JP2002175752A - マイクロリレー - Google Patents

マイクロリレー

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JP2002175752A
JP2002175752A JP2000370719A JP2000370719A JP2002175752A JP 2002175752 A JP2002175752 A JP 2002175752A JP 2000370719 A JP2000370719 A JP 2000370719A JP 2000370719 A JP2000370719 A JP 2000370719A JP 2002175752 A JP2002175752 A JP 2002175752A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数の削減が可能でかつ組み立てが容易
な、半導体プロセス技術を用いたマイクロリレーの構成
手段を提供する。 【解決手段】 磁性体からなるリードフレーム1上に搭
載されたチップ状のシリコン基板2の中央に、長手方向
に着磁された永久磁石3を配置する。永久磁石3の周囲
には、永久磁石3の長手方向中心を支点として回動する
ようにシリコン基板2にシリコンひんじバネ4で支持さ
れたシリコン接点バネ7を介したシリコン回動体5があ
り、その上に、永久磁石を周回するようにパターニング
されたコイル6が形成される。永久磁石3の周囲のシリ
コン基板2には溝部が形成され、コイル6により駆動さ
れる回動部5およびシリコン接点バネ7が回動するため
の空間が確保される。シリコン接点バネ7の先端には可
動接点が形成され、シリコン基板2の回動用空間の底面
には、可動接点に対向する固定接点が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁リレーに関
し、特に、半導体プロセス技術を用いたマイクロマシン
技術(MEMS)により実現したマイクロリレーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電磁リレーの小形化のために最先端のプ
レス、モールド技術が駆使されており、有極型シーソー
バランス磁気回路形リレーでは、現在、0.5cc程度
(=10×5.8×9.0mm)が実現されている。し
かし、機械加工技術を用いた小形化は、ほぼ限界にきて
いる。近年、半導体プロセス技術を用いたマイクロマシ
ン技術(MEMS)により、ミクロンオーダーの微細加
工ができ、大量生産が可能となりつつある。
【0003】この種のマイクロリレーとして、例えば特
開平7−176255号公報には、シリコン基板に平板
状の可動板と該可動板を揺動可能に軸支するトーション
バーとを一体形成することにより電磁リレーの薄型化及
び小型化を図る技術が提案されている。
【0004】図4は、上記公報記載のプレーナー型電磁
リレーの縦断面図であり、シリコン基板102に平板状
の可動板105と該可動板105を揺動可能に軸支する
トーションバー106とを一体形成しており、また、可
動板105の上面周縁部には通電により磁界を発生させ
る平面コイルを設け、下面側には可動接点109を設け
ている。
【0005】シリコン基板102の上下面にはガラス基
板103,104を設け、下側ガラス基板103には、
前記可動接点109と接触可能な固定接点111を設け
ている。更に、ガラス基板103,104の所定位置
に、平面コイルに磁界を作用させる永久磁石113A,
113Bおよび114A,114Bを固定した構成とな
っている。また、この電磁リレーは半導体素子の製造プ
ロセスによって製造している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載のプレー
ナー型電磁リレーでは、リレーチップの左右上下に、少
なくとも2対の磁石が位置決めされて設けられており、
組立時の位置制御が複雑でそのための工数を必要とし、
なおかつ、リレー全体に占める磁石の資材費が大きくな
るという問題がある。
【0007】本発明の目的は、上記問題点に鑑み、半導
体プロセス技術を用いたマイクロマシン技術(MEM
S)により小形リレーを構成するにあたり、部品点数を
削減して、より安価で、組み立てが容易なマイクロリレ
ーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリコンやガ
ラス基板等に、エッチング、CVDなどの半導体プロセ
ス技術やメッキ等の加工を施して実現するマイクロリレ
ーにおいて、1個の磁石から発生する磁束に鎖交するコ
イルが電磁力により回動して接点の開閉を行う構造と
し、また、そのマイクロリレーチップが搭載されるリー
ドフレームは磁性体であり、その一部が、コイルを挟ん
で、前記磁石の磁極面と対向するように切り起こされ
て、磁気回路の一部を形成したことを特徴とする。
【0009】具体的には、半導体またはガラス基板上に
エッチングにより構成された溝部内で、渦巻き状平面コ
イルが回転動作するように2点支持で設置され、そのコ
イルの回動動作に連動するように可動接点ばねが連結さ
れており、可動接点ばね先端に可動接点が設けられ、そ
の可動接点に対向するように固定接点が基板に設置され
ている。
【0010】また、そのコイルの内側には、長手方向に
着磁され基板上に固定された磁石を有している。このリ
レーチップが搭載されるリードフレームは、磁性体で構
成され、その一部がコイルを挟んで磁石の磁極面と対向
するように切り起こされ、磁気回路の一部を形成してい
る。
【0011】磁性体のリードフレームを磁気回路の一部
