JP2002180204A - 耐温間へたり性に優れたばね鋼 - Google Patents

耐温間へたり性に優れたばね鋼

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリープテンパー処理やホットセッティン
グ、常温セッティングを行うことなく、常温での耐へた
り性だけでなく、温間においても優れた耐へたり性を有
するばね用鋼を提供する。 【構成】 質量%で、C:0.4〜1.0%、Si:
0.4〜3.0%、Mn:0.3〜2.0%、P:0.
02%以下、S:0.01%以下を含有し、さらに必要
に応じてCr:0.1〜1.5%、Mo:0.1〜0.
8%、V:0.05〜0.5%、Ti:0.01〜0.
5%、Nb:0.01〜0.5%、B:0.0005〜
0.0060%の1種または2種以上を含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなる鋼であって、焼入れ
・焼戻し後の表面硬さ(HVS)と板厚中心部の硬さ
(HVC)が、HVS≧HVC−30−8×(%Si)−
20×(%Mo)−15×(%V)の関係を満足するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼入れ・焼戻しを施し
た後に、自動車のクラッチに組み込まれるダイヤフラム
スプリング等の皿ばねのように温間雰囲気で使用される
際の耐温間ヘタリ性に優れたばね用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車のクラッチに組み込まれ
るダイヤフラムスプリング等の皿ばねにはSK5等の炭
素工具鋼が主に使用されている。しかし、炭素工具鋼で
は温度の上昇に伴ってばねのへたりが急速に進行する。
そのため、温間における耐へたり性の改善に関しては、
種々検討がなされている。
【0003】耐へたり性を材質面から向上させる手段と
して、鋼に対するSi含有量を増加させればよいことが
知られている。例えばJIS G4801に規定されて
いるSUP6やさらにSi含有量が多いSUP7等が耐
へたり性を要求されるばねとして使用されている。しか
し、これらの鋼は常温での耐へたり性に優れるものの、
昇温に伴って耐へたり性が低下し、温間では十分な特性
を示さない。
【0004】これらの温間での耐へたり性を改善した例
として、特公昭46−19420号公報、特開昭63−
128153号公報、特開平6−93338号公報があ
る。特公昭46−19420号公報および特開昭63−
128153号公報には、耐へたり性向上効果のあるS
i、Al、N、MoおよびV等の成分調製により、耐へ
たり性に優れたばね鋼が開示されている。また、特開平
4−52224号公報には、C、Si、Mn、Cr、M
o等を適量含有させた鋼について、焼入れ・焼戻し硬さ
を最適化することにより、温間での耐へたり性に優れた
鋼を製造することができる旨、記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、装置の大型化、
高出力化に伴って、装置に組み込まれるばねはこれまで
以上の高温雰囲気に晒されるようになってきているた
め、温間での更なる耐へたり性向上が望まれている。一
方、ばねが装置に組み込まれる場合には,耐へたり性の
向上を目的として、クリープテンパー処理やホットセッ
ティング、常温セッティングが一般的に行われている
が、製造コスト低減を目的として、これらの工程の省略
が検討されている。
【0006】例えば、自動車エンジンの高出力化、足回
りの4WD化等に伴って、クラッチに加わる負荷が増大
し、クラッチに組み込まれているダイヤフラムスプリン
グ等の部品の温度は100〜350℃の温間に晒されて
いる。この点で、従来以上に温間における耐へたり性に
優れるばね鋼の要求が強まっている。また、ダイヤフラ
ムスプリング製造過程においても、温間での耐へたり性
向上を目的としたクリープテンパー処理やホットセッテ
ィング、常温セッティングが一般的に行われているが、
これらの工程を省略して製造コストを低減する試みが行
われている。特にクリープテンパー処理はバッチ処理に
なるため、製造費のうちクリープテンパー処理費の占め
る比率が高く、クリープテンパー処理省略による製造コ
スト低減効果は大きい。
【0007】しかし、これらのクリープテンパー処理や
ホットセッティング、常温セッティング工程の省略は温
間での耐へたり性の低下を招くため、前述したような合
金成分の調整や焼入れ・焼戻し硬さの調整による耐へた
り性の改善に加えて、更に温間での耐へたり性改善の必
要が生じてきている。本発明は、このような問題を解消
すべく案出されたものであり、クリープテンパー処理や
ホットセッティング、常温セッティングを行うことな
く、常温での耐へたり性だけでなく、温間においても優
れた耐へたり性を有するばね用鋼を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の耐温間へたり性
に優れたばね鋼は、その目的を達成するため、質量%
で、C:0.4〜1.0%、Si:0.4〜3.0%、
Mn:0.3〜2.0%、P:0.02%以下、S:
0.01%以下を含有し、さらに必要に応じてCr:
0.1〜1.5%、Mo:0.1〜0.8%、V:0.
