JP2002182419A - 乾式トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

乾式トナー、画像形成方法及びプロセスカートリッジ

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JP2002182419A JP2000383275A JP2000383275A JP2002182419A JP 2002182419 A JP2002182419 A JP 2002182419A JP 2000383275 A JP2000383275 A JP 2000383275A JP 2000383275 A JP2000383275 A JP 2000383275A JP 2002182419 A JP2002182419 A JP 2002182419A
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Nobuyuki Okubo
信之 大久保
Tsutomu Konuma
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Tsuneo Nakanishi
恒雄 中西
Kaori Hiratsuka
香織 平塚
Takashige Kasuya
貴重 粕谷
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 定着器部材への付着を防止し、高湿下及び低
湿下で使用しても高い画像品質が安定して得られ、経時
において画像欠陥を生じない乾式トナーを提供する。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂と磁性酸化鉄を有す
るトナーにおいて、該トナーが、GPCにより測定され
る分子量分布において、分子量3,000〜30,00
0の領域に少なくとも一つピークを有し、さらに分子量
100,000〜5,000,000の領域に少なくと
も一つピークを有しており、遊離した鉄元素を有する粒
子が該トナー粒子10,000個当たり100〜300
個存在し、該トナーの重量平均粒子径が5μm〜12μ
mであり、かつ該トナーの3μm以上の粒子において、
円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で
90%以上有し、且つカット率Zとトナー重量平均径
X、及び、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積
値Yとトナー重量平均径Xが特定の関係を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真,静電荷
像を顕像化するための画像形成方法及びトナージェット
に使用される現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ているごとく多数の方法が知られているが一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的
潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーで現像を行っ
て、可視像とし、必要に応じて紙などの転写材料にトナ
ーを転写させた後、熱・圧力等により転写材上にトナー
画像を定着して複写物を得るものであり、そして転写せ
ず感光体上に残ったトナーは種々の方法でクリーニング
され、上述の工程が繰り返される。
【0003】特開昭55−18656号公報等において
ジャンピング現像方法が提案されている。これはスリー
ブ上に磁性トナーを極めて薄く塗布し、これを摩擦帯電
し、次いでこれを静電荷像に極めて近接して現像するも
のである。この方法は、磁性トナーをスリーブ上に薄く
塗布することによりスリーブとトナーの接触する機会を
増やし、充分な摩擦帯電を可能にしている点で優れた方
法である。
【0004】しかしながら、絶縁性磁性トナーを用いる
現像方法には、用いる絶縁性磁性トナーに関わる不安定
要素がある。それは、絶縁性磁性トナー中には微粉末状
の磁性体が相当量混合分散されており、該磁性体の一部
がトナー粒子から遊離、あるいは表面に露出しているた
め、磁性トナーの流動性及び摩擦帯電性に影響し、結果
として磁性トナーの現像特性、耐久性等の磁性トナーに
要求される種々の特性の変動あるいは劣化を引き起こす
というものである。これは、磁性トナーの表面にトナー
を構成する樹脂に比して相対的に抵抗の低い磁性体微粒
子が存在することにより生じると考えられる。また、ト
ナーの帯電性は現像、転写にも大きな影響を与えてお
り、画質との関連は深い。このため高い帯電量を安定し
て得ることが出来るトナーが望まれている。
【0005】さらに、近年このような電子写真法を用い
た機器は、オリジナル原稿を複写するための複写機以外
にも、コンピューターの出力用のプリンター、ファクシ
ミリなどにも使われ始めた。そのため、より小型、より
軽量、そしてより高速、より高信頼性が厳しく追及され
ており、機械はさまざまな点で、よりシンプルな要素で
構成されるようになってきている。その結果、トナーに
要求される性能はより高度になり、トナーの性能向上が
達成できなければ、より優れた機械が成り立たなくなっ
てきている。
【0006】例えば、特開平7−230182号公報や
特開平8−286421号公報等では、磁性体粉末を外
添することで、帯電性を安定させるという提案がなされ
ている。この方法によると、確かに帯電性の安定したト
ナーだけではなく、クリーニング性の高いトナーが得ら
れるが、近年要求される高速でよりシンプルな構成のプ
リンターにおいては、現像性だけでなく、帯電部材等へ
の付着が起こり、未だ不十分である。
【0007】また、特開平11−194533号公報で
は、磁性トナーのアルコール濡れ性を規定することで、
磁性体のトナー表面での存在状態を制御し、結果、帯電
部材,感光ドラムへの付着が抑えられるという提案がな
されているが、高速機での定着器部材への付着あるいは
カブリに関して改良の余地がある。
【0008】また、感光体上よりトナー像を転写材に転
写する際、感光体上には転写されずに残ったトナーが存
在する。連続した複写を速やかに行う為に、この感光体
上の残余トナーをクリーニングする必要がある。回収さ
れた残余トナーは、本体内に設置した容器又は回収箱へ
入れられた後に廃棄されるか、しかる工程を経てリサイ
クルされる。
【0009】環境問題への取り組みとしては、廃トナー
レスシステムとして本体内部にリサイクル機構を設けた
設計が必要になる。しかし、市場で要求される複写機、
プリンター、及びファクシミリの多機能化、高速化、ま
たコピー画像の高画質化を達成するためには、かなり大
掛かりなリサイクルシステムが本体内に必要となり、本
体自体が大きくなってしまい、市場で要求される小型化
と逆行してしまう。また、本体内に設置した容器又は回
収箱へ廃トナーを収納する方式や、感光体と上記の廃ト
ナーを回収する部分を一体化する方式においても同様で
ある。
【0010】これらに対応するためには、感光体上より
トナー像を転写材に転写する際の転写率を向上させるこ
とが必要である。
【0011】特開平9−26672号公報において、平
均粒子径が0.1〜3μmの転写効率向上剤とBET比
表面積50〜300m2/gの疎水性シリカ微粉体を含
有させることで、トナー体積抵抗を低減させ、感光体上
に転写効率向上剤が薄膜層を形成することにより転写効
率を向上させることが開示されている。しかし、粉砕法
で製造されたトナーには粒度分布が存在するため、すべ
ての粒子に均一に効果を出すことは難しく、更なる改善
が必要とされる。
【0012】転写効率を向上させる方法として、トナー
の形状を球形に近付ける方法が挙げられ、その方法とし
て噴霧造粒法、溶液溶解法、重合法といった製造方法に
よるトナーが特開平3−84558号、特開平3−22
9268号、特開平4−1766号、特開平4−102
862号公報等により開示されている。しかし、これら
のトナー製造には大掛かりな設備を必要とするばかりで
なく、トナーが真球に近付くが故のクリーニングに関わ
る問題等も発生するため、転写率向上のみを目的とした
場合には好ましい方法とは言えない。
【0013】一般にトナーの製造方法としては、被転写
材に定着させるための結着樹脂、トナーとしての色味を
出させる各種着色剤、粒子に電荷を付与させるための荷
電制御剤を原料とし、或いは特開昭54−42141号
公報及び特開昭55−18656号公報に示される様な
所謂一成分現像法においては、これらに加えてトナー自
身に搬送性等を付与するための各種磁性材料が用いら
れ、更に必要に応じて、例えば、離型剤及び流動性付与
剤等の他の添加剤加えて乾式混合し、しかる後、ロール
ミル、エクストルーダー等の汎用混練装置にて溶融混練
し、冷却固化した後、混練物をジェット気流式粉砕機、
機械衝突式粉砕機等の各種粉砕装置により微細化し、得
られた微粉砕物を各種風力分級機に導入して分級を行う
ことにより、トナーとして必要な粒径に揃えられた分級
品を得、更に、必要に応じて流動化剤や滑剤等を外添し
乾式混合して、画像形成に供するトナーとしている。ま
た、二成分現像方法に用いるトナーの場合には、各種磁
性キャリアと上記トナーとを混ぜ合わせた後、画像形成
に供される。
【0014】上述の如く、微細粒子であるトナー粒子を
得るためには、従来、図7のフローチャートに示される
方法が一般的に採用されている。
【0015】トナー粗砕物は、第1分級手段に連続的又
は逐次供給され、分級された規定粒度以上の粗粒子群を
主成分とする粗粉は粉砕手段に送って粉砕された後、再
度第1分級手段に循環される。
【0016】他の規定粒径範囲内の粒子及び規定粒径以
下の粒子を主成分とするトナー微粉砕品は、第2分級手
段に送られ、規定粒度を有する粒子群を主成分とする中
粉体と、規定粒度未満の粒子群を主成分とする微粉体
と、規定粒度を超える粒子群を主成分とする粗粉体とに
分級される。
【0017】粉砕手段としては、各種粉砕装置が用いら
れるが、結着樹脂を主とするトナー粗砕物の粉砕には、
図9に示す如きジェット気流を用いたジェット気流式粉
砕機、特に衝突式気流粉砕機が用いられている。
【0018】ジェット気流の如き高圧気体を用いた衝突
式気流粉砕機は、ジェット気流で粉体原料を搬送し、加
速管の出口より噴射し、粉体原料を加速管の出口の開口
面に対向して設けた衝突部材の衝突面に衝突させ、その
衝撃力により粉体原料を粉砕する。
【0019】例えば、図9に示す衝突式気流粉砕機で
は、高圧気体供給ノズル161を接続した加速管162
の出口163に対向して衝突部材164を設け、加速管
162に供給した高圧気体により、加速管162の中途
に連通させた粉体原料供給口165から加速管162内
に粉体原料を吸引し、粉体原料を高圧気体とともに噴出
して衝突部材164の衝突面166に衝突させ、その衝
撃によって粉砕し、粉砕物を粉砕物排出口167より排
出させる。
【0020】しかしながら、上記の衝突式気流粉砕機
は、粉体原料を高圧気体とともに噴出して衝突部材の衝
突面に衝突させ、その衝撃によって粉砕するという構成
のため、粉砕されたトナーは、不定形で角張ったものと
なり、トナーからの離型剤や磁性体粉末の脱落が生じ易
い。
【0021】特開平2−87157号では、粉砕法で製
造されたトナーを機械式衝撃(ハイブリタイザー)によ
り粒子の形状及び表面性を改質することで転写効率を向
上させる方法が開示されている。しかし、この方法では
粉砕後に更に処理工程が入るため、トナー生産性及びト
ナー表面が凹凸のない状態に近付き、現像面での改良等
が必要となり、好ましい方法とは言えない。
【0022】また、上記の衝突式気流粉砕で小粒径のト
ナーを生産するためには多量のエアーを必要とする。そ
のため電力消費が極めて多く、エネルギーコストという
面において問題を抱えている。特に近年、環境問題への
対応から、装置の省エネルギー化が求められている。
【0023】また、分級手段については、各種の気流式
分級機及び方法が提案されている。この中で、回転翼を
用いる分級機と可動部分を有しない分級機がある。この
うち、可動部分のない分級機として、固定壁遠心式分級
機と慣性力分級機がある。かかる慣性力を利用する分級
機が特公昭54−24745号公報、特公昭55−64
33号公報、特開63−101858号公報に提案され
ている。
【0024】これらの気流式分級機は、図10に示すよ
うに、分級機室の分級域に開口部を有する供給ノズルか
ら高速で気流とともに粉体を分級域内へ噴出し、分級室
内にはコアンダブロック145に沿って流れる湾曲気流
の遠心力によって粗粉と、中粉と、微粉とに分離し、先
端の細くなったエッジ146、147により、粗粉と、
中粉と、微粉の分級を行なっている。
【0025】従来の分級装置127では、微粉砕原料が
原料供給ノズルから導入され、角錐筒148、149内
部を流動する粉粒体は管壁に平行にまっすぐに推進力を
もって流れる傾向を有する。しかし、該原料供給ノズル
中では原料を上部から導入するとき、おおまかに上部流
れと下部流れに分れて、上部流れには軽い微粉が多く含
有し、下部流れには重い粗粉が多く含有しやすく、それ
ぞれの粒子が独立して流れるため、分級機内への導入部
位によって、それぞれ異なった軌跡を描くことや、粗粉
が微粉の軌跡を撹乱するために、分級精度の向上に限界
が生じ、かつ、20μm以上の粗粒の多い粉体の分級で
は精度が低下する傾向があった。
【0026】一般に、トナーには数多くの異なった性質
が要求され、かかる要求性質を得るためには、使用する
原材料は勿論のこと、製造方法によって決まることも多
い。トナーの分級工程においては、分級された粒子がシ
ャープな粒度分布を有することが要求される。また、低
コストで効率良く安定的に品質の良いトナーを作り出す
ことが望まれる。
【0027】更には、近年、複写機やプリンターにおけ
る画質向上のために、トナー粒子が徐々に微細化の方向
に移ってきている。一般に、物質は細かくなるに従い粒
子間力の働きが大きくなっていくが、樹脂やトナーも同
様で、微粉体サイズになると粒子同士の凝集性が大きく
なっていく。
【0028】特に重量平均径が10μm以下のシャープ
な粒度分布を有するトナーを得ようとする場合には、従
来の装置及び方法では分級収率の低下を引き起こす。更
に、重量平均径が8μm以下のシャープな粒度分布を有
するトナーを得ようとする場合には、特に従来の装置及
び方法では分級収率の低下を引き起こすだけでなく、超
微粉を多量に含有してしまう傾向がある。
【0029】従来方式の下で精緻な粒度分布を有する所
望の製品を得ることができたとしても工程が煩雑にな
り、分級収率の低下を引き起こし、生産効率が悪く、コ
スト高になる傾向がある。この傾向は、所定の粒度が小
さくなればなるほど、顕著になる。
【0030】更に、微粒子化したトナーでは相対的にト
ナーに含有される着色剤(磁性体)が多くなり、遊離さ
れた磁性体もそれに合わせて増加する。そのため、今後
さらに要求されるであろう、機械のシンプル化、高速化
に対応した場合、トナーの低温定着性の維持は困難にな
り、現像性に関しても従来以上に厳しい制約を受けるこ
とになる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解消した乾式トナー、プロセスカートリッジ及
び画像形成方法を提供することにある。
【0032】本発明の目的は、微粒子化に対しても、現
像剤担持体,帯電部材,定着器部材等への付着がなく、
良好な現像性を維持できる乾式トナー、プロセスカート
リッジ及び画像形成方法を提供することにある。
【0033】本発明の目的は、廃トナーの発生が少な
い、高転写効率の乾式トナー、プロセスカートリッジ及
び画像形成方法を提供することにある。
【0034】
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
/μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足する
か; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m] 或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m]ことを特徴とする乾式トナーに関する。
【0035】また、本発明は、画像形成装置本体に着脱
可能なプロセスカートリッジにおいて、静電荷像保持体
と該静電荷像保持体に形成された静電荷像を現像剤を用
いて現像する現像手段とを有し、該現像剤は少なくとも
結着樹脂と磁性酸化鉄を有する乾式トナーを有してお
り、該トナーが、GPCにより測定される分子量分布に
おいて、分子量3,000〜30,000の領域に少な
くとも一つピークを有し、さらに分子量100,000
〜5,000,000の領域に少なくとも一つピークを
有しており、遊離した磁性酸化鉄が該トナー粒子10,
000個当たり70〜300個存在し、該トナーの重量
平均粒子径が5μm〜12μmであり、かつ該トナーの
3μm以上の粒子において、下記式(1)より求められ
る円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値
で90%以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕 且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
/μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足する
か; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m] 或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m]ことを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
【0036】さらに、本発明は、静電荷像保持体に静電
荷像を形成し、静電荷像を現像手段に保有されている乾
式トナーで現像してトナー像を形成する画像形成方法に
おいて、静電荷像を現像するための乾式トナーは少なく
