JP2002184925A - 半導体モジュール用リード端子部材とその製造方法、およびそれを用いた半導体モジュール - Google Patents

半導体モジュール用リード端子部材とその製造方法、およびそれを用いた半導体モジュール

Info

Publication number
JP2002184925A
JP2002184925A JP2000377742A JP2000377742A JP2002184925A JP 2002184925 A JP2002184925 A JP 2002184925A JP 2000377742 A JP2000377742 A JP 2000377742A JP 2000377742 A JP2000377742 A JP 2000377742A JP 2002184925 A JP2002184925 A JP 2002184925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lead terminal
terminal member
semiconductor module
alloy
bonding portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000377742A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Nakajima
均 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2000377742A priority Critical patent/JP2002184925A/ja
Publication of JP2002184925A publication Critical patent/JP2002184925A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Landscapes

  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体モジュール用リード端子部材におい
て、Alワイヤの密着強度を高めると共に、そのような
効果をもたらすボンディング部の表面層の剥離を抑制す
る。また、半導体モジュールをハイパワー化した場合に
おいても、リードピンとAlワイヤとの接続部分からの
断線をより確実に防止する。 【解決手段】 内部側にAlワイヤがボンディングされ
ると共に、外部側に直接またはメッキ層を介して配線、
回路、端子などが半田接続される半導体モジュール用リ
ード端子部材1は、CuまたはCu合金からなるリード
端子本体2と、このリード端子本体2に対して部分的に
埋め込み接合され、かつ厚さが15μm以上でリード端子
部材1の総厚の50%以下のAlまたはAl合金からなる
ボンディング部3とを具備する。半導体モジュールは、
上記したリード端子部材1からなるリードピンを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体モジュール
の内部と外部の電気的導通をとるためのリード端子部材
とその製造方法、およびそれを用いた半導体モジュール
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体モジュールにおいては、半
導体素子や基板のハイパワー化に伴って、モジュールの
内部と外部の電気的導通をとるためのリードピンと半導
体素子が搭載された回路基板との電気的な接続にアルミ
ニウムワイヤが用いられるようになってきている。特
に、パワーモジュールでは、リードピンと回路基板との
間をアルミニウムワイヤでワイヤボンディングする構造
が多用されつつある。
【0003】上述したような半導体モジュールにおいて
は、アルミニウムワイヤのボンディング性を向上させる
ために、例えば回路基板の配線材料として銅−アルミニ
ウムのクラッド材が用いられている(特開平5-29490号
公報、同5-308178号公報、同6-36615号公報、同6-13723
号公報など参照)。
【0004】一方、リードピンについては銅または銅合
金を用いることが一般的であり、このようなリードピン
に対するアルミニウムワイヤのボンディング性を高める
ために、リードピンに対してニッケルメッキを施すなど
の対策がとられている。また、このような構造のみでは
ボンディング強度が不足するおそれがあることから、熱
に加えて振動を与えつつアルミニウムワイヤをボンディ
ングすることなども実施されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近の半導
体素子のハイパワー化や高機能化などに伴って、半導体
モジュールには大きな電圧が加わるようになってきてお
り、上述したような従来のリードピン構造やボンディン
グ方法では、大きな電圧が加わった際の衝撃でリードピ
ンとアルミニウムワイヤとの接続部分から断線が生じる
おそれが大きくなってきている。
【0006】上記したようなリードピンとアルミニウム
ワイヤとの接続部分における断線について詳細に調査し
