JP2002180219A - 平版印刷版用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム合金板の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 双ロール式溶湯圧延法により、粗面化後に金
属組織模様が観察されない均一な外観と、均一な粗面化
面を得ることができる平版印刷版用アルミニウム合金板
の製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金の溶湯を双ロール式溶
湯圧延法で直接連続鋳造圧延した後、得られた鋳造圧延
板を冷間圧延を含む工程により加工して平版印刷版用ア
ルミニウム合金板を製造する方法において、アルミニウ
ム合金が、Si:0.20 %以下、Fe:0.08 %〜0.7 %を
含有し、残部がAlと各0.15%以下の不可避的不純物と
からなり、前記鋳造圧延板の表面における圧延方向に直
角方向の結晶粒の平均幅を250μm以下とし、この鋳
造圧延板を、熱処理を介することなしに冷間圧延し、ま
たは冷間圧延後に熱処理を行わないことを特徴とする。
あるいは、鋳造圧延板を、冷間圧延し得る程度に軟化す
るが再結晶しないような熱処理を介して冷間圧延し、ま
たは冷間圧延後に再結晶しないような熱処理を行うこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用アル
ミニウム合金板の製造方法、詳しくは、粗面化処理後に
金属組織模様が観察されない均一な外観と、均一な粗面
化面を得ることができる平版印刷版用アルミニウム合金
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、平版印刷版用アルミニウム合金板
の製造は、SiやFe等を若干含有するJIS1050
相当のアルミニウム合金の溶湯を、半連続鋳造法によっ
て厚さ500mm前後の矩形断面形状の鋳塊に造塊し、鋳
塊表皮の不均一な組織部分を面削により除去した後、均
質化処理、熱間圧延し、焼鈍工程を介して冷間圧延する
ことにより行われている。
【0003】この方法により製造された平版印刷版用ア
ルミニウム合金板は、その表面に粗面化処理が施された
後、陽極酸化処理が行われ、また必要に応じて親水化処
理が施されて平版印刷版用支持体となり、得られた平版
印刷版用支持体の表面に感光塗膜を設け、画像露光、現
像することにより印刷原版が得られる。
【0004】上記印刷原版を得るまでの工程中、粗面化
処理は、平版印刷版用支持体表面に感光層との密着性や
保水性を付与する重要な処理であり、粗面化面は、均一
且つ緻密なピットで構成されることが要求され、粗面化
面の状態は、印刷原版の性能に著しく大きな影響を及ぼ
す。また、粗面化処理後の外観の均一性は、印刷原版の
品質の優劣を判断する重要な要素の一つであり、粗面化
後にムラの無い均一な表面が形成されることも要求され
る。
【0005】粗面化方法としては、ボールグレイン、ブ
ラッシグレイン、液体ホーニング法等の機械的粗面化、
電気化学的粗面化、化学的粗面化あるいはこれらを組み
合わせた方法があるが、最近では、硝酸又は塩酸を主成
分とする電解液中でアルミニウム合金板を電気化学的に
粗面化する方法、あるいは前記の機械的粗面化と電気化
学的粗面化とを組み合わせた方法が一般的に採用されて
いる。なお、粗面化は、アルミニウム合金板表面に直接
施されるため、その表面に均一粗面化を妨げない金属組
織の均一性が求められている。
【0006】従来の半連続鋳造法による鋳塊から平版印
刷版用アルミニウム合金板を製造する方法においては、
鋳塊表皮部に組織の不均一帯が形成されるため、面削に
よりこれを除去しなければならず、歩留りを低下させる
一因となっている。また、面削量や鋳塊表皮組織の不均
一層の深さによっては、面削後も有害な組織部分が残存
し、平板印刷版用アルミニウム合金板の粗面化後の外観
を著しく損なうことが少なくなかった。
【0007】このため、近年、半連続鋳造法による鋳塊
にみられる不均一組織帯が発生し難い双ロール式溶湯圧
延法、例えばハンター法、3C法により直接連続鋳造圧
延する工程を経て製造される平版印刷版用アルミニウム
