JP3368790B2 - イオン源装置 - Google Patents

イオン源装置

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JP3368790B2
JP3368790B2 JP05416297A JP5416297A JP3368790B2 JP 3368790 B2 JP3368790 B2 JP 3368790B2 JP 05416297 A JP05416297 A JP 05416297A JP 5416297 A JP5416297 A JP 5416297A JP 3368790 B2 JP3368790 B2 JP 3368790B2
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隆司 三上
正彦 奥村
浩哉 桐村
茂明 岸田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波放電により
生成したプラズマから多孔式電極を介して面ビーム状の
イオンビームが引出されるイオン源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン膜等の成膜や、イオン注
入,イオンスパッタ等の大面積で均一な面ビーム状のイ
オンビームが要求される分野においては、いわゆる多孔
式電極を備えたイオン源装置が用いられる。
【0003】この多孔式電極を備えたイオン源装置は、
フィラメントを用いた直流放電でプラズマを生成する
と、活性ガス使用時において、フィラメント寿命が短か
くなったり不純物混入等の悪影響が生じるため、図6に
示すように非磁性体の筐体1と蓋体2との間に高周波電
源3を印加し、例えば容量結合型の高周波放電により筐
体1が形成するプラズマ室4内にシラン,酸素,フッ
素,塩素等の原料ガス(活性ガス)のプラズマ5を生成
する。
【0004】このとき、筐体1及び蓋体2の外側に配設
された複数の永久磁石6によりプラズマ室4内にカスプ
磁場が形成され、この磁場により筐体壁に接触する面積
が減少しプラズマ5が閉込められてその密度が高められ
る。
【0005】そして、プラズマ5から多孔式電極7を介
してプラズマ室4に連通した図の下方の成膜室等の処理
室(図示せず)に、面ビーム状のイオンビームが引出さ
れ、このイオンビームが処理室の基板等に照射される。
【0006】なお、筐体1は第1の直流電源8により正
電位に直流バイアスされて基板等より高電位に保たれ
る。
【0007】また、多孔式電極7は筐体1に電気的に接
続された第1の電極7a,第2の直流電源9により負電
位に直流バイアスされた第2の電極7b及び接地電位の
第3の電極7cからなる。さらに、図中の10は絶縁体
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記図6の従来装置の
場合、高周波放電により生成されるプラズマ5の密度
(プラズマ密度)が直流放電やマイクロ波放電により生
成される場合より低く、プラズマ5のイオン密度を十分
に高めることができず、イオンビームを一層高密度にす
ることができない問題点がある。
【0009】なお、マイクロ波放電のプラズマ生成の場
合、直流放電のプラズマ生成の場合のような活性ガスへ
の悪影響は生じないが、磁場を用いなければ大面積のプ
ラズマの生成が困難で大面積のイオンビームを引出すこ
とができず、磁場を用いたとしても、大面積かつ、均一
なプラズマを生成するには極めて大形の磁場発生用の永
久磁石やコイル等を要し、装置が著しく大形化して実用
的でない。本発明は、高周波放電により生成したプラズ
マのイオン密度を十分に高くして面ビーム状のイオンビ
ームの一層の高密度,大面積化が図られるようにするこ
とを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明のイオン源装置においては、高周波放電に
より主プラズマを生成する主プラズマ室を形成し,主プ
ラズマから多孔式電極を介して面ビーム状のイオンビー
ムが引出される主筐体と、主プラズマ室に連通した副プ
ラズマ室を形成し,マイクロ波放電により副プラズマ室