た結果、アルミニウムワイヤが接続部分から剥がれる場
合と、リードピン側のメッキ層が剥離する場合とがある
ことが判明した。このようなことから、パワーモジュー
ルなどにおけるリードピンとアルミニウムワイヤとの接
続部分からの断線を防止するためには、リードピンに対
するアルミニウムワイヤの密着強度を高めるだけでな
く、アルミニウムワイヤのボンディング性を高めるため
の表面層の剥離を防ぐ必要がある。
【0007】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、アルミニウムワイヤの密着強度を高め
ると共に、そのような効果をもたらす表面層の剥離を抑
制した半導体モジュール用リード端子部材とその製造方
法を提供することを目的としており、さらにはそのよう
なリード端子部材を用いることによって、ハイパワー化
などを図った場合においても、リードピンとアルミニウ
ムワイヤとの接続部分からの断線を防止することを可能
にした半導体モジュールを提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体モジュー
ル用リード端子部材は、請求項1に記載したように、半
導体モジュールの内部と外部の電気的導通をとるための
リード端子部材であって、内部側にアルミニウムワイヤ
がボンディングされると共に、外部側に直接またはメッ
キ層を介して配線、回路または端子が接続される半導体
モジュール用リード端子部材において、銅または銅合金
からなるリード端子本体と、前記リード端子本体に対し
て部分的に埋め込み接合され、かつ厚さが15μm以上で
前記リード端子部材の総厚の50%以下のアルミニウムま
たはアルミニウム合金からなるボンディング部とを具備
することを特徴としている。
【0009】本発明の半導体モジュール用リード端子部
材においては、銅(Cu)または銅(Cu)合金からな
るリード端子本体に対して、アルミニウム(Al)ワイ
ヤとの密着性に優れるアルミニウム(Al)またはアル
ミニウム(Al)合金を部分的に埋め込み接合すること
によりボンディング部を構成している。このように、A
lまたはAl合金からなるボンディング部をリード端子
本体の一部のみに設けることによって、リード端子に対
する半田接続性を良好に保った上で、Alワイヤの密着
強度を大幅に向上させることができる。
【0010】ここで、AlまたはAl合金からなるボン
ディング部は、CuまたはCu合金からなるリード端子
本体とクラッドすることにより形成されるが、一般的な
オーバーレイクラッド(全面クラッド)では半田付け部
分のAlまたはAl合金を除去しなければならない。そ
こで、本発明ではボンディング部となるAlまたはAl
合金をリード端子本体に対して部分的に埋め込み接合し
ている。
【0011】AlまたはAl合金の埋め込み接合は、ト
ップレイクラッドやインレイクラッドなどにより実施可
能であるが、トップレイクラッドではAlまたはAl合
金(ボンディング部)の厚さは10μm程度が限界であ
り、これではボンディング部とリード端子本体との密着
強度が不足して、これらの接合界面から剥離が生じるお
それが大きい。このため、本発明ではインレイクラッド
などによりAlまたはAl合金からなるボンディング部
の厚さを15μm以上でかつリード端子部材の総厚の50%
以下としており、これによりボンディング部とリード端
子本体との接合界面からの剥離をより確実に防止してい
る。
【0012】このように、本発明の半導体モジュール用
リード端子部材によれば、ボンディング部とAlワイヤ
との密着性(接続強度)を高めることができ、かつその
ような効果をもたらすボンディング部(AlまたはAl
合金層)のリード端子本体からの剥離を抑制することが
できるため、それをパワーモジュールのリードピンなど
として用いた場合に、リードピンとAlワイヤとの接続
部分からの断線をより確実に防ぐことが可能となる。
【0013】本発明の半導体モジュール用リード端子部
材においては、請求項2に記載したように、リード端子
本体とボンディング部との接合界面に存在する銅−アル
ミニウム合金層の厚さを5μm以下とすることが好まし
い。これによって、ボンディング部とリード端子本体と
の密着強度をより一層高めることが可能となる。リード
端子本体とボンディング部との接合界面には、請求項3
に記載したように、銅−アルミニウム合金層が実質的に
存在していなくてもよい。また、上記した銅−アルミニ
ウム合金層は、請求項4に記載したように、ボンディン
グ部の厚さの1/10以下であることがさらに好ましい。
【0014】また、ボンディング部の断面形状は矩形
(直方体)であってもよいが、請求項6に記載したよう
に底部の幅に比べてリード端子部材の表面側の幅を広く
した台形状とすることができる。このような断面形状に
よって、インレイクラッドによるボンディング部の形成
が容易となる。なお、この際の断面形状は略台形状や角
部が曲面となった形状などであってもよい。さらに、ボ
ンディング部とリード端子本体との密着強度をさらに高
める上で、リード端子部材の表面から内部に向けて広が
りを有する台形状としてもよい。このように、ボンディ
