JP2002182396A - 感光性樹脂積層体 - Google Patents

感光性樹脂積層体

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JP2002182396A
JP2002182396A JP2000383990A JP2000383990A JP2002182396A JP 2002182396 A JP2002182396 A JP 2002182396A JP 2000383990 A JP2000383990 A JP 2000383990A JP 2000383990 A JP2000383990 A JP 2000383990A JP 2002182396 A JP2002182396 A JP 2002182396A
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meth
photosensitive
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acrylate
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JP2000383990A
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Satoshi Takahashi
敏 高橋
Koji Ogi
浩二 小木
Yuji Taguchi
祐二 田口
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着層が、感光層と支持体の間に十分な接着
強度を付与し、かつ印刷用インキやインキ洗浄液に含有
される有機溶剤に対する耐性が十分であるような、感光
性樹脂積層体を提供する。 【解決手段】 感光性樹脂組成物からなる感光層を、接
着層を介して支持体上に積層してなる感光性樹脂積層体
において、当該接着層が、分子両末端に水酸基を有する
ポリエステル樹脂と多価イソシアネート化合物とを含有
する組成物からなり、かつ当該ポリエステル樹脂末端の
水酸基の数と、当該多価イソシアネート化合物中のイソ
シアナト基の数の比が、1:5〜1:30の範囲内であ
ることを特徴とする感光性樹脂積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性樹脂積層体
に関し、より詳しくは、感光層と支持体の間に形成され
た接着層の特性が改良された感光性樹脂積層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】感光性樹脂積層体において、感光層と支
持体間の接着性を良好とするために、それらの間に接着
層を形成することが知られている。例えば、特開昭60
−146235号公報には、接着層の構成成分として、
飽和ポリエステル、多価イソシアネートおよびエチレン
性不飽和化合物を含有することが開示されている。
【0003】上記の接着層は、感光層と支持体の間に十
分な接着強度を付与するが、印刷用インキや印刷後のイ
ンキ洗浄に使用される液に含有される有機溶剤に対する
耐性が不十分であり、露光、現像した後、印刷時や印刷
後の洗浄時にパターン(露光後の感光層)の脱落が生じ
て良好な印刷を行うことができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決しようとするものであり、その目的は、接着層が、
感光層と支持体の間に十分な接着強度を付与し、かつ印
刷用インキやインキ洗浄液に含有される有機溶剤に対す
る耐性が十分であるような、感光性樹脂積層体を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題に対し、本発明
者らが鋭意検討した結果、接着層中の、ポリエステル樹
脂の水酸基と多価イソシアネートのイソシアナト基の比
率を特定の範囲とするにより、上記課題を達成できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は以下の通りである。 (1) 感光性樹脂組成物からなる感光層を、接着層を介し
て支持体上に積層してなる感光性樹脂積層体において、
当該接着層が、分子両末端に水酸基を有するポリエステ
ル樹脂と多価イソシアネート化合物とを含有する組成物
からなり、かつ当該ポリエステル樹脂末端の水酸基の数
と、当該多価イソシアネート化合物中のイソシアナト基
の数の比が、1:5〜1:30の範囲内であることを特
徴とする感光性樹脂積層体。 (2) ポリエステル樹脂が数平均分子量10000〜30
000の線状ポリエステル樹脂である、請求項1に記載
の感光性樹脂積層体。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂積層体は、接着層を介して感光層を
