JP2002178253A - シリンダー面の研磨装置及びその研磨方法 - Google Patents
シリンダー面の研磨装置及びその研磨方法Info
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Abstract
常時上側に配置することによって表面あらさ、表面欠陥
を最小化することのできるシリンダー面の研磨装置を提
供する。 【解決手段】 本発明のシリンダー面の研磨装置は、加
工物3の凹凸の向きにかかわらず、加工物3を上側にし
かつ研磨工具21を下側にして求心搖動が可能である。
Description
磨装置及びその研磨方法及びその研磨方法に使用するお
もりに関する。
の構造のものが知られている。例えば、シリンダー面の
曲率半径に応じて、比較的小さな曲率半径のシリンダー
面を研磨により得るためにはドラム型研磨装置が用いら
れ、比較的大きな曲率半径のシリンダー面を研磨により
得るためには縦横往復型研磨装置が用いられている。 (1)ドラム型研磨装置 諸説があるが、この研磨装置は比較的小さな曲率半径R
(R≦150〜250[mm])のシリンダー面を研磨に
より得るために用いられている。というのは、例えば、
曲率半径R=250mmのシリンダー面を得るために
は、ドラムの直径φが500[mm]になるので、これ以
上大きな曲率半径のシリンダー面を有する加工物(光学
部品)を研磨によって製作するのには適合しにくいから
である。
有するドラムが横方向(水平方向)に延びる回転軸を中
心として回転運動される。
配置の凹面側曲率を有する円弧断面形状部材が回転軸の
延びる方向に往復直線運動される。ドラムと円弧断面形
状部材とのいずれか一方が光学部品がセットされる加工
物側とされ、いずれか他方がラップ材又はポリシャ材が
貼り付けられる工具側とされている。そして、加工物側
と工具側とが相互に相対運動を行うことによってシリン
ダー面が研磨される仕組みになっている。
兼ねる場合もあり、ドラムの回転軸が縦方向の場合もあ
る。
を満たすように、ドラムに加工物(もしくは同一素材に
よるダミー材)を、ホットメルト系のワックス等の適当
な接着剤で一様に貼り付けなければならない。これは、
シリンダー面の曲率半径Rが小さい量産品に対して効果
的な手法である。しかし、シリンダー面の曲率半径Rが
大きな僅少品に対しては相対的にコストが高くなる。一
方、加工物が凹面の場合、その曲率半径の外周を満たす
ように、ドラムにラップ材、ポリシャ材を一様に貼り付
けなければならない。
具側にかかわらず、円弧の深さが加工面との直線案内を
兼ねているため、適度の幅を与えて調整される。例え
ば、シリンダーの母線軸の捻れやすい条件、例えば、比
較的大きな曲率半径を有し、幅の小さな加工物の場合、
ドラム側と同様に同一部品かダミー材で円弧を満たす必
要がある。
工物とのいずれか一方が回転運動するので、半径方向の
断面形状の真円度が優れている点にある。 (2)縦横往復型研磨装置 諸説があるが、この型の研磨装置は曲率半径(R≧15
0[mm])の広い範囲で用いられている。
ており、光学研磨業界では、一般にシリンダー研磨機と
言えば、この型を指している。
軸側横方向の直線案内で往復運動され、一方、凹面側曲
率を有する円弧断面形状部材が上軸側縦方向の直線案内
で往復運動され、両者のいずれか一方を加工物が貼り付
けられる加工物側、いずれか他方をラップ材、ポリシャ
材が貼り付けられる工具側として、両者が相互に相対運
動を行うことによってシリンダー面を研磨する仕組みに
なっている。
往復するのではなく、その加工物の曲率半径Rの中心を
回転中心とし、任意の角度の範囲で往復運動を行う求心
搖動機構を採り入れたものもある。その場合には、半径
方向の断面形状の真円度が比較的良好である。
必ず凹面であり、そのジグ背面部分には、通常シリンダ
ーの母線軸が捻れないように、普通のレンズ研磨機に見
られるようなカンザシを母線方向に多数挿入する複数の
穴が設けられている。
がないように注意する必要があり、かつ、カンザシと穴
との間にはガタがあるので、母線軸の捻れを完全に解消
することは不可能である。また、単一のカンザシのみを
装着する安価な装置も多く市販され、一般的には、シリ
ンダー面の母線軸の傾きが十分に保証されないものが散
見される。
ンダー研磨装置は、その曲率半径に応じてドラムの直径
が決まるため、大きな曲率半径のシリンダー面を有する
光学部材の研磨には使いにくい。また、研磨すべき光学
部品としての加工物をドラム側に貼り付けた場合には、
多くの同一光学部品材料、ダミー材が必要となる。
研磨で用いられる貼り付け油脂の他、ホットメルト系の
ワックス等の適当な接着剤を用いて、ドラム、レンズ貼
り付け皿等のジグに接着するので、研磨で得られた形状
精度が剥がすと同時に喪失するおそれがある。これらの
ジグは、加工途中でその都度行う測定の際に、測定機上
での保持、調整作業等の邪魔にもなる。
凸面の場合、加工物は必ず下軸側に装着される。これ
は、一般のレンズ研磨でも同様で、凸面を上軸側に装着
すると、加工物と工具との相対運動により界面に発生す
る摩擦力(F)とカンザシとの高さにより起こる転がりモ
ーメントの向きと、加工物が工具の上を移動する際の位
置関係で決まる面の傾きの向きが逆行するためであり、
このレイアウトでは加工物がスムーズに運動できず、工
具表面を損壊させる結果となるからである。
で溝が設けられている。 a:砥粒の均質的分散、案内をする。 b:粘弾性体素材のポリシャ表面の塑性変形によるツル
ーイング活性化に有効である。 c:ポリシャ材の減耗体、欠落部、余剰砥粒、その他異
物の吸収に便利である。
的であり、溝が上側にある場合にはあまり期待できな
い。
工表面の表面あらさ、及び、表面欠陥は、加工物が凹面
で上軸側の場合と比べて、界面に異物の介在が多いので
相対的に悪化するからである。
工具にかかわらず、凹面の上軸側が前後に往復する際に
は、相手の側面から横殴りで接近し、高さ方向にカンザ
シの根元のレバー軸で逃げることによって凸面側との摺
動を行っている。この横殴りの程度は曲率半径Rの変動
に伴って変化し、結果的に圧力分布の変動を与えるた
め、研磨の条件設定を難しくしている要因のひとつとな
っている。
工物の曲率半径の中心を回転中心とし、任意の角度幅で
搖動を行うことのできる求心搖動を導入したシリンダー
研磨装置があるが、凹凸両面の求心搖動が実現されてい
るものはなく、凹面は上軸側、凸面は下軸側とすること