合金板が開発されている。双ロール式溶湯圧延法は、内
部が冷却された一対のロール間にアルミニウム合金の溶
湯を供給し、ロールを回転させながら板厚2〜10mm程
度の薄板に鋳造する方法であり、得られた薄板は、直接
冷間圧延可能な板厚であるため、半連続鋳造法をベース
とした製造方法における熱間圧延より後の工程と同様の
工程で、平板印刷版用アルミニウム合金板を製造するこ
とができる。従って、この方法では、均質化処理や面
削、熱間圧延工程が省略され、且つアルミニウム合金の
溶湯が急冷凝固するため化合物が微細化され、平版印刷
版用アルミニウム合金板の粗面化後の外観や電解ピット
形状の均一化に効果が期待され、いくつかの製造方法が
開示されている。
【0008】例えば、Fe:0.8%以下、Si:1.0%以
下、Cu:0.2%以下、更にBe:0.0002 〜0.01%及びS
n:0.001〜0.10%の1種もしくは2種を含有し、残部が
Alと不可避的不純物とからなるアルミニウム合金の溶
湯を、双ロール式溶湯圧延法を含む連続鋳造法により厚
さ30mm以下の板に鋳造し、これを冷間圧延及び必要に
応じて中間焼鈍し、更に最終冷間圧延する平版印刷版支
持体用アルミニウム合金板の製造方法(特開平9−23
4966号公報)、アルミニウム溶湯から双ロールで直
接板状に連続鋳造した後、例えば、冷間圧延−焼鈍−冷
間圧延のように、冷間圧延、熱処理を各々1回以上行
い、更に 矯正を行う平板印刷版用支持体の製造におい
て、連続鋳造後のアルミニウム板の結晶粒径が鋳造進行
方向に垂直な断面において2〜500μmであり、且つ
最終的な冷間圧延又は焼鈍後のアルミニウム板の結晶粒
径が鋳造及び圧延進行方向に垂直な断面において2〜1
00μmであることを特徴とする平版印刷版用支持体の
製造方法(特開平6−218495号公報)が開示され
ている。
【0009】しかしながら、Fe、Siを含む溶湯圧延
法による連続鋳造圧延板を直接あるいは冷間圧延後に焼
鈍した場合、表層部に著しく粗大な再結晶粒が形成され
ることがあり、上記の方法では、粗面化処理後の均一性
が必ずしも確保できないことが確認された。上記の方法
のうち前者の方法には、焼鈍を行わない実施形態も開示
されているが、この場合も溶湯圧延後の結晶粒組織によ
っては、粗面化面の均一性が確保できない場合があるこ
とがわかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、双ロール式
溶湯圧延法により直接連続鋳造圧延する工程を経て製造
される平版印刷版用アルミニウム合金板における上記従
来の問題を解消するために、合金成分、結晶粒組織、製
造工程と粗面化処理後の粗面化面の性状との関係につい
て多角的な試験、検討を行った結果としてなされたもの
であり、その目的は、粗面化処理後に金属組織模様が観
察されない均一な外観と、均一な粗面化面を安定して得
ることを可能とする平版印刷版用アルミニウム合金板の
製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項1による平版印刷版用アルミニウム
合金板の製造方法は、アルミニウム合金の溶湯を双ロー
ル式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧延した後、得られた鋳
造圧延板を冷間圧延を含む工程により加工して平版印刷
版用アルミニウム合金板を製造する方法において、アル
ミニウム合金が、Si:0.20 %以下、Fe:0.08 %〜0.
7 %を含有し、残部がAlと各0.15%以下の不可避的不
純物とからなり、前記鋳造圧延板の表面における圧延方
向に直角方向の結晶粒の平均幅を250μm以下とし、
この鋳造圧延板を、熱処理を介することなしに冷間圧延
し、または冷間圧延後に熱処理を行わないことを特徴と
する。
【0012】請求項2による平版印刷版用アルミニウム
合金板の製造方法は、アルミニウム合金の溶湯を双ロー
ル式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧延した後、得られた鋳
造圧延板を冷間圧延を含む工程により加工して平版印刷
版用アルミニウム合金板を製造する方法において、アル
ミニウム合金が、Si:0.20 %以下、Fe:0.08 %〜0.