支持体上に積層してなる積層体である。
【0008】感光層 感光層は、可溶性高分子化合物、光重合性不飽和化合物
および光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物からな
る。
【0009】本発明で使用できる可溶性高分子化合物と
は、溶剤(現像液)に分散もしくは溶解できる高分子化
合物をいい、特に、水に分散もしくは溶解できる高分子
化合物が好ましい。またその数平均分子量は1万以上、
特に1万5000以上のものが好ましい。例えば、ポリ
アミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニルアル
コール、ポリビニルエーテル、ポリ(メタ)アクリル酸
エステル類、ポリウレア、ポリビニルピロリドン、セル
ロース誘導体、ポリブタジエン共重合体等が挙げられ
る。また、これらの高分子化合物に光重合性不飽和基を
導入した高分子化合物も使用可能である。
【0010】本発明で使用できる光重合性不飽和化合物
は、分子内に光重合可能な不飽和基を1個以上含有する
化合物(単量体)であり、公知のものが使用できる。具
体的には、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、ベンジルアクリレート、クロトン酸メチル、クロ
トン酸エチル、クロトン酸プロピル、クロトン酸ブチ
ル、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸プロピ
ル、ケイ皮酸ブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸
ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、
フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸アリルなどのほか、N
−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2
−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミ
ド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、クロトン酸
2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシプロ
ピル、ケイ皮酸2−ヒドロキシエチル、ケイ皮酸2−ヒ
ドロキシプロピル、クロトン酸N−ヒドロキシメチルア
ミド、ケイ皮酸N−(2−ヒドロキシエチル)アミド、
アリルアルコール、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒド
ロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、エチレング
リコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量
体;ビニルアミン、アリルアミン、o−アミノスチレ
ン、m−アミノスチレン、p−アミノスチレン、2−ア
ミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル
(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有単量体;グリ
シジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ルなどのエポキシ基含有単量体;アクロレイン、ビニル
メチルケトンなどのカルボニル基含有単量体;エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオールなどのアルキレングリコールのジ(メタ)アク
リレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールなどのポリアルキレングリコールのジ(メ
タ)アクリレート類;両末端ヒドロキシポリブタジエ
ン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキ
シブタジエン−アクリロニトリル共重合体、両末端ヒド
ロキシポリカプロラクトンなどの両末端に水酸基を有す
る重合体のジ(メタ)アクリレート類;グリセリン、
1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカ
ン(アルカンの炭素数は例えば1〜3)、テトラメチロ
ールアルカン(アルカンの炭素数は例えば1〜3)、ペ
ンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール
