JP2002186362A - パルプモウルド製育苗移植用ポット及びその連結体 - Google Patents

パルプモウルド製育苗移植用ポット及びその連結体

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JP2002186362A
JP2002186362A JP2000389891A JP2000389891A JP2002186362A JP 2002186362 A JP2002186362 A JP 2002186362A JP 2000389891 A JP2000389891 A JP 2000389891A JP 2000389891 A JP2000389891 A JP 2000389891A JP 2002186362 A JP2002186362 A JP 2002186362A
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transplanting
pulp mold
pulp
growing
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Takaya Oishi
高也 大石
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Ohishi Sangyo Co Ltd
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Ohishi Sangyo Co Ltd
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分割が容易で、かつポットのまま土壌に移植
することができるパルプモウルド製育苗移植用ポット及
びその連結体を得ること。 【解決手段】 上面開口部2を有するパルプモウルド製
育苗移植用ポット1であって、ポット1の底部3に上げ
底部6及び水抜き孔7を設けると共にポット1側面1a
〜1dの底部近傍に透孔8a〜8dを設け、かつ上面開
口部2周縁に外方向に向かうリブ4を設けることにより
パルプモウルド製育苗用ポットを形成し、当該ポット1
を上記リブ4により複数連結した状態で成形し、各連結
部4aには分割用のミシン目を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、古紙等を
原材料とするパルプモウルド製育苗移植用ポット又はそ
の連結体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスッチック製の丸型等の育苗
用ポットが用いられているが、これらは複数の育苗用ポ
ットが連結状態で成形されており、かかる連結状態で収
納トレー等に収められ、その状態で育苗、或いは苗の販
売等に供されているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ポットは、各ポットの連結部分もプラスッチックで形成
されているため、切り離すには、はさみ、ナイフ等の刃
物が必要であり、各ポットの分割が面倒であるとの問題
がある。
【0004】また、苗の植付け時には、当該ポットから
苗を取出して鉢植え等する必要があり、苗を取出した後
は、該ポットはもはやゴミとなり、例えば街路樹等の植
え込み等に際しては、当該ポットは軽いため、しばしば
飛ばされて町のゴミとなっている。
【0005】また、従来のプラスッチック製のポット
は、形状がやわらかく不安定であり、必ずしも育苗に適
したとはいえないものであった。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、育苗移植用ポットを、例えば古紙等を使用し
たパルプモウルドにより成形することにより、切り離し
容易で、ポットのまま植え込みができ、その他上記各種
課題を解決したパルプモウルド製育苗移植用ポット又は
その連結体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明は、上面開口部を有するパルプモウルド製育苗
移植用ポットであって、上記ポットの底部に上げ底部及
