JP2002184399A - アルカリ蓄電池用ニッケル極板およびその製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用ニッケル極板およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極活物質の表面にCa,Sr,Y,Al,
Mn等の元素を配置しても、大電流充電特性および大電
流放電特性の低下を抑制する。 【解決手段】 本発明のアルカリ蓄電池用ニッケル極板
は、多孔質導電性基板の表面はコバルトを含有する酸化
物で被覆されているとともに、正極活物質の表面はC
a,Sr,Sc,Y,Al,Mnおよびランタノイド系
元素から選ばれる化合物で被覆されている。このよう
に、活物質の表面がCa,Sr,Sc,Y,Al,Mn
およびランタノイド系元素を含有する化合物で被覆され
ることにより、高温での酸素過電圧の増大効果が大きく
なって、充電受け入れ性が向上するとともに、多孔質導
電性基板と正極活物質との間がコバルトを含有する酸化
物で導電性が改善されることにより、大電流充電特性お
よび大電流放電特性の低下を抑制することが可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多孔質導電性基板に
水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質が充填された
アルカリ蓄電池用ニッケル極板およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、高エネルギー密度の二次電池の要
望に応えるため、ニッケル−カドミウム蓄電池やニッケ
ル−水素蓄電池などのアルカリ蓄電池の改良が進められ
ている。この種のアルカリ蓄電池に用いられるニッケル
極板は、多孔質導電性基板(多孔質ニッケル焼結基板)
を酸性ニッケル塩に含浸し、ついでアルカリ処理などを
行うことにより、多孔質導電性基板の空孔中に水酸化ニ
ッケルを主成分とする正極活物質を充填して製造される
焼結式ニッケル極板と、水酸化ニッケルを主成分とする
正極活物質をスラリーとし、このスラリーを多孔質導電
性基板(発泡ニッケル、パンチングメタル等)に直接充
填して製造される非焼結式ニッケル極板とがある。
【0003】ところで、従来の硝酸ニッケル塩を含浸し
た多孔質導電性基板をアルカリ溶液中に浸漬して、硝酸
ニッケル塩を水酸化ニッケルに変化させて活物質化させ
た焼結式ニッケル極板、あるいは水酸化ニッケルを主成
分とする正極活物質スラリーを多孔質導電性基板に直接
充填して製造される非焼結式ニッケル極板においては、
ニッケル極板の酸素ガス発生電位と水酸化ニッケルの充
電反応電位が接近しており、特に、高温においては酸素
ガス発生電位(即ち、酸素過電圧)が低くなるため、充
電の際に、ニッケル活物質の酸化反応と酸素ガス発生反
応が競合するようになる。
【0004】その結果、充電受け入れ性が悪くなるの
で、高温での電池性能が低下するという問題を生じた。
そこで、酸素過電圧を増大させて充電受け入れ性を改善
するための種々の手法が提案されるようになった。例え
ば、特開平11−73957号公報においては、ニッケ
ル極板中にNiとCoとYを混在させて酸素過電圧を増
大させるようにすることが提案されており、特開平10
−125318号公報においては、Mg,Ca,Sr等
のA群元素と、Co,Mn等のB群元素とを固溶した独
立の結晶をニッケル極板の表層部に設けるようにして酸
素過電圧を増大させるようにすることが提案されてい
る。
【0005】また、特開平10−149821号公報に
おいては、ニッケル極板にCa,Ti等を高濃度に含む
表面層を形成するとともに、その内部にAl,V等を高
濃度に含むようにして、酸素過電圧を増大させるように
することが提案されている。さらに、特開平10−25
5790号公報においては、水酸化ニッケル(Ni(O
H)2)粒子をNiおよびYの水酸化物層で被覆して酸
素過電圧を増大させるようにすることが提案されてい
る。
【0006】このように、Ca,Sr,Y,Al,Mn
等の元素を用いて酸素過電圧を増大させる手法が種々提
案されているが、これらのCa,Sr,Y,Al,Mn
等の元素の添加位置(これらの元素を添加する部位)と
しては、主活物質となる水酸化ニッケル(Ni(OH)
2)の表面に配置するようにして、電解液との界面近傍
により多く存在させた方が、酸素過電圧を増大させる効
果が大きくなる。
