JP2002180017A - 半導体用接着剤シートおよびそれを用いた部品ならびに半導体装置 - Google Patents

半導体用接着剤シートおよびそれを用いた部品ならびに半導体装置

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JP2002180017A
JP2002180017A JP2000380056A JP2000380056A JP2002180017A JP 2002180017 A JP2002180017 A JP 2002180017A JP 2000380056 A JP2000380056 A JP 2000380056A JP 2000380056 A JP2000380056 A JP 2000380056A JP 2002180017 A JP2002180017 A JP 2002180017A
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adhesive
adhesive sheet
layer
protective film
semiconductor device
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JP2000380056A
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Yoshiji Kadota
祥次 門田
Hideki Shinohara
英樹 篠原
Shoji Kigoshi
将次 木越
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐リフロー性、加工性に優れた半導体装置用接
着剤シートを工業的に提供し、表面実装用の半導体装置
の信頼性を向上させる。 【解決手段】少なくとも1層の保護フィルム層(A)と
接着剤層(B)から構成される接着剤シートにおいて、
上記保護フィルム層(A)が下記(1)〜(2)の特性
を満たすことを特徴とする半導体用接着剤シート。 (1)厚みが75μm以上250μm以下 (2)弾性率が0.5GPa以上10GPa以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路を
実装し、パッケージ化をする際に用いられる半導体集積
回路接続用基板(インターポーザー)を構成する半導体
装置用接着剤シートに関する。さらに詳しくは、ボール
グリッドアレイ(BGA)、ランドグリッドアレイ(L
GA)、ピングリッドアレイ(PGA)方式に用いられ
る半導体集積回路接続用基板を構成する絶縁体層および
導体パターンからなる配線基板層と、たとえば金属製補
強板(スティフナー)等の導体パターンが形成されてい
ない層の間を接着し、かつ温度差によりそれぞれの層間
に発生する熱応力を緩和する機能を有する半導体装置用
接着剤シートおよびそれを用いた部品ならびに半導体装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路(IC)パッケー
ジとして、デュアルインラインパッケージ(DIP)、
スモールアウトラインパッケージ(SOP)、クアッド
フラットパッケージ(QFP)、等のパッケージ形態が
用いられてきた。しかしICの多ピン化とパッケージの
小型化に伴って、最もピン数を多くできるQFPにおい
ても限界に近づいている。これは特にプリント基板に実
装する際に、リードの平面性が保ちにくいことやプリン
ト基板上の半田の印刷精度が得にくいことなどによる。
そこで、近年多ピン化、小型化の手段としてBGA方
式、LGA方式、PGA方式、等が実用化されてきた。
中でもBGA方式はプラスチック材料の利用による低コ
スト化、軽量化、薄型化の可能性が高く注目されてい
る。
【0003】図1にBGA方式の例を示す。IC1を接
続するために絶縁体層3および導体パターン5、接着剤
4からなる配線基板層、補強板(スティフナー)、放熱
板(ヒートスプレッダー)、シールド板等の導体パター
ンが形成されていない層7、およびこれらを積層するた
めの接着剤層6を、それぞれ少なくとも1層以上有して
おり、さらに金バンプ2、ソルダーレジスト8をもち、
IC1を接続した半導体集積回路接続用基板の外部接続
部としてICのピン数にほぼ対応する半田ボール9を格
子状(グリッドアレイ)に有することを特徴としてい
る。プリント基板への接続は、半田ボール面を既に半田
が印刷してあるプリント基板の導体パターン5上に一致
するように乗せて、リフローにより半田を融解して行わ
れる。最大の特徴は、半導体集積回路接続用基板の面を
使用できるため、QFP等の周辺にしか使用できないパ
ッケージと比較して、多くの端子を少ないスペースに配
置できることにある。この小型化機能をさらに進めたも
のに、チップスケールパッケージ(CSP)があり、そ
の類似性からマイクロBGA(μ−BGA)と称する場
合がある。本発明はこれらのBGA構造を有するCSP
にも適用できる。
【0004】一方、BGA方式は以下のような課題があ
る。(a)半田ボールの面の平面性を保つ、(b)放熱
を良くする、(c)温度サイクルやリフローの際に半田
ボールにかかる熱応力を緩和する、(d)リフロー回数
が多いのでより高い耐リフロー性を要する。これらを改
善する方法として、半導体集積回路接続用基板に補強、
放熱、電磁的シールドを目的とする金属板等の材料を積
層する方法が一般的である。特に、ICを接続するため
の絶縁体層および導体パターンからなる配線基板層にT
ABテープやフレキシブルプリント基板を用いた場合は
重要である。このため、半導体集積回路接続用基板は、
