JP2002177295A - 外科用器具のハンドピース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチおよび外科用ブレードの間の相対的
な位置を心配せずに外科医が自由に組織にアクセスして
組織を手術できるようにするハンドピースおよびスイッ
チの組立体を提供することを目的とする。 【解決手段】 遠位の端部１５２と、電気的なケーブル
２２を受容する近位の端部１５４とを備える共に、第１
の導電性部材１７０を含む本体１５０と、本体に連結さ
れたスイッチエンドキャップ２００と、本体に取り外し
可能に連結された外科用器具３０とを有し、スイッチエ
ンドキャップは、スイッチ機構１１０と、第１の導電性
部材とかみ合う第２の導電性部材３１０とを有し、本体
およびスイッチエンドキャップの間の前記電気的な接続
を保ちながら本体を中心として回転可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、超音波外科用装
置系（ultrasonic surgical system）に関し、より詳し
くは、ブレード（blade)または外科用メス（scalpel）
などの正確に制御された超音波振動する器具を用いて軟
組織（soft tissue）の切開（dissection）および大き
な血管または小さな血管の焼灼（cauterization）を同
時に行うような外科的療法（surgical procedure）の実
行を容易にするための改良された装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電気的な外科用メスおよびレーザは、組
織および血管を焼灼（cauterizing）することによる軟
組織の切開（incision）および止血（hemostatics）を
同時に果たす２つの機能を実施するための外科用器具と
して知られている。しかし、そのような外科用器具は、
凝固（coagulation）を成し遂げるために非常に高い温
度を用いるので、はねかし（splattering）だけでなく
蒸発（vaporization）および蒸発気（fume）を引き起こ
し、それによって、手術室内の人に対して伝染性の疾病
が拡散される危険性が増加する。さらに、そのような外
科用器具を使用することにより、かなり広い範囲の組織
の熱的な損傷がもたらされることも多い。

【０００３】超音波駆動機構によって高速で振動した外
科用ブレードを用いて組織を切断および焼灼することも
良く知られている。そのような装置系（system）では、
特定の電圧、電流、および、周波数、例えば５５，５０
０Ｈｚの電気信号を発生する超音波発生器が設けられて
いる。超音波発生器は、ケーブルによって、超音波トラ
ンスデューサを形成する圧電磁器（piezoelectric cera
mic）素子を収容しているハンドピース（handpiece）に
接続されている。ハンドピースに設けられたスイッチま
たは他のケーブルによって超音波発生器に接続されたフ
ットスイッチに応答して、超音波発生器の信号が超音波
トランスデューサに供給されて、超音波トランスデュー
サの圧電磁器素子を振動させる。ある構造が超音波トラ
ンスデューサを外科用ブレードに接続していて、超音波
発生器の信号が超音波トランスデューサに供給されると
外科用ブレードが超音波周波数で振動する。その構造
は、選択された周波数で共振するように設計されてい
て、超音波トランスデューサによって開始された動きを
増幅する。外科用ブレードは、非対称的な形状を有して
いることが多く、外科的療法の間、外科医はハンドピー
スを操作して外科用ブレードを治療されるべき組織に接
触させる。外科用ブレードの操作を制御するスイッチは
ハンドピースに配置されていて、スイッチと外科用ブレ
ードと間の相対的な位置が、外科医が指でスイッチを駆
動させながら外科用ブレードを適切な位置に配置するこ
とを妨げることがあるので、スイッチの位置が、外科医
が外科用ブレードを所望の姿勢で組織に接触させること
を妨げることがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】したがって、この発明
の目的は、スイッチおよび外科用ブレードの間の相対的
な位置を心配せずに外科医が自由に組織にアクセスして
組織を手術できるようにするハンドピースおよびスイッ
チの組立体を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、外科用器具
に関し、より詳しくは、ハンドピース本体に取り外し可
能かつ回転可能に取り付けられるスイッチエンドキャッ
プを備えた外科用ハンドピースに関する。好ましくは、
この発明の外科用器具は、外科手術を実行するために超
音波振動を用いる超音波外科用器具からなる。ブレー
ド、例えば外科用メスなどの器具が、そのブレードなど
の器具の一部がハンドピース本体から延出して組織など
に接触するように、ブレードなどの器具がハンドピース
本体に挿入されて固定される。スイッチエンドキャップ
は、例えば外部の超音波発生器である電源からハンドピ
ースに送られる電力のレベルを選択的に信号で合図する
ためのひとつもしくは複数のスイッチボタン部材を備え
たスイッチ機構を含む。好ましくは、スイッチ機構は、
少なくとも２つの設定、すなわち低い電力の設定と、高
い電力の設定とを含む。高い電力の設定が選択された場
合、ブレードは高いレベルで超音波振動し、低い電力の
設定が選択された場合、ブレードは低いレベルで超音波
振動する。スイッチ機構は、高い電力および低い電力の
いずれが特定の用途に対して望ましいかに応じて、ひと
つのスイッチボタン部材の部分を押すことにより駆動さ
れる。

【０００６】ある例示としての実施の形態では、ハンド
ピース本体は、ハンドピース本体のひとつの端部から延
出する電力ケーブルによって電源に接続されている。超
音波振動を発生するための構成要素には、限定を意図す
るものではないが、トランスデューサと、一方の端部が
トランスデューサに接続され反対の端部がブレードに接
続されたホーン（horn）とがある。ブレードは好ましく
はホーンに容易に着脱できて、ブレードを容易に清掃、
修理および交換できるようにされている。ホーンはハン
ドピースの長手方向の軸に沿って延在し、ホーンの少な
くとも一部は、ホーンがブレードと接続されている方の
ハンドピース本体の端部を越えて延在する。ハンドピー
ス本体のこの端部は、スイッチエンドキャップの一方の
端部を取り外し可能な係合によって受容するような形状
を有する。ハンドピース本体およびスイッチエンドキャ
ップは互いに回転できるようにしたまま半永久的または
永久的に互いに接続されていてもよいことが分かる。

【０００７】この発明の他の側面に基づけば、ハンドピ
ース本体、およびスイッチエンドキャップ内に配置され
たスイッチ機構は、電気的な接続を保ちながらスイッチ
エンドキャップがハンドピース本体の周りを自由に回転
できるように、互いに電気的に接続されている。これに
よって、使用者、例えば外科医が、スイッチエンドキャ
ップをブレードに対して最適な位置に配置するために、
ハンドピースを操作しながらスイッチエンドキャップを
回転させることができる。ブレードは多くの場合非対称
的な特性を有するので、外科医はブレードを好都合に組
織に接触させるためにブレードに関するスイッチエンド
キャップの相対的な位置を変えることを好む。この発明
は、そのような特徴を有し、外科医が特定の外科手術の
ためおよび特定の外科手術の間にスイッチエンドキャッ
プの位置を特定の位置に調整することができるようにす
る。

【０００８】この発明の更に他の側面では、シール部材
がハンドピース本体内に配置されていて、このシール部
材は好ましくはブレードのシース（sheath)部分と密着
して係合してシース部分との間に密閉を形成する弾性材
料からなる。シール部材は、望まれない異物がスイッチ
エンドキャップ内に入ってスイッチ機構またはその他の
構成要素と接触することを防止する。好ましい実施の形
態では、シール部材は、ブレードのシース部分と同軸上
に配置されてシース部分との間に密閉を形成する管状の
シール部材からなる。この環状のシール部材も、有効な
密閉が形成されるように好ましくは弾性材料からなる。

【０００９】この発明のその他の特徴および利点は、添
付の図面を参照して以下の詳細な説明により明らかとな
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１には、この発明に基づく超音
波外科用切断および止血のための装置系が例示されてい
て、その全体が符号１０で示されている。この装置系１
０は、超音波発生器（図示せず）と、この装置系１０の
一部をなす制御装置とを収容するためのコンソール（ま
たはハウジング）２０を含む。第１のケーブル２２は、
コンソール２０をハンドピース１００に接続すると共に
コンソール２０およびハンドピース１００の間の電気的
な接続を提供する。第１のケーブル２２は、コンソール
２０からハンドピース１００へ電気的なエネルギー、す
なわち駆動電流が送られてハンドピース１００において
電気的なエネルギーが外科用器具３０に長手方向の超音
波振動を与えるようにする第１のワイヤの集合（図示せ
ず）を含む。この発明に基づけば、外科用器具３０は、
好ましくは、鋭利な外科用メスのブレード（blade)また
は刃（shear)からなる。この外科用器具３０は、組織を
同時に切開および止血するために用いられる。

【００１１】超音波の電流は、ハンドピース１００内に
配置されたスイッチ機構１１０によって制御されてハン
ドピース１００へ供給される。後により詳しく説明され
るように、スイッチ機構１１０は、第１のケーブル２２
のひとつまたは複数の配線（ｗｉｒｅ）（図示せず）に
よって、コンソール２０に、より詳しくはコンソール２
０の超音波発生器に接続されている。超音波発生器は、
所望に応じて更にフットスイッチ４０によって制御され
てもよくも、そのフットスイッチ４０は第２のケーブル
５０によってコンソール２０に接続されている。したが
って、使用時には、外科医は、ハンドピース１００のス
イッチ機構１１０またはフットスイッチ４０を操作する
ことにより、ハンドピース１００に超音波の電気的な信
号を供給して、外科用器具３０を超音波周波数で長手方
向に振動させる。スイッチ機構１１０は外科医の手によ
って駆動され、フットスイッチ４０は外科医の足によっ
て駆動される。

【００１２】コンソール２０は、液晶表示装置２４を含
んでいてもよく、この液晶表示装置２４は、選択された
切断の電力レベルを、最大の切断の電力レベルに対する
百分率および切断の電力に関する数値的な電力レベルな
どの様々な形式で表示するために用いられる。液晶表示
装置２４は、装置系のその他のパラメータを表示するた
に用いることもできる。更に、電源スイッチ２６および
電源「ＯＮ」インジケータ２８がコンソール２０に設け
られていて、使用者が装置系２０の動作を更に制御でき
るようになっている。符号６０によって示されたその他
のボタンおよび制御スイッチは、装置系１０の様々な他
の機能を制御し、コンソール２０のフロントパネルに配
置される。

【００１３】スイッチ機構１１０またはフットスイッチ
４０を操作して、電力が超音波ハンドピース１００に供
給されると、外科用メスまたは外科用器具３０は約５
５．５ｋＨｚで長手方向に振動し、長手方向の振動の量
は、使用者によって調節可能に選択された供給される駆
動電力（電流）の量に比例して変化する。比較的高い切
断の電力が供給された場合、外科用器具３０は、超音波
振動速度で約４０μｍ乃至約１００μｍの範囲で長手方
向に動く。そのような外科用器具３０の超音波振動は、
ブレードが組織と接触するときに熱を発生する。これ
は、組織を通る外科用器具３０の加速が、運動する外科
用器具３０の機械的なエネルギーを、非常に狭く局所的
な領域内の熱エネルギーに変換した結果である。この局
所的な発熱が、狭い領域の焼灼をもたらし、直径が１ｍ
ｍ未満の小さい血管での出血を低減または除去する。外
科用器具３０の切断の効率および止血の程度は、供給さ
れる駆動電力のレベル、外科医の切断速度、組織の性
質、および組織の血管分布（vascularity）に応じて変
わる。超音波外科用装置系の例が、本件出願人による２
０００年１０月２０に出願された米国特許出願第０９／
， 号「Ultrasonic Surgical System」に記
載されている。

【００１４】図２乃至図７には、ハンドピース１００が
より詳細に示されていて、超音波ハンドピース１００
は、電気的なエネルギーを機械的なエネルギーに変換し
て端部が長手方向に振動する圧電トランスデューサ１２
０を収容している。圧電トランスデューサ１２０は、好
ましくは、セラミック製の圧電素子の積層体からなり、
この積層体の端部の間には動かない点（motion null po
int）がある。ホーン１３０が一方の側面で圧電トラン
スデューサ１２０に連結されている。外科用器具３０は
ホーン１３０の一部分に固定されている。その結果、外
科用器具３０は圧電トランスデューサ１２０の超音波周
波数で長手方向に振動することになる。圧電トランスデ
ューサ１２０の端部は、圧電トランスデューサ１２０が
その共振周波数の実効値が３８０ｍＡの電流で駆動され
たときに、最大の動きを行う。これはハンドピース１０
０の動作の大まかな説明にすぎず、当業者には超音波外
科手術を遂行するために特定の構成要素がどのように動
作するかが適切に理解されるであろう。

【００１５】ハンドピース１００の部品は、ハンドピー
ス１００が組み立てられたときに同じ共振周波数で振動
するように設計されている。特に、ハンドピース１００
に収容されている構成要素は、結果的に組み立てられる
各構成要素の長さが波長の１／２となるように調整され
ている。長手方向の前後の動きは、音響的な取り付けの
ためのホーン１３０の外科用器具３０に接近した部分の
直径が減少すると、増幅される。したがって、外科用器
具３０と共にホーン１３０も、ブレードの動きを増幅
し、音響的な装置系の残りの部分と共振した調和振動を
提供するように、その形状および寸法が設定されてい
て、外科用器具３０に接近した音響的に取り付けるため
のホーン１３０の端部の前後の運動が最大となるように
されている。

【００１６】ハンドピース１００は本体１５０を含み、
本体１５０は、限定を意図するもではないが、トランス
デューサ１２０およびホーン１３０などの内部の動作要
素を収容している。本体１５０は、以下により詳しく説
明されるように本体１５０と回転可能に連結されるスイ
ッチエンドキャップ２００とかみ合う（mate with）す
るように設計されている。好ましくは、スイッチエンド
キャップ２００は、本体１５０に取り外し可能に連結さ
れる。本体１５０は、遠位の端部１５２と、ケーブル２
２の一方の端部に取り付けられる反対側の近位の端部１
５４とを有する。本体１５０は、任意の形状を有し、使
用者が容易に握り快適に手で保持することができるよう
に設計される。好ましくは、本体１５０は一般的には環
状の形状を有し、ある例示的な実施の形態では使用者が
ハンドピース１００を握って親指およびひとつまたは複
数のその他の指をハンドピース１００の周りに配置でき
るようにするための複数の先細り部分を有するように設
計されている。例示された実施の形態では、本体１５０
は金属材料から形成されているが、限定を意図するもの
ではないがプラスチック材料を含めた複数の材料から形
成されてよい。