ング部の断面形状は用途や製造時の効率などを考慮し
て、種々の形状を採用することができる。
【0015】本発明の半導体モジュール用リード端子部
材の製造方法は、請求項7に記載したように、上述した
ような半導体モジュール用リード端子部材を製造するに
あたり、前記リード端子部材の本体となる銅または銅合
金からなる基材の一部に凹部を形成する工程と、前記凹
部内にボンディング部となるアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金を配置する工程と、前記銅または銅合金から
なる基材の前記凹部内に前記アルミニウムまたはアルミ
ニウム合金を配置した状態で圧延する工程とを具備する
ことを特徴としている。
【0016】本発明の半導体モジュールは、請求項9に
記載したように、配線層を有する回路基板と、前記回路
基板上に実装され、前記配線層の一方の端部に電気的に
接続された半導体素子と、前記回路基板上に設置された
本発明の半導体モジュール用リード端子部材からなるリ
ードピンと、前記リードピンの前記ボンディング部と前
記配線層の他方の端部とにボンディングされ、これらの
間を電気的に接続するアルミニウムワイヤとを具備する
ことを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0018】図1は本発明の一実施形態による半導体モ
ジュール用リード端子部材の構成を示す図であって、図
1(a)はその平面図、図1(b)は図1(a)の中心
線に沿った断面図である。ここで、本発明の半導体モジ
ュール用リード端子部材1は、半導体モジュールの内部
と外部の電気的導通をとるためのリード端子部材であっ
て、内部側にAlワイヤがボンディングされると共に、
外部側に直接またはメッキ層を介して配線、回路または
端子が例えば半田接続されるものである。
【0019】図1に示す半導体モジュール用のリード端
子部材1は、CuまたはCu合金からなるリード端子本
体2を有している。このリード端子本体2はリード端子
部材1を主として構成するものであり、リード端子部材
1の全体形状はリード端子本体2により形成されてい
る。
【0020】リード端子本体2は、例えば純度95%以上
の純Cuやこのような純CuにZn、Sn、Ni、Be
およびCrから選ばれる少なくとも1種の元素を1〜45質
量%の範囲で含有させたCu合金で作製することが好ま
しい。Cu合金はさらに他の微量元素を1質量%以下の
範囲で含有していてもよい。リード端子本体2の厚さは
特に限定されるものではなく、使用用途に応じて適宜に
設定することができるが、実用上は500〜2500μmの範囲
とすることが好ましい。また、リード端子部材1には曲
げ加工が施される場合があるため、その硬さ(実質的に
はリード端子本体2の硬さ(強度))はビッカース硬さ
で150Hv以上であることが好ましい。
【0021】上記したようなCuまたはCu合金からな
るリード端子本体2には、AlまたはAl合金が部分的
に埋め込み接合されており、このAlまたはAl合金に
よってボンディング部3が構成されている。ボンディン
グ部3は、例えば純度99%以上の純Alやこのような純
AlにSi、Mg、ZnおよびCuから選ばれる少なく
とも1種の元素を1〜10質量%の範囲で含有させたAl合
金で作製することが好ましい。Al合金はさらに他の微
量元素を1質量%以下の範囲で含有していてもよい。
【0022】ボンディング部3は後に詳述するように、
CuまたはCu合金からなるリード端子本体2に対して
AlまたはAl合金を例えばインレイクラッドすること
により形成したものである。このようなクラッド法に基
づいて、AlまたはAl合金をCuまたはCu合金に対
して部分的に埋め込み接合している。AlワイヤはAl
またはAl合金からなるボンディング部3にボンディン
グされる。
【0023】このように、ボンディング部3を部分的に
設けることによって、リード端子部材1に対する半田接
続性、具体的にはCuまたはCu合金からなるリード端
子本体2に対する半田接続性を良好に保った上で、ボン
ディング部3に対するAlワイヤの密着性(接続強度)
を大幅に向上させることができる。ここで、Cuまたは
Cu合金からなるリード端子本体2には配線、回路、端
子などが半田接続されるため、CuまたはCu合金の露
出表面の一部または全面に、半田濡れ性を向上させるN
i、Cu、Ag、Auなどの成分を半田接続用のメッキ
層として形成してもよい。
【0024】また、ボンディング部3の厚さT1は、上
述したインレイクラッドなどの接合法に基づいて15μm
以上としている。ボンディング部3の厚さT1が15μm以
下であると、CuまたはCu合金からなるリード端子本
体2とAlまたはAl合金からなるボンディング部3と
の密着強度が不足し、例えば大きな電圧が印加された際
にそれらの接合界面から剥離が生じやすくなる。
【0025】ただし、ボンディング部3の厚さT1を厚
くしすぎると、CuまたはCu合金からなるリード端子
本体2の形状維持能が低下すると共に、AlまたはAl
合金をインレイクラッドする際の加工コストが増大する