に利用することにより、永久磁石の磁束を効率よく利用
し、なおかつ、部品点数を削減できるという効果が得ら
れる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態を示す
マイクロリレーの平面図であり、図2はそのA−A線に
沿った断面図、図3はB−B線に沿った断面図であり、
図4はそのシリコン回動部の平面図である。
【0013】図1〜図3に示すように、磁性体で構成さ
れたリードフレーム1上に搭載されたチップ状のシリコ
ン基板2の中央に、長手方向に着磁された永久磁石3が
配置してある。この永久磁石3は、従来技術の焼結や溶
解などで形成した磁石を貼り付けても良いし、またはス
パッタリング等の薄膜成形法を用いて形成しても良い。
【0014】また、永久磁石3の周囲には、図4に示す
ように、永久磁石3の長手方向中心を支点として回動す
るようにシリコン基板2にシリコンひんじバネ4で支持
されたシリコン接点バネ7を介したシリコン回動体5が
あり、その上に、リソグラフ、または、リソグラフとめ
っきにより、銅、または、金などの配線材料により、永
久磁石を周回するように、パターニングされたコイル6
が形成される。
【0015】永久磁石3の周囲のシリコン基板2は、リ
ソグラフ、および、エッチングにより、掘り込まれ、溝
部が形成され、コイル6により駆動される回動部5およ
びシリコン接点バネ7が回動するための空間が確保され
る。
【0016】また、シリコン接点バネ7は、シリコン回
動体5の動作に応じて回動するように、シリコン回動体
5とは剛性連結されている。さらに、シリコン接点バネ
7の先端には、可動接点8が形成され、シリコン基板2
の回動用空間の底面には、可動接点8に対向する位置
に、固定接点9が形成される。
【0017】これらシリコンチップ2に形成されるシリ
コンひんじバネ4、シリコン接点バネ7、シリコン回動
体5は、シリコン基板2とは別のシリコンウエハにボロ
ンを注入して形成し、シリコン基板2に貼り合わせても
よく、また、シリコン基板2のエッチング、埋め戻しお
よび半導体成膜技術等を用いることにより、構成するこ
ともできる。
【0018】また、上述のチップ状のシリコン基板2が
搭載されるリードフレーム1は、磁性材料からなり、そ
のリードフレーム1は、永久磁石3の磁極面と対向する
ように、コイル6および、コイル回動用空間を介して、
一部に切り起こし10が形成されている。
【0019】なお、コイル6および可動接点8の配線
は、シリコンひんじバネ部4を通るパターン配線からシ
リコン基板2周辺部のボンディングパッド11に接続さ
れており、固定接点9については、コイル回動用空間の
底面から壁面を通ったパターン配線で、ボンディングパ
ッド11に接続されている。
【0020】なお、図が煩雑になるため、配線パターン
については、図示していない。これらの、ボンディング
パッド11からは、半導体集積回路と同様、ワイヤーボ
ンディングなどで、リードフレーム1を介して、外部端
子に接続することになる。外部端子への接続は図示して
いない。
【0021】図5は、本発明のマイクロリレーにおける
磁気回路の概略図である。以下、図1〜図5を参照して
本発明のマイクロリレーの動作を説明する。
【0022】永久磁石3から発生する磁束は、コイル回
動用空間を通過して、切り起こされたリードフレーム1
を磁気回路として、リードフレーム1の切り起こし部1
0に流れ、反対方向の切り起こし部10からコイル回動
用空間を通過し、永久磁石3に戻ってくる。2箇所のコ
イル回動用空間には、永久磁石3長手方向の磁束が常に
流れることになる。
【0023】一方、永久磁石3周囲に配置されたコイル
6に通電すると、コイル回動用空間に流れる磁束に垂直
方向の電流が流れることになり、フレミングの左手則に
従う電磁力がコイル6に発生し、コイル6を回動させる
ことになる。たとえば、図1において、永久磁石の左側
が磁極のN極とし、コイル6に右周りの電流が流れる場
合、コイル6の左側は、紙面の手前方向に、コイル6の
右側は、紙面に対して裏方向に力を受け、コイル6およ
びシリコン回動体5は、回転力を得ることになる。
【0024】このとき、シリコン回動体5に剛性連結さ
れたシリコン接点バネ7も回動し、可動接点8と固定接
点9が、接触することになる。一方、この回転力による
変位は、シリコン回動体5をシリコン基板2に支持する
シリコンひんじバネ4を捩じることになり、さらに、接
点8,9が接触した場合には、シリコン接点バネ7を撓
ませることになり、シリコンひんじバネ4、シリコン接
点バネ7の復元力とのつりあい位置で停止する。
【0025】コイル6への通電を停止すると、電磁力が
解消し、コイル6、シリコン回動体5、および、シリコ
ン接点バネ7は、復帰する。また、コイル通電電流を逆
方向にすれば、逆方向の回転力を得、逆方向の接点8,
9を接触させることができる。
【0026】本発明においては、単一の永久磁石のN極
側及びS極側の両方の磁束をフレミングの左手則に従う
電磁力を得るために使用することができるので、効率の
良い回動力を得ることができる。また、単一の永久磁石
の周囲にコイルを配置した構成であるので、構成が簡単
であり、またそれらの位置決めも容易である。
【0027】更に、永久磁石の磁極対向部に磁気回路を
付加し、その磁気回路の機能をリードフレームに兼用さ
せることで、永久磁石から発生する磁力の発散を減ら
し、より一層大きな回転力を得ることができ、更なる効
率化と小型化を図ることが可能となる。図6は、本発明
の第2の実施形態を示すマイクロリレーの断面図であ
る。
【0028】上記第1の実施形態では、コイル6、シリ
