JP2002180998A - 遠心式渦巻ポンプ - Google Patents

遠心式渦巻ポンプ

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JP2002180998A JP2000379963A JP2000379963A JP2002180998A JP 2002180998 A JP2002180998 A JP 2002180998A JP 2000379963 A JP2000379963 A JP 2000379963A JP 2000379963 A JP2000379963 A JP 2000379963A JP 2002180998 A JP2002180998 A JP 2002180998A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー損失が大幅に低減し、ポンプ効率
を更に高めることができる遠心式渦巻ポンプを得る。 【解決手段】 遠心式渦巻ポンプのポンプ部10Bは、
円弧ケーシング部34により成る円弧ポンプ室30と、
ボリュートケーシング部36により成る渦巻ポンプ室3
2と、によって構成されている。渦巻ポンプ室32の巻
き角度θが115度以上で185度未満となるように、
ボリュートケーシング部36のボリュート巻き始め位置
Aが設定されると共に、ボリュート巻き終り位置Bにお
けるボリュートケーシング部36の半径をRとし、円弧
ポンプ室30の円弧ケーシング部34の半径をrとする
とき、0.15<{(R−r)/r}<0.3の関係を
成立させている。これにより、エネルギー損失が大幅に
低減し、ポンプ効率を更に高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遠心式渦巻ポンプに
係り、特に車両等においてウインドウォッシャ液やヘッ
ドライトウォッシャ液を吐出するためのウォッシャポン
プに用いて好適な遠心式渦巻ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】遠心式渦巻ポンプは種々の分野で用いら
れているが、例えば、車両等においてウインドウォッシ
ャ液やヘッドライトウォッシャ液を吐出するためのウォ
ッシャポンプとしても広く適用されている。
【0003】この種の遠心式渦巻ポンプは、ケーシング
(ボリュートケーシング)内にインペラが回転可能に収
容されている。このケーシングは、全体として渦巻状に
形成されており、インペラの先端部分に接近して設けら
れた締切り部分から巻き始められ(換言すれば、ケーシ
ングの端部がボリュート巻き始め位置として設定され)
インペラの周囲に沿って順次連続して吐出口へと渦巻状
に形成されている。これにより、インペラの周囲に沿っ
て渦巻状の渦巻室が順次連続して設けられた構成となっ
ている(例えば、特開平8−261195号公報参
照)。
【0004】この遠心式渦巻ポンプでは、ケーシング内
でインペラが回転することによって、液体にエネルギー
(遠心力)を与えることができ、例えばインペラの中央
部分に設けられた流入口から流入した液体をインペラの
外周に沿って設けられた渦巻室を介して順次吐出口へ送
り出し、液体を吐出口から吐出することができる。
【0005】ところで、インペラの上下周縁部とケーシ
ングとの間には隙間があり、さらに、インペラの羽根と
羽根との間には当然に隙間があるため、インペラから渦
巻室へ送り出す流量と吐出口から吐き出される流量の差
によって、渦巻室を流れる液体の一部が前記隙間を通っ
てインペラの中央方向に戻る流れが生じることが考えら
れる。このようにインペラから渦巻室へ送り出された液
体の一部がインペラの中央方向に戻る流れを生じている
と、この戻る流れは、吐出口へ液体を送りだすことに対
して余分な仕事をしていることになり、エネルギー損失
となってしまう。特に、例えば車両のウォッシャポンプ
の如く比較回転度(比速度)Ns≒80程度の低流量高
揚程ポンプにおいては、前記エネルギー損失が顕著であ
った。
【0006】したがって、このような渦巻室へ送り出さ
れたにも拘わらずインペラの中央方向に戻る流れは、ポ
ンプ効率を低下させる大きなマイナス要因であり、これ
を防止するための対策が切望されていた。
【0007】そこで、エネルギー損失が少なく、ポンプ