【0007】そして、これらの元素を電解液との界面近
傍により多く存在させる場合、焼結式極板にあっては、
ニッケルを主体とする酸性塩溶液に多孔質導電性基板を
浸漬し、中間乾燥の後、アルカリ溶液に浸漬してニッケ
ルを主体とする水酸化物を多孔質導電性基板に充填する
操作を所定回数繰り返して所望の活物質量を充填した活
物質充填極板とする。この後、この活物質充填極板をC
a,Sr,Y,Al,Mn等の元素を含有する硝酸塩溶
液に浸漬し、中間乾燥の後、アルカリ溶液に浸漬してC
a,Sr,Y,Al,Mn等の元素の水酸化物層を活物
質充填極板の表面に形成するようにした方が、既存の製
造設備を利用できる点で好ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Ca,
Sr,Y,Al,Mn等の元素を水酸化ニッケル(Ni
(OH)2)活物質の表面に配置すると、これらのC
a,Sr,Y,Al,Mn等の元素は水酸化ニッケル
(Ni(OH)2)活物質の充放電反応を阻害するとい
う問題を生じた。そして、この充放電反応の阻害の程度
は、Ca,Sr,Y,Al,Mn等の元素をニッケル極
板全体に均一に配置した場合よりも、ニッケル極板の表
面に配置した方が大きくなる。また、高温での充電時に
は、充電電位と酸素発生電位との差が小さいため、ニッ
ケル極板の表面にCa,Sr,Y,Al,Mn等の元素
を配置すると酸素過電圧の増大効果が大きく、酸素ガス
発生が抑制されて充電受け入れ性が向上する。
【0009】しかしながら、常温での充電時において
は、充電電位と酸素発生電位との差が大きいため、ニッ
ケル極板の表面にCa,Sr,Y,Al,Mn等の元素
を配置しても酸素過電圧の増大効果が発揮できず、逆
に、ニッケル極板の表面でのCa,Sr,Y,Al,M
n等の元素による充放電反応の阻害の問題が影響するよ
うになる。そして、ニッケル極板の表面でのCa,S
r,Y,Al,Mn等の元素は抵抗成分として作用する
ようになって、大電流での充電および放電ではその影響
がさらに大きくなるという問題を生じた。
【0010】そこで、本発明は上記のような問題点を解
消するためになされたものであって、正極活物質の表面
にCa,Sr,Y,Al,Mn等の元素を配置しても、
大電流充電特性ならびに大電流放電特性の低下を抑制で
きるニッケル極板を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するため、本発明のアルカリ蓄電池用ニッ
ケル極板は、多孔質導電性基板の表面は少なくともコバ
ルトを含有する酸化物で被覆されているとともに、正極
活物質の表面はCa,Sr,Sc,Y,Al,Mnおよ
びランタノイド系元素から選ばれる少なくとも1種以上
を含有する化合物で被覆されている。このように、多孔
質導電性基板の表面が少なくともコバルトを含有する酸
化物で被覆されていると、この酸化物が多孔質導電性基
板と正極活物質との間に介在するようになる。そして、
コバルトを含有する酸化物は導電性が優れているので、
多孔質導電性基板と正極活物質との間の導電性が改善さ
れることとなる。
【0012】この結果、極板の表面がCa,Sr,S
c,Y,Al,Mnおよびランタノイド系元素から選ば
れる少なくとも1種以上を含有する化合物で被覆される
ことにより、高温での酸素過電圧の増大効果が大きくな
って、充電受け入れ性が向上するとともに、多孔質導電
性基板と正極活物質との間の導電性が改善されることに
よる急速充電特性および大電流放電特性の低下を抑制す
ることが可能となる。この場合、酸化物が高次コバルト
酸化物であるとさらに導電性に優れているので、多孔質
導電性基板と正極活物質との間の導電性がさらに改善さ
れて、大電流充電特性(高率充電特性)および大電流放
電特性(高率放電特性)の低下をさらに抑制することが
可能となる。
【0013】また、上記目的を達成するため、本発明の
アルカリ蓄電池用ニッケル極板の製造方法は、多孔質導
電性基板の表面に少なくともコバルトを含有する酸化物
層を被覆するコバルト被覆工程と、酸化物層で被覆され
た多孔質導電性基板に水酸化ニッケルを主成分とする正
極活物質を充填する活物質充填工程と、多孔質導電性基
板に充填された活物質の表面をCa,Sr,Sc,Y,
Al,Mnおよびランタノイド系元素から選ばれる少な
くとも1種以上を含有する化合物層で被覆する化合物被
覆工程とを備えるようにしている。
【0014】このように、コバルトを含有する酸化物層
で被覆された多孔質導電性基板に水酸化ニッケルを主成