05〜0.5%、Ti:0.01〜0.5%、Nb:
0.01〜0.5%、B:0.0005〜0.0060
%の1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不
可避的不純物からなる鋼であって、焼入れ・焼戻し後の
表面硬さ(HVS)と板厚中心部の硬さ(HVC)が、H
S≧HVC−30−8×(%Si)−20×(%Mo)
−15×(%V)の関係を満足するようにしたものであ
る。
【0009】
【作用】本発明者等は、温間での耐へたり性に優れるば
ね用鋼を得ること目的として、詳細な検討を行った。そ
の結果、従来技術のように耐へたり性に有効な合金の調
整や焼入れ・焼戻し硬さの最適化のみならず、焼入れ・
焼戻し後の表面硬さと板厚中心部の硬さのバランスを適
正化することで、温間での耐へたり性が安定して向上す
ることを見出した。
【0010】板ばねやダイヤフラムスプリングのような
皿ばねでは、使用中に板厚方向の曲げ・曲げ戻しの繰返
し応力が負荷されるが、その応力は板表面で最大にな
る。板厚方向で材質にバラツキがあるような材料、例え
ば板表面近傍が脱炭等で軟質になっている材料では、板
表面近傍で弾性限近くまで負荷応力が上昇している可能
性があり、耐へたり性の低下を招きかねない。この脱炭
等による表面軟化を抑制するには、熱処理時のカーボン
ポテンシャルを調整することが有効であることが知られ
ている。しかし、製品間やロット間での調整は作業が煩
雑になり、生産性の低下を招きかねない。
【0011】そこで、種々の鋼を用いて、表面硬さを変
化させて、温間において曲げ式のへたり試験を行い、表
面硬さと板厚中心部の硬さのバランスと耐へたり性の関
係を整理した。その結果、焼入れ・焼戻し後の表面硬さ
(HVS)と板厚中心部の硬さ(HVC)が、HVS≧H
C−30−8×(%Si)−20×(%Mo)−15
×(%V)の関係を満足すれば、安定した温間での耐へ
たり性を向上させることが可能であることを見出した。
【0012】
【実施の態様】表1に示す化学組成の鋼を溶製した。C
含有量が0.6質量%をベースとして、Si、Mo、V
含有量を変化させた。鋼A1〜A3は、Si含有量が
0.2〜2.0質量%、鋼A3、B1、B2は、Mo含
有量が0〜0.7質量%、鋼A3、C1、C2は、V含
有量が0〜0.5質量%と異なるものである。
【0013】これらの鋼塊の熱間圧延に先立って、冷延
焼鈍材の表面脱炭量を約50μmに揃えるために、大気
中で1250℃×30〜120min加熱して表面脱炭
深さを調整した。その後熱間圧延により板厚4.0mm
の熱延板とした。熱延板を710℃で均熱20h焼鈍し
た後、圧延率50%の冷間圧延、710℃で均熱20h
の焼鈍を施し、板厚2.0mmの冷延焼鈍材を得た。こ
れらの表面脱炭量はいずれの鋼とも約50μmであるこ
とを確認した。これらをソルトバス中およびカーボンポ
テンシャルが0.8%の雰囲気中で、870℃×5〜6
0minの熱処理後、60℃の油冷を行った。その後、
500〜650℃×30minの焼戻しを行い、板厚中
心部の硬さ(HVC)を約430HV10に固定して、
表面硬さ(HVS)を変化させた。
【0014】例えば、鋼A3の場合、ソルトバス中で8
70℃×30min熱処理後、60℃の油冷を行った。
その後、550℃×30minの焼戻しを行ない、板厚
中心部の硬さ(HVc)を約430HV10、表面硬さ
(HVs)を約360HC10とした。また、カーボン
ポテンシャルが0.8%の雰囲気中で、870℃×1
0、20、30minの熱処理後、60℃の油冷を行な
った。その後、550℃×30minの焼戻しを行な