7 %を含有し、残部がAlと各0.15%以下の不可避的不
純物とからなり、前記鋳造圧延板の表面における圧延方
向に直角方向の結晶粒の平均幅を250μm以下とし、
この鋳造圧延板を、冷間圧延し得る程度に軟化するが再
結晶しないような熱処理を介して冷間圧延し、または冷
間圧延後に再結晶しないような熱処理を行うことを特徴
とする。
【0013】請求項3による平版印刷版用アルミニウム
合金板の製造方法は、請求項2において、前記熱処理
が、熱処理温度400℃未満の温度で行われることを特
徴とする。
【0014】請求項4による平版印刷版用アルミニウム
合金板の製造方法は、請求項3において、前記熱処理
は、熱処理温度が300℃以上400℃未満の場合に
は、300℃から熱処理温度T℃までの昇温時間と熱処
理温度T℃での保持時間と熱処理温度T℃から300℃
までの降温時間との和が(2400−6T)分以下とな
るようにし、熱処理温度が150℃以上300℃未満の
場合には、熱処理時間を10時間以下とすることを特徴
とする。
【0015】請求項5による平版印刷版用アルミニウム
合金板の製造方法は、請求項1〜4において、前記双ロ
ール式溶湯圧延法において、アルミニウム合金の溶湯が
双ロールに達するまでの間にアルミニウム合金の溶湯に
Ti、TiとB、またはTiとCを、鋳造圧延板中の含
有量がTiの場合は0.001%以上、TiとBの場合
はTi0.0005%以上、B1ppm 以上、TiとCの
場合はTi0.0005%以上、C1ppm 以上となるよ
う添加し、該添加位置から双ロールのロール間に達する
までのアルミニウム合金の溶湯の流速を20cm/分以上
として、アルミニウム合金の溶湯が前記添加位置からロ
ール間に達するまでの時間を1〜60分とすることを特
徴とする。
【0016】また、請求項6による平版印刷版用アルミ
ニウム合金板の製造方法は、請求項5において、アルミ
ニウム合金溶湯を双ロール式溶湯圧延法で直接連続鋳造
圧延した後の冷却過程で、連続鋳造圧延板を300〜4
00℃の温度域で10秒〜2時間保持することを特徴と
する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の平版印刷版用アルミニウ
ム合金板の製造方法における(1)合金成分の意義およ
びその限定理由、(2)製造工程の意義およびその限定
理由について説明する。 (1)合金成分の意義およびその限定理由 Feは、溶湯圧延時にAl−Fe−Si系やAl−Fe
系の微細な化合物を生成して、粗面化面のピット形状を
均一化するよう機能する。Feの好ましい含有範囲は、
0.08%〜0.7 %であり、0.08%未満では微細なAl−F
e−Si系化合物やAl−Fe系化合物が不足し、粗面
化面の均一性を向上させる効果が小さくなり、0.7 %を
越えて含有すると、上記の化合物が粗大化し、粗面化面
の均一性を損なう。
【0018】Siは、単体粒子で存在する場合、電解粗
面化面の陽極酸化性を阻害し、印刷汚れの原因となるた
め、一般的にその含有量は厳しく制限される。特に、D
C鋳造法では、Siと化合物を生成することによりSi
を無害化する作用のあるFeが、均質化処理の際にAl
−Fe系化合物を優先して生成するため、均質化処理後
や熱間圧延後の冷却時にSiが単体で析出することが多
い。これに対して、溶湯圧延法では凝固時に溶湯が急冷
されるため、Siの多くがAl−Fe−Si系化合物を
生成し、適切な量のFeが材料中に含有していれば、S
iの含有量が多くても無害化することができる。Siの
好ましい含有範囲は、0.20%以下であり、0.20%を越え
ると、溶湯圧延後の冷却過程や熱処理の際に単体Siが
析出し、印刷汚れが発生し易くなる。なお、その他の不
純物は、その各量が 0.15 %以下であれば、本発明の効
果を阻害することはない。
【0019】(2)製造工程の意義およびその限定理由 本発明における製造工程上の第1の特徴は、直接連続鋳
造圧延板を、熱処理を介することなしに冷間圧延し、ま
たは冷間圧延後に熱処理を行わないことにある。発明者
らによる試験の結果、均一の粗面化面の阻害要因となる
異常再結晶は、溶湯圧延時の圧延加工が原因となること
が見出された。双ロール式溶湯圧延法は、鋳型としてロ
ールを使用するため、凝固とほぼ同時に板に圧延加工が
施される。この圧延加工により材料に転位がもたらさ
れ、固溶元素が転位やその集合部に微細に析出し易くな
り、析出した微細粒子は、溶湯圧延後の熱処理の際、再
結晶に必要な転位の移動を阻害し、再結晶を遅延させる