び水抜き孔を設けると共に上記ポット側面底部近傍に透
孔を設け、かつ上記上面開口周縁部に外方向に向かうリ
ブを設けたことを特徴とするパルプモウルド製育苗移植
用ポットにより構成されるものである。
【0008】上記ポットの素材として使用するパルプ
は、例えば新聞紙やダンボール等の古紙を使用すること
が好ましいが、バージンパルプを使用しても良い。上記
上げ底部(6)は、上記ポット底部の略中央部からポッ
ト内面方向に向けて略十字状に設けることが好ましい
が、その他、該底部に一直線状に設ける等、各種の形状
で成形することができる。上記透孔は、上記ポット側面
側底部近傍にスリット状の透孔(8a〜8d)を複数設
けることが好ましいが、この透孔を上記底部側に連続し
て設け、隅角孔状に形成しても良い。上記リブ(4)は
上記上面開口周縁部に連続して設けることが好ましい
が、該周縁部の一部、例えば連結体(1’)としての成
形時に隣接するポットとの連結部4aにのみ設けること
もできる。
【0009】また、上記ポットの内周面に、上記上面開
口部近傍から上記底部方向に向かう複数の突条を設ける
ことが好ましい。当該突条はポット内側に突出するよう
に形成することが好ましいが、ポット外側に突出するよ
うに形成しても良い。当該突条(9a,9a’〜9d,
9d’)は、上記上面開口部近傍から上記底部方向に向
かい一条の直線状に設けることが好ましいが、上下方向
の直線に沿って複数の突条(図6(a))を設けること
により構成しても良い。
【0010】上記ポットの外側面の上部に、外方向に突
出する上下間隔保持用突起を設けることが好ましい。こ
の突起(10a〜10d)は、上記外周面に沿って複数
個(例えば4個等)設けることが好ましいが、各ポット
(又は連結体)の上下間隔を保持できるものであれば、
2個等、その他個数に限定はない。
【0011】上記育苗移植用ポットを上記リブにより複
数個連結状態で成形し、連結部の各リブにミシン目を設
けることが好ましい。このミシン目は上記連結部に沿っ
て分割用の小孔(5’)を連続的に設けることが好まし
いが、各ポットが容易に分割可能であれば、上記小孔の
形状、配列、個数等には限定はない。
【0012】また、上面開口部を有するパルプモウルド
製育苗移植用ポットを複数個連結状態で一体成形したパ
ルプモウルド製育苗移植用ポットの連結体であって、各
ポットはその上面開口周縁部に外方向に形成された連結
用リブにより各々連結され、かつ各連結用リブにはミシ
ン目が形成されていることを特徴とするパルプモウルド
製育苗移植用ポットの連結体により構成することが好ま
しい。上記連結用リブは連結部(4a)のリブ(4)等
により構成することが好ましい。
【0013】また、上記ポット又は連結体に撥水剤を含
浸することが好ましい。この撥水剤は、例えばロジンサ
イズ、アルキルケテンダイマー等によることが好まし
い。尚、撥水材はポットの成形乾燥後、塗布しても良
い。
【0014】また、上記ポット又は連結体のパルプ素材
に防カビ剤を含浸させることが好ましい。この防カビ剤
は、カビの発生を抑制する効果を有する例えば、イミダ
ソール系化合物、有機窒素系複合物、有機窒素系化合
物、二酸化チタン光触媒等によることが好ましい。尚、
防カビ剤はポットの成形乾燥後塗布してもよい。
【0015】また、上記ポット又は連結体のパルプ素材
に植物栄養剤を塗布することが好ましい。この植物栄養
剤は、例えば、硫安、塩安等によることが好ましい。
尚、植物栄養剤を抄製時にパルプ素材に含浸させても良
い。
【0016】尚、本欄において実施形態の部材の符号を
かっこ書で示したが、これは対応関係を明確にするため
に便宜上付したものであり、本発明がこれらの符号の部
材に限定されるものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のパルプモウルド製
育苗移植用ポット及びその連結体について、詳細に説明
する。
【0018】図1は、本発明に係る育苗移植用ポット1
の斜視図であり、当該ポットは、例えば新聞や段ボール
等の古紙を使用したパルプモウルドにより成形されたも
のであるが、バージンパルプを使用することもできる。