によって万能であるとしている。
な欠点が現れる。
心搖動機構を付加した縦横往復型研磨装置の利点は、半
径方向の断面形状の真円度が優れている点にあるが、ド
ラム型研磨装置は曲率半径Rの大きなシリンダー面を有
する光学部材の研磨に対応できず、縦横往復型研磨装置
では凸面の曲率半径Rを有する加工物は必ず下軸側に装
着しなければならないので、表面欠陥、表面平滑性の良
好な研磨が得られないという問題が発生する。
ンダー面の半径方向と直角方向の母線方向の外周稜線に
対する傾きの保証が何もない。
け、いずれか一方の背面にカンザシを挿入しただけの安
易な保持方法を採っており、母線の傾きは加工物の曲率
半径Rと幅とで決まる深さ方向の案内面(加工物と研磨
工具間の案内)だけに依存している。
幅が狭い場合は多くのダミー材料で半径方向の幅を稼が
なければならないので、その接着に供するジグは巨大化
し、かつ、作業が困難となり、余分のダミー材料の投入
はコストアップの原因ともなる。
に、ジグの背面部分に、複数のカンザシ穴が設けたもの
もあるが、加工物をジグに接着する際、傾きが無いよう
に注意する必要があり、かつ、カンザシと穴にはガタが
あるので、母線軸の捻れを完全に解消することが不可能
である。
光線の範囲を対象とした光学部品に対応できればよかっ
た。
め、特に紫外線側の光線を用いる場合、散乱及び吸収効
果抑制のため、表面あらさ、表面欠陥をより一層最小化
する必要があり、特別に装置側に工夫が必要となる。
ので、その第1の目的は加工物の曲率半径の方向(加工
物の凹凸の向き)にかかわらず、加工物を常時上側に配
置することによって表面あらさ、表面欠陥を最小化する
ことのできるシリンダー面の研磨装置を提供することに
ある。
磨工具は、加工物の曲率半径の方向(加工物の凹凸の向
き)にかかわらず、求心搖動を行わせることにより、半
径方向の断面形状の真円度を良好にすると共に、研磨条
件の安定化を図ることのできるシリンダー面の研磨装置
を提供することにある。
る加工物を加工物保持容器にはめ込むことにより、加工
物の着脱作業の容易化を図ると共に、接着歪みの無い状
態で加工を行うことにより、部品の形状精度の確保を図
ることのできるシリンダー面の研磨装置を提供すること
にある。
工具の求心搖動軸方向を組立調整により保証して研磨を
行うことにより、シリンダー面の母線方向の外周稜線に
対する傾きを自動的に修正する利点が付加されたシリン
ダー面の研磨装置を提供することにある。
と共に研磨液面に沈める研磨水槽を付加することによっ
て、微細な砥粒の選択作用および砥粒の均質的分散作用
が起こり、より表面あらさ、表面欠陥の最小化を図るこ
とのできるシリンダー面の研磨装置を提供することにあ
る。
環装置を付加することによって、加工物及び研磨工具の
温度膨張による寸法変化および形状変形の最小化、研磨
工具のポリシャ材が光学研磨用のピッチである場合、コ
ンプライアンスの安定化を図り、高精度な形状精度が得
られる環境が確保されるシリンダー面の研磨装置を提供
することにある。
の研磨装置を用いて、高い形状精度の研磨方法及びこの
研磨方法に用いるおもりを提供することにある。
ダー面の研磨装置は、加工物の凹凸の向きにかかわら
ず、該加工物を上側にしかつ研磨工具を下側にして求心
搖動が可能なことを特徴とする。
は、請求項1に記載のシリンダー面の研磨装置におい
て、前記研磨工具が求心搖動されると共に、該研磨工具
の揺動方向と直角方向に前記加工物が往復直線運動する
ことによって前記加工物の研磨が実施されることを特徴
とする。
は、請求項1に記載のシリンダー面の研磨装置におい
て、前記加工物が静止状態とされ、前記研磨工具が求心
搖動されると共に、該研磨工具がその揺動方向と直角方
向に往復直線運動することによって前記加工物の研磨が
実施されることを特徴とする。
は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシ
リンダー面の研磨装置において、前記研磨工具が車輪を
有する台車型基盤に載置され、該台車型基盤が前記研磨
装置の曲率半径に対して所定の曲率半径差を有する曲率
軌道面が形成された曲率半径付与部材に摺動可能に載置
され、前記台車型基盤が前記曲率軌道面を往復運動する
ことによって、前記研磨工具が球心揺動されることを特
徴とする。
は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシ
リンダー面の研磨装置において、前記研磨工具が該研磨
工具の曲率半径に対して所定の曲率半径差を有する曲率
軌道面が形成された曲率半径付与部材に固定され、前記
曲率軌道面が車輪に摺接され、前記曲率半径付与部材が
前記車輪に対して往復運動することにより、前記研磨工
具が求心搖動されることを特徴とする。
は、請求項4に記載のシリンダー面の研磨装置におい
て、前記台車型基盤に動力源が内蔵され、該台車型基盤
が前記曲率軌道面に沿って自走することによって前記研
磨工具が球心揺動されることを特徴とする。
は、請求項5に記載のシリンダー面の研磨装置におい
て、前記車輪側を動力源として、前記曲率半径付与部材
を前記車輪に対して相対移動させることにより、前記研
磨工具が求心揺動されることを特徴とする。
は、請求項4に記載のシリンダー面の研磨装置におい
て、前記台車型基盤に動力伝達機構を介して動力を伝達
することによって、前記研磨工具が求心揺動されること
を特徴とする。
は、請求項5に記載のシリンダー面の研磨装置におい
て、前記曲率半径付与部材に動力伝達機構を介して動力
を伝達することによって、前記研磨工具が求心揺動され
ることを特徴とする。
置は、請求項8に記載のシリンダー面の研磨装置におい
て、前記台車型基盤が前記曲率軌道面を往復運動する際
の前記台車型基盤と前記動力伝達機構との間の少なくと
も高さ変動を吸収する変動吸収機構が設けられているこ
とを特徴とする。
置は、請求項9に記載のシリンダー面の研磨装置におい
て、前記曲率半径付与部材が前記車輪に対して往復運動
する際の前記曲率半径付与部材と前記動力伝達機構との
間の少なくとも高さ変動を吸収する変動吸収機構が設け
られていることを特徴とする。
置は、請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載
のシリンダー面の研磨装置において、前記加工物を接着
することなく保持する加工物保持容器が設けられている
ことを特徴とする。
置は、請求項12に記載のシリンダー面の研磨装置にお