とも結着樹脂と磁性酸化鉄を含有しており、該トナー
が、GPCにより測定される分子量分布において、分子
量3,000〜30,000の領域に少なくとも一つピ
ークを有し、さらに分子量100,000〜5,00
0,000の領域に少なくとも一つピークを有してお
り、遊離した磁性酸化鉄が該トナー粒子10,000個
当たり70〜300個存在し、該トナーの重量平均粒子
径が5μm〜12μmであり、かつ該トナーの3μm以
上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度
aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で90%
以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕 且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
(2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
/μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足する
か; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m] 或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
(5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
m]ことを特徴とする画像形成方法に関する。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明者らは、粉砕法により製造
されるトナー中の遊離磁性体の量、形状及びトナー構成
材料に関して検討を進め、トナー中の遊離磁性体量と現
像剤担持体,帯電部材,定着部材との付着性、さらには
遊離磁性体量,3μm以上のトナー粒子の形状と転写
性,現像性には密接な関係があることを見出した。更
に、該トナーを最適に生産する粉砕・分級システムを使
用することで、従来にない方法でこれを達成できること
を見出した。
【0038】即ち本発明者らは、少なくとも結着樹脂と
磁性酸化鉄を含有しており、遊離した磁性酸化鉄が該ト
ナー粒子10,000個当たり70〜300個であるこ
とを特徴とするトナーが、定着器の構成に関わらず定着
器部材への付着を防止し、さらに定着性を損なうことな
く転写効率が向上し、高湿下及び低湿下で使用しても高
い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥を
生じないということを見出した。
【0039】本発明者らの検討によって、遊離磁性酸化
鉄の個数は、電子写真装置の現像まわりの各部材、特に
定着器の定着ローラー及び加圧ローラーへの付着性と密
接に関わりがあることが判明した。即ち、トナーを感光
体から紙上へ転写させ、画像が定着器を通る際に遊離磁
性酸化鉄と紙粉の混合物が定着器のローラー上に徐々に
堆積する。そして、熱・圧力等で紙上にトナー画像を定
着させた時に紙上のトナーがローラー上の遊離磁性体と
紙粉の混合物に付着する。そして、この付着したトナー
が、朝一プリントアウト時に一気に紙に吐き出されトナ
ー汚れとなる(加圧ローラー汚れ)というメカニズムを
解明した。従って、加圧ローラー汚れを低減させる方法
として、遊離磁性酸化鉄の個数を減少させることが考え
られる。
【0040】本発明の乾式トナーは、少なくとも結着樹
脂と磁性酸化鉄を含有しており、遊離した磁性酸化鉄が
該トナー粒子10,000個当たり70〜300個、好
ましくは100〜250個であることが良い。
【0041】遊離した磁性酸化鉄の個数が300個より
多い場合、上記に述べたように、加圧ローラー汚れが生
じる。特に、低温定着性が要求されるような構成の定着
器の場合、その汚れはさらに悪化する。また、このよう
な部材への付着現象は加圧ローラー汚れだけではなく、
トナー担持体上への付着も起こる。トナー担持体への付
着が多い場合、トナー担持体上での帯電付与が阻害され
現像性に悪影響がでる。また、遊離した磁性酸化鉄の個
数が300個より多い場合、低温低湿下においてトナー
がクリーニング部材で良好にクリーニングされにくくな
り、結果的にトナーが帯電部材に付着する現象や高温高
湿下において上述のトナーが帯電部材により圧着されて
感光ドラム表面に付着する現象も発生する。このように
帯電部材や感光ドラム表面にトナーが付着してしまう
と、帯電コントロールが不安定になり結果的に現像性に
悪影響がでる。さらに、遊離磁性酸化鉄の個数が300
個より多いとトナーのチャージのリークが遊離した磁性
酸化鉄をとおして起こり易くなり、結果としてトナーの
帯電量が低下してしまう。また、帯電量の低いトナーは
カブリの増加を招くとともに、転写効率が低く、帯電不
良を引き起こすため現像性に悪影響が出る。
【0042】一方、遊離磁性体の個数が70個よりも少
ない場合、トナー中の磁性酸化鉄は実質遊離していない
ことを示す。このように遊離がほとんどないトナーは高
い帯電量を有するものの、高速機による多数枚の画出
し、特に低温低湿下での多数枚の画出しによってチャー
ジアップが生じ、その結果画像濃度が低下することがあ
る。さらに、遊離磁性酸化鉄の個数が70個よりも少な
い場合、高い帯電量を有するトナーが得られるものの、
画像上のトナー層がより密になりドット再現性が悪化す
る。即ち、トナーが飛び散ったり、尾引きが発生した
り、線幅が太くなりすぎたりといったような画質の低下
を招くことになる。
【0043】即ち、遊離した磁性酸化鉄の個数が70〜
300個の範囲に制御することで、更にトナーと定着器
部材との付着の抑制、及び帯電コントロールが容易で帯
電の均一化と帯電の耐久安定性のあるトナーが得られる
ようになる。
【0044】次に本発明における遊離した磁性酸化鉄の
個数の測定方法について述べる。
【0045】ここで、「遊離した磁性酸化鉄の個数」と
はパーティクルアナライザー(PT1000:横河電機
(株)製)により測定したものであり、パーティクルア
ナライザーはJapan Hardcopy97論文集
の65〜68頁に記載の原理で測定を行う。具体的に
は、該装置はトナー等の微粒子を一個ずつプラズマへ導
入し、微粒子の発光スペクトルから発光物の元素、粒子
数、粒子の粒径を知ることができる装置である。例え
ば、トナー粒子をプラズマに導入した場合を考えるが、
プラズマに導入した際に、トナー1粒子に対して、結着
樹脂の構成元素である炭素の発光と磁性酸化鉄中の鉄原
子の発光がそれぞれ観察される。即ち、トナー1粒子に
つき1個の発光が得られるので、発光の回数からトナー
粒子の個数を求めることができる。その時、炭素原子の
発光から、2.6msec以内に発光した鉄原子を同時
発光した鉄原子とし、それ以降の鉄原子の発光は鉄原子
のみの発光とした。本発明中のトナーは磁性酸化鉄を多
く含有しているため、炭素原子と鉄原子が同時に発光す
るということはトナー中に磁性酸化鉄が分散しているこ
とを意味し、鉄原子のみの発光は、磁性酸化鉄がトナー
粒子から遊離していると言える。
【0046】具体的な方法としては、温度23℃,湿度
60%の環境下で一晩放置することで調湿したトナーサ
ンプルを上記環境下で0.1%酸素含有のヘリウムガス
を用いて測定する。即ち、チャンネル1で炭素原子(測
定波長247.86nm,Kファクターは推奨値を使
用)、チャンネル2で鉄原子(測定波長239.56n
m,Kファクター3.3764)を測定し、1回のスキ
ャンで炭素原子の発光数が1000〜1400個となる
ようにサンプリングを行い、炭素原子の発光数が総数で
10000以上となるまでスキャンを繰り返し、発光数
を積算する。この時、元素の発光個数を縦軸に粒子の粒
径を表す三乗根電圧を横軸にとった粒度分布曲線が極大
をひとつ持ちさらに谷が存在しない分布曲線であること
が重要である。そして、その時の鉄原子のみの発光数を
カウントすることで遊離した磁性酸化鉄の個数とした。
また、このときのノイズカットレベルは1.50Vとす
る。また、荷電制御剤であるアゾ系の鉄化合物等といっ
た、鉄原子を含有する無機化合物以外の材料もトナー中
に含まれている場合があるが、こういった化合物は鉄原
子と同時に有機化合物中の炭素も同時に発光するため、
遊離の鉄原子としてはカウントされない。
【0047】従って、本装置で測定した炭素原子及び鉄
原子の発光は、結着樹脂と磁性酸化鉄のみの発光である
と考えることができる。
【0048】本発明のトナーは特定のトナー構成材料を
用いて、特定の製法でトナーを製造することで、3μm
以上のトナー粒子の円形度及び遊離した磁性酸化鉄の個
数を70〜300個の範囲に制御することができる。
【0049】本発明における平均円形度は、粒子の形状
を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであ
り、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置
FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒
子の円形度を下式(1)により求め、更に下式(7)で
示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数
で除した値を平均円形度と定義する。
【0050】 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕
【0051】
【数1】
【0052】
【0053】
【数2】
【0054】本発明に用いている円形度はトナー粒子の
凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合
1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小
さな値となる。また、本発明における円形度分布のSD
は、バラツキの指標であり、数値が小さいほどトナー形
状のバラツキが小さいことを表す。
【0055】なお、本発明で用いている測定装置である
「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、
平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得ら
れた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を6
1分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用い
て平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を
用いている。しかしながら、この算出法で算出される平
均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子
の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円
形度及び円形度標準偏差の誤差は、非常に少なく、実質
的には無視できる程度であり、本発明においては、算出
時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り
扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる
算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法
を用いても良い。
【0056】従来より、トナー形状がトナーの諸特性に
影響を与えることが知られているが、本発明者らは、種
々の検討によって3μm以上のトナーの形状と遊離した
磁性酸化鉄量が転写性、現像性に大きく影響を与えてい
ることを見出した。また、本発明者らは3μm未満の円
相当径の粒子群がある一定量を超えると転写性、現像性
等の性能を悪化させる要因となることも見出した。即
ち、トナーの微粉や外部添加剤等の3μm未満の微粉が
ある量以上になった場合、3μm以上のトナーの円形度
をより高くしないと所望の性能を得にくいことが明らか
となった。
【0057】従って、本発明では、3μm以上の円相当
径の粒子群についての円形度が本発明の効果を発現する
ために重要であるが、本発明において転写性と現像性に
大きく影響を与える3μm以上のトナー粒子の円形度の
作用をより効果的に発揮するためには、以下のように3
μm以下の微粉の存在量により3μm以上のトナー粒子
の円形度を制御する必要がある。
【0058】即ち、3μm以下の微粉の存在量により3
μm以上のトナー粒子の円形度を制御することで、転写
性,現像性の優れたトナーを得ることができる。
【0059】FPIA−1000における円形度の測定
においては、粒子径が小さくなるほど粒子像は点に近似
するため、円形度は大きくなる傾向を示す。このため、
粒子径が小さい粒子がトナー中に多量に存在すると、ト
ナーの円形度は大きくなる。逆に、粒子径が小さい粒子
がトナー中に少量しか存在しない場合、トナーの円形度
は小さくなってしまう。そこで、下記式(3)により計
算されたように全測定粒子の粒子濃度に対する3μm以
上の円相当径の粒子群の粒子濃度の割合を100%から
差し引くことにより求めることで表されるカット率Z
と、重量平均粒子径Xとの関係を式(2)または式
(5)の2つに場合分けし、それぞれの場合における、
所望の性能を満足するのに必要なトナー形状、すなわち
円形度と重量平均粒子径との関係を、式(4)または式
(6)のように導いた。
【0060】 カット率Z=(1−B/A)×100 (3) [式中、Aは全測定粒子の粒子濃度を示し、Bは3μm
以上の円相当径の粒子群の粒子濃度を示す]
【0061】3μm未満の粒子を少量含有するトナーに
おいては、3μm以上の粒子において、円形度が0.9
50以上の粒子の個数基準の累積値Yは、重量平均径X
に対して、exp5.51×X-0.645以上であれば良い
が、3μm未満の粒子を多量に含有するトナーにおいて
は、3μm以上の粒子において、円形度が0.950以
上の粒子の個数基準の累積値Yは、重量平均径Xに対し
て、より大きめのexp5.37×X-0.545以上にする
必要がある。
【0062】即ち、本発明のトナーは該トナーの3μm
以上の粒子における円形度aが0.900以上の粒子を
個数基準の累積値で90%以上含有し、且つ円形度aが
0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、a)カッ
ト率Zとトナー重量平均径Xの関係が カット率Z≦
5.3×X(好ましくは0<カット率Z≦5.3×X)
の式を満たす場合、個数基準累積値Y≧exp5.51
×X-0.645を満足することが好ましい。
【0063】或いは、本発明のトナーは該トナーの3μ
m以上の粒子における円形度aが0.900以上の粒子
を個数基準の累積値で90%以上含有し、且つ円形度a
が0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、b)カ
ット率Zとトナー重量平均径Xの関係が カット率Z>
5.3×X(好ましくは95≧カット率Z>5.3×
X)の式を満たす場合、個数基準累積値Y≧exp5.
37×X-0.545を満足することが好ましい。[但し、カ
ット率Zは、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置F
PIA−1000で測定される全測定粒子の粒子濃度A
(個数/μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B
(個数/μl)とした時、式(3)で表され、 Z=(1−B/A)×100 (3) トナー重量平均粒子径Xは5.0〜12.0μmであ
る。]
【0064】このような円形度を有する場合、トナーと
定着器部材との付着の抑制、及び帯電コントロールが容
易で帯電の均一化と帯電の耐久安定性のあるトナーを得
ることができる。さらに、上記のような円形度を有する
場合、転写効率が高くなることが判明した。これは、上
述されたような円形度を有するトナーの場合、トナー粒
子と感光体との接触面積が小さくなりファンデルワール
ス力等に起因するトナー粒子の感光体への付着力が低下
するためであると考えられる。さらに、従来の衝突式気
流粉砕機によって粉砕されたトナーと比較して、トナー
粒子の比表面積が低減されているため、トナー粒子間の
接触面積が減少し、トナー粉体の嵩密度は密となり、定
着時の熱伝導を良くすることができ定着性向上の効果も
得ることが出来る。
【0065】さらに該トナーの3μm以上の粒子におけ
る円形度aが0.900以上の粒子の存在が個数基準の
累積値で90%未満となる場合には、トナーのチャージ
のリークが遊離した磁性酸化鉄をとおして起こり易くな
り、遊離磁性酸化鉄の量を制御しても結果としてトナー
の帯電量が低下してしまうことがある。さらにトナー粒
子と現像剤担持体、定着部材等との接触面積が大きくな
るため、現像剤担持体、定着部材等への付着が起こる。
また、トナー粒子と感光体との接触面積が大きくなり、
トナー粒子の感光体への付着力が増すため、十分な転写
効率を得にくくなる。
【0066】また、該トナーの3μm以上の粒子におけ
る円形度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値
で、a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が カ
ット率Z≦5.3×X(好ましくは0<カット率Z≦
5.3×X)の式を満たし、個数基準累積値Y≧exp
5.51×X-0.645を満足しない場合、即ち、個数基準
累積値Y<exp5.51×X-0.645を満足するような
場合;或いは、該トナーの3μm以上の粒子における円
形度aが0.950以上の粒子が個数基準の累積値で、
b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が カット
率Z>5.3×X(好ましくは95≧カット率Z>5.
3×X)の式を満たし、個数基準累積値Y≧exp5.
