JP3104368B2 - イオン除去装置及びイオンの除去方法 - Google Patents
イオン除去装置及びイオンの除去方法Info
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- JP3104368B2 JP3104368B2 JP04029576A JP2957692A JP3104368B2 JP 3104368 B2 JP3104368 B2 JP 3104368B2 JP 04029576 A JP04029576 A JP 04029576A JP 2957692 A JP2957692 A JP 2957692A JP 3104368 B2 JP3104368 B2 JP 3104368B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子蓄積リング中の
イオンを除去する装置及びイオンの除去方法に関するも
のである。
イオンを除去する装置及びイオンの除去方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーストラック形状をした電子
蓄積リングにおいて、180度の偏向電磁石のちょうど
中心付近で、水平方向に一番ビーム径が小さくなる。一
般にビーム径が一番小さい位置が、イオンから見たポテ
ンシャルは一番低くなるので、イオンはその位置にトラ
ップされる。図5は蓄積リング中を回転する荷電粒子が
作るポテンシャルを示すグラフであり、横軸にビ−ム軸
方向の距離、縦軸にポテンシャルを示す。図5からも明
らかなように、180度の偏向電磁石のちょうど中心付
近で、イオンから見たポテンシャルは一番低くなってお
り、イオンはこの位置にトラップされている。
蓄積リングにおいて、180度の偏向電磁石のちょうど
中心付近で、水平方向に一番ビーム径が小さくなる。一
般にビーム径が一番小さい位置が、イオンから見たポテ
ンシャルは一番低くなるので、イオンはその位置にトラ
ップされる。図5は蓄積リング中を回転する荷電粒子が
作るポテンシャルを示すグラフであり、横軸にビ−ム軸
方向の距離、縦軸にポテンシャルを示す。図5からも明
らかなように、180度の偏向電磁石のちょうど中心付
近で、イオンから見たポテンシャルは一番低くなってお
り、イオンはこの位置にトラップされている。
【0003】このように、イオンがトラップされると、
ビームサイズが大きくなったり、共鳴によって荷電粒子
が失なわれたりして、ビームを安定に蓄積できなくな
る。よって、従来の電子蓄積リングではこの中心部にイ
オン除去電極をつけてイオンを除去していた。
ビームサイズが大きくなったり、共鳴によって荷電粒子
が失なわれたりして、ビームを安定に蓄積できなくな
る。よって、従来の電子蓄積リングではこの中心部にイ
オン除去電極をつけてイオンを除去していた。
【0004】図6は、例えば「高エネルギー加速器セミ
ナー」高エネルギー物理学研究所86年第VIー17頁
に示された従来のイオン除去装置を示す構成図である。
図において、2はイオン除去電極、4はチェンバ、6は
電子ビームである。
ナー」高エネルギー物理学研究所86年第VIー17頁
に示された従来のイオン除去装置を示す構成図である。
図において、2はイオン除去電極、4はチェンバ、6は
電子ビームである。
【0005】上記のような構成のイオン除去装置は、例
えばイオン除去装置付近の電子ビーム6のポテンシャル
にトラップされているイオンがあれば、イオン除去電極
2に数100ボルトの電圧をかけることにより、電子蓄
積リングを構成するチェンバ4内のイオンは、電子ビー
ム6のポテンシャルから逃れてイオン除去電極2に向か
って運動し、そこで消滅する。この様にして、電子蓄積
リング中のイオンを除去することが可能である。
えばイオン除去装置付近の電子ビーム6のポテンシャル
にトラップされているイオンがあれば、イオン除去電極
2に数100ボルトの電圧をかけることにより、電子蓄
積リングを構成するチェンバ4内のイオンは、電子ビー
ム6のポテンシャルから逃れてイオン除去電極2に向か
って運動し、そこで消滅する。この様にして、電子蓄積
リング中のイオンを除去することが可能である。
【0006】しかしながら、偏向電磁石の中心位置の上
下にイオン除去電極2を取り付けることは構造的に難し
い。なぜなら、偏向部のチェンバ4は超高真空とするた
め通常一体型で製作するからである。また、上下方向の
ビーム径は偏向部中心で最も大きくなるため、イオン除
去電極2を上下方向に取り付けるとビームが安定に回ら
なくなることがある。さらに、上下方向に取り付けた場
合、ビームとの距離が近いためにビームの作るウエーク
