。また、こ
の実施形態では、インタクーラ55による吸気が冷却さ
れるので、圧縮行程開始時の吸気温度はより一層低下さ
れることになるため、この点からもノッキング抑制効果
が高められる。
【0035】ところで、図3,図4は、エンジンの中速
域で慣性効果が強まるようにした吸気系(図中、「ba
se」と付記し、実線により示す)と、エンジンの中速
域で慣性効果が弱まるように吸気管長lを短くした本実
施形態にかかる吸気系(図中、「ブランチ短縮」と付記
し、破線により示す)とを試験した結果を、比較して示
す特性図である。なお、「base」と付記する比較対
象のエンジンは、吸気管長lを除いて本実施形態にかか
るエンジンと同様に構成され、図3においては、吸気効
率Ev及び空燃比A/Fをいずれも同一条件としてお
り、さらに、図4においては、エンジン回転数(中速域
の所定回転数),吸気効率Ev及び空燃比A/Fをいず
れも同一条件としている。
【0036】ただし、図3に示すように、本実施形態に
かかるエンジンでは比較対象のエンジン「base」に
対して、6000rpm付近の高速域ではノッキングの
生じないように点火時期を遅角させているが、他の回転
域では、3000〜5000rpm間の中速域を中心に
点火時期をノッキングの生じない範囲で進角させてい
る。
【0037】図3に示すように、本エンジンでは比較対
象エンジンに比べ中速域でのインマニ圧力(マニ圧)が
高く、これによりインタクーラ55の入り口の吸気温度
(I/C入温)が高まるが、この高温の吸気はインタク
ーラ55で冷却されて、吸気ポート11Aの入り口での
吸気温度(吸気ポート入温)は略同レベルになって、こ
の結果、ノッキングが生じないようになり、中速域を中
心に点火時期の進角によってエンジンの出力トルクが向
上することがわかる。
【0038】このように、中速域を中心に点火時期の進
角を行なえるのは、インタクーラ55によって吸気が冷
却されるためだけではない。つまり、本エンジンでは、
エンジンの中速域で慣性効果が弱められているため、こ
の慣性効果が弱められた分だけ、吸気行程後半に発生す
る正圧波が弱まり、吸気行程後の圧縮行程開始時におけ
る吸気温度の上昇が抑制され、これによるノッキング防
止効果も大きい。
【0039】つまり、図4に示すように、比較対象のエ
ンジン「base」では、エンジンの中速域で慣性効果
が強められるように吸気管長lが長く設定されているた
め、吸気行程後半(吸気バルブ閉鎖IC付近)に発生す
る正圧波が大きく瞬時のインマニ圧力(マニホールド圧
力)が大きくなるが、本実施形態にかかるエンジンでは
中速域で慣性効果が弱められるように吸気管長lが短く
設定されているため、吸気行程後半に発生する正圧波が
小さくなり、インマニ圧力が小さくなる。
【0040】この中速域における吸気行程後半の吸気圧
の低下は、吸気管長lの設定(短縮)によるもので、こ
の圧力低下分だけ吸気温度の上昇が抑えられて、ノッキ
ングが生じにくくなり、点火時期の進角を行なえるよう
になるのである。なお、本発明は上述した実施形態に限
定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で種々変形して実施することができる。
【0041】例えば、インタクーラ55がない場合に
も、この吸気管長lの設定(短縮)に応じた圧力低下分
だけ点火時期の進角を行なえるようになり、単に、吸気
管長lを中速域で慣性効果が弱まるように設定する[換
言すると、無次元値(S・l/V)を所定値にする]こ
とで、一定のノッキング防止効果を得ることができる。
また、吸気管長lや無次元値(S・l/V)は、単に条
件1を満たすように設定しても、つまり、吸気管長lが
略400mm程度以下、又は、無次元値(S・l/V)
が略1.45以下に設定しても一定の効果が得られる。
【0042】また、本実施形態では、本発明を筒内噴射
エンジンに適用しているので、さらにノッキングを抑制
できるといった効果が得られるが、本発明は筒内噴射エ
ンジンの限らず他のガソリンエンジンに広く適用しうる
ものである。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の過給機付き内燃機関によれば、機関の中速域にお
ける吸気行程後半の正圧波が弱まり、その直後の圧縮行
程開始時の吸気温度が低下して、ノッキングが緩和され
るようになり、機関の中速域において、過給機による過
給圧を高めてもノッキングを招かないようになり、過給
圧上昇により体積効率を向上させて機関の出力増を図る
ことができるようになる。
【0044】請求項2,3記載の本発明の過給機付き内
燃機関によれば、より確実にノッキングが緩和されるよ
うになり、確実にノッキングを防止しながら、過給機に
よる過給圧を高めて体積効率を向上させて機関の出力増
を図ることができるようになる。また、請求項4記載の
本発明の過給機付き内燃機関によれば、インタクーラの
冷却によって吸気温度がより低下してノッキングが一層
緩和されるようになり、より確実にノッキングを防止し
ながら、過給機による過給圧を高めて体積効率を向上さ
せて機関の出力増を図ることができるようになる。
【0045】さらに、請求項5記載の本発明の過給機付
き内燃機関では、筒内噴射型内燃機関に適用することに
より、ノッキング防止効果をより高められるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての過給機付き内燃機
関の要部を示す模式的構成図である。
【図2】本発明の一実施形態としての過給機付き内燃機
関を示す模式的構成図である。
【図3】本発明の一実施形態としての過給機付き内燃機
関のエンジン回転速度に応じた各特性を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態としての過給機付き内燃機
関のクランク角度に応じたタマニホールド圧特性を示す
図である。
【符号の説明】
3 シリンダ 11A 吸気ポート(吸気管) 25 吸気マニホールド(吸気管) 50 過給機 55 インタクーラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F02B 37/00 F02B 37/00 303C (72)発明者 北田 泰造 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 竹村 純 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G005 EA04 EA16 FA05 FA22 FA45 GA02 GB17 GD16 HA04 HA11 HA13 HA18 JA06 JA36 JA39 JA45 3G031 AA02 AA17 AA25 AB05 AC01 BA07 BA14 EA08 FA03 FA06 FA07 FA18 FA21 FA22 HA00 HA01 HA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過給機を有する内燃機関において、 シリンダに接続された吸気マニホールド及び吸気ポート
    からなる吸気管の長さが、機関の中速域で慣性過給効果
    を弱める長さに設定されていることを特徴とする、過給
    機付き内燃機関。
  2. 【請求項2】 該シリンダの容積Vと、該吸気管の断面
    積Sと、該吸気管の長さlとが、S・l/V≦1.45
    の関係を満たすことを特徴とする、請求項1記載の過給
    機付き内燃機関。
  3. 【請求項3】 該シリンダの容積Vと、該吸気管の断面
    積Sと、該吸気管の長さlとが、S・l/V≒1.36
    の関係を満たすことを特徴とする、請求項2記載の過給
    機付き内燃機関。
  4. 【請求項4】 該吸気管に導かれる吸気を冷却するイン
    タクーラが設けられていることを特徴とする、請求項1
    〜3のいずれかの項に記載の過給機付き内燃機関。
  5. 【請求項5】 該内燃機関は、該シリンダ内に直接燃料
    を噴射する筒内噴射型内燃機関であることを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれかの項に記載の過給機付き内
    燃機関。
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