いて、前記研磨工具の揺動軸と前記加工物保持容器の保
持稜線とが平行であることを特徴とする。
置は、請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載
のシリンダー面の研磨装置において、研磨液を貯留する
水槽を有し、前記加工物と前記研磨工具とが研磨液中に
浸漬されて、前記加工物の研磨が行われることを特徴と
する。
置は、請求項14に記載のシリンダー面の研磨装置にお
いて、前記水槽に温度制御された研磨液を循環させる研
磨液循環装置が設けられていることを特徴とする。
置は、請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載
のシリンダー面の研磨装置において、短軸方向と長軸方
向とのいずれか一方に曲率を有する加工物を研磨するた
めに、前記台車型基盤が上部台車型基盤と下部台車型基
盤とから構成され、前記上部台車型基盤と前記下部台車
型基盤との間に前記研磨工具の求心揺動方向が前記曲率
を含む面内に向くように回転調整する旋回軸が設けられ
ていることを特徴とする。
置は、請求項16に記載のシリンダー面の研磨装置にお
いて、前記研磨工具の求心揺動方向と前記加工物の長軸
又は短軸方向とを合致させて位置決めする位置決め機構
が設けられていることを特徴とする。
置は、加工物のトーリック面、球面の研磨を行うため
に、前記加工物の凹凸の向きにかかわらず、該加工物を
上側にしかつ研磨工具を下側にして、該研磨工具を互い
に直交する方向に求心揺動させる求心揺動機構が設けら
れていることを特徴とするシリンダー面の研磨装置。
法は、請求項1ないし請求項18のいずれか1項に記載
のシリンダー面の研磨装置を用いて、前記加工物の保持
高さを調整することにより前記加工物の加工面の絶対曲
率半径を修正することを特徴とする。
法は、請求項1ないし請求項18のいずれか1項に記載
のシリンダー面の研磨装置を用いて、前記加工物の前記
研磨工具からのはみ出し量を調整することにより、前記
加工物の加工面の絶対曲率半径を修正することを特徴と
する。
ないし請求項18のいずれか1項に記載のシリンダー面
の研磨装置を用いて、前記加工物の背面におもりを載せ
ることにより、前記加工物の加工面の母線方向の真直度
を修正することを特徴とする。
ないし請求項18のいずれか1項に記載のシリンダー面
の研磨装置を用いて、前記加工物の前記研磨工具からの
はみ出し量を調整することにより、前記加工物の加工面
の母線方向の真直度を修正することを特徴とする。
に記載の方法に用いるおもりであって、金属片の外周が
シリコンゴム材により被覆されていることを特徴とす
る。
装置全体の構成を示す正面図である。シリンダー面の研
磨装置は、装置本体1と恒温研磨液循環装置2とから大
略なる。恒温研磨液循環装置2は研磨液の循環に用い
る。装置本体1は上部駆動系1aと下部駆動系1bとか
ら構成される。 (上部駆動系1a)図2は図1に示す上部駆動系1aの
正面図を示し、図3はその上部駆動系1aの側面図を示
す。上部駆動系1aは加工物3(例えば、シリンダーレ
ンズ)を保持し、その母線(長軸)方向に往復直線運動
を与える役割を有する。
プ寸法でくり貫いた加工物保持容器4の内部に、その凹
凸の向きにかかわらず研磨工具21に対して上側でかつ
無接着状態で保持されている。加工物保持容器4はその
4隅の棒材5により吊り降ろされている。
上の部材7a、7bにより挟み込まれ、かつ、その高さ
の調整が可能になっている。この加工物保持容器4の保
持部稜線は、後述の研磨工具21の求心揺動軸の方向と
平行になるように組立て調整される。
側面板6bは加工物3の長軸方向の両側について左右2
枚で分割されている。側面板6b、6bは連結板6cに
より連結されている。連結板6cには図示を略す長穴が
形成され、ボルト固定位置をずらすことによって、移動
基板構造の長さ調整が可能であり、加工物3の長さに対
して所定範囲内で調整が可能である。
はリニアガイドブロック8aが取り付けられている。リ
ニアガイドブロック8aはリニアガイドレール8bにサ
ポートされ、これによって、移動基板6a(R)、6a
(L)は、加工物3の母線(長軸)方向に滑らかに移動可
能とされている。この2本のリニアガイドレール8b、
8bはレール用固定板8cにより、装置上部フレーム2
0に固定されている。
(長軸)方向と直角方向に長穴9aを有する自己潤滑性の
樹脂材料からなる板材9が取り付けられている。この長
穴9aに回転半径が調整可能なピン10が挿入されてい
る。このピン10が回転により長穴9aの中を滑ること
によって、移動基板6a(L)、6a(R)が長手方向
に任意の振幅で往復直線運動がなされる。
板11に設けられた長穴(図示を略す)の固定位置をず
らすことによってなされる。クランク板11は、回転軸
12を持つシャフト(図示せず)の下端に固定されてい
る。このシャフトの上端にはタイミングプ−リ13が固
定されている。回転動力はモータ14の出力軸に固定さ
れているタイミングプ−リ15からタイミングベルト1
6を媒体として伝達される。回転軸12を持つシャフト
はハウジング17に内蔵のボールベアリング(図示を略
す)によりサポートされている。このハウジング17、
モータ14は共通の基盤18の下面に固定されている。
基盤18は両側面からブラケット19により、装置上部
フレーム20に固定される。 (下部駆動系1b)図4は図1に示す下部駆動系1bの
正面図を示し、図5はその下部駆動系1bの側面図を示
す。下部駆動系1bは研磨工具21の曲率半径Rの中心
を回転中心として、研磨工具21を任意角度範囲内で往
復運動させる役割を持つ。
その表層部21aとからなる。この表層部21aは、前
工程(スムージング工程)ではダイヤモンド・ペレット等
を用いて、高能率の除去加工が行われ、仕上げ工程(ポ
リシング)ではポリウレタン、光学研磨用ピッチ等を用
いて、低能率だが高精度な研磨加工が行われる。
する台車型基盤22に載置固定されている。その台車型
基板22の四隅には車輪23が設けられている。研磨工
具21は、曲率半径付与部材24を往復動される。曲率
半径付与部材24は研磨工具21の曲率半径Rに対して
ΔRの曲率半径差を有する曲率軌道面24a、24bを
有する。研磨工具21は曲率軌道面24a、24aを台
車型基盤22が往復することにより、任意の角度で求心
搖動がなされる。
の加工物3(CX)に対して、R+ΔRの凹形状曲率軌