37×X-0.545を満足しない場合、即ち、個数基準累積
値Y<exp5.37×X-0.545を満足するような場合
には現像剤担持体や定着部材等への付着を促進しやすく
なり、十分な転写効率が得られないだけでなくトナーの
流動性も悪化傾向であり、さらには所望の定着性能も得
にくいものである。
【0067】また、特定の円形度を有するトナーを製造
する場合、重量平均径が5〜12μmであることが好ま
しい。更に好ましくは、重量平均径が5〜10μmであ
り、粒径4.0μm以下の粒子が40個数%以下であ
り、粒径10.1μm以上の粒子が25体積%以下であ
るトナーであることがよい。
【0068】重量平均径が12μmを上回るトナーを得
る場合には、粉砕機内での負荷を極力減らすか、処理量
を多くすることで粒径的には対応可能であるが、形状は
角張ったものとなり、所望の円形度にすることは難し
く、更に所望の円形度分布にすることは難しくなる。
【0069】重量平均径が5μmを下回るトナーを得る
場合には、粉砕機内での負荷を増大させるか、処理量を
極端に少なくすることで対応は可能であるが、形状は球
形に近似し所望の円形度にすることは難しく、更に所望
の円形度分布にすることは難しくなるばかりでなく、微
粉、超微粉の発生を押さえ切れなくなる。
【0070】粒径4.0μm以下の粒子が40個数%を
超えるトナーを得る場合も、粉砕機内での負荷を増大さ
せるか、処理量を極端に少なくすることで対応は可能で
あるが、形状は球形に近似し所望の円形度にすることは
難しく、更に所望の円形度分布にすることは難しくな
る。
【0071】粒径10.1μm以上の粒子が25体積%
を超えるトナーを得る場合、粉砕機内での負荷を極力減
らすか、処理量を多くすることで粒径的には対応可能で
あるが、形状は角張ったものとなり、所望の円形度にす
ることは難しく、更に所望の円形度分布にすることは難
しくなる。
【0072】このような各円形度を有する粒子のバラツ
キの一つの目安として、円形度標準偏差SDを用いるこ
ともできる。本発明においては円形度標準偏差SDが
0.030乃至0.045であれば問題は無い。
【0073】具体的な測定方法としては、予め容器中の
不純物を除去した水100〜150ml中に分散剤とし
て界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン
酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1
〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波
(50kHz,120W)を1〜3分間照射し、分散液
濃度を1.2〜2.0万個/μlとして、上記フロー式
粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21
μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定す
る。尚、分散液濃度を1.2〜2.0万個/μlとする
ことで、カット率が大きくなった場合でも装置の精度が
保てるだけの粒子濃度を維持することができる。
【0074】測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行
のFPIA−1000のカタログ(1995年6月
版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136
439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0075】試料分散液は、フラットで扁平なフローセ
ル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広が
っている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交
差して通過する光路を形成するように、ストロボとCC
Dカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置
するように装着される。試料分散液が流れている間に、
ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得る
ために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれ
の粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元
画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の
面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径とし
て算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及
び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒
子の円形度を算出する。
【0076】本発明のトナーはTHF可溶分のGPCに
よる分子量分布で分子量3,000〜30,000の領
域に少なくとも一つピークが存在し、分子量100,0
00〜5,000,000の領域に少なくとも一つピー
クを有していることを特徴とし、好ましくは分子量5,
000〜20,000の領域に少なくとも一つのピーク
が存在し、分子量100,000〜1,000,000
の領域に少なくとも一つのピークが存在しているものが
良い。また、THF可溶分は分子量100000以下の
成分が50〜90%となるようなトナーも好ましい。
【0077】低分子側の分子量が3,000未満の場
合、トナーとして適度な弾性を持てなくなるため、定着
性は向上するもののトナーとしての耐久性が悪化する。
従って、耐久後半になるに従って、トナー中からの磁性
酸化鉄の欠落が生じやすくなり、その結果耐久後半に現
像剤担持体,帯電部材,定着器部材等への付着が生じ易
い。また、保存性も悪化する。また、低分子側の分子量
が30,000を超える場合、定着性が悪化するため、
耐久初期において定着部材への付着が生じ易くなる。
【0078】一方、高分子側の分子量が100,000
未満の場合、耐オフセット性が悪化するため、耐久後半
になるに従って定着器部材へ付着したオフセットトナー
中の磁性酸化鉄が原因となって画像に悪影響が出る。ま
た、高分子側の分子量が5,000,000を超える場
合、トナーの弾性が大きくなりすぎるため、トナーとし
て定着性が悪化する。従って、耐久初期において定着不
良のトナー中に存在する磁性酸化鉄が定着部材へ付着
し、画像上に汚れとして排出される。
【0079】このように、トナーのTHF可溶分のGP
Cによる分子量分布において、この様なピークを有する
トナーは定着性、耐オフセット及び保存性がバランスよ
く保たれるだけではなく、帯電部材,現像剤担持体,定
着器部材等への付着も抑えられる。
【0080】また、本発明中において所望の分子量分布
を持つトナーを製造するためには、結着樹脂は分子量が
5,000〜20,000の領域に少なくとも一つピー
クを有し、さらに分子量100,000〜1,000,
000の領域に少なくとも一つピークを有していること
が望ましい。
【0081】分子量分布において、この様なピークを有
しない場合、樹脂として適度な弾性を持てなくなるた
め、トナー製造時の溶融混練時に混練シェアをかけるこ
とができず、原材料の分散性が悪化し、粉砕工程におい
て、磁性酸化鉄のトナー粒子からの遊離が生じ易くな
る。さらに、原材料の分散性が悪化することで、定着
性、耐久安定性ともに悪化する。
【0082】本発明において、トナー及び結着樹脂のT
HF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPCによる
分子量分布は次の条件で測定される。
【0083】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHF
を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100
μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては
試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標
準試料により作成された検量線の対数値とカウント値と
の関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン
試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製
の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも
10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当で
ある。また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。
尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを
複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のs
hodex GPC KF−801,802,803,
804,805,806,807,800Pの組み合せ
や、東ソー社製のTSKgel G1000H
(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H
(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H
(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H
(HXL)、TSKgurd columnの組み合せを
挙げることができる。
【0084】また、試料は以下のようにして作製する。
【0085】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無
くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時TH
F中への放置時間が24時間以上となるようにする。そ
の後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜
0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2
(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものを
GPCの試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分が
0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0086】本発明で用いられる結着樹脂の酸価は1〜
100mgKOH/gであることが好ましく、さらに好
ましくは1〜50mgKOH/gが良く、特には2〜4
0mgKOH/gであることが好ましい。
【0087】このような酸価の範囲を有しない場合、ト
ナー製造時の混練工程においてトナー原材料、特に磁性
酸化鉄粒子の分散状態が悪化することがあり、粉砕工程
において遊離磁性酸化鉄の増加をまねき易くなる。
【0088】しかも、結着樹脂の酸価が1mgKOH/
g未満の場合は、トナー粒子の帯電性が低下し、現像性
や耐久安定性を悪化させることがあり、一方、100m
gKOH/gを超える場合は結着樹脂の吸湿性が強くな
り、画像濃度が低下し、カブリが増加する傾向がある。
【0089】本発明において、結着樹脂の酸価は以下の
方法により求める。
【0090】<酸価の測定>基本操作はJIS K−0
070に準ずる。 1)結着樹脂の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、
結着樹脂の重さW(g)とする。 2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン
/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え
溶解する。 3)0.1規定のKOHのメタノール溶液を用いて、電
位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式
会社製の電位差滴定装置AT−400(winwork
station)とABP−410電動ビュレットを用
いての自動滴定が利用できる。)。 4)この時のKOH溶液の使用量S(ml)とし、同時
にブランクを測定しこの時のKOH溶液の使用量をB
(ml)とする。 5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクタ
ーである。
【0091】酸価(mgKOH/g)=((S−B)×
f×5.61)/W
【0092】本発明における樹脂の構成成分としては一
般的にトナー用樹脂として用いられるもので、カルボキ
シル基又は酸無水物基を有するものならばビニル系重合
体、ポリエステル樹脂等種々のものを用いることが出来
る。
【0093】本発明の特徴とする結着樹脂を得るために
は、ビニル系重合体のモノマーとして以下のものを用い
ることができる。例えば、マレイン酸、シトラコン酸、
ジメチルマレイン酸、イタコン酸、アルケニルコハク
酸、及びこれらの無水物;フマル酸、メタコン酸、ジメ
チルフマル酸;などの不飽和二塩基酸、無水物モノマ
ー。更に上記不飽和二塩基酸のモノエステル。また、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸及びこ
れらの無水物;上記α,β−不飽和酸間の無水物及び、
低級脂肪酸との無水物;などのα,β−不飽和酸、これ
らの無水物モノマー。アルケニルマロン酸、アルケニル
グルタル酸、アルケニルアジピン酸及びこれらの無水
物、モノエステル。これらの中でも、マレイン酸、マレ
イン酸ハーフエステル、マレイン酸無水物が本発明の結
着樹脂を得るモノマーとして特に好ましく用いられる。
【0094】更にビニル重合体のコモノマーとしては、
次のようなものが挙げられる。
【0095】例えばスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レンなどのスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピ
レン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モ
ノオレフィン類;ブタジエン等の不飽和ポリエン類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルな
どのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
などのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フエニルなどのア
クリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニル
エーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β−不飽
和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;のビニル系
モノマが単独もしくは2つ以上で用いられる。
【0096】これらの中でも、スチレン系共重合体、ス
チレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組
み合わせが好ましい。
【0097】また架橋性モノマーとしては、主として2
個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いら
れる。
【0098】本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応
じて以下に例示する様な架橋性モノマーで架橋された重
合体であってもよい。
【0099】芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類、例えば、エチレングリコー
ルジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートを
メタクリレートに代えたもの;エーテル結合を含むアル
キル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物
のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;芳香族
基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート
化合物類、例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレ
ート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び、
以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えた
もの;更には、ポリエステル型ジアクリレート化合物
類、例えば、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられ
る。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラ
メチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステル
アクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタ
クリレートに代えたもの;トリアリシアヌレート、トリ
アリルトリメリテート;等が挙げられる。
【0100】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0質量%に対して、0.01〜5質量%程度(更に好ま
しくは0.03〜3質量%程度)用いることが好まし
い。
【0101】本発明の樹脂を製造する時の開始剤、溶剤
の種類及び反応条件の選択は本発明の目的とする樹脂を
得るために重要な要素である。開始剤としては例えはベ
ンゾイルパーオキシド、1,1−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−
ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、ジクミルパーオキシド、α,α′−ビス(t−ブチ
ルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパ
ーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機
過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノ
アゾベンゼン等のアゾ及びジアゾ化合物などが利用でき
る。
【0102】本発明に係る結着樹脂を合成する方法とし
ては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合
法などが利用できる。
【0103】本発明に用いられる磁性酸化鉄は、その表
面に鉄及び異種元素の酸化物あるいは水酸化物を含有す
るマグネタイト,マグヘマイト,フェライト等の磁性酸
化鉄及びその混合物であることを特徴とする。磁性酸化
鉄の表面に鉄及び異種元素の酸化物あるいは水酸化物を
含有しない磁性酸化鉄を使用してトナーを製造した場
合、例えば磁性酸化鉄の表面をカップリング剤等で表面
処理した場合、トナーは高い帯電量を有するものの高速
機による多数枚の画出し、特に低温低湿下での多数枚の
画出しによってチャージアップが生じ、その結果画像濃
度が低下する。また、表面処理剤が紙粉と相互作用しや
すくなるため、遊離磁性酸化鉄が発生すると帯電部材,
現像剤担持体,定着器部材等への付着が生じ易くなる。
更に、磁性酸化鉄の表面に異種元素の酸化物あるいは水
酸化物を含有することで、トナー中で磁性酸化鉄がばら
けやすくなり、非常に分散性が良くなるため、トナー製
造時の粉砕工程において磁性酸化鉄の凝集界面での粉砕
がなくなるので遊離磁性酸化鉄を生じにくく、結果とし
て、転写効率が向上し、高湿下及び低湿下で使用しても
高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠陥
を生じないトナーを得ることが出来る。中でもリチウ
ム,ベリリウム,ボロン,マグネシウム,アルミニウ
ム,シリコン,リン,イオウ,ゲルマニウム,チタン,
ジルコニウム,錫,鉛,亜鉛,カルシウム,バリウム,
スカンジウム,バナジウム,クロム,マンガン,コバル
ト,銅,ニッケル,ガリウム,カドミウム,インジウ
ム,銀,パラジウム,金,水銀,白金,タングステン,
モリブデン,ニオブ,オスミウム,ストロンチウム,イ
ットリウム,テクネチウム,ルテニウム,ロジウム,ビ
スマスから選ばれる少なくとも一つ以上の元素の酸化物
あるいは水酸化物を含有する磁性酸化鉄であることが好
ましい。特にリチウム,ベリリウム,ボロン,マグネシ
ウム,アルミニウム,シリコン,リン,イオウ,ゲルマ
ニウム,ジルコニウム,錫,第4周期の遷移金属元素が
好ましい元素である。更にはマグネシウム,アルミニウ
ム,シリコン,リン,イオウがより好ましく、最も好ま
しいのはシリコンである。これらの元素は酸化鉄結晶格
子の中に取り込まれても良いし、酸化物あるいは水酸化
物として酸化鉄中に取り込まれても良い。また、酸化物
として含有されているのがさらに好ましい形態である。
【0104】尚、本発明において、磁性酸化鉄表面の鉄
あるいは異種元素の酸化物あるいは水酸化物の存在量
は、磁性酸化鉄の疎水化度で表すことができ、疎水化度
が20%以下の磁性酸化鉄であれば、上記性能を維持で
きるだけの鉄あるいは異種元素の酸化物あるいは水酸化
物がその表面に存在しているといえる。
【0105】尚、本発明における疎水化度とは以下の方
法によって測定されたものである。
【0106】磁性酸化鉄の疎水化度の測定は、メタノー
ル滴定試験により行った。メタノールを用いた疎水化度
測定は次のように行う。磁性酸化鉄0.1gを蒸留水5
0mlを入れた容量250mlのビーカーに添加する。
その後メタノールを液中に液底部より1.3ml/mi
nの速度で供給する。この際、溶液を緩やかに撹拌しな
がら供給することが好ましい。磁性酸化鉄の沈降終了
は、液面に磁性酸化鉄の浮遊物が確認されなくなった時
点とし、疎水化度は、沈降終了時点に達した際のメタノ
ール及び水混合液中のメタノールの体積百分率として表
される。
【0107】また、これらの磁性酸化鉄は粒度分布が揃
い、その結着樹脂への分散性とあいまって、トナーの帯
電性を安定化することができる。また近年はトナー粒径
の小径化が進んでおり、重量平均粒径10μm以下のよ
うな場合でも、帯電均一性が促進され、トナーの凝集性
も軽減され、画像濃度の向上,カブリの改善等現像性が
向上する。特に重量平均粒径6.0μm以下のトナーに
おいてはその効果は顕著であり、きわめて高精細な画像
が得られる。重量平均粒径は2.5μm以上である方が
十分な画像濃度が得られて好ましい。
【0108】これらの異種元素(M)の含有率は、磁性
酸化鉄の鉄元素を基準として0.05〜10質量%であ
ることが好ましい。更に好ましくは0.1〜7質量%で
あり、特に好ましくは0.2〜5質量%、更には0.3
〜4質量%であり、かつ該磁性酸化鉄粒子の最表面にお
けるFe/Mの原子比が1.0〜4.5であることが好
ましい。
【0109】磁性酸化鉄粒子の最表面におけるFe/M
の原子比は、X線光電子分光法(XPS)によって測定
する。
【0110】異種元素の含有率が0.05質量%より少
なくまたはFe/M原子比が4.5を超える場合には、
これら元素の含有効果が得られなく、良好な分散性が得
られず、遊離磁性酸化鉄が増加し、帯電均一性が得られ
なくなる。異種元素の含有率が10.0質量%より多く
またはFe/M原子比が1.0未満の場合には、環境特
性、特に高湿度下における長期放置において、帯電性の
劣化を生じる。さらには、磁性トナーの耐久性、結着樹
脂への磁性酸化鉄粒子の分散性も低下し、粉砕時にトナ
ーからの磁性酸化鉄粒子の遊離を引き起こす原因とな
る。
【0111】磁性酸化鉄粒子の最表面の異種原子量は、
磁性酸化鉄粒子の流動性及び吸水性と相関性があり、該
磁性酸化鉄粒子を含有した磁性トナーのトナー物性に大
きな影響を与える。
【0112】また、これら異種元素の含有分布におい
て、磁性体の表面に近い方に多く存在しているものが好
ましい。例えば、酸化鉄の鉄元素溶解率が20質量%ま
でに存在する異種元素の含有量Bと該磁性酸化鉄の異種
元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が40%以
上であることが好ましい。さらには40〜80%が好ま
しく60〜80%が特に好ましい。表面存在量を多くす
ることにより分散効果や電気的拡散効果をより向上させ
ることができる。また、トナー中に含有される量として
は樹脂成分100質量部に対して20〜200質量部、
特に好ましくは樹脂成分100質量部に対して40〜1
50質量部がさらに良い。
【0113】さらに本発明の好ましい系としては、磁性
酸化鉄粒子の平滑度が0.2〜0.9、好ましくは0.
45〜0.7、より好ましくは0.5〜0.7を満足す
ることである。本発明での平滑度は、磁性酸化鉄粒子の
表面の細孔の量に関係し、平滑度が0.2未満の場合、
磁性酸化鉄の表面の細孔が多く存在し、水の吸着が促進
される。このように、吸着水が脱着しにくい吸着サイト
が、より多く存在することで、該磁性酸化鉄粒子を含有
する磁性トナーにおいて、特に高湿下の長期放置におい
て帯電特性が著しく低下し、さらには帯電特性の回復が
困難である。
【0114】さらに本発明のより好ましい系の一つとし
ては、該磁性酸化鉄粒子の嵩密度が0.8g/cm3
上、好ましくは1.0g/cm3以上を満足することで
ある。
【0115】磁性酸化鉄粒子の嵩密度が0.8g/cm
3未満の場合、トナー製造時における他のトナー材料と
の物理的混合性に悪影響を及ぼし、磁性酸化鉄粒子の分
散性が低下し製造時のトナーからの磁性酸化鉄粒子の遊
離を引き起こす。
【0116】さらに本発明のより好ましい系の一つとし
ては、該磁性酸化鉄粒子のBET比表面積が3〜20.
0m2/g、好ましくは5〜15.0m2/gを満足する
ことである。磁性酸化鉄粒子のBET比表面積が20.