分とする正極活物質を充填した後、この正極活物質の表
面をCa,Sr,Sc,Y,Al,Mnおよびランタノ
イド系元素から選ばれる少なくとも1種以上を含有する
化合物層で被覆すると、多孔質導電性基板の表面は少な
くともコバルトを含有する酸化物で被覆されるととも
に、正極活物質の表面はCa,Sr,Sc,Y,Al,
Mnおよびランタノイド系元素から選ばれる少なくとも
1種以上を含有する化合物で被覆されたアルカリ蓄電池
用ニッケル極板を容易に得ることができる。
【0015】そして、コバルト被覆工程において、多孔
質導電性基板を少なくともコバルトを含有する塩溶液か
らなる含浸液に浸漬する第1浸漬工程と、この含浸液に
浸漬された多孔質導電性基板をアルカリ溶液に浸漬して
少なくともコバルトを含有する水酸化物層を多孔質導電
性基板表面に形成する第1アルカリ処理工程と、アルカ
リ水溶液と酸素の共存下で熱処理してコバルトを高次コ
バル酸化物に高次化するアルカリ熱処理工程とを備える
ようにするのが好ましい。
【0016】この場合、アルカリ熱処理工程にて高次化
された高次コバルト酸化物は導電性に優れているので、
多孔質導電性基板と正極活物質との間の導電性がさらに
改善されて、大電流充電特性および大電流放電特性の低
下をさらに抑制することが可能となる。なお、第1アル
カリ処理工程において、LiOH、NaOH、KOH、
RbOH、CsOHから選ばれる少なくとも1種のアル
カリ水溶液を用いるのが好ましい。
【0017】また、化合物層被覆工程において、Ca,
Sr,Sc,Y,Al,Mnおよびランタノイド系元素
から選ばれる少なくとも1種以上を含有する塩溶液から
なる含浸液に活物質を浸漬する第2浸漬工程と、含浸液
に浸漬された活物質をアルカリ溶液に浸漬してCa,S
r,Sc,Y,Al,Mnおよびランタノイド系元素か
ら選ばれる少なくとも1種以上の水酸化物層を活物質の
表面に形成する第2アルカリ処理工程とを備えるように
するのが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】1.焼結基板の作製 まず、ニッケル粉末にカルボキシメチルセルロース等の
増粘剤および水を混練してスラリーを調製し、このスラ
リーをパンチングメタルからなる導電性芯体に塗着す
る。この後、スラリーを塗着した導電性芯体を還元性雰
囲気下で焼結して、多孔度が約80%のニッケル焼結基
板(多孔質導電性基板)を作製した。得られた多孔質導
電性基板をニッケル焼結基板αとした。
【0019】ついで、ニッケル焼結基板αを濃度が1m
ol/lの硝酸コバルト溶液に浸漬して、ニッケル焼結
基板αの空孔中に硝酸コバルトを含浸させた後、濃度が
6mol/lで、温度が60℃の水酸化ナトリウム水溶
液中に浸漬して、硝酸コバルトを水酸化コバルトに化学
変化させた。これを水洗せずにアルカリ分が残存した状
態で、空気中で150℃の温度で120分間熱処理(こ
の処理をアルカリ熱処理という)を行って、水酸化コバ
ルトを高次コバルト酸化物に高次化させて、ニッケル焼
結基板αの表面に高次コバルト酸化物の被覆層を形成し
た。ついで、この基板を水洗し、乾燥させて、ニッケル
焼結基板αの表面に高次コバルト酸化物の被覆層が形成
された基板とし、この基板をニッケル焼結基板βとし
た。
【0020】2.ニッケル極板の作製 (1)実施例 上述のように作製されたニッケル焼結基板βを用い、こ
れを比重が1.70の硝酸ニッケル水溶液に浸漬した
後、乾燥(この乾燥を中間乾燥という)させ、ついで、
濃度が6mol/lで、温度が60℃の水酸化ナトリウ
ム水溶液中に浸漬し、水洗、乾燥するという化学含浸操
作を5回繰り返して、ニッケル焼結基板βの空孔内に水
酸化ニッケルを主体とする活物質を所定量だけ充填した
活物質充填極板とした。
【0021】ついで、得られた活物質充填極板を濃度が
0.5mol/lの硝酸イットリウム(Y(NO33
6H2O)溶液からなる含浸液に浸漬した。この後、乾
燥(この乾燥も中間乾燥という)させ、ついで、濃度が
7mol/lで、温度が60℃の水酸化ナトリウム水溶
液中に浸漬して、硝酸イットリウムを水酸化イットリウ
ムに変化させた。これにより、ニッケル焼結基板βの空
孔内に充填された水酸化ニッケルを主体とする活物質の
表面に水酸化イットリウムの被覆層が形成された極板を
作製した。得られた極板を所定の寸法に切断して、実施
例のニッケル極板aとした。
【0022】(2)比較例1 上述のように作製されたニッケル焼結基板αを用い、こ