道面24a(CC)が与えられ、図4(b)に示すよう
に、凹面の加工物3(CC)に対して、R−ΔRの凸形
状曲率軌道24(CX)が与えられる。
工具21だけではなく、曲率半径付与部材24も交換す
る。その交換の際、適切なジグ(図示せず)により、軌道
上の車輪23がわずかに浮き上がるように台車型基盤2
2は保持されている。これにより、その交換作業は容易
となる。
面24a、24bを移動中に脱線することがないよう
に、内側にフランジ23aが設けられている。これらの
車輪23の回転軸25を持つシャフト(図示せず)は台車
型基盤22の四隅下部に固定のハウジング26に内蔵の
ボール・ベアリング(図示せず)によりサポートされてい
る。
伝達棒であり、この動力伝達棒27は、研磨工具21に
求心搖動のための駆動力を与える。この動力伝達棒27
は台車型基盤22の下部両端に固定されている。この動
力伝達棒27には、連結棒29により連結されたリニア
ガイドブロック28が嵌合されている。
パ27aで制限された範囲内で高さ方向に自由に移動可
能である。連結棒29の中間部には、回転と直線運動の
自由度を有するリニアガイドブロック30が嵌合されて
いる。このリニアガイドブロック30の下部にはハウジ
ング32が固定されている。このハウジング32は回転
軸31を有するシャフト(図示せず)をボール・ベアリン
グ(図示せず)でサポートしている。ハウジング32は、
クランク板33に対して移動調整可能である。連結棒2
9は、この連結棒29に回転半径が調整可能な軸31上
のリニアガイドブロック30が嵌合されることによっ
て、車軸25と直角方向に任意の振幅で往復平行運動す
る。この際に、連結棒29の両端のリニアガイドブロッ
ク28は、台車型基盤22を曲率軌道面24a、24b
に沿って移動させる。
7の傾き変動は、変動吸収機構としての中間のリニアガ
イドブロック30によって吸収され、動力伝達棒27の
保持点の高さ変動は変動吸収機構としての両端のリニア
ガイドブロック28によって吸収される。
33に設けられた溝(図示せず)とハウジング32外周部
の段差(図示せず)との間の固定用ナット(図示せず)を緩
めて位置をずらすことによってすることができる。
フト(図示せず)の上端に固定されている。このシャフト
の下端には、タイミングプ−リ35が固定されている。
回転動力はモータ36の出力軸に固定のタイミングプ−
リ37からタイミングベルト38を動力伝達媒体として
伝達される。
9に内蔵のボールベアリング(図示せず)によりサポート
されている。このハウジング39は基盤40上面に固定
され、モータ36は基盤41の下面に固定されている。
両基盤40、41は装置下部フレーム材45上に固定の
共有基盤42に、それぞれサポート材43、44により
固定される。
56aの恒温研磨液循環装置を示す模式図である。
aの中に沈めて研磨加工が実施される。その際に、研磨
液56aを貯留する研磨水槽57は、研磨工具21の側
に固定されて、研磨工具21と共に求心搖動が行われ
る。研磨水槽57に供給する研磨液56dは以下の処理
を行ってから研磨水槽57に循環供給される。
らタンク59に戻ってきた研磨液56bはフィルタ58
により濾過される。タンク59側には、研磨液の恒常性
を維持するため、ヒータ60、クーラ61、撹拌機62
が設けられている。これにより、タンク59内の研磨液
56cは一定温度に保持される。この研磨液56cがポ
ンプ63により循環供給される。研磨液の蒸発量の補償
は、液面キーパ装置64によってなされる。液面キーパ
装置64はフロートスイッチ64aを有し、これによっ
て開閉される電磁弁(図示せず)に接続の濾過水道水65
がタンク29内に適量注入され、タンク29内の液面が
一定量に保持される。
一方に曲率が在るシリンダーレンズに対して、曲率の在
る方向と求心搖動の方向を合致させる旋回軸を付加した
機構を示す。
(a)に示すように、台車型基盤22は、上部台車型基
盤22aと下部台車型基盤22bとの上下二分割構成と
されている。上部台車型基盤22aの底部には旋回軸6
6が設けられている。下部台車型基盤22bにはその中
心部に穴が設けられている。下部台車型基盤22bの底
部にはハウジング73が設けられている。旋回軸66は
下部台車型基盤22bの穴を貫通してハウジング73内
に突出されている。ハウジング73内にはスリーブ材6
9が設けられ、このスリーブ材69にはボールベアリン
グ68が設けられている。
設けられ、ボールベアリング68の内輪はそのフランジ
部66aに挟み込まれ、ボールベアリング68の外輪は
スリーブ材69に保持されている。
その軸方向に適度のギャップ(g=1mm程度)が開くよう
に移動可能である。通常、両台車型基盤22a、22b
は複数のネジ67により固定されている。このネジ67
をはずし、ハウジング73の底部に設置の複数のネジ7
1をねじ込むことにより、上部台車型基盤22aを持ち
上げ、上部台車型基盤22aを下部台車型基盤22bに
対して旋回可能とすることができる。
のいずれの場合でも、研磨工具21の求心揺動方向が曲
率半径を含む面内に向くように、研磨工具21を回転調
整することができる。
基盤22a、22bの側面にネジ72aを用いて位置決
め規制板72を挟み込むことにより、短軸円筒面加工の
際の位置再現性が確保される。また、図7(c)に示す
ように、上部台車型基盤22aの底部長軸方向に短軸側
面幅Wと同間隔で溝72bを設け、位置決め規制板72
cを挿入することにより、直角の位置合わせが容易にで
き、長軸円筒面加工の際の位置再現性も確保される。位
置決め規制板72、72c加工物3の長軸方向又は短軸
方向と研磨装置21の揺動方向とを合致させる位置決め
機構としての役割を果たす。
半径Rの加工物3(シリンダーレンズ)を接着なしで適切
に保持する加工物保持容器4の模式図を示す。
則である。加工物3としてのシリンダーレンズは曲率半
径Rの大きさ、凹凸の向きにより、短軸面、長軸面の外
周形状、寸法が異なり、注意が必要である。
合、図8(e)、図8(f)に示すように、短軸側面は
長軸側面よりも、寸法sだけ高い位置で保持しなければ
ならない。このように、凹凸双方の曲率半径Rを持つシ
リンダー面を有する加工物3を適格に保持するには、加
工物保持容器4の両端面の保持部が上下に調整可能であ
る構造が望ましい。
4は加工物保持容器4の機枠で、四隅に棒材5をねじ込
むネジ74aが設けられている。長軸側面を保持するた
めのエッジ部材75の保持部稜線75aが加工物3の幅
