JP2002184674A - 電子ビーム描画装置 - Google Patents

電子ビーム描画装置

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JP2002184674A JP2000383116A JP2000383116A JP2002184674A JP 2002184674 A JP2002184674 A JP 2002184674A JP 2000383116 A JP2000383116 A JP 2000383116A JP 2000383116 A JP2000383116 A JP 2000383116A JP 2002184674 A JP2002184674 A JP 2002184674A
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beam mirror
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Masahide Okumura
正秀 奥村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】装置のアースに流れる電流の一部が鏡体に流
れ、電子ビームに予期しない偏向を与える作用を低減す
る。 【解決手段】電子ビーム鏡体7側の同軸ケーブル4,1
5の各シールドアースを導電性部材23に接続し、導電
性部材23の1箇所と電子ビーム鏡体7の1箇所をアー
ス線22で接続する。さらに導電性部材23を接地アー
ス線19で大地アース20に接続し、電子ビーム10に
偏向を生じる原因となる電流I2の全てを導電性部材2
3を経由して流すことで、電子ビーム鏡体7の電位を大
地アース電位に保たれた導電性部材23と同電位にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御された電子ビ
ームをウェハやマスクに照射することによってLSIパ
ターンなどを描画する電子ビーム描画装置に係わり、特
に電子ビーム描画装置のアースに流入するノイズ電流に
よる描画精度の低下を防止するのに好適な電子ビーム描
画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ビームは解像性が高く制御性に優れ
るため、その特徴を生かした装置として電子ビーム描画
装置や電子顕微鏡などが開発され、実用化されている。
しかし、電子ビームはノイズ磁場の影響を受け易い。例
えば電子ビームの通路を横切る向きのノイズ磁場がある
と、電子ビームは偏向作用を受けて予期しない位置変動
を生じる。特に電子ビーム描画装置の場合、電子ビーム
鏡体に流れるノイズ電流は描画精度を低下させる重要な
要因の1つである。
【0003】電子ビーム鏡体内部にノイズ磁場が発生す
る理由は、電子ビームの通路に沿った電気的導体部に電
流が流れ、その電流によって偏向磁場が発生するためで
ある。このノイズ磁場に対する対策は、電子ビーム鏡体
にノイズ電流を流さないことであるが、電子ビーム描画
装置では、電子ビームを制御するための制御部の出力と
制御対象である電子ビーム鏡体内部の部品間とを同軸ケ
ーブル等の多数の信号線で接続しているため、ノイズ電
流を完全に絶つことは困難である。
【0004】図2は従来の電子ビーム描画装置の概略構
成を示している。電子ビーム鏡体7は、いくつかの機能
ブロックを、相互にボルト8で固定して上下に積み重ね
た円筒状構造体である。各機能ブロックの外周材は導電
体である純鉄、パーマロイ等の金属が使われている。内
部は真空に保たれ、電子銃6から電子ビーム10を射出
する。電子ビーム10は途中で諸々の制御を受け、ウェ
ハやマスク等の試料12に所望の描画パターンを描画す
る。上記諸々の制御にはビームのオンオフ制御、ビーム
サイズ制御、ビーム強度制御、ビームフォーカス制御、
ビーム形状制御、ビーム位置偏向制御、ステージ位置制
御、ビーム位置検出、真空制御等の多岐にわたってい
る。
【0005】例えば描画制御部1の回路3で生成したビ
ームの可変成形信号は、同軸ケーブル4、耐真空コネク
タ5によって、可変成形偏向器9に電圧を与え、図示し
ていない所定開口を有するアパ−チャ板との組み合わせ
で電子ビーム10の断面形状を制御する。描画制御部1
の回路14はビーム位置偏向制御電圧信号を生成し、同
軸ケーブル15および耐真空コネクタ16を介して静電
偏向器11に制御電圧を与える。これによって試料12
に所望のパターンを描画できる。実際の電子ビーム描画
装置は他にも多くの機能で構成され、制御部1と電子ビ
ーム鏡体7との間には何十本もの同軸ケーブル類が存在