図2に例示するように、ICを接続するための絶縁体層
11および導体パターン13、接着剤層12からなる配
線基板層(図3)、補強板(スティフナー)、放熱板
(ヒートスプレッダー)、シールド板等の導体パターン
が形成されていない層15、およびこれらを積層するた
めの接着剤層14、ソルダーレジスト16をそれぞれ少
なくとも1層以上有する構成となっている。なお、図3
に例示した配線基板層(パターンテープ)は、可撓性を
有する絶縁体層17に搬送のためのスプロケットホール
19および半導体を接続するためのデバイスホール20
があけられ、その上に導体パターン21および外部接続
するための導体部22を接着剤層18を介して積層され
た構造となっている。これらの半導体集積回路接続用基
板は、あらかじめ配線基板層、導体パターンが形成され
ていない層または補強板等の金属板のいずれかに接着剤
組成物を半硬化状態で積層あるいは塗布、乾燥した中間
製品を作成しておき、ICの接続前の工程で貼り合わ
せ、加熱硬化させて成型することにより作成されるのが
一般的である。
【0005】最終的に、接着剤層14は、パッケージ内
部に残留する。以上の点から接着剤層14に要求される
特性として下記の点が挙げられる。(a)易加工性、
(b)耐リフロー性、(c)温度サイクルやリフローの
際に、配線基板層と補強板等の異種材料間で発生する応
力吸収(低応力性)、(d)配線上に積層する場合の絶
縁性等が挙げられる。
【0006】中でも、重要な要求項目は耐リフロー性と
易加工性である。耐リフロー性は、半田浴浸漬、不活性
ガスの飽和蒸気による加熱(ペーパーフェイズ法)や赤
外線リフローなどパッケージ全体が210〜270℃の
高温に加熱される実装方法において、接着剤層が剥離し
パッケージの信頼性を低下するというものである。リフ
ロー工程における剥離の発生は、接着剤層を硬化してか
ら実装工程の間までに吸湿された水分が加熱時に爆発的
に水蒸気化、膨張することに起因するといわれており、
その対策として硬化したパッケージを完全に乾燥し密封
した容器に収納して出荷する方法が用いられている。
【0007】易加工性は、耐リフロー性を向上させるた
めに要求される特性であり、接着剤層と金属板等の被着
体間に異物や水分の発生溜まりとなる気泡の混入を抑え
る目的で、低欠点、短時間での加工性が要求されてい
る。特に、接着剤シートの打ち抜き加工工程と金属板と
の貼り合わせ加工工程は、接着剤の不要なはみ出しや貼
り合わせ気泡を防ぐ必要があるため重要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような観点から、
従来の半導体装置用接着剤シートは接着剤層の片面また
は両面に保護フィルム層を有する構成となっている。保
護フィルム層は汚染の防止とともに打ち抜き、貼り合わ
せ時の接着剤層の変形を抑制する働きを持つ。したがっ
て、保護フィルム層は接着剤層の物性との関係でその物
性を最適化する必要があるが、従来この点に対して考慮
された提案はなかった。
【0009】本発明の目的は、上述の半導体用接着剤シ
ートの打ち抜きおよび貼り合わせ加工における問題点を
解決し、接着剤のはみ出し、気泡欠点、平面性に優れる
半導体用接着剤シートを提供するとともに、本発明の半
導体用接着剤シートを用いることで信頼性が高く、耐リ
フロー性およびサーマサイクル性に優れ、かつ加工性に
も優れた半導体装置用部品ならびに半導体装置を提供す
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために保護フィルム層の物性を鋭意検討し
た結果、厚み、弾性率等の物性を制御することで優れた
打ち抜きおよび貼り合わせ加工性が得られることを見い
だし、本発明に至ったものである。
【0011】上記の目的を達成するため、本発明は以下
の構成を採用する。すなわち、[1]少なくとも1層の
保護フィルム層(A)と接着剤層(B)から構成される
接着剤シートにおいて、上記保護フィルム層(A)が下
記(1)〜(2)の特性を満たすことを特徴とする半導
体用接着剤シートである。 (1)厚みが75μm以上125μm以下 (2)弾性率が0.5GPa以上10GPa以下 [2]接着剤層を構成する接着剤組成物の加熱硬化後の
動的粘弾性測定における動的粘弾性が、−50〜250
℃の温度域で0.1〜10000MPaであることを特
徴とする前記[1]に記載の半導体用接着剤シート。
【0012】[3]前記[1]または[2]に記載の半
導体用接着剤シートを用いたことを特徴とする半導体装
置用部品。
【0013】[4]前記[3]に記載の半導体装置用部
品を用いたことを特徴とする半導体装置。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。
【0015】本発明の半導体装置用接着剤シートとは、
少なくとも1層の、すなわち1層以上の保護フィルム層
と接着剤層からなる積層体を有する構成のものをいう。
たとえば、保護フィルム層/接着剤層の2層構成、ある
いは保護フィルム層/接着剤層/保護フィルム層の3層
構成がこれに該当する。
【0016】保護フィルム層は下記(1)〜(2)の特
性を満たすものであるが、その他はこれを制限するもの
ではない。
【0017】(1)厚みが75μm以上250μm以下 (2)弾性率が0.5GPa以上10GPa以下 本発明の保護フィルム層は、絶縁体層および導体パター
ンからなる配線基板層(TABテープ等)あるいは導体
パターンが形成されていない層(スティフナー、ヒート
スプレッター等)に接着剤層を貼り合わせる前に、接着
剤層の形態および機能を損なうことなく剥離できれば特
に限定されず、その具体例としてはポリエステル、ポリ
オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、
ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
ルコール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリメチルメタクリレート等のプラスチックフィル
ム、これらにシリコーン、アルキッド系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂あるいは含フッ素化合物等の離型剤のコー
ティング処理を施したフィルムあるいはこれらのフィル
ムをラミネートした紙やこれらフィルムの積層体、離型
性のある樹脂を含浸あるいはコーティング処理した紙等
が挙げられる。これらの保護フィルムの中で、特に本発
明で好ましく用いられるものは離型性の調節に優れる、
シリコーンあるいは含フッ素化合物等の離型処理を施し
たフィルムである。さらに好ましくは、前述の離型処理
が施されたポリエステルフィルムが耐熱性の点で優れて
いる。
【0018】保護フィルムの厚みは、接着剤シート作成
の方法のため機能別に分類することができる。すなわ
ち、接着剤シートを作成する際に塗料を塗布する基材と
して使用される保護フィルム(A)と塗工後乾燥した接
着剤層上に積層する保護フィルム(A’)である。ま
ず、塗料を塗布する基材として使用される保護フィルム
(A)の厚みは、塗料塗布後、乾燥工程を経るため耐熱
性が要求され、かつ貼りあわせ加工性に優れた接着剤シ
ートにするため、75μm以上250μm以下の範囲、
好ましくは75μm以上200μm以下、さらに好まし
くは75μm以上150μm以下である。また、塗工後
乾燥した接着剤層上に積層する保護フィルム(A’)は
特に塗工後に加熱されることがない場合には異物等の付
着等を防ぐことができれば良いため、10μm以上10
0μm以下の範囲、好ましくは15μm以上100μm
以下、さらに好ましくは25μm以上100μm以下で
ある。ただし、これらの保護フィルムの厚みが100μ
mを越えると先述の接着剤層の形態を損なわないように
加工するためには困難なため適切でない。
【0019】また、保護フィルム(A’)の厚みは接着
剤層の厚みと密接な関係があり重要である。
【0020】すなわち、接着剤層の厚みが10μm以上
15μm未満の場合には、保護フィルムの厚みが10μ
m未満であると外部からの衝撃等により接着剤シートの
接着剤層に損傷を与えられ好ましくない。よって保護フ
ィルム(A’)の厚みは10μm以上100μm以下であ
ることが適している。
【0021】接着剤層の厚みが15μm以上30μm未
満の場合には、先述と同様に保護フィルムの厚みが15
μm未満であると外部からの衝撃等により接着剤シート
の接着剤層に損傷を与えられ好ましくない。よって保護
フィルム(A’)の厚みは15μm以上100μm以下で
あることが適している。
【0022】次に接着剤層の厚みが30μm以上50μ
m未満の場合には、先述と同様に保護フィルムの厚みが
20μm未満であると外部からの衝撃等により接着剤シ
ートの接着剤層に損傷を与えられ好ましくなく、さらに
塗料を塗布する基材として使用される保護フィルムで
も、接着剤層を塗工、乾燥時の温度によってフィルムの
熱収縮が発生し、接着剤シートとしての形態を実現する
ことが困難なので好ましくない。よって保護フィルム
(A’)の厚みは20μm以上100μm以下であること
が適している。
【0023】同様に接着剤層の厚みが50μm以上10
0μm以下の場合には、塗料を塗布する基材として使用
される保護フィルムの厚みが35μm未満であると接着
剤シートとしての形態を実現することが困難なので好ま
しくない。よって保護フィルム(A’)の厚みは35μ
m以上100μm以下であることが適している。
【0024】また、接着剤層の厚みを30μm〜250
μmの厚みにするためには、塗工した接着剤層を積層し
て所定の厚みにする方法を選択することができる。その
場合、塗料を塗布する基材として使用される保護フィル
ムの厚みが2575μm未満であると塗工加工時のフィ
ルムの熱収縮の問題のみならず、積層する際にしわ、気
泡等の巻き込みが発生しやすくなり、接着剤シートとし
ての形態を実現することが困難なので好ましくない。
【0025】また、保護フィルムの弾性率は0.5GP
a以上10GPa以下であることが好ましく、より好ま
しくは1GPa以上8GPa以下、さらに好ましくは2
GPa以上6GPa以下である。弾性率が0.5GPa
未満であるとフィルムが柔らかすぎ、本発明の意図する
ところである、打ち抜き、貼り合わせ時の接着剤層の変
形を抑制する働きが発揮できない。また、10GPaを
超えると加工が困難となるばかりか、接着剤層への密着
が悪く、保護フィルムとしての目的を果たすことが困難
となる。
【0026】接着剤層の両面に保護フィルム層を有する
場合は、それぞれの保護フィルム層の接着剤層に対する
剥離力をF1、F2(F1>F2)としたとき、F1−
F2は好ましくは5N/m以上、さらに好ましくは10
N/m以上である F1−F2が5N/mより小さい場合は、剥離面がいず
れの保護フィルム側になるかが安定せず、使用上問題と
なるので好ましくない。また、剥離力F1、F2はいず
れも1〜200N/m、好ましくは3〜150N/m、
さらに好ましくは3〜100N/mである。1N/mよ
り小さい場合は保護フィルムの脱落が生じ、200N/
mを越えると剥離が困難になり好ましくない。また、保
護フィルムは、加工時に視認性が良いように顔料による
着色が施されていても良い。これにより、先に剥離する