い、板厚中心部の硬さ(HVc)を約430HV10、
表面硬さ(HVs)をそれぞれ約390、410、43
0HV10と変化させた。そして、これらの供試材を曲
げ式のへたり試験に供した。
【0015】
【0016】曲げへたり試験は、片持ち梁による試験で
あり、図1に示す試験片を用いて、図2に示す手順で行
った。すなわち、試験片の表面最大応力σで試験を行う
場合、下式により求まる初期曲げモーメントを与え、そ
の時のたわみδを測定する。 σ=(P0×l)/Z =(P0×l)/(b×t2/6) P0:初期荷重、l:試験片の梁長さ(55mm)、
Z:断面係数、b:板幅(15mm)、t:板厚(2.
0mm)
【0017】ついで、このたわみδを固定ボルトにより
一定に保ったまま、試験温度で10h保持する。その
後、室温まで冷却した後、固定ボルトを外し、再びたわ
みδとなる曲げ荷重Pを測定する。このようにして得ら
れた一定のたわみ位置での加熱前後の荷重低下率%[=
(P0−P)/P0×100]をへたり率とした。条件は
実使用に近い環境を想定した条件の試験温度200℃で
表面最大応力1370N/mm2とした。
【0018】表2および図3に各供試材のへたり試験結
果を示す。何れの供試材においても、特定の(HVS
HVC)値以下になると、大きくへたり率は上昇し、温
間での耐へたり性は低下する。へたり率が大きく変化す
る(HVS−HVC)値は、Si、MoおよびV含有量が
多くなると、低くなる。このへたり率が大きく変化する
(HVs−HVc)値と化学成分値を回帰分析した結
果、HVS≧HVC−30−8×(%Si)−20×(%
Mo)−15×(%V)であれば、へたり率は低く、温
間での耐へたり性に優れることが明らかになった。
【0019】
【0020】次に、本発明を適用する鋼の好適な組成成
分について説明する。C:0.4〜1.0質量% Cは鋼の強度を高めるのに有効であるが、焼入れ・焼戻
しによりばね鋼として必要な強度・靭性を得るには少な
くとも0.4質量%以上含有させる必要がある。しか
し、Cを多量に含有すると、焼割れが生じやすくな
る、靭性が劣化する、焼入れ・焼戻し後にオーステ
ナイトが残留し、耐へたり性が低下する、といった弊害
がある。このため上限を1.0質量%とする。
【0021】Si:0.4〜3.0質量% Siは、固溶強化により強度を上昇させ、耐へたり性を
向上させるのに有効な元素であるが、その効果は0.4
質量%未満ではばね鋼として必要な耐へたり性を確保で
きなくなるため、0.4質量%以上にする必要がある。
また、前述したように、表面硬さと板厚中心部の硬さの
バランスに影響するので、より多量に含有させることが
望ましい。しかし、3.0質量%を超えると、ばね鋼と
して有害な内部酸化や脱炭が生じ易くなるので、上限は
3.0質量%とした。
【0022】Mn:0.3〜2.0質量% Mnは、鋼板の焼入れ性を高める元素である、十分な焼
入れ性を得るためには0.3質量%以上の含有が必要で
ある。しかし、2.0質量%を超えて多量に含有させる
と焼入れ・焼戻し後にオーステナイト相が残留し、耐へ
たり性が低下するのに加えて、焼入れ・焼戻し後の靭性
が低下するため、上限を2.0質量%とする。
【0023】P:0.02質量%以下、S:0.01質
量%以下 Pはオーステナイト粒界に偏析し、焼入れ・焼戻し後の
靭性を低下させるため、極力低くすることが望ましく、
0.02質量%以下とする。SはMnS系介在物を形成
し、焼入れ・焼戻し後の靭性を低下させるため、0.0
1質量%以下とする。
【0024】Cr:0.1〜1.5質量 Crは、Mnと同様に焼入れ性を改善するのに有効な元
素である。効果を得るには0.1質量%以上含有させる