【００１７】近位の端部１５４には、電気的なアダプタ
ー１５６が設けられていて、ひとつまたは複数の配線
（図示せず）によってケーブル２２に電気的に接続され
ている。電気的なアダプター１５６はハンドピース１０
０の他の内部の要素にも電気的に接続されていて、以下
により詳しく説明されるように、スイッチ機構１１０を
用いて電力がハンドピース１００に選択的に供給される
ようになっている。近位の端部１５４は、貫通して配線
されたケーブル２２によって閉じられて終端していて、
遠位の端部１５２は、少なくとも部分的に開いて終端し
ている。ホーン１３０は、ホーン１３０の遠位の先端１
３２がハンドピース１００の遠位の端部１５２を越えて
延出するように、遠位の端部１５２に向かう方向に延在
している。遠位の先端１３２は外向きに延出するスタッ
ド（stud）１５６またはその類似物を有する。好ましく
は、スタッド１５６は、ねじ切りされたスタッドからな
り、外科用器具３０とねじによってかみ合って外科用器
具３０をハンドピース１００に固定するように設計され
ている。外科用器具３０は、ブレード部分３２（図５）
を有し、ブレード部分３２はブレード部分３２を中心に
して配置されたシース（sheath）３４を備えている。ブ
レード部分３２は、露出したブレード先端３６をも有
し、ブレード先端３６は絶縁性のシース３４を越えて延
出して、組織およびその類似物に接触して切断するのに
用いられる。絶縁性のシース３４は、任意の絶縁性の材
料から形成され、ある例示的な実施の形態では、プラス
チック材料から形成されている。

【００１８】遠位の端部１５２において、本体１５０は
その直径が低減されていて、フランジ部材１６０を形成
している（図３）。フランジ部材１６０は、ホーン１３
０が延在するキャビティ１６２を画定する。例示的な実
施の形態では、フランジ部材１６０は環状の形状を有
し、ホーン１３０の遠位の先端１３２の直前の位置まで
延在していて、遠位の先端１３２を含めたホーン１３０
の一部がフランジ部材１６０の端部を越えて延出するよ
うになっている。肩部１６４が、フランジ部材１６０が
本体１５０のその他の部分から延出する位置に形成され
ている。フランジ部材１６０の外側表面１６６は、外側
表面１６６の周りに環状に延在するひとつまたは複数の
隆起部１６８を含む。図２に示された例示的な実施の形
態では、互いに間隔をおいて配置されたねじ山の形状の
２つの隆起部１６８があり、外側表面１６６の形状が環
状なので、隆起部１６８は環状のねじ山として形成され
ている。外側表面１６６は、スイッチエンドキャップ２
００と補完的にかみ合うように構成されていることが理
解される。

【００１９】図２および図７に最もよく示されているよ
うに、本体１５０は、ホーン１３０を中心としてキャビ
ティ１６２内に配置されている第１の導電性のフィンガ
要素１７０をも含む。例示的な実施の形態では、第１の
導電性のフィンガ要素１７０は、ホーン１３０を中心と
して放射状に（radially）配置された複数のフィンガ部
１７１から形成された環状のリングに類似する部材から
なる。導電性のフィンガ要素１７０の各フィンガ部１７
１は、直列に接続された第１の部分１７２と第２の部分
１７４とを有し、第２の部分１７４は、フィンガ部１７
１の自由端部を有する。第２の部分１７４は、以下によ
り詳しく説明されるようにもハンドピース１００が組み
立てられたときに、他の導電性の部材と電気的に係合す
る。第２の部分１７４は、好ましくは、数箇所で曲げら
れていて、おおまかにいってジグザク形の形状を有する
ように、および、力が加えられたときにフィンガ部１７
１が外向きに曲げられるように可撓性を有するようにな
っている。複数のフィンガ部１７１の代わりに、ひとつ
のフィンガ部１７１が設けられてもよい。

【００２０】各フィンガ部１７１は、第１の部分１７２
の近位の端部で第１のベースリング１７６に連結されて
いて、第１のベースリングが全てのフィンガ部１７１と
の間の導電性経路を提供している。第１のベースリング
１７６は、第１のフィンガ要素１７０を本体１５０内
に、より詳しくはキャビティ１６２内に適切に配置して
位置決めするためにも用いられている。第１のベースリ
ング１７６は、キャビティ１６２内の本体１５０とリン
グ１７６との間に配置されたひとつまたは複数のスペー
サ１７８によって、本体１５０内にしっかりと固定さ
れ、導電性の本体１５０から電気的に絶縁されている。
本体１５０およびホーン１３０の形状が環状なので、ひ
とつもしくは複数のスペーサ１７８は、フィンガ部１７
１と本体１５０との間に配置された絶縁性のリング構造
の形態をしている。典型的には、ひとつまたは複数のス
ペーサ１７８は、任意の適切なプラスチック材料または
エラストマー材料から形成される。第１のフィンガ要素
１７０は、例えば金属などの導電性材料から形成されて
いるホーン１３０からも十分に間隔をおいて配置されて
いて、ハンドピース１００を組み立てる間にフィンガ部
１７１またはフィンガ要素１７０のその他の部分がホー
ン１３０と接触することがないようにされている。フィ
ンガ部１７０と本体１５０との間にひとつまたは複数の
スペーサ１７８を配置することにより、スベーサ１７８
が、フィンガ部１７１を本体１５０の導電性の内側表面
１５１から内向きに離れるようにわずかに付勢するよう
に働く。

【００２１】図３に関して上述されたように、ケーブル
２２はハンドピース１００に電力を供給するように働
き、したがって、第１のフィンガ要素１７０は、本体１
５０の長手方向に沿って電気的なアダプター１５６から
第１のフィンガ要素１７０まで延在するひとつまたは複
数の電気的な配線（図示せず）によって、電気的なアダ
プター１５６と電気的に接続されている。本体１５０は
ケーブル２２に電気的に接続されているので、本体１５
０はそれ自体が電気的な経路または配線として働くとい
うことが、理解されかつ以下により詳しく説明される。

【００２２】図４乃至図７に最もよく示されているよう
に、ハンドピース１００を操作する間にスイッチエンド
キャップ２００がハンドピースの本体１５０を中心とし
て自由に回転するように、スイッチエンドキャップ２０
０が本体１５０とかみ合う。スイッチエンドキャップ２
００は遠位の端部２０２および反対側の近位の端部２０
４を備えた外側シェル２０１として形成されていて、ス
イッチエンドキャップ２００の近位の端部２０４は本体
１５０の遠位の端部１５２を受容して遠位の端部１５２
とかみ合う（図４）。シェル２０１は、ハンドピース１
００を操作する間に使用者がつかんで保持できるような
形状の外側表面２０６（図７）を有する。シェル２０１
の近位の端部２０４は、ほぼ環状の形状を有し、例示的
なシェル２０１は、わずかに先細りの形状を有して遠位
の端部２０２の付近でスイッチ部分２１０が形成されて
いる。このわずかに先細りの形状は指形の凹部を形成
し、指形の凹部によって、スイッチエンドキャップ２０
０を本体１５０に連結する間、または、スイッチエンド
キャップ２００を本体１５０に対して回転させる間、使
用者の指がシェル２０１を容易につかんで保持できるよ
うにされる。

【００２３】スイッチ部分２１０は、実際には、一組の
対向する輪郭をなすフィンガ部分２１２（図１）と、一
組の対向するボタン凹部２１４（図６）とから形成され
ている。好ましくは、一方のフィンガ部分２１２はもう
一方のフィンガ部分２１２から１８０度離れて配置さ
れ、一方のボタン凹部２１４はもう一方のボタン凹部２
１４から１８０度離れて配置されている。シェル２０１
を保持する操作および回転させる操作は、親指を一方の
フィンガ部分２１２に置いて、その他の指、例えば中指
をもう一方のフィンガ部分２１２に置くことにより、行
われる。これにより、人差し指をボタン部分２１４のひ
とつに置くことができるようになる。各ボタン凹部２１
４は、近位の端部２１４に対してわずかに先細りとなっ
ていて、フィンガ部分２１２を形成するための先細り部
は、親指およびひとつまたは複数のその他の指を配置す
るための位置をより多く収容するようにされている。

【００２４】外側のシェル２０１は、貫通するボア２２
０が設けられた遠位の端部２０２および近位の端部２０
４の両方で少なくとも部分的に開いている（図４）。ボ
ア２２０は、第１の導電性部材２３０を受容するような
寸法を有し、第１の導電性部材２３０は、ボア２３０内
に配置されることでスイッチエンドキャップ２００内に
緊密に配置される。例示的な実施の形態では、第１の導
電性部材２３０は、金属などの適切な導電性材料で形成
された円筒形の部材からなる。第１の導電性部材２３０
は、外側シェル２０１の長手方向に沿って遠位の端部２
０２の近くの点から近位の端部２０４の近くの点まで延
在する。好ましくは、遠位の端部２０２の開口部の直径
は、導電性部材２３０の直径とほぼ等しく、かつ遠位の
端部２０２の開口部が導電性部材２３０と同軸的に整合
していて、導電性部材２３０の内側へのアクセスが可能
であり、外科用器具３０が導電性部材２３０内に挿入で
き、導電性部材２３０の内側が洗浄できるなどとなって
いる。

【００２５】図５および図６に最もよく示されているよ
うに、遠位の端部２０２において、シール部材２４０は
導電性部材２３０の端部に配置されている。より詳しく
は、シール部材２４０は導電性部材２３０に隣接したシ
ェル２０１に形成された溝（groove）内に保持されてい
る。シール部材２４０は好ましくは、プラスチック材料
などの弾性材料から形成され、より好ましくはシリコン
（silicon）から形成されている。以下により詳しく説
明されるように、シール部材２４０は、望まれない異物
が導電性部材２３０の内側に入ることを防止するように
設計されている。スイッチエンドキャップ２００がハン
ドピースの本体１５０とかみ合うと、外科用器具３０が
導電性部材２３０を通して延在して、スイッチエンドキ
ャップ２００の遠位の端部２０２に形成された開口部を
通して延出する。したがって、外科用器具３０はシール
部材２４０を通して延在する。シール部材２４０の弾性
により、シール部材２４０は外科用器具のシース３４と
係合してシース３４との間に密閉を形成する。この密閉
により、外科手術の間にどのような物体もシール部材２
４０によって進入を制限されるので、望まれない異物が
シェル２０１の遠位の端部２０２に形成された開口部を
通して進入することが防止される。

【００２６】図６に最も良く示されているように、スイ
ッチエンドキャップ２００は、近位の端部２０４の近く
に設けられた、好ましくは導電性部材２３０と同軸的に
配置された環状のプラットフォーム２５０を有する。ボ
ア２２０が環状のプラットフォーム２５０を貫通して形
成されているので、より詳しくはボア２２０の一方の端
部が環状のプラットフォーム２５０から開始されている
ので、環状のプラットフォーム２５０はその中心に設け
られた開口部を有する。環状のプラットフォーム２５０
は、近位の端部２０４に向かって、かつシェル２０１の
内側面２０３との間に延在する他の環状の表面２５２か
ら遠ざかるように、半径方向内向きに延在する。環状の
プラットフォーム２５０は好ましくは外側のシェル２０
１の内側表面２０３によって画定される直径よりも小さ
い直径を有するので、環状のプラットフォーム２５０お
よびシェル２０１の内側表面２０３の間には空隙２５４
が形成される。したがって、環状のプラットフォーム２
５０は、スペーサ部材とみなされてよい。導電性部材２
３０は、近位の端部２０４においてシェル２０１の内側
表面２０３との間に形成されたキャビティ内へ導電性部
材２３０の一部が環状のプラットフォーム２５０を越え
て延出するような長さを有する。近位の端部２０４付近
のシェル２０１の内径は、シェル２０１の内側表面２０
３にひとつまたは複数のリップ部分２５８が形成されて
いるので、わずかに変化している。これらのひとつまた
は複数のリップ部２５８は、ハンドピースの本体１５０
がスイッチエンドキャップ２００に結合されたときに、
ハンドピース１００のための係合面を提供するように働
く。

【００２７】図５および図６に最も良く示されているよ
うに、スイッチエンドキャップ２００は、外側のシェル
２０１に形成されたボタン部分２１４内に取り外し可能
に固定される一組のスイッチボタン部材２７０をも含
む。各スイッチボタン部材２７０は、上側表面２７２を
有し、外側シェル２０１の一部として形成されたリテー
ナ（retainer）２７５に取り付けられるフランジ２７４
を含む。フランジ２７４は、リテーナ２７５を密閉して
任意の異物およびその類似物がスイッチ機構１１０の電
気的なスイッチ要素に進入することを防止する。リテー
ナ２７５は、好ましくは、弾発係合（snap-fit）構造を
含む通常の方法によって外側のシェル２０１に取り付け
られる。第１の支柱２７６および第２の支柱２７８が、
各々、スイッチボタン部材２７０から外向きに延出して
いる。第１の支柱２７６および第２の支柱２７８は、互
いの間に中央の横断壁２８０を備えて互いに間隔をおい
て配置されている。上側表面２７２は、第１の隆起部分
２８２および第１の隆起部分２８２から間隔をおいて配
置された第２の隆起部分２８４を含み、第１の隆起部分
２８２と第２の隆起部分２８４との間には中央の凹部２
８６が形成されている。したがって、上側表面２７２
は、スイッチボタン部材２７０が中央の凹部２８６から
第１の隆起部分２８２および第２の隆起部分２８４へ移
動するときに、わずかに傾斜する。例示された実施の形
態では、第１の支柱２７６は第１の隆起部分２８２のほ
ぼ下に配置され、第２の支柱２７８は第２の隆起部分２
８４のほぼ下に配置されていて、使用者が第１の隆起部
分２８２を下向きに押すと、第１の支柱２７６も下向き
に移動する。同様に、使用者が第２の隆起部分２８４を
下向きに押すと、第２の支柱２７８が下向きに移動す
る。