効率が向上する遠心式渦巻ポンプを既に本出願人が提案
している(特開平11−247798号公報)。
【0008】前記公報に提案した遠心式渦巻ポンプによ
れば、円弧ポンプ室と渦巻ポンプ室とを備えた構成(ケ
ーシングの途中から渦巻部分が開始される構成)となっ
ており、円弧ポンプ室(インペラの羽根間)から渦巻ポ
ンプ室へ送り出された液体の一部がインペラの中央方向
に戻る流れ量を低減することができると共に、円弧ポン
プ室においてインペラからエネルギー(遠心力の作用)
を与えられた液体が一気に渦巻ポンプ室へ流入して流速
が過度に速くなることがなく、吐出口付近における液体
の流速との差が小さくなり、エネルギー損失が大幅に低
減して極めて効率的になる。
【0009】しかしながら、近年においては、このよう
な遠心式渦巻ポンプを車両に搭載するに際して、エンジ
ンルーム内の過密化や車両の燃費向上要求に伴い、更な
る小型化および高効率化が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、エネルギー損失が大幅に低減してポンプ効率を更
に高めることができ、かつこれを、簡単な構造で部品点
数が増加することなく製作も容易で低コストにより実現
することができる遠心式渦巻ポンプを得ることが目的で
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の遠
心式渦巻ポンプは、インペラの回転によって液体を吐出
口から吐出する遠心式渦巻ポンプにおいて、前記インペ
ラと同心円状に形成された円弧ケーシングによって構成
される円弧ポンプ室と、前記円弧ポンプ室の前記インペ
ラ回転方向下流側に前記円弧ポンプ室から前記吐出口へ
と渦巻状に連続して設けられ、前記円弧ポンプ室の前記
インペラ回転方向下流側の周方向端部がボリュート巻き
始め位置として設定されると共に前記円弧ポンプ室の前
記インペラ回転方向上流側の周方向端部がボリュート巻
き終り位置として設定されたボリュートケーシングによ
って構成される渦巻ポンプ室と、を備え、前記渦巻ポン
プ室の前記ボリュート巻き始め位置からボリュート巻き
終り位置までの巻き角度が115度以上で185度未満
となるように前記ボリュートケーシングの前記ボリュー
ト巻き始め位置を設定し、かつ、前記ボリュート巻き終
り位置における前記渦巻ポンプ室のボリュートケーシン
グの半径をRとし、前記円弧ポンプ室の円弧ケーシング
の半径をrとするとき、0.15<{(R−r)/r}
<0.3の関係が成立するように設定した、ことを特徴
としている。
【0012】請求項1記載の遠心式渦巻ポンプでは、円
弧ケーシングによって構成される円弧ポンプ室と、ボリ
ュートケーシングによって構成される渦巻ポンプ室と、
を備えている。すなわち、この遠心式渦巻ポンプは、従
来の渦巻ポンプに比べて、ボリュートケーシングのボリ
ュート巻き始め位置が吐出口の側に所定範囲ずれて設定
された構成となっている。
【0013】インペラが回転すると、液体は円弧ポンプ
室においてインペラからエネルギーを与えられて昇圧さ
れ、さらにインペラの回転に伴って渦巻ポンプ室へと流
入して増速されて吐出口から吐き出される。
【0014】ここで、この遠心式渦巻ポンプの円弧ポン
プ室は、液体がインペラから与えられるエネルギー(遠
心力の作用)が小さい領域であり、したがって、円弧ポ
ンプ室の設定範囲に応じて円弧ポンプ室(インペラの羽
根間)から渦巻ポンプ室へ流れ出る流量が調整され、円
弧ポンプ室(インペラの羽根間)から渦巻ポンプ室へ送
り出された液体の一部がインペラの中央方向に戻る流れ
量を低減することができる。これにより、ポンプ効率が
向上する。
【0015】なお一方、ボリュートケーシングのボリュ
ート巻き始め位置が吐出口の側に過度に接近していると
(渦巻ポンプ室のボリュート巻き始め位置からボリュー
ト巻き終り位置までの巻き角度が過度に小さいと)、円
弧ポンプ室においてインペラからエネルギー(遠心力の
作用)を与えられた液体が一気に渦巻ポンプ室へ流入す
るために、この渦巻ポンプ室へ流入する液体の流速が速
くなりすぎ、吐出口付近における液体の流速との差が大
きくなって渦が生じ、ポンプ効率が低下することにな
る。したがって、吐出口付近における液体の流速と渦巻