当該ポット1は、図1に示すように4つの側面1a〜1
dを有する上面開口有底のポット形状をなすものであ
り、上記各側面1a〜1dは、底部3側から上面開口部
2方向に向けて末広がり状のテーパ形状を成し、全体が
側面視ほぼ逆台形状に形成されている(図2参照)。
【0019】上記ポットの上面開口部2の周縁部には外
方向に向かうリブ4が上記開口部2の全周に亙り設けら
れており、当該ポット1は図7に示すように当該リブ4
により複数のポット1が連結された連結体1’として、
パルプモウルド製法により、一体形成されるものであ
る。上記各リブ4の連結部4aには、図10に示すよう
にミシン目5が設けられており、上記各ポット1は図7
に示す連結体1’の状態から、上記ミシン目5により1
個ずつ容易に分離することができるように形成されてい
る。上記リブ4は本実施形態では、上面開口部2の全周
に亙り設けているが、上記開口周縁部の一部、例えば連
結体1’としての成形時に隣接するポットとの連結部4
aにのみ設けることもできる。
【0020】上記ポット1の底部3には、上面開口部2
方向に若干高く突出する上げ底部6(高さt)が形成さ
れている(図2,図3参照)。該上げ底部6は上記底部
3中央に位置する中央突部6aと、該中央突部6aの四
方から延びる延出突部6b〜6eにより全体として略十
字凸状に形成されており、これら延出突部6b〜6eの
先端部は各側面1a〜1dにまで至り、上記底部3から
各側面1a〜1dに至る略十字凸状の上げ底部6として
形成されている。
【0021】この上げ底部6の上面の各縁は上記底部3
と上向き傾斜面6’を介して連続しており、上記上げ底
部6により、上記底部3には4つの低平面部3a〜3d
が形成されている。この上げ底部6は、上記底部3の裏
面側には十字状の凹部として形成されるものであり、該
ポット1を地面等に置いた場合に、地面等に接触する部
分は上記低平面部3a〜3dに対応する底部3のみとな
り、上記十字状の上げ底部6は高さtにより地面等に接
触しないため(図2参照)、これにより雑菌等のポット
1内への侵入を防止するものである。
【0022】また、上記上げ底部6における中央突部6
a及び各突部6b〜6eの上面の高さは同一面となるよ
うに形成されており、かつ上記中央突部6aの中央には
円形の水抜き孔7が貫通形成されている。尚、上記水抜
き孔7の形状は上記円形に限らず四角形状その他、各種
の形状で形成することができる。
【0023】また、上記上げ底部6の延出突部6b〜6
eの上記ポット1の側面側近傍位置及び各側面1a〜1
dには、上記近傍位置から上記各側面1a〜1dに至る
スリット状の透孔8a〜8dが貫通形成されている。こ
れらの透孔8a〜8dは、上記上げ底部6の上記側面近
傍位置から上記各側面1a〜1dに至り、さらに連続し
て各側面1a〜1dをその上方に向けて開口するもので
あり、上記上げ底部6の上記各延出突部6b〜6e上面
と、上記各側面1a〜1dとを略「L」字状に開口する
スリット状の隅角孔として形成されている。
【0024】これらの透孔8a〜8bは苗の移植後に該
ポット1自体が土に分解し易いように設けられたもので
あり、また移植後にポット1内の苗の根が当該透孔8a
〜8dから容易に土壌中に侵入することができるように
したものである。尚、移植前は、ポット1内の苗の根は
空気に触れることを自ら避けるため、当該透孔8a〜8
dからポット1外の空気中に出ることはない。
【0025】尚、上記透孔8a〜8dは、延出突部6b
〜6e側の底部側開口部a(図3参照)と側面1a〜1
d側の側面側開口部b(図2参照)を連続して設けてい
るが、図5(a)に示すように底部側開口部aと側面側
開口部bを不連続に設けることにより上記透孔8a〜8
dを形成しても良いし、側面側開口部b’,b”のよう
に上記底部側開口部aと開口位置をずらして設けること
もできる。さらに、図5(b)に示すように上記側面側
開口部bの上端位置b1をポット1の上面開口部2方向
に延長し、該上端位置b1がポットの高さTの1/3〜
2/3の高さ(図5(b)中T’の範囲)となるように
形成しても良い。この図5(b)のように上記透孔8a