コン回動体5、および、シリコン接点バネ7の初期位置
は、シリコン基板2に対して平行であって、両側の接点
とも接触していない状態となっており、コイルへの通電
の方向によって、回動方向を変え、左又は右の接点が接
触するように接点動作を制御しているが、本実施の形態
では、あらかじめ、コイル6、シリコン回動体5、およ
び、シリコン接点バネ7の初期位置をシリコン基板2に
対し、傾けた状態とし、片側の接点8,9が、接触し
た、いわゆる常閉接点を実現している。
【0029】本実施の形態においては、コイル6に通電
することにより、常閉接点を開放し、反対側の常開接点
を閉成させることができる。そして、コイル通電を取り
去れば、初期位置に復帰し、常閉接点が閉成状態に戻る
ことになる。
【0030】この構造を実現するためには、コイル6、
シリコン回動体5、および、シリコン接点バネ7が、シ
リコン基板2に対して平行である第1の実施形態の構造
から、シリコンひんじバネ部4を加熱しながら、コイル
6、シリコン回動体5、および、シリコン接点バネ7を
加圧回動させ、シリコンひんじバネ部4を塑性変形させ
る方法や、シリコンひんじバネ4形成時に、成膜条件を
制御して、シリコンひんじバネ4の応力によるソリを利
用することもできる。
【0031】なお、上記実施の形態では基板としてシリ
コン基板を用いているが、他の半導体またはガラス基板
を用いて構成することも可能であり、シリコン回動体
5、シリコンひんじバネ4、および、シリコン接点バネ
7も他の半導体材料を用いても良い。
【0032】
【発明の効果】本発明は、半導体またはガラス基板上に
エッチング等により構成された溝部内で、渦巻き状平面
コイルが回転動作するように2点支持で設置し、そのコ
イルの内側に、長手方向に着磁され基板上に固定された
一つの磁石を有する構成であるので、部品点数が削減で
き、コイルと磁石との位置決めも容易となる。
【0033】また、リレーチップが搭載されるリードフ
レームが磁性体で構成され、その一部がコイルを挟んで
磁石の磁極面と対向するように切り起こされ、磁気回路
の一部を形成しているので、永久磁石の磁束を効率よく
利用することができ、更なる小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すマイクロリレー
の正面図である。
【図2】図1に示すマイクロリレーのA−A線に沿った
断面図である。
【図3】図1に示すマイクロリレーのB−B線に沿った
断面図である。
【図4】図1のマイクロリレーの回動部を示す正面図で
ある。
【図5】本発明における磁気回路の概略を説明するため
の図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す側断面図であ
る。
【図7】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 磁性体のリードフレーム 2 シリコン基板 3 永久磁石 4 シリコンひんじバネ 5 シリコン回動体 6 コイル 7 シリコン接点バネ 8 可動接点 9 固定接点 10 磁性体のリードフレーム1の切り起こし部 11 ボンディングパッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ状の半導体またはガラス基板の中
    央に固定配置され、長手方向に着磁された永久磁石と、 前記永久磁石の周囲に形成された前記半導体基板の溝部
    と、 前記溝部内に配置され、前記溝部内で前記永久磁石の長
    手方向中心を支点として前記基板面と直交する面内で回
    動可能となるように半導体材料により該基板と一体に形
    成されたひんじバネ、接点バネおよび回動体と、 前記回動体の面上に形成され、前記永久磁石を周回する
    ように配置された渦巻き状平面コイルと、 前記接点バネの先端に形成された可動接点と、 前記基板の溝部底面の前記可動接点と対向する位置に形
    成された固定接点とを備えていることを特徴とするマイ
    クロリレー。
  2. 【請求項2】 前記渦巻き状平面コイルを挟んで前記磁
    石の磁極面と対向するヨーク(磁気回路)を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載のマイクロリレー。
  3. 【請求項3】 前記ヨークは、磁性体で構成されたリー
    ドフレームの一部を切り起こして形成されていることを
    特徴とする請求項2記載のマイクロリレー。
  4. 【請求項4】 前記可動接点は、前記接点バネの長手方
    向両端にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載のマイクロリレー。
  5. 【請求項5】 前記接点バネの初期位置は前記半導体基
    板に対して平行に配置され、前記可動接点は、前記渦巻
    き状平面コイルへの通電方向に応じて、いずれか一方の
    可動接点が対向する固定接点と接触するように構成され
    ていることを特徴とする請求項4記載のマイクロリレ
    ー。
  6. 【請求項6】 前記接点バネの初期位置は前記半導体基
    板に対して長手方向に予め傾けた状態に配置され、前記
    可動接点のいずれか一方が対向する固定接点と接触した
    常閉接点となるように構成されていることを特徴とする
    請求項4記載のマイクロリレー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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