【００２８】スイッチボタン部材２７０は、以下により
詳しく説明されるように、ハンドピース１００を選択的
に駆動するための押圧可能なスイッチボタンとして働く
ように設計されている。スイッチボタン部材２７０は、
プラスチック材料などの適切な材料から形成されてい
て、より好ましくは、スイッチボタン部材２７０は可撓
性を有するプラスチック材料から形成されている。ある
例示的に実施の形態では、スイッチボタン部材２７０
は、シリコンから形成されていて、スイッチボタン部材
２７０が十分な可撓性を有してボタン部分２１４内には
め込まれて固定され、更に、ハンドピース１００を操作
する間に指が係合する表面をも提供する。この発明のあ
る側面では、指先が容易に第１の隆起部分２８２と第２
の隆起部分２８４との間に配置されるように、スイッチ
ボタン部材２７０の形状が設計されている。言い換えれ
ば、指先は、スイッチ機構１１０を駆動せずに、中央の
凹部２８６内に配置されて静止される。スイッチボタン
部材２７０がボタン部分２１４内に配置されているの
で、スイッチボタン部材２７０は互いに約１８０度隔て
られている。凹部２８６は、使用者が、意図せずにスイ
ッチボタン部材２７０を駆動することなく、スイッチボ
タン部材２７０を操作する間に指をのせる位置を提供す
る。これは、凹部２８６がスイッチボタン部材２７０の
枢支点（pivot point）の上に配置されているためにも
たらされる。

【００２９】スイッチエンドキャップ２００は、電気的
なスイッチ機構２００の一部を形成する一組のプリント
回路基板（ＰＣＢ）２９０をも含む。ＰＣＢ２９０は、
導電性部材２３０とスイッチボタン部材２７０との間に
配置されるように、外側のシェル２０１内に配置されて
いる。ＰＣＢ２９０は、スイッチエンドキャップ２００
内に形成されたボア２２０を通って延在する軸に関して
長手方向に延在している。各ＰＣＢ２９０の遠位の端部
２９２は、スイッチエンドキャップ２００の遠位の端部
２０２の近くに配置され、シール部材２４０の直近に配
置されている。ＰＣＢ２９０は、遠位の端部２９２との
反対側の近位の端部２９４を有する。ＰＣＢ２９０の代
わりに、「フレックスプリント（flexprint）」として
知られている柔軟な回路部品などのその他の適切な回路
部品が用いられることが理解される。

【００３０】一組のファスナー（fastener）３００が、
ＰＣＢ２９０を導電性部材２３０に電気的に接続するよ
うに働く。より詳しくは、この発明に基づくスイッチ回
路の一方の側面は、ＰＣＢ２９０が導電性部材２３０に
電気的に接続されているので、導電性部材２３０によっ
て画定される。一組のファスナー３００は、ＰＣＢ２９
０に形成された開口（図示せず）を通して延在し、ＰＣ
Ｂ２９０と導電性部材２３０との間の所望の電気的な接
続を提供する。

【００３１】図５に示されているように、一組のファス
ナー３００は、中央の横断壁２８０の下に配置されてい
る。外側のシェル２０１に形成された各ボタン部分２１
４は、開口を含み、スイッチボタン部材２７０の第１の
支柱２７６および第２の支柱２７８を受容するように互
いに間隔をおいて配置されている。例示的なスイッチ機
構１１０は、ロッカータイプ（rocker type）のスイッ
チ機構として知られていて、この発明に基づけば、２つ
のスイッチボタン部材２７０の一部がスイッチ機構１１
０を形成している。各スイッチボタン部材２７０は、２
つのセットを有する。例えば、第１の隆起部分２８２お
よび第１の支柱２７６が第１のスイッチセットに関連
し、第２の隆起部分２８４および第２の支柱２７８が第
２のスイッチセットに関連する。好ましくは、一方のス
イッチボタン部材２７０の第１のスイッチセットは、約
１８０度離れて配置されたもう一方のスイッチボタン部
材２７０の第１のスイッチセットと同様である。ある例
示的な実施の形態では、第１のスイッチセットは最大電
力のセットであり、第２のスイッチセットは最小電力の
セットである。その逆も真であり、第１のスイッチセッ
トがハンドピース１００に最小の電力を送るためのもの
で、第２のスイッチセットがハンドピース１００に最大
の電力を送るためのものであってもよいことが理解され
る。

【００３２】したがって、ＰＣＢ２９０は２つの異なる
スイッチセットを備えた回路を提供するようにも設計さ
れている。ＰＣＢ２９０が、スイッチボタン部材２７０
のどの部分に使用者が接触しているかに応じて少なくと
も２つの異なるレベルの電力をハンドピース１００に送
るようにする信号を超音波発生器またはその類似物に供
給する回路を含む限り、この発明で実際に用いられるＰ
ＣＢ２９０の個数は任意であるということも理解され
る。ひとつの好ましいタイプのＰＣＢ２９０は、ドーム
スイッチ（dome switch）タイプのＰＣＢ２９０であ
り、このタイプのＰＣＢ２９０では、加えられた力によ
ってつぶされたときに第１の信号（例えば、最大限力の
信号）を発生するための第１のドーム（図示せず）が、
ＰＣＢ２９０の一部として形成されている。ドームスイ
ッチタイプのＰＣＢ２９０は、加えられた力によってつ
ぶされたときに第２の信号（例えば、最小電力の信号）
を発生するためのＰＣＢ２９０の一部として形成された
第２のドームをも含む。この発明のスイッチ機構１１０
がハンドピース１０への電力の送出を制御するための信
号を発生するためだけに限定されるものではないことが
理解される。スイッチ機構１１０は、ハンドピース１０
のその他の機能を制御する信号を発生するためにも用い
られる。例えば、制御信号は、限定を意図するものでは
ないが、スタンバイ（stand-by）機能、診断機能、およ
びコンソール２０のオン・オフ機能を含むコンソールの
機能を選択的に制御するために用いられる。

【００３３】第１のドームは第１の支柱２７６の下に配
置されていて、使用者が第１の隆起部分２８２を押した
ときに、スイッチボタン部材２７０がファスナー３００
を中心として回動して、第１の支柱２７６がボタン部分
２１４に形成された対応する開口を通って下向きに移動
して、第１の支柱２７６とＰＣＢ２９０が接触する。よ
り詳しくは、第１の支柱２７６がＰＣＢ２９０の第１の
ドームと接触して第１のドームがつぶれる。第１のドー
ムがつぶれると、電流がＰＣＢ２９０およびスイッチ機
構１１０を通って第１の向きに流れる。使用者が第２の
隆起部分２８４を押すと、第２の支柱２７８が第２のド
ームと接触して第２のドームをつぶし、電流がＰＣＢ２
９０およびスイッチ機構１１０を通って反対向きの第２
の向きに流れる。この発明は、ドームを用いるものに限
定されず、通常状態で開いたスイッチを閉じるように働
く任意の機構がこの発明を実施するために用いられるこ
ともまた理解される。ドームをつぶす動作は、通常状態
で開いたスイッチを閉じるためのひとつの例示的な方法
にすぎない。

【００３４】図６および図７に最もよく示されているよ
うに、スイッチエンドキャップ２００は、導電性部材２
３０の近位の端部を中心として配置された第２の導電性
のフィンガ要素３１０をも含む。例示的な実施の形態で
は、第２の導電性のフィンガ要素３１０は、導電性部材
２３０を中心として放射状に配置された複数のフィンガ
部３１１として形成された環状のリングに類似した部材
からなる。導電性のフィンガ要素３１０の各フィンガ部
３１１は、ＰＣＢ２９０のひとつと電気的に接続された
第１の部分３１２と、フィンガ部３１１の自由端をなす
直列に接続された第２の部分３１４とを有する。第２の
端部３１４は、以下により詳しく説明するように、ハン
ドピース３１４が組み立てられたときに、他の導電性部
材と電気的に接触する。第２の部分３１４は、好ましく
は、複数の箇所で折り曲げられていて、ほぼジクザク形
の形状を有する。第１の導電性のフィンガ要素１７０お
よび第２の導電性のフィンガ要素３１０は、任意の適切
な導電性材料から形成される。

【００３５】第１の部分３１２および第２の部分３１４
の間で、各フィンガ部３１１は導電性のベースリング３
１６に接続されていて、このベースリング３１６が全て
のフィンガ部３１１の間の電気的な経路を提供する（図
７）。導電性のベースリング３１６は、導電性のフィン
ガ部３１１をスイッチエンドキャップ２００内に適切に
配置して位置決めするためにも用いられる。環状のプラ
ットフォーム２５０は、好ましくは、複数の放射状に間
隔をおいて配置されたタブ（図示せず）を含み、これら
のタブは導電性のベースリング３１６をタブの下に挿入
することによって導電性のフィンガ要素３１０を保持す
るように働いて、フィンガ部３１１の第２の部分３１４
が隣接するタブの間をタブから外向きに延在するように
する。導電性のフィンガ要素３１０を環状のプラットフ
ォーム２５０内に固定することにより、複数のフィンガ
部３１１が、導電性部材２３０に向かってまたは導電性
部材２３０から離れるように操作または移動される。フ
ィンガ部３１１の個数は、明確な用途に応じて変わり、
ある例示的な実施の形態では、導電性のフィンガ要素３
１０は、６個のフィンガ部３１１を含む。フィンガ部３
１１は、スイッチエンドキャップ２００をフランジ１６
０に取り外し可能に保持するための機構をも提供する。
スイッチエンドキャップ２００がハンドピースの本体１
５０とかみ合わされたとき、フィンガ部３１１は、本体
１５０の内側表面と係合することにより、内向きに撓
む。フィンガ部３１１が内向きに撓むことにより、フィ
ンガ部３１１がフランジ１６０に対して外向きの付勢力
を加え、スイッチエンドキャップ２００および本体１５
０の間の保持力が生ずる。導電性のフィンガ要素３１０
が、部分的に、ハンドピース１００への電気的な経路を
提供するので、導電性のフィンガ要素３１０が導電性部
材２３０と接触しないことが重要である。スイッチエン
ドキャップ２００は、好ましくは、スイッチエンドキャ
ップ２００の導電性部材、すなわち導電性部材３１０お
よび導電性部材２３０を更に絶縁するように働く複数の
他のスペーサ部材を含むことが理解される。

【００３６】この発明の外科用器具１０（図１）で用い
られている導電性部材の全ては、任意の適切な導電性材
料から形成される。ある例示的な実施の形態では、導電
性部材は、ステンレス鋼、金が鍍金された銅、ベリリウ
ム銅（beryllium copper）、窒化チタン、または、荒い
洗浄溶液（harsh cleaning solution）またはオートク
レーブ（autoclaving）によって腐食される性質を低減
するように働く導電性プラスチックから形成される。

【００３７】ハンドピース１００の組立および操作が、
図１乃至図７を参照して説明される。スイッチエンドキ
ャップ２００は、スタッド１５６およびホーン１３０を
導電性部材２３０の内側に整合させることにより、ハン
ドピースの本体１５０に取り外し可能に取り付けられ
る。スタッド１５６およびホーン１３０が導電性部材２
３０に形成されたボアに整合された後に、スイッチエン
ドキャップ２００がフランジ部材１６０と係合するよう
にされ、スイッチエンドキャップ２００が本体１５０を
中心として適切に配置されたときに、スタッド１５６
と、ホーン１３０の一部分が、導電性部材２３０の内側
に配置されることになる。しかし、スイッチエンドキャ
ップ２００が本体１５０に取り付けられたとき、スタッ
ド１５６およびホーン１３０は、導電性部材２３０に電
気的に接触しない。スイッチエンドキャップ２００の近
位の端部２０４は、肩部１６４の直近にまたは肩部１６
４に接触して配置される。スイッチエンドキャップ２０
０に形成されたストップ部３９１が本体１５０の遠位の
端部１５２と係合するので、スイッチエンドキャップ２
００が更に動くことを制限する阻止が提供される。

【００３８】スタッド１５６と、ホーン１３０の一部分
とが、導電性部材２３０の近位の端部において導電性部
材２３０内に配置されているので、外科用器具３０は、
外科用器具３０をスタッド１５６に固定することによっ
て、スイッチエンドキャップ２００内に固定される。よ
り詳しくは、外科用器具３０は、好ましくは、ブレード
の先端とは反対側の端部にねじ山が形成されたボアを有
する（図３）。外科用器具３０は、好ましくは、ねじ山
が形成されたボアをねじ山を有するスタッド１５６と螺
合させることでスタッド１５６に取り付けられて、外科
用器具３０をスタッド１５６に固定する。外科用器具３
０は、外科用器具３０がスタッド１５６から外れるまで
外科用器具３０を一方向に単にねじることで、洗浄また
は交換のために、容易に取り外せる。外科用器具３０が
スタッド１５６に固定されたとき、外科用器具３０の絶
縁性のシース３４がシール部材２４０と接触してシール
部材２４０との間に密閉を形成し、望まれない異物が遠
位の端部２０２に形成された開口を通して進入すること
が防止される。シール部材２４０の柔軟な性質によっ
て、シール部材２４０はブレードの形状に沿って適合
し、絶縁性のシース３４の柔軟な性質によって更に有効
な密閉が形成される。

【００３９】この発明の他の側面に基づけば、第１の導
電性のフィンガ要素１７０および第２の導電性のフィン
ガ要素３１０は、スイッチエンドキャップ２００のスイ
ッチ機構およびケーブル２２の間の電気的な経路を提供
し、ハンドピース１００への電力を送出する手段を提供
する。図７に最もよく示されているように、スイッチエ
ンドキャップ２００が本体１５０に取り付けられたと
き、第１の導電性部材１７０のフィンガ１７１がスイッ
チエンドキャップ２００の第１の導電性部材２３０の外
側表面２３１と接触して外側表面２３１を付勢する。こ
れは、スイッチエンドキャップ２００が取り付けられた
ときに、第１の導電性部材２３０がフィンガ部１７１と
ホーン１３０との間に配置されるためにもたらされる。
第１の導電性部材２３０およびフィンガ部１７１の両方
が導電性の性質なので、ＰＣＢ２９０およびケーブル２
２の間に導電性の経路が形成される。この電気的な接続
は、スイッチボタン部材２７０のひとつが押されてドー
ムのひとつがつぶされたとき、スイッチ機構１１０の回
路の片側を完成させるようにも働いて、電流がＰＣＢ２
９０を流れるようになる。使用者が第１の隆起部分２８
２および第２の隆起部分２８４のいずれか（使用者が押
していた方の隆起部分）を離すと、ドームが拡張して電
気的な経路が妨げられて、スイッチ機構１１０を流れる
電流が遮断される。これによってハンドピース１００へ
の電力の送出が停止される。この発明のスイッチ機構１
１０がひとつのみのボタン部材２７０を有するものでも
よいことが理解される。

