JPH09161704A - 高周波イオン源 - Google Patents

高周波イオン源

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JPH09161704A
JPH09161704A JP33831295A JP33831295A JPH09161704A JP H09161704 A JPH09161704 A JP H09161704A JP 33831295 A JP33831295 A JP 33831295A JP 33831295 A JP33831295 A JP 33831295A JP H09161704 A JPH09161704 A JP H09161704A
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靖典 安東
Hiroshi Inami
宏 稲実
Yasuhiro Matsuda
恭博 松田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ室を必要以上に大きくすることな
く、プラズマ室内におけるプラズマの均一性ひいてはそ
こから引き出すイオンビームの均一性を向上させること
ができる高周波イオン源を提供する。 【解決手段】 円筒状のプラズマ室容器4とその背面部
の高周波電極6の内側にプラズマ室10が形成されてい
る。そしてこのプラズマ室10内であって高周波電極6
の近傍に、当該高周波電極6にほぼ平行かつほぼ同心状
に、円板状をしていてプラズマ室容器4と同電位のシー
ルド板40を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばイオンド
ーピング装置(非質量分離型のイオン注入装置)等に用
いられるものであって、高周波電極を用いたいわゆる容
量結合型の高周波イオン源に関し、より具体的には、そ
のイオンビームの均一性を向上させる手段に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の高周波イオン源の一例を
その電源と共に示す断面図である。
【0003】この高周波イオン源2は、ガスが導入され
それを高周波放電によって電離させてプラズマ14を生
成するプラズマ室10と、このプラズマ室10の出口付
近に設けられていてプラズマ14から電界の作用でイオ
ンビーム28を引き出す引出し電極系20とを備えてい
る。
【0004】プラズマ室10は、筒状(例えば円筒状)
のプラズマ室容器4と、その背面部(引出し電極系20
に対向する部分)の開口部を絶縁碍子8を介して蓋をす
る板状の高周波電極6とで構成されている。ガスは、こ
の例では引出し電極系20を通して下流側から導入され
るが、プラズマ室10に直接導入される場合もある。
【0005】この例ではプラズマ室容器4が一方の高周
波電極を兼ねており、このプラズマ室容器4と高周波電
極6との間に整合回路18を介して高周波電源16か
ら、例えば13.56MHzの周波数の高周波電力が供
給される。
【0006】引出し電極系20は、1枚以上、通常は複
数枚の電極で構成されている。具体的にはこの例では、
最プラズマ側から下流側に向けて配置された第1電極2
1、第2電極22、第3電極23および第4電極24で
構成されている。26は絶縁碍子である。各電極21〜
24は、この例では複数の孔を有する多孔電極である
が、複数のスリットを有する場合もある。
【0007】第1電極21は、引き出すイオンビーム2
8のエネルギーを決める電極であり、加速電源31から
接地電位を基準にして正の高電圧が印加される。第2電
極22は、第1電極21との間に電位差を生じさせそれ
による電界によってプラズマ14からイオンビーム28
を引き出す電極であり、引出し電源32から第1電極2
1の電位を基準にして負の電圧が印加される。第3電極
23は、下流側からの電子の逆流を抑制する電極であ
り、抑制電源33から接地電位を基準にして負の電圧が
印加される。第4電極24は接地されている。
【0008】プラズマ室容器4の外周および高周波電極
6の上面には、この例では、プラズマ室10内にプラズ
マ閉じ込め用の磁場を発生させる複数の永久磁石12が
配置されている。
【0009】上記高周波イオン源2の動作を説明する
と、プラズマ室10内に所望のガスを導入し、高周波電
極6とプラズマ室容器4間に高周波電源16から高周波
電力を供給すると、高周波電極6とプラズマ室容器4間
で高周波放電が生じてそれによってガスが電離されてプ
ラズマ14が作られ、このプラズマ14から引出し電極
系20によってイオンビーム28が引き出される。