側の保護フィルムが簡便に認識できるため、誤使用を避
けることができる。
【0027】また、本発明の接着剤層を構成する接着剤
組成物については、加熱硬化後の動的粘弾性測定におけ
る動的粘弾性が、−50〜250℃の温度域で0.1〜
10000MPaであることが好ましい。0.1MPa
未満の場合、接着剤の強度が低く、半導体装置を実装し
た機器の使用中に半導体集積回路接続用基板の変形が生
じると共に加工工程において、取り扱い作業性に欠ける
ので好ましくない。10000MPaを超える場合、熱
応力緩和効果が小さく、半導体集積回路接続用基板の反
り、各層間の剥離、半田ボールクラックが生じるので好
ましくない。
【0028】本発明の接着剤層を構成する接着剤組成物
は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂をそれぞれ少なくとも1
種類以上を含むことが耐リフロー性の点でより好ましい
が、その種類は特に限定されない。熱可塑性樹脂は接着
性、可撓性、熱応力の緩和、低吸水性による絶縁性の向
上等の機能を有し、熱硬化性樹脂は耐熱性、高温での絶
縁性、耐薬品性、接着剤層の強度等のバランスを実現す
るために重要である。
【0029】熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−
ブタジエンゴム−スチレン樹脂(ABS)、ポリブタジ
エン、スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(SEB
S)、アクリル、ポリビニルブチラール、ポリアミド、
ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウ
レタン等のものが例示される。また、これらの熱可塑性
樹脂は後述の熱硬化性樹脂との反応が可能な官能基を有
していてもよい。具体的には、アミノ基、カルボキシル
基、エポキシ基、水酸基、メチロール基、イソシアネー
ト基、ビニル基、シラノール基等である。これらの官能
基により熱硬化性樹脂との結合が強固になり、耐熱性が
向上するので好ましい。熱可塑性樹脂として(B)の素
材との接着性、可撓性、熱応力の緩和効果の点からブタ
ジエンを必須共重合成分とする共重合体は特に好まし
く、種々のものが使用できる。特に、金属との接着性、
耐薬品性等の観点からアクリロニトリル−ブタジエン共
重合体(NBR)、スチレン−ブタジエン−エチレン樹
脂(SEBS)、スチレン−ブタジエン樹脂(SBS)
等は好ましい。さらにブタジエンを必須共重合成分とし
かつカルボキシル基を有する共重合体はより好ましく、
たとえばNBR(NBR−C)およびSEBS(SEB
S−C)、SBS(SBS−C)等が挙げられる。NB
R−Cとしては、例えばアクリロニトリルとブタジエン
を約10/90〜50/50のモル比で共重合させた共
重合ゴムの末端基をカルボキシル化したもの、あるいは
アクリロニトリル、ブタジエンとアクリル酸、マレイン
酸などのカルボキシル基含有重合性単量体の三元件共重
合ゴムなどが挙げられる。具体的には、PNR−1H
(日本合成ゴム(株)製)、”ニポール”1072
J、”ニポール”DN612、”ニポール”DN631
(以上日本ゼオン(株)製)、”ハイカー”CTBN
(BFグッドリッチ社製)等がある。また、SEBS−
CとしてはMX−073(旭化成(株)製)が、SBS
−CとしてはD1300X(シェルジャパン(株)製)
が例示できる。
【0030】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹
脂、シアン酸エステル樹脂、等のものが例示される。特
に、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂は絶縁性に優れ
るので好適である。
【0031】エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有するものなら特に制限されないが、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レ
ゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペン
タジエンジフェノール等のジグリシジルエーテル、エポ
キシ化フェノールノボラック、エポキシ化クレゾールノ
ボラック、エポキシ化トリスフェニロールメタン、エポ
キシ化テトラフェニロールエタン、エポキシ化メタキシ
レンジアミン、シクロヘキサンエポキサイド等の脂環式
エポキシ、等が挙げられる。さらに、難燃性付与のため
に、ハロゲン化エポキシ樹脂、特に臭素化エポキシ樹脂
を用いることが有効である。この際、臭素化エポキシ樹
脂のみでは難燃性の付与はできるものの接着剤の耐熱性
の低下が大きくなるため非臭素化エポキシ樹脂との混合
系とすることがさらに有効である。臭素化エポキシ樹脂
の例としては、テトラブロモビスフェノールAとビスフ
ェノールAの共重合型エポキシ樹脂、あるいは”BRE
N”−S(日本化薬(株)製)等の臭素化フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの臭素
化エポキシ樹脂は臭素含有量およびエポキシ当量を考慮
して2種類以上混合しても良い。
【0032】フェノール樹脂としては、ノボラック型フ
ェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等のものがい
ずれも使用できる。たとえば、フェノール、クレゾー
ル、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p