ため、ボンディング部3の厚さT1はリード端子部材1
の総厚T2の50%以下とする。このような厚さを有する
ボンディング部3によれば、リード端子本体2との接合
界面からの剥離をより確実に抑制することが可能とな
る。
【0026】上述したようなリード端子部材1におい
て、リード端子本体2としてのCuまたはCu合金とボ
ンディング部3を構成するAlまたはAl合金との接合
界面には、例えば図2に示すように、接合工程における
熱処理時にCu原子とAl原子とが相互拡散して、例え
ばCuとAlの金属間化合物からなるCu−Al合金層
4が形成される場合がある。
【0027】このような接合界面の合金層4の厚さtが
厚くなりすぎると、この合金層4が破壊してボンディン
グ部3が剥離するおそれが生じるため、Cu−Al合金
層4の厚さtは5μm以下とすることが好ましい。さら
に、Cu−Al合金層4は実質的に存在させないことが
好ましい。このような構成は、例えばCuとAlが相互
拡散した際の各濃度を、金属間化合物が生成しない範囲
(Cu中のAlは10%以下、Al中のCuは30%以下)
とすることで実現可能である。
【0028】リード端子本体2とボンディング部3との
接合界面に存在するCu−Al合金層4の厚さtは、さ
らに1μm以下であることが好ましい。ただし、この合金
層4の破壊に起因するボンディング部3の剥離にはボン
ディング部3の厚さT1も影響し、ボンディング部3の
厚さT1を十分に厚くした場合には、合金層4の厚さt
が多少厚くてもボンディング部3の剥離を抑制すること
ができる。従って、Cu−Al合金層4の厚さtはボン
ディング部3の厚さT1の1/10以下、さらには1/20以下
とすることが好ましい。
【0029】接合界面に存在するCu−Al合金層4の
厚さtを薄くするためには、後に詳述するように、例え
ば接合工程における熱処理、すなわちCuまたはCu合
金とAlまたはAl合金との接合強度を高めるための熱
処理(焼鈍)を比較的低温(180〜300℃の範囲)で実施
することが好ましい。熱処理を施さなければ接合界面に
合金層4を存在させないことも可能であるが、これでは
CuまたはCu合金とAlまたはAl合金との接合強度
が低下したり、また硬化しているために後加工で不具合
が生じるおそれがある。
【0030】また、図3に示すように、接合界面のCu
−Al合金層4を断続的に存在させた構造も有効であ
る。このような場合においても、合金層4の厚さは上記
したような範囲とすることが好ましい。リード端子本体
2とボンディング部3との接合界面において、Cu−A
l合金層4を断続的に存在させた構造は、後に詳述する
ように、例えば熱処理を施した後に強加工(例えば加工
率50%以上)を行い、延性が低い合金層4を加工時に分
断することにより得ることができる。
【0031】次に、リード端子本体2としてのCuまた
はCu合金(以下ではCu材と総称する)とボンディン
グ部3を構成するAlまたはAl合金(以下ではAl材
と総称する)との接合工程について詳述する。
【0032】Cu材とAl材とを接合する場合、Cu材
の全面にAl材を配置してクラッドするオーバーレイク
ラッド(全面クラッド)が一般的である。このようなオ
ーバーレイクラッドをリード端子部材に適用すると、配
線を半田接続する部分についてはAl材を剥離して除去
しなければならず、リード端子部材の製造効率の低下や
製造コストの増大などを招くことになる。
【0033】そこで、本発明ではボンディング部3とな
るAl材を、Cu材からなるリード端子本体2に対して
部分的に埋め込み接合している。Al材の部分的な埋め
込み接合は、トップレイクラッドやインレイクラッドな
どにより実施可能である。トップレイクラッドとは、C
u材の必要な部分のみにAl材を載置し、この状態で圧
延してクラッドする方法である。このようなトップレイ
クラッドでは、一定の板厚を有するCu材に対してAl
材を埋め込むことから、あまり厚いAl材では全体の厚
さが不均一となり、リード端子材料の板厚とした際のA
l材の厚さで10μm程度が限界となる。これではボンデ
ィング部とリード端子本体との密着強度が不足して、こ
れらの接合界面から剥離が生じるおそれが大きい。
【0034】そこで、本発明ではCu材に凹部を形成
し、この凹部内にAl材を配置した状態で圧延する、イ
ンレイクラッドを適用することが好ましい。このような
インレイクラッドを適用した本発明のリード端子部材の
製造方法について、図4を参照して説明する。
【0035】すなわち、まずリード端子本体1となるC
u材からなる基材5を用意し、このCu基材5の一部に
凹部(例えば溝)6を形成する(図4(a))。この凹
部6の深さは、そこに配置するAl材7の厚さの0.8〜
1.05倍の範囲とすることが好ましい。凹部6の深さが上
記した範囲から外れると、インレイ部の幅が不安定とな
ったり、また層厚のばらつきが大きくなる。
【0036】次に、Cu基材5に設けた凹部6内に、ボ
ンディング部3となるAl材7を配置し、この状態で圧
延してCu基材5とAl材7とを圧着する(図4
(b))。この第1段階の圧延工程の後に、Cu基材5
とAl材7との接合強度を高めるための熱処理(焼鈍)