寸法よりもわずかに大きな間隔で平行に造り込まれてい
る。このエッジ部材75は、研磨工具21の求心揺動軸
21cに対しても平行になるように、装置本体1、上部
駆動系1a側の組立、調整が行われる。なお、求心揺動
軸21cは紙面に対して垂直方向に延びている。
(d)に示すように、短軸側面保持用エッジ部材76が
ネジ76aにより固定されている。ここで、ネジ76a
を通す機枠74側は長穴(図示せず)となっているため、
曲率半径Rの大きさと凹凸の向きにより適宜に上下に調
整可能となり、適切な条件で加工物が保持できる。
・短軸方向保持部材(エッジ部材)75、76を交換、装
着することによって、広範囲の寸法の加工物に柔軟に対
応できる。
ダー研磨装置による研磨法を示す模式図である。
る加工物3の減耗状態は次式により表現される。
の減耗量は、以下の(1)式で表される。
ネルギー[J/m-2] px,y:加工圧力[Pa] vx,y:加工物‐研磨工具間の相対速度[m/sec] ΔTx,y:加工時間[sec] ただし、x、y:加工面積上の座標 光学的シリンダー面の精度、円筒度は以下の要素に分解
できる。 R(曲率)方向断面の絶対R誤差および形状精度として
の真円度。 母線方向の反り(真直度)、および母線の外周稜線に対
する傾き。
は研磨工具の求心揺動により良好となり、の外周稜線
に対する傾きは、加工物保持容器4の保持部エッジ稜線
を研磨工具21の揺動軸と合致するように調整すること
によって公差範囲内に自動修正される。
法、及び母線の真直度修正方法について述べる。 (1)絶対曲率半径(R)を修正する研磨方法。
さ法]と[はみ出し法]とがある。 [保持点高さ法]ここでは、説明の容易化を図るため、加
工物(シリンダー・レンズ)3の曲率半径R=∞とする。
bとする)は、図9に示す研磨工具21上で短軸方向(x
軸方向)に相対運動を行い、研磨加工がなされる。
図9(b)はX軸方向への相対運動状態を示している。
工面積をAとすると、任意の位置の圧力Pは加工物の重
量Nを加工面積Aで除した値であり、平均圧力(P0=N
/A)であり、一様(constant)であると考えられる。
にx軸方向に相対運動を与えると、界面の摩擦力F[N]
と、その保持点高さL[mm]によって回転モーメントM
yLが生じる。
数である。Lはジグのエッジ高さを調整することにより
可変することができる。また、MyL=F・Lである。
9(b)に示すように直線的な勾配が発生し、任意の位
置の圧力(Px)は、次式で与えられる。
m]である。
I=a2・A/3 [mm3]である。
積で積分すれば、加工物の重量(N=2b・∫−a+a
(Px)dx)になり、中心部の圧力は平均圧力(P0)に等し
い。また、上記の範囲内で、x軸方向に往復運動がなさ
れた場合、任意の位置での圧力は、応力振幅があるが時
間的平均値(P−x)は結局一様にP0になる。なお、その
図9(a)において、Vxは相対運動速度である。な
お、「P−」の「−」は「P」の頭の上に付されている
ものと了解されたい。
さLを大きくした場合を仮定する。(2)式より、加工面
積上での最大・最小圧力比Kは次式で与えられる。
では最小圧力側がゼロになる。すなわち、ある摩擦条件
下、例えば、摩擦係数μ=1では、保持点高さが、L≧
a/3(加工物の短軸幅の1/6)を著しく超えた場合、応
力振幅の時間的平均値(P−x)は一様にならない。
工物と研磨工具との間で左側(−x方向)へ相対速度(Vx
1)で摩擦運動した時、圧力分布はPx1となり、逆の方向
の運動では圧力分布はPx2となる。従って、応力振幅の
時間的平均値(Px)の短軸方向分布状態は、中心部では
平坦だが両端で増大する傾向が得られ、結果Prestonの
経験則から、両端部に向かって減耗量の増大化が図られ
る。
は、この効果を利用したものであり、減耗量の分布状態
は、例えば、図11(a)、(b)に符号77a、77
bで示した結果となり、曲率半径Rの凸面の加工物3で
は曲率半径Rを小さくすることができ、曲率半径Rの凹
面の加工物3では曲率半径Rを大きくすることができ
る。
3、図8に示す加工物保持工具4の高さ調整により実施
可能である。 [はみ出し法]説明の便宜のため、加工物(シリンダー・レ
ンズ)3の曲率半径R=∞とする。図9、図10に示し
た加工物3のはみ出しの無い条件のもとでは、加工面積
(A)上の任意の位置の加工時間(Tx)は、時計で計測し
た時間(Tw)と同一であり、一様(constant)である。
工具21は有限の幅(短軸寸法2α、長軸寸法2β)を有
する。また、研磨を行うときに、加工物3(短軸寸法2
a、長軸寸法2b)には、適度のはみ出し量dを与える
ことができる。
を短軸方向(−x方向)に移動中(研磨中)である。往復相
対運動は
及び回転数(回転角速度:ω[rad/sec])が調整可能なク
ランク機構、直線案内機構により容易になされる。研磨
工具21のx方向移動量は次式で表される。
・sin(ω・T) ここで、ω・Tは、研磨工具の位相角度[rad]、Tは
時間[sec]である。
右側稜線が合致した状態を示し、加工物3の短軸方向の
任意の座標xは、いまだ研磨工具21と接触している。
図12(b)は、丁度座標xが研磨工具21の稜線上にあ
る状態を示している。従って、今後、研磨工具21の移
動方向が−x方向から反転して逆向き(+x方向)にな
り、同位置に復帰するまでは、実際上、この座標xの加
工物3の面は研磨加工が行われない。図12(c)は、研
磨工具21が最大にはみ出した状態を示しており、次の
瞬間より逆向き(+x方向)に移動を開始する。
の研磨工具21の位相角度をΘx、今後、研磨工具21
の移動方向が逆向きになるまでの研磨工具21の位相角
度をΘeとすれば、両方の合計はΘw=Θx+Θe=π/
2 [rad]である。
定周期で研磨加工されない空白の時間帯(Te)が現れ
る。
+空走時間(Te)=一定とすれば、任意の位置の研磨加
工時間(Tx)は次式で与えられる。
軸方向の分布状態は、中心部では平坦であるが、両端で
減少する傾向が得られ、その結果Prestonの経験則か
ら、両端部に向かって減耗量の減少化が図られる。相対
的に表現すると、中心部の減耗量の増大化が図られる。
は、この効果を利用したものであり、減耗量の分布状態
は、例えば、図13に符号78a、78bで示した結果
となり、曲率半径Rの凸面の加工物3では曲率半径Rを
大きくすることができ、曲率半径Rの凹面の加工物3で
は曲率半径Rを小さくすることができる。