れを比重が1.70の硝酸ニッケル水溶液に浸漬した
後、乾燥(この乾燥を中間乾燥という)させ、ついで、
濃度が6mol/lで、温度が60℃の水酸化ナトリウ
ム水溶液中に浸漬し、水洗、乾燥するという化学含浸操
作を5回繰り返して、ニッケル焼結基板αの空孔内に水
酸化ニッケルを主体とする活物質を所定量だけ充填した
活物質充填極板とした。得られた極板を所定の寸法に切
断して、比較例1のニッケル極板wとした。
【0023】(3)比較例2 上述のように作製されたニッケル焼結基板βを用い、こ
れを比重が1.70の硝酸ニッケル水溶液に浸漬した
後、乾燥(この乾燥を中間乾燥という)させ、ついで、
濃度が6mol/lで、温度が60℃の水酸化ナトリウ
ム水溶液中に浸漬し、水洗、乾燥するという化学含浸操
作を5回繰り返して、ニッケル焼結基板βの空孔内に水
酸化ニッケルを主体とする活物質を所定量だけ充填した
活物質充填極板とした。得られた極板を所定の寸法に切
断して、比較例2のニッケル極板xとした。
【0024】(4)比較例3 上述のように作製されたニッケル焼結基板αを用い、こ
れを比重が1.70の硝酸ニッケルと硝酸イットリウム
の酸性混合塩水溶液(例えば、硝酸ニッケルと硝酸イッ
トリウムの質量比率を99:1に調整した水溶液)に浸
漬した後、乾燥(この乾燥を中間乾燥という)させた。
ついで、濃度が6mol/lで、温度が60℃の水酸化
ナトリウム水溶液中に浸漬し、水洗、乾燥するという化
学含浸操作を5回繰り返して、ニッケル焼結基板αの空
孔内に水酸化ニッケルを主体とする活物質を所定量だけ
充填した活物質充填極板とした。得られた極板を所定の
寸法に切断して、比較例3のニッケル極板yとした。
【0025】(5)比較例4 上述のように作製されたニッケル焼結基板αを用い、こ
れを比重が1.70の硝酸ニッケル水溶液に浸漬した
後、乾燥(この乾燥を中間乾燥という)させ、ついで、
濃度が6mol/lで、温度が60℃の水酸化ナトリウ
ム水溶液中に浸漬し、水洗、乾燥するという化学含浸操
作を5回繰り返して、ニッケル焼結基板αの空孔内に水
酸化ニッケルを主体とする活物質を所定量だけ充填した
活物質充填極板とした。
【0026】ついで、得られた活物質充填極板を濃度が
0.5mol/lの硝酸イットリウム(Y(NO33
6H2O)溶液からなる含浸液に浸漬した。この後、乾
燥(この乾燥も中間乾燥という)させ、ついで、濃度が
7mol/lで、温度が60℃の水酸化ナトリウム水溶
液中に浸漬して、硝酸イットリウムを水酸化イットリウ
ムに変化させた。これにより、ニッケル焼結基板αの空
孔内に充填された水酸化ニッケルを主体とする活物質の
表面に水酸化イットリウムの被覆層が形成された極板を
作製した。得られた極板を所定の寸法に切断して、比較
例4のニッケル極板zとした。
【0027】3.ニッケル−カドミウム蓄電池の作製 ついで、これらのニッケル極板a,w,x,y、zと、
公知のカドミウム極板とポリプロピレン製セパレータと
を組み合わせて、それぞれ電極体を形成した後、それぞ
れの電極体をそれぞれ外装缶内に挿入し、これらに電解
液として濃度が8mol/lの水酸化カリウム(KO
H)水溶液を注入して、定格容量が1200mAhのS
Cサイズのニッケル−カドミウム蓄電池A,W,X,
Y,Zを作製した。ここで、ニッケル極板aを用いたニ
ッケル−カドミウム蓄電池を電池Aとし、ニッケル極板
wを用いたニッケル−カドミウム蓄電池を電池Wとし、
ニッケル極板xを用いたニッケル−カドミウム蓄電池を
電池Xとし、ニッケル極板yを用いたニッケル−カドミ
ウム蓄電池を電池Yとし、ニッケル極板zを用いたニッ
ケル−カドミウム蓄電池を電池Zとした。
【0028】4.電池特性の測定 (1)中間放電電圧の測定 これらの各電池A,W,X,Y,Zを用い、常温(25
℃)で120mA(0.1It:Itは定格容量(A
h)/1h(時間)で表される数値)の充電電流で16
時間充電した後、常温(25℃)で1200mA(1I
t)の放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電さ
せて、放電時間から0.1Itでの常温充電後の放電容
量(1It放電容量)を求めるとともに、放電中間電圧
(放電開始から電池電圧が1.0Vになるまでの時間の
半分の時間が経過したときの電池電圧)を求めると、下
記の表1に示すような結果となった。
【0029】(2)高温充電特性の測定 これらの各電池A,W,X,Y,Zを用い、高温(45
℃)の雰囲気中で、120mA(0.1It)の充電電