を実施することが好ましい。ただし、この際の熱処理温
度をあまり高く設定しすぎると、前述したように接合界
面のCu−Al合金層4の厚さが厚くなりすぎて、この
合金層4が破壊の起点となるため、熱処理温度は180〜3
00℃の範囲とすることが好ましい。また、処理時間も合
金層4の厚さに影響するため、熱処理時間は2分〜2時間
とすることが好ましい。
【0037】上記した第1段階の圧延工程および熱処理
工程を実施した後、Cu基材5とAl材7との圧着材を
所定の板厚まで圧延することによって、Cu材からなる
リード端子本体2に対してAl材からなるボンディング
部3を部分的に埋め込み接合したリード端子部材1が得
られる(図4(c))。この第2段階の圧延工程におい
て、例えば圧延率(加工率)が50%以上というような強
加工を行うことによって、Cu材とAl材との接合界面
に生成した合金層4、すなわちCu材やAl材に比べて
延性が低い合金層4を分断することができ、これによっ
て例えば図3に示すような界面構造を得ることができ
る。
【0038】ここで、Cu材(リード端子本体2)に埋
め込まれたAl材(ボンディング部3)の断面形状は、
図5に示すような直方体であってもよいが、例えば図6
に示すような台形状、すなわち底部の幅に比べてリード
端子部材1の表面側の幅を広くした台形状としてもよ
い。このような断面形状によって、インレイクラッドに
よるボンディング部3の形成が容易となる。なお、この
際のボンディング部3の断面形状は、略台形状や角部が
曲面となった形状、さらには全体的に曲面となった形状
などであってもよい。
【0039】さらに、リード端子本体2とボンディング
部3との密着強度をさらに高める上で、例えば図7に示
すような台形状、すなわちリード端子部材1の表面から
内部に向けて広がりを有する台形状としてもよい。この
ような場合には、上面の幅に対して底面の幅を5〜30%
広くすることが好ましい。
【0040】図6に示したような台形状のボンディング
部3を形成する場合には、Cu基材5に設ける凹部6の
断面形状を底面に比べて上面開放部が広い台形状とし、
このような凹部6内に同様な台形状のAl材7を配置
し、この状態で第1段階の圧延工程および熱処理工程を
行い、さらに第2段階の圧延工程を行えばよい。図7に
示したような台形状のボンディング部3を形成する場合
も同様である。なお、図6に示したような台形状のボン
ディング部3を積極的に形成しなくても、インレイ時に
そのような形状となる場合もある。
【0041】上述したような本発明の半導体モジュール
用リード端子部材1によれば、Alワイヤとの密着性
(接続強度)をAlまたはAl合金からなるボンディン
グ部3により高めることができ、かつそのような効果を
もたらすボンディング部(AlまたはAl合金層)3の
リード端子本体2からの剥離を抑制することができるた
め、リード端子部材1をパワーモジュールのリードピン
などとして用いた場合に、リードピンとAlワイヤとの
接続部分からの断線をより確実に防止することが可能と
なる。
【0042】このような本発明の半導体モジュール用リ
ード端子部材1は、例えば図8に示すような半導体モジ
ュールのリードピンなどとして使用される。図8に示す
半導体モジュール10は、例えば金属基板上に絶縁層を
介して配線材、例えばAl−Cuクラッド箔からなる配
線材を積層した回路基板11を有している。回路基板1
1上には半導体素子12が実装されており、この半導体
素子12は回路基板11の表面に形成された配線層(配
線材)13と電気的に接続されている。
【0043】回路基板11の外周側には、樹脂により覆
われて固定された複数のリードピン15、15…が設置
されている。これらリードピン15、15…は、前述し
た本発明の半導体モジュール用リード端子部材1を例え
ば所定のピン形状に打抜いて作製したものであり、モジ
ュールの内部側にボンディング部3が配置されている。
そして、このリードピン15のボンディング部3と配線
層13との間をAlワイヤ16により電気的に接続する
と共に、リードピン15の外部露出側に配線を半田接続
することによって、半導体モジュール10の内部と外部
の電気的導通がとられている。
【0044】上述した半導体モジュール10において
は、リードピン15のボンディング部3とAlワイヤ1
6との密着強度が高められていると共に、ボンディング
部3自体の剥離が抑制されているため、リードピン15
とAlワイヤ16との接続部分からの断線をより確実に
防止することができる。このような断線防止効果は、半
導体モジュール10をパワーモジュールに適用した際
に、特に顕著に得ることができる。
【0045】すなわち、半導体素子12のハイパワー化
などに伴って、リードピン15とAlワイヤ16とのボ
ンディング部分には、より大きな電圧が加わるようにな
ってきている。本発明の半導体モジュール10によれ
ば、このような衝撃に基づくリードピン15とAlワイ
ヤ16との接続部分からの断線をより確実に防止するこ
とができる。言い換えると、半導体モジュール10によ
り大きな電流を高信頼性の下で流すことが可能となる。