ポンプ室における流速の差が小さくなるように渦巻ポン
プ室の巻き角度を設定する必要がある。
【0016】すなわち、この遠心式渦巻ポンプでは、円
弧ポンプ室と渦巻ポンプ室の範囲(換言すれば渦巻ポン
プ室の巻き角度、すなわちボリュート巻き始め位置)を
好適に設定することにより(前記巻き角度を115度以
上185度未満に設定したことにより)、吐出口付近に
おける液体の流速と渦巻ポンプ室における流速の差が小
さい範囲で、円弧ポンプ室においてインペラから液体に
最大限にエネルギーを与えて昇圧することができ、最大
限のポンプ効率で液体を送り出すことができる。
【0017】またさらに、請求項1記載の遠心式渦巻ポ
ンプでは、前述の如き吐出口付近における液体の流速と
渦巻ポンプ室における流速の差を接近させるという知見
に加え、円弧ポンプ室から渦巻ポンプ室への流出量が各
インペラ間で大きく異なるとインペラの回転が一定とな
らずエネルギー損失が生じ、また、円弧ポンプ室から渦
巻ポンプ室への流出量が各インペラ間で小さいと当該エ
ネルギー損失は少なくなるが、反面、渦巻ポンプ室と円
弧ポンプ室間の流れが生じこのため新たなエネルギー損
失が生じる、という知見に基づいて、渦巻ポンプ室の出
口幅(吐出口の開口幅)を、ある一定領域に設定した。
【0018】すなわち、円弧ポンプ室の半径に対する渦
巻ポンプ室の出口幅(吐出口の開口幅)の値は、前記エ
ネルギー損失について極めて効果的な領域が存在する
(ある一定領域にある場合には前記エネルギー損失につ
いて極めて効果的である)ことを確認した。すなわち、
ボリュート巻き終り位置における渦巻ポンプ室のボリュ
ートケーシングの半径をRとし、円弧ポンプ室の円弧ケ
ーシングの半径をrとするとき、0.15<{(R−
r)/r}<0.3の関係が成立するように設定した。
【0019】これにより、各インペラ間における円弧ポ
ンプ室から渦巻ポンプ室への流出量の差が小さく、しか
も渦巻ポンプ室と円弧ポンプ室間で不要な流れが生じな
い範囲で(エネルギー損失が生じない範囲で)、ポンプ
効率を最大限まで高めることができる。
【0020】またさらに、円弧ポンプ室(円弧ケーシン
グ)及び渦巻ポンプ室(ボリュートケーシング)から成
る簡単な構造でありかつそれ自体も簡単な形状であるた
め、製作も容易で低コストであり、さらに部品点数が増
加することもない。
【0021】このように、請求項1記載の遠心式渦巻ポ
ンプでは、インペラによってエネルギーを与えられた液
体が渦巻ポンプ室からインペラの中央方向に戻る流れを
生じ難く、円弧ポンプ室においてインペラからエネルギ
ー(遠心力の作用)を与えられた液体が一気に渦巻ポン
プ室へ流入して流速が過度に速くなることがなく、吐出
口付近における液体の流速との差が小さくなり、エネル
ギー損失が大幅に低減してポンプ効率を高めることがで
き、しかもこれを、簡単な構造で部品点数が増加するこ
となく製作も容易で低コストにより実現することができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】図1には本発明の実施の形態に係
る遠心式渦巻ポンプ10の全体構成が縦断面図にて示さ
れている。また、図2にはこの遠心式渦巻ポンプ10の
主要部の構成が横断面図にて示されている。
【0023】遠心式渦巻ポンプ10は、車両等の例えば
ウインドウォッシャ液を吐出するためのウォッシャポン
プ装置に適用されている。
【0024】この遠心式渦巻ポンプ10は、モータ部1
0Aとポンプ部10Bとが一体的に設けられた構成とさ
れている。モータ部10A及びポンプ部10Bを構成す
るハウジング12は樹脂性で略円筒形に形成されてお
り、ハウジング12の一端開口部に樹脂製のエンドハウ
ジング14が固着されて内部が密閉された構成となって
いる。エンドハウジング14の略角部には、コネクタ部
16が外部に露出する状態に一体的に突出形成されてい
る。コネクタ部16には図示しない外部コネクタが嵌合
されて車両の電気回路部(図示省略)に接続される。
【0025】また、エンドハウジング14と反対側のハ
ウジング12の中間部(すなわち、モータ部10Aとポ
ンプ部10Bとの境界部分)は、隔壁18によって仕切
られている。この隔壁18によってモータ部10Aのア
ーマチャシャフト20が支持されてアーマチャ(図示省