必要がある。しかし、1.5質量%を超える多量のCr
を含有させると、焼入れ・焼戻し後の靭性劣化が著しい
ため、上限は1.5質量%とする。
【0025】Mo:0.1〜0.8質量% Moは耐へたり性を改善するのに有効な元素であり、
0.1質量%以上させる必要がある。またMoはSiと
同様に表面硬さと板厚中心部の硬さのバランスに影響を
及ぼすので、より多量に含有させることが望ましいが、
Moの多量の含有は、焼入れ時の未溶解炭化物を増加さ
せ、強度低下を招くため、上限は0.8質量%とする。
【0026】V:0.05〜0.5質量% Vは、炭窒化物を形成することで焼入れ時のオーステナ
イト結晶粒を微細化し、耐へたり性を向上させる。その
効果は0.05質量%未満では小さいため、0.05質
量%以上含有させる必要がある。しかし、0.5質量%
を超えて含有させると、Moと同様に、焼入れ時の未溶
解炭窒化物が増加し、強度低下を招くので上限は0.5
質量%とする。
【0027】Ti:0.01〜0.5質量%、Nb:
0.01〜0.5質量% TiおよびNbは炭窒化物を形成し、焼入れ処理時のオ
ーステナイト粒径の粗大化を抑制し、温間での耐へたり
性を向上させる。その添加量としては0.01質量%以
上が望ましい。しかし、0.5質量%を超えて含有させ
てもその効果は飽和するため、上限は0.5質量%とす
る。
【0028】B:0.0005〜0.0060質量% Bは極く微量の添加で焼入れ性を大幅に向上させるとと
もに、粒界を強化して焼入れ・焼戻し後の靭性を向上さ
せる。その効果は0.0005質量%以上の含有で顕著
になるが、0.0060質量%を超えて含有させても、
その効果は飽和するため、上限は0.0060質量%と
する。
【0029】
【実施例】表3に示す化学組成の本発明鋼1〜8および
比較鋼9〜11を溶製した。これらの鋼塊の熱間圧延に
先立って、冷延焼鈍材の表面脱炭量を約50μmに揃え
るため、大気中で1250℃×30〜120min加熱
して表面脱炭深さを調整した。その後熱間圧延により板
厚4.0mmの熱延板とした。熱延板を710℃で均熱
20h焼鈍した後、圧延率50%の冷間圧延、710℃
で均熱20hの焼鈍を施し、板厚2.0mmの冷延焼鈍
材を得た。これらの表面脱炭量は何れの鋼とも約50μ
mであることを確認した。
【0030】これらをソルトバス中およびカーボンポテ
ンシャルが0.8%の雰囲気中で、870℃×5〜60
minの熱処理後、60℃の油冷を行った。その後、4
00〜650℃×30minの焼戻しを行い、本発明鋼
1、2、3〜7、8および比較鋼9〜11は板厚中心部
の硬さ(HVC)を約430HV10に固定して表面硬
さ(HVS)を変化させた。
【0031】例えば、鋼1の場合、ソルトバス中で87
0℃×30minの熱処理後、60℃の油冷を行った。
その後、400℃×30minの焼戻しを行ない、板厚
中心部の硬さ(HVc)を約430HC10、表面硬さ
(HVs)を360HV10とした。また、カーボンポ
テンシャルが0.8%の雰囲気中で、870℃×20m
inの熱処理後、60℃の油冷を行なった。その後、4
00℃×30minの焼戻しを行ない、板厚中心部の硬
さ(HVc)を約430HV10、表面硬さ(HVs)
をそれぞれ約440HV10とした。なお、へたり試験
は前述の方法と同じ方法で行った。
【0032】
【0033】
【0034】本発明鋼では、いずれの鋼でも本発明例の
ようにHVS≧HVC−30−8×(%Si)−20×
(%Mo)−15×(%V)を満足させれば、へたり率
は、比較例のへたり率の約1/2程度まで低下し、温間