よう作用する。この結果、比較的粗大な化合物や変形帯
を核として、一部で再結晶粒が発生すると、その再結晶
粒のみが異常成長し、著しく粗大化する。従って、異常
再結晶を生成させないようにするためには、溶湯圧延で
得られた鋳造圧延板を再結晶させない、すなわち再結晶
のための熱処理を行わないことである。
【0020】本発明における製造工程上の第2の特徴
は、鋳造圧延板を、冷間圧延し得る程度に軟化するが再
結晶しないような熱処理を介して冷間圧延し、または冷
間圧延後に再結晶しないような熱処理を行うことにあ
る。このような熱処理を行うことにより、省エネルギー
の面では、上記の熱処理を行わない手法には劣るが、材
料強度を広範囲で調整し易くなり、更に冷間圧延性も向
上させることができるという利点がある。この場合、熱
処理温度は400℃未満とするのが好ましい。400℃
以上の温度で熱処理した場合には異常再結晶粒が生じ易
くなる。
【0021】具体的な熱処理の態様としては、熱処理温
度が300℃以上400℃未満の場合には、300℃か
ら熱処理温度T℃までの昇温時間(t1 )と熱処理温度
T℃での保持時間(t2 )と熱処理温度T℃から300
℃までの降温時間(t3 )との和(t1 +t2 +t3
が(2400−6T)分以下となるようにする。この時
間が上限を越えると、異常再結晶粒が部分的あるいは全
面で発生し易く、外観を著しく損なうことになる。熱処
理温度が150℃以上300℃未満の場合には、熱処理
を長時間施しても再結晶しにくいが、生産性を阻害しな
い実用的な熱処理時間は10時間以下とするのが好まし
い。熱処理温度が150℃未満では、材料を軟化させる
のに極めて長時間の保持が必要となるか、あるいは軟化
させる効果がないため、熱処理温度としては実用的では
ない。
【0022】上記の熱処理は、溶湯圧延直後、溶湯圧延
後の冷間圧延の途中工程(中間熱処理あるいは中間焼
鈍)、最終冷間圧延後のいずれのタイミングで行っても
よい。
【0023】溶湯圧延後の結晶粒組織は、粗面化面の均
一性に大きく影響する。結晶粒は、その金属学的な方位
によりその化学的な特性が異なるから、結晶粒が粗大で
あると、化学的特性の異なる粗大な部分が疎らに存在す
ることになり、粗面化面の外観の均一性が著しく損なわ
れる。また、溶湯圧延法により得られる鋳造圧延板の板
厚は薄く、所定板厚にするまでに大きな加工度を付与す
ることができないため、冷間圧延を行っても溶湯圧延後
の結晶組織の影響が残り易い。圧延方向に直角方向の結
晶粒界は、圧延によって引き延ばされ粒界としての特性
が緩和されるが、圧延方向の結晶粒界は明瞭に残存し、
粗面化面の外観の均一性を損なう。
【0024】粗面化後に結晶粒組織が模様として観察さ
れないようにするために、鋳造圧延板表面における圧延
方向に直角方向の結晶粒の平均幅を250μm以下とす
るのが好ましい。このような微細な結晶粒は、双ロール
式溶湯圧延法において、アルミニウム合金の溶湯が溶解
・保持炉、溶湯処理槽、樋、ノズルを通して給送され双
ロールに達するまでの間にアルミニウム合金の溶湯にT
i、TiとB、またはTiとCを添加し、この添加位置
から双ロールのロール間に達するまでのアルミニウム合
金の溶湯の流速を20cm/分以上として、アルミニウム
合金の溶湯が前記添加位置からロール間に達するまでの
時間を1〜60分とすることにより得られ易い。
【0025】Tiは、鋳造圧延板中において0.001 %以
上となるよう添加する。TiとBは、Ti0.0005%以
上、B1ppm以上となるよう添加する。また、TiとC
は、Ti0.0005%以上、C1ppm以上となるように添加す
る。
【0026】また、溶湯圧延後の冷却過程において、鋳
造圧延板を300〜400℃の温度域に10秒間〜2時
間保持することにより、その表層部を微細に再結晶させ
ることができ、粗面化後の外観を均一にするのにより効
果的である。なお、この場合の再結晶は、溶湯圧延後の
冷却過程で生じることがあるもので、溶湯圧延時の熱間
加工により導入された転位が再配列し、冷却過程で再結
晶化したものであり、溶湯圧延後の工程で生じた再結晶
とは生成機構が異なるものである。従って、溶湯圧延後
の冷却過程においては、異常再結晶が発生することはな
い。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。なお、これらの実施例は本発明の一実施態様を
示すものであり、本発明がこれらに限定されるものでは
ない。 実施例1 表1に示す組成を有するアルミニウム合金(合金No.