場等の影響により安定にビームが回らなくなる可能性も
ある。
下にイオン除去電極2を取り付けることは構造的に難し
い。なぜなら、偏向部のチェンバ4は超高真空とするた
め通常一体型で製作するからである。また、上下方向の
ビーム径は偏向部中心で最も大きくなるため、イオン除
去電極2を上下方向に取り付けるとビームが安定に回ら
なくなることがある。さらに、上下方向に取り付けた場
合、ビームとの距離が近いためにビームの作るウエーク
場等の影響により安定にビームが回らなくなる可能性も
ある。
【0007】以上の問題点に対し、チェンバ4の横にイ
オン除去電極2を取り付ける方法が考えられる。この場
合は、偏向電磁石中の高磁界の場においては電界を横方
向にかけてイオンを除去しようとしても、イオンはビー
ム軸方向にトリフト運動するだけでビームを巧く除去す
ることができない。
オン除去電極2を取り付ける方法が考えられる。この場
合は、偏向電磁石中の高磁界の場においては電界を横方
向にかけてイオンを除去しようとしても、イオンはビー
ム軸方向にトリフト運動するだけでビームを巧く除去す
ることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来のイ
オン除去装置では、イオン除去電極2をチェンバ4内の
上下に配置しているため、電子ビームが通る軌道の上下
方向の領域( 以下、アパーチャという) を狭めて、電子
が安定に回らなくなるという問題点があった。また、チ
ェンバ4の180度の偏向電磁石部分は、一般に超高真
空にするため一体で製造する。従って、偏向電磁石中の
上下にイオン除去電極2をしっかりと取り付けることは
困難であった。例えば、180度全体に渡ってイオン除
去電極2を取り付ける場合、チェンバ4の両端の出口部
でイオン除去電極2を固定する方法が考えられる。とこ
ろが、チェンバ4の両端の出口部の間の中央部において
は、偏向電磁石の内部では固定することができず、組み
込んだ後に偏向電磁石内でのイオン除去電極2の位置を
特定できないなどの問題点があった。
オン除去装置では、イオン除去電極2をチェンバ4内の
上下に配置しているため、電子ビームが通る軌道の上下
方向の領域( 以下、アパーチャという) を狭めて、電子
が安定に回らなくなるという問題点があった。また、チ
ェンバ4の180度の偏向電磁石部分は、一般に超高真
空にするため一体で製造する。従って、偏向電磁石中の
上下にイオン除去電極2をしっかりと取り付けることは
困難であった。例えば、180度全体に渡ってイオン除
去電極2を取り付ける場合、チェンバ4の両端の出口部
でイオン除去電極2を固定する方法が考えられる。とこ
ろが、チェンバ4の両端の出口部の間の中央部において
は、偏向電磁石の内部では固定することができず、組み
込んだ後に偏向電磁石内でのイオン除去電極2の位置を
特定できないなどの問題点があった。
【0009】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、電子ビームの上下方向のアパーチャ
を狭めずに、イオンを効率よく除去することができるイ
オン除去装置及びイオンの除去方法を提供することを目
的としている。また、イオン除去装置を簡便な方法でし
っかりとチェンバに固定し、チェンバの移動や振動でイ
オン除去電極の位置が変化するのを防止できるイオン除
去装置を提供することを目的としている。
になされたもので、電子ビームの上下方向のアパーチャ
を狭めずに、イオンを効率よく除去することができるイ
オン除去装置及びイオンの除去方法を提供することを目
的としている。また、イオン除去装置を簡便な方法でし
っかりとチェンバに固定し、チェンバの移動や振動でイ
オン除去電極の位置が変化するのを防止できるイオン除
去装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るイオン除去装置は、偏向電磁石が配設されている位置
におけるチェンバ内の内周側に取り付けたイオン誘導電
極、及び偏向電磁石の出口位置におけるチェンバ内の上
部または下部に取り付けたイオン除去電極を備えたもの
である。
るイオン除去装置は、偏向電磁石が配設されている位置
におけるチェンバ内の内周側に取り付けたイオン誘導電
極、及び偏向電磁石の出口位置におけるチェンバ内の上
部または下部に取り付けたイオン除去電極を備えたもの
である。
【0011】また、この発明の請求項2に係るイオン除
去装置は、請求項1の発明に加え、イオン誘導電極及び
イオン除去電極をワイヤで構成し、このワイヤに電気的
絶縁体をはめこんだものである。
去装置は、請求項1の発明に加え、イオン誘導電極及び