流で16時間充電した後、常温(25℃)で1200m
A(1It)の放電電流で電池電圧が1.0Vになるま
で放電させて、放電時間から高温(45℃)充電後の放
電容量を求めた。ついで、上記(1)で予め求めた常温
充電後の放電容量と高温充電後の放電容量との比率を高
温充電特性として、下記の式に基づいて求めると、下
記の表1に示すような結果が得られた。 高温充電特性(%) =(高温充電後の放電容量/常温充電後の放電容量)×100%・・・
【0030】(3)急速充電特性の測定 これらの各電池A,W,X,Y,Zを用い、常温(25
℃)で1200mA(1It)の充電電流で1.5時間
充電した後、常温(25℃)で1200mA(1It)
の放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させ
て、放電時間から1It急速充電後の放電容量を求め
た。ついで、上記(1)で予め求めた0.1It充電後
の放電容量と1It急速充電後の放電容量との比率を急
速充電特性として、下記の式に基づいて求めると、下
記の表1に示すような結果が得られた。 急速充電特性(%)=(1It急速充電後の放電容量/0.1It充電後の放電 容量)×100%・・・
【0031】(4)高率放電特性の測定 これらの各電池A,W,X,Y,Zを用い、常温(25
℃)で120mA(0.1It)の充電電流で16時間
充電した後、常温(25℃)で12000mA(10I
t)の放電電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電さ
せて、放電時間から10It高率放電容量を求めた。つ
いで、上記(1)で予め求めた1It放電容量と10I
t高率放電容量との比率を高率放電特性として、下記の
式に基づいて求めると、下記の表1に示すような結果
が得られた。 高率放電特性(%)= (10It高率放電容量/1It放電容量)×100%・・・
【0032】
【表1】
【0033】なお、表1に示された高温充電特性、急速
充電特性および高率放電特性において、括弧内の数値は
電池Wの各値を100とした場合の比率(%)を表して
いる。上記表1の結果から明らかなように、イットリウ
ム(Y)を添加したニッケル極板a,y,zを用いた電
池A,Y,Zは、イットリウムが無添加のニッケル極板
w,xを用いた電池W,Xよりも高温充電特性が向上し
ていることが分かる。そして、イットリウムを添加した
場合であっても、活物質の表面に添加したニッケル極板
a,zを用いた電池A,Zは、イットリウムを固溶させ
たニッケル極板yを用いた電池Yよりも高温充電特性が
向上していることが分かる。このことから、高温充電特
性を向上させるためにはイットリウムを活物質の表面に
添加するのが好ましいということができる。
【0034】一方、イットリウムを添加したニッケル極
板y,zを用いた電池Y,Zは、イットリウムが無添加
のニッケル極板w,xを用いた電池W,Xよりも、放電
中間電圧(作動電圧)、急速充電特性、高率放電特性が
低下するが、表面にコバルト(Co)の酸化物(この場
合は、高次コバルト酸化物であるが、コバルトの酸化物
でもよい)層を被覆した焼結基板βに活物質を充填した
ニッケル極板aを用いた電池Aは、イットリウムが無添
加で、コバルト酸化物層の被覆がない焼結基板αに活物
質を充填したニッケル極板wを用いた電池Wとほぼ同程
度の放電中間電圧(作動電圧)、急速充電特性、高率放
電特性を示していることが分かる。
【0035】このことから、焼結基板の表面にコバルト
酸化物層を形成することにより、放電中間電圧(作動電
圧)、急速充電特性、高率放電特性の低下を抑制できる
ということができる。結局、本発明のように、コバルト
(Co)の酸化物層を表面に被覆した焼結基板を用い、
かつ活物質の表面にイットリウムの被覆層を設けたニッ
ケル極板を用いることにより、高温充電特性に優れ、か
つ常温時の放電中間電圧(作動電圧)、急速充電特性、
高率放電特性の低下が抑制されたアルカリ蓄電を得るこ
とが可能となる。
【0036】なお、上述した実施の形態においては、多
孔質導電性基板の表面にイットリウムを被覆するための
含浸液として硝酸イットリウム溶液を用いる例について
説明したが、硝酸イットリウム溶液に代えてCa、S
r、Sc、Al、Mn、ランタノイド系元素を含有する
硝酸塩溶液を含浸液として用いて、Ca、Sr、Sc、
Al、Mn、ランタノイド系元素の被覆層を多孔質導電