内に主プラズマより高密度の副プラズマを生成し,副プ
ラズマから主プラズマにイオンを補給する副筐体とを備
える。
【0011】したがって、主筐体が形成する主プラズマ
室内では、従来装置と同様の高周波放電により主プラズ
マが生成される。
【0012】また、副筐体が形成する副プラズマ室内で
は、マイクロ波放電により主プラズマより高密度の副プ
ラズマが生成される。
【0013】そして、高密度の副プラズマの電位(プラ
ズマ電位)が主プラズマより高くなって副プラズマから
主プラズマに正電荷のイオンが補給され、主プラズマの
イオン密度が従来より著しく高められる。
【0014】さらに、この高イオン密度の主プラズマか
ら多孔式電極を介して面ビーム状のイオンビームが引出
される。
【0015】このとき、主プラズマのイオン密度が十分
に高いため、従来より高密度,大面積のイオンビームを
引出すことができる。
【0016】そして、副プラズマを主プラズマのイオン
補給に用いるため、副プラズマは直接イオンビームを引
出す程に大面積にする必要がなく、副プラズマの生成に
大形の磁場発生用の永久磁石やコイル等を要しない。
【0017】そのため、著しく高密度,大面積の面ビー
ム状のイオンビームを引出し得る実用的なイオン源装置
を提供することができる。
【0018】そして、イオンビームを均一にしかも一層
効率よく生成するため、主筐体の外側に主プラズマ室に
カスプ磁場を形成する複数の磁石を配設し、主筐体の同
磁極に配設された2磁石間の位置に副筐体を取付け、両
磁石の磁力線がマイクロ波放電の磁力線に沿って副プラ
ズマ室を通るようにすることが望ましい。
【0019】この場合、カスプ磁場により主プラズマが
高密度かつ均一に生成されるとともに、カスプ磁場を形
成する磁界によるイオンの不用意なトラップ等が防止さ
れ、主プラズマが一層高密度かつ均一に形成され、イオ
ンビームの一層の高密度,大面積化及び均一化が図られ
る。
【0020】さらに、副プラズマ室から主プラズマ室へ
のマイクロ波の伝搬を防止し主プラズマに影響を与えず
にイオンを補給するため、主プラズマ室と副プラズマ室
との連通部に、主筐体に電気的に接続された第1のイオ
ン注入電極と、副筐体に電気的に接続された第2のイオ
ン注入電極とを、絶縁体を介して対向するように配置す
ることが好ましい。
【0021】この場合、主プラズマ,第1のイオン注入
電極,副プラズマ,第2のイオン注入電極の順に電位が
低くなり、副プラズマのイオンは両イオン注入電極を介
して主プラズマに注入される。
【0022】つぎに、少ない部品数で副プラズマから主
プラズマへのイオン補給効率の向上を図るときは、主プ
ラズマ室と副プラズマ室との連通部に、副筐体に電気的
に接続されて主筐体から電気的に絶縁されたイオン注入
電極を設ければよい。
【0023】この場合、イオン注入電極を介した主プラ
ズマと副プラズマとのシース間の電位差で主プラズマか
ら副プラズマにイオンが注入されて補給される。
【0024】つぎに、イオン補給量を一層増大するた
め、副筐体を主筐体より高電位に直流バイアスすること
が望ましい。
【0025】この場合、主,副プラズマの電位差が大き
くなり、副プラズマから主プラズマへのイオンの補給量
が増大する。
【0026】
【実施例】本発明の実施の形態について、図1ないし図
5を参照して説明する。
【0027】(第1の形態)本発明の実施の第1の形態
について、図1ないし図3を参照して説明する。図1に
おいて、図6と同一符号は同一のものを示し、11は図
6の筐体1に相当する非磁性体の主筐体であり、上部に
絶縁体12を介して非磁性体の蓋体13が取付けられ、
下部の開放端に多孔式電極7が設けられ、図6のプラズ
マ室4と同様の主プラズマ室14を形成する。
【0028】15は主筐体11及び蓋体13の外側に配
設されたカスプ磁場発生用の複数の永久磁石である。
【0029】そして、主筐体11の外側の各永久磁石1
5は、例えば主筐体11の長手方向(上下方向)に伸び
た直方体形状であり、図2に示すように主筐体11の外
周の後述の連通口を除く部分に、主筐体11に面した磁
極をN,Sに交互に変えてほぼ等間隔に配設されてい
る。
【0030】なお、連通口の両隣りの永久磁石15は、