【0046】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について述べ
る。
【0047】実施例1〜実施例10、比較例1〜2 まず、厚さ3mmの純Cu条材を複数用意し、これらに深
さ0.2mm、0.3mm、1.5mmの溝をそれぞれ形成した。溝の
断面形状は長方形または台形とした。このような溝内に
同じ形状および厚さの純Al材を配置し、この状態で圧
延してCu条材とAl材とをそれぞれ圧着した。
【0048】次に、上記したCu条材とAl材との圧着
材に熱処理を施した後に、板厚が3mmとなるまで圧延す
ることによって、それぞれリード端子部材を作製した。
この際、熱処理の条件を200〜300℃の範囲とすることに
よって、Cu材とAl材との接合界面の合金層の厚さを
変化させた。なお、適用したクラッド法はそれぞれ表1
に示す通りである。
【0049】このようにして得た各リード端子部材のボ
ンディング部の厚さ、接合界面に存在する合金層の厚さ
を表1に示す。合金層の厚さはEDXライン分析から求
めた。なお、厚さが0〜1μmの合金層とは、存在するこ
とはおおよそ確認されるが、厚さ1μmがEDXライン分
析の測定限界であるため、厚さ0〜1μmと表記したもの
である。
【0050】また、本発明との比較例1として、トップ
レイクラッドを適用して同様な構造のリード端子部材を
作製した。このリード端子部材のボンディング部の厚
さ、接合界面に存在する合金層の厚さを表1に併せて示
す。表1中の比較例2は純Cu条材のみにより作製した
リード端子部材である。
【0051】次に、上記した実施例1〜10および比較
例1〜2の各リード端子部材を用いて、Alワイヤの接
続強度を測定、評価した。すなわち、各リード端子部材
のボンディング部(Al層)に対し、それぞれ10箇所に
直径35μmまたは50μmのAlワイヤをボンディングし
て、ピールテストとシェアテストを行った。
【0052】ピールテストは、Alワイヤが破断したも
のをOK、ボンディング部とAlワイヤとの接続部分か
ら剥がれたものをNG1、ボンディング部のAl層が剥
離したものをNG2とし、それぞれ数を表1に示した。
また、シェアテストは引き剥がされた面を観察し、Cu
の露出がなかったものをA、Cuの露出面積が10%以下
のものをB、それ以上のものをNGとし、それぞれ数を
表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】表1から明らかなように、実施例1〜10
による各リード端子部材は、いずれも比較例1〜2に比
べてAlワイヤの接続信頼性が高いことが分かる。特
に、接合界面に存在する合金層の厚さを0〜1μmとした
リード端子部材は、優れたAlワイヤの接続信頼性が得
られていることが分かる。ただし、接合界面に存在する
合金層の厚さを5μmとしたリード端子部材であっても、
Al層の厚さを厚くすればAlワイヤの接続信頼性が高
まることが分かる。
【0055】次に、上述した実施例1〜10の各リード
端子部材を所定のピン形状に打ち抜いてリードピンを作
製し、これら各リードピンを用いて図8に構造を示した
半導体モジュールをそれぞれ作製した。これら半導体モ
ジュールの動作試験を行ったところ、いずれも信頼性に
優れることを確認した。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体モ
ジュール用リード端子部材によれば、アルミニウムワイ
ヤの密着強度を高めることができ、かつそのような効果
をもたらすボンディング部の剥離を抑制することが可能
となる。従って、そのようなリード端子部材を用いた本
発明の半導体モジュールによれば、リードピンとアルミ
ニウムワイヤとの接続部分からの断線を確実に防止する
ことが可能となる。すなわち、例えばハイパワー化を図
った場合においても、信頼性に優れる半導体モジュール
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による半導体モジュール
用リード端子部材の構成を示す図である。
【図2】 図1に示すリード端子部材のCuまたはCu
合金とAlまたはAl合金との接合界面の構造の一例を
示す要部断面図である。
【図3】 図1に示すリード端子部材のCuまたはCu
合金とAlまたはAl合金との接合界面の構造の他の例
を示す要部断面図である。
【図4】 本発明の半導体モジュール用リード端子部材
の製造工程の一例を示す断面図である。
【図5】 本発明の半導体モジュール用リード端子部材
におけるボンディング部の断面形状の一例を示す図であ
る。
【図6】 本発明の半導体モジュール用リード端子部材
におけるボンディング部の断面形状の他の例を示す図で
ある。
【図7】 本発明の半導体モジュール用リード端子部材
におけるボンディング部の断面形状のさらに他の例を示
す図である。
【図8】 本発明の半導体モジュール用リード端子部材