〜8dを側面において長く形成することにより、苗の根
がこれら透孔から土壌中に延び易くなり、ポット1自体
の分解がより促進される。
【0026】図4は上記上げ底部6の他の実施形態を示
すものであり、上記図3の上げ底部6における延出突部
6c,6eを取り去って、各低平面部3b,3d等と同
一水準の平面部とし、中央突部6aと延出突部6b,6
dのみにより、一直線凸条の上げ底部6としたものであ
る。このように成形しても、上述の雑菌等の進入を防止
することができ、その他、各種の形状の上げ底部6を成
形することができる。このように、パルプモウルド成形
によると、従来のプラスッチック製のポットでは困難な
各種形状の上げ底部6を容易に成形することができる。
【0027】上記ポット1の各側面1a〜1dの内周面
1”には、上記上面開口部2近傍位置から上記底部3方
向に向かい、かつポット内側に突出する複数の突条9
a,9a’〜9d,9d’が設けられている。即ち、各
側面1a〜1dに各々2条ずつの突条9a,9a’、9
b,9b’、9c,9c’、9d,9d’が設けられて
おり、これら各突条9a,9a’〜9d,9d’は上記
上面開口部2近傍位置から上記底部3まで一直線状に設
けられ、それらの下端部は上記底部3にまで至るように
成形されている。また、これらの突条9a等は、上記ポ
ット1内方に突出する略半円柱形状の直線的凸条部cと
(図1参照)、該凸条部c左右縁から上記内周面1”に
至る傾斜面dにより上記内周面1”と一体的に成形され
ているものである。これらの突条9a等は、ポット1を
補強してその変形を防止する機能を有するものである。
また、上記突条9a等は、各側面1a〜1bに2条ずつ
設けているが、各側面により多くの突条を設けても良い
し、より少ない突条(例えば、各側面に1条ずつ等)に
より構成しても良い。さらに、上記各突条9a等はポッ
ト1内側に突出するように形成されているが、ポット1
外側に突出するように形成しても良い。
【0028】尚、これらの突条9a,9a’〜9d,9
d’は、上述のように底部3まで一直線状に設けること
が好ましいが、図6(a)の突条9aのように各突条を
上下方向の直線に沿って不連続に設けても良いし、図6
(b)の突条9aのように各突条の下端部eが底部3に
至らないように設けても良い。
【0029】上記ポット1の各側面1a〜1d外面の各
コーナ部における上記リブ4の直下には、外方向に突出
する上下間隔保持用突起(ディネスティングリブ)10
a〜10dが設けられている。上記各突起10a等は、
各側面1a〜1dの外方向に突出する湾曲部10a’〜
10d’とその下方向きの水平底部10a”〜10d”
により形成されており、当該ポット1を上下方向に複数
重合させたとき、下側のポット1のリブ上面4’が上記
突起10a〜10dの水平底部10a”〜10d”に当
接し、重合した上下のポット1、1間に間隔t’(図2
参照)を設けるものである。これにより、図7の状態の
複数の連結体1’を上下方向に複数重合させても、容易
に各連結体1’を一連結体毎に分離することができる。
尚、育苗用ポット1を連結体1’より分割した後に各ポ
ット1単体を上下に重合させた場合も、同様に上記突起
10a〜10dにより上記間隔t’が設けられ、容易に
各ポット1を分離することができる。
【0030】上記各ポット1は、パルプモウルド成形時
は、図7に示すように複数(図7では4×6の24穴)
のポット1を上記リブ4で連結した状態で成形されるも
のである。尚、上記ポット1の個数は、その他20穴、
15穴等各種の個数の連結体1’を成形することができ
る。上記リブ4の連結部4aには、上述のようにミシン
目5が形成されており(図10参照)、当該ミシン目5
はパルプモウルド成形時に上記連結部4aに対応するモ
ウルド(抄き型)にミシン目位置に対応する複数の刃を
設け、当該刃により上記連結部4aに当該刃の部分に対
応する小孔5’、5’を設けることにより形成するもの
である。尚、上記ミシン目5は上記連結部4aに沿って
分割用の小直線状の小孔5’を直線的に連続形成したも
のであるが、各ポット1が容易に分割可能であれば、上
記小孔の形状を例えば点状穴にすることもできるし、そ