主筐体11に面した磁極が同極(図2ではN極)になっ
ている。
【0031】また、蓋体13の外側の各永久磁石15
は、蓋体13の表面に例えば図3の(a)に示す放射状
又は同図の(b)に示す平行配列状にほぼ等間隔に設け
られ、蓋体13に面した磁極がN,Sに交互に異なる。
【0032】16は主筐体11の周部の同磁極の2個の
永久磁石15間の本来は永久磁石が設けられてカスプ磁
場の磁極になる位置に形成された連通口であり、図2に
おいては主筐体11にN極が面した2個の永久磁石15
間に形成されている。
【0033】17は開口端が連通口16に重合するよう
に絶縁体18を介して主筐体11に取付けられた非磁性
体の副筐体であり、主プラズマ室14に連通した副プラ
ズマ室19を形成する。
【0034】20は副筐体17の外周に設けられたマイ
クロ波放電用の例えば環状の永久磁石、21は副プラズ
マ室19に設けられたマイクロ波導入用のアンテナであ
り、給電リード22が絶縁体23を介して副筐体17の
外部に引出され、給電リード22にアンテナ21をフロ
ート電位にする直流カット用のコンデンサ24を介して
マイクロ波電源25が接続されている。
【0035】26,27は主プラズマ室14と副プラズ
マ室19との連通部に絶縁体18を介して対向するよう
に配設された多孔式電極状の第1,第2のイオン注入電
極であり、第1のイオン注入電極26は主筐体11に取
付けられて電気的に接続され、第2のイオン注入電極2
7は副筐体17に取付けられて電気的に接続されてい
る。
【0036】そして、主,副プラズマ室14,19に原
料ガスが導入され、主プラズマ室14においては、主筐
体11と蓋体13との間の高周波電源3の印加により、
容量結合型の高周波放電で原料ガスの主プラズマ28が
生成される。
【0037】このとき、各永久磁石15により主プラズ
マ室14に図2の実線の磁力線に示すカスプ磁場が形成
され、この磁場の閉込め作用により、主プラズマ28が
高密度に形成される。
【0038】一方、副プラズマ室19においては、マイ
クロ波電源25の高周波電力がコンデンサ24,アンテ
ナ21を介して供給される。
【0039】そして、永久磁石20が形成する図2の破
線の磁力線により、副プラズマ室19に電子サイクロト
ロン共鳴(ECR)条件以上の磁場が形成され、ECR
マイクロ波放電により副プラズマ室19に原料ガスの副
プラズマ29が生成される。
【0040】このとき、マイクロ波放電により生成され
た副プラズマ29は、高周波放電により生成された主プ
ラズマ28よりプラズマ密度が高く、高電位になる。
【0041】そして、主,副プラズマ28,29の電位
差(プラズマ電位差)に基づき、イオン注入電極26,
27を設けなくても主,副プラズマ28,29のシース
間でイオン,電子が輸送されて主プラズマ28に原料ガ
スの正電荷のイオンが補給されるが、この実施の形態に
あっては、主プラズマ28に積極的にイオンを注入して
補給するとともに副プラズマ室19から主プラズマ室1
4へのマイクロ波の伝搬を防止して主プラズマ28の制
御性向上も図るため、主,副プラズマ室14,19の連
通部にいわゆるグリッド電極を形成する第1,第2のイ
オン注入電極26,27を設ける。
【0042】このとき、主筐体11に接続された第1の
イオン注入電極26は主プラズマ28より低電位にな
り、副筐体17に接続された第2のイオン注入電極27
は副プラズマ29より低く主プラズマ28よりは高い電
位になる。
【0043】そのため、副プラズマ29,第2のイオン
注入電極27,主プラズマ28,第1のイオン注入電極
26の順に電位が低くなり、副プラズマ29のイオンは
両イオン注入電極26,27のグリッド作用により主プ
ラズマ室19に引出されて主プラズマ28に効率よく補
給される。
【0044】そして、主プラズマ28のイオン密度が大
きくなると、主プラズマ28から多孔式電極7を介して
引出されるイオンビームの電流密度が大きくなり、イオ
ンビーム電流が増大して従来より高密度,大面積かつ均
一な面ビーム状のイオンビームが得られる。
【0045】このとき、高周波放電で生成された主プラ
ズマ28に、マイクロ波放電で生成された副プラズマ2