の、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレー
ト、テトラ(メタ)アクリレートなどのオリゴ(メタ)
アクリレート類;3価以上の多価アルコールのポリアル
キレングリコール付加物のオリゴ(メタ)アクリレート
類;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼ
ンジオールなどの環状多価アルコールのオリゴ(メタ)
アクリレート類;ポリエステル(メタ)アクリレート、
ポリエポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メ
タ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレー
ト、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹
脂(メタ)アクリレートなどのオリゴ(メタ)アクリレ
ートプレポリマー類;N,N−メチレンビス(メタ)ア
クリルアミド、N,N−エチレンビス(メタ)アクリル
アミド、N,N−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリル
アミドなどのビス(メタ)アクリルアミド類;ジビニル
ベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベン
ゼンなどのポリビニル芳香族化合物;ジビニルフタレー
ト、ジアリルフタレートなどの多価カルボン酸の不飽和
アルコールエステル類;ジビニルエーテル、ジアリルエ
ーテルなどの多官能性不飽和エーテル類;エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテルなどの多価グリシジルエーテル
に、不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレ
ン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させ
て得られる多価アクリレートやメタアクリレート;グリ
シジルアクリレートなどの不飽和エポキシ化合物と、カ
ルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物の付
加反応物;不飽和ポリエステル、不飽和ポリウレタンな
どである。これらの単量体は単独あるいは2種以上混合
して使用することができる。特に、グリシジル(メタ)
アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキ
シ基含有単量体を用いるのが好ましく、これにより、微
小な点や極細線などの再現性が良好なレリーフ版を得る
ことができるとともに、感光性樹脂積層体を長期保存後
も高精細画像を安定に形成し得るレリーフ版を得ること
ができ、しかも、光硬化後の感光性樹脂組成物の耐水性
が向上し、レリーフ版の経時安定性及び耐刷性が大きく
向上する。
【0011】光重合性不飽和化合物の含有量は、感光性
樹脂組成物中、5〜50重量%、特に20〜40重量%
が好ましい。5重量%未満の場合、感光性樹脂組成物の
光硬化性に支障をきたし、逆に、50重量%を超える
と、光硬化後の感光性樹脂組成物の収縮が大きくなって
画像パターンの再現性に支障をきたすおそれがある。
【0012】本発明で使用できる光重合開始剤として
は、公知のものが使用可能であり、具体的には、例え
ば、ベンゾフェノン類、ベンゾイン類、アセトフェノン
類、多核キノン類、ベンジル類、ベンゾインアルキルエ
ーテル類、ベンジルアルキルケタール類、アンスラキノ
ン類、チオキサントン類などが使用できる。好適な具体
例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイン、アセトフェ
ノン、1,4−ナフトキノン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール、アンスラキノン、2−クロロアンスラキノン、チ
オキサントン、2−クロロチオキサントンなどが挙げら
れる。これらは単独あるいは2種以上混合して使用する
ことができる。光重合開始剤は光照射により、光重合性
不飽和単量体の重合反応を開始または増感する成分であ
る。
【0013】光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成
物中、0.05〜5重量%、特に0.1〜3重量%が好
ましい。0.05重量%未満であると光重合開始及び/
または増感能力に支障をきたし、逆に5重量%を超える
と組成物中に均一に分散せず、光重合性が低下するおそ
れがある。
【0014】感光性樹脂組成物には、上述の可溶性高分
子化合物、光重合性不飽和化合物および光重合性開始剤
以外に、安定剤や可塑剤などの添加剤を必要に応じて含