0m2/gを超える場合、磁性酸化鉄粒子の水分吸着性
が増加し、該磁性酸化鉄粒子を含有した磁性トナーの吸
湿性や帯電性に悪影響を及ぼす。
【0117】さらに本発明に使用される磁性酸化鉄粒子
は、鉄元素基準でアルミニウム元素に換算して0.01
〜2.0質量%(より好ましくは、0.05〜1.0質
量%)のアルミニウム水酸化物等のアルミニウム化合物
で処理されていることが好ましい。
【0118】理由は明らかではないが、アルミニウム化
合物で磁性酸化鉄粒子表面の処理を行うことにより、よ
り磁性トナーの帯電安定化することが可能であることが
確認された。アルミニウム元素に換算して0.01質量
%未満の場合、その効果は少なく、逆に2.0質量%を
超える場合、磁性トナーの環境特性、特に高湿下の帯電
特性が悪化しやすい。
【0119】さらに、本発明に使用される磁性酸化鉄粒
子の最表面における、Fe/Al原子比が0.3〜1
0.0(より好ましくは0.3〜5.0、さらに好まし
くは0.3〜2.0)であることが好ましい。磁性酸化
鉄粒子の最表面におけるFe/Al原子比が0.3未満
の場合、トナーの環境特性、特に高湿下の帯電特性が悪
化しやすく、10.0を超える場合には、帯電安定化の
効果を得られない。
【0120】さらに本発明に使用される磁性酸化鉄粒子
は、平均粒径が0.1〜0.4μm、好ましくは0.1
〜0.3μmを有していることが好ましい。
【0121】本発明における各種物性データの測定法を
以下に詳述する。
【0122】(1)磁性トナーの粒度分布 磁性トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターを用いて行
う。測定装置としては、コールターマルチサイザーII
E(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナ
トリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。
例えば、ISOTON(R)−II(コールターサイエ
ンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定方法
としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散
剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンス
ルホン酸塩)を、0.1〜5ml加え、さらに測定試料
を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音
波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置
により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを
用いて、トナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と
個数分布とを算出する。それから、本発明に係る体積分
布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャ
ンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)、個数
分布から求めた個数基準の個数平均粒径(D1)、及び
体積分布から求めた体積基準の粗粉量(10.1μm以
上)、個数分布から求めた個数基準の微粉個数(4.0
μm以下)を求める。
【0123】 (2)Fe/異種元素比、Fe/Al原子比 本発明において、磁性酸化鉄粒子の最表面におけるFe
/異種元素比ならびにFe/Al原子比は、XPS測定
により求める。その条件は、 XPS測定装置;VG社製ESCALAB,200−X
型 X線光電子分光装置 X線源;Mg Kα(300W) 分析領域;2×3mm とする。
【0124】(3)嵩密度 本発明における磁性酸化鉄粒子の嵩密度は、JIS−K
−5101の顔料試験法に準じて測定する。
【0125】(4)平滑度 本発明において磁性酸化鉄粒子の平滑度Dは次のように
求める。
【0126】
【数3】
【0127】(5)BET比表面積 磁性酸化鉄粒子のBET比表面積の実測は次のようにし
て行う。
【0128】BET比表面積は、湯浅アイオニクス
(株)製、全自動ガス吸着量測定装置:オートソープ1
を使用し、吸着ガスに窒素を用い、BET多点法により
求める。サンプルの前処理としては、50℃で10時間
の脱気を行う。
【0129】(6)磁性酸化鉄粒子の平均粒径及び表面
積 平均粒径の測定及び磁性酸化鉄粒子の表面積の算出は次
のように行う。
【0130】磁性酸化鉄粒子の透過型電子顕微鏡写真を
撮影し、4万倍に拡大したものにつき、任意に250個
選定後、投影径の中のMartin径(定方向に投影面
積を2等分する線分の長さ)を測定し、これを個数平均
径で表す。
【0131】表面積の算出には磁性酸化鉄を平均粒径を
直径とした球形と仮定し、通常の方法で磁性酸化鉄の密
度を測定し表面積の値を求める。
【0132】
【数4】
【0133】(7)異種元素量 本発明の磁性酸化鉄粒子中の異種元素量は、蛍光X線分
析装置SYSTEM3080(理学電機工業(株)製)
を使用し、JIS K0119「けい光X線分析通則」
に従って、蛍光X線分析を行うことにより測定する。
【0134】例えば異種元素として、ケイ素元素を有す
る磁性酸化鉄は、例えば、下記方法で製造される。
【0135】第一鉄塩水溶液と、該第一鉄水溶液中のF
2+に対し0.90〜0.99当量の水酸化アルカリ水
溶液とを反応させて得られた水酸化第一鉄コロイドを含
む第一鉄塩反応水溶液に、酸素含有ガスを通気すること
によりマグネタイト粒子を生成させるにあたり、前記水
酸化アルカリ水溶液または前記水酸化第一鉄コロイドを
含む第一鉄塩のいずれかにあらかじめ水可溶性ケイ酸塩
を鉄元素に対してケイ素元素換算で、全含有量(0.4
〜2.0質量%)の50〜99%を添加し、85〜10
0℃の温度範囲で加熱しながら、酸素含有ガスを通気し
て酸化反応することにより、前記水酸化第一鉄コロイド
からケイ素元素を含有する磁性酸化鉄粒子を生成させ
る。その後、酸化反応終了後の懸濁液中に残存するFe
2+に対して1.00当量以上の水酸化アルカリ水溶液及
び残りの水可溶性ケイ酸塩〔全含有量(0.4〜2.0
質量%)の1〜50%〕を添加して、さらに85〜10
0℃の温度範囲で加熱しながら、酸化反応してケイ素元
素を含有した磁性酸化鉄粒子を生成させる。
【0136】次いで、アルミニウム水酸化物で処理する
場合は、該ケイ素元素を含有する磁性酸化鉄粒子が生成
しているアルカリ性懸濁液中に水可溶性アルミニウム塩
を生成粒子に対してアルミニウム元素換算で0.01〜
2.0質量%になるように添加した後、pHを6〜8の
範囲に調整して、磁性酸化鉄粒子表面にアルミニウム水
酸化物として析出させる。次いでロ過、水洗、乾燥、解
砕することにより、本発明に係る磁性酸化鉄粒子を得
る。さらに、平滑度、比表面積を好ましい範囲に調整す
る方法として、ミックスマーラーまたはらいかい機等を
用いて圧縮、せん断及びへらなですることが好ましい。
【0137】本発明に使用する磁性酸化鉄粒子に添加す
るケイ酸化合物は、市販のケイ酸ソーダ等のケイ酸塩
類、加水分解等で生じるゾル状ケイ酸等のケイ酸が例示
される。
【0138】添加する水可溶性アルミニウム塩として
は、硫酸アルミニウム等が例示される。
【0139】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造で副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能である。さらに塩化鉄等の使用も
可能である。
【0140】トナーに使用し得るその他の着色剤として
は、任意の適当な顔料または染料が挙げられる。例えば
顔料としてカーボンブラック,アニリンブラック,アセ
チレンブラック,ナフトールイエロー,ハンザイエロ
ー,ローダミンレーキ,アリザリンレーキ,ベンガラ,
フタロシアニンブルー,インダンスレンブルー等が挙げ
られる。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに充
分な量が用いられる。樹脂100質量部に対し0.1〜
20質量部、好ましくは1〜10質量部の顔料を使用す
ることが好ましい。同様の目的で、さらに染料が用いら
れる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサ
ンテン系染料、メチン系染料があり、樹脂100質量部
に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質
量部の染料を使用することが好ましい。
【0141】本発明に用いられるワックスには次のよう
なものがある。例えば、低分子量ポリエチレン、低分子
量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレ
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラ
フィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如
き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワック
スの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;または、
それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カ
ルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワッ
クス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワック
ス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱
物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスター
ワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス
類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部
又は全部脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミ
チン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖
のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸の如き飽
和直鎖;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリ
ン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイ
コシルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビル
アルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、
あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルア
ルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多
価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、
ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メチレンビスス
テアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エ
チレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステ
アリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド;エチレン
ビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸
アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,
N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸
アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,
N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系
ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カル
シウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム
の如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれている
もの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリ
ル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させた
ワックス;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多
価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添
加することによって得られるヒドロキシル基を有するメ
チルエステル化合物が挙げられる。
【0142】好ましく用いられるワックスとしては、オ
レフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン;
高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生
成物を精製したポリオレフィン;低圧下でチーグラー触
媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオ
レフィン;放射線、電磁波又は光を利用して重合したポ
リオレフィン;高分子ポリオレフィンを熱分解して得ら
れる低分子量ポリオレフィン;パラフィンワックス、マ
イクロクリスタリンワックス、フッシャートロプシュワ
ックス;ジンドール法、ヒドロコール法、アーゲ法等に
より合成される合成炭化水素ワックス;炭素数1個の化
合物をモノマーとする合成ワックス、水酸基又はカルボ
キシル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス;炭
化水素系ワックスと官能基を有するワックスとの混合
物;これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン
酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレ
イン酸の如きビニルモノマーをグラフト変性したワック
スが挙げられる。
【0143】また、これらのワックスをプレス発汗法、
溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は
融液晶法を用いて分子量分布をシャープにしたものや、
低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子
量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好まし
く用いられる。
【0144】本発明のトナーにおいては、これらのワッ
クス総含有量は、結着樹脂100質量部に対し0.2〜
20質量部で用いられ、好ましくは0.5〜10質量部
で用いるのが効果的である。また、悪影響を与えない限
り他のワックス類と併用しても構わない。
【0145】本発明に使用するワックスは、定着性と耐
オフセット性のバランスを取るために融点が65〜16
0℃であることが好ましく、更には65〜130℃であ
ることが好ましく、特には70〜120℃であることが
好ましい。65℃未満では耐ブロッキング性が低下し、
160℃を超えると耐オフセット効果が発現し難くな
る。
【0146】本発明においてワックスの融点は、DSC
において測定されるワックスの吸熱ピークの最大ピーク
のピークトップの温度をもってワックスの融点とする。
【0147】さらに本発明で使用するワックスはDSC
曲線における昇温時のオンセット温度が65〜110℃
であることが好ましい。このようなワックスを用いるこ
とにより、耐ブロッキング性や定着性に優れたトナート
ナーを得ることができる。
【0148】オンセット温度が65℃未満のものは、比
較的低温からトナー粒子が塑性変化するため耐ブロッキ
ング性に劣ったり、昇温に対して現像性の劣化を生じや
すい。一方、110℃を超える場合には、加熱による塑
性変化の速度が遅くなり耐低温オフセット性や定着性が
劣るようになる。
【0149】本発明においてワックスの昇温時のオンセ
ット温度は、DSCにおいて測定される曲線の微分値が
極大となる温度の最低の温度をもってワックスのオンセ
ット温度とする。本発明において、ワックス又はトナー
の示差走査熱量計によるDSC測定では、例えば、パー
キンエルマー社製のDSC−7やTAインスツルメンツ
ジャパン社製のDSC2920が利用できる。
【0150】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度測定10℃/min、
温度0〜200℃の範囲で降温させた後、昇温させた時
に測定されるDSC曲線を用いる。
【0151】本発明においては、荷電制御剤を添加して
使用することが好ましい。負荷電制御剤の具体例として
は、特公昭41−20153号,特公昭42−2759
6号,特公昭44−6397号,特公昭45−2647
8号などに記載されているモノアゾ染料の金属錯体、さ
らには特開昭50−133838号に記載されているニ
トロフミン酸及びその塩或いはC.I.14645など
の染顔料、特公昭55−42752号,特公昭58−4
1508号,特公昭58−7384号,特公昭59−7
385号などに記載されているサリチル酸、ナフトエ
酸、ダイカルボン酸のZn,Al,Co,Cr,Fe,
Zr等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔
料、ニトロ基,ハロゲンを導入したスチレンオリゴマ
ー,塩素化パラフィン等を挙げることができる。特に分
散性に優れ、画像濃度の安定性やカブリの低減に効果の
ある、一般式(I)で表されるアゾ系金属錯体や一般式
(II)で表される塩基性有機酸金属錯体が好ましい。
【0152】
【化13】
【0153】
【化14】
【0154】そのうち上記式(I)で表されるアゾ系金
属錯体がより好ましく、とりわけ、中心金属がFeであ
る下記式(III)あるいは(IV)で表されるアゾ系
鉄錯体が最も好ましい。
【0155】
【化15】
【0156】
【化16】
【0157】次に上記式(III)で示されるアゾ系鉄
錯体の具体例を示す。
【0158】
【化17】
【0159】
【化18】
【0160】
【化19】
【0161】また、上記式(I),(II),(IV)
で示される荷電制御剤の具体例を以下に示す。
【0162】
【化20】
【0163】
【化21】
【0164】
【化22】
【0165】これらの金属錯化合物は、単独でも或いは
2種以上組み合わせて用いることが可能である。これら
の帯電制御剤の使用量は、トナーの帯電量の点から結着
樹脂100質量部あたり0.1〜5.0質量部が好まし
い。
【0166】一方、トナーを正荷電性に制御するものと
して下記物質がある。
【0167】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性
物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタン
グステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリ
ブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリ
シアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金
属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサ
イド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガ
ノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチル
スズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジ
オルガノスズボレート類;これらを単独で或いは2種類
以上組合せて用いることができる。
【0168】また、本発明の磁性トナーには、無機微粉
体または疎水性無機微粉体が混合されることが好まし
い。例えば、シリカ微粉末を添加して用いることが好ま
しい。
【0169】本発明に用いられるシリカ微粉体は、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたいわゆ
る乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリ
カ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカ
の両方が使用可能であるが、表面及び内部にあるシラノ
ール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好ま
しい。
【0170】さらに本発明に用いるシリカ微粉体は疎水
化処理されているものが好ましい。疎水化処理するに
は、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ
素化合物などで化学的に処理することによって付与され
る。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸
気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシラン化
合物で処理した後、あるいはシラン化合物で処理すると
同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理
する方法が挙げられる。
【0171】疎水化処理に使用されるシラン化合物とし
ては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラ
ン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラ
ン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジク
ロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメ
チルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロ
ルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロル
メチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメル
カプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガ
ノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラ
ン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロ
キサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、
1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げら
れる。
【0172】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ3×10-5〜1×10
-32/sのものが用いられ、例えばジメチルシリコー
ンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メ
チルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変
性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイル等が好ましい。
【0173】シリコーンオイル処理の方法は、例えばシ
ラン化合物で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイ
ルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直接混合
しても良いし、ベースとなるシリカへシリコーンオイル
を噴射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤に
シリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベー
スのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作成して
も良い。
【0174】本発明中の磁性トナーには、必要に応じて
シリカ微粉体以外の外部添加剤を添加してもよい。
【0175】例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性
付与剤、ケーキング防止剤、滑剤、研磨剤等の働きをす
る樹脂微粒子や無機微粒子である。
【0176】例えばテフロン(登録商標),ステアリン
酸亜鉛,ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗
化ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム,炭化ケ
イ素,チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタ
ン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタ
ン,酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎
水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例え
ばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化
スズ等の導電性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒
色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもでき
る。
【0177】磁性トナーと混合される無機微粉体または
疎水性無機微粉体は、磁性トナー100質量部に対して
0.1〜5質量部(好ましくは、0.1〜3質量部)使
用するのが良い。
【0178】以下、本発明の好ましいトナーの製造方法
の実施の形態を添付図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0179】図1は、本発明のトナーの製造方法の概要
を示すフローチャートの一例である。本発明の製造方法
は、フローチャートに示されている様に、粉砕処理前の
分級工程を必要とせず、粉砕工程及び分級工程が1パス
で行われることを特徴としている。
【0180】本発明のトナーの製造方法においては、特
定のトナー構成材料を用い、特定の円形度を有するトナ
ーを製造することで、遊離磁性酸化鉄の個数を制御する
ことが可能となる。一般には、結着樹脂、着色剤及びワ
ックスを少なくとも含有する混合物を溶融混練し、得ら
れた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によって粉
砕して得られた粗粉砕物が粉体原料として使用される。
そして、先ず、少なくとも中心回転軸に取り付けられた
回転体からなる回転子と、該回転子表面と一定間隔を保
持して回転子の周囲に配置されている固定子とを有し、
且つ該間隔を保持することによって形成される環状空間
が気密状態となるように構成されている機械式粉砕機
に、所定量の粉砕原料を導入し、該機械式粉砕機の上記
回転子を高速回転させることによって被粉砕物を微粉砕
する。次に、微粉砕された粉砕原料は分級工程に導入さ
れ分級されて、好ましい粒度を有する粒子群からなるト
ナー原料となる分級品が得られる。この際、分級工程で
は、少なくとも粗粉領域、中粉領域及び微粉領域を有す
る多分割気流式分級機が好ましく用いられる。例えば、
3分割気流式分級機を使用した場合には、粉体原料は、
少なくとも微粉体、中粉体及び粗粉体の3種類に分級さ
れる。このような分級機を用いる分級工程で、好ましい
粒度よりも粒径の大きな粒子群からなる粗粉体及び好ま
しい粒度未満の粒子群からなる超微粉体は除かれ、中粉
体がトナー製品としてそのまま使用されるか、又は、疎
水性コロイダルシリカの如き外添剤と混合された後、ト
ナーとして使用される。
【0181】上記の分級工程で分級された好ましい粒度
未満の粒子群からなる超微粉は、一般的には、粉砕工程
に導入されてくるトナー材料からなる粉体原料を生成す
るための溶融混練工程に供給されて再利用されるか、或
いは廃棄される。
【0182】図2に本発明のトナーの製造方法を適用し
た装置システムの一例を示し、これに基づいて本発明を
更に具体的に説明する。この装置システムに導入される
トナー原料である粉体原料には結着樹脂、着色剤及びワ
ックスを少なくとも含有する着色樹脂粒子粉体が用いら
れるが、該粉体原料は、例えば、結着樹脂、着色剤及び
ワックスからなる混合物を溶融混練し、得られた混練物
を冷却し、更に冷却物を粉砕手段によって粗粉砕したも
のが用いられる。
【0183】この装置システムにおいて、トナー粉原料
となる粉砕原料は、先ず、粉砕手段である機械式粉砕機
301に第1定量供給機315を介して所定量導入され
る。導入された粉砕原料は、機械式粉砕機301で瞬間
的に粉砕され、補集サイクロン229を介して第2定量
供給機2に導入される。次いで振動フィーダー3を介
し、更に原料供給ノズル16を介して分級手段である多
分割気流式分級機1内に供給される。
【0184】また、この装置システムにおいて、第1定
量供給機315から粉砕手段である機械式粉砕機301
に導入される所定量と、第2定量供給機2から分級手段
である多分割気流式分級機1に導入される所定量との関
係を、第1定量供給機315から機械式粉砕機301に
導入される所定量を1とした場合、第2定量供給機2か
ら多分割気流式分級機1に導入される所定量を好ましく
は0.7〜1.7、より好ましくは0.7〜1.5、更
に好ましくは1.0〜1.2とすることがトナー生産性
及び生産効率という点から好ましい。
【0185】通常、上記の気流式分級機は、相互の機器
をパイプの如き連通手段で連結し、装置システムに組み
込まれて使用される。そうした装置システムの好ましい
例を図2は示している。図2に示す一体装置システム
は、多分割分級装置1(図6に示される分級装置)、定
量供給機2、振動フィーダー3、補集サイクロン4、補
集サイクロン5、補集サイクロン6を連通手段で連結し
てなるものである。
【0186】この装置システムにおいて、粉体は、適宜
の手段により、定量供給機2に送り込まれ、次いで振動
フィーダー3を介し、原料供給ノズル16により3分割
分級装置1内に導入される。導入に際しては、10〜3
50m/秒の流速で3分に粉体なので、粉体は0.1〜
0.01秒以下の瞬時に3種類以上の粒子群に分級し得
る。そして、3分割分級機1により、大きい粒子(粗粒
子)、中間の粒子、小さい粒子に分級される。その後、
大きい粒子は排出導管11aを逝って、補集サイクロン
6に送られ機械式粉砕機301に戻される。中間の粒子
は排出導管12aを介して系外に排出され補集サイクロ
ン5で補集されトナーとなるべく回収される。小さい粒
子は排出導管13aを介して系外に排出され補集サイク
ロン4で補集され、トナー材料からなる粉体原料を生成
するための溶融混練工程に供給されて再利用されるか、
或いは廃棄される。補集サイクロン4、5、6は粉体を
原料供給ノズル16を介して分級室に吸引導入するため
の吸引減圧手段としての働きをすることも可能である。
また、この際分級される大きい粒子は、第1定量供給機
315に再導入し、粉体原料中に混入させて、機械式粉
砕機301にて再度粉砕することが好ましい。
【0187】また、多分割気流式分級機1から機械式粉
砕機301に再導入される大きい粒子(粗粒子)の再導
入量は、第2定量供給機2から供給される微粉砕品の質
量を基準として、0乃至10.0質量%、更には0乃至
5.0質量%とすることがトナー生産上好ましい。多分
割気流式分級機1から機械式粉砕機301に再導入され
る大きい粒子(粗粒子)の再導入量が10.0質量%を
超えると、機械式粉砕機301内の粉塵濃度が増大し、
装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉
砕され熱によるトナーの表面変質や磁性酸化鉄のトナー
粒子からの遊離、機内融着を起こしやすいのでトナー生
産性という点から好ましくない。
【0188】この装置システムにおいて、粉体原料の粒
度は、18メッシュパス(ASTME−11−61)が
95重量%以上であり、100メッシュオン(ASTM
E−11−61)が90質量%以上であることが好まし
い。
【0189】また、この装置システムにおいて、重量平
均粒径が10μm以下(更には8μm以下)のシャープ
な粒度分布を有するトナーを得るためには、機械式粉砕
機で微粉砕された微粉砕物の重量平均粒径が4乃至10
μm、4.0μm以下が70個数%以下、更には65個
数%以下、10.1μm以上が25体積%以下、更には
20体積%以下であることが好ましい。また、分級され
た中粉体の粒度は、重量平均粒径が5乃至10μm、
4.0μm以下が40個数%以下、更には35個数%以
下、10.1μm以上が25体積%以下、更には20体
積%以下であることが好ましい。
【0190】本発明のトナーの製造方法を適用した上記
装置システムにおいては、粉砕処理前の第1分級工程を
必要とせず、粉砕工程及び分級工程を1パスで行うこと
ができる。
【0191】本発明のトナーの製造方法に使用される粉
砕手段として好ましく用いられる機械式粉砕機について
説明する。機械式粉砕機としては、例えば、川崎重工業
(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミル
等を挙げることができ、これらの装置をそのまま、或い
は適宜改良して使用することが好ましい。
【0192】本発明においては、これらの中でも図3、
図4及び図5に示したような機械式粉砕機を用い、トナ
ー構成材料として特定の原材料を使用してトナーを製造
することが、トナーの形状と遊離磁性酸化鉄の個数を容
易にコントロールして製造できる方法として好ましい。
さらに、粉体原料の粉砕処理を容易に行うことができる
ので効率向上が図られ好ましい。
【0193】従来行われていた衝突式気流粉砕では、衝
突部材の衝突面にトナー粒子を衝突させ、その衝撃によ
って粉砕するという構成のため、衝突時に遊離磁性酸化
鉄が発生しやすい。さらに粉砕されたトナーは、不定形
で角張ったものとなるため、トナーからの磁性酸化鉄粒
子の脱落が生じやすい。また、衝突式気流粉砕で製造さ
れたトナーを機械式衝撃(ハイブリタイザー)により粒
子の形状及び表面性を改質することも可能ではあるが、
衝突式粉砕では衝突部材の衝突面にトナー粒子を衝突さ
せ、その衝撃によって粉砕するという構成のため、衝突
時に遊離磁性酸化鉄が発生しやすい。その後、機械式衝
撃で粒子の形状を改質させ形状を球形に近づけてること
により不定形のトナーに比べトナーからの磁性酸化鉄粒
子の脱落が生じにくくはなるものの、機械式粉砕機を用
いたトナーの製造方法に比べ、トナーの形状と遊離磁性
酸化鉄の個数を容易にコントロールすることは困難であ
る。
【0194】以下、図3、図4及び図5に示した機械式
粉砕機について説明する。図3は、本発明において使用
される機械式粉砕機の一例の概略断面図を示しており、
図4は図3におけるD−D’面での概略的断面図を示し
ており、図5は図3に示す回転子314の斜視図を示し
ている。該装置は、図3に示されているように、ケーシ
ング313、ジャケット316、ディストリビュータ2
20、ケーシング313内にあって中心回転軸312に
取り付けられた回転体からなる高速回転する表面に多数
の溝が設けられている回転子314、回転子314の外
周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝
が設けられている固定子310、更に、被処理原料を導
入するための原料投入口311、処理後の粉体を排出す
るための原料排出口302とから構成されている。
【0195】以上のように構成してなる機械式粉砕機で
の粉砕操作は、例えば次の様にして行う。即ち、図3に
示した機械式粉砕機の粉体入口311から、所定量の粉
体原料が投入されると、粒子は、粉砕処理室内に導入さ
れ、該粉砕処理室内で高速回転する表面に多数の溝が設
けられている回転子314と、表面に多数の溝が設けら
れている固定子310との間に発生する衝撃と、この背
後に生じる多数の超高速渦流、並びにこれによって発生
する高周波の圧力振動によって瞬時に粉砕される。その
後、原料排出口302を通り、排出される。トナー粒子
を搬送しているエアー(空気)は粉砕処理室を経由し、
原料排出口302、パイプ219、補集サイクロン22
9、バグフィルター222、及び吸引フィルター224
を通って装置システムの系外に排出される。本発明にお
いては、粉体原料の粉砕が行われるため、微粉及び粗粉
を増やすことなく所望の粉砕処理を容易に行うことがで
きる。
【0196】また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する
際に、冷風発生手段321により、粉体原料と共に、機
械式粉砕機内に冷風を送風し、機械式粉砕機本体をジャ
ケット構造316を有する構造とし、冷却水(好ましく
はエチレングリコール等の不凍液)を通水することによ
り、粉砕機内の雰囲気温度を20℃〜−40℃、より好
ましくは10〜−30℃、更に好ましくは0〜−25℃
とすることがトナー生産性という点から好ましい。粉砕
機内の渦巻室の室温を20℃〜−40℃、より好ましく
は10〜−30℃、更に好ましくは0〜−25℃とする
ことにより、熱によるトナーの表面変質、特にトナー表
面に存在する磁性酸化鉄の遊離を抑えることができ、効
率良く粉砕原料を粉砕することができる。粉砕機内の雰
囲気温度が20℃を超える場合、粉砕時に熱によるトナ
ーの表面変質、特にトナー表面に存在する磁性酸化鉄の
遊離や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性という
点から好ましくない。
【0197】現在、オゾン層保護の観点からフロンの撤
廃が進められている。上記冷風発生手段321の冷媒に
フロンを使用することは地球全体の環境問題という点か
ら好ましくない。
【0198】なお、冷却水(好ましくはエチレングリコ
ール等の不凍液)は、冷却水供給口317よりジャケッ
ト内部に供給され、冷却水排出口318より排出され
る。
【0199】また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する
際に、機械式粉砕機の渦巻室212の室温T1と後室3
21の室温T2の温度差ΔT(T2−T1)を30〜8
0℃とすることが好ましく、より好ましくは35〜75
℃、更に好ましくは37〜72℃とすることにより、熱
によるトナーの表面変質、特にトナー表面に存在する磁
性酸化鉄の遊離を抑えることができ、効率良く粉砕原料
を粉砕することができる。機械式粉砕機の温度T1(入
口温度)と温度T2(出口温度)とのΔTが30℃より
小さい場合、粉砕されずにショートパスを起こしている
可能性があり、トナー性能という点から好ましくない。
また、80℃より大きい場合、粉砕時に過粉砕されてい
る可能性があり、それによる磁性酸化鉄の遊離や熱によ
るトナーの表面変質、特にトナー表面に存在する磁性酸
化鉄の遊離や機内融着を起こしやすいのでトナー生産性
という点から好ましくない。
【0200】また、粉砕原料を機械式粉砕機で粉砕する
際に機械式粉砕機の入口温度は、結着樹脂のガラス転移
点(Tg)に対して、0℃以下であり且つTgよりも6
0乃至75℃低くすることがトナー生産性という点から
好ましい。機械式粉砕機の入口温度を0℃以下であり且
つTgよりも60乃至75℃低くすることにより、熱に
よるトナーの表面変質、特にトナー表面に存在する磁性
酸化鉄の遊離を抑えることができ、効率良く粉砕原料を
粉砕することができる。また、出口温度は、Tgよりも
5乃至30℃、更には10乃至20℃低いことが好まし
い。機械式粉砕機の出口温度をTgよりも5乃至30℃
低くすることにより、熱によるトナーの表面変質、特に
トナー表面に存在する磁性酸化鉄の遊離を抑えることが
でき、効率良く粉砕原料を粉砕することができる。
【0201】また、回転する回転子314の先端周速と
しては、80〜180m/sであることが好ましく、よ
り好ましくは90〜170m/s、更に好ましくは10
0〜160m/sとすることがトナー生産性という点か
ら好ましい。回転する回転子314の周速を80〜18
0m/sであることが好ましく、より好ましくは90〜
170m/s、更に好ましくは100〜160m/sと
することで、トナーの粉砕不足や過粉砕、さらに過粉砕
による磁性酸化鉄の遊離を抑えることができ、効率良く
粉砕原料を粉砕することができる。回転子の周速が80
m/sより遅い場合、粉砕されずにショートパスを起こ
しやすいのでトナー性能という点から好ましくない。ま
た、回転子314の周速が180m/sより速い場合、
装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉
砕されて磁性酸化鉄が遊離する。さらに、過粉砕される
ことにより、熱によるトナーの表面変質、特にトナー表
面に存在する磁性酸化鉄の遊離や機内融着を起こしやす
いのでトナー生産性という点から好ましくない。
【0202】また、回転子314と固定子310との間
の最小間隔は0.5〜10.0mmであることが好まし
く、より好ましくは1.0〜5.0mm、更に好ましく
は1.0〜3.0mmとすることが好ましい。回転子3
14と固定子310との間の間隔を0.5〜10.0m
mであることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.