の配列を、例えば千鳥配列とすることもできるし、小穴
5’の個数も各種の個数のものを形成することができ
る。
【0031】上記パルプモウルドによる製造は、パルプ
素材の水溶液を上記連結体1’の形状のモウルド(抄き
型)に抄製し、該モウルド上に連結体1’を成形した
後、乾燥させることによる周知の製法により形成する
が、上記パルプ水溶液に、予め防カビ剤として例えば、
イミダソール系化合物、有機窒素系複合物、有機窒素系
化合物、二酸化チタン光触媒等を含ませることにより、
これらの各剤を連結体1’自体に含浸させた防カビ効果
を有する連結体1’を成形することができる。或いは、
上記防カビ剤を成形乾燥後の上記連結体1’にスプレー
散布することにより、防カビ剤を連結体1’材料(パル
プ)中に含浸させることができる。上記連結体1’はパ
ルプモウルドにより形成されているため、成形乾燥後に
上記各薬剤を連結体1’に散布しても各薬剤がパルプ材
料中に容易に浸透し、各薬剤を材料内部に含浸させるこ
とができる。
【0032】また、上記パルプ素材の水溶液に、撥水剤
として例えば、ロジンサイズ、アルキルケテンダイマー
等を含浸させることにより、該連結体1’に撥水効果を
持たせることができ、これによりポット1の育苗時の散
水等によるポット1の側面1a〜1d等の材料部分から
外部への水分の浸出を防止するものである。尚、連結体
1’の成形乾燥後に上記撥水材をスプレー散布し、当該
撥水剤を含浸させる方法でも良い。また、上記防カビ
剤、撥水剤のパルプ素材の水溶液に対する含有率は5%
以内とすることが好ましい。
【0033】さらに、本発明の育苗用ポット1は、パル
プモウルドにより製造されるものであるから、成形乾燥
後の連結体1’に植物の育成に適した植物栄養剤、例え
ば、硫安、塩安等をスプレー散布することにより、当該
連結体1’材料中に上記栄養剤を含浸させることができ
る。これにより、育苗時において当該栄養剤を植物に作
用させることができ、また土壌への移植後においても、
ポット1の分解時に上記栄養剤を植物に作用させ、該植
物の育成を促進させる効果を持たせることもできる。
【0034】尚、上記防カビ剤、撥水剤、栄養剤等の薬
剤はこれら全てを上記連結体1’に含ませることもでき
るし、必要に応じてこれらの各薬剤のいずれか1つ、或
いは2以上を適宜組合せて、用途に応じたパルプモウル
ド製育苗ポットを形成することができる。このように、
パルプモウルドにより育苗用ポットを形成すると、製造
時に各種薬剤を容易にパルプ素材に含浸させることがで
きる。
【0035】本発明は上述のように構成されるものであ
るから、成形時は図7に示すような例えば24個の連結
体1’として形成され、当該連結体1’の各ポット1に
土と植物苗を入れ、その状態で図11に示す専用トレー
11に入れた状態で、例えば育苗、或いは、店頭等で苗
等の販売に供されるものである。
【0036】このとき、しばらくの間、当該ポット1内
で育苗が行われ、当該連結体1’の上から散水等が行わ
れるが、上記各ポット1は撥水加工がなされているた
め、容易に形崩れ等することはなく、パルプモウルドに
よる固く安定した形状を維持し得る。また、ポット1内
には補強用の突条9a,9a’〜9d,9d’が設けら
れているため、変形を防止して、苗の生育に適した環境
を作ることができる。
【0037】また、育苗期間中に当該ポット1が地面等
に置かれても、上げ底部6が形成されているため、ポッ
ト1内への雑菌等の侵入を防止することができる。
【0038】次に、上記1つ1つのポット1を分割する
際は、各ポット1のリブ4の連結部4aのミシン目5よ
り手で各ポット1を分割すれば良い。このとき、上記連
結部4aにはミシン目5が形成されているため、当該ミ
シン目5より手で容易に各ポット1を分割することがで
き、分割に際して従来のように刃物を用いる必要もな
い。
【0039】また、育苗後、分割したポット1を土壌に
移植する場合は、分割したポット1をそのまま土壌に移
植すれば良い。各ポット1は古紙等のパルプ素材により
形成されているため、苗が入ったポット1をそのまま土
壌に植え込むことができ、従来のプラスチック製ポット