有させることができる。安定剤としては、例えば、ハイ
ドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなどが挙げられ、
これらは感光性樹脂組成物中に0.001〜5重量%程
度含有させるのが好ましい。可塑剤は主として光硬化物
の透明性向上を目的に添加され、例えば、エステルやア
ミドなどの低分子可塑剤、ポリエステルやポリエーテ
ル、液状ゴム類などのオリゴマーが挙げられる。これら
は感光性樹脂組成物中に5〜15重量%程度含有させる
のが好ましい。また、露光、現像後に得られる製品用途
に応じて、公知の染料や色素を添加して感光性樹脂組成
物を着色することもできる。
【0015】本発明では、感光性樹脂組成物中における
光重合性不飽和化合物および光重合開始剤の合計含有
量、または、安定剤や可塑剤などの添加剤を更に配合す
る場合の光重合性不飽和化合物、光重合開始剤および添
加剤の合計含有量を30〜60重量%、好ましくは35
〜55重量%、より好ましくは40〜50重量%とする
のがよい。これにより、露光時の光散乱をより減少で
き、ネガフィルム(又はポジフィルム)の画像パターン
の再現性がより一層向上する。
【0016】接着層 接着層は、分子両末端に水酸基を有するポリエステル樹
脂と多価イソシアネート化合物とを含有する組成物から
なる。
【0017】本発明で使用できるポリエステル樹脂とし
ては、酸成分が、例えば、テレフタル酸、セバシン酸、
イソフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸等であり、グリコール成分
が、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ト
リメチロールプロパン等であるポリエステル樹脂であっ
て、その両末端に水酸基を有するポリエステル樹脂であ
る。好適なポリエステル樹脂としては、テレフタル酸お
よびイソフタル酸とエチレングリコールおよびネオペン
チルグリコールから得られる共重合ポリエステル(例え
ば、東洋紡績(株)製「バイロン」等)等が挙げられ
る。
【0018】上記ポリエステル樹脂の数平均分子量は、
塗工膜の強度の点から、10000〜30000、特に
15000〜25000であることが好ましい。また、
塗工性の点から、線状のポリエステル樹脂であることが
好ましい。
【0019】本発明で使用できる多価イソシアネート化
合物としては、分子中に2個以上のイソシアナト基を有
する限り特に限定されない。例えば、2,4−トリレン
ジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリ
フェニルジイソシアネート、フェニルジイソシアネー
ト、およびこれらの多価イソシアネートをトリメチロー
ルプロパン等に付加して得られるアダクト体等、あるい
は住友バイエルウレタン(株)製「デスモジュールH
L」等が挙げられる。
【0020】本発明においては、ポリエステル樹脂末端
の水酸基の数と、多価イソシアネート化合物中のイソシ
アナト基の数の比が、1:5〜1:30、好ましくは
1:10〜1:30の範囲内となるように、ポリエステ
ル樹脂と多価イソシアネート化合物が配合される。多価
イソシアネート化合物中のイソシアナト基の数が上記割
合よりも少ないと、印刷用インキや印刷後のインキ洗浄
液に含有される有機溶剤に対する耐性が不十分となっ
て、露光、現像した後、印刷時や印刷後の洗浄時にパタ
ーンの脱落が生じる。逆に多いと、感光層と支持体の間
に十分な接着強度を付与できない。
【0021】本発明においては、他の成分を上記接着層
組成物に含有させてもよく、例えば触媒、可塑剤、顔
料、染料、界面活性剤、紫外線吸収剤、エチレン性不飽
和化合物等が挙げられる。なお、エチレン性不飽和化合
物を含有させる場合、熱重合を促進させるために熱重合
開始剤を含有させること、あるいは光重合を促進させる
ために光重合開始剤を含有させることも可能である。
【0022】本発明においては、接着層は、上記の接着
層組成物を、溶媒(例えば、メチルエチルケトン、トル
エン、酢酸エチル、アセトン等)に溶解または分散させ
て、支持体上に塗布、加熱することにより形成される。
接着層の厚みは、通常、2〜100μm程度である。
【0023】支持体 支持体としてはスチール、アルミニウム、ガラス、ポリ
エステルフィルムなどのプラスチックフィルム、金属蒸
着したフィルムなど任意のものが使用できる。
【0024】本発明の感光性樹脂積層体は、通常、上記
の感光性樹脂組成物の粘稠な溶液を、接着層を有する支
持体上にシート状に流延して固化した後、熱処理して得
るか、あるいは、熱プレス、注型、溶融押出し、溶液キ
ャストなど公知の任意の方法により成形した後、接着層
を有する支持体に積層して得る。
【0025】本発明の感光性樹脂積層体は、感光層上に