0mm、更に好ましくは1.0〜3.0mmとすること
で、トナーの粉砕不足や過粉砕、さらに過粉砕による磁
性酸化鉄の遊離を抑えることができ、効率良く粉砕原料
を粉砕することができる。回転子314と固定子310
との間の間隔が10.0mmより大きい場合、粉砕され
ずにショートパスを起こしやすいのでトナー性能という
点から好ましくない。また回転子314と固定子310
との間の間隔が0.5mmより小さい場合、装置自体の
負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉砕されて磁
性酸化鉄が遊離する。さらに、過粉砕されることによ
り、熱によるトナーの表面変質や機内融着を起こしやす
いのでトナー生産性という点から好ましくない。
【0203】また、本発明で用いられる粉砕機は、回転
子及び固定子の粉砕面の表面粗さを適切な状態に制御す
ることで、遊離磁性酸化鉄の発生を制御し、良好な現像
性、転写性ならびに帯電性を有するトナーを得ることが
出来る。即ち、回転子314と固定子310の粉砕面の
中心線平均粗さRaを10.0μm以下、より好ましく
は2.0乃至10.0μm、また、最大粗さRyを6
0.0μm以下、より好ましくは25.0乃至60.0
μm、また、十点平均粗さRzを40.0μm以下、よ
り好ましくは20.0乃至40.0μmとすることが良
い。回転子及び固定子の粉砕面の中心線平均粗さRaが
10.0μm以上、また、最大粗さRyが60.0μm
以上、また、十点平均粗さRzが40.0μm以上の場
合、粉砕時に過粉砕されて磁性酸化鉄が遊離する。さら
に、過粉砕されることにより、熱によるトナーの表面変
質、特にトナー表面に存在する磁性酸化鉄の遊離や機内
融着を起こしやすいのでトナー生産性という点から好ま
しくない。
【0204】また、表面粗さの各解析パラメータの値
は、非接触で測定が可能なレーザーフォーカス変位計L
T−8100((株)キーエンス製)及び表面形状計測
ソフトTres−Valle Lite(三谷商事
(株)社製)を使用して測定し、測定ポイントをランダ
ムにずらしてそれぞれ数回測定し、その平均値から求め
た。また、このとき、基準長さの設定を8mm、カット
オフ値の設定を0.8mm、移動速度の設定を90μm
/secとして測定した。
【0205】尚、表面粗さの解析パラメータの中で、中
心線粗さRaは、粗さ曲線からその中心線の方向に基準
長さLの部分を抜き取り、その抜き取り部分の中心線を
X軸、縦倍率の方向をZ軸とし、粗さ曲線をZ=f
(x)で表した時、以下の式で求めることにより決定す
る。
【0206】
【数5】
【0207】また、最大粗さRyは粗さ曲線からその平
均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分
の山頂部と谷底部との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に
測定することによって決定する。また、十点平均粗さR
zは粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き
取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率の方向に測
定した、最も高い山頂から5番目までの山頂標高の絶対
値の平均値と、最も低い谷底部から5番目までの谷底標
高の絶対値の平均との和を求めることによって決定す
る。尚、本発明の回転子及び/又は固定子の粉砕面の粗
面化処理としては、公知の方法が用いられる。
【0208】しかしながら、回転子及び/又は固定子の
粉砕面の母材を粗面化処理しただけの機械式粉砕機で
は、回転子及び/又は固定子の粉砕面の摩耗が短時間で
発生し、トナー生産効率上好ましくなく、回転子及び/
又は固定子の粉砕面の耐摩耗処理が必要となる。
【0209】即ち、本発明者らが検討した結果、回転子
及び/又は固定子の粉砕面の母材を前工程として粗面化
処理し、後工程として母材を耐摩耗処理することによ
り、容易に遊離磁性酸化鉄の発生を抑え、良好な現像性
を維持できるトナーが得られるとともに、回転子及び固
定子の粉砕面の摩耗を低下させ、長期に渡り安定的にト
ナーを粉砕することが可能となることがわかった。
【0210】前記回転子及び/又は固定子の粉砕面の耐
摩耗処理としては、公知の方法が用いられるが、この中
で窒化による処理が最も好ましい。
【0211】前記「窒化」とは、加工材料の耐摩耗性、
耐疲労性を向上させる目的とする表面硬化処理法で、適
当な温度で適当な時間加熱し、加工材料の表面全体また
は部分的に窒素を拡散させ、窒化層を形成させる熱処理
である。
【0212】即ち、回転子及び/又は固定子の粉砕面の
母材を前処理として粗面化処理し、後工程として母材を
窒化処理することにより、容易に遊離磁性体の発生を抑
えることができ、良好な現像性を維持できるトナーが得
られるとともに、回転子及び固定子の粉砕面の摩耗を低
下させ、長期に渡り安定的にトナーを粉砕することが可
能となり、トナー生産効率において好ましい。
【0213】本発明の粉砕方法は、粉砕工程前の第1分
級工程を必要としないため、トナーが微粒子化されるこ
とにより粒子間の静電凝集が高まり、本来は第2分級手
段に送られるトナーが再度第1分級手段に循環されるこ
とにより過粉砕となった微粉及び超微粉が発生しない。
更に、シンプルな構成に加え、粉砕原料を粉砕するのに
多量のエアーを必要としないため、電力消費が低く、エ
ネルギーコストを低く抑えることができる。
【0214】次に、本発明のトナー製造方法を構成して
いる分級手段として好ましく用いられる気流式分級機に
ついて説明する。
【0215】本発明に使用される好ましい多分割気流式
分級機の一例として、図6(断面図)に示す形式の装置
を一具体例として例示する。
【0216】図6において、側壁22及びGブロック2
3は分級室の一部を形成し、分級エッジブロック24及
び25は分級エッジ17及び18を具備している。Gブ
ロック23は左右に設置位置をスライドさせることが可
能である。また、分級エッジ17及び18は、軸17a
及び18aを中心にして、回動可能であり、分級エッジ
を回動して分級エッジ先端位置を変えることができる。
各分級エッジブロック24及び25は左右に設置位置を
スライドさせることが可能であり、それに伴ってそれぞ
れのナイフエッジ型の分級エッジ17及び18も左右に
スライドする。この分級エッジ17及び18により、分
級室32の分級域30は3分割されている。
【0217】原料粉体を導入するための原料供給口40
を原料供給ノズル16の最後端部に有し、該原料供給ノ
ズル16の後端部に高圧エアーノズル41と原料粉体導
入ノズル42とを有し、且つ分級室32に開口部を有す
る原料供給ノズル16を側壁22の右側に設け、該原料
供給ノズル16の下部接線の延長方向に対して長楕円弧
を描く様にコアンダブロック26が設置されている。分
級室32の左部ブロック27は、分級室32の右側方向
にナイフエッジ型の入気エッジ19を具備し、更に分級
室32の左側には分級室32に開口する入気管14及び
15を設けてある。また、図2に示すように、入気管1
4及び15には、ダンパーの如き第1気体導入調節手段
20及び第2気体導入調節手段21と静圧計28及び2
9を設けてある。
【0218】分級エッジ17、18、Gブロック23及
び入気エッジ19の位置は、被分級処理原料であるトナ
ーの種類及び所望の粒径により調整される。
【0219】また、分級室32の上面にはそれぞれの分
画域に対応させて、分級室内に開口する排出口11、1
2及び13を有し、排出口11、12及び13にはパイ
プの如き連通手段が接続されており、それぞれにバルブ
手段の如き開閉手段を設けて良い。
【0220】原料供給ノズル16は直角筒部と角錘筒部
とからなり、直角筒部の内径と角錘筒部の最も狭い個所
の内径の比を20:1から1:1、好ましくは10:1
から2:1に設定すると、良好な導入速度が得られる。
【0221】以上の様に構成してなる多分割分級域での
分級操作は、例えば次の様にして行う。即ち、排出口1
1、12及び13の少なくとも一つを介して分級室内を
減圧し、分級室内に開口部を有する原料供給ノズル16
中を該減圧によって流動する気流と高圧エアー供給ノズ
ル41から噴射される圧縮エアーのエゼクター効果によ
り、好ましくは流速10〜350m/sの速度で粉体を
原料供給ノズル16を介して分級室に噴射し、分散す
る。
【0222】分級室に導入された粉体中の粒子は、コア
ンダブロック26のコアンダ効果による作用と、その際
流入する空気の如き気体の作用とにより湾曲面を描いて
移動し、それぞれの粒子の粒径及び慣性力の大小に応じ
て、大きい粒子(粗粒子)は気流の外側、すなわち分級
エッジ18の外側の第1分画、中間の粒子は分級エッジ
18と17の間の第2分画、小さい粒子は分級エッジ1
7の内側の第3分画に分級され、分級された大きい粒子
は排出口11より排出され、分級された中間の粒子は排
出口12より排出され、分級された小さい粒子は排出口
13よりそれぞれ排出される。
【0223】上記の粉体の分級において、分級点は、粉
体が分級室32内へ飛び出す位置であるコアンダブロッ
ク26の下端部分に対する分級エッジ17及び18のエ
ッジ先端位置によって主に決定される。更に、分級点
は、分級気流の吸引流量或いは原料供給ノズル16から
の粉体の噴出速度等の影響を受ける。
【0224】また、本発明のトナーの製造方法及び製造
システムにおいては、粉砕及び分級条件をコントロール
することにより、重量平均径が10μm以下(特に、8
μm以下)である粒径のシャープな粒度分布を有するト
ナーを効率良く生成することができる。
【0225】本発明のトナーの製造方法は、静電荷像を
現像するために使用されるトナー粒子の生成に好ましく
使用することができる。本発明のトナーを作製するに
は、結着樹脂と磁性酸化鉄を少なくとも含有する混合物
が材料として用いられるが、その他、必要に応じて着色
剤、荷電制御剤、及びその他の添加剤等が用いられる。
これらの材料をヘンシェルミキサー又はボールミルの如
き混合機により十分混合してから、ロール、ニーダー及
びエクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和
及び混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に、顔料又
は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕及び分
級を行ってトナーを得ることができる。
【0226】例えば混合機としては、ヘンシェルミキサ
ー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社
製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキ
サー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワ
ミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工
社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げら
れ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社
製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型
押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本
製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本
ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製
作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加
圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バン
バリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機
としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェッ
ト、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミ
ル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社
製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマ
ックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・
オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎
重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)が挙げら
れ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッ
シファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシ
ン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エンジ
ニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレッ
クス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン
社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパ
ージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);
YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒
などをふるい分けるために用いられる篩い装置として
は、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシー
ブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニ
ックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工
業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミ
クロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げ
られる。
【0227】本発明においては、この粉砕工程及び分級
工程に、上記で説明した構成の装置システムを用いるこ
とが好ましい。
【0228】次に、図11を参照しながら、本発明の画
像形成方法の一例を説明する。
【0229】一次帯電器702で感光ドラム1の表面を
負極性に帯電し、レーザ光による露光705によりイメ
ージスキャニングによりデジタル潜像を形成し、磁性ブ
レード711及び磁石714を内包している現像スリー
ブ704を具備する現像器709の一成分系磁性現像剤
710で該潜像を反転現像する。現像部において感光ド
ラム1の導電性基体は接地され、現像スリーブ704に
はバイアス印加手段712により交互バイアス、パルス
バイアス及び/または直流バイアスが印加されている。
転写紙Pが搬送されて、転写部にくるとローラ転写手段
702により転写紙Pの背面(感光ドラム側と反対面)
から電圧印加手段723で帯電することにより、感光ド
ラム701の表面上の現像画像(トナー像)が接触転写
手段702によって転写紙P上へ転写される。感光ドラ
ム701から分離された転写紙Pは、加熱加圧ローラ定
着器707により転写紙P上のトナー画像を定着するた
めに定着処理される。
【0230】転写工程後の感光ドラム701に残留する
一成分系現像剤は、クリーニングブレードを有するクリ
ーニング手段708で除去される。残留する一成分系現
像剤が少ない場合、クリーニング工程を省くことも可能
である。クリーニング後の感光ドラム701は、イレー
ス露光706により除電され、再度、一次帯電器702
による帯電工程から始まる工程が繰り返される。
【0231】感光ドラム(すなわち、静電荷像保持体)
は感光層及び導電性基体を有し、矢印方向に動く。トナ
ー担持体である非磁性円筒の現像スリーブ704は、現
像部において感光ドラム1の表面と同方向に進むように
回転する。現像スリーブ704の内部には、磁界発生手
段である多極永久磁石(マグネットロール)が回転しな
いように配されている。現像器709内の一成分系絶縁
性磁性現像剤710は非磁性円筒面上に塗布され、かつ
現像スリーブ704の表面と磁性トナー粒子との摩擦に
よって、磁性トナー粒子は、例えばマイナスのトリボ電
荷が与えられる。さらに鉄製の磁性ドクターブレード7
11を円筒表面に近接して(間隔50μm〜500μ
m)、多極永久磁石の一つの磁極位置に対向して配置す
ることにより、現像剤層の厚さを薄く(30μm〜30
0μm)かつ均一に規制して、現像部における感光ドラ
ム701と現像スリーブ704の間隙よりも薄い現像剤
層を形成する。現像スリーブ704の回転速度を調整す
ることにより、スリーブ表面速度が感光ドラム表面の速
度と実質的に等速、もしくはそれに近い速度となるよう
にする。磁性ドクターブレード711として鉄のかわり
に永久磁石を用いて対向磁極を形成してもよい。現像部
において現像スリーブ704に交流バイアスまたはパル
スバイアスをバイアス手段712により印加しても良
い。この交流バイアスはfが200〜4,000Hz、
Vppが500〜3,000Vであれば良い。
【0232】現像部における磁性トナー粒子の移転に際
し、感光ドラム表面の静電的力及び交流バイアスまたは
パルスバイアスの作用によって磁性トナー粒子は静電像
側に移転する。
【0233】磁性ドクターブレード711のかわりに、
シリコーンゴムのごとき弾性材料で形成された弾性ブレ
ードを用いて押圧によって現像剤層の層厚を規制し、現
像スリーブ上に現像剤を塗布しても良い。
【0234】図12には、バイアス印加手段743から
電圧を印加されている接触帯電手段742及びコロナ転
写手段733を有する画像形成装置が示されている。
【0235】図13には、接触帯電手段742及び接触
転写手段702を有する画像形成装置が示されている。
【0236】図14においては、702は転写ローラー
であり、中心の芯金702aとその外周を形成した導電
性弾性層702bとを基本構成とするものである。転写
ローラー702は、感光ドラム701の表面に押圧力を
もって転写材を圧接し、感光ドラム701の周速度と等
速度或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材はカ
イド744を通って感光ドラム701と転写ローラー7
02との間に搬送され、転写ローラー702にトナーと
逆極性のバイアスを転写バイアス印加手段723から印
加することによって感光ドラム701上のトナー画像が
転写材の表面側に転写される。次いで、転写材はガイド
745上に送られる。
【0237】導電性弾性層702bはカーボン等の導電
材を分散させたポリウレタン、エチレン−プロピレン−
ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体積抵抗106
〜1010Ωcm程度の弾性体でつくられている。
【0238】好ましい転写プロセス条件としては、ロー
ラーの当接圧が0.16×10-2〜24.5×10-2
Paで、直流電圧が±0.2〜±10kVである。
【0239】図15において、701は回転ドラム型の
静電荷像保持体(以下、感光ドラムと記す)であり、該
感光ドラム701はアルミニウム等の導電性基層701
aと、その外面に形成した光導電層701bとを基本構
成層とするものであり、図面上時計方向に所定の周速度
(プロセススピード)で回転される。
【0240】742は帯電ローラーであり、中心の芯金
742aとその外周を形成した導電性弾性層742bと
表面層742cとを基本構成とするものである。帯電ロ
ーラー742は、感光ドラム701の表面に押圧力をも
って圧接され、感光ドラム701の回転に伴い従動回転
する。帯電ローラー42は、バイアス印加手段Eにより
電圧が印加され、帯電ローラー742にバイアスが印加
されることで感光ドラム701の表面が所定の極性・電
位に帯電される。次いで画像露光によって静電荷像が形
成され、現像手段により静電荷像はトナー画像として順
次可視化されていく。
【0241】帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセ
ス条件としては、ローラーの当接圧が0.49×10-2
〜98×10-2MPaで、直流電圧に交流電圧を重畳し
たものを用いた時には、交流電圧=0.5〜5kVp
p、交流周波数=50〜5kHz、直流電圧=±0.2
〜±1.5kVであり、直流電圧を用いた時には、直流
電圧=±0.2〜±5kVである。
【0242】帯電ローラー及び帯電ブレードの材質とし