【００４０】スイッチ機構１１０が、通常で開いた状態
のスイッチ組立体という機構（ひとつまたは複数のドー
ム）が駆動されてスイッチが閉じるものについて説明さ
れたが、スイッチ機構１１０は通常で閉じた状態のスイ
ッチ組み立てたいでもよいことは当業者には理解される
であろう。この実施の形態では、隆起部分２８２および
隆起部分２８４のひとつを押すと、他の実施の形態のよ
うにスイッチが閉じるのではなく、スイッチが開く。２
つのスイッチを有するスイッチング機構１１０が互いに
逆の第１の向きおよび第２の向きに流れる電流を有する
ので、ひとつのスイッチを開くことにより、片方の向き
の電流のみが流れることになる。この実施の形態では、
超音波発生器またはその類似物が、検出回路などの検出
機構を有し、この検出機構は、片方の向きに流れる電流
を検出して、それを隆起部分２８２および隆起部分２８
４の一方が駆動されたことと同一視するように設計され
ている。

【００４１】したがって、第１の電気的な経路は、ＰＣ
Ｂ２９０、ファスナー３００、導電性部材２３０、フィ
ンガ部１７１、およびケーブル２２にフィンガ部１７１
を電気的に接続するひとつまたは複数の配線によって構
成される。言い換えれば、フィンガ部１７１および導電
性部材２３０の間の接続は、本体１５０およびスイッチ
機構１１０を電気的に橋渡しする（electrically bridg
e）ように働く。電流は、ケーブル２２を通って流れ、
次にひとつまたは複数の配線を通って第１のフィンガ要
素１７０へ向けて流れる。次に、スイッチ機構１１０が
スイッチボタン部材２７０のひとつが操作されて駆動さ
れると、フィンガ部１７１および導電性部材２３０の間
の電気的な接続によって、スイッチ機構１１０に電流が
流れ込む。

【００４２】同様に、第２の導電性のフィンガ要素３３
０のフィンガ部３１１が、ハンドピース１００の本体１
５０に接触して本体１５０を付勢する。この実施の形態
の本体１５０は、導電性部材から形成され、ひとつまた
は複数のケーブル２２に電気的に接続されているので、
本体１５０は、スイッチ機構１１０の回路を完成させる
ために用いられる導電性部材をなす。フィンガ部３１１
は導電性部材２３０から十分に間隔をおいて配置されて
いて、スイッチエンドキャップ２００が本体１５０に取
り付けられたときに、フィンガ部１７１は実際にフィン
ガ部３１１と導電性部材２３０との間に配置される。

【００４３】フィンガ部３１１の第２の部分３１４が柔
軟な性質を有するので、スイッチエンドキャップ２００
が取り付けられたときに、フィンガ部３１１が本体１５
０に接触して本体１５０に関して内向きまたは外向きに
撓む。フィンガ部３１１の第１の部分３１２がＰＣＢ２
９０に電気的に接続されているので、第２の端部３１４
と本体１５０が接触するとスイッチ機構１１０の回路が
完成し、スイッチ機構１１０が駆動されると、本体１５
０と第２の導電性のフィンガ要素３１０を通って電流が
流れるようになる。言い換えれば、第２の電気的な経路
が、ＰＣＢ２９０、第２の導電性のフィンガ要素３１
０、および本体１５０によって形成されて画定される。

【００４４】スイッチ機構１１０は、各々が直列接続さ
れたダイオードを有する４つのスイッチを含むものとみ
なすこともできる。より詳しくは、一方のスイッチボタ
ン部材２７０の第１の隆起部分２８２は第１の正面スイ
ッチに相当し、一方のスイッチボタン部材２７０の第２
の隆起部分２８４は第１の後面スイッチに相当し、もう
一方のスイッチボタン部材２７０の第１の隆起部分２８
２は第２の正面スイッチに相当し、もう一方のスイッチ
ボタン部材２７０の第２の隆起部分２８４は第２の後面
スイッチに相当する。上記の正面スイッチおよび後面ス
イッチの各々は、互いに直列に接続されたダイオードを
有する。好ましくは、第１の正面スイッチおよび第２の
正面スイッチは、同じ向きのダイオードを有し、第１の
後面スイッチおよび第２の後面スイッチは、同じ逆向き
のダイオードを有する。ダイオードの極性は、そのダイ
オードが正面スイッチのものか後面スイッチのものかに
応じて決まる。使用者が第１の隆起部分２８２のひとつ
を押すと、対応する第１の正面スイッチまたは第２の正
面スイッチが、第１の支柱２７６のひとつによって加え
られた力によって対応するＰＣＢのドームがつぶれるこ
とで、駆動される。これによって、逆の第２の向きの電
流がハンドピース１００を流れることになる。すなわ
ち、この実施の形態では、４つのドームがＰＣＢ２９０
の一部として形成され、２つのドームが各ＰＣＢ２９０
に形成されている。

【００４５】ハンドピース１００は、正面スイッチが、
外科用器具３０を最大に振動させるために最大の電力を
ハンドピース１００へ送出することを合図するように働
く正面のダイオードを備えた最大の電力のスイッチを有
するように設計されていてもよい。この実施の形態で
は、後面スイッチは、外科用器具３０を最小に振動させ
るために最小の電力をハンドピース１００へ送出するこ
とを合図するように働く後面のダイオードを備えた最小
の電力のスイッチを有する。超音波発生器は、正面スイ
ッチのひとつが駆動されて第１の向きの電流を検出した
とき、超音波発生器がハンドピース１００に最大の電力
を送出するようにプログラムされていて、第２の向きの
電流を検出したとき、ハンドピース１００に最小の電力
を送出するように設計されている。正面スイッチのひと
つと後面スイッチのひとつが、誤って同時に押される
と、超音波発生器は、第１の向きの電流と第２の向きの
電流の両方を検出する。互いに逆向きの電流を検出する
と、超音波発生器はその状態が修正されるまでハンドピ
ース１００への電力の送出を停止する。好ましくは、エ
ラーメッセージまたは警告メッセージが液晶表示装置２
０に表示される。

【００４６】重要なことは、ハンドピース１００の操作
中に、第１の導電性のフィンガ要素１６０のフィンガ部
１７１と、第２の導電性のフィンガ要素３１０のフィン
ガ部３１１は、互いに接触しないことである。ひとつの
フィンガ部１７１がひとつのフィンガ部３１１と接触す
ると、電気的な経路が交差するので、電気的な短絡が生
ずる。ハンドピース１００で電気的な短絡が生ずると、
超音波発生器は、第１の向きの電流と第２の向きの電流
の両方を検出することになり、超音波発生器はハンドピ
ース１００への電力の送出を停止し、所望に応じて、あ
るタイプのエラーメッセージまたは警告メッセージを発
生する。

【００４７】この発明の他の側面では、スイッチエンド
キャップ２００は、ケーブル２２と外側のシェル２０１
内に収容されたスイッチ機構１１０との間に設けられた
電気的な接続を妨害せずに、ハンドピースの本体１５０
を中心として自由に回転する。ひとつまたは複数のリッ
ジ（ridge）１６８がフランジ部材１６０に形成されて
いて、スイッチエンドキャップ２００が本体１５０の遠
位の端部１５４を中心として自由に回転するときに、ス
イッチエンドキャップ２００の内側表面２０３が配置さ
れる環状の表面が提供される。スイッチエンドキャップ
２００および本体１５０が、回転可能な第１の導電性の
フィンガ要素１７０および第２の導電性のフィンガ要素
３１０によって電気的に接続されているので、スイッチ
エンドキャップ２００および本体１５０は、ハンドピー
ス１００内の電流の流れを妨げずに、互いに自由に回転
する。フィンガ部１７１およびフィンガ部３１１の第２
の部分１７４および第２の部分３１４は、各々、対応す
る相補的な導電性の表面に対して十分に付勢されてい
て、第２の部分１７４および第２の部分３１４は、それ
らの導電性の表面に沿って摺動しながら回転する。した
がって、スイッチエンドキャップ２００は、本体１５０
を中心にして所望の位置へ回転して、スイッチエンドキ
ャップ２００の位置にかかわらず、本体１５０および超
音波発生器のとの間の電気的な導通を保持し続ける。多
くのブレード３０が非対称的な形状を有するので、外科
医は、外科用器具３０をハンドピース１００内で一定の
位置に保ちながら、外科用器具３０に対するスイッチボ
タン部材２７０の相対的な位置を変えることを好むこと
がある。フィンガ要素１７０およびフィンガ要素３１０
がこれを可能にする。

【００４８】この発明は、従来の外科用器具の課題を、
結線（hard wiring）を必要とせずに電気的な導通を切
り換えるための手段によって解決した。これにより、ス
イッチエンドキャップ２００は、洗浄およびその他の目
的のために容易に本体１５０から取り外せるようになっ
た。例えば、そのような設計によって、スイッチエンド
キャップ２００および本体１５０の間の電気的な導通を
提供するための部材を容易に点検することができる。し
たがって、第１の導電性のフィンガ要素１７０および第
２の導電性のフィンガ要素３１０の健全性（integrit
y）が、任意の時に点検できて、それらの要素が動作す
る状態にあることを確実にできる。更に、スイッチエン
ドキャップ２００または本体１５０を交換または修理す
る必要が生じた場合、２つの構成要素が迅速かつ容易に
分離されて、交換または修理が行える。これにより、外
科手術が妨げられずに継続される。

【００４９】さらに、スイッチエンドキャップ２００
は、使用者（外科医）がハンドピース１００を握ったと
きに、容易に両方のスイッチボタンに触れることができ
るような好ましい配置を提供するように２つのスイッチ
ボタン部材２７０が互いに１８０度離れて配置されてい
るように、人間工学的に設計されている。スイッチボタ
ン部材２７０を複数の位置に配置することによって、使
用者が駆動に用いる指に最も近いひとつのスイッチボタ
ン部材２７０を容易かつ迅速に操作できる。言い換えれ
ば、スイッチエンドキャップ２００を典型的に手で操作
する間、親指とその他の指とは、互いに１８０度離れて
配置されていて、２つのスイッチボタン部材２７０の位
置決めを補完することが知られている。１８０度離れた
配置は、スイッチボタン部材２７０が複数の位置に配置
されていた場合、例えば３箇所に配置されていた場合に
は、使用者がスイッチボタン部材２７０のひとつに接触
および係合せずに外科用器具１０を握ることが難しいと
いう、戦略的な利点をも有する。この発明の設計では、
１８０度離れた配置によって、使用者が外科用器具１０
を握ったときに、使用者の指がスイッチボタン部材２７
０に触れない握り領域（grasping area）が提供され
る。例えば両側の窪んだフィンガ部分２１２などのその
他の設計上の特徴が、スイッチエンドキャップ２００に
より良い感触を提供し、使用者が容易にスイッチエンド
キャップ２００に握って回転させられるように設計され
る。

【００５０】したがって、この発明は、スイッチエンド
キャップ２００が電気的な接続を保ちながら本体１５０
を中心として自由に回転するように、スイッチエンドキ
ャップ２００のスイッチ機構１１０がハンドピースの本
体１５０に電気的に接続された外科用ハンドピース１０
０を提供する。

【００５１】この発明が、自由に回転する装置系につい
て説明されたが、ハンドピース１００が部分的に回転す
るものもこの発明の範囲内にある。この場合、複数のス
トッパーまたは切り欠き部（図示せず）がハンドピース
１００の構造内に設けられていて、スイッチエンドキャ
ップ２００がハンドピースの本体１５０に対して部分的
に回転する。回転の程度は、製造業者によって選択され
て、ストッパーまたは切り欠き部の配置によって決ま
る。他の実施の形態では、スイッチエンドキャップ２０
０がラチェット機構のように段階的に回転するように切
り欠き部が設けられている。また、これらの切り欠き部
が形成されて、相補的な係合可能な構成が設けられて、
ラチェット機構の効果が達成されてもよい。更に、ハン
ドピース１００は、スイッチエンドキャップ２００の回
転が外科用器具３０に関して目盛り付けされた（indexe
d）目盛り付け可能な回転を提供するように設計されて
いても良い。例えば、外科用器具３０は、ホーン１３０
に固定されたとき、常にある一定の配置となるように設
計されている。例えば、外科用器具３０は、南北（垂
直）に配置される。切り欠き部およびその類似物を用い
ることにより、スイッチエンドキャップ２００の回転が
目盛り付けされて、スイッチエンドキャップ２００が最
初に予め決められた第１の位置に配置されて、スイッチ
エンドキャップ２００を回転させることによりスイッチ
エンドキャップ２００が予め決められた増加分、例えば
９０度だけ回転する。これにより、目盛り付けされた回
転装置系を用いた、スイッチエンドキャップ２００の最
適な位置決めが可能となる。

【００５２】この発明が、予め決められた個数の導電性
の経路が電気的な導体をかみ合わせることで形成される
スイッチエンドピース２００およびハンドピースの本体
１５０の間の回転を提供する方法をも開示するというこ
とが理解される。各組の導電性の導体は、別個の電気的
な信号を伝達するように設計されている。

【００５３】図８には、この発明の他の実施の形態が例
示されている。この実施の形態は、ハンドピース２００
と、スイッチエンドキャップ２００内に配置されたスイ
ッチ機構１１０（図１）とが、互いに取り外し可能で、
電気的な接続を保持しながらスイッチエンドキャップ２
００がハンドピースの本体１５０を中心にして回転する
ように、互いに電気的に接続されているという点に関し
ては、図１乃至図７に示された第１の実施の形態と等し
い。しかし、この第１の実施の形態の機構は、図８に示
された第２の実施の形態とは異なる。例示する目的のた
めに、図８のハンドピースの本体１５０およびスイッチ
エンドキャップ２００は、説明される部分以外は本質的
に第１の実施の形態のものと等しい。より詳しくは、ハ
ンドピースの本体１５０は、ハンドピースの本体１５０
内に緊密に配置された第１の導電性のリング４００およ
び第２の導電性のリング４１０を含む。