イオン除去電極をワイヤで構成し、このワイヤに電気的
絶縁体をはめこんだものである。
【0012】また、この発明の請求項3に係るイオン除
去装置は、請求項2の発明に加え、偏向電磁石の出口部
位置のみでイオン誘導電極とチェンバとを固定し、イオ
ン誘導電極とチェンバの固定を偏向電磁石出口部で行な
い、電気的絶縁体を介してイオン誘導電極をチェンバに
押着するものである。
去装置は、請求項2の発明に加え、偏向電磁石の出口部
位置のみでイオン誘導電極とチェンバとを固定し、イオ
ン誘導電極とチェンバの固定を偏向電磁石出口部で行な
い、電気的絶縁体を介してイオン誘導電極をチェンバに
押着するものである。
【0013】また、この発明の請求項4に係るイオンの
除去方法は、偏向電磁石が配設されている位置における
チェンバ内で、電子ビームの作るポテンシャルにトラッ
プされているイオンを偏向電磁石の出口部まで誘導し、
偏向電磁石の出口部位置で誘導されたイオンを除去する
ものである。
除去方法は、偏向電磁石が配設されている位置における
チェンバ内で、電子ビームの作るポテンシャルにトラッ
プされているイオンを偏向電磁石の出口部まで誘導し、
偏向電磁石の出口部位置で誘導されたイオンを除去する
ものである。
【0014】
【作用】上記のように構成されたイオン除去装置のイオ
ン除去電極は、偏向電磁石位置の電子ビ−ムの上下方向
に配置する必要がなく、電子ビームの上下方向のアパー
チャを狭めない。
ン除去電極は、偏向電磁石位置の電子ビ−ムの上下方向
に配置する必要がなく、電子ビームの上下方向のアパー
チャを狭めない。
【0015】また、イオン誘導電極としてステンレス等
のワイヤに電機絶縁体をはめこむことで、簡便にチェン
バから絶縁できる。
のワイヤに電機絶縁体をはめこむことで、簡便にチェン
バから絶縁できる。
【0016】また、電機絶縁体を介してイオン誘導電極
をチェンバに押しつけることで位置の固定を行なってい
る。
をチェンバに押しつけることで位置の固定を行なってい
る。
【0017】
【実施例】実施例1. 図1は、この発明の一実施例によるイオン除去装置を偏
向電磁石位置のチェンバ内に装着した状態を示す構成図
である。図において、1はイオン誘導電極、2はイオン
除去電極、3は高圧電源、4はチェンバである。偏向電
磁石が配設されている位置全体に渡り、チェンバ4内の
内周側にチェンバ4に沿ってイオン誘導電極1を配置す
る。また、イオン除去電極2を偏向電磁石の出口位置に
おけるチェンバ4内の下部に取り付ける。高圧電源3で
イオン誘導電極1、イオン除去電極2に最高10KV程
度の高圧を付加する。なお、チェンバ4は接地する。
向電磁石位置のチェンバ内に装着した状態を示す構成図
である。図において、1はイオン誘導電極、2はイオン
除去電極、3は高圧電源、4はチェンバである。偏向電
磁石が配設されている位置全体に渡り、チェンバ4内の
内周側にチェンバ4に沿ってイオン誘導電極1を配置す
る。また、イオン除去電極2を偏向電磁石の出口位置に
おけるチェンバ4内の下部に取り付ける。高圧電源3で
イオン誘導電極1、イオン除去電極2に最高10KV程
度の高圧を付加する。なお、チェンバ4は接地する。
【0018】以下、上記のように構成されたイオン除去
装置の動作を説明する。従来の装置で述べたように、偏
向電磁石の偏向部にはイオンが電子ビームの作るポテン
シャルにトラップされている。この実施例では偏向電磁
石が配設されている位置におけるチェンバ4内の内周側
に誘導電極1を配置している。高圧電源3を用いて誘導
電極1に10KV程度の高圧をかけ、偏向部のチェンバ
4内に電界を発生させる。図2はイオン誘導電極1の電
界によりイオンが誘導される様子を示す説明図であり、
Iはイオン、矢印Aは電子の軌道軸方向、Eは電界、B
は磁界を示している。このように電界をかけると、イオ
ンIは軌道軸方向に輸送される。偏向部の端部である出
口部に誘導されたイオンIは、その位置のチェンバ4内
の下部に取り付けられているイオン除去電極2により除
去される。この様な構成によりイオンを効率よく除去す
ることが可能となる。
装置の動作を説明する。従来の装置で述べたように、偏
向電磁石の偏向部にはイオンが電子ビームの作るポテン
シャルにトラップされている。この実施例では偏向電磁
石が配設されている位置におけるチェンバ4内の内周側
に誘導電極1を配置している。高圧電源3を用いて誘導
電極1に10KV程度の高圧をかけ、偏向部のチェンバ
4内に電界を発生させる。図2はイオン誘導電極1の電
界によりイオンが誘導される様子を示す説明図であり、
Iはイオン、矢印Aは電子の軌道軸方向、Eは電界、B
は磁界を示している。このように電界をかけると、イオ