A)の溶湯を、双ロール式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧
延して、板厚6mmの鋳造圧延板(鋳造圧延板No.1)
を得た。なお、双ロールに達するまでの間にアルミニウ
ム合金の溶湯に結晶粒微細化剤Al−5%Ti−0.2
%B合金を添加し、結晶粒微細化剤の添加位置から双ロ
ールのロール間に達するまでのアルミニウム合金の溶湯
の流速を50cm/分以上として、アルミニウム合金の溶
湯が前記添加位置からロール間に達するまでの時間を3
分とした。
【0028】得られた鋳造圧延板No.1について、下
記の方法に従って(1)結晶幅の測定を行った。 (1)結晶幅の測定 鋳造圧延板の表面を塩酸、硝酸、フッ酸を含む25℃の
タッカー氏液中に10秒間浸漬してエッチングした後、
投影機にて20倍に拡大した組織写真を撮影し、次い
で、この組織写真上の任意の位置で鋳造方向に対して直
角方向に50mmの直線を3本引き、この直線と交わる結
晶粒界の数から平均結晶幅を算出する。
【0029】次に、鋳造圧延板No.1を冷間圧延し
て、板厚0.24mmのアルミニウム合金板(冷延板N
o.1)とし、この冷延板No.1の表面に、苛性ソー
ダ水溶液によるアルカリエッチングと硝酸液によるデス
マット処理を施した後、この表面を1.6%硝酸水溶液
中で交番的に極性が入れ替わる交流電解により、陽極時
電気量が350クーロン/dm2 となる条件で粗面化し
た。更に、この粗面化面を硫酸で洗浄した後、硫酸を主
体とする電解液中で粗面化面に陽極酸化皮膜を設け、平
版印刷版用アルミニウム合金板(試験材No.1)を得
た。
【0030】冷延板No.1および得られた試験材N
o.1について、以下の項目について評価した。 (2)単体Siの析出 粗面化を行う前の冷延板について、単体Siの析出状況
を透過型電子顕微鏡で観察し、単体Siの有無を評価す
る。 (3)電解ピットの均一性 粗面化後、硫酸での洗浄を終えた陽極酸化被膜形成前の
試験材について、その表面を走査型電子顕微鏡により観
察し、電解ピットの均一性を評価する。 (4)外観の均一性 陽極酸化皮膜を設けた試験材の表面を黄色光の下で目視
観察し、外観の均一性を評価する。
【0031】実施例2 表1に示す組成を有するアルミニウム合金(合金No.
B)の溶湯を、双ロール式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧
延して、板厚6mmの鋳造圧延板(鋳造圧延板No.2)
を得た。なお、双ロールに達するまでの間にアルミニウ
ム合金の溶湯に実施例1と同様にして結晶粒微細化剤A
l−5%Ti−0.2%B合金を添加した。
【0032】得られた鋳造圧延板No.2について、実
施例1と同様に(1)結晶幅の測定を行い、その後、実
施例1と同様に、板厚0.24mmまで冷間圧延してアル
ミニウム合金板(冷延板No.2)とし、更にその表面
を実施例1と同様に処理して、平版印刷版用アルミニウ
ム合金板(試験材No.2)を作製し、実施例1と同様
に(2)単体Siの析出、(3)電解ピットの均一性、
(4)外観の均一性を評価した。
【0033】実施例3 表1に示す組成を有するアルミニウム合金(合金No.
C)の溶湯を、双ロール式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧
延して、板厚3mmの鋳造圧延板(鋳造圧延板No.3)
を得た。なお、双ロールに達するまでの間にアルミニウ
ム合金の溶湯に実施例1と同様にして結晶粒微細化剤A
l−5%Ti−0.2%B合金を添加した。
【0034】得られた鋳造圧延板No.3について、実
施例1と同様に(1)結晶幅の測定を行い、その後、実
施例1と同様に、板厚0.24mmまで冷間圧延してアル
ミニウム合金板(冷延板No.3)とし、更にその表面
を実施例1と同様に処理して、平版印刷版用アルミニウ
ム合金板(試験材No.3)を作製し、実施例1と同様
に(2)単体Siの析出、(3)電解ピットの均一性、
(4)外観の均一性を評価した。
【0035】実施例4 表1に示す組成を有するアルミニウム合金(合金No.
D)の溶湯を、双ロール式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧
延して、板厚3mmの鋳造圧延板(鋳造圧延板No.4)
を得た。なお、溶湯圧延後の鋳造圧延板の冷却過程で3
00〜400℃の温度域で2分間保持し、板表面全体を
微細に再結晶させた。
【0036】その後、実施例1と同様に、板厚0.24
mmまで冷間圧延してアルミニウム合金板(冷延板No.