−フェニルフェノール等のアルキル置換フェノール、テ
ルペン、ジシクロペンタジエン等の環状アルキル変性フ
ェノール、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基
等のヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレ
ン、アントラセン等の骨格を有するもの、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシ
ノール、ピロガロール等の多官能性フェノールからなる
樹脂が挙げられる。
【0033】熱硬化性樹脂の添加量は熱可塑性樹脂10
0重量部に対して5〜400重量部、好ましくは50〜
200重量部である。熱硬化性樹脂の添加量が5重量部
未満であると、高温での弾性率低下が著しく、半導体装
置を実装した機器の使用中に半導体集積回路接続用基板
の変形が生じるとともに加工工程において取り扱いの作
業性に欠けるので好ましくない。熱硬化性樹脂の添加量
が400重量部を越えると弾性率が高く、熱膨張係数が
小さくなり熱応力の緩和効果が小さいので好ましくな
い。
【0034】本発明の接着剤層にエポキシ樹脂およびフ
ェノール樹脂の硬化剤および硬化促進剤を添加すること
は何等制限されない。たとえば、トリエチルアミン、ベ
ンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルア
ミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールお
よび1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7などの3級アミン化合物、3,3’5,5’−テト
ラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,
3’5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチ
ル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−
ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,
2’3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4,4’
−トリアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミ
ン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化
ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダ
ゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等の
イミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット
酸等の有機酸、ジシアンジアミド、トリフェニルホスフ
ィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、
トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホ
スフィンおよびトリ(ノニルフェニル)ホスフィンなど
の有機ホスフィン化合物等のものが使用できる。これら
を単独または2種以上混合しても良い。添加量は接着剤
組成物100重量部に対して0.1〜50重量部である
と好ましい。
【0035】以上の成分以外に、接着剤の特性を損なわ
ない範囲で酸化防止剤、イオン補足剤などの有機、無機
成分を添加することは何等制限されるものではない。微
粒子状の無機成分としては水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、カルシウム・アルミネート水和物等の金
属水酸化物、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸
化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化マ
グネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化
クロム、タルク等の金属酸化物、炭酸カルシウム等の無
機塩、アルミニウム、金、銀、ニッケル、鉄、等の金属
微粒子、あるいはカーボンブラック、ガラスが挙げら
れ、有機成分としてはスチレン、NBRゴム、アクリル
ゴム、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン等の架橋ポ
リマが例示される。これらを単独または2種以上混合し
て用いても良い。微粒子状の成分の平均粒子径は分散安
定性を考慮すると、0.2〜5μmが好ましい。また、
配合量は接着剤組成物全体の2〜50重量部が適当であ
る。
【0036】本発明の半導体集積回路接続用基板の部品
(以下部品と称する)とは、半導体集積回路用基板およ
び半導体装置を作成するために用いられる中間加工段階
の材料などである。該部品は、絶縁体層および導体パタ
ーンからなる配線基板層としてフレキシブルプリント基
板あるいはTABテープを用い、その片面あるいは両面
にシリコーン処理したポリエステル保護フィルムを有す
るBステージの接着剤層を積層した接着剤付き配線基板
や導体パターンが形成されていない層として銅、ステン
レス、42アロイ等の金属板を用い、その片面あるいは