しているが、図2では同軸ケーブル4と15の2本のみ
を示している。
【0006】描画制御部1は回路3とそれを動作させる
ための電源2を持つ。回路のコモンつまりアースは電子
ビーム鏡体7と同電位を保たなければならないので、回
路アース17,18と電子ビーム鏡体7のアース線22
を、例えば銅板部材のアース集合板21に接続し、さら
に接地線19で大地アース20に接続している。同軸ケ
ーブルの外周シールド線は回路側を回路アースと接続
し、電子ビーム鏡体側をその金属体部に接続している。
つまり、電子ビーム鏡体7を介して複数のループアース
ができている。
【0007】図3はループアース電流が電子ビーム鏡体
7に流れる様子を示している。回路3が動作すると電源
2は電流I0(=I1+I2)を回路3に供給する。例え
ば図3に示しているようにループアース(1),(2)が存
在しているため、ループ(1)にはI1が、ループ(2)に
はI2の閉ループ電流が流れる。図3では回路3、回路
14の単純な枠で代表しているが、実際には数十枚に及
ぶディジタル回路基板、アナログ回路基板で構成され
る。基板類はシャーシに実装され、それらシャーシ群は
数台のラック筐体に搭載されている。電源2、電源13
も同様である。
【0008】そのため、例えばアース箇所E1点とE2
間の長さが5mを越える場合もある。一方、制御信号は
微弱で高周波のため、同軸ケーブル4,15の長さは数
十cmから数メートルと、比較的短い。しかも何十本も
のケーブルで描画制御部1および電子ビーム鏡体7に接
続されている。かつ同軸ケーブルはメッシュ構造である
から、高周波アースインピーダンスは電源アース線と比
べて同等ないしは小さい。この理由によって、電子ビー
ム鏡体7には電流I2が分流する。
【0009】回路3が電子ビーム10をオンにして試料
12の所望の箇所に所望のパターンをショットする動作
が始まると、次の描画準備を開始する。描画準備つまり
回路が動作すると、当然のこととして動作電流は変化す
るのであるから、電流I0の大きさは頻繁に変化する交
流である。I0は換言するとノイズ電流であり、その一
部の電流I2が電子ビーム鏡体7に流れることになる。
電流I2は制御部の動作に伴う様々な周波数、波形、大
きさをもつ。この電流が電子ビーム鏡体にとってはノイ
ズ電流となる。
【0010】また、上記電流I2の他に、電子ビーム描
画システムのアースはループしているため、電子ビーム
描画システムの設置環境からも直接的あるいは間接的に
電子ビーム鏡体7に電流が流れる。設置環境の一例とし
ては、電子ビーム描画装置が接地されるクリーンルーム
である。クリーンルームは塵芥の舞い上がりを防ぐため
に床が金属製のメッシュで構成され、上から下の向きの
風を流している。この金属床の上には様々な半導体製造
装置や検査装置が設置されているため、それらの装置か
らのノイズ電流が金属メッシュ床に流れている可能性が
ある。その電流が電子ビーム描画装置のループアースに
混入する。
【0011】通常、電子ビーム鏡体7は、いくつかの機
能ブロックを相互にボルト8で固定して上下に積み重ね
た円筒状構造体である。機能ブロックの外周材は導電体
である純鉄やパーマロイ等の金属が使われている。電子
ビーム10の通路に沿った導電体部に電流が流れると、
その電流によって偏向磁場が発生する。つまりノイズ電
流によって電子ビーム10は予期しない偏向作用を受け
るため位置変動となって描画精度を低下させる。
【0012】電子ビーム鏡体7に流れるノイズ電流を低
減できる従来技術としては、例えば、特開平2−650
44号公報に記載のものがある。これは、荷電ビーム光
学鏡筒のライナーチューブの外側にこれと導通状態を保
って導電性部材を設け、この導電性部材を荷電ビーム光
学鏡筒に取りつけられる電気部品のコモン、またはアー
ス端子とするものである。なお、ライナーチューブの内
部に存在するアノード、ブランキング電極のアース側電
極等、アース電位に保つ必要がある電極類は、それぞれ
ライナーチューブと導電性部材に導通状態を保って接続
されている。
【0013】電子ビーム鏡体に流れるノイズ電流を低減
する他の従来技術としては、例えば、特開平7−326
314号公報に記載のものがある。これは、荷電ビーム
の通路を横切る向きの磁場に対し、偏向感度を有する対
物偏向ブロックの周囲を取り囲むようにノイズ電流の分
流部材を配置し、分流部材の一端を投射レンズブロック
に、他端を試料室に接続する。このことによって、ノイ
ズ電流を分流できる。
【0014】上記従来例は、導電体を電子ビーム鏡体に
並列に接続することによって、有害なノイズ電流を分流