【0010】引き出されたイオンビーム28は、例え
ば、質量分離を行うことなくそのまま基板(図示省略)
に照射されて、イオン注入(イオンドーピング)等に供
される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記高周波イオン源2
から引き出されるイオンビーム28の均一性(即ちイオ
ン電流密度分布の均一性)は、主として、プラズマ室
10内に生成されるプラズマ14の均一性、引出し電
極系20の各電極に設けられた孔の配置および各孔か
ら出るイオンビームの集束・発散状態によって決まる。
【0012】ここではプラズマ14の均一性に注目する
と、プラズマ14の拡散に伴うプラズマ室内壁での損失
がプラズマ14の均一性に大きく影響することを考慮す
ると、必要なイオンビーム28の大きさよりもプラズマ
室10をかなり大きくすることによって、プラズマ14
の均一性を改善することは可能である。
【0013】しかし、基板処理等に必要なイオンビーム
28は、近年は非常に大面積化しており、プラズマ室1
0を更に大きくすることは、次の点で好ましくない。
【0014】プラズマ室10への投入高周波電力が大
幅に上昇し、高周波電源16が大型化する。 プラズマ室10への投入高周波電力の増大に伴って、
引出し電極系20を構成する電極等の温度上昇が大きく
なり、その冷却能力の向上を必要とする。 プラズマ室10の大型化に伴って高周波イオン源2全
体の重量が増大し、メンテナンス時の作業性が低下す
る。 コストアップになる。
【0015】そこでこの発明は、プラズマ室を必要以上
に大きくすることなく、プラズマ室内におけるプラズマ
の均一性ひいてはそこから引き出すイオンビームの均一
性を向上させることができる高周波イオン源を提供する
ことを主たる目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の高周波イオン源は、前記プラズマ室内で
あって前記高周波電極の近傍に、当該高周波電極にほぼ
平行かつほぼ同心状に、前記プラズマ室容器と同電位の
シールド板を設けたことを特徴とする。
【0017】上記構成によれば、シールド板はプラズマ
室容器と同電位であるので、これを設けることによっ
て、シールド板の下側付近、即ちプラズマ室内の中央部
付近には、高周波電界は殆ど生じなくなる。一方、シー
ルド板の周辺部付近、即ちプラズマ室内の周辺部付近に
は、高周波電界が集中すると共にその等電位面が引出し
電極系側にふくらんだ形となり、その辺りにおいてガス
を集中的に電離させることができる。その結果、従来構
造でプラズマの損失を生じていたプラズマ室内周辺部に
おいてプラズマを積極的に生成することができ、それに
よって、プラズマ室を必要以上に大きくすることなく、
プラズマ室内におけるプラズマの均一性ひいてはそこか
ら引き出すイオンビームの均一性を向上させることがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る高周波イ
オン源の一例をその電源と共に示す断面図である。図9
の従来例と同一または相当する部分には同一符号を付
し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明す
る。
【0019】この実施例の高周波イオン源2aにおいて
は、前述したプラズマ室10内であってその上部の高周
波電極6の近傍に、即ち引出し電極系20を構成する第
1電極21に対向する位置に、高周波電極6にほぼ平行
かつほぼ同心状に、プラズマ室容器4と同電位のシール
ド板40を設けている。なお、この明細書において、ほ
ぼ平行には平行を含み、ほぼ同心状には同心状を含む。
【0020】この例では、外部導線42でシールド板4
0をプラズマ室容器4に電気的に接続して両者を同電位
にしている。また、絶縁碍子44でシールド板40をプ
ラズマ室10内に機械的に支持している。ただし、シー
ルド板40をプラズマ室容器4と同電位にする手段およ
びシールド板40を支持する手段は、この例のものに限
定されない。シールド板40と高周波電極6との間に
は、両者間でブレークダウンが起こらない程度以上の、
例えば5〜10mm程度の隙間を設けている。
【0021】シールド板40は、プラズマ室10内にお
いてその周辺部付近にできるだけ一様に高周波電界を生
じさせるために、その平面形状をプラズマ室容器4の断
面形状と同形状にするのが好ましい。例えば、プラズマ
室容器4の断面形状が円形の場合はシールド板40も円
形にし、プラズマ室容器4の断面形状が角形の場合はシ
ールド板40も同じ角形にするのが好ましい。