すクランクの振幅調整等により実施可能である。 (2)母線の真直度を修正する研磨方法 母線の反りδ(長軸方向真直度)の修正研磨法には、[偏
荷重法]と[はみ出し法]とがある。 [偏荷重法]図14は偏荷重の付加による母線の反りδ
(長軸方向真直度)の修正法を説明するための図である。
状の材料の加工物3の自重のみでの研磨を行う加工状態
では、加工面積Aの任意の位置yの圧力Pyは、加工物
の重量Nを断面積Aで除した値、すなわち、平均圧力P
0=N/Aであり、一様(constant)である。
端部の背面に偏荷重を与えるため、おもり79を載せた
ときに生じる長軸方向(y軸方向)の圧力Pyの分布変化
を示している。
荷重におもり79による集中荷重が加わり、長軸方向の
圧力Pyの分布状態は中心部は平坦であるが、両端で増
大する傾向が得られる。
正法は、この圧力分布に変化を与える効果を利用したも
のであり、その結果Prestonの経験則から、図16
(a)に符号80aに示したように、両端部に向かって
減耗量の増大化が図られる。
れば、おもり79による加工物3の変形が解除されて、
加工物3の母線方向の真直度δが修正される。
部の背面に偏荷重を与えるため、おもり79を載せたと
きに生じる長軸方向(y軸方向)の圧力Pyの分布変化を
示している。
重におもり79による集中荷重が加わり、長軸方向の圧
力Pyの分布状態は中心部に向かって増大する傾向が得
られる。偏荷重の付加による母線方向の真直度δ修正法
は、この圧力分布に変化を与える効果を利用したもので
あり、その結果Prestonの経験則から、図16(b)に
符号80bに示したように、中心部に向かって減耗量の
増大化が図られる。
れば、おもり79による加工物3の変形が解除されて、
加工物3の母線方向の真直度δが修正される。
ように、金属片79aの周囲をシリコンゴム79bで被
覆したものである。このおもり79は、研磨液中で用い
る際、金属片79aの腐食を避ける効果と、加工物3の
背面形状による異常な圧力分布の発生を抑制する効果が
ある。 [はみ出し法]短軸方向のはみ出し調整法を長軸方向に置
き換えることにより、母線方向の真直度δの修正を行う
ことができる。すなわち、図2に示すクランクの振幅調
整により、長軸方向の両端に適宜はみ出し量を与え、両
端部に向かって減耗量の減少化を図ることができる。
正法は、母線方向の研磨工具21と加工物3との間の接
触率を加味した研磨加工時間に変化を与える効果を利用
したものであり、その結果Prestonの経験則から、図1
6(b)に符号80bで示したように中心部に向かって
減耗量の増大化が図られる。
研磨装置の応用例の主要部を示している。
なる曲率Rx、Ryを有するトーリック面、もしくは自由
曲面を除くその他の曲面(Rx、Ry のいずれか一方にの
み曲率を有するシリンダー面、もしくはRx=Ryの曲率
を有する球面、Rx=Ry=∞の平面)である。
とその表層部100bからなる。前工程(スムージング)
では、この表層部100aには、ダイヤモンド・ペレッ
ト等が用いられ、この表層部100aによって、加工物
3の表面の除去加工が高能率で行われる。また、仕上げ
工程(ポリシング)では、この表層部100aには、ポリ
ウレタン、光学研磨用ピッチ等が用いられ、低能率であ
るが、加工物3の表面の高精度な研磨加工が行われる。
また、研磨工具100の表面形状は、加工物99の表面
形状に対して正負(凹凸)が反転した形状である。
定されている。その台車型基板101の四隅には車輪1
02が設けられている。その車輪102は研磨工具10
0の曲率Rxに対してΔRxの差を有する曲率軌道10
3上を往復する。これによって、研磨工具100は任意
の角度でx方向の求心搖動がなされる。
てはRx+ΔRxの凹形状曲率軌道103aが与えら
れ、凹の曲率面の加工物99に対してはRx‐ΔRxの
凸形状曲率軌道103bが与えられる。車輪102には
曲率軌道103を移動中に脱線することがないように、
内側にフランジ102aが設けられている。これらの車
輪102aの回転軸102bを持つシャフト(図示せず)
は基盤101の四隅下部に固定のハウジング104に内
蔵のボール・ベアリング(図示せず)によりサポートされ
ている。
5上に固定されている。その台車型基盤105の四隅に
は車輪106が設けられている。その車輪106は研磨
工具100の曲率半径Ryに対してΔRyの差を有する
曲率軌道107上を往復する。これによって、研磨工具
100は任意の角度でy方向の求心搖動がなされる。
てはRy+ΔRyの凹形状曲率軌道107aが与えら
れ、凹の曲率面の加工物99に対してはRy−ΔRyの
凸形状曲率軌道107bが与えられる。このy軸方向の
曲率軌道107は、x方向の曲率軌道103に対して直
交配置される。車輪106には、曲率軌道107を移動
中に脱線することがないように内側にフランジ107a
が設けられており、これらの回転軸107bを持つシャ
フト(図示せず)は基盤105の四隅下部に固定のハウジ
ング108に内蔵のボール・ベアリング(図示せず)によ
りサポートされている。x方向と直交するy方向の求心
搖動機構は基盤109上に構成される。
めの駆動力は、基盤105の下部両端に固定の動力伝達
棒110によって与えられる。この動力伝達棒110に
は、トラベリング・ナット・ブロック111により連結さ
れたリニアガイド・ブロック112が係合している。動
力伝達棒110はストッパ110aで制限された範囲内
で高さ方向に自由に移動可能である。なお、トラベリン
グ・ナット・ブロック111の両サイドにはシャフト(図
示せず)が付き出し、リニアガイド・ブロック112の片
面内部に収容のボールベアリング(図示せず)がこれらを
サポートすることによって三体が連結され、動力伝達棒
110はx’−x ’方向に回転可能である。トラベリ
ング・ナット・ブロック111は駆動ネジ113によって
y’−y’方向に移動可能である。トラベリング・ナッ
ト・ブロック111は、往復回転角度(±Θy)の入力によ
り、任意の振幅で往復平行運動がなされる。駆動ネジ1
13は両端支持もしくは片持ち式の適切な構造によりボ
ールベアリング(図示せず)でサポートされており、適切
な動力伝達機構により駆動用モータ(図示せず)から動力
の供給を受けている。この際に、両端のガイド・ブロッ
ク112は台車105を軌道107に沿って移動させ
る。台車105の移動による動力伝達棒110の傾きは
ブロック間の回転機構が吸収し、また、同時に起こる動
力伝達棒110の保持点高さの変動は両端のリニアガイ