9からイオンを補給する構成であるため、マイクロ波放
電のプラズマ生成のみによってイオンビームを引出す場
合のように永久磁石20等が大型化せず、実用的な大き
さの装置で従来は得られなかった大面積で均一な面ビー
ム状のイオンビームが得られる。
【0046】ところで、この実施の形態においては、副
筐体17を主筐体11の本来はカスプ磁場の磁力線が集
中する磁極(節)の位置に取付け、図2の実線に示すカ
スプ磁場の磁力線が永久磁石20が形成するマイクロ波
放電の磁力線に沿って副プラズマ室19を通るようにし
たため、副筐体17を図中の1点鎖線に示すカスプ磁場
の磁力線のいわゆる腹の位置に取付けた場合のような磁
場のイオントラップ等による損失が少なく、主プラズマ
28にイオンが効率よく補給され、しかも、永久磁石2
0の極性の設定等に基づき、副プラズマ室19を通るカ
スプ磁場の磁力線とマイクロ波放電の磁力線の向きを揃
えることにより、相互に磁力が強め合って磁場の有効利
用等が図られる利点もある。
【0047】なお、副筐体17の取付位置のカスプ磁場
が弱くなるのを防止するため、例えば副筐体17の両隣
りの永久磁石15の間隔を他の永久磁石15の間隔より
狭くする等の対策を施すことが好ましい。
【0048】(第2の形態)つぎに、本発明の実施の第
2の形態について、図4を参照して説明する。
【0049】図4において、図1と同一符号は同一のも
のを示し、図1と異なる点は、正,負極が副筐体17,
主筐体11に接続されたバイアス用の第3の直流電源3
0を付加した点である。
【0050】この場合、副筐体17が主筐体11より高
電位に直流バイアスされ、主プラズマ28に対して副プ
ラズマ29が一層高電位になり、副プラズマ29から主
プラズマ28へのイオン注入量(補給量)が増大して主
プラズマ28のイオン密度が図1の場合より一層大きく
なり、多孔式電極7から引出されるイオンビームが増大
してその一層の大面積化が図られる。
【0051】(第3の形態)つぎに、本発明の実施の第
3の形態について、図5を参照して説明する。
【0052】図5において、図4と同一符号は同一もし
くは相当するものを示し、図4と異なる点はつぎの
(i),(ii)の点である。
【0053】(i)図4の2枚のイオン注入電極26,
27を省き、代わりに主,副プラズマ室14,19の連
通部に、副筐体17に電気的に接続されて主筐体11か
ら絶縁された1枚のイオン注入電極31を設け、グリッ
ド電極を1枚にした点。
【0054】(ii)第1の直流電源8の正極を副筐体1
7に接続し、第1の直流電源8の電圧を第3の直流電源
30の正,負極を介して主筐体11に印加するようにし
た点。
【0055】したがって、図5の構成の場合、主プラズ
マ室14と副プラズマ室19との間に図4の第2のイオ
ン注入電極27に相当するイオン注入電極31のみが介
在し、主,副プラズマ28,29のシース間の電位差に
より、図中の実線矢印に示すように副プラズマ29から
主プラズマ28に効率よくイオンが加速されて注入さ
れ、同時に、図中の破線矢印に示すように主プラズマ2
8の電子が副プラズマ室19に放出される。
【0056】この場合、図4の第1のイオン注入電極2
6に相当する電極が設けられないため、主プラズマ室1
4から副プラズマ室19に電子が流出するが、部品数が
少なくなって構成の簡素化,コストダウン等が図れる。
【0057】なお、第1の直流電源8の電圧は第3の直
流電源30の電圧より高く、第1の直流電源8により主
筐体11は基板等より高電位に保たれる。
【0058】そして、第1の直流電源8の正極を図4の
ように主筐体11に直接接続してもよいのは勿論であ
る。
【0059】ところで、前記各形態において、高周波放
電の周波数はほぼ100KHz 帯〜MHz 帯の周波数であ
り、マイクロ波放電の周波数はGHz帯の周波数であり、
それぞれの具体的な周波数の1例は、高周波放電の周波
数が13.56MHz ,マイクロ波放電の周波数が2.5
4GHz である。
【0060】そして、前記各形態においては、主プラズ
マ28を容量結合型の高周波放電により生成したが、例
えば主プラズマ室14にうず巻状のコイルを設けてTC
P等の誘導結合型の高周波放電により主プラズマ28を