を使用した半導体モジュールの一構成例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1……リード端子部材 2……CuまたはCu合金からなるリード端子本体 3……AlまたはAl合金からなるボンディング部 4……Cu−Al合金層 5……Cu基材 6……凹部 7……Al材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体モジュールの内部と外部の電気的
    導通をとるためのリード端子部材であって、内部側にア
    ルミニウムワイヤがボンディングされると共に、外部側
    に直接またはメッキ層を介して配線、回路または端子が
    接続される半導体モジュール用リード端子部材におい
    て、 銅または銅合金からなるリード端子本体と、 前記リード端子本体に対して部分的に埋め込み接合さ
    れ、かつ厚さが15μm以上で前記リード端子部材の総厚
    の50%以下のアルミニウムまたはアルミニウム合金から
    なるボンディング部とを具備することを特徴とする半導
    体モジュール用リード端子部材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体モジュール用リー
    ド端子部材において、 前記リード端子本体と前記ボンディング部との接合界面
    に存在する銅−アルミニウム合金層の厚さが5μm以下で
    あることを特徴とする半導体モジュール用リード端子部
    材。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体モジュール用リー
    ド端子部材において、 前記リード端子本体と前記ボンディング部との接合界面
    に、銅−アルミニウム合金層が実質的に存在しないこと
    を特徴とする半導体モジュール用リード端子部材。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の半導体モジュール用リー
    ド端子部材において、 前記銅−アルミニウム合金層は前記ボンディング部の厚
    さの1/10以下であることを特徴とする半導体モジュール
    用リード端子部材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の半導体モジュール用リード端子部材において、 前記リード端子本体の前記銅または銅合金が露出してい
    る表面の少なくとも一部に、半田接続用のメッキ層が形
    成されていることを特徴とする半導体モジュール用リー
    ド端子部材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか1項
    記載の半導体モジュール用リード端子部材において、 前記ボンディング部は、その断面形状が底部の幅に比べ
    て前記リード端子部材の表面側の幅が広い台形状とされ
    ていることを特徴とする半導体モジュール用リード端子
    部材。
  7. 【請求項7】 半導体モジュールの内部と外部の電気的
    導通をとるためのリード端子部材であって、内部側にア
    ルミニウムワイヤがボンディングされると共に、外部側
    に直接またはメッキ層を介して配線、回路または端子が
    接続される半導体モジュール用リード端子部材を製造す
    るにあたり、 前記リード端子部材の本体となる銅または銅合金からな
    る基材の一部に凹部を形成する工程と、 前記凹部内にボンディング部となるアルミニウムまたは
    アルミニウム合金を配置する工程と、 前記銅または銅合金からなる基材の前記凹部内に前記ア
    ルミニウムまたはアルミニウム合金を配置した状態で圧
    延する工程とを具備することを特徴とする半導体モジュ
    ール用リード端子部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の半導体モジュール用リー
    ド端子部材の製造方法において、 前記凹部の断面形状が底面の幅に比べて上面開放部の幅
    が広い台形状であることを特徴とする半導体モジュール
    用リード端子部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 配線層を有する回路基板と、 前記回路基板上に実装され、前記配線層の一方の端部に
    電気的に接続された半導体素子と、 前記回路基板上に設置され、請求項1ないし請求項6の
    いずれか1項記載の半導体モジュール用リード端子部材
    からなるリードピンと、 前記リードピンの前記ボンディング部と前記配線層の他
    方の端部とにボンディングされ、これらの間を電気的に
    接続するアルミニウムワイヤとを具備することを特徴と
    する半導体モジュール。