ンIは軌道軸方向に輸送される。偏向部の端部である出
口部に誘導されたイオンIは、その位置のチェンバ4内
の下部に取り付けられているイオン除去電極2により除
去される。この様な構成によりイオンを効率よく除去す
ることが可能となる。
【0019】また、実施例1では従来装置のように偏向
電磁石位置でイオン除去電極を上下に配置する必要がな
いため、アパーチャをせばめることなしに安定にビーム
を回すことができる。
電磁石位置でイオン除去電極を上下に配置する必要がな
いため、アパーチャをせばめることなしに安定にビーム
を回すことができる。
【0020】なお、この実施例では、イオン誘導電極1
とイオン除去電極2は電気的に導通させることで高圧電
源3を1台にしている。このように、イオン誘導電極並
びにイオン除去電極は一体型とすることで、1台の高圧
電源で高圧を負荷できるので安価である。
とイオン除去電極2は電気的に導通させることで高圧電
源3を1台にしている。このように、イオン誘導電極並
びにイオン除去電極は一体型とすることで、1台の高圧
電源で高圧を負荷できるので安価である。
【0021】実施例1におけるイオン除去方法では、偏
向電磁石が配設されている位置におけるチェンバ内で、
電子ビームの作るポテンシャルにトラップされているイ
オンを偏向電磁石の出口部まで誘導し、偏向電磁石の出
口部位置で誘導されたイオンを除去している。
向電磁石が配設されている位置におけるチェンバ内で、
電子ビームの作るポテンシャルにトラップされているイ
オンを偏向電磁石の出口部まで誘導し、偏向電磁石の出
口部位置で誘導されたイオンを除去している。
【0022】次に、実施例1におけるイオン誘導電極1
の構造について説明する。図3はイオン誘導電極1の一
部を拡大して示す平面図である。イオン誘導電極1は銅
やステンレスなどの断面積が数mm2 程度のワイヤで、
例えば格子状に接続されて構成されている。5はリング
であり、材質はセラミックなどの電気的絶縁物を用い
る。イオン誘導電極1はワイヤで構成しなくてもよい
が、ワイヤで構成すればイオン誘導電極1の重量を軽く
し、また容易に加工、変形しやすい。イオン誘導電極1
には高圧を付加し、チェンバ4は接地するので、その間
を電気的に絶縁するため、リング5をワイヤにかぶせて
構成している。さらに、リング5は両端の角を落して丸
みを持たせている。
の構造について説明する。図3はイオン誘導電極1の一
部を拡大して示す平面図である。イオン誘導電極1は銅
やステンレスなどの断面積が数mm2 程度のワイヤで、
例えば格子状に接続されて構成されている。5はリング
であり、材質はセラミックなどの電気的絶縁物を用い
る。イオン誘導電極1はワイヤで構成しなくてもよい
が、ワイヤで構成すればイオン誘導電極1の重量を軽く
し、また容易に加工、変形しやすい。イオン誘導電極1
には高圧を付加し、チェンバ4は接地するので、その間
を電気的に絶縁するため、リング5をワイヤにかぶせて
構成している。さらに、リング5は両端の角を落して丸
みを持たせている。
【0023】イオン誘導電極1は図4に示すようにチェ
ンバ4の内周側壁面に固定されている。これはチェンバ
4の断面を見たものである。製作時には、180度の偏
向電磁石位置のチェンバ4が完成した後に、イオン誘導
電極1を偏向電磁石の出口部から組み込む。両方の出口
部からイオン誘導電極1を引っ張り、チェンバ4の内周
側にイオン誘導電極1のリング5を押しつけて固定す
る。両端の出口部でイオン誘導電極1とチェンバ4とを
ネジ止めする。
ンバ4の内周側壁面に固定されている。これはチェンバ
4の断面を見たものである。製作時には、180度の偏
向電磁石位置のチェンバ4が完成した後に、イオン誘導
電極1を偏向電磁石の出口部から組み込む。両方の出口
部からイオン誘導電極1を引っ張り、チェンバ4の内周
側にイオン誘導電極1のリング5を押しつけて固定す
る。両端の出口部でイオン誘導電極1とチェンバ4とを
ネジ止めする。
【0024】上記のように、イオン誘導電極1とチェン
バ4との固定は偏向電磁石出口部のみで行ない、偏向電
磁石中はリング5を介してイオン誘導電極1をチェンバ
4に押しつけており、このようにして位置固定を行なえ
ば、組み込み、固定が簡便である。
バ4との固定は偏向電磁石出口部のみで行ない、偏向電
磁石中はリング5を介してイオン誘導電極1をチェンバ
4に押しつけており、このようにして位置固定を行なえ
ば、組み込み、固定が簡便である。
【0025】また、実施例1では、イオン誘導電極1と
チェンバ4間の放電を防ぐためにリング5の角を落とし
て丸みを持たせている。即ち、チェンバ4とイオン誘導
電極1の縁面距離を稼ぐことで放電を防止する。