生成するようにしてもよい。
【0061】また、主筐体11に副筐体17を複数個取
付けて主プラズマ室14と複数の副プラズマ室19とが
連通するようにしてもよく、この場合は主プラズマ28
に複数の副プラズマ29からイオンが補給されて主プラ
ズマ28のイオン密度が一層高くなる。
【0062】さらに、副筐体にマイクロ波導入用のアン
テナを複数本設けてもよく、副筐体へのマイクロ波の導
入にアンテナの代わりに導波管を用いてもよい。
【0063】つぎに、各永久磁石15,20の配置,個
数等は各形態のものに限られるものではなく、各永久磁
石15,20は、主,副筐体11,17等の外側に、カ
スプ磁場等の所期の磁場を形成するように適当数配設す
ればよい。
【0064】このとき、各永久磁石15,20の形状や
磁極面の配置等が各実施の形態の場合と異なっていても
よく、例えば主筐体11の外側の各永久磁石15が上,
下の端面を磁極面とする構成であってもよい。
【0065】さらに、各永久磁石15,20の代わりに
磁場発生用のコイルを設け、カスプ磁場発生用の磁石等
をコイルにより形成してもよい。
【0066】つぎに、主,副筐体11,17は断面円形
でなくてもよく、内壁がガラスで形成されていてもよ
く、また、誘導結合型で主プラズマが生成される場合は
主,副筐体11,17がガラス製であってもよい。
【0067】そして、本発明は大面積で均一な面ビーム
状のイオンビームが要求される種々の分野のイオン源装
置に適用することができる。
【0068】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。まず、主プラズマ室14を形成する主筐体11と、
主プラズマ室14に連通した副プラズマ室19を形成す
る副筐体17とを備え、主プラズマ室14内で従来装置
と同様の高周波放電により主プラズマ28を生成し、副
プラズマ室19内でマイクロ波放電により主プラズマ2
8より高密度の副プラズマ29を生成したため、高密度
の副プラズマ29の電位(副プラズマ電位)が主プラズ
マ28のプラズマ電位より高くなり、副プラズマ29か
ら主プラズマ28に正電荷のイオンを補給して、主プラ
ズマ28のイオン密度を従来より高めることができる。
【0069】そして、高イオン密度の主プラズマ28か
ら多孔式電極7を介して面ビーム状のイオンビームを引
出すことができ、このとき、主プラズマ28のイオン密
度が十分に大きいため、従来より高密度,大面積のイオ
ンビームを引出すことができる。
【0070】そして、副プラズマ29を主プラズマ28
のイオン補給に用いる構成であるため、副プラズマ29
は直接イオンビームを引出す程に大面積にする必要がな
く、副プラズマ29の生成に大形の磁場発生用の永久磁
石やコイル等を要しない。
【0071】そのため、従来より高密度,大面積の面ビ
ーム状のイオンビームを引出し得る実用的なイオン源装
置を提供することができる。
【0072】つぎに、主筐体11の外側に主プラズマ室
14にカスプ磁場を形成する複数の磁石(永久磁石1
5)を配設し、主筐体11の同磁極に配設された2磁石
間の位置に副筐体17を取付け、該両磁石の磁力線がマ
イクロ波放電の磁力線に沿って副プラズマ室19を通る
ようにすると、カスプ磁場により主プラズマ28が高密
度かつ均一に生成されるとともに、カスプ磁場を形成す
る磁界によるイオンの不用意なトラップ等が防止され、
主プラズマを一層高密度かつ均一に形成してイオンビー
ムの一層の大面積化,均一化を図ることができる。
【0073】つぎに、主プラズマ室14と副プラズマ室
19との連通部に、主筐体11に電気的に接続された第
1のイオン注入電極26と、副筐体に電気的に接続され
た第2のイオン注入電極27とを、絶縁体18を介して
対向するように配置すると、両イオン注入電極26,2
7のグリッド電極としての作用により副プラズマ29の
イオンは両イオン注入電極26,27を介して主プラズ
マ28に効率よく注入される。
【0074】また、主プラズマ室にマイクロ波の伝搬が
生じず、主プラズマの制御性能が向上して効率よく均一
に主プラズマを生成することができ、イオンビームのよ
り一層の大面積化,均一化を図ることができる。