【００５４】ある例示的な実施の形態では、第１の導電
性のリング４００は、ハンドピースの本体１５０とホー
ン１３０との間に配置されたリング部材からなる。好ま
しくは、第１の導電性のリング４００は、キャビティ１
６２内のフランジ部材１６０に隣接して形成され、他の
導電性の部材から電気的に絶縁されている。第１の導電
性のリング４００は、ハンドピースの本体１５０内に形
成された非導電性のプラットフォームまたはその類似物
（図示せず）に固定されていてそのプラットフォームか
ら上向きに延在している。第１の導電性のリング４００
は、本体１５０の長手方向に沿って電気的なアダプター
１５６（図３）から第１の導電性のリング４００まで延
在するひとつまたは複数の配線によって、ケーブル２２
（図１）に電気的に接続されている。

【００５５】ハンドピースの本体１５０の第２の導電性
のリング４１０も、ハンドピースの本体１５０およびホ
ーン１３０の間に配置されたリング部材からなる。第２
の導電性のリング４１０は、第１の導電性のリング４０
０およびホーン１３０の間に配置されていて、第１の導
電性のリング４００と第２の導電性のリング４１０は、
同中心の部材となっている。第２の導電性のリング４１
０も同様に第１の導電性のリング４００および本体１５
０内のその他の構成要素と電気的に絶縁されている。第
１の導電性のリング４００と同様に、第２の導電性のリ
ング４１０は、好ましくは、非導電性のプラットフォー
ムに固定されそのプラットフォームから上向きに延在し
ている。第１の導電性のリング４００および第２の導電
性のリング４１０は、互いに十分な間隔をおいて配置さ
れていて、互いに電気的に絶縁されていることが理解さ
れる。これは、ひとつまたは複数のスペーサ４１３を第
１の導電性リング４００および第２の導電性のリング４
１０の間、または、第１の導電性のリング４００、第２
の導電性のリング４１０およびハンドピースの本体１５
０内のその他の構成要素の間に配置することによって達
成される。第２の導電性のリング４１０も、本体１５０
の長手方向に沿って電気的なアダプター１５６（図３）
から第２の導電性のリング４１０まで延在するひとつま
たは複数の配線によって、ケーブル２２（図１）に電気
的に接続されている。したがって、第２の導電性のリン
グ４１０は、ケーブル２２からスイッチ機構１１０（図
４）への第２の電気的な経路を部分的に構成するために
設けられている。

【００５６】この実施の形態では、ハンドピースの本体
１５０は、好ましくは、プラスチックなどの非導電性材
料からなり、その理由は、ハンドピースの本位１５０の
両方の電気的な経路が、第１の導電性のリング４００お
よび第２の導電性のリング４１０（およびそれらの対応
する電気的な配線）から構成されていて、第１の実施の
形態のようにハンドピースの本体１５０自体で構成され
ていないからであるということが理解されるであろう。
以下により詳しく説明されるように、第１の導電性のリ
ング４００の第１の平坦な接触面４０１および第２の導
電性のリング４１０の第２の平坦な接触面４１１は、ス
イッチエンドキャップ２００の相補的な導電性の部材と
係合する導電性の表面を提供して、導電性の部材間の電
気的な接続を提供する。

【００５７】スイッチエンドキャップ２００は、部材２
３０（図７）が導電性の部材として働くのではなく、単
にホーン１３０および外科用器具３０（図１）を受容す
る部材を構成するように、変形されている。したがっ
て、部材２３０はＰＣＢ２９０（図４）に電気的に接続
されていないので、プラスチックなどの非導電性材料か
ら形成される。第２の導電性要素３１０（図７）に加え
て、図８のスイッチエンドキャップ２００は、第３の導
電性要素４２０をも含む。ある例示的な実施の形態で
は、第３の導電性要素４２０は、部材２３０を中心とし
て放射状に配置された複数の電気的な接触部４２１から
形成された環状のリングに類似した部材からなる。接触
部４２１は、フィンガ部、ピンまたはそれらに類似した
形状を有する。第２の導電性要素３１０と同様に、第３
の導電性要素４２０はひとつまたは複数の電気的な配線
（図示せず）によってＰＣＢ２９０に電気的に接続され
ている。したがって、部材２３０ではなく第３の導電性
要素４２０がＰＣＢ２９０（図４）と電気的に接続され
て、スイッチボタン部材２７０（図４）のひとつが押さ
れてドームのひとつがつぶされると、スイッチ機構１１
０（図４）の回路の片側が完成されて、ＰＣＢ２９０
（図４）に電流が流れるようになる。

【００５８】この発明のこの実施の形態に基づけば、第
２の導電性要素３１０および第３の導電性要素４２０、
および、第１の導電性のリング４００および第２の導電
性のリング４１０が、スイッチエンドキャップ２００の
スイッチ機構１１０（図１）およびケーブル２２（図
１）の間の第１の電気的な経路および第２の電気的な経
路を提供して、ハンドピース１００（図１に全体が示さ
れている）への電力を送出するための手段を提供する。
より詳しくは、スイッチエンドキャップ２００がハンド
ピース１００とかみ合ったとき、第２の導電性要素３１
０が第１の導電性のリング４００の第１の平坦な接触面
４０１と係合して、第１の電気的な経路が形成される。
第２の導電性要素３１０は、放射状に間隔をおいて配置
された接触部３１１を有する環状部材からなるので、ス
イッチエンドキャップ２００が回転すると、接触部３１
１が第１の平坦な接触面４０１の上に載る。接触部３１
１は、フィンガ部、ピンまたはそれらに類似した形状を
有する。スイッチエンドキャップ２００が回転して接触
部３１１が接触面４０１の上に載るので、第１の電気的
な経路が保持される。

【００５９】同様に、第３の導電性のフィンガ要素４２
０の接触部４２１が第２の導電性のリング４１０の第２
の平坦な接触面４１１と係合して、第２の電気的な経路
が形成される。第３の導電性のフィンガ要素４２０およ
び第２の導電性のリング４１０の両方が環状部材からな
るので、スイッチエンドキャップ２００は、スイッチ機
構１１０（図４）およびハンドピース１００の間の電気
的な接続を妨害せずに自由に回転できる。この実施の形
態では、接触部３１１および接触部４２１は、第１の導
電性リング４００および第２の導電性リング４１０の軸
線方向に配置されている。

【００６０】接触部３１１および接触部４２１と第１の
リング４００および第２のリング４１０との間の回転可
能な接続は、本体１５０とスイッチ機構１１０を電気的
に橋渡しするように働く。電流がケーブル２２を通って
流れ、次に電気的な配線を通って第１の導電性のリング
４００および第２の導電性のリング４１０へ向かって流
れる。次に、スイッチ機構１１０（図４）がスイッチボ
タン部材２７０（図４）のひとつが操作されることによ
り駆動されると、電流がフィンガ部３１１およびフィン
ガ部４２１を通ってスイッチ機構１１０（図４）に向け
て流れる。使用者が第１の隆起部分２８２および第２の
隆起部分２８４（図４）のひとつを押すと、ドームのひ
とつがつぶれ、電流がＰＣＢ２９０（図４）を通って流
れるようになる。使用者が第１の隆起部分２８２および
第２の隆起部分２８４（図４）のいずれかを離すと、ド
ームが拡張して電気的な経路が妨げられて、スイッチ機
構１１０（図４）を流れる電流が遮断される。これによ
ってハンドピース１００への電力の送出が停止される。

【００６１】この実施の形態のスイッチ機構１１０（図
４）の動作は、図１乃至図７の第１の実施の形態の動作
と本質的に同じなので、より詳しく説明することはしな
い。スイッチ機構１１０（図４）に含まれるスイッチの
個数に応じて、相補的なかみ合う接触リングの個数が変
わる。例えば、図８には２組の接触リング組立体が示さ
れているが、さらに接触リング組立体が、スイッチエン
ドキャップ２００および本体１５０に各々追加されても
よいことが理解される。第１の導電性要素３１０および
第２の導電性要素４２０と、第１の導電性のリング４０
０および第２の導電性のリング４１０との配置が入れ替
えられてもよい。言い換えれば、第１の導電性のリング
４００および第２の導電性のリング４１０が各々が電気
的な配線などによってＰＣＢ２９０（図４）に電気的に
接続された状態でスイッチエンドキャップ２００内に配
置されて、第１の導電性要素３１０および第２の導電性
要素４２０が、本体１５０内に配置され、更に好ましく
は本体１５０のフランジ１６０内に配置される。第１の
導電性要素３１０および第２の導電性要素４２０は、第
１の導電性要素３１０および第２の導電性要素４２０の
各々からケーブル２２（図１）まで延在する電気的な配
線などによってケーブル（図１）に電気的に接続されて
いる。装置の動作は同じであり、その理由は、回転可能
な電気的な接続がハンドピース１００とスイッチエンド
キャップ２００内に配置されたスイッチ機構１１０（図
４）との間に提供されているからである。

【００６２】第１の導電性要素３１０および第２の導電
性要素４２０と、第１の導電性のリング４００および第
２の導電性のリング４１０とが、ステンレス鋼または金
が鍍金された銅などの導電性材料から形成されることが
理解される。複数の導電性の接触部を含む代わりに、第
１の導電性要素３１０および第２の導電性要素４２０が
各々ひとつの導電性のフィンガ部からなるものでもよい
ことも理解される。共通に接続された複数の導電性のフ
ィンガ部からなる配列を含むことによって（図１乃至図
８に示すように）、フィンガ部のひとつが動作不能とな
っても、その他の複数のフィンガ部が電気的な接続を提
供するように働くので、接触の頑健性が高められる。更
に、第１の導電性要素３１０および第２の導電性要素４
２０が互いに十分に間隔をおいて配置されて、スイッチ
エンドキャップ２００をハンドピースの本体１５０に連
結する操作の間に、個々の接触部が互いに接触すること
がない。第１の導電性要素３１０および第２の導電性要
素４２０が互いに接触下場合には、短絡回路状態が同じ
ように生じる。

【００６３】したがって、この実施の形態は、第１の実
施の形態と同様に、電気的な接続を保ちながらスイッチ
エンドキャップ２００がハンドピースの本体１５０を中
心にして自由に回転できるようにスイッチエンドキャッ
プ２００のスイッチ機構（図４）がハンドピースの本体
１５０に電気的に接続されている外科用器具を提供す
る。好都合なことに、スイッチの電気的な導通には結線
（hard wiring）を必要としない。これにより、スイッ
チエンドキャップ２００は本体１５０から取り外すこと
ができ、操作する間に使用者がスイッチエンドキャップ
２００の位置を容易に調節できるようにスイッチエンド
キャップ２００を回転することができるようになる。

【００６４】図９には、この発明の他の実施の形態が示
されている。この実施の形態では、スイッチエンドキャ
ップ２００は、第１の導電性要素６００および第２の導
電性要素６１０を有する。図８の実施の形態と同様に、
この実施の形態では、部材２３０は、ＰＣＢ２９０（図
４）をケーブル２２（図１）に電気的に接続するための
導電性部材としては働かない。代わりに、部材２３０
は、ホーン１３０および外科用器具３０（図１）を受容
する部材として働く。したがって、部材２３０は、導電
性の材料または非導電性の材料から形成される。

【００６５】例示的な実施の形態では、第１の導電性要
素６００は環状の形状を有するが、他の実施の形態のよ
うな環状リングではなく、半円形の部材からなることが
好ましい。第１の導電性要素６００は、部材２３０およ
びスイッチエンドキャップ２００の外側のシェル２０１
の間に配置されている。第１の導電性要素６００は、ス
イッチエンドキャップ２００の近位の端部２０４に向け
て外向きに延出するひとつまたは複数の接触部６０１を
含む。接触部６０１は、フィンガ部、ピンまたはそれら
に類似した形状を有する。第１の導電性要素６００は、
ひとつまたは複数の導電性の配線またはその類似物によ
って、ＰＣＢ２９０（図４）に電気的に接続されてい
る。同様に、第２の導電性要素６１０は、好ましくは、
第１の導電性要素６００とは反対側の部材２３０および
外側のシェル２０１の間に配置された半円形の部材を有
する。第２の導電性要素６１０は、近位の端部２０４に
向けて延出するひとつまたは複数の接触部６１１を含
む。接触部６１１は、フィンガ部、ピンまたはそれらに
類似した形状を有する。第２の導電性要素６１０は、ひ
とつまたは複数の電気的な配線またはその類似物によっ
てＰＣＢ２９０（図４）に電気的に接続されている。好
ましくは、フィンガ部６０１および部材２３０の間、お
よびフィンガ部６１１および部材２３０の間には、共通
の偏心距離（common redius）が存在する。

【００６６】この実施の形態では、ハンドピースの本体
１５０は第１の導電性部材６２０および第２の導電性部
材６３０を有する。図１０に示されているように、第１
の導電性部材６２０および第２の導電性部材６３０は、
好ましくは、各々、第１の導電性要素６００および第２
の導電性要素６１０を補完するような半円形の形状を有
する。より詳しくは、第１の導電性部材６２０はホーン
１３０を中心にして配置されていて、第２の導電性部材
６３０は、第１の導電性部材６２０の反対側にホーン１
３０を中心として配置されている。第１の導電性部材６
２０の両端部と第２の導電性部材６３０の両端部との間
には、空隙６５０が形成されている。第１の導電性部材
６２０および第２の導電性部材６３０が結合されると、
連続した環状の導電性のリングが形成されることが分か
る。第１の導電性部材６２０および第２の導電性部材６
３０は、その他の導電性部材から電気的に絶縁されるよ
うに本体１５０内に（好ましくは、本体１５０のフラン
ジ１６０内に）形成されている。例えば、このような絶
縁を行うためにひとつまたは複数の絶縁性のスペーサ
（図示せず）が用いられる。

【００６７】第１の導電性部材６２０は、ひとつまたは
複数の電気的な配線（図示せず）によってケーブル２２
（図１）に電気的に接続されていて、第２の導電性部材
６３０も同様にひとつまたは複数の電気的な配線（図示
せず）によってケーブル２２（図１）に電気的に接続さ
れている。したがって、この実施の形態は、ひとつの区
分されたリング構造の中に２個の同中心の導電性のリン
グがあるという電気的な特徴を有する。このことは、好
都合なことに、本体１５０が２個のリングの幅ではなく
ひとつのリングの幅を有することを必要とするので、本
体１５０が導電性のリング部材を受容するための限られ
たスペースを有する場合には魅力的な代わりの設計をお
こなうことができる。