のようにいちいちポットから苗を出す手間がいらず、移
植作業を効率化することができる。従って、ポット1自
体がゴミとなることもなく、ゴミ対策も必要ない。
【0040】また本発明の育苗用ポットは、パルプモウ
ルドにより形成されているため、その形状が固く安定し
ており、苗の育苗に適していると共に、ポット1のまま
土壌に移植された後は、パルプ素材(紙)で形成されて
いるため、土に分解し易く、環境に悪影響を与えること
もない。またポット1底部に4ヶ所の透孔8a〜8dが
設けられているため、該透孔部分から分解が促進され、
容易に分解することができる。
【0041】また、移植後の苗の根は、上記透孔8a〜
8dから容易に土壌中に根を伸ばすことができ、苗の育
成を阻害することもない。また、上記ポット1は、上記
苗の根が上記各透孔8a〜8dから土壌中に伸びること
により該透孔部分からポット1自体の分解が促進され、
当該ポット1が植物の育成に支障を来すことはない。
【0042】また、上記パルプ素材に防カビ剤等の薬剤
を含侵させることにより、防カビ効果等を持たせること
ができ、苗の健全な育成を行うことができる。また、本
発明の育苗用ポット1は、パルプモウルドにより製造さ
れるものであるから、パルプ素材の原料段階において、
当該パルプ素材に上記防カビ剤等の各種薬剤を容易に含
浸させることができ、これらの物質に限らず、当該パル
プ素材に植物の育成に適した各種栄養剤を含浸させ、土
壌への移植後にポット1の分解時に上記栄養剤を植物に
作用させ、該植物の育成を促進させる効果を容易に持た
せることもできる。
【0043】また、パルプモウルドにより育苗用ポット
を成形することにより、着色剤を塗布又は含浸させるこ
とで各種の色(例えば茶色等)のポットを容易に形成す
ることができ、上記薬剤の機能別、或いは苗の種類別等
に識別機能を持たせることができる。
【0044】また、本発明のパルプモウルド製育苗移植
用ポットの連結体によると、例えば15,20,24穴
等の連結体を形成することにより、既存のトレー(1
5,20,24穴用等)をそのまま使用することができ
るという効果もある。
【0045】尚、上記実施形態は本発明の一形態を具体
化したに過ぎないものであり、本発明が各図に示された
実施形態に限定されるものではない。
【0046】本発明に関し、さらに以下の事項を開示す
る。1.請求項1〜5のパルプモウルド製育苗移植用ポ
ット又はその連結体において、上げ底部を中央突部と該
中央突部から延出する4つの延出突部により形成し、こ
れら延出突部がポットの各側面に至るように当該上げ底
部を略十字状に形成したことを特徴とするパルプモウル
ド製育苗移植用ポット又はその連結体。2.請求項1〜
5のパルプモウルド製育苗移植用ポット又はその連結体
において、上げ底部を中央突部と該中央突部から延出す
る2つの延出突部により形成し、これら延出突部がポッ
トの側面に至るように当該上げ底部を略直線状に形成し
たことを特徴とするパルプモウルド製育苗移植用ポット
又はその連結体。
【0047】
【発明の効果】本発明のパルプモウルド製育苗移植用ポ
ットによれば、上げ底部により育苗用ポット内への雑菌
等の侵入を防止することができ、また、育苗用ポットを
土壌等に移植する場合は、当該ポットをそのまま植え込
むことができ、従来のようにポットから苗を出す必要が
なく、ポット自体がゴミとなることもない。また、土壌
に移植されたポットは土に分解するため、環境に悪影響
を与えることもない。
【0048】また、本発明の育苗移植用ポットは、突条
により変形を防止して固く安定しているため、苗の生育
に適した環境を提供することができる。
【0049】また、本発明の育苗移植用ポット又はその
連結体は、上下間隔保持用突起により、該ポットを上下
方向に重合しても容易に分離することができる。
【0050】また、連結体から1つ1つの育苗ポットを
分割する際は、リブのミシン目より容易に分割すること
ができ、分割に際して刃物を用いる必要もない。
【0051】また、パルプ素材に防カビ剤、栄養剤等の
薬剤を含侵させることができ、これにより、防カビ効果
等の薬剤による各種効果を容易に付加することができ、