【0022】この高周波イオン源2aにおいては、シー
ルド板40はプラズマ室容器4と同電位であるので、こ
れを設けることによって、シールド板40の下側付近、
即ちプラズマ室10内の中央部付近には、高周波電界は
殆ど生じなくなる。一方、シールド板40の周辺部付
近、即ちプラズマ室10内の周辺部付近には、高周波電
界が集中すると共に、その等電位面が引出し電極系20
側にふくらんだ形となり、その辺りにおいてガスを集中
的に電離させることができる。その結果、従来構造でプ
ラズマ14の損失を生じていたプラズマ室10内周辺部
においてプラズマ14を積極的に生成することができ、
プラズマ14の均一性ひいてはイオンビーム28の均一
性を向上させることができる。
【0023】これを図4を参照してより詳しく説明す
る。この図は、プラズマ室10内における直流的な視点
での電界分布の計算結果を示すものである。従来の高周
波イオン源2では、シールド板40がないので等電位面
はプラズマ室10内の周辺部上部から中央部に向けてな
だらかに広がっていたのであるが、この高周波イオン源
2aでは、プラズマ室容器4と同電位のシールド板40
を設けたため、図示のように、シールド板40の下側に
は電界は殆ど生じなくなり、電界はシールド板40の周
辺部付近、即ちプラズマ室10内の周辺部11付近に集
中し、しかもその等電位面Eは引出し電極系20側に適
度にふくらんだ形となる。しかも、シールド板40を高
周波電極6とほぼ同心状に、換言すればシールド板40
をプラズマ室10内の中心部上部に、かつ高周波電極6
にほぼ平行に設けているので、上記周辺部11付近には
その周方向に一様な電界が生じる。高周波電界による交
番電界もこれとほぼ同様な分布をするものと考えられ
る。
【0024】上記周辺部11付近では、上記のようにし
て電界が集中すると共に、その等電位面Eが引出し電極
系20側に適度にふくらんでいて、高周波放電によって
生じる電子の走行距離をかせぐことができるので、当該
電子によるイオン源ガスの電離作用が非常に活発にな
り、その辺りに高密度のプラズマ14を生成することが
できる。即ち、従来の高周波イオン源2においてプラズ
マ14の損失を生じていたプラズマ室10内周辺部にお
いてプラズマ14を積極的に生成することができる。そ
の結果、プラズマ室10を必要以上に大きくすることな
く、プラズマ室10内におけるプラズマ14の均一性ひ
いてはそこから引き出すイオンビーム28の均一性を向
上させることができる。
【0025】更に、イオンビーム28の均一性を向上さ
せることができる結果、イオンビーム28の有効利用を
図ることができる(即ちイオンビーム28の利用効率が
向上する)と共に、それを例えば基板処理に用いる場
合、処理基板の特性の均一化を図ることができる。ま
た、プラズマ室10を必要以上に大きくせずに済む結
果、高周波イオン源2aの小型化、それ用の電源の低容
量化、更にはそれらの低コスト化を図ることができる。
【0026】ところで、プラズマ生成に伴ってイオン源
ガスが分解することにより、プラズマ室10の内壁に堆
積する膜の一様性が、特にこの膜が電気絶縁性の場合
に、プラズマ室10におけるプラズマ14の均一性に影
響する。これは、当該膜の表面に帯電が生じ、その電位
がプラズマ14の均一性に影響するからである。
【0027】このような状況下において、プラズマ室1
0の周辺部においてプラズマ14を積極的に生成するこ
とだけの目的からは、上記のようなシールド板40を設
ける代わりに、例えば、高周波電極6の上面の中央部付
近の永久磁石12を省略して、高周波電極6の周辺部付
近に集中して磁場を形成することで、上記目的を達成す
ることは一応可能である。そのような磁場を形成すれ
ば、その磁場によって電子が閉じ込められてそこに比較
的濃いプラズマが生成されるからである。しかしそのよ
うにすると、例えばイオン源ガスにジボラン(B
26 )を使用する場合、プラズマ室10の内壁に堆積
するホウ素膜の電気絶縁性は高く、一方、周辺部の磁場
の強弱によりその辺りのプラズマ密度に濃淡が生じてホ
ウ素膜の堆積状況に不均一性を生じるため、プラズマ室
10の内壁の面内において帯電状態に不均一性を生じ、
しかもこれがホウ素膜が堆積するにつれて変化するた
め、時間的にプラズマの均一性が変化するという不具合
が生じる。
【0028】従って、堆積膜の一様性の観点からは、高
周波電極6の周辺部付近に集中して磁場を形成するので
はなく、プラズマ室10の壁面付近に、即ち高周波電極
6およびプラズマ室容器4の内面付近に、磁場を一様に
形成するのが好ましい。そのようにすれば、プラズマ室