4)とし、更にその表面を実施例1と同様に処理して、
平版印刷版用アルミニウム合金板(試験材No.4)を
作製し、実施例1と同様に(2)単体Siの析出、
(3)電解ピットの均一性、(4)外観の均一性を評価
した。なお、鋳造圧延板No.4の結晶幅の測定につい
ては、表面全体が微細に再結晶し、実施例1と同じ方法
による測定が困難であったため、バーカー氏液中で電解
エッチングを行い、偏光顕微鏡で200倍に拡大した組
織写真から測定した。
【0037】比較例1 表1に示す組成を有するアルミニウム合金(合金No.
E)の溶湯を、双ロール式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧
延して、板厚3mmの鋳造圧延板(鋳造圧延板No.5)
を得た。なお、双ロールに達するまでの間にアルミニウ
ム合金の溶湯に実施例1と同様にして、結晶粒微細化剤
Al−5%Ti−0.2%B合金を添加した。
【0038】得られた鋳造圧延板No.5について、実
施例1と同様に(1)結晶幅の測定を行い、その後、実
施例1と同様に、板厚0.24mmまで冷間圧延してアル
ミニウム合金板(冷延板No.5)とし、更にその表面
を実施例1と同様に処理して、平版印刷版用アルミニウ
ム合金板(試験材No.5)を作製し、実施例1と同様
に(2)単体Siの析出、(3)電解ピットの均一性、
(4)外観の均一性を評価した。
【0039】比較例2 表1に示す組成を有するアルミニウム合金(合金No.
F)の溶湯を、双ロール式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧
延して、板厚6mmの鋳造圧延板(鋳造圧延板No.6)
を得た。なお、双ロールに達するまでの間にアルミニウ
ム合金の溶湯に実施例1と同様にして、結晶粒微細化剤
Al−5%Ti−0.2%B合金を添加した。
【0040】得られた鋳造圧延板No.6について、実
施例1と同様に(1)結晶幅の測定を行い、その後、実
施例1と同様に、板厚0.24mmまで冷間圧延してアル
ミニウム合金板(冷延板No.6)とし、更にその表面
を実施例1と同様に処理して、平版印刷版用アルミニウ
ム合金板(試験材No.6)を作製し、実施例1と同様
に(2)単体Siの析出、(3)電解ピットの均一性、
(4)外観の均一性を評価した。
【0041】比較例3 表1の合金No.Aのアルミニウム合金の溶湯を、双ロ
ール式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧延して、板厚6mmの
鋳造圧延板(鋳造圧延板No.7)を得た。なお、双ロ
ールに達するまでの間にアルミニウム合金の溶湯に実施
例1と同様にして結晶粒微細化剤Al−5%Ti−0.
2%B合金を添加した。
【0042】得られた鋳造圧延板No.7について、実
施例1と同様に(1)結晶幅の測定を行い、その後、実
施例1と同様に、板厚0.24mmまで冷間圧延してアル
ミニウム合金板(冷延板No.7)とし、更にその表面
を実施例1と同様に処理して、平版印刷版用アルミニウ
ム合金板(試験材No.7)を作製し、実施例1と同様
に(2)単体Siの析出、(3)電解ピットの均一性、
(4)外観の均一性を評価した。
【0043】比較例4 表1の合金No.Bのアルミニウム合金の溶湯を、双ロ
ール式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧延して、板厚6mmの
鋳造圧延板(鋳造圧延板No.8)を得た。なお、双ロ
ールに達するまでの間にアルミニウム合金の溶湯に実施
例1と同様にして結晶粒微細化剤Al−5%Ti−0.
2%B合金を添加した。
【0044】得られた鋳造圧延板No.8について、実
施例1と同様に(1)結晶幅の測定を行い、その後、実
施例1と同様に、板厚0.24mmまで冷間圧延してアル
ミニウム合金板(冷延板No.8)とし、更にその表面
を実施例1と同様に処理して、平版印刷版用アルミニウ
ム合金板(試験材No.8)を作製し、実施例1と同様
に(2)単体Siの析出、(3)電解ピットの均一性、
(4)外観の均一性を評価した。
【0045】比較例5 表1の合金No.Cのアルミニウム合金の溶湯を、双ロ
ール式溶湯圧延法で直接連続鋳造圧延して、板厚3mmの
鋳造圧延板(鋳造圧延板No.9)を得た。なお、双ロ
ールに達するまでの間にアルミニウム合金の溶湯に実施
例1と同様にして結晶粒微細化剤Al−5%Ti−0.
