JP2002188315A - 免震建物 - Google Patents

免震建物

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JP2002188315A
JP2002188315A JP2000389011A JP2000389011A JP2002188315A JP 2002188315 A JP2002188315 A JP 2002188315A JP 2000389011 A JP2000389011 A JP 2000389011A JP 2000389011 A JP2000389011 A JP 2000389011A JP 2002188315 A JP2002188315 A JP 2002188315A
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JP
Japan
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base
building
damping device
seismic isolation
isolation layer
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JP2000389011A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Ogawa
雄一郎 小川
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免震層に生じる水平方向及び上下方向に生じ
る変形に対し、これら両方向の変形に同時かつ有効に減
衰装置を働かせる。 【解決手段】 免震層2を有する免震建物1において、
免震層2よりも上側にある上部躯体5と、免震層2より
も下側にある下部躯体6との間に、減衰装置8を水平面
に対して斜めになるように傾斜状態で配置する。減衰装
置8は、建物の隅柱または側柱の近傍に配置するのがよ
り好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免震建物に関し、特
に、上下方向の変形も抑制することができる免震建物に
関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、免震建物では、積層ゴム
等の免震装置が基礎もしくは中間階に設置され、地震時
には、この設置した免震装置が変形することによって、
建物本体に過大な衝撃が生じないようになっている。と
ころで、免震建物では、大地震の際に前述した免震装置
を備える免震層が大きく変形する。また、特に、建物が
高層やスレンダーである場合、免震層の大きな変形に伴
い、建物の隅柱や側柱に引き抜き力が生じるおそれが出
てくる。こういった免震層を備える免震建物の変形を抑
制する手段として、オイルダンパー等の減衰装置が非常
に有効であることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来一般に、免震層に
挿入する例えばオイルダンパー等の減衰装置は、免震層
に平行となるように水平方向に設置しており、しかも、
上下階に一方づつ反力をとるように設置している。一
方、免震建物の上下方向の変形を押さえる場合には、減
衰装置を鉛直方向に設置することが考えられるが、この
ように減衰装置を鉛直方向に設置する場合は極めてまれ
である。
【0004】というのは、減衰装置を鉛直方向に設置し
た場合、免震建物の上下方向の変形量が小さいため、こ
のような小さな変形にも制動力を生じるような減衰装置
を用いる必要がある。小さな変形にも制動力を生じるよ
うな減衰装置を用いる場合、鉛直方向に設置したダンパ
ー等の減衰装置は、建物が水平方向へ変位する場合、減
衰装置の設置個所も変位することから少なからず制動力
を発揮する。つまり、上下方向の変形を抑制するために
設置した鉛直方向の減衰装置は、水平方向への変形に対
しても大きな制動力を発揮することとなり、この水平方
向の変形に伴い該減衰装置に予期せぬような大きな力が
かかってしまい、ときには損傷される場合もあるという
理由からである。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、免震層に生じる水平方向
及び上下方向に生じる変形に対し、これら両方向の変形
に同時かつ有効に減衰装置が働き得る免震建物を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
請求項1にかかる発明では、免震層を有する免震建物に
おいて、前記免震層よりも上側にある上部躯体と、前記
免震層よりも下側にある下部躯体との間に、減衰装置