両面に上記と同様に保護フィルムを有するBステージの
接着剤層を積層した接着剤付き金属板(接着剤付きステ
ィフナー等)などが本発明の部品に該当する。絶縁体層
および導体パターンからなる配線基板層および導体パタ
ーンが形成されていない層をそれぞれ1層以上有する場
合でも、その最外層に保護フィルムを有するBステージ
の接着剤層を積層した、いわゆる接着剤付き半導体集積
回路接続用基板も本発明に包含される。
【0037】本発明でいう半導体装置とは本発明の半導
体装置用接着剤シートを用いて作成されるものをいい、
例えば、BGAタイプ、LGAタイプパッケージであれ
ば特に形状や構造は限定されない。半導体集積回路接続
用基板とICの接続方法は、TAB方式のギャングボン
ディングおよびシングルポイントボンディング、リード
フレームに用いられるワイヤーボンディング、フリップ
チップ実装での樹脂封止、異方性導電フィルム接続等の
いずれでもよい。また、CSPと称されるパッケージも
本発明の半導体装置に含まれる。
【0038】次に、本発明の半導体接着剤シートおよび
それを用いた部品ならびに半導体装置の製造方法の例に
ついて説明する。 (1)半導体装置用接着剤シートの作成:本発明の接着
剤組成物を溶剤に溶解した塗料を、離型性を有するポリ
エステルフィルム上に塗布、乾燥する。接着剤層の膜厚
は10〜100μmとなるように塗布することが好まし
い。乾燥条件は、100〜200℃、1〜5分である。
溶剤は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロ
ルベンゼン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチル
エチルイソブチルケトン等のケトン系、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、Nメチルピロドリン等
の非プロトン系極性溶剤単独あるいは混合物が好適であ
る。
【0039】塗工、乾燥した接着剤層上にさらに剥離力
の弱い離型性を有するポリエステルあるいはポリオレフ
ィン系の保護フィルムをラミネートして、本発明の接着
剤シートを得る。さらに接着剤厚みを増す場合は、該接
着剤シートを複数回積層すればよく、場合によってはラ
ミネート後に、例えば40〜100℃で1〜200時間
程度エージングして硬化度を調整してもよい。図4に本
発明で得られた半導体装置用接着剤シートの形状を例示
する。図4において、23が接着剤組成物より構成され
る接着剤層であり、24が接着剤シートを構成する保護
フィルム層である。
【0040】上記のようにして得られた本発明の半導体
装置用接着剤シートは、あらかじめ配線基板層、導体パ
ターンが形成されていない層(スティフナー、ヒートス
プレッター等)に接着剤組成物を半硬化状態で積層した
中間加工製品を作成する工程を経た後、ICの接続前の
工程で貼り合わせ、加熱硬化させて成型することにより
半導体集積回路接続用基板として使用される。この場合
に、接着剤層と前述の被着体との層間に気泡や異物が巻
き込まないことと接着剤シートの形態、機能を損なわな
いように加工するため、および半導体集積回路接続用基
板の作成歩留まりを上げるために、半導体装置用接着剤
シートはロール状で供給されて、連続工程に耐えうる構
造であることが好ましい。さらにロール状で供給される
半導体装置用接着剤シートが、半導体集積回路接続用基
板の大きさにあわせた幅にあらかじめ作成されていても
よい。また、耐リフロー性を上げる一助としてロール状
で供給される半導体装置用接着剤シートを、減圧乾燥し
た後、ヒートシールにより密封包装されるとさらに好適
である。この際の減圧条件は、半導体装置用接着剤シー
トの表層に付着した水分を減ずることができれば良く、
30000Pa以下の条件で十分であるが、好ましくは
15000Pa以下さらに好ましくは133Pa以下で
ある。 (2)半導体集積回路接続用基板の部品(接着剤付きス
ティフナー)の作成:厚さ0.05〜0.5mmの銅板
あるいはステンレス板をアセトンにより脱脂した金属板
に、上記(1)で作成した半導体装置用接着剤シートの
片面の保護フィルムを剥がした後にラミネートする。ラ
ミネート温度20〜200℃、圧力0.1〜3MPaが
好適である。また、前記金属板に上記(1)の塗料を直
接塗布して乾燥させ、保護フィルムをラミネートしても
よい。最後に半導体装置の形状によって、適宜打ち抜
き、切断加工が施される。図5に本発明の部品を例示す
る。
【0041】図5のうち、符号14が接着剤層であり、
前記金属板が符号15に相当し、符号24は保護フィル
ム層である。 (3)半導体集積回路接続用基板の作成:(2)で得ら
れた部品(接着剤付きスティフナー)を、金型で打ち抜
き、たとえば角型で中央にやはり角型の穴がある形状の
接着剤付きスティフナーとする。該接着剤付きスティフ
ナーから保護フィルムを剥がす。ポリイミドフィルム上
に接着剤層および保護フィルム層を積層した3層構造の
TABテープを下記(a)〜(d)の工程により加工す
る。(a)スプロケットおよびデバイス孔の穿孔、
(b)銅箔との熱ラミネート、(c)スズまたは金メッ
キ処理。以上のようにして得られた配線基板層の導体パ
ターン面または裏面のポリイミドフィルム面に、該接着
剤付きスティフナーの中央の穴を、配線基板のデバイス
孔に一致させ貼り合わせる。貼り合わせ条件は温度20
〜200℃、圧力0.1〜3MPaが好適である。最後
に熱風オーブン内で該接着剤層の加熱硬化のため、80
〜200℃で15〜180分程度のポストキュアを行
う。
【0042】以上述べた半導体集積回路接続用基板の例