ド・ブロック112が吸収する。
1の往復距離及び往復速度調整は駆動用モータのコント
ロール用ドライバ(図示せず)により往復回転角度(±Θy
[deg])、回転数(ωy、[rpm])を設定、入力することに
よってなされる。
動のための動力伝達機構は、基盤101の下部に同様の
構成要素をy方向への求心揺動のための動力伝達機構に
対して直交配置することにより与えられる。
側が2次元(x、y方向)的な運動を行うため、加工物9
9は、図8に示すようにジグ中に静止状態で保持され
る。また、加工物99を研磨工具100と共に研磨液中
に沈めるための水槽114を付加しても良いし、さら
に、この水槽中に温度制御された研磨液を循環供給する
装置を付加しても良い。
加工物3を長軸方向に往復動させる構成としたが、加工
物3を静止状態とし、研磨工具21が求心搖動されると
共に、研磨工具21がその揺動方向と直角方向に往復直
線運動することによって加工物3の研磨が実施されるよ
うにしてもよい。
車型基盤22に載置し、この台車型基盤22を曲率半径
付与部材24に摺動させる構成としたが、研磨工具21
を曲率半径付与部材24に固定し、その曲率軌道面24
を車輪に摺接させ、曲率半径付与部材24が車輪に対し
て往復運動させることにより、研磨工具21が求心搖動
されるようにしてもよい。この場合、車輪側を動力源と
して、曲率半径付与部材24を車輪に対して相対移動さ
せることにより、研磨工具21が求心揺動されるように
してもよいし、曲率半径付与部材24に動力伝達機構を
介して動力を伝達することによって、研磨工具21が求
心揺動されるようにしてもよい。
して台車型基盤22を揺動させる構成としたが、台車型
基盤22に動力源を内蔵し、この台車型基盤22を曲率
軌道面24aに沿って自走させることによって、研磨工
具21が球心揺動されるようにしてもよい。
曲率半径付与部材24を駆動する場合には、高さ変動を
吸収する変動吸収機構を設けるのが望ましい。
研磨装置によれば、凹凸両方の曲率に対して、研磨工具
の求心搖動が可能であり、加工物の曲率半径、幅により
変動する横殴り現象を解消でき、研磨条件の安定化が図
られると共に、曲率半径方向断面の真円度が良好とな
る。
具が配置され、研磨工具の減耗体・欠落部、余剰砥粒、
その他異物等が研磨工具の溝に吸収されるので、表面あ
らさ、表面欠陥の最小化が図られる。
置によれば、加工物を加工物に接着することなく適切保
持して往復運動を与えるので、加工物の着脱作業が容易
となり、接着歪みを起因とする加工面形状精度の喪失か
ら回避される。
置によれば、加工物母線の外周稜線に対する傾きが自動
的に修正される。
置によれば、加工物を研磨工具(磨き皿)と共に研磨液中
に沈める水槽を付加することにより、より一層微細な研
磨砥粒の選択作用と均質的分散作用が現れ、加工表面の
表面あらさ、表面欠陥の最小化が図られる。
置によれば、温度制御された研磨液を水槽側に循環供給
するための装置を付加することにより、加工物および研
磨工具の温度膨張による寸法変化および形状変形の最小
化、さらに研磨工具のポリシャ材が光学研磨用のピッチ
である場合は粘弾性の安定化が図られ、高精度な形状精
度が得られる環境が確保される。
研磨装置によれば、短軸側および長軸側のどちらか一方
に曲率が在るシリンダー・レンズに対して、曲率の在る
方向と求心搖動の方向を正確に合致させる旋回軸および
位置合わせ機構を付加することにより、短軸側・長軸側
にかかわらず、シリンダー面の研磨が実施できる。
置によれば、求心搖動機構を直交配置して設けることに
より、シリンダー面の他、トーリック面および球面等の
研磨も可能となる。
研磨方法及び請求項22に記載のおもりを用いれば、こ
の発明のシリンダー面の研磨装置を利用してシリンダー
面の曲率半径の精度、母線真直度を修正できる。
正面図である。
構造を拡大して示す正面図である。
構造を拡大して示す側面図である。
揺動)の構造を示す側面図であって、(a)は加工物が
凸面形状の場合を示し、(b)は加工物が凹面形状の場
合を示す。
造を拡大して示す正面図である。
示す模式図である。
るシリンダーレンズに対して、曲率のある方向と求心搖
動の方向とを合致させる旋回軸を付加した研磨工具の模
式図であり、(a)はその内部構造を示し、(b)は短
軸側に曲率がある加工物を研磨工具にセットした状態を
示し、(c)は長軸側に曲率がある加工物を研磨工具に
セットした状態を示す。
しに保持することのできる加工物保持具の模式図であ
り、(a)は加工物が凹面の場合の加工物の保持状態を
示す平面図を示し、(b)はその(a)に示す加工物保
持具の縦断面図を示し、(c)は加工物が凸面の場合の
加工物の保持状態を示す平面図を示し、(d)はその
(c)に示す加工物保持具の縦断面図を示し、(e)は
(a)に示す加工物保持具の横断面図を示し、(f)は
(c)に示す加工物保持具の横断面図を示す。
説明するための模式図であり、(a)は加工物の加工面
の絶対曲率の修正方法の説明に使用する説明であって、
加工物が静止状態にあるときの加工面に加わる圧力分布
の説明図、(b)は加工物が相対運動をしている状態に
あるときの加工面に加わる圧力分布の説明図、(c)は
(b)に示す加工物の平面図である。
を説明するための模式図であり、加工物の保持高さを変
更した場合の圧力分布の説明図である。
の絶対曲率半径の修正方法を説明するための模式図であ
って、(a)は加工物が凸の曲面の場合の摩耗の状態を
示し、(b)は加工物が凹の曲面の場合の摩耗の状態を
示す。
の絶対曲率半径の修正方法を説明するための模式図であ
って、(a)は研磨工具の稜線が加工物の稜線に一致し
ている状態を示し、(b)は加工物が研磨工具に対して
はみ出した瞬間を示し、(c)は加工物が研磨工具に対
して最大量はみ出して移動方向を変える瞬間を示してい
る。
工面の絶対曲率半径の修正方法の説明図で、(a)は加
工物が凸の曲面の場合の摩耗の状態を示し、(b)は加
工物が凹の曲面の場合の摩耗の状態を示す。
であって、(a)は偏荷重を加工物に加えない状態での
圧力分布状態の説明図であり、(b)は加工物の両端に
偏荷重を加えたときの圧力分布状態の説明図であり、
(c)は中央に偏荷重を加えたときの圧力分布状態を示
す。
もりの断面図である。
であって、(a)は周辺部の摩耗量が増加した状態を示
し、(b)は中心部の摩耗量が増加した状態を示す。本
発明のシリンダー研磨装置による研磨法を示す模式図