が、水平面に対して斜めになるように傾斜状態で配置さ
れていることを特徴としている。請求項2にかかる発明
では、前記減衰装置は、水平面内で互いに直交するX、
Yの2方向に沿って、斜めに傾斜状態で配置されている
ことを特徴としている。請求項3にかかる発明では、前
記減衰装置は、建物の隅柱または側柱の近傍に配置され
ていることを特徴としている。
【0007】本発明によれば、オイルダンパー等の減衰
装置を水平面に対して斜めになるように傾斜状態で配置
しているので、地震時に、免震層に生じる水平方向及び
上下方向に生じる変形に対し、減衰装置がそれら両方向
の変形に同時かつ有効に作用する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明のかかる免震建物の要
部の概略を示す断面図である。この図に示すように、こ
こで示す免震建物1は、免震層2として基礎3に積層ゴ
ム等の免震装置4を介装してなるいわゆる基礎免震構造
になっている。すなわち、基礎3の上部躯体5と、下部
躯体6との間に上下の連結部材7、7を介して所要箇所
に複数の免震装置4がそれぞれ介装されている。
【0009】また、免震層2よりも上側の前記上部躯体
5と、免震層2よりも下側の前記下部躯体6との間に
は、例えばオイルダンパー等からなる減衰装置8が、水
平面に対して斜めになるように傾斜状態で配置されてい
る。また、減衰装置8は、図2に示すように、水平面内
で互いに直交するX、Yの2方向(桁行方向、梁間方
向)に沿って、それぞれ斜めに傾斜状態で配置されてい
る。さらに、減衰装置8は、免震建物1の隅柱または側
柱が存する部分の近傍に配置されている。
【0010】また、例えば、X方向(桁行方向)につい
て言えば、図1に示すように免震建物の左側端部に存す
る減衰装置8と、右側端部に存する減衰装置8とでは傾
斜方向を異ならせて配置されている。すなわち、免震建
物の図1における左側端部に存する減衰装置8は同図に
おいて左下から右上に延びるように傾斜して配置され、
免震建物の図1における右側端部に存する減衰装置8は
右下から左上に延びるように傾斜して配置されている。
このように、左右に存する減衰装置8の間で傾斜方向を
変えているのは、例えば、免震建物1の免震層2が水平
X方向へ変位するときに、一方の減衰装置である例えば
オイルダンパーは圧縮側へ変形し、他方のオイルダンパ
ーは引張側に変形するためであり、このように左右の減
衰装置8、8が異なる動きをするのでバランスがよくな
るためである。左右に存する減衰装置8、8の間で傾斜
方向を変えるのは、Y方向(梁間方向)においても同様
である。
【0011】上記構成の免震建物によれば、地震等が発
生した場合、免震層2で水平方向及び上下方向に変位が
ある場合、前記減衰装置8がそれらの変位を水平・垂直
両方向に渡って減衰するように作用する。つまり、減衰
装置8を水平面に対して斜めになるように傾斜状態で配
置しているため、免震層2の変位に伴い減衰装置8が伸
長あるいは収縮するように変位するが、そのときの垂直
成分が免震層2の上下方向の変位を抑制するように作用
し、また、水平成分が免震層2の水平方向の変位を抑制
するように作用する。このため、免震層2がある限度以
上変位して免震装置4が損傷するのを未然に防止できる
他、免震層2の上下方向の変位を抑制できるから、建物
が高層等の場合に該建物の隅柱や側柱に生じがちな引き
抜き力に対しても十分対抗できる。
【0012】また、前記減衰装置8は、水平面内で互い
に直交するX、Yの2方向(桁行方向、梁間方向)に沿
ってそれぞれ斜めに配置しているので、水平2方向の変
位についても十分対抗できる。
【0013】なお、図1、図2に示す実施の形態では、
基礎3に免震層2を設ける基礎免震構造の場合を例に挙
げて説明しているが、本発明は、これに限られることな
く、図3に示すように、階の中間階において、柱頭部1
0に免震装置4を組み込む柱頭免震構造の場合にも適用
可能である。
【0014】ところで、オイルダンパー等の減衰装置8
は、2点間の相対変形(あるいは相対速度)を利用し
て、大きな減衰力を発生させ、エネルギーを吸収するも
のである。この相対変形が小さい(数ミリ程度)と、大
きな制御力を発生させることが難しく、また、取付部の
ガタなどの影響を受けやすくなるなど設計が非常に難し
くなる。また、逆に、相対変位が大きすぎると装置自体
が長くなり座屈現象を防止するため装置の断面を大きく
しなければならず、コストアップにつながる。したがっ
て、経済的・機能性に優れたストロークとなるような組
み込み方法が必要になってくる。
【0015】次に、上述したように減衰装置として例え
ばオイルダンパー8aを水平面に対して斜めになるよう
に傾斜状態で配置する場合の組み込み方法、並びにその
ときの影響度について簡単な計算式を加えて説明する。