を図2に示す。 (4)半導体装置の作成:(3)の半導体集積回路接続
用基板のインナーリード部を、ICの金バンプに熱圧着
(インナーリードボンディング)し、ICを搭載する。
次いで、封止樹脂による封止工程を経て半導体装置を作
成する。図1に半導体装置の一態様の断面図を示す。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。下記に実施例および比較例で用いた評価方法
について説明する。
【0044】[接着力]ポリイミドフィルム(75μ
m:宇部興産(株)製「ユーピレックス75S」)上に
接着剤シートを40℃、1MPaの条件でラミネートし
た。その後、0.35mm厚のSUS304を先のポリ
イミドフィルム上にラミネートした接着剤シート面に1
30℃、1MPaの条件でさらにラミネートした後、エ
アオーブン中で、100℃、1時間、150℃、1時間
の順次加熱処理を行い、評価用サンプルを作成した。
【0045】ポリイミドフィルムを5mm幅にスリット
した後、5mm幅のポリイミドフィルムを90°方向に
50mm/minの速度で剥離し、その際の接着力を測
定した。
【0046】[耐リフロー性]導体幅100μm、導体
間距離100μmの模擬パターンを形成した30mm角
の半導体接続用基板に、50μm厚の接着剤シートを4
0℃、1MPaの条件でラミネートした後、接着剤シー
ト上に30mm角の0.25mm厚SUS304を15
0℃、75MPaの条件で圧着した。その後、150
℃、2時間の条件で硬化し耐リフロー性評価用サンプル
を作成した。
【0047】30mm□サンプル20個を85℃/85
%RHの条件下、12時間吸湿させた後、Max.23
0℃、10秒のIRリフローにかけ、その剥離状態を超
音波短傷機により観察した。
【0048】[保護フィルム剥離力]剥離力の小さい最
初に剥離される保護フィルムの場合は、幅30mmの接
着剤シートを、両面テープによりステンレス板に貼り合
わせ、90度方向に300mm/minの速度で剥離
し、その際の剥離力を測定した。一方、剥離力が大きい
最後に剥離される保護フィルムの場合は、幅30mmの
接着剤シートから剥離力の低い最初に剥離される保護フ
ィルムを剥がし、接着剤層を両面テープによりステンレ
ス板に貼り合わせ、90度方向に300mm/minの
速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
【0049】[接着剤シート反り量評価]両辺150m
mの長さにした接着剤シートを平らなガラス板に表面の
静電気を除去した後、静置し、4角の高さを測定する。
その際の4角の高さの平均値を接着剤シート反り量とし
た。
【0050】[加工性評価]0.35mm厚、幅50m
m、長さ125mmのSUS304に、あらかじめ30
℃/70%RHの条件下、96時間吸湿させた幅40m
mにした接着剤シートを40℃、0.1MPa、速度3
m/分の条件でラミネートし、加工性評価用サンプルを
作成した。
【0051】同サンプル20個の接着剤層とSUS板と
の間に気泡等の欠点の発生がないか目視および、顕微鏡
により観察した。
【0052】[保護フィルムの弾性率測定]JIS K
7127に従い、引っ張り速度毎分1mmで測定を行っ
た。
【0053】[接着剤の動的粘弾性測定]接着剤シート
を積層し、500μmの厚みとした後、150℃2時間
の加熱硬化を行い、測定用サンプルとした。これを引っ
張りモードの動的粘弾性測定装置(RHEOVIBRO
N−DDV−II/III−EA、(株)オリエンテック
製)にて周波数35Hz、昇温速度毎分2℃で測定を行
った。
【0054】実施例1 下記熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂およびその他添加剤
を、それぞれ表1に示した組成1の組成比となるように
配合し、濃度28重量%となるようにDMF/モノクロ
ルベンゼン/MIBK混合溶媒に40℃で撹拌、溶解し
て接着剤溶液を作成した。
【0055】A.エポキシ樹脂 1.o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量:200) 2.ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:
186) B.熱可塑性樹脂 SEBS−C(旭化成(株)製、MX−073) C.無機質充填剤 水酸化アルミニウム(平均粒径:2μm) D.フェノール樹脂 フェノールノボラック樹脂(水酸基当量:107) E.添加剤 1.4,4’−ジアミノジフェニルスルホン 2.2−ヘプタデシルイミダゾール これらの接着剤溶液をバーコータで、厚さ75μmのシ
リコート処理されたポリエステルフィルム1に、約50
μmの乾燥厚さとなるように塗布し、100℃、1分お
よび150℃で5分間乾燥し接着剤シートを作成した。
一方、ポリエステルフィルム1より剥離力の低いポリエ
ステルフィルム2に、接着剤溶液を同様に約50μmと
なるように塗布・乾燥した後、先の接着剤シートと接着
剤面どうしをラミネートしながらロール上に巻き取り、
厚さ100μmの接着剤シートを作成した。
【0056】実施例2〜3、比較例1〜3 接着剤層の厚み、保護フィルムの厚みおよび材質が表2
に示した厚みになるようにし、上記以外の条件について
は実施例1と同様にして接着剤シートを作成した。
【0057】実施例4〜6、比較例4 実施例4の組成は実施例1と同じように、実施例5は表
1に示した組成2の組成比、実施例6は表1に示した組
成3の組成比、および比較例4は表1に示した組成4の
組成比になるように各組成を配合した以外は、実施例1
と同様にして接着剤シートを作成した。