2%B合金を添加した。
【0046】得られた鋳造圧延板No.9について、実
施例1と同様に(1)結晶幅の測定を行い、その後、実
施例1と同様に、板厚0.24mmまで冷間圧延してアル
ミニウム合金板(冷延板No.9)とし、更にその表面
を実施例1と同様に処理して、平版印刷版用アルミニウ
ム合金板(試験材No.9)を作製し、実施例1と同様
に(2)単体Siの析出、(3)電解ピットの均一性、
(4)外観の均一性を評価した。
【0047】実施例1〜4および比較例1〜5の測定、
評価結果を表1および表2に示す。表1および表2に示
すように、本発明に従う実施例1〜4においてはいずれ
も、鋳造圧延板表面における圧延方向に直角な方向の結
晶粒の平均幅長さは250μm以下で、単体Siの析出
がなく、電解ピットの均一性、外観の均一性に優れ、平
板印刷版用アルミニウム合金板として満足すべきもので
あった。これに対して、比較例1〜2については、合金
組成が本発明の範囲を外れているため、電解ピットの均
一性あるいは単体Si量に問題があり、また比較例3〜
5については、溶湯圧延後の結晶幅が大きいため、いず
れも試験材の外観が不均一であった。
【0048】
【表1】 《表注》合金組成:Si、Fe、Tiは質量%(mass%)、B はppm
【0049】
【表2】
【0050】実施例5 表1に示す実施例1〜4における鋳造圧延板No.1〜
4を用いて、下記A、B、C、Dの各条件で板厚0.2
4mmのアルミニウム合金板を作製し、得られたアルミニ
ウム合金板の表面を実施例1と同様に処理して、平版印
刷版用アルミニウム合金板(試験材No.10〜25)
を得た。
【0051】得られた試験材について、実施例1と同様
に(2)単体Siの析出(異常再結晶の有無)、(3)
電解ピットの均一性、(4)外観の均一性の項目につい
て評価を行った。また、粗面化処理を行う前のアルミニ
ウム合金板から、JIS5号引張試験片を圧延方向と引
張試験での負荷方向とが平行になるように採取して、
(5)引張強さを評価した。
【0052】条件A:溶湯圧延後、鋳造圧延板を厚さ
0.24mmまで冷間圧延し、300℃から380℃(熱
処理温度)までの昇温時間、380℃での保持時間およ
び380℃から300℃までの降温時間の和が15秒間
となる条件で熱処理を施す。 条件B:溶湯圧延後、鋳造圧延板を厚さ0.24mmまで
冷間圧延し、300℃から340℃(熱処理温度)まで
の昇温時間、340℃での保持時間および340℃から
300℃までの降温時間の和が4時間となる条件で熱処
理を施す。
【0053】条件C:溶湯圧延後、鋳造圧延板を板厚
0.8mmまで冷間圧延し、300℃から310℃(熱処
理温度)までの昇温時間、310℃での保持時間および
310℃から300℃までの降温時間の和が4時間とな
る条件で熱処理を施した後、厚さ0.24mmまで冷間圧
延する。 条件D:溶湯圧延後、鋳造圧延板を厚さ1.2mmまで冷
間圧延し、200℃で2時間保持する熱処理を施した
後、厚さ0.24mmまで冷間圧延する。
【0054】評価結果を表3に示す。表3にみられるよ
うに、実施例5の試験材No.10〜25はいずれも、
異常再結晶が無く、外観の均一性に優れ、電解ピットも
均一であり、種々の引張強度のものを得ることができ
た。
【0055】
【表3】
【0056】比較例6 表1に示す実施例1〜4における鋳造圧延板No.1〜
4を用いて、下記E、Fの各条件で板厚0.24mmのア
ルミニウム合金板を作製し、得られたアルミニウム合金
板の表面を実施例1と同様に処理して、平版印刷版用ア
ルミニウム合金板(試験材No.26〜33)を得た。
【0057】得られた試験材について、実施例1と同様
に(2)単体Siの析出(異常再結晶の有無)、(3)
電解ピットの均一性、(4)外観の均一性の項目につい
て評価を行った。また、実施例5と同様に、(5)引張
強さを評価した。
【0058】条件E:溶湯圧延後、鋳造圧延板を厚さ
0.24mmまで冷間圧延し、300℃から400℃(熱
処理温度)までの昇温時間、400℃での保持時間およ
び400℃から300℃までの降温時間の和が15秒間
となる条件で熱処理を施す。 条件F:溶湯圧延後、鋳造圧延板を厚さ0.8mmまで冷
間圧延し、300℃から350℃(熱処理温度)までの
昇温時間、350℃での保持時間および350℃から3
00℃までの降温時間の和が10時間となる条件で熱処
理を施した後、厚さ0.24mmまで冷間圧延する。
【0059】評価結果を表4に示す。表4に示すよう
に、比較例6の各試験材においては、部分的あるいは全
面で異常再結晶が発生し、外観が不均一となった。な
お、単体Siは、本発明の実施例1〜4における鋳造板
No.1〜4を用いているため、問題が生じていない。
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、双ロー
ル式溶湯圧延法を使用することにより、歩留り向上や工
程上の簡略化の要求を満足し、且つ最終的に得られたア
ルミニウム合金板に粗面化を施した場合、金属組織模様
が観察されない均一な外観と、均一な粗面化面とを得ら
れる平版印刷版用アルミニウム合金板が製造される。当
該平版印刷版用アルミニウム合金板は品質の良い印刷版