【００６８】この実施の形態のスイッチエンドキャップ
２００は、図８の実施の形態について上述されたのと同
じように本体１５０とかみ合う。例示のみを目的とし
て、第１の導電性要素６００が第１の導電性部材６２０
とかみ合い、第２の導電性要素６１０が第２の導電性部
材６３０とかみ合うものとして説明される。第１の導電
性部材６２０は第１の平坦な接触面６２２を有し、第２
の導電性部材６３０は第２の平坦な接触面６３２を有す
る。スイッチエンドキャップ２００が緊密にしかし回転
可能に本体１５０に連結されたときに、第１の導電性要
素６００が第１の接触面６２２に接触し、第２の導電性
要素６１０が第２の接触面６３２に接触するように、ス
イッチエンドキャップ２００を本体１５０にかみ合わせ
ることで、スイッチ機構１１０（図４）およびハンドピ
ースの本体１５０の間に電気的な接続が形成される。

【００６９】接触部６０１および接触部６１１は、第１
の導電性部材６２０および第２の導電性部材６３０によ
って画定される環状の回転範囲の大部分にわたって電気
的に導通した状態で自由に回転する。より詳しくは、接
触部６０１および接触部６１１のひとつが導電性部材６
２０および導電性部材６３０のひとつと電気的に接触し
ていない唯一の位置は、空隙６３０のひとつである。使
用者がスイッチエンドキャップ２００を本体１５０に対
して回転させると、接触部６０１および接触部６１１
は、対応する第１の平坦な接触面６２２または第２の平
坦な接触面６３２にわたって移動し、次に空隙のひとつ
を越えて、他の第２の平坦な接触面６３２または第１の
平坦な接触面６２２に移動する。

【００７０】この実施の形態のスイッチ機構１１０（図
４）の動作は、上述された実施の形態に関して説明され
た動作と同じまたは類似している。一方、第１の導電性
要素６００および第２の導電性要素６１０は、各々、複
数の接触部６０１および接触部６１１を有するものとし
て説明されたが、各部材に単一の接触部が設けられてい
てもよいことが理解される。要素６００および要素６１
０と部材６２０および部材６３０との間の電気的な経路
によって、スイッチエンドキャップ２００が自由に回転
しスイッチエンドキャップ２００が本体１５０に結線で
接続されていないような形でスイッチ機構１１０（図
４）がケーブル２２（図１）に電気的に接続される。

【００７１】図１０には、この発明の更に他の実施の形
態が例示されている。この実施の形態では、外科用器具
７００が提供される。外科用器具７００は、部分的に示
されたハンドピース７１０と、スイッチ機構７３０をそ
の内部に備えたスイッチエンドキャップ７２０とを有す
る。他の実施の形態のように、外科用器具７００は、好
ましくは、圧電トランスデューサ７１２を収容するハン
ドピース７１０を備えた超音波外科用器具であり、圧電
トランスデューサ７１２は電気的なエネルギーを圧電ト
ランスデューサ７１２の端部を長手方向に振動させる機
械的なエネルギーに変換する。ホーン７１４は、ホーン
７１４に取り付けられた外科用のブレード７１６と共に
圧電トランスデューサ７１２に連結される。したがっ
て、ブレード７１６は、圧電トランスデューサ７１２の
超音波周波数の速度で長手方向に振動する。

【００７２】この実施の形態に基づけば、第１の導電性
のバンド７４０がハンドピース７１０に一部分として提
供される。第１の導電性のバンド７４０は、好ましく
は、ホーン７１４などのハンドピース７１０の内部の部
材の周りに延在する連続した環状のバンドからなる。ハ
ンドピース７１０は、ホーン７１４の周りに延在する連
続した環状のバンドから好ましくはなる第２の導電性の
バンド７５０をも含む。第３の導電性のバンド７６０
が、ホーン７１４の周りに配置されていて、第２の導電
性のバンド７５０は、第１の導電性のバンド７４０と第
３の導電性のバンド７６０との間に配置されている。第
３の導電性のバンド７６０も、好ましくは連続した環状
のバンドからなる。各バンドは、第１の空隙７７０が第
１のバンド７４０と第２のバンド７５０との間に形成さ
れ、第２の空隙７７２が第２のバンド７５０と第３のバ
ンド７６０との間に形成されるような幅を有して配列さ
れている。各バンドは、電気的なアダプターおよびハン
ドピース７１０のケーブル組立体（図示せず）に電気的
に接続されていて、ハンドピース１００へ電力が供給さ
れる。好ましくは、第１の導電性のバンド７４０、第２
の導電性のバンド７５０、第３の導電性のバンド７６
０、電気的なアダプター、およびケーブル組立体を電気
的に接続するために、ひとつまたは複数の電気的な配線
（図示せず）が用いられる。

【００７３】他の実施の形態のスイッチ機構１１０（図
４）とは異なり、この実施の形態のスイッチ機構７３０
は、操作の間に電気的な接続を妨げずにスイッチエンド
キャップ７２０が自由に回転するようなスイッチ機構７
３０およびハンドピース７１０の間の電流を提供すため
の簡単な機械的な機構を有する。スイッチ機構７３０
は、ひとつまたは複数のスイッチボタン部材７８０から
形成されている。複数のボタンスイッチ部材７８０が用
いられる場合、スイッチボタン部材７８０は互いに間隔
をおいて配置され、例えば２つのスイッチボタン部材７
８０が用いられる場合には１８０度離れて配置される。
各スイッチボタン部材７８０は、第１の押し下げ可能部
分７８２と第２の押し下げ可能部分７８４とを有する。
スイッチボタン部材７８０は、中央の枢支点７８６を備
えたロッカータイプ（rocker type）のスイッチから形
成されてよく、スイッチボタン部材７８０が第１の押し
下げ可能部分７８２および第２の押し下げ可能部分７８
４のいずれが押し下げられたかに応じて、枢支点７８６
を中心として回動するようになっている。

【００７４】スイッチボタン部材７８０は、一方の端部
に形成された第１の突出部７９２および反対の端部に形
成された第２の突出部７９４を備えた第１の導電性部材
７９０を有する。スイッチボタン部材７８０は、一方の
端部に形成された第１の突出部８０２および反対の端部
に形成された第２の突出部８０４を備えた第２の導電性
部材８００をも有する。ある例示的な実施の形態では、
第１の突出部７９２、第１の突出部８０２、第２の突出
部７９４、および第２の突出部８０４の各々は、第１の
導電性部材７９０および第２の導電性部材８００のその
他の部分から上向きに延出する歯からなる。

【００７５】この実施の形態は、スイッチとして第１の
導電性部材７９０および第２の導電性部材８００を用い
ることを例示している。第１の導電性部材７９０は、第
１の押し下げ可能部分７８２を含む端部でスイッチボタ
ン部材７８０に取り付けられ、第２の導電性部材８００
は、第２の押し下げ可能部分７８４を含む反対側の端部
でスイッチボタン部材７８０に取り付けられている。好
ましくは、第１の導電性部材７９０および第２の導電性
部材８００は、スイッチボタン部材７８０と同じ幅を有
していて、第１の導電性部材７９０および第２の導電性
部材８００がスイッチボタン部材７８０の下に配置され
る。

【００７６】スイッチボタン部材７８０が解除位置にあ
るとき、第１の突出部７９２は第１の導電性のバンド７
４０の上に位置し、第２の突出部７９４は第２の導電性
のバンド７５０の上に位置している。第２の導電性部材
８００の第２の突出部８０４は第２の突出部７９４とは
反対側で第２の導電性のバンド７５０の上に位置してい
る。第１の突出部８０２は第３の導電性のバンド７６０
の上に位置している。バンド７４０，７５０，７６０は
異なる幅を有するが、第１の導電性部材７９０および第
２の導電性部材８００の両方が第２の導電性のバンド７
５０に係合するので、好ましくは、第２の導電性のバン
ド７５０は第１の導電性のバンド７４０および第３の導
電性のバンド７６０よりも広い幅を有する。

【００７７】操作時には、使用者はスイッチボタン部材
７８０の第１の押し下げ可能部分７８２および第２の押
し下げ可能部分７８４のひとつを押して、超音波発生器
（図示せず）からハンドピース７１０に電流を流して、
ブレード７１６を振動させる。例えば、使用者が第１の
押し下げ可能部分７８２を押すと、第１の突出部７９２
が第１の導電性のバンド７４０に係合し、第２の突出部
７９４が第２の導電性のバンド７５０に係合する。した
がって、電気的な接続が、第１の導電性部材７９０を用
いて第１の導電性のバンド７４０と第２の導電性のバン
ド７５０とを橋渡しすることにより提供される。第１の
押し下げ可能部分７８２がつぶれている間は、第１の導
電性のバンド７４０と第２の導電性のバンド７５０との
間に電流が流れて、ひとつの電気的な経路が完成され
て、ハンドピース７１０に送出される。第１の押し下げ
可能部分７８２が解除されると直ちに、第１の導電性の
バンド７４０と第２の導電性のバンド７５０との間の橋
渡しが除去されて、ハンドピース７１０に電力が送出さ
れなくなる。

【００７８】同様に、使用者が第２の押し下げ可能部分
７８４を押すと、第１の突出部８２が第３の導電性部材
７６０に係合し、第２の突出部８０４が第２の導電性部
材７５０に係合する。したがって、電気的な接続が、第
２の導電性部材８００を用いて第２の導電性のバンド７
５０と第３の導電性のバンド７６０を橋渡しすることに
よって提供される。第２の押し下げ可能部分７８４がつ
ぶれている間は、第２の導電性のバンド７５０と第３の
導電性のバンド７６０の間を電流が流れ、ひとつの電気
的な経路が完成して、ハンドピース７１０へ電力が送出
される。第２の押し下げ可能部分７８４が解除されると
直ちに、第２の導電性のバンド７５０と第３の導電性の
バンド７６０の間の橋渡しが除去されて、ハンドピース
７１０に電力が送出されなくなる。

【００７９】この実施の形態では、第１の導電性部材７
９０および第２の導電性部材８００は、電源に電気的に
接続された２つの対応する導電性部材を電気的に接続す
る橋渡しを提供することによって、スイッチとして働
く。したがって、橋渡しが配置されると、電気的な経路
が完成してハンドピース７１０に電力が送出される。ス
イッチ機構７３０の望ましい構成に応じて、第１の押し
下げ可能部分７８２がハンドピース７１０に第１のレベ
ルの電力を提供するために用いられ、第２の押し下げ可
能部分７８４がハンドピース７１０に第２のレベルの電
力を提供するために用いられる。更にスイッチを提供す
るために、装置７００に導電性のバンドおよび相補的な
導電性部材が追加されてもよいことが理解される。

【００８０】第１の押し下げ可能部分７８２および第２
の押し下げ部分７８４のひとつが駆動されているときス
イッチエンドキャップ７２０が回転する間にスイッチエ
ンドキャップ７２０およびハンドピース７１０の間の電
気的な接続が妨げられないように、スイッチエンドキャ
ップ７２０がハンドピース７１０に対して回転可能であ
ることが理解される。これは、スイッチエンドキャッブ
７２０が回転しているとき対応する第１の突出部および
第２の突出部が導電性のバンドの表面を摺動することに
よって対応する導電性のバンドと係合した状態を続ける
ことによりもたらされる。導電性のバンドは環状の形状
であり、ハンドピース７１０の全体の円周にわたって延
在しているので、スイッチエンドキャップ７２０がハン
ドピース７１０を中心とするいずれの位置に配置されて
いても電気的な接続が保たれる。

【００８１】この実施の形態は、他の実施の形態に比べ
てより簡単なスイッチ機構を提供するが、スイッチエン
ドキャップ７２０は電気的な接続を妨げずに回転し、ハ
ンドピース７１０とスイッチエンドキャップ７２０との
間に結線を必要としない。

【００８２】図１１乃至図１３には、この発明の他の実
施の形態が例示されている。この実施の形態は、スイッ
チエンドキャップ２００がハンドピースの本体１５０と
かみ合わされてそれらの間に電気的な接続が形成される
点に関しては図１乃至図９に例示された実施の形態と等
しい。この実施の形態では、スイッチエンドキャップ２
００は、ハンドピースの本体１５０内に配置された第３
の導電性部材９３０および第４の導電性部材９４０に各
々かみ合う第１の導電性部材９１０および第２の導電性
部材９２０を有する。簡略化のために、図１１は外側の
シェル２０１を取り外したスイッチエンドキャップ２０
０が示されていて、第１の導電性部材９１０および第２
の導電性部材９２０がより良好に示されている。第１の
導電性部材９１０は、スイッチエンドキャップ２００に
形成された第１の空隙またはチャネル９１２内に保持さ
れている。第１のチャネル９１２は、向かい合う第１の
部材９１４および第２の部材９１６の間に配置されてこ
れらの部材によって画定される。第１の部材９１４およ
び第２の部材９１６は、好ましくは、第１の導電性部材
９１０を絶縁する絶縁性部材からなる。図示された例示
的な実施の形態では、第１の導電性部材９１０、第１の
部材９１４および第２の部材９１６は、各々、環状の形
状を有する。好ましくは、第１の導電性部材９１０は、
部材９１４および部材９１６の間のチャネル９１２内に
保持されたＯリングの形態をなす。第１の導電性部材９
１０がチャネル９１２内に配置されたとき、突出部９１
８が部材９１４および部材９１６の外側表面の上に突出
する。この突出部９１８は第１の導電性部材９１０のた
めの導電性の接触面として働く。

【００８３】同様に、第２の導電性部材９２０は、スイ
ッチエンドキャップ２００に形成された第２の空隙また
はチャネル９２２内に保持される。第２のチャネル９２
４は、向かい合う第３の部材９２４および第４の部材９
２６の間に配置されてこれらの部材によって画定され
る。第３の部材９２４および第４の部材９２６は好まし
くは第２の導電性部材９２０を絶縁する絶縁性部材から
なる。第１の導電性部材９１０と同様に第２の導電性部
材９２０は、第２のチャネル９２２内に保持されたＯリ
ングの形態をなす。第２の導電性部材９２０が第２のチ
ャネル９２２内に配置されたとき、突出部９２８が部材
９２４および部材９２６の外側の表面から突出し、この
突出部９２８は導電性の接触面を提供するように設計さ
れている。