【0058】実施例7、比較例5 接着剤シートを表5の形状あるいは形態にした以外は、
実施例1と同様にして接着剤シートを作成した。また加
工性前処理として、133Paの条件で減圧乾燥後、密
封包装した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】接着剤シートの状態を○=反り、しわ等な
く良好、△=やや良好、×=作成不可または不安定な形
態と評価した。表2の結果から明らかなように、本発明
により得られた半導体装置用接着剤シートは、接着剤シ
ートとしての形態を実現でき、加工性にも優れることが
分かる。一方、本発明の接着剤層厚みと保護フィルム厚
みの構成をみたしていない比較例1と比較例2および保
護フィルムの材質が耐熱性の高いポリエステルフィルム
でない比較例3は、接着剤シートとしての形態を実現で
きないことがわかる。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】表3および表4の結果から明らかなよう
に、本発明により得られた半導体装置用接着剤シート
は、接着力が高く耐リフロー性、加工性に優れることが
分かる。また本発明の保護フィルム層による半導体装置
用接着剤シートは保護フィルム剥離力も大きい。一方、
本発明の熱硬化型接着剤、保護フィルム層を用いていな
い比較例4は、耐リフロー性、保護フィルム剥離力にお
いても劣っている。また、シリコート処理を施していな
い保護フィルムを用いると、剥離できず、剥離力の測定
ができなかった。
【0065】加工性前処理:133Paの条件で減圧乾
燥後、密封包装した。
【0066】
【表5】
【0067】表5の結果から明らかなように、本発明に
より得られた半導体装置用接着剤シートは、接着性、加
工性に優れることが分かる。また、本発明の接着剤シー
トをロール状でなく、かつ減圧乾燥後密封包装していな
い比較例5は、加工性において劣っている。
【0068】
【発明の効果】本発明は耐リフロー性、加工性に優れた
半導体装置用接着剤シートを工業的に提供するものであ
り、本発明の半導体装置用接着剤組成物によって表面実
装用の半導体装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置用接着剤シートを用いて加
工したBGA型半導体装置の一態様を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の半導体装置用接着剤シートを用いて加
工した半導体集積回路接続前の半導体集積回路接続用基
板の一態様を示す断面図である。
【図3】半導体集積回路接続用基板を構成するパターン
テープ(TABテープ)の一態様を示す斜視図である。
【図4】本発明の半導体装置用接着剤シートの一態様を
示す断面図である。
【図5】本発明の半導体装置用接着剤シートを用いて加
工した半導体集積回路接続用基板の部品の一態様を示す
断面図である。
【符号の説明】
1:半導体集積回路 2:金バンプ 3,11,17:可撓性を有する絶縁体層 4,12,18:配線基板層を構成する接着剤層 5,13,21:半導体集積回路接続用の導体 6,14,23:本発明の接着剤組成物より構成される
接着剤層 7,15:導体パターンが形成されていない層 8,16:ソルダーレジスト 9:半田ボール 10:封止樹脂 19:スプロケット孔 20:デバイス孔 22:半田ボール接続用の導体部 24:本発明の接着剤シートを構成する保護フィルム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA05 AA06 AA08 AA10 AA11 AA12 AA13 AA14 AA15 AA16 AB03 AB05 CA04 CA05 CA06 CC02 DA02 DA04 DB03 DB04 FA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1層の保護フィルム層(A)と
    接着剤層(B)から構成される接着剤シートにおいて、
    上記保護フィルム層(A)が下記(1)〜(2)の特性
    を満たすことを特徴とする半導体用接着剤シート。 (1)厚みが75μm以上250μm以下 (2)弾性率が0.5GPa以上10GPa以下
  2. 【請求項2】接着剤層を構成する接着剤組成物の加熱硬
    化後の動的粘弾性測定における動的粘弾性が、−50〜
    250℃の温度域で0.1〜10000MPであること
    を特徴とする請求項1に記載の半導体用接着剤シート。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の半導体用接着剤
    シートを用いたことを特徴とする半導体装置用部品。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の半導体装置用部品を用い
    たことを特徴とする半導体装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100970312B1 (ko) * 2004-06-18 2010-07-15 히다치 가세고교 가부시끼가이샤 다이본딩용 수지 페이스트 및 그 용도

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100970312B1 (ko) * 2004-06-18 2010-07-15 히다치 가세고교 가부시끼가이샤 다이본딩용 수지 페이스트 및 그 용도

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