保護層をさらに積層してもよい。この保護層は露光前に
剥離されるものである。保護層はプラスチックフィル
ム、例えば、ポリエステルの125μm厚みのフィルム
に、粘着性のない透明で現像液に分散又は溶解する高分
子を1〜3μmの厚みで塗布したものが用いられる。こ
のような薄い高分子の皮膜を有する保護層を感光層に積
層することによって、感光層の表面粘着性が強い場合で
あっても、保護層の剥離を容易に行うことができる。
【0026】本発明の感光性樹脂積層体は、感光層上に
透明画像部を有するネガフィルムまたはポジフィルムを
密着して重ね合せ、その上方から活性光線を照射して露
光を行うと、露光部が硬化して不溶化する。活性光線に
は通常300〜450nmの波長を中心とする高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン
灯、ケミカルランプなどの光源を用いる。
【0027】露光後、好ましくは、水、特に中性水を溶
剤に用いて非露光部分を溶解除去することによって、短
時間で速やかに現像がなされ、感光性樹脂印刷版(レリ
ーフ版)が得られる。現像方式としては、スプレー式現
像装置、ブラシ式現像装置などを用いるのが好ましい。
【0028】レリーフ版は印刷インキを用いて印刷され
る。ここで印刷インキは、通常油性インキが使用され
る。印刷終了後、この印刷インキを洗浄する必要があ
り、その洗浄には、通常、有機溶剤を含有する洗浄液が
使用される。
【0029】本発明の感光性樹脂積層体においては、接
着層は、分子両末端に水酸基を有するポリエステル樹脂
と多価イソシアネート化合物とを含有する組成物からな
り、かつ当該ポリエステル樹脂末端の水酸基の数と、当
該多価イソシアネート化合物中のイソシアナト基の数の
比が、1:5〜1:30の範囲内であるので、感光層と
支持体の間に十分な接着強度を維持したままで、印刷イ
ンキや印刷後のインキ洗浄液に含有される有機溶剤に対
する耐性が十分となり、露光、現像した後、印刷時や印
刷後の洗浄時にパターン脱落が生じることはなく、良好
な印刷を行うことができる。
【0030】以下、本発明を実施例および比較例を挙げ
て説明する。実施例1 線状ポリエステル樹脂溶液として「バイロン20MS」
(東洋紡績(株)製品、固形分濃度30%、数平均分子
量20000)55.8重量部、顔料分散液2重量部、
UV吸収剤(ハレーション防止剤、50%DMF溶液)
0.85重量部、アミン塩触媒として「U−CAT S
A102」0.09重量部を混合し、攪拌した後、多価
イソシアネートとして「デスモジュールHL」(住友バ
イエルウレタン(株)製品、固形分濃度60%、NCO
含有率10.5%)28.9重量部を添加し、良く攪拌
して、線状ポリエステル樹脂末端の水酸基の数と多価イ
ソシアネート中のイソシアネート基の数が1:26の接
着層組成物溶液1を得た。
【0031】比較例1 線状ポリエステル樹脂溶液として「バイロン20MS」
(東洋紡績(株)製品、固形分濃度30%、数平均分子
量20000)104.5重量部、顔料分散液2重量
部、UV吸収剤(ハレーション防止剤、50%DMF溶
液)0.85重量部、アミン塩触媒として「U−CAT
SA102」0.09重量部を混合し、攪拌した後、
多価イソシアネートとして「デスモジュールHL」(住
友バイエルウレタン(株)製品、固形分濃度60%、N
CO含有率10.5%)4.41重量部を添加し、良く
攪拌して、線状ポリエステル樹脂末端の水酸基の数と多
価イソシアネート中のイソシアネート基の数が1:2の
接着層組成物溶液2を得た。
【0032】比較例2 線状ポリエステル樹脂溶液として「バイロン20MS」
(東洋紡績(株)製品、固形分濃度30%、数平均分子
量20000)26.9重量部、顔料分散液2重量部、
UV吸収剤(ハレーション防止剤、50%DMF溶液)
0.85重量部、アミン塩触媒として「U−CAT S
A102」0.09重量部を混合し、攪拌した後、多価
イソシアネートとして「デスモジュールHL」(住友バ
イエルウレタン(株)製品、固形分濃度60%、NCO
含有率10.5%)43.3重量部を添加し、良く攪拌
して、線状ポリエステル樹脂末端の水酸基の数と多価イ
ソシアネート中のイソシアネート基の数が1:80の接
着層組成物溶液3を得た。
【0033】実施例1および比較例1、2で得られた接
着層組成物溶液1〜3を、それぞれエポキシプライマー
コートを施した金属支持体(鉄板、厚み240μm)上
に均一に塗布し、140℃の熱風乾燥機で3分間乾燥し
て、塗膜約15μmの接着層が形成された支持体1〜3
を得た。
【0034】この支持体1〜3の上に、水現像可能な感
光性樹脂積層体「プリンタイト」KMタイプ(商標、東
洋紡績(株)製)で使用される感光性樹脂組成物を、約
500μm程度の層厚になるように塗布して感光層を形
成した後、125μmのポリエステルフィルムをラミネ