略)がハウジング12内に収容されている。
【0026】一方、遠心式渦巻ポンプ10のポンプ部1
0Bは、円弧ケーシング及びボリュートケーシングとし
てのハウジング12、及び底壁22によって構成されて
おり、さらに、前記アーマチャシャフト20の先端が達
している。アーマチャシャフト20の先端には、半径方
向に複数の羽根が形成されたインペラ24が取り付けら
れており、ポンプ部10B内においてアーマチャシャフ
ト20と共に回転する。また、ポンプ部10Bには、ハ
ウジング12に形成されたインレット26及びアウトレ
ット28が連通している。すなわち、ポンプ部10Bは
遠心式渦巻ポンプ(セントリフューガルポンプ)を構成
しており、インレット26から吸入した液体をインペラ
24の回転によってアウトレット28から圧送すること
ができる。
【0027】ここで、図2に詳細に示す如く、インペラ
24が収容されたポンプ部10Bは、円弧ポンプ室30
と渦巻ポンプ室32によって構成されている。円弧ポン
プ室30は、インペラ24と同心円状に形成された円弧
ケーシング部34(ハウジング12の一部)によって構
成されている。一方、渦巻ポンプ室32は、円弧ポンプ
室30のインペラ回転方向(図2矢印R方向)下流側に
位置して円弧ポンプ室30からアウトレット28へと連
続して設けられており、渦巻状のボリュートケーシング
部36(ハウジング12の一部)によって構成されてい
る。このボリュートケーシング部36(渦巻ポンプ室3
2)は、円弧ポンプ室30のインペラ回転方向下流側の
周方向端部がボリュート巻き始め位置Aとして設定され
ると共に、円弧ポンプ室30のインペラ回転方向上流側
の周方向端部がボリュート巻き終り位置Bとして設定さ
れている。
【0028】ここで、この渦巻ポンプ室32のボリュー
ト巻き始め位置Aからボリュート巻き終り位置Bまでの
巻き角度θは、115度以上で185度未満とすること
が良く、巻き角度θが前記範囲となるようにボリュート
ケーシング部36のボリュート巻き始め位置Aが設定さ
れている。なお、図2においては、渦巻ポンプ室32の
巻き角度θが180度になるように、ボリュートケーシ
ング部36のボリュート巻き始め位置Aを設定した例を
示している。
【0029】またさらに、この渦巻ポンプ室32は、図
2に示す如く、前記ボリュート巻き終り位置Bにおける
ボリュートケーシング部36の半径をRとし、円弧ポン
プ室30の円弧ケーシング部34の半径をrとすると
き、 0.15<{(R−r)/r}<0.3 の関係が成立するように設定されている。
【0030】以上の構成の遠心式渦巻ポンプ10は、車
両のタイヤホイールハウスの直近に配置されたウォッシ
ャタンク38に、グロメット40を介して取り付けられ
ている。
【0031】次に本実施の形態の作用を説明する。
【0032】上記構成の遠心式渦巻ポンプ10では、円
弧ケーシング部34によって構成される円弧ポンプ室3
0と、ボリュートケーシング部36によって構成される
渦巻ポンプ室32と、によってポンプ部10Bが構成さ
れている。すなわち、この遠心式渦巻ポンプ10は、従
来の渦巻ポンプに比べて、ボリュートケーシング部36
(渦巻ポンプ室32)のボリュート巻き始め位置Aが、
アウトレット28の側に所定範囲ずれて設定された構成
となっている。
【0033】ポンプ部10B内でインペラ24が回転す
ると、液体は円弧ポンプ室30においてインペラ24か
らエネルギーを与えられて昇圧され、さらにインペラ2
4の回転に伴って渦巻ポンプ室32へと流入して増速さ
れてアウトレット28から吐き出される。
【0034】ここで、このポンプ部10Bの円弧ポンプ
室30は、液体がインペラ24から与えられるエネルギ
ー(遠心力の作用)が小さい領域であり、したがって、
円弧ポンプ室30の設定範囲に応じて円弧ポンプ室30
(インペラ24の羽根間)から渦巻ポンプ室32へ流れ
出る流量が調整され、円弧ポンプ室30(インペラ24
の羽根間)から渦巻ポンプ室32へ送り出された液体の
一部がインペラ24の中央方向に戻る流れ量を低減する
ことができる。これにより、遠心式渦巻ポンプ10のポ
ンプ効率が向上する。
【0035】なお一方、ボリュートケーシング部36
(渦巻ポンプ室32)のボリュート巻き始め位置Aがア
ウトレット28の側に過度に接近していると(渦巻ポン