性基板の表面に設けるようにしても同様な効果が得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 陽一郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 藤澤 千浩 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H017 AA02 AS02 AS10 BB01 BB13 BB16 BB17 CC27 DD05 EE01 EE04 5H050 AA05 AA12 CA03 DA04 DA09 EA12 FA13 GA13 GA14 GA23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質導電性基板に水酸化ニッケルを主
    成分とする正極活物質が充填されたアルカリ蓄電池用ニ
    ッケル極板であって、 前記多孔質導電性基板の表面は少なくともコバルトを含
    有する酸化物で被覆されているとともに、 前記正極活物質の表面はCa,Sr,Sc,Y,Al,
    Mnおよびランタノイド系元素から選ばれる少なくとも
    1種以上を含有する化合物で被覆されていることを特徴
    とするアルカリ蓄電池用ニッケル極板。
  2. 【請求項2】 前記酸化物は水酸化コバルトもしくはコ
    バルトを固溶させた水酸化物を酸素とアルカリの共存下
    で熱処理された高次コバルト酸化物であることを特徴と
    する請求項1に記載のアルカリ蓄電池用ニッケル極板。
  3. 【請求項3】 多孔質導電性基板に水酸化ニッケルを主
    成分とする正極活物質を充填して製造するアルカリ蓄電
    池用ニッケル極板の製造方法であって、 前記多孔質導電性基板の表面に少なくともコバルトを含
    有する酸化物層を被覆するコバルト被覆工程と、 前記酸化物層で被覆された多孔質導電性基板に水酸化ニ
    ッケルを主成分とする正極活物質を充填する活物質充填
    工程と、 前記多孔質導電性基板に充填された活物質の表面をC
    a,Sr,Sc,Y,Al,Mnおよびランタノイド系
    元素から選ばれる少なくとも1種以上を含有する化合物
    層で被覆する化合物層被覆工程とを備えるようにしたこ
    とを特徴とするアルカリ蓄電池用ニッケル極板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記コバルト被覆工程において、 前記多孔質導電性基板を少なくともコバルトを含有する
    塩溶液からなる含浸液に浸漬する第1浸漬工程と、 前記含浸液に浸漬された多孔質導電性基板をアルカリ溶
    液に浸漬して少なくともコバルトを含有する水酸化物層
    を前記多孔質導電性基板の表面に形成する第1アルカリ
    処理工程と、 アルカリ水溶液と酸素の共存下で熱処理して前記コバル
    トを高次コバル酸化物に高次化するアルカリ熱処理工程
    とを備えるようにしたことを特徴とする請求項3に記載
    のアルカリ蓄電池用ニッケル極板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1アルカリ処理工程において、L
    iOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOHから選
    ばれる少なくとも1種のアルカリ水溶液を用いるように
    したことを特徴とする請求項4に記載のアルカリ蓄電池
    用ニッケル極板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記化合物層被覆工程において、 Ca,Sr,Sc,Y,Al,Mnおよびランタノイド
    系元素から選ばれる少なくとも1種以上を含有する塩溶
    液からなる含浸液に活物質を浸漬する第2浸漬工程と、 前記含浸液に浸漬された活物質をアルカリ溶液に浸漬し
    て前記Ca,Sr,Sc,Y,Al,Mnおよびランタ
    ノイド系元素から選ばれる少なくとも1種以上の水酸化
    物層を前記活物質の表面に形成する第2アルカリ処理工
    程とを備えるようにしたことを特徴とする請求項3に記
    載のアルカリ蓄電池用ニッケル極板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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