JP2002181501A - 自立性巻き尺 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】テープ表面の平滑性に優れ、自立性に優れた絶
縁性の巻き尺を提供するものである。 【解決手段】断面湾曲状のポリカーボネートテープ１の
表面に目盛り２が形成された巻き尺であって、このポリ
カーボネートに補強材が含有されないので、テープ表面
の平滑性に優れ、自立性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性を有する自
立性巻き尺に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、自立性の巻き尺としては、コンベ
ックスルールと通称される断面円弧状の鋼帯に白色の塗
装を施しその表面に目盛りを形成したものが知られてい
る。このコンベックスルールはローターに巻回収納した
テープを使用時に引き出すとテープが一定の長さまでは
自立するので、片手で容易に長さを測れるという特徴が
あるものの、送電所や変電所など高圧の電気の発生する
場所での使用に於いてはテープを電流が流れ感電するこ
とがあり、使用できないという問題があった。そこで本
出願人は特公昭６３−２１１２１号公報に於いて、ガラ
ス繊維からなる芯材に熱硬化性ポリエステル樹脂を含浸
して巻き尺素材を作成し、該巻き尺素材を所定の曲率半
径の描く円の円周の１／３以上の円弧長さとなる如く幅
方向に彎曲成形すると共に芯材に含浸した熱硬化性ポリ
エステル樹脂を硬化させることを特徴とする自立性ガラ
ス繊維補強熱硬化性ポリエステル樹脂巻き尺を提案して
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の特
公昭６３−２１１２１号に提案している巻き尺に於いて
は、電気絶縁性に優れるものの、テープ表面の平滑性に
優れず、目盛り線が不鮮明になり易いという問題があ
り、又、自立性についても十分なものでもなかった。

【０００４】そこで本発明者は従来の欠点に鑑み鋭意研
究の結果、テープ表面の平滑性に優れ、自立性に優れた
絶縁性の巻き尺を提案するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明自立性巻き尺は、
断面湾曲状のポリカーボネートテープの表面に目盛りが
形成された巻き尺であって、このポリカーボネートに補
強材が含有されないので、テープ表面の平滑性に優れ、
自立性に優れる。本発明に於いて、補強材が含有されな
いとは、ガラス繊維、炭素繊維やアラミド繊維などの長
繊維、短繊維或いは織布などがポリカーボネート中に含
有されていないことをいう。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
に付いて説明する。図１は本発明自立性巻き尺の実施形
態の一例を示す斜視図であり、断面円弧状に形成された
ポリカーボネートテープ１の表面に目盛り２が印刷され
て自立性巻き尺となされている。本発明自立性巻き尺
は、押し出し成形により作製されてもよいし、所定の幅
に切断したシートを断面円弧状になるように熱プレスな
どで成形して作製されてもよいが、押出成形によれば生
産性に優れる。

【０００７】本発明に於ける巻き尺の仕様としては、巻
き尺の幅が１９〜２６ｍｍ、巻き尺の幅が１９ｍｍのと
きの断面円弧の曲率半径が８〜１１ｍｍが好適である。
前記曲率半径が８ｍｍより小さいと巻き尺の縁部が立ち
上がり目盛りが見難くなり、曲率半径が１２ｍｍより大
きいと直立性が悪くなるためである。

【０００８】次に本発明の具体的な実施例について説明
する。

【実施例】実施例として厚み０．４ｍｍ、幅１９ｍｍ、
長さ２０００ｍｍ、断面の曲率半径９ｍｍのポリカーボ
ネートテープと比較例としてガラス繊維製織布に熱硬化
性ポリエステルを含浸硬化させた厚み０．１５ｍｍのＦ
ＲＰテープの表面にウレタン樹脂を被覆して厚み０．３
５ｍｍ、幅１９ｍｍ、長さ２０００ｍｍ、断面の曲率半
径９ｍｍのテープの自立性と経時による自立性の劣化を
調べるため、夫々のテープを直径４０ｍｍのローターに
巻回した後−３０゜Ｃ×３時間、７０゜Ｃ×３時間を１
サイクルとするヒートサイクル試験を６サイクル実施
し、夫々のテープをローターから解き自立性を測定した
結果を表１に示す。

【０００９】

【表１】

【００１０】表１に示すように本発明の自立性巻き尺は
初期性能に優れるのみならず、ヒートサイクル試験後も
テープ断面の形状変化も少なく、直立性にも優れ、経時
変化が少ないことが解る。又、本発明自立性巻き尺は補
強材を含有しないので、表面が平滑で、目盛りも鮮明で
あるのに対し、比較例の巻き尺は表面をウレタン樹脂で
被覆してもガラス繊維織布の凹凸がテープ表面に残り目
盛りが鮮明にはならない。

【００１１】本発明自立性巻き尺が前記の如き優れた直
立性を示すのは、ガラス繊維製織布により補強されたポ
リエステルは硬度が高く剛性に優れるものの靱性が劣
り、テープをローターに巻回するときに折れやすく、こ
れを防ぐためにＦＲＰ層を薄くして表面にウレタンを被
覆していることによると思われる。又、ヒートサイクル
試験に於いて本発明自立性巻き尺が形状変化が少ないの
は、補強繊維製織布により補強された比較例の巻き尺に
於いては補強繊維が真直に戻ろうとする残留応力を有す
るのに対し本発明自立性巻き尺には補強繊維が含有され
ていないことによるものと考えられる。

【００１２】

【発明の効果】上述の如く、本発明自立性巻き尺は、断
面湾曲状のポリカーボネートテープの表面に目盛りが形
成された巻き尺であって、このポリカーボネートに補強
材が含有されないので、テープ表面の平滑性に優れ、表
面が美麗で目盛りが鮮明に形成できる。又、本発明自立
性巻き尺は、経時での形状変化が少なく、自立性に優れ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明自立性巻き尺の実施形態の一例を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１ ポリカーボネートテープ ２ 目盛り

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面湾曲状のポリカーボネートテープの
   表面に目盛りが形成された巻き尺であって、このポリカ
   ーボネートに補強材が含有されないことを特徴とする自
   立性巻き尺。