【００８４】この実施の形態では、図８に示された実施
の形態のように、部材２３０は導電性部材として働くの
ではなく、ホーン１３０および外科用器具３０を単に受
容する部材をなす。第１の導電性部材９１０および第２
の導電性部材９２０は、各々、ＰＣＢ２９０（図４）に
電気的に接続されて、スイッチ機構１１０の回路の片側
を形成する。第１の導電性部材９１０および第２の導電
性部材９２０の各々とＰＣＢ２９０（図４）との間の電
気的な接続は、第１の導電性部材９１０および第２の導
電性部材９２０をＰＣＢ２９０に配線する方法を含む任
意の技術によって行われる。

【００８５】図１２には、ハンドピースの本体１５０が
より詳細に示されている。この実施の形態では、ハンド
ピースの本体１５０は、ハンドピースの本体１５０が、
スイッチエンドキャップ２００の第１の導電性部材９１
０および第２の導電性部材９２０とかみ合ってスイッチ
エンドキャップ２００およびハンドピースの本体１５の
間の電気的な経路を提供する相補的な導電性の部材を含
むという点に関して、図８を参照して例示され説明され
たハンドピースの本体１５０と同じである。より詳しく
は、ハンドピースの本体１５０は、第１の導電性部材９
１０および第２の導電性部材９２０に各々かみ合う第３
の導電性部材９３０および第４の導電性部材９４０を含
む。ある例示的な実施の形態では、第３の導電性部材９
３０および第４の導電性部材９４０は、各々、ハンドピ
ースの本体１５０のフランジ部分１６０内に配置された
導電性のストリップ（strip)をなす。ハンドピースの本
体１５０が環状の形状を有するので、第３の導電性部材
９３０および第４の導電性部材９４０は同様に環状の形
状を有する。第３の導電性部材９３０および第４の導電
性部材９４０は、互いに電気的に絶縁されるようにハン
ドピースの本体１５０内に配置される。言い換えれば、
絶縁材料から形成されたひとつまたは複数のスペーサ
が、第３の導電性部材９３０および第４の導電性部材９
４０の間に配置される。第３の導電性部材９３０および
第４の導電性部材９４０は各々ケーブル２２（図１）に
電気的に接続されている。

【００８６】図１３に最もよく示されているように、こ
の発明の他の実施の形態では、第３の導電性部材９３０
および第４の導電性部材９４０は、各々、凹部９５０を
含み、この凹部９５０は対応する第１の導電性部材９１
０および第２の導電性部材９２０を捕獲するための保持
構造として働く。第１の導電性部材９１０および第２の
導電性部材９２０は、好ましくはＯリングの形態の導電
性のコイルばねからなるので、リングが圧縮されている
か否かに応じてエネルギーを貯蔵および放出する。スイ
ッチエンドキャップ２００がハンドピースの本体１５０
とかみ合うとき、第１の導電性部材９１０は第３の導電
性部材９３０に形成された凹部９５０内に配置され、第
２の導電性部材９２０は第４の導電性部材９３０に形成
された凹部９５０内に配置される。第１の導電性部材９
１０および第２の導電性部材９２０は、その柔軟な性質
のために、凹部９５０内に受容される回り止め（deten
t）として働く。言い換えれば、最初にスイッチエンド
キャップ２００がハンドピースの本体１５０にかみ合っ
ているとき、第１の導電性部材９１０および第２の導電
性部材９２０は、フランジ１６０の内側の表面によって
圧縮されていて、凹部９５０と出会うと凹部９５０内に
外向きに撓む。したがって、凹部９５０は、電気的な接
続が形成されるように第１の導電性部材９１０および第
２の導電性部材９２０を第３の導電性部材９３０および
第４の導電性部材９４０に対して配置するように働く。

【００８７】この実施の形態では、スイッチエンドキャ
ップ２００およびハンドピースの本体１５０がかみ合っ
たときに緊密に嵌めあわされることが確実となるよう
に、シール９６０が設けられていることが好ましい。シ
ール９６０は、好ましくは、エラストマーなどの弾性材
料から形成される。回転中に、第１の導電性部材９１０
および第２の導電性部材９２０は凹部９５０内を単に移
動するのみで、各々、第３の導電性部材９３０および第
４の導電性部材９４０との電気的な接触を保っているの
で、スイッチエンドキャップ２００およびハンドピース
の本体１５０は互いに相対的に回転可能である。例示さ
れた実施の形態では、ハンドピースの本体１５０を完成
させるために、第１の導電性部材９１０の直径は、第２
の導電性部材９２０の直径よりも小さい。他の実施の形
態と同様に、スイッチエンドキャップ２００およびハン
ドピースの本体１５０の間に電気的な経路が形成される
と、電力が超音波発生器（図示せず）からケーブル２２
を通って次に２つの電気的な経路を通って送出される。
第１の電気的な経路は、第１の導電性部材９１０および
第３の導電性部材９３０によって構成され、第２の電気
的な経路は、第２の導電性部材９２０および第４の導電
性部材９４０によって構成される。唯ひとつの電気的な
経路が用いられても、２つより多くの電気的な経路が用
いられてもよく、各電気的な経路は、一組の相補的な導
電性部材からなることが理解される。

【００８８】この発明の他の側面では、この発明は、か
み合った導電性の接触部に対する破片（debris）および
その他の導電性の異物の効果を減少するための機構が提
供される。表面の酸化、破片およびその他の異物は接触
部の間の電気的な導通を妨げることがある。これらの物
質を取り除くことにより、頑健な導電性の接触が保持さ
れる。この発明では、目的とされる表面の間の頑健な導
電性の接触を再構築するための少なくとも２つの形態の
摩擦を伴う接触／擦り動作（frictional contact/scrap
ing action）がある。第１の動作は、スイッチエンドキ
ャップ２００をハンドピースの本体１５０内に挿入する
ことであり、接触部が互いに係合し十分に安定して配置
されるので、撓みおよび摩擦をともなう接触がもたらさ
れる。第２の動作は、スイッチエンドキャップ２００を
回転させて調節することであり、最初にスイッチを所望
のブレードとの対称性に整合するように配置し、または
使用中に再び配置することにより、接触部の間にぬぐい
落とす動作（wiping action）が生ずる。このぬぐい落
とす動作は、接触部の表面をきれいにぬぐい、接触部を
摩擦をともなってこすることで酸化物がすり落とされ
る。

【００８９】この発明が、その好適な実施の形態に関し
て例示されて説明されたが、この発明の精神および範囲
を逸脱せずに、形状および細部の様々な変更が行えるこ
とは、当業者には理解されるであろう。

【００９０】この発明の具体的な実施態様は以下の通り
である。 （１）前記外科用器具が、外科手術を行うために超音波
振動することを特徴とする請求項１記載のハンドピー
ス。 （２）前記本体が、前記本体内に配置されると共に前記
本体の長手方向の軸に沿って延在するホーン部材を含
み、前記外科用器具が、前記ホーン部材の一方の端部に
取り外し可能に連結されることを特徴とする請求項１記
載のハンドピース。 （３）前記第１の導電性部材が、前記本体内に配置され
た第１の導電性のリング要素を有し、前記第１の導電性
のリング要素が前記第２の導電性部材に緊密に接触し
て、前記電気的な接続が提供されることを特徴とする請
求項１記載のハンドピース。 （４）前記第１の導電性のリング要素が、環状のリング
として接続された複数の導電性のフィンガ部を含み、前
記複数のフィンガ部が、前記スイッチエンドキャップ内
に配置された導電性のボア部材に接触しながら前記ボア
部材に配置され、前記外科用器具が、前記外科用器具の
一部分が前記スイッチエンドキャップを越えて延出する
ように、前記導電性のボア部材を通して形成された開口
部を通って延在することを特徴とする実施態様（３）記
載のハンドピース。 （５）前記本体が導電性材料から形成されていて、前記
本体自身が導電性の本体接触部として働くことを特徴と
する実施態様（３）記載のハンドピース。

【００９１】（６）前記導電性のリング要素が、環状の
リングとして接続された複数の導電性のフィンガ部を含
み、前記複数の導電性のフィンガ部は、前記本体の前記
遠位の端部に形成されたキャビティ内に放射状に間隔を
おいて配置されていて、前記複数の導電性のフィンガ部
は、スペーサ部材によって前記導電性の本体接触部から
絶縁されていることを特徴とする実施態様（５）記載の
ハンドピース。 （７）前記導電性の本体接触部が、前記電気的なケーブ
ルに電気的に接続されていることを特徴とする実施態様
（５）記載のハンドピース。 （８）前記第１の導電性のリング要素が、少なくともひ
とつの配線によって前記電気的なケーブルに電気的に接
続されていることを特徴とする実施態様（３）記載のハ
ンドピース。 （９）前記本体が、前記本体の前記遠位の端部に形成さ
れたフランジ部材を含み、前記スイッチエンドキャップ
の外側のシェルが、前記フランジ部材に取り外し可能に
連結されることを特徴とする実施態様（３）記載のハン
ドピース。 （１０）スイッチエンドキャップが、遠位の端部から近
位の端部まで延在するボアを備えた外側のシェルを含む
ことを特徴とする請求項１記載のハンドピース。

【００９２】（１１）前記スイッチ機構が、前記外側の
シェルに機能的に取り付けられたひとつまたは複数のス
イッチボタン部材を含み、前記ひとつまたは複数のスイ
ッチボタン部材の各々が、第１のスイッチセットおよび
第２のスイッチセットを有することを特徴とする実施態
様（１０）記載のハンドピース。 （１２）前記第１のスイッチセットが最大電力のセット
であり、前記第２のスイッチセットが最小電力のセット
であることを特徴とする実施態様（１１）記載のハンド
ピース。 （１３）前記第１のスイッチセットおよび前記第２のス
イッチセットのひとつを駆動することにより、予め決め
られたコンソール機能のターンオンまたはターンオフが
制御されることを特徴とする実施態様（１１）記載のハ
ンドピース。 （１４）前記ひとまたは複数のスイッチボタン部材の各
々のが、意図せずに前記ハンドピースを駆動することが
ないようにして指を配置するための駆動しない中央領域
を有するように形成されていることを特徴とする実施態
様（１０）記載のハンドピース。 （１５）前記スイッチ機構が、前記スイッチエンドキャ
ップ内に配置された少なくともひとつのプリント回路基
板を含み、前記プリント回路基板が、前記第１の導電性
部材に電気的に接続されていて、前記スイッチ機構を駆
動することにより、前記プリント回路基板に電流が流れ
て、前記外科用器具が振動することを特徴とする請求項
１記載のハンドピース。

【００９３】（１６）前記スイッチ機構が、前記スイッ
チエンドキャップを通して延在する導電性のボア部材に
配置された一組のプリント回路基板と、前記第１の導電
性部材に電気的に接続された一組のスイッチボタン部材
であって、前記一組のスイッチボタン部材の各ボタン部
材は、第１のスイッチセットおよび第２のスイッチセッ
トを有し、前記各ボタン部材は、前記プリント回路基板
のひとつに選択的に接触して、前記第１のスイッチセッ
トを駆動することにより第１の制御信号が発生し、前記
第２のスイッチセットを駆動することにより第２の制御
信号が発生する、前記一組のスイッチボタン部材とを有
することを特徴とする請求項１記載のハンドピース。 （１７）前記第１の制御信号が電源に送出されて前記外
科用器具が最大の電力で駆動され、前記第２の制御信号
が前記電源に送出された前記外科用器具が最小の電力で
駆動されることを特徴とする実施態様（１６）記載のハ
ンドピース。 （１８）前記第２の導電性部材が、前記スイッチエンド
キャップの外側のシェルを通して延在する導電性のボア
部材を有し、前記外科用器具が、前記ボア部材内に受容
されて前記ボア部材を通って延在し、前記第１の導電性
部材が、前記導電性のボア部材および前記外側のシェル
の間に配置された導電性のリング部材を更に有すること
を特徴とする実施態様（１６）記載のハンドピース。 （１９）前記導電性のリング部材が、前記導電性のボア
部材に関して配置されたスペーサ部材に連結されて、前
記導電性のリング部材が前記導電性のボア部材から電気
的に絶縁されることを特徴とする実施態様（１８）記載
のハンドピース。 （２０）前記導電性のボア部材が、金属製の円筒形チュ
ーブからなることを特徴とする実施態様（１８）記載の
ハンドピース。

【００９４】（２１）前記導電性のリング部材が、環状
のリングとして接続されて前記導電性のボア部材を中心
として放射状に配置された複数の導電性のフィンガ部を
含み、前記導電性のフィンガ部は、導電性部材として働
く前記本体に電気的に接触して、前記ケーブルからの第
１の電気的な経路が前記導電性部材として働く前記本体
および前記導電性のリングによって構成され、前記スイ
ッチエンドキャップの回転中に、前記導電性のフィンガ
部が前記本体と接触しながら放射状の経路に沿って移動
することを特徴とする実施態様（１８）記載のハンドピ
ース。 （２２）前記導電性のボア部材が、前記第１の導電性要
素の一部を形成すると共に前記ケーブルに電気的に接続
された複数の導電性のフィンガ部に密接に接触して、前
記ケーブからの第２の電気的な経路が、前記本体の前記
導電性のフィンガ部および前記導電性のボア部材によっ
て構成され、前記スイッチエンドキャップの回転中に、
前記導電性のフィンガ部が前記導電性のボア部材と接触
しながら放射状の経路に沿って移動することを特徴とす
る実施態様（１８）記載のハンドピース。 （２３）前記スイッチエンドキャップの前記遠位の端部
の近くの前記スイッチエンドキャップ内に配置されたシ
ール部材を更に有し、前記シール部材が、ブレードと密
閉係合して、異物が進入して前記スイッチ機構と接触す
るのを防止することを特徴とする請求項１記載のハンド
ピース。 （２４）前記シール部材がリング部材からなることを特
徴とする実施態様（２３）記載のハンドピース。 （２５）前記第２の導電性リングの前記複数の導電性の
フィンガ部が、外向きに付勢されることにより、前記ス
イッチエンドキャップを前記本体に取り外し可能に保持
するための保持機構として働き、前記スイッチエンドキ
ャップおよび前記本体の連結によって、前記導電性のフ
ィンガ部が、前記導電性のフィンガ部によって加えられ
た外向きの付勢力の反動で内向きに撓むことを特徴とす
る実施態様（２０）記載のハンドピース。