10内に一様なプラズマの閉じ込めが可能になり、膜形
成も一様になるため、時間経過に伴うプラズマ均一性の
変化を防止することができる。また、イオン源ガスに水
素希釈ガスを用いる場合、膜の堆積と水素イオンによる
当該膜のエッチングとに平衡状態を生じることで安定し
たプラズマ状態を生じるが、上述した磁場の有無に伴う
プラズマの不均一性がこの平衡状態を乱し、これが原因
でプラズマ室内壁の膜に不均一状態が作られ、その結果
プラズマが不均一になることがあるが、この点に関して
も、上記のように一様な磁場を形成することによって防
止することができる。
【0029】そこでこの実施例では、例えば図2に示す
例のように、高周波電極6の上面部に、高周波電極6の
内面付近にほぼ一様な磁場、より具体的にはほぼ一様な
カスプ磁場を形成する複数の永久磁石12を配置すると
共に、例えば図3に示す例のように、プラズマ室容器4
の外周部に、プラズマ室容器4の内面付近にほぼ一様な
磁場、より具体的にはほぼ一様なカスプ磁場を形成する
複数の永久磁石12を配置している。13はその磁力線
の一例を示す。そしてこのような一様な磁場形成と、上
記シールド板40とを併用している。但し、図示例のよ
うな永久磁石12の配置はあくまでも一例であって、そ
れに限定されるものではない。
【0030】このようにすると、シールド板40によっ
て前述したような作用で、プラズマ室10内におけるプ
ラズマ14の均一性を向上させることができ、しかも一
様な磁場形成によって前述したような作用で、プラズマ
14の均一性に時間的変化を生じること等の不都合を防
止することができる。また、当該磁場によって、プラズ
マ14の閉じ込め効率が向上するので、プラズマ室10
内により高密度のプラズマ14を生成することができ
る。
【0031】また、上記のようにして高周波電極6の内
面付近にも一様な磁場を形成すると、その磁場が、上記
シールド板40の下側すなわちプラズマ14側にまで広
がり、この磁場によって、プラズマ14がシールド板4
0に衝突することを抑制することができるので、シール
ド板40を設けてもそれが原因によるプラズマ密度の低
下を抑制することができる。また、シールド板40に膜
が堆積してそれが原因でプラズマ14に不均一性が生じ
ることをも抑制することができる。
【0032】
【実施例】図1〜図3に示した構造の高周波イオン源2
aにおいて、内径約900mmφ、深さ約250mmの
円筒状のプラズマ室10内の上部の中心部に、外径40
0mmφ、厚さ1mmの円板状のモリブデン製のシール
ド板40を取り付けた。このシールド板40は、高周波
電極6との隙間を10mmにして高周波電極6に平行か
つ同心状に取り付けた。そして、イオン源ガスに5%P
3 /H2 ガスを用い、加速電源31および引出し電源
32の出力電圧をそれぞれ10kVおよび0.1kVに
して引き出した場合のイオンビーム28の均一性(即ち
イオン源中心から半径方向のイオン電流密度分布)の測
定結果を図5(A)に示す。同図(B)は、シールド板
40を設けない以外は上記実施例と同条件下の測定結果
を比較例として示す。図中の単位がWの数字は、当該イ
オン源への投入高周波電力を示す。この図5から、実施
例では、比較例に比べて、イオンビーム28の周辺部で
のイオン電流密度の低下が少なく、当該周辺部での均一
性が著しく向上していることが分かる。
【0033】図6は、図5の測定結果に基づいて、イオ
ン電流密度分布の不均一性=(最大値−最小値)/(最
大値+最小値)を、ビーム領域ごとに算出したものであ
り、ビーム領域が大きくなるほど、比較例に比べて実施
例の方が不均一性がより小さくなっており、実施例の均
一性改善効果が高いことが分かる。
【0034】また、イオン源ガスに5%B26 /H2
ガスを用いて、上記実施例と同様にしてイオンビーム2
8の均一性を測定した結果を図7(A)に示し、シール
ド板40を設けていない比較例を同図(B)に示す。ま
た、図6の場合と同様にして算出した不均一性を図8に
示す。この例の場合も、実施例では、比較例に比べて、
イオンビーム28の周辺部での均一性が著しく向上して
いることが分かる。
【0035】更に、図1〜図3に示した構造の高周波イ
オン源2aにおいて、イオン源ガスを5%PH3
2 、5%B26 /H2 および0.2%B26 /H2
に切り換えて動作させることを繰り返し行ったが、各イ
オン源ガスについてのイオンビーム28の均一性に特に
変化は観られなかった。これは、プラズマ室10の壁面
付近に一様な磁場を形成したことによって、プラズマ室
10内におけるプラズマ14の均一性の時間的変化を防