ては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を
設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩
化ビニリデン)などが適用可能である。
【0243】図16に、本発明のプロセスカートリッジ
の一具体例を示す。プロセスカートリッジは、現像手段
と静電荷像保持体とを少なくとも一体的にカートリッジ
化し、プロセスカートリッジは、画像形成装置本体(例
えば、複写機、レーザービームプリンター等)に着脱可
能なように形成される。
【0244】本実施例では、現像手段709、ドラム状
の静電荷像保持体(感光体ドラム)1、クリーニングブ
レード708aを有するクリーナ708、一次帯電器
(帯電ローラー)742を一体としたプロセスカートリ
ッジ750が例示される。
【0245】本実施例では、現像手段709は、磁性ブ
レード711とトナー容器760内に磁性トナー710
を有し、該磁性トナー710を用い、現像時には、バイ
アス印加手段からのバイアスにより感光ドラム701と
現像スリーブ704との間に所定の電界が形成され、現
像工程が好適に実施されるためには、感光ドラム701
と現像スリーブ704との間の距離は非常に大切であ
る。
【0246】
【実施例】以上本発明の基本的な構成と特色について述
べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明につい
て説明する。しかしながら、これによって本発明の実施
の態様がなんら限定されるものではない。
【0247】実施例に用いられる樹脂を表1に、ワック
スを表2に、磁性酸化鉄粒子を表3に記す。以下に結着
樹脂及び磁性酸化鉄粒子の製造法を示す。
【0248】<低分子量成分(B−1)の製造例>四つ
口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、撹拌し
ながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流
させる。
【0249】この還流下で、スチレン80質量部,アク
リル酸−n−ブチル20質量部及びジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド(開始剤1)2質量部の混合液を4時
間かけて滴下した後、2時間保持し重合を完了し、低分
子量重合体溶液(B−1)を得た。
【0250】<低分子量成分(B−2)の製造例>スチ
レン75質量部,アクリル酸−n−ブチル20質量部,
マレイン酸モノブチル5質量部,開始剤1を2.5質量
部用いて低分子量成分B−1の製造例と同様に重合を行
い、低分子量重合体溶液B−2を得た。
【0251】<低分子量成分(B−3)の製造例>スチ
レン80質量部,アクリル酸−n−ブチル20質量部,
開始剤1を1.5質量部用いて低分子量成分B−1の製
造例と同様に重合を行い、低分子量重合体溶液B−3を
得た。
【0252】<高分子量成分(A−1)の製造例>四つ
口フラスコ内に脱基水180質量部とポリビニルアルコ
ールの2質量%水溶液20質量部を投入した後、スチレ
ン70質量部,アクリル酸−n−ブチル26質量部,マ
レイン酸モノブチル4質量部,ジビニルベンゼン0.0
05質量部及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−
ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(開始剤
2)(半減期10時間温度;92℃)0.5質量部の混
合液を加え、撹拌し懸濁液とした。
【0253】フラスコ内を充分に窒素で置換した後、8
5℃まで昇温して、重合を開始した。同温度に24時間
保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時
間温度;72℃)0.5質量部を追加した。さらに、1
2時間保持して重合を完了した。その後、該高分子量重
合体を濾別し、水洗,乾燥し高分子量成分(A−1)を
得た。
【0254】<高分子量成分(A−2)の製造例>高分
子量成分(A−1)の製造例と同様にスチレン65質量
部,アクリル酸−n−ブチル22質量部,マレイン酸モ
ノブチル13質量部,ジビニルベンゼン0.005質量
部及び開始剤2を2.0質量部用いて高分子量成分(A
−2)を得た。
【0255】<高分子量成分(A−3)の製造例>高分
子量成分(A−1)の製造例と同様にスチレン70質量
部,アクリル酸−n−ブチル26質量部,マレイン酸モ
ノブチル4質量部,ジビニルベンゼン0.005質量部
及び開始剤2を1質量部用いて高分子量成分(A−3)
を得た。
【0256】<結着樹脂(C−1)の製造>四つ口フラ
スコ内に、上記低分子量成分(B−1)のキシレン溶液
200質量部(低分子量成分70質量部相当)を投入
し、昇温して還流下で撹拌する。一方、別容器に上記高
分子量成分(A−1)溶液200質量部(高分子量成分
30質量部相当)を投入し、還流させる。上記低分子量
成分(B−1)溶液と高分子量成分(A−1)溶液を還
流下で混合した後、有機溶剤を留去し、得られた樹脂を
冷却、固化後粉砕して結着樹脂(C−1)を得た。その
分子量分布,酸価等の結果を表1に示す。
【0257】<結着樹脂(C−2〜3)の製造例>高分
子量成分溶液及び高分子量成分重合体(A−2〜3)と
低分子量成分溶液(B−2〜3)を表1に示すように組
み合せ、結着樹脂(C−1)の製造例と同様にして、結
着樹脂(C−2〜3)を得た。その分子量分布,酸価等
の結果を表1に示す。
【0258】<結着樹脂(C−4)の製造例>低分子量
成分(B−1)の製造例と同様にスチレン70質量部,
アクリル酸−n−ブチル20質量部,マレイン酸モノブ
チル10質量部,ジビニルベンゼン0.005質量部及
び開始剤1を1質量部用いて合成した後、有機溶剤を留
去し、得られた樹脂を冷却、固化後粉砕して分子量分布
におけるピークが一つの結着樹脂(C−4)を得た。そ
の分子量分布,酸価等の結果を表1に示す。
【0259】・磁性酸化鉄粒子の製造例1 硫酸第一鉄溶液中に、Fe2+に対して0.95当量の水
酸化ナトリウム水溶液とを混合した後、Fe(OH)2
を含む第一鉄塩水溶液の生成を行った。その後、ケイ酸
ソーダを鉄元素に対してケイ素元素換算で、1.0質量
%となるように添加した。次いでFe(OH)2を含む
第一鉄塩水溶液に温度90℃において空気を通気してp
H6〜7.5の条件下で酸化反応をすることにより、ケ
イ素元素を含有する磁性酸化鉄粒子を生成した。さらに
この懸濁液に(鉄元素に対してケイ素元素換算)0.1
質量%のケイ酸ソーダを溶解した水酸化ナトリウム水溶
液を残存Fe2+に対して1.05当量添加して、さらに
温度90℃で加熱しながら、pH8〜11.5の条件下
で酸化反応してケイ素元素を含有した磁性酸化鉄粒子を
生成させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄
・ロ過・乾燥した。得られた磁性酸化鉄粒子の一次粒子
は、凝集して凝集体を形成しているので、ミックスマー
ラーを使用して磁性酸化鉄粒子の凝集体に圧縮力及びせ
ん断力を付与して、該凝集体を解砕して磁性酸化鉄粒子
を一次粒子にするとともに、磁性酸化鉄粒子の表面を平
滑にし、表3に示すような特性を有する磁性酸化鉄粒子
1を得た。磁性酸化鉄粒子の平均粒径は0.21μmで
あった。
【0260】・磁性酸化鉄粒子の製造例2 製造例1と同様、ケイ素元素量を変え製造例2の磁性酸
化鉄粒子2を得た。
【0261】・磁性酸化鉄粒子の製造例3,4 製造例2で得られた磁性酸化鉄粒子のロ過工程前に、ス
ラリー液中に硫酸アルミニウムを所定量加え、pHを6
〜8の範囲に調整して、水酸化アルミニウムとして、磁
性酸化鉄粒子の表面処理を行い製造例3,4の磁性酸化
鉄粒子3,4を得た。製造例3,4の磁性酸化鉄は、製
造例1と同様、ミックスマーラーによって圧密解砕処理
を行った。
【0262】・磁性酸化鉄粒子の製造例5,6 製造例1の第一段階の反応時に所定の全ケイ素含有量を
投入し、さらに、投入する水酸化ナトリウム水溶液をF
2+に対し1当量を超える量にし、pH調整を変えるこ
とにより製造例5,6の磁性酸化鉄5,6を得た。
【0263】・磁性酸化鉄粒子の製造例7 製造例1と同様の製造方法で、添加するケイ酸ソーダの
かわりにリン酸ソーダを鉄元素に対してリン元素換算で
1.2質量%となるように添加し、磁性酸化鉄粒子7を
得た。
【0264】 [実施例1] ・結着樹脂C−1 100質量部 ・磁性酸化鉄粒子3 90質量部 ・ワックスc 4質量部 ・アゾ系鉄錯体化合物A 2質量部 上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130
℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練し
た。
【0265】得られた混練物を冷却し、カッターミルに
て1mm以下に粗粉砕し、トナー製造用粉体原料である
粗粉砕物を得た。得られた粉体原料を図2に示す機械式
粉砕機301で微粉砕し、得られた微粉砕品を図2に示
す多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.8μ
mのトナー粒子を得た。本実施例では、機械式粉砕機3
01の回転子314及び固定子310の粉砕面を粗面化
処理することによりその表面粗さ、中心線粗さRaを
5.9μm、最大粗さRyを32.4μm、十点平均粗
さを21.4μmとし、窒化により耐摩耗処理を行っ
た。また、回転子314の周速を117m/s、回転子
314と固定子310の間隙を1.3mmとして粉砕し
た。尚、この際、入口温度T1は−10℃、出口温度T
2は42℃であった。
【0266】この得られたトナー粒子100質量部に対
し、ヘキサメチルジシラザン15質量%とジメチルシリ
コーン15質量%で疎水化処理したメタノールウェッタ
ビリティ80%,BET比表面積120m2/gの疎水
性シリカ微粉体を1.2質量部とチタン酸ストロンチウ
ム1.0質量部を外添混合してトナーNo.1を調製し
た。
【0267】トナー内添処方、粉砕条件及び物性値を表
4に記し、トナー1の円形度と平均粒子径の関係を図1
7グラフ1に示す。
【0268】このトナー1を、市販のLBPプリンター
(LBP−930,キヤノン社製)を1.5倍のプリン
トスピードに改造し、15℃,10%RHの環境と30
℃,80%RHの環境で1万5千枚のプリント試験を行
った。さらに、熱ロール定着器が用いられているこのL
BP930の定着器を外部へ取り出し、プリンター外で
も動作し、定着ローラー温度を任意に設定可能にし、プ
ロセススピードを235mm/sとなるように改造した
外部定着器を用い、定着性,耐オフセット性の評価を行
った。その評価結果を表5〜7に示す。
【0269】定着性は、ベタ黒画像を150℃に温調し
た定着器に通し、0.49×10-2MPaの荷重をか
け、シルボン紙によりその定着画像を摺擦し、摺擦前後
での画像濃度の低下率(%)で評価した。 ○(良):10%未満 △(可):10%以上、20%未満 ×(不可):20%以上
【0270】耐オフセット性は、画像面積率約5%のサ
ンプル画像をプリントアウトし、3000枚後の画像上
の汚れの程度により評価した。 ○:良好 △:わずかに汚れる程度 ×:画像に影響する汚れ発生
【0271】画像濃度はマクベス濃度計(マクベス社
製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度測定を行
い、5mm角の画像を測定した。カブリは反射濃度計
(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電
色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度最
悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDr
とし、Ds−Drをカブリ量としてカブリの評価を行っ
た。数値の少ない方がカブリ抑制が良い。画質の評価と
しては、孤立ドット100個画像形成し、100個のう
ち何ドット表すことができたかによって評価する。ドッ
ト再現数が多い方が高画質といえるものである。
【0272】これらの評価を、初期、15000枚時、
機外に一日放置した後に行った。
【0273】また、市販のLBPプリンター(LBP−
930,キヤノン社製)を1.5倍のプリントスピード
に改造し、30℃,80%RHの環境で1万5千枚のプ
リント試験を行った後、現像剤担持体へのトナーの付着
度合いを評価した。 ○:良好 △:わずかに付着した程度 ×:ベタ黒画像上に筋として現れる程に付着
【0274】また、15℃,10%RHの環境で1万5
千枚のプリント試験を行った後、帯電部材へのトナーの
付着度合いを評価した。 ○:良好 △:わずかに付着した程度 ×:ハーフトーン画像上にむらとして現れる程に付着
【0275】また、市販のLBPプリンター(LBP−
930,キヤノン社製)を1.5倍のプリントスピード
に改造し、その定着器のクリーニングローラーを取り除
き、15℃,10%RHの環境下で1分間隔で5枚プリ
ントアウトするように設定した状態で15000枚プリ
ントアウトし、その後の定着ローラーと加圧ローラーへ
のトナーの付着度合いを評価した。尚、評価紙はカンガ
スキヤノンペーパー(80g/m2)を使用した。 ○:良好 △:わずかに付着した程度 ×:付着したトナーが朝一プリントアウト時に画像上に
吐き出されてしまう状態
【0276】転写効率の評価については、市販のLBP
プリンター(LBP−930,キヤノン社製)で23
℃,65%RHの環境下で初期及び1万枚耐久後の転写
性変動を評価した。転写紙としては75g/cm2の普
通紙を使用した。転写性はベタ黒の感光体上の転写残ト
ナー及び転写前トナーをポリエステルテープによりテー
ピングして剥ぎ取り、紙上に貼ったもののマクベス濃度
からテープのみを貼ったもののマクベス濃度を差し引い
た数値から計算して評価した。
【0277】[実施例2]表4に記載の処方で実施例1
と同様にトナーNo2を作製した。但し、回転子314
の周速を125m/s、回転子314と固定子310の
間隙を1.3mmとして粉砕した。尚、この際、入口温
度T1は−10℃、出口温度T2は37℃であった。但
し、トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシ
ラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎
水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BE
T比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体1.2
質量部とチタン酸ストロンチウム0.8質量部を外添混
合してトナーNo.2を調製した。このようにして得ら
れたトナーの物性値を表4に示し、トナー2の円形度と
平均粒子径の関係を図17グラフ1に示す。また、同様
の試験をした結果を表5〜7に示す。
【0278】[実施例3]表4に記載の処方で実施例1
と同様にトナーNo3を作製した。但し、回転子314
の周速を114m/s、回転子314と固定子310の
間隙を1.3mmとして粉砕した。尚、この際、入口温
度T1は−10℃、出口温度T2は45℃であった。但
し、トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシ
ラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎
水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BE
T比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.
0質量部とチタン酸ストロンチウム2.0質量部を外添
混合してトナーNo.3を調製した。このようにして得
られたトナーの物性値を表4に示し、トナー3の円形度
と平均粒子径の関係を図18グラフ2に示す。また、同
様の試験をした結果を表5〜7に示す。
【0279】[実施例4]表4に記載の処方で実施例1
と同様にトナーNo4を作製した。但し、回転子314
の周速を150m/s、回転子314と固定子310の
間隙を1.3mmとして粉砕した。尚、この際、入口温
度T1は−10℃、出口温度T2は63℃であった。但
し、トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシ
ラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎
水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BE
T比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.
2質量部とチタン酸ストロンチウム0.8質量部を外添
混合してトナーNo.4を調製した。このようにして得
られたトナーの物性値を表4に示し、トナー4の円形度
と平均粒子径の関係を図17グラフ1に示す。また、同
様の試験をした結果を表5〜7に示す。
【0280】[実施例5]表4に記載の処方で実施例1
と同様にトナーNo5を作製した。但し、回転子314
の周速を90m/s、回転子314と固定子310の間
隙を1.3mmとして粉砕した。尚、この際、入口温度
T1は−10℃、出口温度T2は30℃であった。但
し、トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシ
ラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎
水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BE
T比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.
2質量部とチタン酸ストロンチウム2.4質量部を外添
混合してトナーNo.5を調製した。このようにして得
られたトナーの物性値を表4に示し、トナー5の円形度
と平均粒子径の関係を図18グラフ2に示す。また、同
様の試験をした結果を表5〜7に示す。
【0281】[実施例6]表4に記載の処方で実施例1
と同様にトナーNo6を作製した。但し、回転子314
の周速を144m/s、回転子314と固定子310の
間隙を1.3mmとして粉砕した。尚、この際、入口温
度T1は−10℃、出口温度T2は60℃であった。但
し、トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシ
ラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎
水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BE
T比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.
0質量部とチタン酸ストロンチウム2.4質量部を外添
混合してトナーNo.6を調製した。このようにして得
られたトナーの物性値を表4に示し、トナー6の円形度
と平均粒子径の関係を図18グラフ2に示す。また、同
様の試験をした結果を表5〜7に示す。
【0282】[実施例7]表4に記載の処方で実施例1
と同様にトナーNo7を作製した。但し、回転子314
の周速を115m/s、回転子314と固定子310の
間隙を1.3mmとして粉砕した。尚、この際、入口温
度T1は−10℃、出口温度T2は40℃であった。但
し、トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシ
ラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎
水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BE
T比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.
2質量部とチタン酸ストロンチウム0.4質量部を外添
混合してトナーNo.7を調製した。このようにして得
られたトナーの物性値を表4に示し、トナー7の円形度
と平均粒子径の関係を図17グラフ1に示す。また、同
様の試験をした結果を表5〜7に示す。
【0283】[比較例1]表4に記載の処方で実施例1
と同様にトナーNo8を作製した。但し、回転子314
の周速を95m/s、回転子314と固定子310の間
隙を1.3mmとして粉砕した。尚、この際、入口温度
T1は−10℃、出口温度T2は32℃であった。但
し、トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシ
ラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎
水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,BE
T比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.