での耐へたり性に優れていることがわかる。また、本発
明例において、Cr、Mo、V、Ti、Nb、Bを1種
または2種以上を含有する鋼4〜8、13では、Cr、
Mo、V、Ti、Nb、Bを1種または2種以上を含有
しない鋼1、2および3に比べて、へたり率は同等以下
になり、温間での耐へたり性がさらに向上している。
【0035】比較鋼16は、CおよびSi含有量が本発
明範囲外の鋼である。HVS≧HVC−30−8×(%S
i)−20×(%Mo)−15×(%V)は満足するも
のの、CおよびB含有量が少ないために、へたり率が高
く、温間での耐へたり性が低い。比較鋼17は、Si含
有量が本発明の範囲外である。HVS≧HVC−30−8
×(%Si)−20×(%Mo)−15×(%V)は満
足するものの、Siを多量に含有するため、内部酸化が
著しくなり、へたり率が高い。比較鋼18はMn含有量
が本発明範囲外である。HVS≧HVC−30−8×(%
Si)−20×(%Mo)−15×(%V)は満足する
ものの、Mn含有量が多いため、残留オーステナイトの
影響により、へたり率が高い。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は、ばね
鋼の組成を調整するとともに、焼入れ・焼戻し後の表面
硬さと板厚中心部の硬さとをバランスさせることによ
り、従来行っていたクリープテンパー処理やホットセッ
ティング、常温セッティングを省略しても、常温での耐
へたり性のみならず、温間での耐へたり性を向上させる
ことができるので、自動車のクラッチに組み込まれるダ
イヤフラムスプリング等の皿ばねに最適なばね鋼を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 へたり試験に用いた試験片形状を示した図
【図2】 へたり試験方法を示した図
【図3】 耐へたり性に及ぼす板厚中心部の硬さと表面
硬さのバランスの影響を示した図
フロントページの続き (72)発明者 秋月 誠 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 3J059 AB01 BA23 BC02 BC19 EA09 GA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C:0.4〜1.0%、S
    i:0.4〜3.0%、Mn:0.3〜2.0%、P:
    0.02%以下、S:0.01%以下を含有し、残部が
    Feおよび不可避的不純物からなり、焼入れ・焼戻し後
    の表面硬さ(HVS)と板厚中心部の硬さ(HVC)が、
    HVS≧HVC−30−8×(%Si)の関係を満足する
    ことを特徴とする耐温間へたり性に優れたばね用鋼。
  2. 【請求項2】 質量%で、C:0.4〜1.0%、S
    i:0.4〜3.0%、Mn:0.3〜2.0%、P:
    0.02%以下、S:0.01%以下を含有し、さらに
    Cr:0.1〜1.5%、Mo:0.1〜0.8%、
    V:0.05〜0.5%、Ti:0.01〜0.5%、
    Nb:0.01〜0.5%、B:0.0005〜0.0
    060%の1種または2種以上を含有し、残部がFeお
    よび不可避的不純物からなり、焼入れ・焼戻し後の表面
    硬さ(HVS)と板厚中心部の硬さ(HVC)が、HVS
    ≧HVC−30−8×(%Si)−20×(%Mo)−
    15×(%V)の関係を満足することを特徴とする耐温
    間へたり性に優れたばね用鋼。
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