するものである。ライナ−チューブと並列に導電体を設
ければ、有害なノイズ電流の殆どは抵抗値の低い導電体
の方に流れるため、ノイズ電流によって生じる偏向磁場
を低減できる。同様に対物偏向ブロックと並列に分流部
材を設ける他の公知例も同様の効果が期待できる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術で
は電子ビーム鏡体に流れる電流を導電体で分流するので
あるから、電子ビーム鏡体に流れるノイズ電流をゼロに
することはできない。また、分解組み立てなどによって
接触抵抗の変化が生じると、ノイズ電流による影響の変
化が生じるという不具合があった。さらに、電子ビーム
鏡体と導電体のノイズ周波数に対するインピーダンスは
異なるため、ノイズの影響の度合いはノイズ電流の周波
数成分によって変化するという不具合もあった。
【0016】本発明の目的は、これら従来技術の課題を
解決し、デバイスのパターン描画等を高精度に行なうこ
とが可能な電子ビーム描画装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記本発明の課題は、周
辺機器のアース、制御部のアースおよび接地アースに対
して絶縁した電子ビーム鏡体において、上記電子ビーム
鏡体の1箇所を電子ビーム鏡体に近接して設けた導電性
部材と接続し、上記導電性部材には電子ビーム鏡体の機
能を制御する複数の制御信号ケーブルの電子ビーム鏡体
側各アースと、周辺機器、制御部および大地に対して等
電位を保つための接地アースとを接続することによって
解決される。
【0018】図1は、本発明の基本構成を示す電子ビー
ム描画装置の要部概略図である。同軸ケーブル4,15
の電子ビーム鏡体7側の各シールドアースを導電性部材
23に接続し、導電性部材23の1箇所と電子ビーム鏡
体7の1箇所をアース線22で接続する。さらに導電性
部材23を接地アース線19で大地アース20に接続す
る。このことによって、電子ビーム10に対して意図し
ない偏向作用を生じる原因となる電流I2は、その全て
が導電性部材23を経由して流れるので、電子ビーム鏡
体7には、全く流れなくなる。電子ビーム鏡体7の電位
はアース線22によって、大地アース電位に保たれた導
電性部材23と同電位になっているので、電子ビーム鏡
体7の電子ビーム10への影響はない。
【0019】導電性部材にノイズ電流を流すことによっ
てノイズの影響を除去した電子ビーム描画装置でウェハ
やマスクに高精度なパターンを描画する。なお、マスク
はさらにステッパ等の光学式描画装置でのウェハの描画
に用いられ、このようなマスクを介して、あるいは電子
ビーム描画装置で直接描画されたウェハは、ダイシング
やダイボンディング、ワイヤボンディング、ワイヤレス
ボンディング、封止等の工程を経て半導体デバイスに組
み込まれる。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施例1)図4は、本発明の第
1の実施例を示す電子ビーム描画装置のシステム構成図
である。本実施例の電子ビーム描画装置は、電子ビーム
光学鏡体7の他に、高圧電源部25、可変成型回路1
a、偏向制御回路1b、イオンポンプ電源回路34の他
にも、描画制御ディジタル系回路部、ディジタル描画制
御データをアナログ量に変換して電子ビームを制御する
アナログ制御系回路部、ウェハやマスクを載置するステ
ージ等の機構系制御回路部、電子ビーム光学鏡体内部を
真空に保つための真空排気制御系回路部等、多数の機能
ブロックで構成される。ただし、本発明の説明に全ての
機能ブロックの詳細について記述する必要はないので、
図4では要点部のみを抜粋して簡略的に図示している。
【0021】高圧電源25は高圧ケーブル26を介して
電子銃6に包含する電子放出源や陰極に電圧を印加す
る。カバー27は感電防止のため高圧充電部を覆うため
のものであり高圧ケーブル26のシールドアースとは絶
縁されている。このカバー27は電子ビーム鏡体7と電
気的にも接続することでアース電位を確保する。ケーブ
ル26の高圧電源25側のシールドアースは高圧電源2
5の回路、筐体アースと接続した。そして、専用アース
28で導電部材23に接続した。シールドアースの他端
はアース線29で導電部材23に固定ボルト30で接続
した。
【0022】上記導電部材23は下部をL型に折り曲げ
て、電子ビーム鏡体7に1つ以上のボルトで締め付けて
固定した。1つ以上のボルトとしたのは、電子ビーム鏡
体7との接触抵抗を小さくするためである。
【0023】導電部材23の抵抗は電位差の発生を防止
するためには小さいほど望ましいが加工性を考慮して、
厚さ5mm、幅10mm、長さ1mの銅板で製作した。