【0016】図4、図5に示すように、全長lのオイル
ダンパー8aを水平面に対してθの傾斜角度を持って配
置したとき、該オイルダンパー8aを水平面に投影した
ときの長さをL、垂直面に投影したときの長さをHとす
る。
【0017】このとき、免震層2が水平方向にδcm変
形したと仮定すると、オイルダンパー8aのストローク
(伸び)△lは
【数1】 で表される。
【0018】このときのオイルダンパー8aに生ずる減
衰力をPとすると、 水平方向成分の減衰力PH=Pcosθ1 鉛直方向成分の減衰力PV=Psinθ1 となる。
【0019】いま、H=2.0m、L=1.0m、δ=
0.5mとし、P=100トンと仮定すると、 オイルダンパー8aを鉛直状態に立てた場合、つま
りθ=0°とした場合には、変形時のオイルダンパー8
aの傾斜角θ1=84.4°、sinθ1=0.97とな
り、オイルダンパー8aのストローク等は以下のように
なる。 △l=200(1.03−1.00)=6.2cm PH=100×cosθ1=24.3トン PV=100×sinθ1=97.0トン
【0020】 オイルダンパー8aを傾斜させた場合
(L=75cm、θ=77.2°)には、変形時のオイ
ルダンパー8aの傾斜角θ1=64.4°、sinθ1
0.85となり、オイルダンパー8aのストローク等は
以下のようになる △l=200(1.18−1.07)=22cm PH=100×cosθ1=53.1トン PV=100×sinθ1=85.0トン
【0021】以上の結果から、オイルダンパー等の減衰
装置8を水平面に対して適宜角度(例えば、85°>θ
>45°)傾斜させて配置すれば、水平方向の大きな変
形を利用し、上下方向に大きな制動力を発揮できるとと
もに、水平方向にも適度な制動力を発揮でき、水平変形
も同時に抑制できる。
【0022】
【発明の効果】請求項1にかかる発明によれば、免震層
よりも上側にある上部躯体と、免震層よりも下側にある
下部躯体との間に、減衰装置を、水平面に対して斜めに
なるように傾斜状態で配置しているので、地震時に、免
震層に生じる水平方向及び上下方向に生じる変形に対
し、減衰装置がそれら両方向の変形に同時かつ有効に作
用する。また、既存建物を改修工事によって免震化する
場合等水平方向の変形に大きな制約がある場合に特に有
効である。また、斜めに傾斜状態で配置することによっ
て、通路の確保など有効な空間を確保し易い利点もあ
る。
【0023】請求項2にかかる発明では、減衰装置を、
水平面内で互いに直交するX、Yの2方向に沿って、斜
めに傾斜状態で配置しているので、水平2方向の変位に
ついても十分対抗できる。
【0024】請求項3にかかる発明では、減衰装置を、
建物の隅柱または側柱の近傍に配置しているので、例え
ば、建物が高層等の場合であって建物の隅柱や側柱に大
きな引き抜き力が生じる場合でも、それに十分対抗でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる免震建物の実施の形態を示す
要部の断面図である。
【図2】 図1のII-II線に沿う断面図である。
【図3】 本発明にかかる免震建物の他の実施の形態を
示す要部の断面図である。
【図4】 減衰装置を傾斜状態で配置する場合の計算例
を説明する側面図である。
【図5】 減衰装置を傾斜状態で配置する場合の計算例
を説明する側面図である。
【符号の説明】
1 免震建物 2 免震層 3 基礎 4 免震装置 5 上部躯体 6 下部躯体 8 減衰装置 8a オイルダンパー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 免震層を有する免震建物において、 前記免震層よりも上側にある上部躯体と、前記免震層よ
    りも下側にある下部躯体との間に、減衰装置が、水平面
    に対して斜めになるように傾斜状態で配置されているこ
    とを特徴とする免震建物。
  2. 【請求項2】 前記減衰装置は、水平面内で互いに直交
    するX、Yの2方向に沿って、斜めに傾斜状態で配置さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の免震建物。
  3. 【請求項3】 前記減衰装置は、建物の隅柱または側柱
    の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1また
    は2記載の免震建物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019052454A (ja) * 2017-09-14 2019-04-04 株式会社大林組 免震構造
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