チェンバ4間の放電を防ぐためにリング5の角を落とし
て丸みを持たせている。即ち、チェンバ4とイオン誘導
電極1の縁面距離を稼ぐことで放電を防止する。
【0026】このように、イオン誘導電極及びイオン除
去電極をステンレス等のワイヤで構成し、そのワイヤに
電機絶縁物のリングをはめこむことで、簡便にチェンバ
から絶縁できる効果がある。さらにそのリングの両端の
角を落とすことにより縁面距離を稼ぎ、高圧を付加して
も放電しにくいといった効果がある。
去電極をステンレス等のワイヤで構成し、そのワイヤに
電機絶縁物のリングをはめこむことで、簡便にチェンバ
から絶縁できる効果がある。さらにそのリングの両端の
角を落とすことにより縁面距離を稼ぎ、高圧を付加して
も放電しにくいといった効果がある。
【0027】なお、実施例1ではイオン誘導電極1をワ
イヤで作成したが、金属板で作成してもよい。しかしな
がら、その場合にはイオン誘導電極が変形しにくくなる
ために、チェンバとの絶縁方法や固定方法等で新しい工
夫が必要となる。
イヤで作成したが、金属板で作成してもよい。しかしな
がら、その場合にはイオン誘導電極が変形しにくくなる
ために、チェンバとの絶縁方法や固定方法等で新しい工
夫が必要となる。
【0028】また、イオン除去電極はチェンバ内の下部
に設けているが、チェンバ内の上部に設けてもよい。
に設けているが、チェンバ内の上部に設けてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、偏向電磁石が配設されている位置におけるチェンバ
内の内周側に取り付けたイオン誘導電極、及び偏向電磁
石の出口位置におけるチェンバ内の上部または下部に取
り付けたイオン除去電極を備えたことにより、電子ビー
ムの上下方向のアパーチャを狭めずに、イオンを効率よ
く除去することができるイオン除去装置が得られる効果
がある。
ば、偏向電磁石が配設されている位置におけるチェンバ
内の内周側に取り付けたイオン誘導電極、及び偏向電磁
石の出口位置におけるチェンバ内の上部または下部に取
り付けたイオン除去電極を備えたことにより、電子ビー
ムの上下方向のアパーチャを狭めずに、イオンを効率よ
く除去することができるイオン除去装置が得られる効果
がある。
【0030】また、請求項2の発明によれば、イオン誘
導電極及びイオン除去電極をワイヤで構成し、このワイ
ヤに電気的絶縁体をはめこんだことにより、上記効果に
加えて簡便にチェンバから絶縁できるイオン除去装置が
得られる効果がある。
導電極及びイオン除去電極をワイヤで構成し、このワイ
ヤに電気的絶縁体をはめこんだことにより、上記効果に
加えて簡便にチェンバから絶縁できるイオン除去装置が
得られる効果がある。
【0031】また、請求項3の発明によれば、偏向電磁
石の出口部位置のみでイオン誘導電極とチェンバとを固
定し、イオン誘導電極とチェンバの固定を偏向電磁石出
口部のみで行ない、電気的絶縁体を介してイオン誘導電
極をチェンバに押着することにより、上記効果に加え
て、組み込み、固定が簡便であるイオン除去装置が得ら
れる効果がある。
石の出口部位置のみでイオン誘導電極とチェンバとを固
定し、イオン誘導電極とチェンバの固定を偏向電磁石出
口部のみで行ない、電気的絶縁体を介してイオン誘導電
極をチェンバに押着することにより、上記効果に加え
て、組み込み、固定が簡便であるイオン除去装置が得ら
れる効果がある。
【0032】また、請求項4の発明によれば、偏向電磁
石が配設されている位置におけるチェンバ内で、電子ビ
ームの作るポテンシャルにトラップされているイオンを
偏向電磁石の出口部まで誘導し、偏向電磁石の出口部位
置で誘導されたイオンを除去することにより、電子ビー
ムの上下方向のアパーチャを狭めずに、イオンを効率よ
く除去することができるイオンの除去方法が得られる効
果がある。
石が配設されている位置におけるチェンバ内で、電子ビ
ームの作るポテンシャルにトラップされているイオンを
偏向電磁石の出口部まで誘導し、偏向電磁石の出口部位
置で誘導されたイオンを除去することにより、電子ビー
ムの上下方向のアパーチャを狭めずに、イオンを効率よ
く除去することができるイオンの除去方法が得られる効
果がある。
【図1】この発明の実施例1によるイオン除去装置を示
す構成図である。
す構成図である。
【図2】実施例1に係り、イオン誘導電極の電界により
イオンが誘導される様子を示す説明図である。
イオンが誘導される様子を示す説明図である。
【図3】実施例1に係るイオン誘導電極の一部を拡大し
て示す正面図である。
て示す正面図である。