【0075】つぎに、主プラズマ室14と副プラズマ室
19との連通部に、副筐体17に電気的に接続されて主
筐体11から電気的に絶縁されたイオン注入電極31を
設けると、このイオン注入電極31を介して,主プラズ
マ28と副プラズマ29とのシース間の電位差で主プラ
ズマ28から副プラズマ29にイオンが注入されて補給
され、1枚のイオン注入電極31を設けた簡単な構成で
副プラズマ29から主プラズマ28へのイオン補給効率
の向上を図ることができる。
【0076】つぎに、副筐体17を主筐体11より高電
位に直流バイアスすると、主,副プラズマ28,29の
電位差が大きくなり、副プラズマ29から主プラズマ2
8へのイオンの補給量が一層増大し、イオンビームのさ
らに一層の大面積化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態の切断正面図であ
る。
【図2】図1の副筐体の取付位置の説明図である。
【図3】(a),(b)は図1の蓋板の磁石配置の1
例,他の例の説明図である。
【図4】本発明の実施の第2の形態の切断正面図であ
る。
【図5】本発明の実施の第3の形態の切断正面図であ
る。
【図6】従来装置の切断正面図である。
【符号の説明】
11 主筐体 14 主プラズマ室 15 永久磁石 16 連通口 17 副筐体 18 絶縁体 19 副プラズマ室 26,27,31 イオン注入電極 28 主プラズマ 29 副プラズマ
フロントページの続き (72)発明者 岸田 茂明 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電 機株式会社内 (72)発明者 緒方 潔 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電 機株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−114433(JP,A) 特開 平1−159937(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 27/18 H01J 27/14 H01J 37/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波放電により主プラズマを生成する
    主プラズマ室を形成し,前記主プラズマから多孔式電極
    を介して面ビーム状のイオンビームが引出される主筐体
    と、 前記主プラズマ室に連通された副プラズマ室を形成し,
    マイクロ波放電により前記副プラズマ室内に前記主プラ
    ズマより高密度の副プラズマを生成し,前記副プラズマ
    から前記主プラズマにイオンを補給する副筐体とを備え
    たことを特徴とするイオン源装置。
  2. 【請求項2】 主筐体の外側に主プラズマ室にカスプ磁
    場を形成する複数の磁石を配設し、 前記主筐体の同磁極に配設された2磁石間の位置に副筐
    体を取付け、 前記両磁石の磁力線がマイクロ波放電の磁力線に沿って
    副プラズマ室を通るようにしたことを特徴とする請求項
    1記載のイオン源装置。
  3. 【請求項3】 主プラズマ室と副プラズマ室との連通部
    に、主筐体に電気的に接続された第1のイオン注入電極
    と、副筐体に電気的に接続された第2のイオン注入電極
    とを、絶縁体を介して対向するように配設したことを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のイオン源装置。
  4. 【請求項4】 主プラズマ室と副プラズマ室との連通部
    に、副筐体に電気的に接続されて主筐体から電気的に絶
    縁されたイオン注入電極を設けたことを特徴とする請求
    項1又は請求項2記載のイオン源装置。
  5. 【請求項5】 副筐体を主筐体より高電位に直流バイア
    スしたことを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3
    又は請求項4記載のイオン源装置。
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