この場合、長手方向両端間の抵抗は約0.4ミリオーム
である。仮に導電部材23に流れるノイズ電流が100
ミリアンペアとした場合、両端間で生じる電位差は40
マイクロボルト程度であるから、通常存在する雑音電圧
程度であるので問題は生じない。
【0024】イオンポンプ31は内部にゲッター材を持
ち、高電圧、磁界を与えることによって電子ビーム鏡体
7の内部残留ガスを吸着し、高真空を得るポンプであ
る。高圧導入端子32はカバー33を覆いかぶせること
で感電を防止する。カバー33はシールドアース線と絶
縁し、イオンポンプ外壁と接続した。高電圧はイオンポ
ンプ電源34、シールドケーブル35を用いて接続しイ
オンポンプに供給する。イオンポンプ電源側のシールド
はイオンポンプ電源アースと、その筐体と接続し、さら
にアース36で導電部材23に接続した。イオンポンプ
側のシールドはアース線37で導電部材23にボルトで
接続した。
【0025】電子ビーム鏡体7の内部可変成形偏向器9
は、特定形状の開口を有するアパ−チャ(図示していな
い)との組み合わせで電子ビーム10の断面形状を制御
するための4極静電偏向板で構成されている。偏向器9
の各静電偏向板に接続した耐真空コネクタ5の各導入端
子と各同軸コネクタ38を各リード線39で接続し、可
変成形偏向回路1aの出力電圧信号を各同軸ケーブル4
0、その先端にケーブルコネクタ41をつないで、各同
軸コネクタ38に対して着脱可能な方法で接続した。
【0026】可変成形偏向回路1a側のシールドは回路
アースと、その筐体と接続し、さらにアース43で導電
部材23に接続した。ケーブルコネクタ41側のシール
ド端末は、ケーブルコネクタ41のカバーを介して導電
部材23に接触接続する。電子ビーム鏡体7の内部静電
偏向器11は8極静電偏向板で、ウェハ12の所望の箇
所に電子ビーム7を照射するための偏向器である。可変
成形偏向器9と同様の構造や方法で偏向制御回路1bと
接続した。
【0027】真空排気装置44は真空配管46を介して
電子ビーム鏡体7の内部の比較的低真空室の真空排気を
する。真空配管46は金属製で床47と接触する可能性
があって、床から真空配管46を通してノイズ電流が流
入すると電子ビーム鏡体7にノイズ電流を流すことにな
るので絶縁しなければならない。ジョイント45は、絶
縁物を介して接合する構造であり、真空配管46と電子
ビーム鏡体7の間を電気的に絶縁している。
【0028】電子ビーム鏡体7は除振台48をベースに
してその上にウェハ12等の試料室が、そしてその上に
電子ビーム鏡筒が積み重ねられた構造になっている。設
置場所の床47からのノイズ電流の流入箇所は除振台4
8と床47との接触面部である。そこで本実施例では、
床47と除振台48との間に絶縁部材49を挟んで固定
金具50で除振台48を固定した。あるいは、図示を省
略したが、固定金具50の材質を必要な強度を有する絶
縁材で製作すれば、直接金属製の固定ボルトで固定して
もよい。除振台48を床47に対して絶縁固定すること
によって、床からのノイズ電流が除振台48を経由して
電子ビーム鏡体7に流入することはない。なお、絶縁し
固定する方法に付いては一例が特開2000−2083
88号公報に開示されている。
【0029】これらの結果、電子ビーム描画装置内部で
生じるノイズ電流や、設置のための床を通じて混入する
全てのノイズは導電部材23に流れ、電子ビーム鏡体7
には全く流れなくなるので、何も影響を受けなくなる。
【0030】(実施例2)図5は本発明の第2の実施例
を示す電子ビーム描画装置のシステム構成図である。電
子ビーム鏡体7の周辺にノイズ場があると、ノイズ場が
静電結合や電磁波結合で偏向信号ケーブルにノイズ電圧
を誘起する。本実施例では導電部材23の同軸コネクタ
38の信号ピンと電子ビーム鏡体7の耐真空コネクタ5
との間を、同軸ケーブル52で接続し、同軸ケーブル5
2のシールドアースは片端接地とした。これにより、ノ
イズ場の影響を受けなくなる。
【0031】(実施例3)図6は、本発明の第3の実施
例を示す電子ビーム描画装置のシステム構成図である。
電子銃6には50KVあるいは70KV、さらには10
0KVの高電圧を印加して用いる場合がある。このよう
な高電圧を使っていると、時として、例えば電子銃部6
と電子ビーム鏡体7との間で放電を生ずることがある。
このような放電が生じると、高圧電源は直ちに放電電流
を検出して、出力電圧をゼロボルトに即断する。放電電
流の大きさと持続時間は、主として、高圧ケーブル26
を含む高圧電源25の静電容量の大きさと電源インピー
ダンスで決まる。大きさは数アンペア以上、減衰時間は