【図4】実施例1に係るイオン誘導電極とチェンバを示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】電子蓄積リング中を回転する荷電粒子が作るポ
テンシャルを示すグラフである。
テンシャルを示すグラフである。
【図6】従来のイオン除去装置を示す構成図である。
1 イオン誘導電極2 イオン除去電極3 高圧電源4 チェンバ 5 リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中田 修平 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−13437(JP,A) 特開 平2−288099(JP,A) 特開 平3−274698(JP,A) 特開 平4−249898(JP,A) 実開 平3−142586(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05H 13/04 H05H 7/14
Claims (4)
- 【請求項1】 偏向電磁石が配設されている位置におけ
るチェンバ内の内周側に取り付けたイオン誘導電極、及
び上記偏向電磁石の出口部位置における上記チェンバ内
の上部または下部に取り付けたイオン除去電極を備えた
ことを特徴とするイオン除去装置。 - 【請求項2】 イオン誘導電極及びイオン除去電極をワ
イヤで構成し、このワイヤに電気的絶縁体をはめこんだ
ことを特徴とする請求項第1項記載のイオン除去装置。 - 【請求項3】 偏向電磁石の出口部位置のみでイオン誘
導電極とチェンバとを固定し、電気的絶縁体を介して上
記イオン誘導電極を上記チェンバに押着することを特徴
とする請求項第2項記載のイオン除去装置。 - 【請求項4】 偏向電磁石が配設されている位置におけ
るチェンバ内で、電子ビームの作るポテンシャルにトラ
ップされているイオンを上記偏向電磁石の出口部まで誘
導し、上記偏向電磁石の出口部位置で上記誘導されたイ
オンを除去することを特徴とするイオンの除去方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04029576A JP3104368B2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | イオン除去装置及びイオンの除去方法 |
US08/015,125 US5457361A (en) | 1992-02-17 | 1993-02-09 | Ion removing device, ion removing method and electron accumulating ring having ion removing device |
DE4305524A DE4305524C2 (de) | 1992-02-17 | 1993-02-17 | Vorrichtung zum Entfernen von Ionen |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04029576A JP3104368B2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | イオン除去装置及びイオンの除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05226098A JPH05226098A (ja) | 1993-09-03 |
JP3104368B2 true JP3104368B2 (ja) | 2000-10-30 |
Family
ID=12279934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04029576A Expired - Fee Related JP3104368B2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | イオン除去装置及びイオンの除去方法 |
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JP (1) | JP3104368B2 (ja) |
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1992
- 1992-02-17 JP JP04029576A patent/JP3104368B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH05226098A (ja) | 1993-09-03 |
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