【００９５】（２６）前記外科用器具が、外科用ブレー
ド、外科用メス、および剪断器具のいずれかであること
を特徴とする請求項１記載のハンドピース。 （２７）前記第１の導電性部材および前記第２の導電性
部材の各々が、リング接触部からなり、前記リング接触
部が互いに電気的に絶縁されていることを特徴とする請
求項２記載のハンドピース。 （２８）前記第３の導電性部材および前記第４の導電性
部材の各々が、ひとつまたは複数の突出部材を備えた環
状の接触部材からなり、前記第３の導電性部材および前
記第４の導電性部材が互いに電気的に絶縁されていて、
前記ひとつまたは複数の突出部材が、前記第１の導電性
部材および前記第２の導電性部材と係合して、前記第１
の導電性部材および第３の導電性部材の間、および、前
記第２の導電性部材前記および前記第４の導電性部材の
間に電気的な接続を提供することを特徴とする請求項２
記載のハンドピース。 （２９）前記ひとつまたは複数の突出部材が、柔軟な接
触フィンガ部からなることを特徴とする実施態様（２
８）記載のハンドピース。 （３０）前記ひとつまたは複数の突出部材が、接触ピン
からなることを特徴とする実施態様（２８）記載のハン
ドピース。

【００９６】（３１）前記第３の導電性部材および前記
第４の導電性部材が前記スイッチ機構に電気的に接続さ
れていて、前記第１の導電性部材および前記第２の導電
性部材が電源に電気的に接続されていて、前記スイッチ
エンドキャップが前記本体に電気的に接続されていると
きに、前記スイッチ機構を駆動することにより、予め決
められた大きさの電力が前記ハンドピースに送出される
ことを特徴とする請求項２記載のハンドピース。 （３２）前記第３の導電性部材および前記第４の導電性
部材の各々が、リング接触部からなり、前記リング接触
部が互いに電気的に絶縁されていることを特徴とする請
求項２記載のハンドピース。 （３３）前記第１の導電性部材および前記第２の導電性
部材の各々が、ひとつまたは複数の突出部材を備えた環
状の接触部材からなり、前記第１の導電性部材および前
記第２の導電性部材が互いに電気的に絶縁されていて、
前記ひとつまたは複数の突出部材が、前記第３の導電性
部材および前記第４の導電性部材と係合して、前記第１
の導電性部材および第３の導電性部材の間、および、前
記第２の導電性部材前記および前記第４の導電性部材の
間に電気的な接続を提供することを特徴とする請求項２
記載のハンドピース。 （３４）前記ひとつまたは複数の突出部材が、柔軟な接
触フィンガ部からなることを特徴とする実施態様（３
３）記載のハンドピース。 （３５）前記ひとつまたは複数の突出部材が、接触ピン
からなることを特徴とする実施態様（３３）記載のハン
ドピース。 （３６）前記第１の導電性分離部材および前記第２の導
電性分離部材の各々が、分離導電性リングからなり、前
記第１の導電性分離部材および前記第２の導電性分離部
材のうちの一方の前記第１の接触部および前記第２の接
触部の各々が、前記第１の導電性分離部材および前記第
２の導電性分離部材のうちのもう一方の前記第１の接触
部および前記第２の接触部と係合するひとつまたは複数
の突出接触部を有することを特徴とする請求項３記載の
ハンドピース。

【００９７】

【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ハン
ドピース本体、およびスイッチエンドキャップ内に配置
されたスイッチ機構が、電気的な接続を保ちながらスイ
ッチエンドキャップがハンドピース本体の周りを自由に
回転できるように、互いに電気的に接続されているよう
にしたので、使用者、例えば外科医が、スイッチエンド
キャップをブレードに対して最適な位置に配置するため
に、ハンドピースを操作しながらスイッチエンドキャッ
プを回転させることができる効果がある。

【００９８】この発明によれば、シール部材がハンドピ
ース本体内に配置されていて、このシール部材は好まし
くはブレードのシース（sheath）部分と密着して係合し
てシース部分との間に密閉を形成する弾性材料からなる
ようにしたので、望まれない異物がスイッチエンドキャ
ップ内に入ってスイッチ機構またはその他の構成要素と
接触することを防止する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の例示的な実施の形態に基づく超音波
外科用切断および止血装置系のコンソール、ハンドピー
ス、フットスイッチを示す図である。

【図２】ある例示的なハンドピースおよびスイッチエン
ドキャップの部分分解斜視図である。

【図３】ハンドピースの長手方向に沿った断面図であ
る。

【図４】スイッチエンドキャップの長手方向に沿った断
面図である。

【図５】図１の断面線５−５に沿ったハンドピースおよ
びスイッチエンドキャップの断面図である。

【図６】外側表面の一部が取り除かれたスイッチエンド
キャップの拡大断面図である。

【図７】図４の線７−７に沿ったスイッチキャップおよ
びハンドピース本体の間の電気的な接続の部分拡大断面
図である。

【図８】第２の実施の形態に基づく例示的なハンドピー
スおよびスイッチエンドキャップの部分分解斜視図であ
る。

【図９】第３の実施の形態に基づく例示的なハンドピー
スおよびスイッチエンドキャップの部分分解斜視図であ
る。

【図１０】この発明の他の実施の形態に基づく回転可能
な外科用装置の長手方向に沿った断面図である。

【図１１】外側シェルが取り除かれた第４の実施の形態
に基づくスイッチエンドキャップの側面図である。

【図１２】第４の実施の形態に基づく例示的なハンドピ
ースの部分斜視図である。

【図１３】図１１の実施の形態のスイッチエンドキャッ
プと図１２のハンドピース本体との間の電気的な接続の
部分拡大断面図である。

【符号の説明】

１０ 装置系 ２０ コンソール ２２ 第１のケーブル ２４ 液晶表示装置 ２６ 電源スイッチ ２８ 電源「ＯＮ」インジケータ ３０ 外科用器具 ３２ ブレード部分 ３４ シース ３６ ブレード先端 ４０ フットスイッチ ５０ 第２のケーブル ６０ その他のボタンおよび制御スイッチ １００ ハンドピース １１０ スイッチ機構 １２０ 圧電トランスデューサ １３０ ホーン １３２ 遠位の先端 １５０ 本体 １５２ 遠位の端部 １５４ 遠位の端部 １５６ 電気的なアダプター １６０ フランジ部材 １６２ キャビティ １６４ 肩部 １６６ 外側表面 １６８ 隆起部 １７０ フィンガ要素 １７１ フィンガ部 １７２ 第１の部分 １７４ 第２の部分 １７６ 第１のベースリング １７８ スペーサ ２００ スイッチエンドキャップ ２０１ シェル ２０２ 遠位の端部 ２０３ 内側表面 ２０４ 近位の端部 ２０６ 外側表面 ２１０ スイッチ部分 ２１２ フィンガ部分 ２１４ ボタン凹部 ２２０ ボア ２３０ 部材 ２３１ 外側表面 ２４０ シール部材 ２５０ プラットフォーム ２５２ 表面 ２５４ 空隙 ２５８ リップ部分 ２７０ スイッチボタン部材 ２７２ 上側表面 ２７４ フランジ ２７６ 第１の支柱 ２７８ 第２の支柱 ２８２ 第１の隆起部分 ２８６ 凹部 ２８４ 第２の隆起部分 ２９０ プリント回路基板 ２９２ 遠位の端部 ３００ ファスナー ３１０ 第２の導電性要素 ３１１ 接触部 ３１２ 第１の部分 ３１４ 第２の部分 ３１６ ベースリング ４００ 第１の導電性のリング ４０１ 第１の平坦な接触面 ４１０ 第２の導電性のリング ４１１ 第２の平坦な接触面 ４１３ スペーサ ４２０ 第３の導電性要素 ４２１ 電気的な接触部 ６００ 第１の導電性要素 ６０１ 接触部 ６１０ 第２の導電性要素 ６１１ 接触部 ６２０ 第１の導電性部材 ６２２ 第１の平坦な接触面 ６３０ 第２の導電性部材 ６３２ 第２の平坦な接触面 ６５０ 空隙 ７００ 外科用器具 ７１０ ハンドピース ７１２ 圧電トランスデューサ ７１４ ホーン ７１６ ブレード ７２０ スイッチエンドキャップ ７３０ スイッチ機構 ７４０ 第１の導電性のバンド ７５０ 第２の導電性のバンド ７６０ 第３の導電性部材 ７７０ 第１の空隙 ７７２ 第２の空隙 ７８０ スイッチボタン部材 ７８２ 第１の押し下げ可能部分 ７８４ 第２の押し下げ可能部分 ７８６ 枢支点 ７９０ 第１の導電性部材 ７９２ 第１の突出部 ７９４ 第２の突出部 ８００ 第２の導電性部材 ８０２ 第１の突出部 ８０４ 第２の突出部 ９１０ 第１の導電性部材 ９１２ 第１のチャネル ９１４ 第１の部材 ９１６ 第２の部材 ９１８ 突出部 ９２０ 第２の導電性部材 ９２２ 第２のチャネル ９２４ 第３の部材 ９２６ 第４の部材 ９２８ 突出部 ９３０ 第３の導電性部材 ９４０ 第４の導電性部材 ９５０ 凹部 ９６０ シール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・エフ・シュウェンベルガー アメリカ合衆国、45247 オハイオ州、シ ンシナティ、イーグル・クリーク・ロード 8250 (72)発明者 アシュバーニ・ケイ・マダン アメリカ合衆国、45040 オハイオ州、メ イソン、キーンランド・ウェイ 6842 (72)発明者 ウィリアム・ティー・ドノグリオ アメリカ合衆国、45249 オハイオ州、シ ンシナティ、テネガーウッズ・ドライブ 8755 (72)発明者 ロバート・ピー・ギル アメリカ合衆国、45040 オハイオ州、メ イソン、ノッティンハム・ウェイ 9122 Ｆターム(参考） 4C060 FF06 JJ22 KK03 KK04 KK14

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外科用器具のハンドピースであって、 遠位の端部と、前記ハンドピースへ電力を供給するため
   の電気的なケーブルを受容する近位の端部とを備える共
   に、第１の導電性部材を含む本体と、 前記本体に連結されたスイッチエンドキャップであっ
   て、前記スイッチエンドキャップは、前記ハンドピース
   への電力の送出を選択的に制御するスイッチ機構を含
   み、前記スイッチエンドキャップは、前記第１の導電性
   部材とかみ合うことにより前記本体および前記スイッチ
   エンドキャップの間の電気的な接続を提供する第２の導
   電性部材を有し、前記スイッチエンドキャップは、前記
   本体および前記スイッチエンドキャップの間の前記電気
   的な接続を保ちながら前記本体を中心として回転可能で
   ある、前記スイッチエンドキャップと、 前記本体に取り外し可能に連結された外科用器具とを有
   することを特徴とする外科用器具のハンドピース。
2. 【請求項２】 外科用器具のハンドピースであって、 遠位の端部と、前記ハンドピースへ電力を供給するため
   の電気的なケーブルを受容する近位の端部とを備える共
   に、第１の導電性部材および第２の導電性部材を含む本
   体と、 前記本体に連結されたスイッチエンドキャップであっ
   て、前記スイッチエンドキャップは、前記ハンドピース
   への少なくともひとつの機能を選択的に制御するスイッ
   チ機構を含み、前記スイッチエンドキャップは、前記第
   １の導電性部材および前記第２の導電性部材と相補的で
   前記第１の導電性部材および前記第２の導電性部材とか
   み合うことにより前記本体および前記スイッチエンドキ
   ャップの間の電気的な接続を提供する第３の導電性部材
   および第４の導電性部材を有し、前記スイッチエンドキ
   ャップは、前記本体および前記スイッチエンドキャップ
   の間の前記電気的な接続を保ちながら前記本体を中心と
   して回転可能である、前記スイッチエンドキャップと、 前記本体に取り外し可能に連結される外科用器具とを有
   し、 前記スイッチ機構の第１のセットを駆動することによ
   り、前記ハンドピースの第１の機能を選択的に制御する
   第１の制御信号が、前記第１の導電性部材および前記第
   ３の導電性部材を通して送出され、 前記スイッチ機構の第２のセットを駆動することによ
   り、前記ハンドピースの第１の機能を選択的に制御する
   第２の制御信号が、前記第２の導電性部材および前記第
   ４の導電性部材を通して送出されることを特徴とする外
   科用器具のハンドピース。
3. 【請求項３】 外科用器具のハンドピースであって、 遠位の端部と、前記ハンドピースへ電力を供給するため
   の電気的なケーブルを受容する近位の端部とを備える共
   に、互いに分離された第１の接触部および第２の接触部
   を備えると共に前記ケーブルに電気的に接続された第１
   の導電性分離部材を含む本体と、 前記本体に連結されたスイッチエンドキャップであっ
   て、前記スイッチエンドキャップは、前記ハンドピース
   への少なくともひとつの機能を選択的に制御するスイッ
   チ機構を含み、前記スイッチエンドキャップは、互いに
   分離された第１の接触部および第２の接触部を備える第
   ２の導電性分離部材を有し、前記第２の導電性分離部材
   は、前記スイッチ機構と電気的に接続されていて、前記
   第１の導電性分離部材および前記第２の導電性分離部材
   がかみ合うことにより前記本体および前記スイッチエン
   ドキャップの間の電気的な接続が提供され、前記スイッ
   チエンドキャップは、前記本体および前記スイッチエン
   ドキャップの間の前記電気的な接続を保ちながら前記本
   体を中心として回転可能である、前記スイッチエンドキ
   ャップと、 前記本体に取り外し可能に連結される外科用器具とを有
   し、 前記スイッチ機構の第１のセットを駆動することによ
   り、前記ハンドピースの第１の機能を選択的に制御する
   第１の制御信号が、前記第１の導電性分離部材および前
   記第２の導電性分離部材を通して送出され、 前記スイッチ機構の第２のセットを駆動することによ
   り、前記ハンドピースの第１の機能を選択的に制御する
   第２の制御信号が、前記第１の導電性分離部材および前
   記第２の導電性分離部材を通して送出されることを特徴
   とする外科用器具のハンドピース。