となり、良好な印刷原板を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 11/12 B22D 11/12 A B41N 1/08 B41N 1/08 // C22C 21/00 C22C 21/00 M C22F 1/00 604 C22F 1/00 604 623 623 674 674 681 681 685 685Z 691 691B 691A 691C (72)発明者 上杉 彰男 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フィルム株式会社内 (72)発明者 渡辺 良夫 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 扇 博史 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 佐々木 茂明 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 Fターム(参考) 2H114 AA04 AA14 DA04 DA64 EA02 EA08 FA06 GA02 4E004 DA13 MB14 NC08 SD03 SE02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金の溶湯を双ロール式溶
    湯圧延法により直接連続鋳造圧延した後、得られた鋳造
    圧延板を冷間圧延を含む工程により加工して平板印刷版
    用アルミニウム合金板を製造する方法において、アルミ
    ニウム合金が、Si:0.20 %(質量%、以下同じ)以
    下、Fe:0.08 %〜0.7 %を含有し、残部がAlと各0.
    15%以下の不可避的不純物とからなり、前記鋳造圧延板
    の表面における圧延方向に直角な方向の結晶粒の平均幅
    を250μm以下とし、鋳造圧延板を、熱処理を介する
    ことなしに冷間圧延し、且つ冷間圧延後に熱処理を行わ
    ないことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム合金板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金の溶湯を双ロール式溶
    湯圧延法により直接連続鋳造圧延した後、得られた鋳造
    圧延板を冷間圧延を含む工程により加工して平板印刷版
    用アルミニウム合金板を製造する方法において、アルミ
    ニウム合金が、Si:0.20 %以下、Fe:0.08 %〜0.7
    %を含有し、残部がAlと各0.15%以下の不可避的不純
    物とからなり、前記鋳造圧延板の表面における圧延方向
    に直角な方向の結晶粒の平均幅を250μm以下とし、
    鋳造圧延板を、冷間圧延し得る程度に軟化するが再結晶
    しないような熱処理を介して冷間圧延し、または冷間圧
    延後に再結晶しないような熱処理を行うことを特徴とす
    る平版印刷版用アルミニウム合金板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理が、熱処理温度400℃未満
    の温度で行われることを特徴とする請求項2記載の平版
    印刷版用アルミニウム合金板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱処理は、熱処理温度が300℃以
    上400℃未満の場合には、300℃から熱処理温度T
    ℃までの昇温時間と熱処理温度T℃での保持時間と熱処
    理温度T℃から300℃までの降温時間との和が(24
    00−6T)分以下となるようにし、熱処理温度が15
    0℃以上300℃未満の場合には、熱処理時間を10時
    間以下とすることを特徴とする請求項3記載の平版印刷
    版用アルミニウム合金板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記双ロール式溶湯圧延法において、ア
    ルミニウム合金の溶湯が双ロールに達するまでの間にア
    ルミニウム合金の溶湯にTi、TiとB、またはTiと
    Cを、鋳造圧延板中の含有量がTiの場合は0.001
    %以上、TiとBの場合はTi0.0005%以上、B
    1ppm 以上、TiとCの場合はTi0.0005%以
    上、C1ppm 以上となるよう添加し、該添加位置から双
    ロールのロール間に達するまでのアルミニウム合金の溶
    湯の流速を20cm/分以上として、アルミニウム合金の
    溶湯が前記添加位置からロール間に達するまでの時間を
    1〜60分とすることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の平版印刷版用アルミニウム合金板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 アルミニウム合金溶湯を双ロール式溶湯
    圧延法により直接連続鋳造圧延した後の冷却過程で、鋳
    造圧延板を300〜400℃の温度域で10秒〜2時間
    保持することを特徴とする請求項1〜5記載の平版印刷
    版用アルミニウム合金板の製造方法。
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