苗の健全な育成に適したポット又はその連結体を実現す
ることができる。
【0052】また、本発明の育苗移植用ポット又はその
連結体は撥水加工がなされているため、容易に形崩れ等
することもなく、育苗に適したパルプモウルドによる安
定した形状を保持し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパルプモウルド製育苗移植用ポッ
トの斜視図である。
【図2】同上ポットの側面図である。
【図3】同上ポットの平面図である。
【図4】同上ポットの上げ底部の他の実施形態を示す当
該ポットの平面図である。
【図5】(a)は、同上ポットの透孔の他の実施形態を
示す当該ポットの底部近傍の側面図、(b)は同上透孔
の他の実施形態を示す当該ポットの側面図である。
【図6】同上ポットの突条の他の実施形態を示す当該ポ
ットの一部側面図である。
【図7】同上ポットの分割前の連結体の斜視図である。
【図8】同上連結体の平面図である。
【図9】同上連結体の側面図である。
【図10】同上連結体の連結部近傍の平面図である。
【図11】同上連結体をトレーに収納した状態を示す斜
視図である。
【図12】図11の状態から複数のポットを分割して取
出した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 パルプモウルド製育苗移植用ポット 1’ 連結体 2 上面開口部 3 底部 4 リブ 6 上げ底部 7 水抜き孔 8a〜8d 透孔 9a,9a’〜9d,9d’ 突条 10a〜10d 上下間隔保持用突起

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面開口部を有するパルプモウルド製育
    苗移植用ポットであって、上記ポットの底部に上げ底部
    及び水抜き孔を設けると共に上記ポット側面底部近傍に
    透孔を設け、かつ上記上面開口周縁部に外方向に向かう
    リブを設けたことを特徴とするパルプモウルド製育苗移
    植用ポット。
  2. 【請求項2】 上記ポットの内周面に、上記上面開口部
    近傍から上記底部方向に向かう複数の突条を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載のパルプモウルド製育苗移植
    用ポット。
  3. 【請求項3】 上記ポットの外側面の上部に、外方向に
    突出する上下間隔保持用突起を設けたことを特徴とする
    請求項1又は2記載のパルプモウルド製育苗移植用ポッ
    ト。
  4. 【請求項4】 上記育苗移植用ポットを上記リブにより
    複数個連結状態で成形し、連結部の各リブにミシン目を
    設けたものであることを特徴とする請求項1〜3の何れ
    かに記載のパルプモウルド製育苗移植用ポット。
  5. 【請求項5】 上面開口部を有するパルプモウルド製育
    苗移植用ポットを複数個連結状態で一体成形したパルプ
    モウルド製育苗移植用ポットの連結体であって、各ポッ
    トはその上面開口周縁部に外方向に形成された連結用リ
    ブにより各々連結され、かつ各連結用リブにはミシン目
    が形成されていることを特徴とするパルプモウルド製育
    苗移植用ポットの連結体。
  6. 【請求項6】 上記ポットに撥水剤を含浸したものであ
    ることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のパル
    プモウルド製育苗移植用ポット又はその連結体。
  7. 【請求項7】 上記ポットのパルプ素材に防カビ剤を含
    浸させたものであることを特徴とする請求項1〜5の何
    れかに記載のパルプモウルド製育苗移植用ポット又はそ
    の連結体。
  8. 【請求項8】 上記ポットのパルプ素材に植物栄養剤を
    塗布したものであることを特徴とする請求項1〜5の何
    れかに記載のパルプモウルド製育苗移植用ポット又はそ
    の連結体。
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