止することができたからであると考えられる。
【0036】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されてい
るので、次のような効果を奏する。
【0037】請求項1の発明によれば、上記のようなシ
ールド板を設けたことによって、プラズマ室の周辺部に
高周波電界が集中すると共にその等電位面が引出し電極
系側にふくらんだ形となり、当該周辺部においてガスを
集中的に電離させて、従来構造でプラズマの損失を生じ
ていたプラズマ室内周辺部においてプラズマを積極的に
生成することができる。その結果、プラズマ室を必要以
上に大きくすることなく、プラズマの均一性ひいてはそ
こから引き出すイオンビームの均一性を向上させること
ができる。
【0038】更に、イオンビームの均一性を向上させる
ことができる結果、イオンビームの有効利用を図ること
ができると共に、それを例えば基板処理に用いる場合、
処理基板の特性の均一化を図ることができる。また、プ
ラズマ室を必要以上に大きくせずに済む結果、当該高周
波イオン源の小型化、それ用の電源の低容量化、更には
それらの低コスト化を図ることができる。
【0039】請求項2の発明によれば、上記のような磁
石を設けたことによって、プラズマ室の壁面付近にほぼ
一様な磁場を形成することと、請求項1記載のシールド
板とを併用することができるので、プラズマ室内により
高密度のプラズマを生成することができると共に、その
プラズマの均一性を高め、かつその均一性の安定性を高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る高周波イオン源の一例をその電
源と共に示す断面図である。
【図2】図1中の高周波イオン源の高周波電極外部の磁
石配置の一例をプラズマ室側から見て示す平面図であ
る。
【図3】図1中の高周波イオン源のプラズマ室容器外部
の磁石配置の一例を示す横断面図であり、図1中の線A
−A断面に相当する。
【図4】図1中の高周波イオン源のプラズマ室内におけ
る電界分布の計算結果の一例を示す概略図である。
【図5】5%PH3 /H2 ガスを用いた場合のイオンビ
ーム中のイオン電流密度分布の測定結果の例を示す図で
あり、(A)は実施例の結果を、(B)は比較例の結果
をそれぞれ示す。
【図6】図5の測定結果に基づいて、イオン電流密度分
布の不均一性を算出した結果を示す図である。
【図7】5%B26 /H2 ガスを用いた場合のイオン
ビーム中のイオン電流密度分布の測定結果の例を示す図
であり、(A)は実施例の結果を、(B)は比較例の結
果をそれぞれ示す。
【図8】図7の測定結果に基づいて、その代表的なもの
について、イオン電流密度分布の不均一性を算出した結
果を示す図である。
【図9】従来の高周波イオン源の一例をその電源と共に
示す断面図である。
【符号の説明】
2a 高周波イオン源 4 プラズマ室容器 6 高周波電極 10 プラズマ室 12 永久磁石 14 プラズマ 16 高周波電源 20 引出し電極系 28 イオンビーム 40 シールド板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のプラズマ室容器と、その背面部の
    開口部を絶縁碍子を介して蓋をする高周波電極とを有し
    ていてこれらの内側にプラズマ室が形成されており、こ
    の高周波電極とプラズマ室容器間に高周波電力を供給し
    て高周波放電によって、プラズマ室内に導入されたガス
    を電離させてプラズマ室内にプラズマを生成し、このプ
    ラズマから引出し電極系によってイオンビームを引き出
    す構成の高周波イオン源において、前記プラズマ室内で
    あって前記高周波電極の近傍に、当該高周波電極にほぼ
    平行かつほぼ同心状に、前記プラズマ室容器と同電位の
    シールド板を設けたことを特徴とする高周波イオン源。
  2. 【請求項2】 前記プラズマ室容器および高周波電極の
    外部にほぼ等間隔に、それらの内面付近にほぼ一様な磁
    場を形成する複数の磁石をそれぞれ配置した請求項1記
    載の高周波イオン源。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6847043B2 (en) 2001-12-31 2005-01-25 Applied Materials, Inc. Ion sources for ion implantation apparatus
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