2質量部とチタン酸ストロンチウム2.0質量部を外添
混合してトナーNo.8を調製した。このようにして得
られたトナーの物性値を表4に示し、トナー8の円形度
と平均粒子径の関係を図18グラフ2に示す。また、同
様の試験をした結果を表5〜7に示す。
【0284】[比較例2]表4に記載の処方でトナーN
o9を作製した。粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微
粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を
利用した多分割分級機を用いて分級した。但し、トナー
粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザン15
質量%とジメチルシリコーン15質量%で疎水化処理し
たメタノールウェッタビリティ80%,BET比表面積
120m2/gの疎水性シリカ微粉体を1.2質量部と
チタン酸ストロンチウム1.0質量部を外添混合してト
ナーNo.9を調製した。このようにして得られたトナ
ーの物性値を表4に示し、トナー9の円形度と平均粒子
径の関係を図17グラフ1に示す。また、同様の試験を
した結果を表5〜7に示す。
【0285】[比較例3]表4に記載の処方でトナーN
o10を作製した。粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた
微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果
を利用した多分割分級機を用いて分級し、分級後にハイ
ブリタイザーにより粒子の形状及び表面性を改質した。
但し、トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジ
シラザン15質量%とジメチルシリコーン15質量%で
疎水化処理したメタノールウェッタビリティ80%,B
ET比表面積120m2/gの疎水性シリカ微粉体を
1.2質量部とチタン酸ストロンチウム1.0質量部を
外添混合してトナーNo.11を調製した。このように
して得られたトナーの物性値を表4に示し、トナー10
の円形度と平均粒子径の関係を図17グラフ1に示す。
また、同様の試験をした結果を表5〜7に示す。
【0286】
【表1】
【0287】
【表2】
【0288】
【表3】
【0289】
【表4】
【0290】
【化23】
【0291】
【表5】
【0292】
【表6】
【0293】
【表7】
【0294】
【発明の効果】本発明によれば、特定の磁性酸化鉄の遊
離数をもつトナーによって定着器の構成に関わらず定着
器部材への付着を防止し、高湿下及び低湿下で使用して
も高い画像品質が安定して得られ、経時において画像欠
陥を生じず、さらに定着性を損なうことなく転写効率が
向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの製造方法を説明するためのフ
ローチャートである。
【図2】本発明のトナーの製造方法を実施するための装
置システムの一具体例を示す概略図である。
【図3】本発明のトナーの粉砕工程において使用される
一例の機械式粉砕機の概略断面図である。
【図4】図3におけるD−D’面での概略的断面図であ
る。
【図5】図3に示す回転子の斜視図である。
【図6】本発明のトナーの分級工程に用いられる多分割
気流式分級装置の概略断面図である。
【図7】従来の製造方法を説明するためのフローチャー
トである。
【図8】従来の製造方法を示すシステム図である。
【図9】従来の衝突式気流粉砕機の概略断面図である。
【図10】従来の第2分級手段に用いられる多分割気流
式分級装置の概略断面図である。
【図11】本発明の磁性トナーを用いて画像形成を行う
のに好適な画像形成装置の一例を示す該略図である。
【図12】好適な画像形成装置の一例を示す概略図であ
る。
【図13】好適な画像形成装置の他の例を示す概略図で
ある。
【図14】転写装置の概略を示した図である。
【図15】帯電ローラーの概略を示した図である。
【図16】本発明のプロセスカートリッジの一例を示す
説明図である。
【図17】グラフ1:円形度と平均粒子径の関係を示す
図である。
【図18】グラフ2:円形度と平均粒子径の関係を示す
図である。
【符号の説明】
1 多分割分級機 2 第2定量供給機 3 振動フィーダー 4,5,6 補集サイクロン 11,12,13 排出口 11a,12a,13a 排出導管 14,15 入気管 16 原料供給ノズル 17,18 分級エッジ 19 入気エッジ 20 第1気体導入調節手段 21 第2気体導入調節手段 22,23 側壁 24,25 分級エッジブロック 26 コアンダブロック 27 左部ブロック 28,29 静圧計 30 分級域 32 分級室 40 原料供給口 41 高圧エアーノズル 42 原料粉体導入ノズル 52 第1分級機 57 多分割分級機(第2分級機) 58 気流式粉砕機 65 インジェクションフィーダー 123 補集サイクロン 124 第2定量供給機 125 振動フィーダー 129,130,131 補集サイクロン 135 インジェクションフィーダー 141,142 側壁 143,144 分級エッジブロック 145 コアンダブロック 146,147 分級エッジ 148,149 原料供給管 150 分級室上部壁 151 入気エッジ 153 入気管 154,155 気体導入調節手段 156,157 静圧計 158,159,160 排出口 161 高圧気体供給ノズル 162 加速管 163 加速管出口 164 衝突部材 165 原料供給口 166 衝突面 167 粉砕物排出口 212 渦巻室 219 パイプ 220 ディストリビュータ 222 バグフィルター 224 吸引フィルター 229 補集サイクロン 301 機械式粉砕機 302 粉体排出口 310 固定子 311 粉体投入口 312 回転軸 313 ケーシング 314 回転子 315 第1定量供給機 316 ジャケット 317 冷却水供給口 318 冷却水排出口 320 後室 321 冷風発生手段 331 第3定量供給機 701 潜像担持体(感光体) 702 転写ローラー 702a 芯金 702b 導電性弾性層 704 現像スリーブ(現像剤担持体) 705 露光 709 現像器 711 磁性ブレード 723 定電圧電源 742 帯電ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小沼 努 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 中西 恒雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 平塚 香織 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 粕谷 貴重 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA06 CA04 CA14 CA22 CA25 CB03 CB07 DA01 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10

Claims (52)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂と磁性酸化鉄を有す
    るトナーにおいて、 該トナーが、GPCにより測定される分子量分布におい
    て、分子量3,000〜30,000の領域に少なくと
    も一つピークを有し、さらに分子量100,000〜
    5,000,000の領域に少なくとも一つピークを有
    しており、 遊離した磁性酸化鉄が該トナー粒子10,000個当た
    り70〜300個存在し、 該トナーの重量平均粒子径が5μm〜12μmであり、
    かつ該トナーの3μm以上の粒子において、下記式
    (1)より求められる円形度aが0.900以上の粒子
    を個数基準の累積値で90%以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕 且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
    (2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
    /μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
    /μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足する
    か; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m]或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
    (5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
    る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m]ことを特徴とする乾式トナー。
  2. 【請求項2】 該磁性酸化鉄の表面が酸化物あるいは水
    酸化物である磁性酸化鉄であり、該磁性酸化鉄が、結着
    樹脂100質量部に対し20〜200質量部含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の乾式トナー。
  3. 【請求項3】 該磁性酸化鉄が鉄元素基準で異種元素を
    0.05〜10質量%で含有し、かつ該磁性酸化鉄の最
    表面Fe/異種元素 原子比が1.0〜4.5であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の乾式トナー。
  4. 【請求項4】 該磁性酸化鉄の平滑度が0.2〜0.9
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記
    載の乾式トナー。
  5. 【請求項5】 該磁性酸化鉄の比表面積が20.0m2
    /g以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れかに記載の乾式トナー。
  6. 【請求項6】 該磁性酸化鉄が鉄元素基準でアルミニウ
    ム元素に換算して0.01〜2.0質量%のアルミニウ
    ム化合物を含有していることを特徴とする請求項1乃至
    5のいずれかに記載の乾式トナー。
  7. 【請求項7】 該磁性酸化鉄の最表面におけるFe/A
    l原子比が0.3〜10.0であることを特徴とする請
    求項6に記載の乾式トナー。
  8. 【請求項8】 該結着樹脂がカルボキシル基又は酸無水
    物基を有し、その酸価が1〜100mgKOH/gであ
    ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の
    乾式トナー。
  9. 【請求項9】 該結着樹脂のカルボキシル基又は酸無水
    物基が、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、無水
    マレイン酸の少なくとも1種以上から選択される酸モノ
    マーから生成されたものであることを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれかに記載の乾式トナー。
  10. 【請求項10】 該結着樹脂がスチレン系共重合体であ
    ることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の
    乾式トナー。
  11. 【請求項11】 該トナーが荷電制御剤として下記
    (I)式で示されるアゾ系金属錯体化合物を含有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の乾
    式トナー。 【化1】
  12. 【請求項12】 該トナーが荷電制御剤として、下記
    (II)式で示される塩基性有機金属化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の
    乾式トナー。 【化2】
  13. 【請求項13】 該トナーが荷電制御剤として、下記
    (III)式で示されるアゾ系鉄錯体化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の
    乾式トナー。 【化3】
  14. 【請求項14】 該トナーが荷電制御剤として、下記
    (IV)式で示されるアゾ系鉄錯体化合物を含有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の乾
    式トナー。 【化4】
  15. 【請求項15】 該トナーが離型剤を結着樹脂100質
    量部に対し0.2〜20質量部含有してることを特徴と
    する請求項1乃至14のいずれかに記載の乾式トナー。
  16. 【請求項16】 該離型剤の融点が65〜160℃であ
    ることを特徴とする請求項15に記載の乾式トナー。
  17. 【請求項17】 該離型剤のDSC曲線における昇温時
    のオンセット温度が65℃〜110℃であり、ピーク温
    度が70℃〜120℃の範囲であることを特徴とする請
    求項15又は16に記載の乾式トナー。
  18. 【請求項18】 画像形成装置本体に着脱可能なプロセ
    スカートリッジにおいて、静電荷像保持体と該静電荷像
    保持体に形成された静電荷像を現像剤を用いて現像する
    現像手段とを有し、該現像剤は少なくとも結着樹脂と磁
    性酸化鉄を有する乾式トナーを有しており、該トナー
    が、GPCにより測定される分子量分布において、分子
    量3,000〜30,000の領域に少なくとも一つピ
    ークを有し、さらに分子量100,000〜5,00
    0,000の領域に少なくとも一つピークを有してお
    り、遊離した磁性酸化鉄が該トナー粒子10,000個
    当たり70〜300個存在し、該トナーの重量平均粒子
    径が5μm〜12μmであり、かつ該トナーの3μm以
    上の粒子において、下記式(1)より求められる円形度
    aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で90%
    以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕 且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
    (2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
    /μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
    /μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足する
    か; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m]或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
    (5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
    る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m]ことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  19. 【請求項19】 静電荷像担持体が感光ドラムであるこ
    とを特徴とする請求項18に記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  20. 【請求項20】 該磁性酸化鉄の表面が酸化物あるいは
    水酸化物である磁性酸化鉄であり、該磁性酸化鉄が、結
    着樹脂100質量部に対し20〜200質量部含有する
    ことを特徴とする請求項18又は19に記載のプロセス
    カートリッジ。
  21. 【請求項21】 該磁性酸化鉄が鉄元素基準で異種元素
    を0.05〜10質量%で含有し、かつ該磁性酸化鉄の
    最表面Fe/異種元素 原子比が1.0〜4.5である
    ことを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載
    のプロセスカートリッジ。
  22. 【請求項22】 該磁性酸化鉄の平滑度が0.2〜0.
    9であることを特徴とする請求項18乃至21のいずれ
    かに記載のプロセスカートリッジ。
  23. 【請求項23】 該磁性酸化鉄の比表面積が20.0m
    2/g以下であることを特徴とする請求項18乃至22
    のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  24. 【請求項24】 該磁性酸化鉄が鉄元素基準でアルミニ
    ウム元素に換算して0.01〜2.0質量%のアルミニ
    ウム化合物を含有していることを特徴とする請求項18
    乃至23に記載のプロセスカートリッジ。
  25. 【請求項25】 該磁性酸化鉄の最表面におけるFe/
    Al原子比が0.3〜10.0であることを特徴とする
    請求項24に記載のプロセスカートリッジ。
  26. 【請求項26】 該結着樹脂がカルボキシル基又は酸無
    水物基を有し、その酸価が1〜100mgKOH/gで
    あることを特徴とする請求項18乃至25のいずれかに
    記載のプロセスカートリッジ。
  27. 【請求項27】 該結着樹脂のカルボキシル基又は酸無
    水物基が、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、無
    水マレイン酸の少なくとも1種以上から選択される酸モ
    ノマーから生成されたものであることを特徴とする請求
    項18乃至26のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  28. 【請求項28】 該結着樹脂がスチレン系共重合体であ
    ることを特徴とする請求項18乃至27のいずれかに記
    載のプロセスカートリッジ。
  29. 【請求項29】 該荷電制御剤が、下記(I)式で示さ
    れるアゾ系金属錯体化合物を含有することを特徴とする
    請求項18乃至28のいずれかに記載のプロセスカート
    リッジ。 【化5】
  30. 【請求項30】 該荷電制御剤が、下記(II)式で示
    される塩基性有機金属化合物を含有することを特徴とす
    る請求項18乃至28のいずれかに記載のプロセスカー
    トリッジ。 【化6】
  31. 【請求項31】 該荷電制御剤が、下記(III)式で
    示されるアゾ系鉄錯体化合物を含有することを特徴とす
    る請求項18乃至28のいずれかに記載のプロセスカー
    トリッジ。 【化7】
  32. 【請求項32】 該荷電制御剤が、下記(IV)式で示
    されるアゾ系鉄錯体化合物を含有することを特徴とする
    請求項18乃至28のいずれかに記載のプロセスカート
    リッジ。 【化8】
  33. 【請求項33】 該離型剤が結着樹脂100質量部に対
    し0.2〜20質量部含有してることを特徴とする請求
    項18乃至32のいずれかに記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  34. 【請求項34】 該離型剤の融点が65〜160℃であ
    ることを特徴とする請求項33に記載のプロセスカート
    リッジ。
  35. 【請求項35】 該離型剤のDSC曲線における昇温時
    のオンセット温度が65℃〜110℃であり、ピーク温
    度が70℃〜120℃の範囲であることを特徴とする請
    求項33又は34に記載のプロセスカートリッジ。
  36. 【請求項36】 静電荷像保持体に静電荷像を形成し、
    静電荷像を現像手段に保有されている乾式トナーで現像
    してトナー像を形成する画像形成方法において、 静電荷像を現像するための乾式トナーは少なくとも結着
    樹脂と磁性酸化鉄を含有しており、 該トナーが、GPCにより測定される分子量分布におい
    て、分子量3,000〜30,000の領域に少なくと
    も一つピークを有し、さらに分子量100,000〜
    5,000,000の領域に少なくとも一つピークを有
    しており、遊離した磁性酸化鉄が該トナー粒子10,0
    00個当たり70〜300個存在し、該トナーの重量平
    均粒子径が5μm〜12μmであり、かつ該トナーの3
    μm以上の粒子において、下記式(1)より求められる
    円形度aが0.900以上の粒子を個数基準の累積値で
    90%以上有し、 円形度a=L0/L (1) 〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長
    を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。〕 且つ a)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が下記式
    (2)を満足し、 カット率Z≦5.3×X (2) [但し、カット率Zは、全測定粒子の粒子濃度A(個数
    /μl)、円相当径3μm以上の測定粒子濃度B(個数
    /μl)とした時、式(3)で表される。 Z=(1−B/A)×100 (3)] 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(4)を満足する
    か; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.51×X-0.645 (4) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m] 或いは、 b)カット率Zとトナー重量平均径Xの関係が、下記式
    (5)を満足し、 カット率Z>5.3×X (5) 且つ、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y
    とトナー重量平均径Xの関係が下記式(6)を満足す
    る; 円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値Y≧exp5.37×X-0.545 (6) [但し、トナー重量平均粒子径X:5.0〜12.0μ
    m]ことを特徴とする画像形成方法。
  37. 【請求項37】 該磁性酸化鉄の表面が酸化物あるいは
    水酸化物である磁性酸化鉄であり、該磁性酸化鉄が、結
    着樹脂100質量部に対し20〜200質量部含有する
    ことを特徴とする請求項36に記載の画像形成方法。
  38. 【請求項38】 該磁性酸化鉄が鉄元素基準で異種元素
    を0.05〜10質量%で含有し、かつ該磁性酸化鉄の
    最表面Fe/異種元素 原子比が1.0〜4.5である
    ことを特徴とする請求項36又は37に記載の画像形成
    方法。
  39. 【請求項39】 該磁性酸化鉄の平滑度が0.2〜0.
    9であることを特徴とする請求項36乃至38のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  40. 【請求項40】 該磁性酸化鉄の比表面積が20.0m
    2/g以下であることを特徴とする請求項36乃至39
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 該磁性酸化鉄が鉄元素基準でアルミニ
    ウム元素に換算して0.01〜2.0質量%のアルミニ
    ウム化合物を含有していることを特徴とする請求項36
    乃至40のいずれかに記載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 該磁性酸化鉄の最表面におけるFe/
    Al原子比が0.3〜10.0であることを特徴とする
    請求項41に記載の画像形成方法。
  43. 【請求項43】 該結着樹脂がカルボキシル基又は酸無
    水物基を有し、その酸価が1〜100mgKOH/gで
    あることを特徴とする請求項36乃至42のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  44. 【請求項44】 該結着樹脂のカルボキシル基又は酸無
    水物基が、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、無
    水マレイン酸の少なくとも1種以上から選択される酸モ
    ノマーから生成されたものであることを特徴とする請求
    項36乃至43のいずれかに記載の画像形成方法。
  45. 【請求項45】 該結着樹脂がスチレン系共重合体であ
    ることを特徴とする請求項36乃至44のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 該荷電制御剤が、下記(I)式で示さ
    れるアゾ系金属錯体化合物を含有することを特徴とする
    請求項36乃至45のいずれかに記載の画像形成方法。 【化9】
  47. 【請求項47】 該荷電制御剤が、下記(II)式で示
    される塩基性有機金属化合物を含有することを特徴とす
    る請求項36乃至45のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【化10】
  48. 【請求項48】 該荷電制御剤が、下記(III)式で
    示されるアゾ系鉄錯体化合物を含有することを特徴とす
    る請求項36乃至45のいずれかに記載の画像形成方
    法。 【化11】
  49. 【請求項49】 該荷電制御剤が、下記(IV)式で示
    されるアゾ系鉄錯体化合物を含有することを特徴とする
    請求項36乃至45のいずれかに記載の画像形成方法。 【化12】
  50. 【請求項50】 該離型剤が結着樹脂100質量部に対
    し0.2〜20質量部含有してることを特徴とする請求
    項36乃至49に記載の画像形成方法。
  51. 【請求項51】 該離型剤の融点が65〜160℃であ
    ることを特徴とする請求項50に記載の画像形成方法。
  52. 【請求項52】該離型剤のDSC曲線における昇温時の
    オンセット温度が65℃〜110℃であり、ピーク温度
    が70℃〜120℃の範囲であることを特徴とする請求
    項50又は51に記載の画像形成法。
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