JP2000377742A 2000-12-12 2000-12-12 半導体モジュール用リード端子部材とその製造方法、およびそれを用いた半導体モジュール Withdrawn JP2002184925A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000377742A JP2002184925A (ja) 2000-12-12 2000-12-12 半導体モジュール用リード端子部材とその製造方法、およびそれを用いた半導体モジュール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000377742A JP2002184925A (ja) 2000-12-12 2000-12-12 半導体モジュール用リード端子部材とその製造方法、およびそれを用いた半導体モジュール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002184925A true JP2002184925A (ja) 2002-06-28

Family

ID=18846417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000377742A Withdrawn JP2002184925A (ja) 2000-12-12 2000-12-12 半導体モジュール用リード端子部材とその製造方法、およびそれを用いた半導体モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002184925A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013058573A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置
KR20160094284A (ko) * 2015-01-30 2016-08-09 가부시키가이샤 제이디바이스 반도체 장치

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013058573A (ja) * 2011-09-07 2013-03-28 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置
KR20160094284A (ko) * 2015-01-30 2016-08-09 가부시키가이샤 제이디바이스 반도체 장치
KR102538964B1 (ko) 2015-01-30 2023-06-01 가부시키가이샤 앰코테크놀로지재팬 반도체 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100565857C (zh) 用于倒装片的由被覆线形成的涂覆金属柱形突起
JP3760075B2 (ja) 半導体パッケージ用リードフレーム
JPH0158864B2 (ja)
CN100401487C (zh) 半导体器件及半导体器件的制造方法
JP2005051084A (ja) 半導体チップおよびこれを用いた半導体装置
JP2002184925A (ja) 半導体モジュール用リード端子部材とその製造方法、およびそれを用いた半導体モジュール
JP2008166432A (ja) クラックを生じにくい半田接合部、該半田接続部を備える回路基板などの電子部品、半導体装置、及び電子部品の製造方法
KR101698431B1 (ko) 반도체 파워 모듈 패키지 및 그의 제조방법
JP4012527B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP2006147918A (ja) 半導体装置
JPH0590465A (ja) 半導体装置
JP2001257304A (ja) 半導体装置およびその実装方法
JP4663975B2 (ja) 電子部品用パッケージ
JP2004207717A (ja) 熱電モジュール
JPH01220494A (ja) 多層配線基板
EP2302674A1 (en) Electrical terminal, electronic circuit module with an electrical terminal and corresponding method of manufacturing thereof
JPH06302756A (ja) 半導体装置用リードフレーム
JP2003124074A (ja) 面実装電子部品
CN218498063U (zh) 一种电路互连结构和电子器件
EP3951842A2 (en) Pre-plating of solder layer on solderable elements for diffusion soldering, corresponding circuit carrier and corresponding method of soldering electronic components
JPH11340381A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JPH08316641A (ja) 一括接続法による多層配線基板
JPH061789B2 (ja) 半導体装置用フイルムキヤリア
US20030052416A1 (en) Thick film circuit connection
JP2015109334A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080304