ートし、感光性樹脂積層体(生版)1〜3を作成した。
これらの生版1〜3について以下の評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0035】〔支持体と感光層間の剥離力の測定方法〕
生版1〜3を50℃で14日保管した後、125μmの
ポリエステルフィルムを剥離し、スリット(スリット幅
2mm)のネガを真空密着させ、超高圧水銀灯で40秒
露光し、水道水を現像液とし、ブラシ式ウォッシャー
(100μm径ナイロンブラシ、日本電子精機(株)作
製JW−A2−PD型)を用いて23℃で2分間現像
し、さらに60℃で5分間温風乾燥した後、超高圧水銀
灯で1分間露光をして評価サンプル1〜3を得た。これ
らのサンプルの感光層を速度5m/minでT字型に引
っ張り、剥がれた時の値を剥離力として測定した。剥離
力が1.5kg/cm以上であると剥離力が良好である
と判断した。
【0036】〔耐溶剤性試験〕生版1〜3を50℃で1
4日保管した後、125μmのポリエステルフィルムを
剥離し、テストネガフィルム(感度測定用グレイスケー
ルネガフィルムと画像再現性評価用画像のネガフィル
ム)を真空密着させ、超高圧水銀灯で40秒露光し、水
道水を現像液とし、ブラシ式ウォッシヤー(100μm
径ナイロンブラシ、日本電子精機(株)作製JW−A2
ーPD型)を用いて23℃で2分間現像し、さらに60
℃で5分間温風乾燥した後、超高圧水銀灯で1分間露光
をして評価サンプル1〜3を得た。これらのサンプルを
評価用溶剤(酢酸エチル、メチルエチルケトン)に室温
で24時間浸漬後、そのレリーフを取り出し1分間ブラ
シでブラッシングしてレリーフの飛びやヨレが生じてい
ないか観察した。
【0037】
【表1】
【0038】表1により、実施例1の接着層組成物溶液
から形成された接着層については、感光層と支持体の間
の接着強度が十分であり、酢酸エチルおよびメチルエチ
ルケトンに対する耐性も十分であることがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
感光性樹脂積層体によれば、感光層と支持体の間に十分
な接着強度を維持したままで、印刷インキや印刷後のイ
ンキ洗浄液に含有される有機溶剤に対する耐性が十分と
なり、露光、現像した後、印刷時や印刷後の洗浄時にパ
ターン脱落が生じることはなく、良好な印刷を行うこと
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 祐二 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2H025 AA14 AB02 AC01 AD01 BC31 BC51 CA01 CB04 CB07 CB11 CB14 CB21 CB22 CB23 DA35 FA03 FA17 FA30 2H096 AA00 AA02 BA05 BA20 CA05 EA02 GA08 HA03 4F100 AB01 AK01A AK41G AK51G AK53 AL05A AL05G AR00A AT00B BA02 CA07 CA13 EC18 EC182 EH46 EH461 EH462 EJ42 EJ421 EJ86 EJ861 JL08H JL11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性樹脂組成物からなる感光層を、接
    着層を介して支持体上に積層してなる感光性樹脂積層体
    において、 当該接着層が、分子両末端に水酸基を有するポリエステ
    ル樹脂と多価イソシアネート化合物とを含有する組成物
    からなり、かつ当該ポリエステル樹脂末端の水酸基の数
    と、当該多価イソシアネート化合物中のイソシアナト基
    の数の比が、1:5〜1:30の範囲内であることを特
    徴とする感光性樹脂積層体。
  2. 【請求項2】 ポリエステル樹脂が数平均分子量100
    00〜30000の線状ポリエステル樹脂である、請求
    項1に記載の感光性樹脂積層体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009104165A (ja) * 2001-09-26 2009-05-14 Rohm & Haas Electronic Materials Llc 上塗りされたフォトレジストとともに使用されるコーティング組成物
JP4667509B2 (ja) * 2001-09-26 2011-04-13 ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. 上塗りされたフォトレジストとともに使用されるコーティング組成物

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