プ室32の巻き角度θが過度に小さいと)、円弧ポンプ
室30においてインペラ24からエネルギー(遠心力の
作用)を与えられた液体が一気に渦巻ポンプ室32へ流
入するために、この渦巻ポンプ室32へ流入する液体の
流速が速くなりすぎ、アウトレット28付近における液
体の流速との差が大きくなって渦が生じ、ポンプ効率が
低下することになる。したがって、アウトレット28付
近における液体の流速と渦巻ポンプ室32における流速
の差が小さくなるように渦巻ポンプ室32の巻き角度θ
を設定する必要がある。
【0036】この場合、本実施の形態においては、渦巻
ポンプ室32の巻き角度θが180度になるように、ボ
リュートケーシング部36のボリュート巻き始め位置A
を設定した例を示したが、この渦巻ポンプ室32の巻き
角度θは、115度以上で185度未満の範囲であれ
ば、前述の効果を得ることができる。
【0037】ここで、図3には、渦巻ポンプ室32の巻
き角度θと、ポンプ効率との対応関係がグラフに示され
ている。なお、図3において、線Xは300cc/10
sの能力を備えた渦巻ポンプの例であり、線Yは400
cc/10sの能力を備えた渦巻ポンプの例である。
【0038】この図3において明らかなように、巻き角
度θを、115度以上185度未満の範囲とすると良い
ことが判る。さらに、本実施の形態の如く渦巻ポンプ室
32の巻き角度θを180度に設定すれば、最もポンプ
効率が良いことが判る。
【0039】すなわち、渦巻ポンプ室32の巻き角度θ
(換言すれば、ボリュートケーシング部36のボリュー
ト巻き始め位置A)を前記範囲において設定すれば、前
述の如くアウトレット28付近における液体の流速と渦
巻ポンプ室32における流速の差が小さくなり、インペ
ラ24から液体に最大限にエネルギーを与えて昇圧する
ことができ、最大限のポンプ効率で液体を送り出すこと
ができることが判る。
【0040】このように、本実施の形態に係る遠心式渦
巻ポンプ10では、円弧ポンプ室30と渦巻ポンプ室3
2の範囲(換言すれば渦巻ポンプ室32の巻き角度θ、
すなわちボリュート巻き始め位置A)を好適に設定する
ことにより、アウトレット28付近における液体の流速
と渦巻ポンプ室32における流速の差が小さい範囲で、
円弧ポンプ室30においてインペラ24から液体に最大
限にエネルギーを与えて昇圧することができ、最大限の
ポンプ効率で液体を送り出すことができる。
【0041】またさらに、本実施の形態に係る遠心式渦
巻ポンプ10では、前述の如きアウトレット28付近に
おける液体の流速と渦巻ポンプ室32における流速の差
を接近させるという知見に加え、円弧ポンプ室30から
渦巻ポンプ室32への流出量が各インペラ24間で大き
く異なるとインペラ24の回転が一定とならずエネルギ
ー損失が生じ、また、円弧ポンプ室30から渦巻ポンプ
室32への流出量が各インペラ24間で小さいと当該エ
ネルギー損失は少なくなるが、反面、渦巻ポンプ室32
と円弧ポンプ室30間の流れが生じこのため新たなエネ
ルギー損失が生じる、という知見に基づいて、渦巻ポン
プ室32の出口幅(すなわち、アウトレット28の開口
幅)を、ある一定領域に設定した。
【0042】すなわち、ボリュート巻き終り位置Bにお
けるボリュートケーシング部36の半径をRとし、円弧
ポンプ室30の円弧ケーシング部34の半径をrとする
とき、0.15<{(R−r)/r}<0.3の関係が
成立するように設定した。
【0043】これにより、各インペラ24間における円
弧ポンプ室30から渦巻ポンプ室32への流出量の差が
小さく、しかも渦巻ポンプ室32と円弧ポンプ室30間
で不要な流れが生じない範囲で(エネルギー損失が生じ
ない範囲で)、ポンプ効率を最大限まで高めることがで
きる。
【0044】ここで、図4には、前記{(R−r)/
r}と、ポンプ効率との対応関係を実験によって得たデ
ータが示されており、図5には、前記{(R−r)/
r}と、ポンプ効率との対応関係(図4に示すデータ)
がグラフに示されている。なお、図5において、線Xは
300cc/10sの能力を備えた渦巻ポンプの例であ
り、線Yは400cc/10sの能力を備えた渦巻ポン
プの例である。
【0045】これらの図4及び図5において明らかなよ
うに、0.15<{(R−r)/r}<0.3の関係が