数マイクロ秒以下であろうと推定される。
【0032】上記の放電電流は電子ビーム鏡体7を通過
し、導電部材23を経由して複数のアースループに分配
され、高圧電源に戻る。このような大電流パルスがアー
スループに流れると、周辺回路内部に異常電圧が発生し
て回路素子を破壊してしまうことがある。上記放電電流
の殆どを高圧ケーブル26のシールドを介して高圧電源
に戻せば、周辺回路の破壊を防止できる。
【0033】このことを目的として本実施例では、放電
素子60を電子ビーム鏡体7の上部と高圧ケーブル26
のシールドの間に挿入接続した。上記放電素子60とし
ては、放電ギャップを有するものや半導体素子の特性を
使ったものなど種々あるが、本実施例では10V程度で
放電を開始する半導体タイプの放電素子を用いて良好な
結果が得られた。勿論、通常状態においては放電素子6
0の内部抵抗は極めて大きく、開放状態と類似であるた
め、放電素子60を通じてノイズ電流が流れることはな
い。
【0034】(実施例4)図7は、本発明の第4の実施
例を示す電子ビーム描画装置のシステム構成図である。
電子ビーム鏡体7は内部のクリーニング等のためにブロ
ック単位で分解することがある。本実施例では導電部材
23を分割可能な構造にすることによって、クリーニン
グ時等に電子ビーム鏡体7を容易に解体できるようにし
た。すなわち導電部材23を電子ビーム鏡体7のブロッ
クと略同寸法の高さで23a、23b、23cに示した
ように分割した。そして、絶縁固定部材70で、それぞ
れを電子ビーム鏡体7に固定できるようにした。各導電
部材23a,23b,23cの間は可とう性の銅板71
をボルト30で接続した。
【0035】以上詳述したほかに、導電部材23の形状
は、棒状にしてもよいし、電子ビーム鏡体7をすっぽり
包み込むような円柱状にしてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子ビーム鏡体に流れるノイズ電流を殆どゼロにするこ
とができることにより、半導体デバイスに組み込まれる
パターン回路を高精度に描画することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子ビーム描画装置の基本構成を示す
概略構成図。
【図2】従来の電子ビーム描画装置を示す概略構成図。
【図3】電子ビーム鏡体にノイズ電流が流れることの説
明図。
【図4】本発明の第1の実施例の電子ビーム描画装置の
概略構成図。
【図5】本発明の第2の実施例の電子ビーム描画装置の
概略構成図。
【図6】本発明の第3の実施例の電子ビーム描画装置の
概略構成図。
【図7】本発明の第4の実施例の電子ビーム描画装置の
概略構成図。
【符号の説明】
1…制御部、3,4…回路、4,15…同軸ケーブル、
6…電子銃、7…電子ビーム鏡体、10…電子ビーム1
2…ウェハ等、20…大地アース、23…導電部材。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接地アースされた床に対して絶縁して据え
    付けられた電子ビーム鏡体と、上記電子ビーム鏡体の機
    能を制御するための上記電子ビーム鏡体とは絶縁した制
    御部と、上記制御部内の制御信号ケーブルのアースと、
    上記電子ビーム鏡体から離間して設けた導電性部材とを
    有し、上記電子ビーム鏡体の1箇所と上記制御部の信号
    ケーブルのアースとを上記導電部材に接続したことを特
    徴とする電子ビーム描画装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電子ビーム描画装置にお
    いて、上記導電性部材は上記電子ビーム鏡体の近傍に設
    けられた導電性金属板、導電性金属棒あるいは導電性金
    属筒のいずれかであることを特徴とする電子ビーム描画
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の電子ビーム描画
    装置において、上記導電性部材は、電子ビーム鏡体に沿
    った直方体、棒体あるいは円筒体のいずれかであること
    を特徴とする電子ビーム描画装置。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか記載の電子ビー
    ム描画装置において、上記電子銃高圧電源ケーブルのア
    ースと、電子銃に近い電子ビーム鏡体の所定箇所との間
    に放電素子を挿入したことを特徴とする電子ビーム描画
    装置。
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