研磨装置の概略構成を示す斜視図である。
Claims (23)
- 【請求項1】 加工物の凹凸の向きにかかわらず、該加
工物を上側にしかつ研磨工具を下側にして求心搖動が可
能なシリンダー面の研磨装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載のシリンダー面の研磨装
置において、前記研磨工具が求心搖動されると共に、該
研磨工具の揺動方向と直角方向に前記加工物が往復直線
運動することによって前記加工物の研磨が実施されるこ
とを特徴とする。 - 【請求項3】 請求項1に記載のシリンダー面の研磨装
置において、前記加工物が静止状態とされ、前記研磨工
具が求心搖動されると共に、該研磨工具がその揺動方向
と直角方向に往復直線運動することによって前記加工物
の研磨が実施されることを特徴とする。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
に記載のシリンダー面の研磨装置において、前記研磨工
具が車輪を有する台車型基盤に載置され、該台車型基盤
が前記研磨装置の曲率半径に対して所定の曲率差を有す
る曲率軌道面が形成された曲率半径付与部材に摺動可能
に載置され、前記台車型基盤が前記曲率軌道面を往復運
動することによって、前記研磨工具が球心揺動されるこ
とを特徴とする。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
に記載のシリンダー面の研磨装置において、前記研磨工
具が該研磨工具の曲率半径に対して所定の曲率差を有す
る曲率軌道面が形成された曲率半径付与部材に固定さ
れ、前記曲率軌道面が車輪に摺接され、前記曲率半径付
与部材が前記車輪に対して往復運動することにより、前
記研磨工具が求心搖動されることを特徴とする。 - 【請求項6】 請求項4に記載のシリンダー面の研磨装
置において、前記台車型基盤に動力源が内蔵され、該台
車型基盤が前記曲率軌道面に沿って自走することによっ
て前記研磨工具が球心揺動されることを特徴とする。 - 【請求項7】 請求項5に記載のシリンダー面の研磨装
置において、前記車輪側を動力源として、前記曲率半径
付与部材を前記車輪に対して相対移動させることによ
り、前記研磨工具が求心揺動されることを特徴とする。 - 【請求項8】 請求項4に記載のシリンダー面の研磨装
置において、前記台車型基盤に動力伝達機構を介して動
力を伝達することによって、前記研磨工具が求心揺動さ
れることを特徴とする。 - 【請求項9】 請求項5に記載のシリンダー面の研磨装
置において、前記曲率半径付与部材に動力伝達機構を介
して動力を伝達することによって、前記研磨工具が求心
揺動されることを特徴とする。 - 【請求項10】 請求項8に記載のシリンダー面の研磨
装置において、前記台車型基盤が前記曲率軌道面を往復
運動する際の前記台車型基盤と前記動力伝達機構との間
の少なくとも高さ変動を吸収する変動吸収機構が設けら
れていることを特徴とする。 - 【請求項11】 請求項9に記載のシリンダー面の研磨
装置において、前記曲率半径付与部材が前記車輪に対し
て往復運動する際の前記曲率半径付与部材と前記動力伝
達機構との間の少なくとも高さ変動を吸収する変動吸収
機構が設けられていることを特徴とする。 - 【請求項12】 請求項1ないし請求項11のいずれか
1項に記載のシリンダー面の研磨装置において、前記加
工物を接着することなく保持する加工物保持容器が設け
られていることを特徴とする。 - 【請求項13】 請求項12に記載のシリンダー面の研
磨装置において、前記研磨工具の揺動軸と前記加工物保
持容器の保持稜線とが平行であることを特徴とする。 - 【請求項14】 請求項1ないし請求項13のいずれか
1項に記載のシリンダー面の研磨装置において、研磨液
を貯留する水槽を有し、前記加工物と前記研磨工具とが
研磨液中に浸漬されて、前記加工物の研磨が行われるこ
とを特徴とする。 - 【請求項15】 請求項14に記載のシリンダー面の研
磨装置において、前記水槽に温度制御された研磨液を循
環させる研磨液循環装置が設けられていることを特徴と
する。 - 【請求項16】 請求項1ないし請求項15のいずれか
1項に記載のシリンダー面の研磨装置において、短軸方
向と長軸方向とのいずれか一方に曲率を有する加工物を
研磨するために、前記台車型基盤が上部台車型基盤と下
部台車型基盤とから構成され、前記上部台車型基盤と前
記下部台車型基盤との間に前記研磨工具の求心揺動方向
が前記曲率を含む面内に向くように回転調整する旋回軸
が設けられていることを特徴とする。 - 【請求項17】 請求項16に記載のシリンダー面の研
磨装置において、前記研磨工具の求心揺動方向と前記加
工物の長軸又は短軸方向とを合致させて位置決めする位
置決め機構が設けられていることを特徴とする。 - 【請求項18】 加工物のトーリック面、球面の研磨を
行うために、前記加工物の凹凸の向きにかかわらず、該
加工物を上側にしかつ研磨工具を下側にして、該研磨工
具を互いに直交する方向に求心揺動させる求心揺動機構
が設けられていることを特徴とするシリンダー面の研磨
装置。 - 【請求項19】 請求項1ないし請求項18のいずれか
1項に記載のシリンダー面の研磨装置を用いて、前記加
工物の保持高さを調整することにより前記加工物の加工
面の絶対曲率半径を修正することを特徴とする研磨方
法。 - 【請求項20】 請求項1ないし請求項18のいずれか
1項に記載のシリンダー面の研磨装置を用いて、前記加
工物の前記研磨工具からのはみ出し量を調整することに
より、前記加工物の加工面の絶対曲率半径を修正するこ
とを特徴とする研磨方法。 - 【請求項21】 請求項1ないし請求項18のいずれか
1項に記載のシリンダー面の研磨装置を用いて、前記加
工物の背面におもりを載せることにより、前記加工物の
加工面の母線方向の真直度を修正することを特徴とする
研磨方法。 - 【請求項22】 請求項1ないし請求項18のいずれか
1項に記載のシリンダー面の研磨装置を用いて、前記加
工物の前記研磨工具からのはみ出し量を調整することに
より、前記加工物の加工面の母線方向の真直度を修正す
ることを特徴とする研磨方法。 - 【請求項23】 請求項21に記載の方法に用いるおも
りであって、金属片の外周がシリコンゴム材により被覆
されていることを特徴とする。
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