成立する範囲でポンプ効率が高いことが判る。特に、前
記{(R−r)/r}を「0.18〜0.22」の範囲
に設定すれば、最もポンプ効率が良いことが確認でき
る。
【0046】このように、本実施の形態に係る遠心式渦
巻ポンプ10では、円弧ポンプ室30の円弧ケーシング
部34の半径rに対して、渦巻ポンプ室32のボリュー
ト巻き終り位置Bにおけるボリュートケーシング部36
の半径Rの値を好適に設定することにより、エネルギー
損失について極めて効果的な領域とすることができ、最
大限のポンプ効率で液体を送り出すことができる。
【0047】また、本実施の形態に係る遠心式渦巻ポン
プ10では、円弧ポンプ室30(円弧ケーシング部3
4)及び渦巻ポンプ室32(ボリュートケーシング部3
6)から成る簡単な構造でありかつそれ自体も簡単な形
状であるため、製作も容易で低コストであり、さらに部
品点数が増加することもない。
【0048】以上説明した如く、本実施の形態に係る遠
心式渦巻ポンプ10では、インペラ24によってエネル
ギーを与えられた液体が渦巻ポンプ室32からインペラ
24の中央方向に戻る流れを生じ難く、円弧ポンプ室3
0においてインペラ24からエネルギー(遠心力の作
用)を与えられた液体が一気に渦巻ポンプ室32へ流入
して流速が過度に速くなることがなく、アウトレット2
8付近における液体の流速との差が小さくなり、エネル
ギー損失が大幅に低減してポンプ効率を高めることがで
き、しかもこれを、簡単な構造で部品点数が増加するこ
となく製作も容易で低コストにより実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る遠心式渦巻ポンプの
全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る遠心式渦巻ポンプの
ポンプ部の構成を示す横断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る遠心式渦巻ポンプの
渦巻ポンプ室の巻き角度とポンプ効率との対応関係を示
す線図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る遠心式渦巻ポンプに
おける渦巻ポンプ室のボリュート巻き終り位置における
ボリュートケーシング部の半径Rの所定の値とポンプ効
率との対応関係を実験によって得たデータで示す対応図
表である。
【図5】図4に示すデータを表した線図である。
【符号の説明】
10 遠心式渦巻ポンプ 10A モータ部 10B ポンプ部 12 ハウジング 24 インペラ 28 アウトレット(吐出口) 30 円弧ポンプ室 32 渦巻ポンプ室 34 円弧ケーシング部 36 ボリュートケーシング部 A ボリュート巻き始め位置 θ 巻き角度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インペラの回転によって液体を吐出口か
    ら吐出する遠心式渦巻ポンプにおいて、 前記インペラと同心円状に形成された円弧ケーシングに
    よって構成される円弧ポンプ室と、 前記円弧ポンプ室の前記インペラ回転方向下流側に前記
    円弧ポンプ室から前記吐出口へと渦巻状に連続して設け
    られ、前記円弧ポンプ室の前記インペラ回転方向下流側
    の周方向端部がボリュート巻き始め位置として設定され
    ると共に前記円弧ポンプ室の前記インペラ回転方向上流
    側の周方向端部がボリュート巻き終り位置として設定さ
    れたボリュートケーシングによって構成される渦巻ポン
    プ室と、 を備え、 前記渦巻ポンプ室の前記ボリュート巻き始め位置からボ
    リュート巻き終り位置までの巻き角度が115度以上で
    185度未満となるように前記ボリュートケーシングの
    前記ボリュート巻き始め位置を設定し、かつ、 前記ボリュート巻き終り位置における前記渦巻ポンプ室
    のボリュートケーシングの半径をRとし、前記円弧ポン
    プ室の円弧ケーシングの半径をrとするとき、0.15
    <{(R−r)/r}<0.3の関係が成立するように
    設定した、 ことを特徴とする遠心式渦巻ポンプ。
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